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高句麗語合戦 〜あれは韓国これは日本〜
300 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/04(月) 16:02 ID:ilBjoqXY
>>299
娜々志娑无先生
わざわざレスありがとうございます。
以前作成されたExcelの一覧表で、I欄には校異まで記入なさってますよね。でも9の「ど」の字については、ない…。他と比べて、校異の記入漏れ?と思ったのですが。(なんかしつこいですね。すいません。)
301 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/04(月) 16:35 ID:E31e2iOo
>>300
私の地名データは六興出版の『完訳三国史記』(略称「完」)の原文を底本として、
東洋文庫の『三国史記』(略称「東」)と校合したものです。備考欄に時折記してある
校異は、「東」の本文が「完」とは異なる漢字になっている場合に記すということを
原則としておりますので、「東」自身が行なった校合の結果までは載せておりません。
本当はそこまで載せた方がいいのでしょうが、井上秀雄は井上秀雄なりに(って、
随分と失礼な言い方ですが)いろいろ考えた上で確定させた本文が「東」の本文なの
でしょうから、このような形で手抜きをさせて頂いておりまする。
302 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/04(月) 17:01 ID:2SL2oDdk
>>300
よくわかりました。ありがとうございます。
嘴入れついでに(先生は忍耐強い方だと信じて…(汗))、
104の玉岐県ですけど、慶州重刊本の巻35は「玉」を「王」
にしています。巻37は「玉」っぽいですが。
備考欄に「誤伝か。」とあったので、誤伝かも、ってこと
で一言。
がんばって〜、と手を振りつつROMに戻ります。
303 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/04(月) 18:08 ID:SeOynSPg
ROMに戻るといいつつも忘れ物をしてました。
もったいないのでしつこくカキコ。(粘着…?)
途中までですが「巻三五原文」欄と慶州重刊本を突き合
わせた結果です。
違いに気付いたところを「 」で括っています。
誰か東洋文庫本と比べてみませんか?
003 真興王為州置軍主「景徳王改名」今利川県
031 真興王為州「置軍主」景徳王改名
068 景徳王改名今谷州「 」(県の字なし)
069 一「作」音
092 唐貞観十一年為「中」首州
092 文武王十三年唐咸「亨」四年
097 本高句麗奈吐「郡」
こんどこそほんとにおとなしくROMします〜。
304 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/04(月) 18:56 ID:69c2WQx.
>>302
巻三五については「完」も「東」も「玉」とし、何の注記もついていませんでした。
巻三七については「完」は注記なし。「東」は以下のような注がありました。
玉 原文には「王」となっているが、雑志四朔州楊麓郡馳道県条、『高麗史』
巻五八春州瑞禾県条によって「玉」とした。
そんなわけで、『三国史記』の本文としては一応「玉岐県」を正しいとするしか
ありませんでした。しかしながら、巻三七の高句麗地名「皆次丁」から、高句麗
語「皆」に対応するのは「玉」ではなく「王」でなくてはなりませんので、本来の
高句麗地名は「玉岐」ではなく「王岐」だったが、ある時点で「王岐」が「玉岐」と
誤って伝えられた(誤写?)のだろうと推測し、「誤伝か」としたわけです。
>>303
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!
こういうフォローを待っておりますた!! 092以外はすべて私の入力ミスです。
巻三五は定型文が多いので、「郡県ハ、本高句麗ノ州郡県ナリ。景徳王改名ス。
今ノ州県郡ナリ。今モ因ル/v之ニ。」という定型文をあらかじめ作っておいて、それ
を適宜書き換えるという方式を取っていたものですから、郡と県を間違えて
削ったり削り忘れたりしてしまったようです。なお、092については、東洋文庫
の注に以下のようにありますので、それに依りました。
牛首州は原文では「中首州」となっているが、本書I新羅本紀五太宗武烈
王二年(六五五)冬十月条、本巻雑志六高句麗条などからこれを「牛首州」
とした。
てなわけで、ミスについてはすべて修正しておきました。ROMに戻るなどと
おっしゃらず、今後ともご指摘ご要望をどしどしお寄せ下さいませ。
305 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/04(月) 23:58 ID:Ao5doWZU
お。もういっこあった。記入漏れか校訂の結果かわかりませんが。
138 景徳王因之「今連谷県」
306 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/05(火) 00:20 ID:rWaTEhk.
>>305
これも私の入力ミスでつ。修正しておきますたが、見事に次々と
やっつけ仕事ゆえのぼろが出て来まつね(汗)。
ところで、HPのデザインや内容などにご意見ご要望はありませんか。
307 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/05(火) 04:16 ID:b6kHKPNI
>>306
言語以外の記事も、2chからのコピペでもいいから増やしてはどう?
高句麗ってなに?って人もいるだろうし、言語以外にもいろんな思い込みや誤解の多い国のようだし・・・・
308 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/05(火) 13:21 ID:rWaTEhk.
>>307
ん〜。このHPはもともとこのスレを見ておられる方々の便宜を図るという目的の
ためだけに設けたものであり、それ以外の人が見ることは一切想定しておりません。
検索エンジンにも登録しておりませんしね。正直、このスレを見る人にとっては、
2ちゃんのコピペ情報など、正直どうでもいいレベルのものでしょう。実際問題として
私個人の能力も時間も限られている関係上、言語以外のことに手を出すつもりは
ありません。百済語や任那語、新羅語に手を伸ばすことはあるかも知れませんが。
てなわけで、このHPがそういう性格のHPであることを前提の上でご意見・ご要望
をお寄せ下さると助かります。
309 名前:
日語商売(休業中)
:2003/08/05(火) 16:04 ID:wXUKjEvM
どうも、こちらは御無沙汰してしまい申し訳ありません。
先日『李朝語辞典』と『韓国語の形成』を入手したので、それを読んだりしてるのですが、
ちょっと遠出してたり、いろいろしたりしてて、こちらはロムは毎日してはいたのですが、
カキコするのを疎かにしておりました。正直スマンカッタ。
漢字音のことですが、高句麗がいつごろ漢字音を導入したのか、それは中国原音の色彩を
色濃く残していたものか、それとも高句麗語の音韻に適合するように変化したものなのか、
その辺は全くわかりません。
>>279
さんの批判は全くその通りなのですが、いかんせん中古漢語音の体系が、その辺の
時代ではもっともはっきりその姿がわかっているものなので、字の読みとしては、中古音
と朝鮮漢字音(これこそ高句麗語とは全く関係ない可能性が高いものですが)を併記して
おくのが、現段階では最も穏当だと思います。
>>290
『学研漢和大字典』の上古・中古音表記が廃止されてますか!
残念と言うか、まぁいつまでも墨守するもんじゃなかったからよかったと言うかw。
同じようなことができる辞書の類ですか・・・
阪大の岡島先生のサイトに、『広韻』をデータベース化したもののリンクがありました。
使い勝手はよく分かりませんが、参考までに。
ttp://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/ingaku/jion.htm
私自身も、中古中国語の漢字音の音価についての腹案、およびJIS文字での転写法はすこし
考えておりますので、どこかで発表したいと思っています。
>>288
席が設けられた暁には私も末席に連なりたいものです!
>>308
電波系ほにゃららの過去スレは倉庫があるんでしたっけ?
