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レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
高句麗語合戦 〜あれは韓国これは日本〜

1 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/06/14(土) 16:41 ID:jWJqQfL6

 とざいと〜ざい。これより皆々様にご披露致しまするは、いにしえの高句麗語の
数々で御座りまする。高句麗は今を去ること1300年以上昔に滅びし古代国家で
御座りまするが、かつては満州西部・沿海州から朝鮮半島北部一帯にかけて
広大な領地を持ち、彼の隋・唐帝国の攻撃すら再三にわたって撃退したことも
あるほどの強いつよ〜い国家に御座りますれば、ニダビトの皆様にとりましては
数少ない「誇らしいですね。サ、サ、サ。」と言える存在なわけで御座りまする。

 ところが、あに計らんや、資料に残る高句麗の言葉をよくよく調べてみますると、
ウリマルには似ても似つかず(それは言い過ぎ)、それどころか、何とな〜んと、
彼のにっくきチョパーリどもの言葉とよく似ているというからさあ大変! 果たして
ニダビトの皆さんは誇りある歴史を取り戻すことが出来るでありましょうか。
      __      /
      iii■    < 乞うご期待!
   ─ー(´∀`)-─   \
   |\@|_Y_|@/|
 .<\__(ωω)__/>

199 名前:197:2003/07/08(火) 18:39 ID:00/b3Uzc

いや、ぜんぜん守りたくないな。
スレを守りたいならオマエごときヘタクソな煽りはスルーするだけのこと(w

荒らしが来るからハン板だの日本史板だのあちこちで宣伝するなと奈々誌場為しにはいったんだが、
人を集めたいとかアホなこといって耳を貸さなかったんだから自業自得だろ。
こうなるのはわかっていたし、あとはお前と遊ぶだけだ(w


200 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/08(火) 18:50 ID:UWl.ef3.

よし、遊ぼうぜ。高句麗語でしりとりでもやるか。

201 名前:娜々志娑无@帰省中 ◆NcNEDmUA:2003/07/09(水) 00:15 ID:AUbZfjP2

>>125 日語商売さん

 実家に帰省している間は辞書類を利用出来ませんので、この週末は
仕方なく原文を入力する作業の方を先にしていたのですが、その過程で
李基文が「三陟郡ハ本悉直国」の例を新羅語の数詞として扱いたがら
なかった理由がようやくわかりました。とりあえず原文を示しますね。

 (1)三陟郡ハ本悉直国ナリ。婆娑王ノ世ニ来降ス。智證王六年、梁ノ天監
   四年ニ為ス/v州ト。以テ/2異斯夫ヲ/1為ス/2軍主ト/1。景徳王改名ス。
   今因ル/v之ニ。(巻三五)
 (2)悉直郡{一ニ云フ司直}(巻三七)

 この悉直国、東洋文庫の井上秀雄の注によれば、今の江原道三陟郡
三陟邑に比定されているのですが、そこは実は旧高句麗の領域内なの
です。旧高句麗領の地名は高句麗語を反映しているというのが李の見解
ですから、それに従えば「3(siet)」は高句麗語ということになり、非常に
(゚A゚)マズーなわけですね。まぁ巻三五の書き方は、高句麗領の郡県に
対しては「〜郡ハ本高句麗ノ〜郡ナリ。」と記すのが原則ですので、(1)の
ような「本悉直国ナリ。」という記述は明らかに異例であることも確かです。
従って、(1)は悉直国であり高句麗ではないから「三陟」も高句麗語の
訓読表記地名ではないのだ、と言い逃れをすることも出来なくもないです
が、巻三七の高句麗州郡県百六十四の中に「悉直郡」として登場すること
もまた確かなわけで、非常に苦しい言い訳であると言わざるを得ませんね。

202 名前:娜々志娑无@帰省中 ◆NcNEDmUA:2003/07/09(水) 00:20 ID:AUbZfjP2

(続き)
 このことと関連してもう一つ指摘しておかなくてはならないことがあります。
実は巻三五と巻三七、内容的には大体対応するのですが、よくよく見比べて
みますと、同一地名であっても漢語表記の異なるものが結構あるのです。
とりあえずアルファベットの大文字を訓読(漢語)地名、小文字を音読地名と
して表わすと、

 ・A県ハ本高句麗ノa県ナリ。(巻三五)
 ・a県{一ニ云フA}(巻三七)

のような書き方であれば、漢語地名Aも音読地名aもともに間違いなく高句麗
時代の地名であると判断出来ますが、

 ・A県ハ本高句麗ノa県ナリ。(巻三五)
 ・a県(巻三七)

だと、a県はともかくA県はもしかすると高句麗時代の地名ではない可能性が
出てきますし、

 ・A県ハ本高句麗ノa県ナリ。(巻三五)
 ・a県{一ニ云フB}(巻三七)

のような例だと、aとBが高句麗地名であることは確かめられても、Aが高句麗
時代の地名であるかどうかはかなり怪しくなってきます。李が『韓国語の形成』
において巻三五よりも巻三七の方を高句麗語の基本資料とすべきであると論じ
ていたのもそういう理由からであったことが、実際に原文を見比べてみたことで
ようやく合点が行ったという次第です。

 もう一度まとめておきますと、巻三五に登場する訓読(漢語)地名は、巻三七
の裏付けがあるものについては高句麗時代のものとして認めてまったく問題
ありませんが、巻三七の裏付けがないものについては、高句麗時代に命名され、
それが統一新羅時代にも使われ続けたものなのか、それとも統一新羅時代に
高句麗地名に新羅語語彙をあてはめたり、または高句麗地名とは一切無関係
に付けたりした地名なのか、その辺をきっちりと判別することは難しいということ
です。もし前者であれば高句麗語資料として高句麗語の音読地名と対比して
高句麗語を再構するのに使えますが、後者の場合はむしろ新羅語を再構する
資料ということになってしまうわけですね。(1)の悉直国=三陟郡などは恐らく
後者の例ということになるのでしょうが、ただそのことをしかと明言出来る証拠
がないので、李は(1)を新羅語数詞「3」の反映例として扱うことに躊躇したのだ
と思うのです。

 ともあれ、この辺の資料性の違いを考慮に入れていなかった村山七郎や
我々は、李から「資料の扱いがぞんざいニダ! 反省しる!」と批判されても
やむを得ませんな。日語商売さんもウリと一緒に反省汁を飲むニダ!(`Д´)ノ旦

203 名前:娜々志娑无@帰省中 ◆NcNEDmUA:2003/07/09(水) 03:47 ID:AUbZfjP2

       ∧         ∧
        / ヽ        ./ ヽ
     /   `、     /  `、
    /      ̄666 ̄    ヽ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    /:::::::::             .\  <  性格の悪いウリと一緒に反省汁を
   /:::::::::: ヽ-=・=-′ ヽ-=・=-′ /   |  飲んでくれる人を募集中ニダ〜
   ヽ:::::::::::::::::   \___/    /     |  ウリはじぇったい諦めないニダ゙〜
    ヽ:::::::::::::::::::  \/     /     \_____________

204 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/09(水) 09:28 ID:E1F9SBJM

>>203
うるせえんだよ。おれと199の関係に口をはさむんじゃねえよ!
てめえは黙って高句麗語について書いてりゃいいんだハゲ!

205 名前:日語商売(休業中):2003/07/09(水) 09:58 ID:fFcSaJ8k

>>201-203
こんな深夜に何してはるんですか先生?w

うむむ・・・資料の扱いが難しいところがあったのですな・・・。
とりあえず、巻三五と巻三七の整合性が良いところから攻めていかないとだめかも・・・。

悉直国=三陟郡について、てっきり新羅地名と思ってきましたが、
実際には高句麗地名の可能性もあったのですね・・・。
そもそもこの国の原住民が韓系か夫余系かわかりませんし。

けっこうクリアしなければいけない問題が多いですね。
というわけで反省汁の御相伴・・・ンアァ(; ´ Д `)ノ旦

206 名前:日語商売(休業中):2003/07/09(水) 10:13 ID:fFcSaJ8k

ところで、専門的な話になりますが、
『音声研究』7-1(2003-04)に福井玲氏の「朝鮮語音韻史の諸問題」という論文が載っています。
ここで問題になったようなことも話題になっているので、一度お読みになることをお勧めします。
当該誌にはその他にも印欧比較言語学、中国語音韻史、日本語音韻史、日本語アクセント史についても
トピックがまとめられた論文が載っていますので、お読みになって損はないと思います。
関係なさそうな分野でも、意外と自分の分野でも使える発想のヒントが隠れてたりしますし。

>>204
まぁ、茶でも飲んでマターリしる。
つ===~~旦

207 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/09(水) 10:23 ID:E1F9SBJM

>>206
ありがとよ!犬汁飲んで、朝から元気いっぱいだぜ!

208 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/09(水) 10:40 ID:AUbZfjP2

>>206 日語商売さん

 むぅ〜、調べてみたニダが、その雑誌は残念ながらウリの職場の図書館には
置いていないようニダ。国立情報学研究所のWebCatで調べてみても、その
雑誌を置いてあるところも近場にはないニダ。田舎はつらいニダね。てなわけで、
特に必要な部分だけで結構ニダから内容をうpキボンヌ。

209 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/07/09(水) 15:58 ID:hhIaWpNc

>>203
反省汁オフ ニダか?
場所にもよりますが、参上しますよ(笑)。

210 名前:ケムール人 ◆9s/SSlUk:2003/07/09(水) 18:45 ID:zWt2ZgcU

>>208

offニカ?

211 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/09(水) 20:03 ID:.2AiOz8M

>>206
英語のほうではサイトー・メサド(笑
とかいうのもありましたね。

なんか人増えてきてる?2ちゃんからかな?