なかったら置き場に使ってもよろしいかと。
310 名前:
かんがく
:2003/08/05(火) 21:02 ID:QIvBLiYU
>>291
中期語
このスレの専門家の皆様はとっくに御存知でしょうが、専門家でない方のために紹介。
趙義成(東京外語大 専任講師)の朝鮮語研究室
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/
" target=new>
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/
専攻分野は、「朝鮮語学 (現代朝鮮語文法)」とありますが、中期語についての論文もいくつか書いておられるようです。
なお、上記のなかに「中期朝鮮語の話」
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/korean/middle/Jmiddle.html
" target=new>
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/korean/middle/Jmiddle.html
というのがありました。
「研究室」の全体的な内容は、無識な かんがく にはとうてい歯が立ちませんが、
それでも、
「朝鮮語ビビンパ」
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/bibimbab/index.html
" target=new>
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/bibimbab/index.html
「ごった煮」
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/etc/index.html
" target=new>
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/etc/index.html
などは、興味深く読めました。
また、「朝鮮語学習歴」での、菅野裕臣先生との師弟関係のエピソードも印象的でした。
(ちょっと、はずした書き込みですみません。)
311 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/06(水) 00:38 ID:buU7hXm6
>>306
先生のHPですが、おでむかえのAAがこわいです。
百済編もあったんですね。高句麗編と同様のことをしてみました。
今回は明らかに誤りを正した校訂の結果と推測される違いはカット
してます、これでも…。
東洋文庫の注記を転記させてばかりの経緯を反省して。(たははっ)
「巻三七原文」欄
154 本比「勿」
169 本「孤」山
180 本只馬馬「知」
「巻三六原文」欄
001 置熊津都督府「羅」文武王取其地有之
001 今「分」州
029 改州郡名及今並「 」因之
045 真興王十六年「 」為州
049 神文王五年初置小京「景徳王十六年置南原小京」今南原府
056 今保安県「 」
071 万「項」県
075 今淳昌「県」
134 今海南「県」
143 「[厭+土]」海郡
312 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/06(水) 02:39 ID:q1URs1xk
>>311
>先生のHPですが、おでむかえのAAがこわいです。
え〜、あのAAは
>>203
をそのまま使ったもので、特に他意はありません
(ほんとかよ)。154は「全」の原文の方は「忽」になっていましたが、訳文の
方では「勿」になっていました。169も同じく、原文は「狐」、訳文は「孤」、180
も同様で、原文は「只馬馬只」、訳文は「只馬馬知」ですた。そんなん、反則
やんか(泣)。
001「分」州については、「東」に以下のようにあります。
公州 原文には「分州」とあるが、『高麗史』巻五六清州牧公州条によって、
「公州」と改めた。
てなわけで、これは今のままでかまわないと思います。071の「万頃県」は、
「完」も「東」も「頃」であって「項」ではありませんでした。これについてはどれ
が正しいのやら、今の私には判断がつきません。あと、143の「壓」」は「圧」の
旧字体ですから、今のままで問題ないはずです。それ以外はすべて私の入力
ミスですので、修正致しました。ご指摘、有難うございました。
313 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/06(水) 11:15 ID:lMiJjLho
とゆーことは、娜々志娑无先生…
>>306
で
>見事に次々とやっつけ仕事ゆえのぼろが出て来まつね
とおっしゃってましたが、よーするにどーでもいーところで
どーでもいー入力ミスはしていても、原文引用部に限れば、
必要なところはいまのところノーミスっつーことっすね。おみごとぉ!!
314 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/08(金) 20:20 ID:EDkQCoXw
幇p 滂ph 並b 明m 非f 敷fh 奉v 微w
見k 渓kh 群g 疑ng 影' 暁h 匣hh 喩y 于yw
端t 透th 定d 泥n 来l 知ty 徹thy 澄dy 娘ny
精c 清ch 従dz 心s 邪z
照cy 穿chy 神dzy 日nzy 審sy 禅zy
荘C 初Ch 崇dZ 疎S
果/仮a 遇o
蟹ai 止ei 効au 流eu
山an/at 臻en/et 咸am/ap 深em/ep
宕/梗ang/ak 曾eng/ek 通/江ong/ok
ローマ字転写するときにはこんな風にやってるなぁ。
それほど根拠はないけど。
315 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/11(月) 23:59 ID:otCfgAvo
>おおる
スレ主にもかかわらず、長々とご無沙汰してしまい、申し訳ありません。
ただ今盆休みで実家に戻っております。実家はダイヤルアップしかネットに
つなぐ手段がありませんので、盆が明けるまではたまにしかアクセス出来
ないと思いますが、悪しからずご了承下さい。
>>309
日語商売さん
お久しぶりです。あんまりカキコされないので、もう見限られてしまったの
かと思いましたよ(^^;。とりわけ漢字音関係に関しては、日語商売さんの
フォローなくしてはこのスレは立ち行きませんゆえ、何卒お見捨てなきよう。
>電波系ほにゃららの過去スレは倉庫があるんでしたっけ?
>なかったら置き場に使ってもよろしいかと。
帰省から戻りましたら、そのように致します。
316 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/12(火) 00:00 ID:7ExtZA0Q
>>310
かんがくさん
趙義成さんのHPですね。本家でもわりと有名なサイトではなかったかと。
もちろん私も氏のHPは存じ上げております。ご本人の方とはまったく面識は
ありませんが。
>>314
なるほど。漢字音の表記法もいろんな流儀があるものですなぁ。勉強に
なります。
317 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/13(水) 10:05 ID:tMi2qq9g
藤堂先生の再構による中古音(a^, e^=a、eの上にv)
果 開一a 開三ιa 合一ua 合三ιua
仮 開二a^ 開三ιa^ 合二ua^ 合三ιua^
遇 合一o 合三ιo/ιu
蟹 開一∂i/ai 開二Λi/a^i/ρi 開三ιεi 開四ei
合一u∂i/uai 合二uΛi/ua^i 合三ιuεi 合四uei
止 開三ιe^/ιi/ιei/ι∂i 合三ιue^/ιui/ιu∂i
効 開一au 開二a^u 開三ιεu 開四eu
流 開一∂u 開三ι∂u/ιeu
咸 開一∂m/am 開二Λm/a^m 開三ιεm/ιΛm 合三ιuΛm
深 合三ι∂m
山 開一an 開二Λn/a^n 開三ιεn/ιΛn 開四en
合一uan 合二uΛn/ua^n 合三ιuεn/ιuΛn 合四uen
臻 開一∂n 開三ιe^n/εn/ι∂n 合一u∂n 合三ιue^n/ιu∂n
宕 開一aη 開三ιaη 合一uaη 合三ιuaη
江 開二っη
曾 開一∂η 開三ι∂η 合一u∂η 合三ιu∂η
梗 開二Λη/εη 開三ιΛη/ιεη 開四eη
合二uΛη/uεη 合三ιuΛη/ιuεη 合四ueη
通 合一uη/oη 合三ιuη/ιoη
318 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/13(水) 10:19 ID:tMi2qq9g
韻と等の相関関係は以下の通り
韻 一二三四 一二三四(合口)
果 ○×○× ○×○×
仮 ×○○× ×○○×
遇 ×××× ○×○×
蟹 ○○○○ ○○○○
止 ××○× ××○×
効 ○○○○ ××××
流 ○×○× ××××
咸 ○○○× ××○×
深 ××○× ××××
山 ○○○○ ○○○○
臻 ○×○× ○×○×
宕 ○×○× ○×○×
江 ×○×× ××××
曾 ○×○× ○×○×
梗 ×○○○ ×○○○
通 ×××× ○×○×
319 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/13(水) 10:21 ID:tMi2qq9g
なんか予想もしないばけかただったなぁ・・・
韻と等の相関関係は以下の通り
韻 一二三四 一二三四(合口)
果 ○▲○▲ ○▲○▲
仮 ▲○○▲ ▲○○▲
遇 ▲▲▲▲ ○▲○▲
蟹 ○○○○ ○○○○
止 ▲▲○▲ ▲▲○▲
効 ○○○○ ▲▲▲▲
流 ○▲○▲ ▲▲▲▲
咸 ○○○▲ ▲▲○▲
深 ▲▲○▲ ▲▲▲▲
山 ○○○○ ○○○○
臻 ○▲○▲ ○▲○▲
宕 ○▲○▲ ○▲○▲
江 ▲○▲▲ ▲▲▲▲
曾 ○▲○▲ ○▲○▲
梗 ▲○○○ ▲○○○
通 ▲▲▲▲ ○▲○▲
320 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/13(水) 19:52 ID:tMi2qq9g
317の再構音を任意に並べなおすとこんな風になります
a/ιa/ua/ιua
a^/ιa^/ua^/ιua^
o/ιo/ιu/
∂i/ι∂i/u∂i/ιu∂i
ai/ιεi/uai/ιuεi
Λi/ιi/uΛi/ιui
a^i/ιe^/ua^i/ιue^
ρi/ιei/uei/iuei
au/ιεu/ieu
a^u/ιeu/∂u/ι∂u
am/ιεm/∂m/ι∂m
a^m/ιΛm/Λm/ιuΛm
an/ιεn/uan/ιuεn
Λn/ιΛn/uΛn/ιuΛn
a^n/ien/ua^n/iuen
∂n/ι∂n/u∂n/ιu∂n
εn/ιe^n/ιue^n
aη/ιaη/uaη/ιuaη
っη/ieη/iueη
oη/ιoη/uη/ιuη
εη/ιεη/uεη/ιuεη
∂η/ι∂η/u∂η/ιu∂η
Λη/ιΛη/uΛη/ιuΛη
321 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/13(水) 23:34 ID:PD.6F2i2
>>317-320
この書き込み内容からして、これを書き込まれたのは
>>314
さんですよね。
>>279
を書き込まれたのも同じ方かな。ここは一つ、このスレ限定でもかまい
ませんから、コテハン{又作ル/2通名ニ/1}を名乗られてはいかがでせうか。
同じことは
>>298
=
>>300
=
>>302-303
=
>>305
=
>>311
氏にもぜひお願いしたい
ところであります。もしある見解に対して意見の相違があって論争になった時、
コテハンでやりあった方が当事者もやりやすいでしょうし、ROMしている人も
流れを把握しやすいと思うんですよね。それに、
>>159
で日語商売さんも少し
おっしゃっておいでですが、一応このスレの高句麗語研究も研究の端くれ(藁)
ですから、せめてあるアイデアが誰の着想(オリジナリティー)なのかぐらいは
わかるようにしておきたいので。
322 名前:
298
:2003/08/15(金) 18:00 ID:8m27OsP2
>>321
298以下です。すぐ消えるつもりでしたので名無しのままで失礼しました。
お気に障ったようでしたら、平身低頭陳謝いたします。すみません。
323 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/15(金) 23:55 ID:b50MDJDY
>>322
>お気に障ったようでしたら、平身低頭陳謝いたします。すみません。
あわわわわ。それは誤解で御座る。「論争」云々は物のたとえに過ぎませぬ。
ぜひとも本スレに定着して頂きたいと思えばこそのコテハン要請で御座りまする。
今後とも書き込みのほど、宜しくお願い致しまするm(_"_)m。
324 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/15(金) 23:58 ID:b50MDJDY
拙者、いまだに寄生虫、もとい、帰省中の身で御座れば、研究も何も手につかぬ
状態で御座る。高句麗地名研究の続きもしなくてはならないのですが、今しばらくの
ご猶予を賜りたく。
325 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/22(金) 18:05 ID:K2TmWkYU
明日実家にでもよって、漢語古音手冊でもとってこようかなぁ。
中国の学会での公式の見解と藤堂説を付け合せたい
上古音なんかはこの20年でも随分研究が進んだはずだから、
藤堂説とはだいぶ違った説をとる人が多くなっていると思う。
一番の謎はやっぱり別紐と等の問題でしょうねぇ・・・
別紐は言語の層の問題かもしれないし、等は三等については
介音の問題だとしても、二等と四等は声母の側の問題かも知れない。
三開>-i-、一合>-u-、三合>-yu-という介音に変化したのは
ほぼ間違いないはずなんだけど。
326 名前:
日語商売(休業中)
:2003/08/22(金) 20:32 ID:kXAohvVA
>>325
漢語古音手冊、私のは荷物のどこかに紛れて探し出すのがものすげー手間。。。
日本に就職決まるまで参照できません(氏)。
上古音はチベット語などとの比較とか、複声母をどう解釈するか、
重紐や等の解釈をどうするかなどの研究が進んだので、藤堂説とはだいぶ違ってきてますね。
それでも一向に収斂してる気がしない。。。
高句麗語と関係ない話でスマソw
327 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/22(金) 20:51 ID:orloRqTU
複声母の研究などは、タイ諸語との比較によって進歩した面も
かなりありますよね。言語電波学スレスレだけど。
aの変音があんなにたくさんあるのにuの変音などは乏しく、
自然言語としてあのような体系がありうるのか、
というところがミソだと思います。第一美しくない。
母音の三角形がきれいに描ける体系でないと。
高句麗語の音韻体系の再構・・・夢のまた夢ですかねぇ。
328 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/08/26(火) 11:54 ID:VgU442Vw
現在一般的な学説でも、藤堂説からそれほどの違いは生じてないですよ。
あの再構形の一番の問題点は、現存するどの言語にも似ていないことw
あれだけ韻母が細かく分かれるということは、母音に長短の対立が
あったのかもしれない。別紐はそれを表すのではないか。
329 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/28(木) 16:13 ID:iiBAw8Gs
随分長いことさぼってましたが、そろそろ再開しまつ。
016,[虫+也]山県,[虫+也]山県ハ、本高句麗ノ県ナリ。景徳王因ル/v之ニ。今ノ稷山県ナリ。,
忠南天原郡稷山面,×,×,×,×,
017,買忽{一ニ云フ水城},水城郡ハ、本高句麗ノ買忽郡ナリ。景徳王改名ス。今ノ水州ナリ。,
京畿水原市,川・水=買(中:mai);城=忽(中:hu∂t),古代日本語「mi1(水)」;古代
日本語「ki2(城)」,後期中世語「mщl(水)」;百済語「ki(城)」;後期中世語「kol(谷・洞)」,
中世蒙古語「mo¨ren(江・海)」;ツングース諸語「mu(水)」;満州語「mu-ke(水)」;
満州語「holo(谷)」「golo(省)」;トルコ語「qol-γan(城)」;蒙古語「qol-γan(城)」,
018,唐城郡,唐恩郡ハ、本高句麗ノ唐城郡ナリ。景徳王改名ス。今復ス/v故ニ。,京畿華城
郡南陽面,×,×,×,×,※漢字の変更のみ。「城」→「恩」の変更理由は不明だが、言語
学的な意味はなさそう。
019,上忽{一ニ云フ車忽},車城県ハ、本高句麗ノ上{一ニ作ル/v車ニ}忽県ナリ。景徳王改名ス。
今ノ龍城県ナリ。,京畿平沢郡青北面龍城里,車(中:t∫‘ιa)=上(中:зιaη);城=忽
(中:hu∂t),古代日本語「ki2(城)」,百済語「ki(城)」;後期中世語「kol(谷・洞)」,満州語
「holo(谷)」「golo(省)」;トルコ語「qol-γan(城)」;蒙古語「qol-γan(城)」,※高句麗
漢字音:車=上?
020,釜山県{一ニ云フ松村活達},振威県ハ、本高句麗ノ釜山県ナリ。景徳王改名ス。今モ
因ル/v之ニ。,京畿平沢郡振威面,釜=松村活?(中:sioη-ts‘u∂n-斤uat);山=達
(中:dat),古代日本語「take2(岳)」;古代日本語「taka-si(高)」,ナシ,トルコ語「taγ(山)」,
330 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/28(木) 16:13 ID:iiBAw8Gs
016は高句麗地名と新羅地名が同じで、しかもどちらも漢語地名と来てますから何の
役にも立ちません。チォブ。
017は高句麗地名に訓読地名と音読地名が揃っている例ですが、「買=水」「忽=城」
ともに高句麗語としてはお馴染みの例ばかりですね。
018は高句麗地名と新羅地名に違いはあるものの、ともに漢語地名のみですので、
高句麗語の資料としては使えそうにありません。高句麗地名の「唐城」がなぜ新羅地名
では「唐恩」に変えられたのかわかりませんが、「唐恩」という字面からすると、新羅が
宗主国である「唐」に媚びようとしてこのような地名に変更したのかも知れませんね。
019は高句麗地名において既に「上忽」「車忽」両様の名称があったことがわかるわけ
ですが、「上(中:зιaη)」と「車(中:t∫‘ιa)」では比較的漢字音が似ていますので、
単に宛てた漢字が違っていただけのことである可能性が高いように思います。新羅地名
の「車城県」を見ると、高句麗地名の「車忽」の「車」は訓読地名であり、高句麗語の「車」
に相当する語が「上(中:зιaη)」に近い発音だったという可能性もありますが、「車」
を使った高句麗地名が他にないので、何とも言えません。
020は高句麗地名で「釜山」と「松村活達」が対応している例です。このうち、「山」と「達」
は045「功木達{一ニ云フ熊閃山}」や064「高木根県{一ニ云フ達乙斬}」などの例から明確
に結び付けることが出来ますが、残る「釜」と「松村活」が難しいですね。「釜」は中期朝鮮
語では「kama」(日本語と語形が同じなのは共通語彙かそれとも借用関係か不明)です
ので、「松村活」と関連性を求めるのはちょっと難しそう(せいぜい「活(中:斤uat)」くらい?)