212 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/09(水) 21:46 ID:plsLlasI

悉直国が新羅に滅ぼされたのはかなり遅い時代でしょ。
もともと穢の地の一部だから、独立国としての悉直国は韓人でなく穢人とした方が蓋然性が高い。
穢は、古く3世紀の段階で、言語的には高句麗と類同、政治的にはすでに高句麗に属していたわけだから
「故の悉直国」と表現しても「元は高句麗の県」と表現しても、
少なくとも言語系統的には同じことでしょう。

213 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/10(木) 01:21 ID:cplRAHhs

>>212

 私も悉直国自体は夫餘系の言語を話す人々が住んでいた国であると
考えておりますので、「悉直」という音読地名は高句麗地名と同様に
扱ってよいと思います。ただ、漢語地名の「三陟」の方は、『三国史記』
の記述を見る限りは、高句麗時代の訓読地名に由来するものではなく、
統一新羅時代になって初めて登場した地名であると解されますので、
高句麗語の再構にはちょっと使えそうにないですね。

214 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/10(木) 01:45 ID:cplRAHhs

 ついでに経過報告でもしておきませう。現在、巻三七・三五の原文の
打ち込み&対照までは完了。高句麗地名は総数197になりました。
今はこのデータに漢字音や日韓の対応候補などの情報を付加する
作業をやっていますが、これが中々どうして結構時間がかかりましてね。
現在86まで終了。データを一通り完成させるにはもうちょい時間が必要
なもようです。早くて今度の日曜日くらいかなぁ。そんなわけで、もう
ちょっとお待ち下さいね。

追伸 みにふろのアップローダー、今停止中みたいですね。データの
うpには出来ればこちらを利用したかったのですが…。復活の見込み
はあるのでしょうか。

215 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 09:49 ID:0NAtaWFM

悉直を高句麗語地名と解釈するのもいいんですが、
新羅語からの借用と考えたほうが合理的ではないんですか?
あのあたりは江原道に属している今日でも慶尚方言区に
属していますし。

216 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/10(木) 10:24 ID:cplRAHhs

>>215

 それが、悉直国の近辺に東吐県(江原旌善郡臨渓面)という高句麗地名
独特の地名要素「吐(=堤)」を持つ地名がありますし、もっと南方にも
也尸忽郡(慶北盈徳郡盈徳面)という、これまた高句麗地名独特の地名
要素「忽(=城)」を持つ地名がありますので、一概に新羅語優位の地域
とも言えそうにないんですよね。ただ、この地域は波且県(慶北蔚珍郡
遠南面徳新里)と波利県(江原三陟郡遠徳面湖山里)という、新羅語
patっr(海)と関連付けられる「波(=海)」という地名要素を持つ語が
ここだけに集中して現われるという特徴もありますので、これを新羅語
などの韓系言語に由来するものと捉えることが出来れば、高句麗語の
「内米(=池。本来は大きな水、即ち海の意?)」とバッティングしないで
済みますから、個人的には大変好都合ではありますが(^^;。

217 名前:日語商売(休業中):2003/07/10(木) 12:07 ID:KCOKPw4Q

>>208
あちゃ、置いてませんでしたか。
まぁ日本音声学会というマイナーな学会の機関誌ですからね。
(実はここ7、8年前まではワンマン会長のもと、まるで挿花みたいな(ぉぃ)学会でしたが
その会長がくたば、もとい没後まともな学会になりましたとさw)

目次等はこちらを御参照下さい。
http://www.psj.gr.jp/" target=new>http://www.psj.gr.jp/

で、当該の論文ですが、トピックだけ軽くご説明します。
1.中期語の子音体系
(1)いまの濃音は中期語では二重もしくは三重子音で表記される
これらの子音(複子音)には、sg-, sd-, sb-; bd-, bs-, bj-, bt-;bsg-, bsd- があります。
(g, d, j, b は平音すなわち無気音、k, t, c, p は激音すなわち有気音を表す、以下同じ)
この複子音がどのように発音されたかには、次の2説があります。
 a. s で始まるものは濃音を表し、b で始まるものは b をそのまま発音した
 b. すべてそのまま発音した
福井氏は b. の立場です。
(2)いまの激音の中には、中期語では平音であったものもある
平音→激音の変化を受けたものの中には語末に/h/があったものが多く、その影響であるようです。
(3)有声摩擦音/β,z、γ/があった(γはゼロ子音を表す○で表記され区別されない)
これらは多くは/b, s, g/が有声音間で弱化したものに由来するようです。
(4)音節末ではsも発音された(現代ではtと発音)。
(5)語幹末には/h/もあらわれた。ただし単独形では表記されず、助詞が付いた時のみ現れた。

2.中期語の母音体系
中期朝鮮語の母音体系は推定音価と、母音調和現象がうまく噛み合わないので、
母音推移が起こったとかいろいろ解釈されてきましたが、
最近では舌根部が前に出るか、奥に引っ込むかで解釈する説が有力になっています。
これによると陽母音/∧,a,o/は舌根が奥に、陰母音/щ,∂,u/は舌根が前に寄った母音と規定できます。

3.中期語のアクセント(声調)体系
ここにあまり関係なさそうなので、平声(低調、無点)、去声(高調、左1点)、上声(上昇調、左2点)
があったこと、昇り核アクセント体系だったことをのみ記しておきます。

218 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/10(木) 12:50 ID:d1WTvisU

>>217 日語商売さん

 ありがとう御座います。中期朝鮮語の子音体系については、私は李基文の
説(彼は(1)についてはaの立場)しか知りませんでしたので、勉強になりました。
あの間のsをそのまま発音していた可能性があるとは…。江戸時代に日本に
来た朝鮮通信使の言語を日本人が記録したものの中に、トック(餅)のことを
シトクと記しているという話を聞いたことがありますが、もし福井氏の説通りなら
これもその証拠ということになるかも知れませんねぇ。私は一種の綴り字発音
で、ハングル通りに読んだものだと思っておりましたが…。

219 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/10(木) 12:55 ID:d1WTvisU

>>216

 思うに、悉直国やその周辺は旧高句麗領の中でも南方に属していますので、
このあたりは夫餘系の話者と韓系の話者がモザイク状に入り混じっていたの
かも知れませんね。わずか1例ずつですが、「吐(=堤)」や「密(=3)」が弁韓
の領域にも見えることも知られていますから、その逆だってあってもおかしくは
ないです罠。

220 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 13:47 ID:0NAtaWFM

>>219
ありがとうございます。ついでに満朝にまたがる「ぷよ」という
地名については意味は明らかになっているのでしょうか。
思うに部族名であるので、はっきりした意味は不明になって
いるのではないかと思いますが。

221 名前:日語商売(休業中):2003/07/10(木) 14:32 ID:KCOKPw4Q

>>217のつづき
次の部分で、中期語からさかのぼって古代朝鮮語、朝鮮語の祖語の話になります。
1.複子音の起源
これらはCVCV→CCVの変化により生じたようです。脱落した母音はщ、∧が考えられていますが、
iの場合もあったようです。また bs- が語頭にあるものは、「壊す」という意味のb∧s∧-,b∧zγ-が
前接して弱化したもののようです。
2.激音の起源
これは語末のhの影響や、複子音同様にhVCV→hCVの変化により生じたものが相当あるようです。
いつごろから激音が韓国語にあるかについては、中国語の無気音/有気音の区別が朝鮮漢字音の中に
不規則な形で反映されていることから、漢字音導入時にはなかったとする説と、
不完全ながらも反映されているので漢字音導入時には既にあったとする説があります。
3.有声/無声の区別は存在したか
これは内部証拠で有力な説がないのですが、李基文はアルタイ祖語の有声/無声の対立が
早い時期に合流したと考えています。
福井氏は祖語に有声/無声の区別があったのかについては態度をはっきりさせていません。
ただ、日本呉音は半島から伝わったものとされているが、有声/無声の区別が朝鮮語になかったならば
中国語の清濁の対立を取り入れられなかったはず、とのよし述べています。
4.体言語末の/h/
この起源は今のところ不明。一部は k, g のような子音の名残りか?
先日私が >>141で取り上げた数詞3,4の異形態(先日『李朝語辞典』を入手して調べたところ、
やはり中期語にもありました)も、hの元になった子音の名残りかもしれないとのこと。
5.複雑な語末子音
語幹末には単純な子音だけでなく、複子音や激音のような「複雑な」子音も現れますが、
これの起源も不明。
6.アクセントの起源
これも詳しくは割愛しますが、上昇調や語頭の高調が2音節の短縮に由来すること、
古くはアクセントが弁別性を持たなかったことのみ記しておきます。

>>218
ttokをシトクと表記した資料がありますか。ならば文字どおり発音していた傍証になりますね。
これって日本語のシトギ(粢、団子)と関係あるんでしょうかねぇ?

222 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 15:37 ID:0NAtaWFM

アイヌ語:sito

これは借用語なんだろうなぁ・・・

語末子音が複雑なのはモンゴル語で、ツングース語は逆に単純で
あるものが多かったはず(今の朝鮮語程度に)

有気無気の対応は、たとえば[k']があらわれるのが「快」の一字に
ほとんど限られていたり、p-p'などで特に混同が著しいことから、
今ある有気無気の対応のすべてが存在していたわけではなく、
部分的に存在していたと考えうるのでは。

古い朝鮮語に有声無声が対立したか否かは、
ch'up-ta > ch'uweo (寒い−寒くて)
chop-ta > choba (狭い−狭くて)
のように、ピウプ変格活用とティグッ変格活用にその痕跡が
見られるという説があります。

223 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 16:10 ID:wbmkHE/M

第1案)あのへんは沿岸部なのだから、いってみればどこでも海なわけで
穢人ならば地域を特定するのに海を意味する地名はおかしくないかな。
あのへんは新羅系の漁民が住み着いて開いた土地だとすれば
本国から「海の向こう」「海を渡ったところ」という意味で
「海」という地名がついた理由になるし、新羅系の地名が孤立しているわけもわかる。
あるいは6世紀後半の真興王の北方発展と関係あるかも。

第2案)名前は忘れましたが、有名な学者で、
于珍也県(3世紀の優中国)と波旦県の隣接する2県は
秦(ハダ)氏=太秦(ウツマサ)の元の居住地とみて
倭王武の上表にあらわれる「秦韓」をここに比定する説があります。
(別の学者から珍説として退けられたそうですが)
魏志韓伝の秦人流入説が正しいとして「波旦」は高句麗語でも新羅語でもない
第3言語だったのでは?新羅人が改名する時に元の意味が不明だったので
新羅語の似た言葉を引き当てて「海」と解釈した。

224 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 16:27 ID:wbmkHE/M

弁韓の「吐」や「密」は高句麗語経由でなく、日本語では。
あるいは直接に共通祖語からきてるんじゃないの?