です。ただ、気になるのは中期朝鮮語に見える「sot‘(鼎)」でして、朝鮮語では釜と同義
で使用されているようなので、もしかすると「松(中:sioη)」と結び付けることが可能かも
知れません。なお、新羅地名の「振威(中:t∫ιen-・ιu∂i)」は高句麗地名「松村活達」
の「村活(中:ts‘u∂n-斤uat)」の部分を利用して付けられたものではないでしょうか。
331 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/28(木) 16:21 ID:iiBAw8Gs
>>330
そうそう。指摘し忘れてましたが、056や091によれば、高句麗語では「松」のことを
「扶蘇(中:pιu-so)」「夫斯(中:pιu-sie)」と言っていたようですので、高句麗
地名の「釜山」の「釜」は訓読字ではなく音読字(中:bιu)で、高句麗語の「松」の
第一拍「pιu」を表記したものと見るべきかも知れません。
332 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/30(土) 18:51 ID:lxt7O49k
021,栗木郡{一ニ云フ冬斯[月+兮]},栗津郡ハ、本高句麗ノ栗木郡ナリ。景徳王改名ス。
今ノ菓州ナリ。,京畿始興郡果川面,栗=冬斯(中:toη-sie);木=[月+兮](中:hι∂t)
〜盻(中:斤ei),古代日本語「toti(橡)」;古代日本語「ki2〜ku(木)」,ナシ,ナシ,
022,仍伐奴県,穀壌県ハ、本高句麗ノ仍伐奴県ナリ。景徳王改名ス。今ノ黔州ナリ。,ソウル
市永登浦区東面始興里,穀=仍伐(中:ni∂η-biu∧t);壌=奴(中:no),古代日本語
「ina-Φo(稲穂)」;古代日本語「mi2(実)」;古代日本語「na(国・大地)」,後期中世語
「py∂(稲)」;現代朝鮮語「nui(白米中に混じた稗)」;新羅語「nu¨〜nu¨ri(世)」;後期
中世語「na-rah(国)」,南方ツングース諸語・満州語「na(土地)」,※非三七
023,斉次巴衣県,孔巌県ハ、本高句麗ノ済次巴衣県ナリ。景徳王改名ス。今モ因ル/v之ニ。,
ソウル市永登浦区西面陽川,孔=斉〈済〉次(中:dzei〈tsei〉-ts‘ii);巌=巴衣(中:
pa-・ι∂i),古代日本語「iΦa-Φo(巌)」,後期中世語「pa-hoi(巌)」,ギリヤーク語
「pax(石・崖)」,※高句麗漢字音:斉=済※非三七
024,買召忽県{一ニ云フ弥鄒忽},邵城県ハ、本高句麗ノ買召忽県ナリ。景徳王改名ス。
今ノ仁州ナリ{一ニ云フ慶原。買召、一ニ作ル/2弥鄒ニ/1}。,京畿仁川市,買召(中:mai-
t∫ιεu)=弥鄒(中:mie-ts^i¨∂u);召〈鄒〉(中:t∫ιεu〈ts^i¨∂u〉)=邵(中:
зιεu);城=忽(中:hu∂t),古代日本語「ki2(城)」,百済語「ki(城)」;後期中世語
「kol(谷・洞)」,満州語「holo(谷)」「golo(省)」;トルコ語「qol-γan(城)」;蒙古語
「qol-γan(城)」,※高句麗漢字音:買=弥;召=鄒※非三七
025,[犬+章]項口県{一ニ云フ古斯也忽次},[犬+章]口郡ハ、本高句麗ノ[犬+章]項口県
ナリ。景徳王改名ス。今ノ安山県ナリ。,京畿始興郡秀岩面安山,[犬+章]=古(中:ko);
項=斯也(中:sie-yia);口=忽次(中:hu∂t-ts‘ii),古代日本語「kutu〜kuti(口)」,
済州島方言「kulrε(口)」;全羅南道方言「kul(口)」,ナシ,
333 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/30(土) 18:51 ID:lxt7O49k
021は高句麗地名に訓読・音読が揃っている例ですが、日韓両語ともに対応語は
指摘されていないようです。しかしながら、
>>269
で指摘したように、「栗木=冬斯
[月+兮]」という対応で、「木」と「[月+兮]」が対応し、日本語「ki2(木)」と対応する
ことがわかりましたから、残る「栗」と「冬斯」も対応する可能性が高いと思われます。
「冬斯」の漢字音(toη-sie)を見る限り、残念ながら日本語の「kuri(栗)」を対応語
として挙げることは出来せんが、その代わり、栗によく似た実を付け、かつては重要
な食糧でもあった「トチ(橡)」を提示することが出来そうです。sは歯茎摩擦音、tは
歯茎破裂音、摩擦音と破裂音の違いこそあれ、調音点は同じですからねぇ。
なお、新羅地名「栗津郡」は「津」への改名の説明が難しいですが、旧百済領の
新羅地名で百済の「豆[月+兮]県」が「会津県」に改名されたという例があります
ので、新羅語としてではありますが、「津(=港)」と「[月+兮](中:hι∂t)」の間に
対応関係を認めることが出来そうな感じです。尤も、中期朝鮮語や現代朝鮮語に
同様の対応例があるかどうかまではわかりません。もしこれはとお気づきの方が
おられましたら、ぜひご教示下さい。
334 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/30(土) 18:52 ID:lxt7O49k
022は高句麗地名が音読地名のみで、対応する訓読地名がありませんが、新羅
地名「穀壌県」の「壌」は、
>>278
にもある通り、高句麗の音読地名では「奴」と対応
していますので、高句麗の訓読地名に準じた取り扱いが出来る可能性があります。
その場合、「穀」と「仍伐」が対応することになりますが、日韓両語ともに過去に本語
と対応する例は示されていません。
>>44
では「ina-Φo(稲穂)」「mi2(実)」を提示し
ましたが、これは苦し紛れに出したようなもので、自信があるわけではありません(w。
朝鮮語の「nui(稗)」「py∂(稲)」の方も同様です。どなたか、いいアイデアはあり
ませんかねぇ。
335 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/30(土) 18:53 ID:lxt7O49k
023も高句麗地名は音読地名のみで訓読地名はありませんが、新羅地名の「孔巌
県」の「巌」は074などにもあるように、高句麗地名では「波衣(中:pua-・ι∂i)」と
対応しますので、発音的に見て「巴衣(中:pa-・ι∂i)」も「波衣」とほとんど同じと
見てよいでしょうから、新羅地名を高句麗の訓読地名に準じて取り扱える可能性が
あります。となると、「孔」と「斉〈済〉次(中:dzei〈tsei〉-ts‘ii)」が対応することになる
わけですが、今のところ日韓近隣諸言語いずれも本語と対応する語を指摘すること
は出来ないようです。私も似たようなものですが、あえて指摘すれば、「スク(透)」
「スキ(隙)」「ス(鬆)」の「su」あたりはどうでしょうか。揃いも揃って上代に確例を見
出せないものばかりですので、あまり声高に主張出来ないのがつらいところですが。
「巌」は過去に古代日本語の「iΦa-Φo(巌)」、中期朝鮮語の「pa-hoi(巌)」など
が対応語として指摘されていますが、本例に関しては朝鮮語が最も近いと言って
よいでしょうね。ただ、中期朝鮮語の「pa-hoi(巌)」は今では使われていない語の
ようですし、高麗時代に高句麗語(渤海語)から朝鮮語に入った借用語の可能性も
あることは念頭に置いておかなくてはならないでしょう。
それともう一つ、高句麗地名が巻三七では「斉次巴衣県」、巻三五では「済次巴衣
県」となっているのも興味深いですね。「斉(中:dzei)」は有声音、「済(中:tsei)」は
無声音ですから、高句麗漢字音ではやっぱり有声・無声の区別はなかったことを
示唆するものと解されます。尤も、「斉」と「済」は字形的にさんずいの有無という違い
しかありませんから、単なる誤記の可能性もありますが。
336 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/30(土) 18:53 ID:lxt7O49k
024は高句麗地名に音読地名が2種類存する例ですが、「買召忽」「弥鄒忽」それ
ぞれの漢字音から見るに、単に同じ地名を別々の漢字で表記したものに過ぎない
ようです。中でも「買(中:mai)」と「弥(中:mie)」の対応は、高句麗語の「水(川)」
の語形を再構する上で参考になります。新羅地名「邵城県」は高句麗地名の「召
(鄒)」を「邵(中:зιεu)」に、「忽」を「城」に置き換えたものでしょう。
025は高句麗地名に音読・訓読ともに揃っており、訓読地名「[犬+章]項口」と音読
地名「古斯也忽次」が対応しています。このうち、「口」と「忽次」が対応することは、
102の例からも明らかであり、更に日本語の「kuti(口)」とも対応することも先学に
より既に指摘されているところです。朝鮮語では済州島方言に似た語形が見える
ようですが、地理的に見て夫餘系言語の影響と見るよりも日本語との関係を疑った
方がよいのではないでしょうか。
残った「[犬+章]項」と「古斯也」のうち、「[犬+章]」は075に「[犬+章]塞県{一ニ云フ
古所於}」とありますので、「[犬+章]」と「古」、「項」と「斯也」がそれぞれ対応すると
見てよさそうです。「[犬+章]」はのろじかのことですが、のろじかは日本にはいない
動物であり、朝鮮語の「noru」をそのまま借用しているくらいですので、対応例を
見出すことは困難でしょう。また、朝鮮語もその語形からして対応例とするわけに
は行きません。どうやら「ko([犬+章])」は高句麗語独自の語ということになりそう
です。最後まで残った「項=斯也」ですが、「項」は漢語としてはうなじ、または首の
ことですので、日本語と結び付けるなら「うなじ」の「し」あたりがよさそうな感じです。
「うなじ」は「うな」だけでも「項」の意味があり、「し」は「しり(尻)」の略語と説明される
ことが多いのですが、別に語源がそれで確定しているわけでもありませんので、
「し」にも「項」の意味があったと考えれば、まぁ何とか納得出来なくもありません罠。
カナーリ苦しいですけどね(w。なお、新羅地名は高句麗の訓読地名を2文字に
省略しただけのものですので、何の役にも立ちません。シッパル!