    ┌→高句麗語
共通祖語┼→倭語
    └→弁韓残存地名

225 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/10(木) 17:04 ID:d1WTvisU

>>220

 調べてみましたが、夫餘の語源はわかりませんでした。ネット上では、

http://village.infoweb.ne.jp/~rosetta/wissenshaft/wa.html" target=new>http://village.infoweb.ne.jp/~rosetta/wissenshaft/wa.html

に「聖山もしくは聖獣である「鹿」の意味」とあるのを見つけましたが、それを
裏付けるものが見当たらないんですよね。もしかするとこの説は、夫餘(扶餘)
の別称として「貊」が用いられているので、そこから生まれた説なのではないか
という気がします。ちなみに、『後漢書』の注には「貊」は大きさは驢馬程度で、
形は熊に似、力が強く、鉄を食らう獣と記されているそうです(『大漢和』より)。

226 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/10(木) 17:06 ID:d1WTvisU

>>221 日語商売さん

 ttokの話は、本家でトック=しとぎ説を唱える方がいて、その方が例として
出されたものでして、私自身はそれをまだ確認したわけではありません。
今過去ログを検索して調べてみたら、以下のようにありました。

「延享宝暦度朝鮮人来聘記」によると、通詞言葉の記録があり、
日本語の「餅」に対応する朝鮮語は、「ステキ」と聞こえたようです。
…「朝鮮通信使の饗応」高正リ子p161

 う〜ん。やっぱり記憶だけに頼るとあきまへんな(^^;。シトクではなくステキ
だったとは。ただ、延享宝暦と言いますと、18世紀中頃ですから、中期語と
いうよりはもう近代語に入っている時期ですしねぇ。そのsがかつて実在した
としても、本例の場合は時期的に見てちょっと遅過ぎるのではないでしょうか。
個人的には、朝鮮通辞が意地悪く綴り字発音を教えたか、乃至はシルトック
(蒸し餅)のことを指していたのではないかという気がするのですが、或いは
方言では遅くまでsが残っていて、たまたまそれが記録されたとか、そういった
特殊な事情があるのかも知れません。

227 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/10(木) 17:22 ID:d1WTvisU

>>223-224
>魏志韓伝の秦人流入説が正しいとして「波旦」は高句麗語でも新羅語でもない
>第3言語だったのでは?

 『三国志』の「秦人」云々を信じるならば、第三の言語候補としては、
中国語の一方言ということになるんでしょうかねぇ。

>弁韓の「吐」や「密」は高句麗語経由でなく、日本語では。

 古代における弁韓地域と倭との交流を思えば、そう考えたくもなり
ますし、「密=3」などはいかにも都合のよい例なのですが、「吐=堤」
の扱いが難しいのですよ。>>18にもありますように、こちらは日本語
に対応するものが挙げられないので。強いて言えば「ツツミ(堤)」なの
ですが、本語は「包む」から来ていることがわかっているので、ちょっと
挙げづらいんですよね。

228 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 17:39 ID:0NAtaWFM

日本語の地名で「〜戸(と)」というのは良くある。
「入り口」などという意味で従来は解釈されているけど、
堤の意味で解釈できるものもあるのでは。

229 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 17:45 ID:0NAtaWFM

http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/Koguryo.htm" target=new>http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/Koguryo.htm
高句麗語の語彙集(中国のサイト)
The language of Koguryo (Meguri)

Meguriとは?

230 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 17:46 ID:0NAtaWFM

すまん。229のサイトに、ノートンが反応しまくってる・・・
アクセスしないでください。

231 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 17:49 ID:0NAtaWFM

と思ったけど、やっぱり大丈夫らしい。

232 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/10(木) 18:14 ID:d1WTvisU

>>229

 うおお〜ん。もう既にこんなサイトがあったとは…dる6。

Meguriは高句麗語の呪文を唱えた!
娜々志はやる気が65535下がった!
娜々志は光の中に消え去った!
娜々志は死んでしまった!

〜〜〜〜レ ク イ エ ム〜〜〜〜

コマンド?

やめる△
続ける

233 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 19:08 ID:TVz8oqIo

そういえば、英語その他での、高句麗の一般的名称ってなんだろう。
やっぱKoguryo / Koguryeo なんだろうなぁ。

中国のGaogouliはあまり使われてないようだし。

234 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 19:10 ID:TVz8oqIo

ええっと、上のサイトから「相関連結」でリンクページに飛ぶと、
スクリプトが貼ってあるようなので、そこだけリンク禁止で
おながいします。

235 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 19:17 ID:TVz8oqIo

中国のサイトと思わず書いてしまったけど、台湾なのかな?
実はよくわからない。

236 名前:日語商売(休業中):2003/07/10(木) 20:52 ID:KCOKPw4Q

>>222
あるいは、中国語と朝鮮語で無気音・有気音の質が違っていたのではと考えたこともありました。
例えば、朝鮮語の有気音の方が中国語の有気音より強く発音され、とくに kh で強かったので、
中国語の kh は韓国語では k に聞こえた、こんな風に。
ただ、中期語では固有語でも激音が現れる語彙が少なくて、特にkhで始まるのは数語しかないんですよね。
あまりに分布がいびつなので、もしかすると一種の2重子音だったのかもしれないと思ったりしてます。

p-ph の混同については変な特徴があって、例えば中国原音で pa でも pha でも朝鮮漢字音では pha になる、
というように、頭子音の気音の有無しか違わない漢字音は、朝鮮漢字音では同じになってしまうことが
多いのです(このとき p になるか ph になるかは一定してません)。
なぜこんな現象があるのか、河野六郎氏もわからないと言っています。

p変格活用やt変格活用に痕跡を求める説もあるのですね。
これについてはアクセントや長母音の痕跡で説明していたものを読んだ覚えがあり、
それでいいものと思っていましたが、この説にも膝を打ちました。

237 名前:日語商売(休業中):2003/07/10(木) 21:07 ID:KCOKPw4Q

>>229
おおう!これよく見たら、以前あっしがブクマクしておいた「大金帝国文字網站」の一部ではありませんか!
ここ満州語を中心に、トルコ語、モンゴル語、ツングース語、朝鮮語、日本語、琉球語などの
資料を載せてるたーいへん重宝するページなんですわ。
ただ、サイトマップを例の怪しいスクリプトのあるリンクページと兼用している
(マカーなので気にせず悠々アクセスしてましたが大丈夫ですた)のと、
サイトを作ってる人がよくわからんのが痛恨ですな。

238 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 22:02 ID:37DaTcbs

>>227
「吐」(=堤)は水を止める、水止めの「と」ではないかな。
つつみ(堤)は国内独自に発生した派生語ということで。

239 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/10(木) 23:38 ID:d.Hfkrso

>>229, >>232
そのサイトなら一年近く前に言語系電波スレで紹介した記憶があったりします。
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1010584644&st=459&to=459&nofirst=true" target=new>http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1010584644&st=459&to=459&nofirst=true
いや、それが言いたいんじゃなくて、
このページみたいにHTMLでデータを公開したら便利だと思うんです。
掲示板の過去ログやCVSでは何かと不便ですから。

240 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/11(金) 00:03 ID:36G9raO.

>>239

 失礼しました。既にあのスレで紹介下さっていたところのですね。あの当時は
これほどまで高句麗語に入れあげることになるとは夢にも思っていなかった
もんですから、すっかり見落としておりました。

>このページみたいにHTMLでデータを公開したら便利だと思うんです。

 >>232ではああ言っておりますが、作業は続けております。幸い、あの程度
ではとてもとても高句麗語の全データを網羅したとは言えないということが、
実際の作業を通して十分に理解出来ましたから。今回作成したCSVデータは
勿論公開するつもりですが、html化した方がいいですかねぇ。まぁとりあえず
データを完成した上で(ここ重要)、改めて皆様にご相談するつもりですが。
現在120。金土の2日間で何とか完成にまで持って行きたいですね。

241 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/11(金) 09:45 ID:DMy0WEns

>>236
朝鮮漢字音で h で始まるものが、日本ではことごとく k になっている
ことからも、かつてのヒウッはモンゴル語のような強い喉音だったんでしょうね。
今じゃ随分まろやかな音になりましたが。語中じゃ脱落するし。

有気無気の混同は、やっぱり層の問題としてとらえるべきなんでしょうね。
古い時代にはすべて無気音として漢字を導入していて、新しい時代には
それらを弁別できるようになった。

そのわりには古い時代に受け入れたはずの文字「八」に p' が
あらわれているんですが・・・もしかして上古音のbrad*までさかのぼる
形・・・?w
打 [t'a] 双 [ssang] 氏 [ssi]
なんてのも気になる。氏は -s-si > ssi という変化もありえるけど、
意味が音に変化を及ぼした例ではないだろうか。

242 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/11(金) 10:53 ID:DMy0WEns

「つつみ」の意味である「土、吐」が、日本の地名に取り入れられている
可能性はないものか。土、吐、戸は全部乙類のト。

ト[戸、門]そのものの使い方としては 角川古語大辞典では
1 家の外郭にある出入り口。
2 山と山とが迫って門のようになっている地形の所
3 岸と岸とが迫って門のようになっている地形の所。瀬戸。
4 出入り口・門・窓などに建てるもの。戸。

このうち2、3が高句麗語が化石語的に残ったものである可能性があるとすれば、
「江戸」も高句麗語の地名だ!w

ちなみに「トビラ」の意味の新羅語は「ト」だったような。

243 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/11(金) 12:37 ID:xVi2q..U

>>242

 それは加羅語じゃありませんでしたっけ。原文ではまだ確認出来て
いませんが、『三国史記』に、

   栴檀梁 城門名 加羅語謂門為梁

てぇのがあるそうですよ。「梁」は朝鮮語の訓読字で「dol」と読むので、
加羅語では「門」のことを「dol」と言っていたことがわかります。李は
本語を日本語の「ト(戸・門)」や満州語「duka(門)」などと対比させ、
かつて弁韓に夫餘系の言語を話す集団がいたことの証拠の一つと
しています。

244 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/11(金) 20:23 ID:PywS.JR6

同じ話題ばっかり引きずって申し訳ないのですが・・・

「登戸」なんて地名は、くさいと思ってしまうのです。
近くにある駅は「稲田堤」だし。

245 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/11(金) 23:53 ID:36G9raO.

 根を詰めて作業した結果、予定よりも早く、本日のうちに完成しますた。
さすがに疲れますた。仮データとは言え、簡単に見直しをしておきたいの
ですが、今日はもうだめ。目がしょぼしょぼしているし、根気も続きません。
そっちの方は明日にして、今日はもう上がります。

 ところで、みにふろアップローダーは相変わらず使えないようなんです
が、どっか適当なアップローダーはありませんかねぇ。

246 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/12(土) 10:17 ID:W9EG4h4w

>>245
ここは?
http://up.isp.2ch.net/upload/c=03okari/index.cgi" target=new>http://up.isp.2ch.net/upload/c=03okari/index.cgi

247 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/12(土) 13:40 ID:RdLLqDWg

>>246

 ありがとうございます。早速投稿しますた。

http://up.isp.2ch.net/up/3ae493f18633.lzh" target=new>http://up.isp.2ch.net/up/3ae493f18633.lzh

まだまだ荒削りなデータでつが、皆さんとのやり取りの中で磨いて
行ければと思っておりまつ。データはcsv形式ですから、お手持ちの
データベースソフト(エクセルとか)に読み込んで頂ければ見やすく
なると思いまつ。もしその手のソフトをお持ちでない場合は、

ttp://hp.vector.co.jp/authors/VA015850/software/camellia.html

上のフリーソフトが中々便利なようでつ。では、ご意見ご要望など
お待ちしておりまつ。

248 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/13(日) 12:29 ID:3CRrBhXE

とりあえずおつかれさまです。あとで見てみますね。

249 名前: :2003/07/14(月) 04:33 ID:Hxw/bdZE

落とせませ〜ん。(汗)

250 名前:223:2003/07/14(月) 05:57 ID:6eBJAAoA

>>223
>名前は忘れましたが有名な学者で

↑思い出しますた。山尾幸久だた。

>>225
夫餘は、匈奴(フンヌ)、狛、貊、発、(すべて北方の異民族)と同語源では。
ハヤトとも関係あるかな。

>>227
中国語の一方言というとあまりに多様すぎて特定したことにならないように思うのですが。
それで韓に流入した秦人の言語ですが、前漢時代の長安方言(秦語)とする説が一応、
穏当ではありますが、中国には、何か得体の知れない少数異民族と混淆した少数方言が
やたら存在したのではないかと思いますので、それを考慮するとお手あげです。
私が「第3言語」といったのは「とにかく高句麗語ではないので詮索を断ち切りましょう」
というニュアンスもあります。



251 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/14(月) 09:27 ID:myJTlJJE

>>250
東夷語という可能性はありますな。
チベット・ビルマ系といわれますが。
朝鮮語の基礎語彙になんとなくチベビ系の香りがするのはそのせいかも。

252 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/14(月) 13:50 ID:PbtsJoJA

>>249

 あれれ。確かにもう落とせなくなってますねぇ(汗)。落ちるのが早いなぁ。
ほかにどこか適当なアップローダーをご紹介頂ければ再うpしますが。
ただ、今後頻繁に改訂することを考えたら、Geocitiesの垢でも取って
そこにうpするようにした方がいい鴨知れませんね。

253 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/14(月) 14:24 ID:PbtsJoJA

 Geocitiesの垢を取りますた。

ttp://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/

 高句麗語ファイルのurlは以下の通りでつ。

ttp://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/koukurigo.lzh

254 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/17(木) 01:50 ID:CbQcaBek

 何かこちらは急激に閑古鳥が鳴いておりますなぁ(泣)。
もしかして、気付かないうちにとんでもない地雷でも踏んで
しまったのか知らん。

 ともあれ、現在の活動報告でもしてお茶を濁しておきますか。
現在、私は百済地名に対しても高句麗地名と同様のデータを
作成中です。景徳王時代の新羅の地名命名方針は、旧高句麗
領も旧百済領も基本的に同じはずですから、百済地名も少しは
参考になるのではないかと考えて始めたわけですが、ちょっと
調べてみただけでも、なかなかおもしろい結果が出てきますた。
まぁ具体的なことはデータが出来上がってから指摘したいと
思っていますが、現段階で言えることは、新羅の地理誌(巻34
〜36)にのみ登場し、高句麗及び百済の地理誌に相当する
巻37には登場しない漢語地名、言い換えれば、高句麗や百済
の時代に既に存在していたかどうか判別出来ない地名は、原則
として新羅語が反映したものとして扱った方がよいのではないか
ということです。>>201-202でも指摘しましたが、やはり高句麗語
や百済語を再構する上では、巻37を中心資料とし、巻35や
巻36はあくまでも補助的資料としてとどめておくのがよいよう
に思われます。残念ながら、過去に先学によって再構された
高句麗語語彙の中にも、この種の新羅語語彙がいくつか含まれ
ている可能性が高いと推測されますので、日韓両語と高句麗語
との関係を正確に把握するためには、まずはこの種の不純物
(高句麗語の皮をかぶった新羅語)を徹底的に除く必要がある
でしょうね。尤も、実際問題としてはそう簡単には行かない場合
も少なくないでしょうがね。

255 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/17(木) 09:49 ID:hUlWmSLM

その場合の「漢語地名」というのは、
原則的に新羅語の訓で読まれていたという意味ですね。
朝鮮の中に楽浪などの漢人が定着して、漢語地名が定着したという
例などはないでしょうか。秦人というのも、単に韓からみた「中国」の
というだけの意味であって、実際は漢王朝の時期に定着した人々
という考えはできないでしょうか。

256 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/17(木) 10:03 ID:e5cSs2Gk

>>254
早速頂きました。多謝!多謝!
それにしても、「性格が悪い」と言われた事がこたえたようですな(笑。

257 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/18(金) 00:21 ID:VPkw/3Yo

>>255
三国志の韓伝にあらわれる秦人に限っていえば、実は楽浪以下四郡設置にともなって
やってきた植民中国人(長安(=秦)の言語を標準語とした前漢代の中国人)とする解釈が
もっとも妥当な感じがする。
しかしそれなら弁韓・辰韓に一般的な人々として存在してもよさそうに思う。
実際にはそれらの漢人(楽浪系ではなくて真番郡時代の中国人)は
先住民に早くから同化されてしまったわけで、
それとは別個に「秦人」というマイノリティーが存在したようでもあり、
よくわかりませんね。もう残存史料の限界かと。

258 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/18(金) 07:36 ID:Mz.7XMlM

「もと高句麗の〜〜県」という表現だけど、
これは統一新羅の全9州が「三国統一によってできた」というイデオロギーのもとに
北部の3州を旧高句麗領、西部の3州を旧百済領と三分の一づつ機械的に割り振っただけで、
あんまり厳密に考えてもしょうがないんじゃないか?
実際には新羅語・百済語・高句麗語がもっと入り乱れているのでは。

それからずっと気になってたんだが、三国史記の「尸」は「シ」じゃなくて
「廬」に似た字の略字で音は「ル」でしょ。
「心岳城=居尸押」の「居尸」はコシじゃなくてコル(=こころ)
阿尸伽耶もアシカヤじゃなくてアルカヤ(安羅加羅)。

それから娜々志娑无先生のHPのトップにあるリンクに
「教えてくんスレ」も加えておいてほしいのですが。



259 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/18(金) 12:48 ID:FEM6qxrU

>>255
>その場合の「漢語地名」というのは、
>原則的に新羅語の訓で読まれていたという意味ですね。

 その通りです。ただ、そうやって一旦成立した地名はその後は原則として
音読されただろうと思いますが。

>秦人というのも、単に韓からみた「中国」の
>というだけの意味であって、実際は漢王朝の時期に定着した人々
>という考えはできないでしょうか。

 そういう可能性も十分にあると思いますね。三韓時代に朝鮮半島で使用
され、その後日本にも伝わった漢字音(古韓音)は秦代ではなく2〜3世紀頃
の漢代の漢字音であるという研究者もいるようですし。

260 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/18(金) 13:47 ID:FEM6qxrU

>>258
>これは統一新羅の全9州が「三国統一によってできた」というイデオロギーのもとに
>北部の3州を旧高句麗領、西部の3州を旧百済領と三分の一づつ機械的に割り振っただけで、
>あんまり厳密に考えてもしょうがないんじゃないか?