337 名前:
日語商売(休業中)
:2003/08/30(土) 20:00 ID:E0TMoIqo
>>330
そういえば韓国語で松のことをsol(普通は「木」の意味のnamuを付けてsonamuという)
と言いますが、「鼎、釜」の意味のsot‘(この語は今でも使います)と音が似てます。
案外これと関係があるかもしれませんね。
>>333
現代韓国語の語彙に、kε(海と川の水が出会う河口付近のこと)という言葉があります。
現在『李朝語辞典』をそのほかの本とともに箱詰めして韓国に送っているところなので、
中期語の例については参照できませんが、別スレで話題になっていた「熊津」のことを、
中世〜近世の日本では「こむがい」とか「こもがい」と呼んでいる例があります。
漢字では「熊川」と書いていますが、こちらは古代の「くまなり」を漢訳したものですね。
で、それに現れる「かい」とは「津」のことだと思われます。
港や渡し場は河口付近に作られることが多いので、ある時期にはkai(>kε)で
そのような意味を表していたのかもしれません。
ただ熊津(現在の公州)は錦江沿いではあるものの内陸に位置しているので、
はたしてそれでいいのか疑問なので、『李朝語辞典』が到着するまでしばしお待ちを。
338 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/08/31(日) 01:10 ID:qp0ykk5I
>>337
日語商売さん
>韓国語で松のことをsol(普通は「木」の意味のnamuを付けてsonamuという)
>と言いますが、
ああ、そう言えば
>>54
で「松」について書いておられましたね。朝鮮語で「松」が
「sol」なら、確かに「sot‘(釜)」と関係があるかも知れませんねぇ。ただ、そうなる
と、「松村活達」は音訓混用ということになってしまいますな。それより何より、
朝鮮語の「sol(松)」は「松」の漢字音と関係があるような気がしますが、その辺
どうなのでしょうか。
>現代韓国語の語彙に、kε(海と川の水が出会う河口付近のこと)という言葉があります。
おお、それは(・∀・)イイ!ですねぇ。『李朝語辞典』は私も持っているのですが、
職場に置いてあるので、月曜までは確かめられないんですよ。まぁ職場までは
歩いても10分かからないので、行けばいいんですけどね(w。
>別スレで話題になっていた「熊津」のことを、
>中世〜近世の日本では「こむがい」とか「こもがい」と呼んでいる例があります。
それは何という資料でしょうか。『日本書紀』の古写本では「熊津(熊川)」に相当
する地名を「久麻那利」と書いて「コムナリ」と訓じている(「図書寮本」)ようですが。
339 名前:
日語商売(休業中)
:2003/08/31(日) 02:58 ID:UCamNyzU
>>338
うお、私とんでもない間違いをしておりました!
「こもがい」は熊津(公州)のことではなく、慶尚南道熊川郡の熊川港のことでした!!
釜山港が栄える前の代表的な貿易港で、そこから積み出されて日本に輸出された茶碗のことを
茶道の世界では今でも「こもがい」と呼んでいるのです。
そのほかにも、確か日本人の漂流者が清や朝鮮の見聞を書いた本でも、
そこを熊川と呼んでいた覚えがあります。
で、熊川港=こもがい、であれば、「かい」はまさに港(津)であるわけで、
>>337
で述べたことのもっと確かな証拠になるわけです。
また、上記の本(『朝鮮物語』や『寛永漂流記』、うちの大学で院生が演習で読んでいる本ですが、
日本ではあまり有名な本ではないようです)では、「釜山浦」に「ふさんかい」という読みが
付けられていました。
「浦=かい」とはなんぞや?「海」か?とか思っていたのですが、よく考えてみると
この「かい」も韓国語のkai(kε)と考えるべきもののようです。
なお余談ですが、中期朝鮮語で「熊津」に「koma-nΛrΛ」という訓を付けていることですけど、
もしかすると「津」の「nΛrΛ」は、川を意味する「na〜nari(h)」とは関係なくて、
現代韓国語で「渡し場」を意味するnaruや「運ぶ」を意味するnarщdaと
関係がある言葉かもしれません。
で、「コムナリ」はそれとは別で、本当に「熊+川」を意味する朝鮮語(百済語?新羅語?)で
あったと考えることもできるのではないでしょうか?
340 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/01(月) 15:50 ID:fNx9Kh.2
>>339
日語商売さん
例の「kai」ですが、『李朝語辞典』を引くと、それっぽいのが二つありました。
「浦」の意の「kai」と、「[シ+叉]」(川の分かれるところ)の意の「kai」です。後者は
「[シ+叉]:水岐流也 港[シ+叉] kai〈四解下30〉」とありますので、一応こちらの
方が近そうな感じですが、おそらく両者とも同源ではないでしょうか。
>『朝鮮物語』や『寛永漂流記』
確かに『朝鮮物語』のような朝鮮軍記物は日本では人気が今イチみたいですね。
私も読んだことがありません。まぁ日本には他にも面白い資料がたくさんあります
から、この種のものはどうしても後回しになってしまうのでしょう。ところで、『寛永
漂流記』とは『寛永漂民記』のことでしょうか。『国書総目録』では『寛永漂民記』は
あっても『寛永漂流記』という書名の本はありませんでしたので。
>もしかすると「津」の「nΛrΛ」は、川を意味する「na〜nari(h)」とは関係なくて、
>現代韓国語で「渡し場」を意味するnaruや「運ぶ」を意味するnarщdaと
>関係がある言葉かもしれません。
「津」は『李朝語辞典』には「narщ」とありました。意味的に見て、動詞「narщ-da
(運ぶ)」とは同源の関係っぽいですね。「koma-nΛrΛ」とは母音は異なりますが、
それは「na〜nari(h)(川)」も同じですから、可能性としてはどっちもどっちという
感じですね。
なお、『日本書紀』の「久麻那利」と古訓「コムナリ」については、「久麻」が百済語
っぽいのに対し、「コム」が新羅語(朝鮮語)と一致することからすると、漢字表記が
依拠した百済系の漢文資料、古訓が新羅系帰化人と、それぞれ由来するものが
違っていたことによるものなのかも知れません。
341 名前:
日語商売(休業中)
:2003/09/02(火) 17:03 ID:VPwHxvo.
>>340
なるほど、kaiには「浦」と「川の分かれ目」の2義があったのですね。
「港[シ+叉] kai」の部分ですが、「港」には『広韻』や『説文新附』では「水派」(川の支流)、
『古今韻会挙要』では「水分流也」との注があるので、
この場合の「港[シ+叉]」も「川の分かれ目」という意味のようです。
また「浦」も、「水辺」という意味のほかに「川の分流」という意味があります。
中期語でのkaiの中心的な意味は「川の分かれるところ、川の支流」という意味で、
「浦(この場合は水辺?日本語「うら」は国訓)」は派生的意味と見受けられます。
なお、前とは別の韓日辞典でkεの意味を調べると「潟、干潟」となっておりました。
まぁ確かに干潟は河口付近にできるし、仁川あたりの河口には川がいくつも枝分かれして
干潟になってるところを多く見かけますが。。。
>ところで、『寛永
>漂流記』とは『寛永漂民記』のことでしょうか。『国書総目録』では『寛永漂民記』は
>あっても『寛永漂流記』という書名の本はありませんでしたので。
はい、たぶんそれだと思います。
ところで、それらの本の朝鮮地名のところを見ると、明らかに漢字音ではない、
いわば「訓読み」のところが出てきて、たとえば「川」という字にはほとんど「かい」という
振り仮名があるし、「慶尚道」「全羅道」などの「道」は「たい」と読ませています。
固有語地名と思われるところの解読の一助になれば。
342 名前:
日語商売
:2003/09/02(火) 17:04 ID:VPwHxvo.
しっぱい。昨日から営業中だw
343 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/02(火) 17:26 ID:yGyB5ZQs
>>336
修正です。
× 朝鮮語の「noru」をそのまま借用
○ 朝鮮語の「noro」をそのまま借用
のろじかは現代朝鮮語では「noru」ですが、中期朝鮮語では「noro」でした。
逝ってきまつ。
||§|| ||§||
||ウ|| ||§||
|| || ||§||
|| || ||§|| コロコロ
._| ̄(||〇|| .__/(||ウ||......(((〇
344 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/02(火) 17:58 ID:yGyB5ZQs
>>341
>それらの本の朝鮮地名のところを見ると、明らかに漢字音ではない、
>いわば「訓読み」のところが出てきて、たとえば「川」という字にはほとんど「かい」という
>振り仮名があるし、「慶尚道」「全羅道」などの「道」は「たい」と読ませています。
ふむう。でも、「道」の固有語は「kil」ではありませんか。少なくとも中期朝鮮語では
そうなっているみたいですよ。「川」の「かい」の方はともかく、「道」の「たい」というのは
漢字音ではないのでしょうか。まあ「道」の朝鮮漢字音は「to」ですので、ちょっと「たい」
にはなり難いことは確かですが、中古音は「dau」ですし、方言では「tau」となっている
地域があったとは考えられませんか。或いは、日本漢字音の影響とか。著者は当然
日本人ですから、中世末期の日本漢字音なら「道」は「だう」と書いて「dっ:」と発音して
いたわけで、そこから生まれた一種の観念的朝鮮漢字音ということも考えられるのでは。
345 名前:
日語商売
:2003/09/02(火) 19:58 ID:DFNBHmvo
>>344
実は私もそれ考えたのですが、他のところに出てくる「道」、たとえば
固有の地名に出てくる「道」は「どう」と仮名が振ってあるんですよ。
いい加減スレ違いになってきているので、これについては、
またあとで時間があるときにでも大道芸スレで考えることにして、
こちらは本道に戻りましょう。
あ、いろいろ調べてみたら、kεは入り江や湾についても言うようです。
ただ、学生にkεの意味について聞いても「わからない」「犬でしょ」という答えが返ってくるので、
現在ではほとんど使わない言葉のようです。
346 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/02(火) 21:18 ID:Q4aLQ0No
>>345
日語商売さん
>こちらは本道に戻りましょう。
サムスン亭ヲン楽:山田クン、座布団1枚、日語商売さんに上げて。
>「犬でしょ」
ベタでつけど、ワラタ。ほんと彼らは犬が好きなんでつね(w。
347 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/06(土) 17:10 ID:up9m2u5A
026,主夫吐郡,長堤郡ハ、本高句麗ノ主夫吐郡。景徳王改名ス。今ノ樹州。,
京畿仁川市富平洞,長=主夫(中:t∫ιu-pιu);堤=吐(中:t‘o),ナシ,
ナシ,ナシ,
027,首尓忽,戍城県ハ、本高句麗ノ首尓忽ナリ。景徳王改名ス。今ノ守安県ナリ。
,京畿金浦郡大串面,戍(中:siuet)=首尓(中:∫ι∂u-nie〈rιe〉);
城=忽(中:hu∂t),古代日本語「ki2(城)」,百済語「ki(城)」;後期中世語
「kol(谷・洞)」,満州語「holo(谷)」「golo(省)」;トルコ語「qol-γan(城)」;
蒙古語「qol-γan(城)」,※高句麗漢字音:戍=首尓?
028,黔浦県,金浦県ハ、本高句麗ノ黔浦県ナリ。景徳王改名ス。今モ因ル/v之ニ。,
京畿金浦郡金浦面,黔(中:gιem)=金(中:kι∂m),×,×,×,※高句麗
漢字音:黔=金
029,童子忽県{一ニ云フ仇斯波衣},童城県ハ、本高句麗ノ童子忽{一ニ云フ
[山+童]山県}県ナリ。景徳王改名ス。今モ因ル/v之ニ。,京畿金浦郡霞城面,
童子=仇斯(中:gι∂u-sie);童(中:duη)=[山+童](中:duη);城=
忽(中:hu∂t);山=波衣(中:pua-・ι∂i),古代日本語「ko1(子)」;古代
日本語「ki2(城)」;古代日本語「iΦa-Φo(巌)」,百済語「ki(城)」;後期
中世語「kol(谷・洞)」;後期中世語「pa-hoi(巌)」,満州語「holo(谷)」
「golo(省)」;トルコ語「qol-γan(城)」;蒙古語「qol-γan(城)」;
ギリヤーク語「pax(石・崖)」,※[山+童]は『大漢和』によれば「徒東切」で
「童」と同音字。
030,平淮押県{一ニ云フ別史波衣。淮、一ニ作ル/v唯ニ},分津県ハ、本高句麗ノ
乎唯押県ナリ。景徳王改名ス。今ノ通津県ナリ。,京畿金浦郡月串面通津,平淮
〈唯〉(中:bιΛη-斤uΛi〈yiui〉)=別史?(中:bιεt-s^i¨ei)=分津?
(中:pιu∂n-tsien);押=波衣(中:pua-・ι∂i),古代日本語「iΦa-Φo
(巌)」,後期中世語「pa-hoi(巌)」,ギリヤーク語「pax(石・崖)」,※巻三五の
「乎」は「平」の誤記であろう。※高句麗漢字音:平≒別;淮(唯)≒史?