 実際に調べていくうちに、実は私もそんな気がしてきました(笑)。少なくとも
高句麗の南部の地名に関しては、高句麗語ではなく韓系の言語が反映して
いる可能性もカナーリありそうです。

>三国史記の「尸」は「シ」じゃなくて
>「廬」に似た字の略字で音は「ル」でしょ。

 李基文は『韓国語の歴史』で以下のように述べています。

   「尸」(中古中国音 si、東音 si)は、郷歌の「日尸」(nar 日)、「道尸」
   (kir 道)、その他の例でも見られるようにrを表わした。「叱」(東音c†r)
   は主として音節末のs表記に用いられ、「只」(中国中古音tsie、東音ci)
   は、新羅語表記ではkiを表わしたものと信じられる。(吏読の伝統でki
   と読まれていることが参考になる。)(中略)「尸、叱、只」等の音読の
   根拠はまだ明らかにされていない。「[方+(ム/ト)]」(引用者注:「彌」の
   略字)が実証するように、新羅語表記には略字が存在するので、これら
   も略字ではないかという仮説が従来あったが、このような仮説の証明は
   なされていない。

 私も「尸」は「屡(中:lιu)」、「只」は「枳(中:kie)」の略字ではないかと
疑っていますが、地名表記の「尸」や「只」の中にはもしかすると略字でない
ものも混じっている可能性もあるかも知れないと思いましたので、とりあえず
機械的に本字として扱いました。変えるのはすべて略字として扱えるという
ことが確定してからでも遅くないですしね。

>それから娜々志娑无先生のHPのトップにあるリンクに
>「教えてくんスレ」も加えておいてほしいのですが。

 そのように致しました。その他にもご意見・ご要望などありましたらどんどん
どうぞ。せっかくホームページを作ったのですから、出来るだけ充実させたい
ですもんね。

261 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/19(土) 03:47 ID:0aYLyC.k

基本的にもともとが誤字だらけだった可能性もないでもないのだから
「魯魚草章の誤り」が生じそうなのはすべて考慮しつつ
比定されるべき類似言語を探しあててほしい。
最初から全項目そうした上で表にすると、かなり充実した感じになるのでは。

262 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/19(土) 10:05 ID:mBvgLAII

任那日本府について
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/history/1030968865/l50" target=new>http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/history/1030968865/l50

古代新羅帝国を語ろう
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/whis/1034352513/l50" target=new>http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/whis/1034352513/l50

百済はアジアのローマ帝国なり
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/history/1004335573/l50" target=new>http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/history/1004335573/l50
【歴史】奈良百済って一体何???【捏造】
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/whis/1050959182/l50" target=new>http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/whis/1050959182/l50

高句麗の言葉が
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/whis/987824592/l50" target=new>http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/whis/987824592/l50
★◆コマ国は高句麗ではない◆★
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/history/1054447079/l50" target=new>http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/history/1054447079/l50

◆◆渤海国について語ろう◆◆
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/whis/1043509346/l50" target=new>http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/whis/1043509346/l50

高句麗・百済・新羅・任那って、同一民族なの?
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/history/1000047879/l50" target=new>http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/history/1000047879/l50
古代新羅語、百済語、高句麗語を語ろう
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/whis/1026558237/l50" target=new>http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/whis/1026558237/l50

263 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/22(火) 19:35 ID:dApaJjr6

 最近、スレが過疎気味なので、その対策を兼ねて皆さんに一つ提案したい
のですが。巻37の高句麗地理誌にまとまって登場する高句麗地名は全部で
197(実際には高句麗の歴史と地理の概略を述べた前文部分にいくつかこれ
以外の高句麗地名が登場しますが)です。そこで、このスレでこれらの高句麗
地名を5つずつ取り上げて、新たに付け加えるなり修正するなりしなくてはなら
ない事柄がないかどうか、逐一チェックして行くというのはいかがでしょうか。
5つずつなら40レスで済みますし、1回につき5レス程度付いたとしても、ざっと
240レス程度で終わります。その後でまとめに入れば、より信頼の置ける結果
を得ることが出来るでしょう。そりゃあ私だって早く結果を出してしまいたいのは
山々ですが、大体この手の仕事は小さなことからこつこつと((C)西川きよし)
地道にやって行くことが肝心ですからね。以上、宜しくご検討下さい。

264 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/22(火) 20:40 ID:eSOUL30o

それもいいけど、新羅語篇や百済語、カヤ語篇もじゃんじゃん進めてほしい
今日この頃。自転車は、走っていれば倒れないと申します。

265 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/22(火) 21:08 ID:vfmvBnWg

>>264

 いや、そうおおせられましても、私とて宮仕えの身。趣味の領域にそうそう
時間を割くわけにはいかないのでつよ(^^;。スレ主としての責任があります
から、高句麗編はそれこそ本業を二の次にして馬力をかけてやりましたが、
8月からは本業の方の調査・分析を優先しないといけません(さすがに私も
このご時世に馘首にはなりたくないんでつよ)ので、しばらくはこちらの方に
専念出来ないのでつ。そんなわけで、当分の間はあまり負担のかからない
高句麗編のデータ整理(これも十分意味のある作業であることは>>262
述べました通り)などをやりつつ、仕事の方が一段落ついたら百済・新羅・
加羅編に取り掛かるという感じでやらせて頂きたいのでつ。何せこちらの方
は日本書紀の古訓なども参考に出来る分高句麗編より恵まれているわけ
でつが、それだけ作業も面倒臭くなること必定なので、すぐにというわけには
行きません罠。ほんと、こういう時は体が二つ欲しくなりますな。せめてあの
パーマンのコピーロボットがあればねぇ…。

266 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/23(水) 19:33 ID:gBmKiuvk

そうですね。じゃあちょっとずつ検証作業ということで。
現代朝鮮語、満州語、オロチョン語、アイヌ語あたりと比較しつつ
のんべんだらりとやってみたいですな。

かかるのちに「高句麗語はギリヤーク語だった!」なんて結論が
出るかもしれないw

267 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/23(水) 23:20 ID:zVwTagVs

 それでは早速始めませうか。整理番号001より005まで。

001,漢山州,漢州ハ、本高句麗ノ漢山郡ナリ。新羅取ル/v之ヲ。景徳王改メテ為ス/2漢州ト/1。
今ノ広州ナリ。,京畿広州郡広州面,×,×,×,×,※漢字の省略のみ

002,国原城{一ニ云フ未乙省。一ニ云フ託長城},中原京ハ、本高句麗ノ国原城ナリ。新羅
平グ/v之ヲ。真興王置ク/2小京ヲ/1。文武王ノ時築城ス。周二千五百九十二歩。景徳王
改メテ為ス/2中原京ト/1。今ノ忠州ナリ。,忠北忠州,国原=託長=未乙?(中:mιu∂i-
・ιet);城(中:зιεη)=省(中:s^i¨Λη),ナシ,ナシ,ナシ,※高句麗漢字音:城≒省?

003,南川県{一ニ云フ南買},黄武県ハ、本高句麗ノ南川県ナリ。新羅并ス/v之ヲ。真興王
為シ/v州ト、置ク/2軍主ヲ/1。今ノ利川県ナリ。,京畿利川郡利川邑,南=黄?;川=買
(中:mai)≒武(中:mιu),古代日本語「mi1(水)」,後期中世語「mщl(水)」,中世
蒙古語「mo¨ren(江・海)」;ツングース諸語「mu(水)」;満州語「mu-ke(水)」,

004,駒城{一ニ云フ滅烏},巨黍県ハ、本高句麗ノ駒城県ナリ。景徳王改名ス。今ノ龍駒県ナリ。
,竜仁郡駒城面,駒=滅烏?(中:miεt-・o);駒(中:kιu)≒巨(中:gιo);城(中:
зιεη)≒黍(中:∫ιo),ナシ,ナシ,ナシ,※「滅烏」は「馬(中:ma)」の高句麗漢字
音?→参考:呉音「メ」。※「黍」ー[禾/火](東)※新羅漢字音:駒≒巨;城≒黍

005,仍斤内郡,槐壌郡ハ、本高句麗ノ仍斤内郡ナリ。景徳王改名ス。今ノ槐州ナリ。,忠北
槐山郡槐山面,槐=仍(中:ni∂η);木=斤(中:kι∂n);壌=内(中:nu∂i),古代
日本語「ki2〜ko2」;古代日本語「na(国・大地)」,新羅語「nu¨(世)」;新羅語「nu¨ri
(世)」;後期中世語「na-rah(国)」,南方ツングース諸語・満州語「na(土地)」,※非三七

268 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/24(木) 00:56 ID:pxVW97ZY

 001は漢山州から漢州への改名ですから、短縮しただけの改変ということで、これ
からは特に何の情報も得られません。

 002は高句麗地名の「未乙省」の「省」と「国原城」「託長城」の「城」の対応が興味
深いですね。見たところ、この「省」は「城」の漢字音を表記しているようですが、
片や無声音、片や有声音ですから、もしそうなら、高句麗漢字音では有声/無声
の区別が存在しなかったということになるわけです。もちろんたった1例だけでは
とても信頼が置けませんが、「城」と「省」が対応する可能性のある例は実はもう
1例あります。034で「買省」と「馬忽」が対応するのですが、「忽」は高句麗地名では
「城」に対応する音読表記ですから、「馬忽」は「馬城」とも表現可能です。そこで
「買省」の「省」も実は「城」の漢字音を表わしている可能性が出てくるわけです。

 003は「川」と「買」との対応が注目されます。「買」は中古音では「mai」ですが、
024で「買召忽」と「弥鄒忽」が、041で「内乙買」と「内尓米」が、それぞれ対応する
例があり、「弥」は中古音「mie」、「米」は中古音「mei」ですから、高句麗語の「川」
の再構語形としては「miei」のようなものを想定したくなりますね。ちなみに、新羅
地名「黄武」の「武」は高句麗地名の音読表記に基づいて類音の「武」を宛てたか、
それとも訓読地名「南川」の「川」を新羅語で訓読(中期朝鮮語は「mщl」)し、それ
に「武」を宛てたかしたものでしょうね。

269 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/24(木) 00:56 ID:pxVW97ZY

 004は「駒城」と「滅烏」が対応していますが、対応関係は不明です。音読地名は
「滅烏」の方でしょうから、一応「駒」と「滅烏」が対応すると考えられます。備考では
「滅烏」を「馬」の高句麗漢字音か、としましたが、もしかするとこれは漢字音ではなく、
高句麗語の「馬」を意味する単語なのかも知れません。今手元に『李朝語辞典』が
ないので確認出来ないのですが、確か中期朝鮮語では「馬」は「mal」ではなかった
かしら。「滅烏」の中古音は「miεt-・o」ですが、t入声は朝鮮漢字音ではlになります
から、高句麗漢字音でも同様だったとすると、「滅烏」は「miεlo」のような語形に
なり、朝鮮語語形とかなり近づきます。新羅地名の「巨黍」は高句麗の訓読地名
「駒城」の漢字音をもとに命名したもののようですが、清濁の違いが見事に無視され
ているのはいかにもという感じがしますね。

 005は高句麗地名が音読のものしかないため、新羅地名と対応させるしかない例
ですが、漢語「壌」と「内」の対応は高句麗地名ではごく普通に見られるものなので、
一応この新羅地名も高句麗地名に準じて取り扱ってもよさそうな感じです。さてそう
なると、残った「槐」と「仍斤」も対応させてよさそうですが、こちらは残念ながら確証
がありません。ただ、021の「栗木」と「冬斯[月+兮]」の対応や、161の「伊火兮」と「椽
(たるき)」の対応等から高句麗語の「木」を意味する語として「[月+兮]・兮」を取り出す
ことが出来ますので、「仍斤」の「斤」も同様に取り扱えそうです。てなわけで、少なく
とも本例については、新羅地名を高句麗地名に準じて取り扱ってよいのではないで
しょうか。