※新羅漢字音:別≒分?;史≒津?※「淮」は「准(中:t∫ιen)」の誤字
では?※「押」は「岫」(峰の意)の誤記か
348 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/06(土) 17:10 ID:up9m2u5A
026は非三七ですが、高句麗地名「主夫吐」と新羅地名「長堤」に見える
「堤=吐」の対応は097「奈吐郡{一ニ云フ大堤}(巻三七)」と同一のものです
ので、新羅地名を高句麗の訓読地名に準じて利用出来る可能性があります。
「吐(堤)」は周辺言語にも類似するものが従来指摘されていませんので、
高句麗語独特の語彙(弁韓の地にも1例ありますが)である可能性が高そう
ですが、強いて日本語と結び付けるなら、「つつみ(堤)」「と(戸)」などを指摘
することが出来るでしょう。
>>216
,
>>219
,
>>224
,
>>227-228
,
>>238
,
>>243-244
も
参照されたし。
残る「主夫」と「長」については、残念ながら本例以外に用例がありません
し、周辺言語にも類似したものが見当たりませんので、本当に関係がある
のかどうか不明です。しかも、「長」の漢字音が「中:d^ιaη〈t^ιaη〉」と、
「主夫(中:t∫ιu-pιu)」のそれに似ているのが気になりますね。案外、
新羅地名は漢字音に基づいて付けられたものかも知れません。
349 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/06(土) 17:11 ID:up9m2u5A
027も非三七ですが、こちらも「城=忽」という高句麗地名に多い対応関係
が新羅地名との間にも存しますので、新羅地名を高句麗地名に準じて利用
出来る可能性があります。「城(忽)」以外の部分では、「戍(中:siuet)」と
「首尓(中:∫ι∂u-nie〈rιe〉)」ですが、それぞれの漢字音からして、新羅
地名は漢字音(おそらく新羅漢字音)に基づいて付けられたものと見てよい
でしょう。
028は高句麗地名・新羅地名ともに漢語(訓読)地名ですので、高句麗語
の再構には使えそうにありません。新羅地名「金(中:kι∂m)」が高句麗
地名の「黔」の漢字音(中:gιem)に基づいて付けられたものであることは
確実でしょう。例によって清濁は完全に無視されていますね。
350 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/06(土) 17:11 ID:up9m2u5A
029は巻三七、巻三五にそれぞれ高句麗地名が2種類ずつ出てきますが、
お互いに一致するのは一つだけで、残りは他方に見えないというややこしい
ことになっています。両巻に共通するのは訓読と音読の混合地名である
「童子忽」ですが、巻三七にしか見えない「仇斯波衣」の方は音読オンリー、
巻三五にしか見えない「[山+童]山」は訓読オンリーというのが面白いですね。
問題は三者の関係ですが、音読地名の「波衣」は訓読地名の「巌」と対応
(074など)するのが普通ですので、「山」や、通常「城」の音読表記として使用
される「忽」と対応するのは不審ですが、074に「[休+鳥][留+鳥]城{一ニ云フ
租波衣。一ニ云フ[休+鳥]巌郡}」という例があり、「城」「巌」と「波衣」が対応して
いるほか、「岑」と対応する例(052)や「[山+見]」と対応する例(091)の例など
がありますので、「城」や「山」とも一応対応し得るようです。まぁこの場合の
「城」は「城市」の意味で使用しているだけで、「城」イコール「波衣(巌)」という
わけではないのかも知れませんが。
とりあえず「忽(城)」「山」と「波衣」が対応するとすると、残る「童子([山+童])」
と「仇斯」が対応するということになります。李基文は日本語「コ(子)」と対応
するのではないかと推測しています。頭子音くらいしか共通する部分がない
のがネックですが、現状では他に手はなさそうです。
351 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/06(土) 17:14 ID:up9m2u5A
030も高句麗地名が二つ出てきますが、「別史波衣」は音読地名、「平淮押」
は音読と訓読の混合地名のようです。本例は漢字の異伝が多く、「淮」は「唯」、
「平」は巻三五では「乎」となっています。このうち、後者は漢字音からして「別」
と対応させづらいので、誤記乃至誤伝である可能性が高そうです。問題は前者
ですが、「淮」の漢字音が「斤uΛi」、「唯」が「yiui」、これに対応するはずの「史」
が「s^i¨ei」で、どちらも発音特に声母の部分の相違が大きいため、どちらが
正しい漢字表記なのか判断しかねるところです。思うに、どちらも間違いで、
本来の漢字表記は「准(中:t∫ιen)」だったのではないでしょうか。これなら
「史」の声母と発音的にだいぶ近くなります。ただ、このように考えると、今度は
余計な韻尾nが付いてくるのが痛いと言えば痛いのですが、新羅地名「分津」
では「津(tsien)」と韻尾nの付いた漢字が使われていることを考慮すれば、
「准」説もそれなりに可能性があるように思います。
残る「押」と「波衣」の対応ですが、「波衣」は高句麗地名では「巌」に対応
するのが普通なので、「おす」という意味しかない「押」という漢字に対応する
のは不審です。ところが、実際には049、090で「嶽」、183、186で「岳」に対応
している例があり、高句麗地名では「押」を「山」の意味で使用していることが
多いという事実があります。「押」が音読表記なら漢字音は「ap〈kap〉」です
ので、「高い山」「岩山」を意味する高句麗語として「ap」乃至「kap」を再構
する必要があるということになりますが、既に山系の語彙として「波衣(巌)」
「述尓(峰)」「達(山)」が存するのに、新たに別の山系の語彙を付け加える
のはいささか躊躇されます。「押」を「岫(峰の意)」の誤記乃至代用漢字と
して使用しているという可能性も考えたのですが、さすがに苦しいですね。
残る可能性として今考えているのは、「峡谷」の意の高句麗語「kapi(kap)」
と対応するというものです。144に「猪[之+守]穴県{一ニ云フ烏斯押}」という例
があり、「押」と「穴」が対応しているのですが、「穴」は高句麗地名では「甲比
(062)」「甲(195)」と音読表記されており、特に後者は「押」と同音字なのです
ね。「巌」と「峡谷」では意味的に正反対のようですが、岩山に峡谷はつきもの
ですし、029でも「忽(城)」と「波衣」が対応し、「忽」は本来「谷」の意であると
いう説もある(
>>31
)ようです。
>>32-33
,
>>35
,
>>37
,
>>39
も参照されたし。
352 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/06(土) 17:48 ID:up9m2u5A
そうそう。
>>351
では新羅地名「分津」の命名の由来を高句麗地名「准」の
漢字音から来たのではないかと指摘しましたが、もう一つ、高句麗地名「押」
の漢字音「kap」から、
>>333
,
>>337
で話題になった「kai(浦・水俣)」を連想
して「津」と名付けたという可能性があることも指摘するのを忘れていました
ので、追加しておきます。
353 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/07(日) 23:09 ID:nW.blu.g
押と甲が同音字というか、押の字音がapとkapの二つあるということですね。
kaiは古い形ではkapiだったかも知れません。
母音にはさまれたp,sが落ちる現象は古くからあったと考えられるので。
忽はsangol(山村)のコルと同じですよね。多分。
郡(こおり)と関係があるかどうかはわかりませんが。
354 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/08(月) 00:27 ID:VzaJAOo.
娜々志娑无先生のレジメでいつも違和感あるのは
高句麗語のコル(城)に対する参考として日本語のキ(城)を出すよね?
コルは城郭都市の意味だからどちらかというと日本語ではクルワ(郭)が参考になるのでは?
355 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/08(月) 01:59 ID:DudWbyRI
>>353
>押と甲が同音字というか、押の字音がapとkapの二つあるということですね。
そういうことです。わかりにくい書きかたをしてすみません。日本では「押」の
漢字音と言えば「オウ」なので、「ap」がまず最初に思い浮かぶと思うのですが、
この場合は「甲」の方と同じ発音だったと考えた方がいいだろうということです。
>忽はsangol(山村)のコルと同じですよね。
「sangol(山村)」という語が現代朝鮮語にあるのですか。もしそうなら、san
は「山」の漢字音に間違いありませんから、「gol」は「村」と解するしかありま
せんので、高句麗語の「忽」と結び付けることが可能になりますが。そもそも
それは共通語でしょうか。もしかして北方の方言とかいう落ちがあったりして。
>>354
>コルは城郭都市の意味だからどちらかというと日本語ではクルワ(郭)が参考になるのでは?
それがですねぇ。「クルワ(廓)」という語の最古例は江戸時代(17世紀)の話
でして、古代にそういう語が存在したかどうかは極めて怪しいのですよ。勿論、
文献にたまたま登場しなかったという可能性もありますが、確例がない以上は
まだ「キ(城)」の方がまだ有力だと言わざるを得ないかと。
356 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/08(月) 16:59 ID:6iTbfPw.
>>355
>くるわ(廓)
『日国大・第二版』を引いたら、16世紀中頃の用例があるようですね。失礼しました。
で、「くるわ(廓)」の語源ですが、アクセントや語義から推定するに、擬態語の「くるり」
「くるくる」などの「くる」と「わ(輪)」の複合語らしく思われます。「わ(輪)」は本来は丸い
形という意味ですが、濃尾平野で発達した「輪中」のように、方言では集落を囲む境界
の意味でも使用されます。「くるわ」も最初から遊里という意味ではなく、古例を見ると
城や砦の周囲に築いた囲いの意で使用されていますので、本来は一定の地域の周囲
を円形に囲んだ境界自体を指す語だったのでしょうが、その境界によって隔てられた
地域そのものも指すようになり、秀吉以降、遊女屋は囲いで隔てた地域に集めて営業
させるようになったこともあって、遊里のことも「くるわ」と称するようになり、遂にはそれが
固定化したということのようです。高句麗語の「忽」などと結び付けるのは難しそうですね。
357 名前:
阿木林
:2003/09/08(月) 17:04 ID:yNJmN92c
コルgorは谷という意味の固有語ですよん。
サンゴルsangorなら山谷ですが、山里という意味で多くつかいます。
コルモクgormogというと路地とかいう意味ですが、これはモンゴル語などの
可能性がありますね。
358 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/08(月) 17:57 ID:6iTbfPw.