270 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/24(木) 01:26 ID:pxVW97ZY

>>269

 自己レスですが、「馬」を意味する中期朝鮮語の語形は「mΛl」ですた。
そして、それよりも興味深いのが、「馬」がモンゴル語では「mori(muri)」、
満州語では「morin」と、いずれも二音節の語になっているということです。
004では「駒」と「滅烏」が対応するものと仮定した上で、「滅」のt入声をlと
して「miεlo」という語形を再構し、これが「馬」を意味する高句麗語である
かも知れないとしましたが、どうもこの推定は当たっている可能性が高そう
です(w。ただ、再構語形としてはlをrに変えて「miεro」とした方がいいで
しょうね。

271 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/24(木) 10:41 ID:sAvPXhFc

そういえば、万葉仮名では有声音を区別してるんだよね。
だから日本のカナ文字の資料に濁音を表記しなかったものもあっても、
濁音が存在しなかったということにはならない。

というふうに、表記としては区別がなくても音声としては区別があった
というふうに考えられないだろうか。高句麗語でも。
今の朝鮮語でも音韻的には有声音はないけど音声的にはある。

272 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/24(木) 13:07 ID:XUiYhPGI

>>271

 万葉仮名では濁音専用仮名があるのに対し、かなにはそういうものが存在しない
ことについては、日本語はもともと清濁の音韻的対立が不明確な言語であったのに、
清濁について明確な音韻的対立を持っている中国系帰化人が文字表記を担当した
ため、万葉仮名ではことさらに清濁の違いが強調・区別されたが、日本人自身が
文字に習熟し、自らの言語を文字表記するようになると、日本人にとっては特にどう
でもよかった清濁の区別を別の文字でいちいち書き分けるのが面倒になり、とうとう
かなでは濁音専用かなのようなものは生まれなかったという風に考えられています。
ただ、清濁の音韻的対立はそれほど明確ではなかったとは言え、清濁の違いは一応
存在したので、平安後期以降は、濁音であることを強調したい時にだけ濁点を付けて
区別していたわけです。清濁の違いに対する意識は時代とともに次第に強くなって
いったようですが、明治になるまで、清濁を完全に書き分けるということはありません
でした。結局明治以前の日本人にとっては、清濁の違いというのはkaとtaの違いより
は小さく、ηaとgaの違いよりは大きいという程度のものだったということなのでしょう。

 一方、高句麗語の方は、清濁の区別が可能な漢字という文字を使って表記されて
いるわけですから、もともと濁音専用文字の存しない、言い換えれば、文字では清濁
を書き分けることの出来ないかな文字とは事情が大きく異なります。漢字を使用して
いる以上、清濁の違いは区別しようと思えばいつでも出来たはずで、それでも区別
していないということになると、やはり高句麗漢字音では、更に言えば高句麗語では、
少なくとも音韻としては清濁の区別は存在しなかったと見るべきではないでしょうか。
もちろん音声としては存在した可能性は否定出来ませんけどね。

273 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/24(木) 14:23 ID:sAvPXhFc

なるほど。ちなみにこれらの地名を記録したのは新羅人であるという
ことになりますよね。(新羅に帰化した高句麗人、漢人かもしれませんが)
そうすると高句麗語で区別されていた清濁を、新羅人が区別しえなかった
ということもありうるのではないでしょうか。

馬の中期朝鮮語はm@r(現在でも方言形はmor)ですが、モンゴル語の
それは「馬の総称」ではなく、「去勢馬」を意味する言葉だったような。
また、高句麗語で二音節の言葉が日本語の「うま」の元になったと考えると、
興味深いです。シ●語でも一音節の言葉として吸収したのですが。

274 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/25(金) 15:00 ID:UriPM2l2

>>273
>これらの地名を記録したのは新羅人であるという
>ことになりますよね。(新羅に帰化した高句麗人、漢人かもしれませんが)

 それはどうでしょうね。『国史大辞典』には以下のようにあります。

さんごくしき 三国史記 朝鮮の現存最古の歴史書。高麗仁宗二十三年(一一四五)に
  金富軾らが編纂した官撰史書で、中国正史に準じ、新羅本紀十二巻・高句麗本紀
  十巻・百済本紀六巻・年表三巻・雑志九巻・列伝十巻、合計五十巻である。本書は
  新羅建国の始祖赫居世居西干元年(前五七)に始まり、その滅亡の第五十六代
  敬順王九年(九三五)に至る新羅王朝史を中心にしている。高句麗史は始祖東明王
  元年(前三七)より第二十八代宝臧王二十七年(六八八)までで、説話史料と中国
  史料とが他の二国史より多い。百済史は、始祖温祚王元年(前一八)から第三十一
  代義慈王二十年(六六〇)に至る歴史で、三国中記事がもっとも簡潔である。本書の
  記事は三国の国内記事をはじめ、三国相互間および中国・倭・日本などとの国際
  関係記事が数多くみられる。国内記事では、権力争奪や中国思想による吉兆記事
  があり、そのほか天災地変・農業関係記事の多いのに注目される。一〇一〇年以前
  に編纂された旧『三国史』が高句麗史中心であったのを、本書は新羅中心にかえた
  が、これは高麗王朝内の勢力分野の変化による。本書は引用の原典がきわめて
  多く、特に中国史料の引用は国内史料に匹敵する。国内史料のもっとも古いものは
  高句麗で四世紀後半、新羅で五四五年、百済で五世紀末尾と推測される。板本では
  正徳壬申(一五一二)の慶州重刊本が、活字本では朝鮮史学会第三版(昭和十六年
  (一九四一))が最良である。

 これを信ずる限り、高句麗にも史料が存し、『三国史記』(その前の『三国史』も)は
それらを利用して高句麗史を書き上げたと見るしかありません。もちろんそれだけでは
不足だったでしょうから、高句麗滅亡後に作られた史料も使われてはいるのでしょうが、
少なくとも巻三七の高句麗地理誌に見える高句麗地名については、現段階では一応
高句麗時代のものと仮定しておいてよいのではないでしょうか。

275 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/25(金) 15:08 ID:UriPM2l2

006,述川郡{一ニ云フ省知買},泝{一ニ云フ沂}川郡ハ、本高句麗ノ述川郡ナリ。景徳王改名ス。
今ノ川寧郡ナリ。,京畿驪州郡興川面,述(中:dзιuet)=省知?(中:s^i¨Λη-t^ιe)≒
泝〈沂〉?(中:so〈ηι∂i〉);川・水=買(中:mai),古代日本語「mi1(水)」,後期中世語
「mщl(水)」,中世蒙古語「mo¨ren(江・海)」;ツングース諸語「mu(水)」;満州語「mu-ke
(水)」,※高句麗漢字音:述=省知?※新羅漢字音:述≒泝?

007,骨乃斤県,黄驍県ハ、本高句麗ノ骨乃斤県ナリ。景徳王改名ス。今ノ黄驪県ナリ。,京畿
驪州郡驪州邑,黄=骨(中:ku∂t);驍=乃斤?(中:n∂i-kι∂n),古代日本語「ki2〜
ku(黄)」,ナシ,ナシ,※非三七

008,楊根県{一ニ云フ去斯斬},浜陽県ハ、本高句麗ノ楊根県ナリ。景徳王改名ス。今復ス/v
故ニ。,京畿楊平郡楊平面,楊=去斯(中:k‘ιo-sie);根=斬(中:ts∧m),ナシ,ナシ,
ギリヤーク語「t∫amγ(根株)」,

009,今勿内郡{一ニ云フ万弩},黒壌郡{一ニ云フ黄壌郡}ハ、本高句麗ノ今勿奴郡ナリ。景徳
王改名ス。今ノ鎮州ナリ。,忠北鎮川郡鎮川面,黒(黄)=今勿(中:kι∂m-mιu∂t);
勿(mιu∂t)=万?(中:mιuΛn);壌=内〈奴〜弩〉(中:nu∂i〈no〉),古代日本語
「ki2〜ku(黄)」;古代日本語「na(国・大地)」,後期中世語「k∂m(黒)」;新羅語「nu¨
(世)」;新羅語「nu¨ri(世)」;後期中世語「na-rah(国)」,南方ツングース諸語・満州語
「na(土地)」,※「黒」なら朝鮮語、「黄」なら日本語が有利。※具体的にどういう意味の
語なのかは不明だが、「勿」と「万」はともに同じ高句麗語の単語を表わしているらしい。
※非三七

010,道西県{一ニ云フ都盆},都西県ハ、本高句麗ノ道西県ナリ。景徳王改名ス。今ノ道安
県ナリ。,忠北槐山郡道安面,道(中:dau)=都(中:to);西=盆?(中:bu∂n),ナシ,ナシ,
ナシ,※盆ー西の誤字か(完)※盆ー[八/十/皿](東)※高句麗漢字音:道=都;※新羅
漢字音:道=都

276 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/25(金) 17:05 ID:UriPM2l2

 006では003同様、「川」と「買」が対応していますが、それとともに興味深いのは、
「述」と「省知」が対応している点です。「省知」は「述」の漢字音を表わしているよう
なのですが、中古音は「述」が「dзιuet」、「省知」が「s^i¨Λη-t^ιe」ですから、
やはり本例でも清濁の違いは無視されています。それ以上に気になるのは、t入声
がlやrではなくt系の音で表現されていることで、高句麗漢字音におけるt入声漢字
の取り扱いを考える上で大いに注目されます。なお、新羅地名「泝川」は高句麗
地名「述川」の音を参考にして付けられたものでしょう。漢字音から見て「沂」は泝」
の誤記と見てよさそうです。

 007は巻三七に漢語地名がありませんので、新羅の漢語地名と対比させるしか
ありません。「黄驍」と「骨乃斤」ではどう対応させてよいものやら悩みますが、009
を参考にすると、「黄」と「骨」「今」が対応するようです。「黄」は中古音が「斤uaη」
と声母斤を持つ漢字であり、「骨(ku∂t)」「今(kι∂m)」のような声母kを持つ漢字
とは比較的発音が近いので、一応これらの漢字の類音字と言えなくもありませんが、
韻尾の方はばらばらなので、新羅地名は類音字へ置き換えたものと見てよいもの
かどうか悩ましいところです。仮に「骨」「今」が「黄」の訓を示しているとすれば、日本
語の「ki2〜ku(黄)」と対比することが可能になってくるのですが、「驍」と「乃斤」の
関係が不明なのが痛いですね。

277 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/25(金) 17:25 ID:UriPM2l2

 008は「楊」と「去斯」、「根」と「斬」がそれぞれ対応しています。後者は064に同様
の例がありますのでまずもって確実と思われますが、前者は本例しか確例がない
上、102に「楊」に対応する語として「要隠」というものが存するため、本当に「去斯」
が高句麗語で柳を意味する語なのかやや疑いが残ります。ただ、107に「大楊管」
という地名があり、「馬斤押」と対応するのですが、もし「大楊」が「馬斤(中古音「ma-
kι∂n」)」に対応するとすると、本例(「去斯」は中古音「k‘ιo-sie」)との間で音の
共通性が出て来ますので、これにより本例に対する疑念も多少は払拭出来るので
はないでしょうか。

 新羅地名「浜陽」は高句麗の漢語地名「楊根」を転倒させた上で、「楊」には同音
字「陽を宛てたところまではわかるのですが、「根」と「浜」の関係が難しいですね。
両者の漢字音は「k∂n」と「pien」、韻母はまあ似ていますが、声母が全然違い
ますからねぇ。ただ、「根」を意味する中期朝鮮語は「purhui」ですので、もし新羅語
でも似たような語形であったとすれば、「根」を新羅語で訓読してそれをもとに「浜」
という漢字を宛てた可能性もあるのではないでしょうか。そう言えば、昨年でしたか、
奈良時代に新羅より持ち帰った経典に、角筆で記された片仮名のような文字が発見
されて「片仮名の起源は韓国ニダ!」と話題になったことがありましたが、その内容は
と言うと、「根」の右傍に記された「βリ(部利)」という文字でした。発見者は現代朝鮮
語の「puri(根)」と対比させ、日本人僧が新羅語をメモしたものと取りましたが、韓国
の朝鮮語学者は中期朝鮮語では「根」は「pulhui」という語形なのでそれを「βリ」と
表記することはあり得ないとコメントしていました。その指摘そのものは正しいのです
が、新羅語の「根」を意味する語がどのような語形なのかはわかっていませんので、
中期朝鮮語の語形だけでは完全に否定し去ることは出来ません。例えば、「hui」は
接尾語の類であり、「pul」こそが「根」を意味する単語であった可能性も考えられる
のです。実際、この「βリ」や本例の「根」→「浜」を考え合わせると、新羅語の「根」を
意味する語が「pul」であった可能性はかなり高いように思われますね。

278 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/07/25(金) 17:30 ID:UriPM2l2

 009は巻三七に地名が二種類出て来ますが、どちらも漢語地名ではなさそうです。
一見「万弩」がそれっぽいのですが、「万弩」の中古音は「mιuΛn-no」、「今勿内
(奴)」の「勿内」のそれは「mιu∂t-nu∂i〈no〉」と、両者の漢字音はよく似ています。
おそらく「今勿内(奴)」の省略形が「万弩」なのでしょう。新羅地名は「黒壌」と「黄壌」
の2つがあってややこしいのですが、「壌」と「内(奴)」の対応は高句麗地名では頻繁
に見られるものですから、残る「今勿」と「黒(黄)」も対応するものと見てよさそうです。
問題は漢語地名が二種類あることで、どちらを本来の地名と取るかによって日韓両語
との関係が分かれます。「黒」であれば新羅語と一致しますし、「黄」であれば日本語
と一致するわけです。そんなわけで、どちらを是とするべきか、判断が難しいところ
ですが、「黄」説は一応007という類例を挙げ得るのに対し、「黒」説は他に傍証がない
という点を重視し、私としては「黄」説の方を取りたいですね。思うに「黒壌」は高句麗
地名の「今」の漢字音「kι∂m」から新羅語の「k∂m(黒)」を連想して「黒」を宛てた
ものではないでしょうか。一方、「黄壌」は高句麗語地名の意味に基づく命名と見てよい
ように思われます。あとは「勿(万)」の意味さえ確定出来れば完璧なのですが…。

 010は「道西」と「都盆」の対応です。「道」と「都」は両者の漢字音(「dau(道)」と「to
(都)」)を見る限り、類音字による書き換えと見てよいと思われますが、清濁が違って
いるのみならず母音の違いもかなり大きいのが気になります。「西」と「盆」については、
新羅地名「都西」から判断するに、「盆」は「西」の誤記乃至誤伝のようですが、「盆」が
「西」を意味する高句麗語という可能性もほんのちょっぴりはあるかも知れませんね。

279 名前:名無しさんはポシンタン:2003/07/28(月) 14:00 ID:qChJL8zU

中古音といっても、それは藤堂先生などが「広韻」などに基づいて
作った隋唐時代の再構音にすぎない。
もちろん三国時代とは時期的に近いけど、それと新羅や高句麗で
当時通用していた漢字音とは当然違うものと考えてよいはず。
新羅語や高句麗語の音韻に支配された漢字音が通用していたと
考えられるから。

280 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/08/02(土) 22:48 ID:VV6Dn/p2

 皆さんもうすっかり飽いてしまったようニダが、ウリはじぇったい諦めないニダ〜。
とりあえず百済地名データ作成完了。見直しはしていません(正直、その暇が
ないのでつ)ので、間違いがきっとあるでしょうが、ケ、ケンチャ…ナ……ヨ…(ぐふっ)









王 大人:死亡確認!

281 名前:名無しさんはポシンタン:2003/08/03(日) 00:21 ID:2fMDcwg2

まぁ期待してんでがんばってヨ。新羅語、任那語もよろしく。

282 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/08/03(日) 00:37 ID:r3vybt4A

 正直、応援よりも手伝ってほすぃ…。今回の手抜き百済地名データを
作るだけでも、トータル30時間以上はかかってまつ。嗚呼、老い先短い
我が青春をどうしてくれるニダ…。謝罪と補償を(ry

283 名前:名無しさんはポシンタン:2003/08/03(日) 02:45 ID:ChtUNVrA

こっちは基礎知識もない素人なので、手伝えといわれても
おいそれとは役に立てないと思いまつが?

284 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/08/03(日) 03:09 ID:r3vybt4A

>>283

 ん〜。ウリとしては、引用原文や漢字音データの入力ミスといったケアレスミスの
類を指摘して下さるだけでも随分助かるのでつがねぇ。まあでも原文の場合は原文
を参照出来る人でなければ無理でつし、漢字音データも『学研漢和大字典』が手元
にある人でなければどうしようもないことは確かです罠。正直、劣化コピーでもいい
からコピペロボットが欲しい…。

285 名前:名無しさんはポシンタン:2003/08/03(日) 03:25 ID:ChtUNVrA

三国史記は訳文しかもってないな。東洋文庫のやつだから。

学研漢和大字典は、いつも図書館ですましていたけど、
少し前、新版でた時、立ち読みでチェックしたら上古音とか中古音の発音記号表記が
ごっそり廃止されてしまっていたので、あわてて旧版を置いてある本屋を
神保町中探し回って買ってきた。

286 名前:ケムール人 ◆9s/SSlUk:2003/08/03(日) 04:18 ID:D2HucBG.

東京にいらした折には、一件おごりますくらいしか
いえない漏れ・・・

287 名前:縄文 ◆JtqvTec2:2003/08/03(日) 05:09 ID:A7Um8J8k

何もできないので応援してます。

288 名前:鄭聲之:2003/08/03(日) 06:32 ID:.05XooKY

>東京にいらした折には、一件おごりますくらいしか いえない漏れ・・・

それは漏れもいえる。
漏れの場合は出版社の経費だから遠慮しなくていいよ。
「高句麗本の出版企画のための打ち合わせ」って名目で飲み食いしましょう。
他の人と一緒にオフ会でもいいや。
つーかナナシ先生はどこの人なの?

289 名前:ブエナ・ビスタ・鍋屋・キムチクラブ ◆a.3.SVLo:2003/08/03(日) 07:27 ID:lFRVliDo

先生が東京に来たら、わしも神楽坂の座敷(飯と酒だけ)でも、御苦労さんです、
でナニしますよ。

それよか先生、無責任な与太言ってすいませんが、いっそのこと、高句麗語研究に
多少の朝鮮語も必要でしょうから、韓国の学校の短期の口でも当ったらどうでしょ
うか。

290 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/08/03(日) 13:57 ID:r3vybt4A

>おおる

 昨晩はつい愚痴ってしまい、申し訳なかったニダ…。最近、酒を飲むと
やたらと愚痴っぽくなってしまうなぁ。やっぱり年なのでせうか(汗)。


>>285
>少し前、新版でた時、立ち読みでチェックしたら上古音とか中古音の発音記号表記が
>ごっそり廃止されてしまっていたので

 何とそうでしたか。『学研漢和大字典』以外で、その種のデータを気軽に
検索出来る辞書は他にないですかねぇ。日語商売さんならその辺の事情
はご存じそうですが、最近ここにはいらっしゃらないからなぁ。

>>285 スモさん

 ありがとうございます。私も一度スモさんと鍋さんの生どつき万才を見て
みたいっス(w。

>>287 縄文さん

 応援ありがとうございます。先日はさん君に対してとうとう切れておられ
ましたね(w。今さん君に高句麗語関連の話題を振られると、私としても
ちと困る(実際に自分がやってみて、先行研究にはいろいろ問題がある
ことがわかりましたからね)ので、しばらくこの話題は振らないでやって
下さいまし。

291 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/08/03(日) 14:04 ID:r3vybt4A

>>288 鄭聲之さん
>「高句麗本の出版企画のための打ち合わせ」って名目で飲み食いしましょう。

 おお、鄭聲之さんはやはり出版関係の方だったのですね。>>162
レスを見て、そうなのかもとは思ってましたが。

>ナナシ先生はどこの人なの?

 遥か遠国方の者でつ。東京には基本的に飛行機でないと逝けない
(鉄路でも逝けないことはないのでつが、時間がかかり過ぎ)ので、
おいそれとは逝けませぬ。でも、久しぶりに東京にも行きたいなぁ。


>>289 鍋さん

 確かに朝鮮語が一番のネックであることは間違いありません罠。
ハングルを読むのもだいぶ慣れましたし、『李朝語辞典』を引くのに
要する時間も随分と短くなりました(最初は1語引くのに10分近く
かかってました。ハングルの配列が頭に入ってませんでしたからね)
が、オールハングルで書かれていたら、内容はサパーリ理解出来
ないことは変わりありませんものね。しかし、ウリが当面必要として
いるのは中期朝鮮語及びそれ以前の朝鮮語の知識。現代語から
入っていくのが常道だとわかってはいるものの、中々そこまでは
踏ん切りがねぇ(汗)。ですから、どなたか朝鮮語の出来る方に
ご協力頂きたいのですが…。そうだ、いっそのこと、さん君にでも
ご光臨願おうかしら(w。

292 名前:名無しさんはポシンタン:2003/08/03(日) 14:49 ID:0x6LsP1k

>>291
縄文さんとさん君が議論してたスレってどこでつか?

293 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/08/03(日) 14:55 ID:r3vybt4A

>>292

 現役スレッドはこちら。
.
【証言には】歴史認識スレッド12【価値はない】
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1058428059/" target=new>http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1058428059/

 縄文さんが切れてたのは前スレの方ですた(現在、dat落ち)。

【証拠に】日韓歴史認識比較スレッド11【ならない】
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1056414714/l50" target=new>http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1056414714/l50

294 名前:縄文 ◆JtqvTec2:2003/08/03(日) 20:08 ID:A7Um8J8k

>娜々志先生、高句麗語の件、了解しました。

>>292
あれは議論ではないのですよ。与太話の類なのです。
結局ワシは、好き嫌いしかいってないんです。
そんな歴史の見方は嫌いだ情けないって感情を吐露してるに過ぎません。
だから、切れるわけでして(w

295 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/08/03(日) 20:12 ID:r3vybt4A

011,仍忽,陰城県ハ、本高句麗ノ仍忽県ナリ。景徳王改名ス。今モ因ル/v之ニ。,忠北
陰城郡陰城邑,陰=仍(中:ni∂η);城=忽(中:hu∂t),古代日本語「ki2(城)」,
百済語「ki(城)」;後期中世語「kol(谷・洞)」,満州語「holo(谷)」「golo(省)」;
トルコ語「qol-γan(城)」;蒙古語「qol-γan(城)」,非三七

012,皆次山郡,介山郡ハ、本高句麗ノ皆次山郡ナリ。景徳王改名ス。今ノ竹州ナリ。,
京畿安城郡二竹面竹山里,介(中:kΛi)=皆次(中:k∧i-ts‘ii),ナシ,ナシ,ナシ,
※「介」は「皆」のみの音訳か。或いは王の取次ぎ役の意も含ませているのか。

013,奴音竹県,陰竹県ハ、本高句麗ノ奴音竹県。景徳王改名ス。今モ因ル/v之ニ。
,京畿利川郡長湖院邑,陰=奴音(中:no-・ι∂m),ナシ,ナシ,ナシ,

014,奈兮忽,白城郡ハ、本高句麗ノ奈兮忽ナリ。景徳王改名ス。今ノ安城郡ナリ。,
京畿安城郡安城邑,白=奈兮(中:na-斤ei))」;城=忽(中:hu∂t),古代日本語
「ki2(城)」,百済語「ki(城)」;後期中世語「kol(谷・洞)」,満州語「holo(谷)」「golo
(省)」;トルコ語「qol-γan(城)」;蒙古語「qol-γan(城)」,

015,沙伏忽,赤城県ハ、本高句麗ノ沙伏忽ナリ。景徳王改名ス。今ノ陽城県ナリ。,京畿
安城郡陽城面,赤=沙伏(中:s^a-bιuk);城=忽(中:hu∂t),古代日本語
「so2Φo(赭・朱)」;古代日本語「sa(接頭語)」;古代日本語「ki2(城)」,百済語
「supi(赤鳥)」;後期中世語「pulgщn(赤)」;百済語「ki(城)」;後期中世語「kol
(谷・洞)」,満州語「fulgiyan(赤)」;中期モンゴル語「hulaan(赤)」;満州語「holo
(谷)」「golo(省)」;トルコ語「qol-γan(城)」;蒙古語「qol-γan(城)」,※沙ー
[方+少](東)

296 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/08/03(日) 20:21 ID:r3vybt4A

 011は巻三七に漢語地名がありませんので、高句麗語資料としての信頼性は
落ちますが、「忽」と「城」が対応していること、また013で「奴音竹」と「陰竹」が、
063で「冬音奈」と「休陰」が、それぞれ対応する例があり、殊に063は「休陰」が
高句麗の漢語地名であることが明らかですので、高句麗語を反映している地名
として扱ってよいと考えます。さて、「陰」に対応する漢字はそれぞれ「仍(中:ni∂η)」
「奴音(中:no-・ι∂m)」「奈(中:na)」ですから、高句麗語の「陰」に相当する語
は「nia」のような語形であったと推定されます。日韓ともこれに対応する語は指摘
されていないようですが、強いて挙げれば「ヌバタマ(烏玉・黒玉)」の「ヌバ(黒)」
あたりはいかがでしょうか。「ヌバタマ」はヒオウギの実のことかとも言われてい
ますが未詳。枕詞として「黒」「髪」「夜」などに掛かります。

 012は高句麗地名「皆次山」と新羅地名「介山」の対応。「皆」と「介」は同音です
から、新羅地名は単に高句麗地名「次」を省略して二字地名にしただけのようです。
ただ、「介」には取次ぎという意味があり、高句麗地名「皆」は「王」の音訳としても
使用される字ですから、或いは「皆次」を王の取次ぎと解して「介」とした可能性も
あるかも知れません。

 013も高句麗地名は音読地名のみで漢語地名はありませんが、011で検討した
ように、新羅地名「陰竹」を高句麗語を反映した地名として扱うことが可能なもよう
です。ただ、本例に関して気になるのは「陰竹」に相当するのが「奴音竹」であり、
063では「休陰」が「冬音奈」と、ともに間に「音」という字が含まれていることです。
或いは「音」は日本語の「の」に相当する連体助詞の類なのかも知れませんね。

297 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/08/03(日) 20:25 ID:r3vybt4A

 014も高句麗地名に漢語地名はありませんが、高句麗地名「忽」と新羅地名「城」
の対応が認められますので、一応新羅地名を高句麗の漢語地名に準ずるものと
して扱える可能性があります。さてそうなると「白」と「奈兮(中:na-斤ei)」が対応
するということになりますが、日韓ともに対応する語は指摘されていないようです。
ただ、高句麗語「na-hei」(斤はhの有声音ですからhに置き換えてもよいでしょう)
を複合語と見ると、「na」は097「奈吐郡{一ニ云フ大堤}」から「大」という意味を持つ
ことがわかりますから、ここでは「大変」「甚だ」という強調の意味で使われていると
解釈可能です。即ち、残った「hei」こそが「白」という意味を表わす語であるという
ことになりますから、中期朝鮮語の「hΛi(白)」と見事に対応させることが出来る
ではあ〜りませんか。残念なのは本例が非三七であることでして、そうでなければ
高句麗語と朝鮮語とが一致する例として大々的に認めることが出来るのですが。

 なお、高句麗語の「白」を意味する語としては070「刀臘県」の「刀」を「尸」の誤記
と見て「sira(白)」を再構し、日本語と対応させようとする説(村山七郎)があります
が、仮に誤記であったとしても新羅地名は「[句+隹]沢県」であり、「白」が地名に
出てくるのは高麗時代の話ですから無理です。あと、133で高句麗地名「于烏県」
が新羅地名「白烏県」と対応することから高句麗語の「白」を「hiu」と見て中期朝鮮
語「hΛi(白)」と対応すると見るのはまだ可能性がありますが、「于烏県」の所在
(高句麗でも新羅領の近く)から見て韓系の言語が反映しているのではないかと
いう危惧を捨て切れないのが残念です。

 015は高句麗地名「沙伏忽」と新羅地名「赤城」が対応する例です。非三七です
ので「沙伏」と「赤」が対応する確証はないわけですが、118「赤木県{一ニ云フ沙非
斤乙}」の例から、高句麗語でも「沙伏」「沙非斤」と「赤」が対応すると見てよさそう
です。李基文は全体を「赤」を意味する語であると見て日本語の「ソホ(赭)」と対比
させていますが、満州語やモンゴル語、中期朝鮮語の「赤」を意味する語形から
察するに、「沙」はもともと何らかの接頭語であり、「赤」を意味する実質部分は「伏」
「非斤」と見た方がよさげな感じです。「沙」については村山七郎の説く如く、日本語
の接頭語「さ」と対比させることが可能でしょう。

298 名前:名無しさんはポシンタン:2003/08/04(月) 12:12 ID:KnuB6iSk

>>275 娜々志娑无先生
中宗7年慶州重刊本の景印本を見ていますが、009{一ニ云フ万弩}の「弩」は弓でなく目の「ど」になってます。えーと諸橋の23265の字。
こんなのでも暑中見舞いになりますか?(笑)

299 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/08/04(月) 14:16 ID:E31e2iOo

>>298

 ご指摘ありがとう御座います。そのことは東洋文庫の『三国史記』にも
以下のように記されていますた。

 弩 原文には「[奴/目]」となっているが、『高麗史』巻五六清州牧鎮州
  条によって「弩」とした。

 問題は漢字音ですが、[奴/目]は大漢和には「農魯切」とありましたから、
発音は[no(ndo)]で声調は上声ということになります。発音も声調も「弩」
とまったく同一ですから、本文の漢字が「[奴/目]」であろうが「弩」であろうが
結果は同じということになりますが、何にせよご指摘感謝致しますm(_"_)m。

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