>>357
阿木林さん
>コルgorは谷という意味の固有語ですよん。
ああなるほど、
>>19
で挙げた後期中世語の「kol(谷・洞)」ですね。当方、朝鮮語は
さっぱりなので、またいろいろ教えて下さい。それにしても、やっぱり朝鮮語にも日本
語の「こうば(工場)」みたいな漢語と固有語の複合語があるんですなぁ。まぁ朝鮮語
の「san(山)」の場合は、固有語の「moi(me)」自体が死語になって久しいという事情
もあるのでしょうけど。
359 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/08(月) 18:31 ID:DhJOZjXA
>>356
>「くるわ(廓)」の語源ですが、アクセントや語義から推定するに、擬態語の「くるり」「くるくる」などの「くる」と「わ(輪)」の複合語らしく思われます。
先生。素人にはとてもデムパっぽいかんじがしちゃいます。(スンマセン
いえ、「くる」って「めぐる」・「めぐらす」からきたのかなーと最初に思っちゃったもんですから、「くるくる」に拍子抜けしただけなんですが…。
360 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/08(月) 20:38 ID:DudWbyRI
>>359
359さんはものの周囲を意味する「ぐるり」という語をご存じありませんか。
擬態語の「ぐるり(「くるり」の濁音版)」から生まれた語です。私は今でも
使いますが、意外に歴史のある語でして、17世紀には既に使用されている
ことがわかっています。周囲をぐるりと回るという表現から生まれたこの
「ぐるり(周囲)」と「くるわ(廓)」、発想の点でよく似ていると思いませんか。
まぁ前者は擬態語そのものが名詞化したのに対し、後者は擬態語と名詞
の結合なので、まったく同じというわけではありませんが、現代でも「スカ屁」
「ビチ糞」(尾籠な表現ばかりで済みません)のように、擬態語や擬声語の
一部と名詞が結合して新たな名詞を作る例は珍しくありません。
唯一の問題点は擬態語「くる」の実在が証明されていないことですが、
擬態語「くるり」「くるくる」「くるる」などの語からこの擬態語の本体ともいう
べきものとして「くる」を分析することは難しくありません。年代的に見ても、
「くるり」「くるくる」は院政期、「くるる」に至っては奈良時代の頃から使われ
ていましたから、「くるわ(廓)」より確実に先行しており、これらの「くる」
から「くるわ(廓)」が生まれたとしても何の矛盾も生じません。
なお、動詞について言えば、擬態語「くる」と語源的に関係がありそうな
動詞は「めぐる(巡)」ではなくて「くる(繰)」の方でしょう。「めぐる(巡)」
だと「め」の始末に困ってしまいますからね。
361 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/08(月) 20:41 ID:DudWbyRI
>>360
>め」の始末に困ってしまいますからね。
送信を押してから気付いたのですが、ここは
「め」のやり場に困ってしまいますからね。
としとけばよかったなぁ。チォブ。
362 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/08(月) 22:04 ID:on5doEMI
漏れは359ではないが、まさに360のような説明をきいて「なるほど」と思いたかったわけですよ。
たしかに359が引用してる1行だけみたら、素人は「デンパかよ、ワラ」と脊髄反応するのは
無理もないこと。漏れも一瞬そう思ったし。
面倒くさいけど、娜々志先生、ファン多いと思うのでがんがって!応援してるんで。
363 名前:
阿木林
:2003/09/09(火) 10:02 ID:i7vKouAM
チョソン語でもクル、というのは転がるという意味の語根ですが、
これも擬声語の最たるものでしょうねぇ。
擬声語が語幹になる例は日本語より多いといわれてます。
クールリダ ku:l-li-ta 転がる
クールロガダ ku:l-leo-ka-ta 転がっていく
母音がちょっと違いますが、トングルダtong-keul-taならば「丸い」。
トングラミtong-keu-ra-miは「丸」。転がる擬音はtong-keul。
シナー語でもku-luという擬声語があるくらいで。
364 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/09(火) 13:00 ID:3ji.chpM
そういえば「耽羅国・耽羅島」(今の済州島)も「丸い島」の意味とか聞いたけど本当なの?
365 名前:
阿木林
:2003/09/09(火) 17:46 ID:i7vKouAM
丸い島、という説は初めて目にするような。
たしかseom-moe(島・山)というかたちが、seom-naに変化した、
という説が一般的であったような気がします。
talk-moe(岳・山)の変音であったかもしれません。
366 名前:
阿木林
:2003/09/09(火) 17:49 ID:i7vKouAM
前にスレに貼った、この再構音なんだけど、
自然言語としてはかなり違和感のあるものです。
a/ιa/ua/ιua
a^/ιa^/ua^/ιua^
o/ιo/ιu/
∂i/ι∂i/u∂i/ιu∂i
ai/ιεi/uai/ιuεi
Λi/ιi/uΛi/ιui
a^i/ιe^/ua^i/ιue^
ρi/ιei/uei/iuei
au/ιεu/ieu
a^u/ιeu/∂u/ι∂u
am/ιεm/∂m/ι∂m
a^m/ιΛm/Λm/ιuΛm
an/ιεn/uan/ιuεn
Λn/ιΛn/uΛn/ιuΛn
a^n/ien/ua^n/iuen
∂n/ι∂n/u∂n/ιu∂n
εn/ιe^n/ιue^n
aη/ιaη/uaη/ιuaη
っη/ieη/iueη
oη/ιoη/uη/ιuη
εη/ιεη/uεη/ιuεη
∂η/ι∂η/u∂η/ιu∂η
Λη/ιΛη/uΛη/ιuΛη
367 名前:
阿木林
:2003/09/09(火) 17:53 ID:i7vKouAM
恐らく、中古音の体系は、
i/e/ε/a/っ/o/u/∂という8母音を中心としていたのではないかと
思います。現存する東アジアの言語にかなり普遍的に見られる
体系だからです。
現代朝鮮語にそっくりの基本母音ですが、朝鮮語の場合では
李朝語との間に母音推移が起きています。あたかも英語の
大母音推移のごとく。
a
e>っ
ai>ε
ei>e
o
u
w
i
∂>a/w
368 名前:
阿木林
:2003/09/09(火) 18:04 ID:i7vKouAM
また、aには長短があったのではないかと思います。
たとえばaは短音、a^は長音であるというように。
[Λ]という音は[っ]とほぼ同じ音と考えられますので、
[っ]で書き換えても問題は無かろうと思います。
e^もeで書き換えてほぼ問題はないようです。
江韻は長母音のa:ngだったのかもしれません。
等の問題はどう解決すべきか。
オツ eul 乙(3等)
イチ il 一(4等)
などの例から、*I@t, *i@tという違いが想定されているわけですが。
以上、あんまり関係ない独り言。
369 名前:
阿木林
:2003/09/09(火) 18:18 ID:i7vKouAM
恐らく*I は捲舌的な要素を含むiだったのではないか。
そう考えるのが今のところ合理的なような。
現存する言語に、介音のi に二種類ある言語があればよいのですが。
上古音では*-I-は*-r-だったのではないかという研究もあります。
これはビルマ語などで-r-, -l-などという二重子音が、全て-y-に変化
していることを受けています。
370 名前:
日語商売
:2003/09/09(火) 18:53 ID:7pahZ7ek
>>367
中古音の再構のネックは、何といっても自然言語にありそうにない体系を考える人が多いことなんですよね。
たとえばΛと@(aをひっくり返した発音記号と思ってください)の区別があったと考える人がいますが、
現実の言語でそんな区別をしているものなんてありません。
またΛと∂が別個の母音とする人もいますが、これもちょっと考えにくい(異音としてならいいけど)。
私も阿木林さんのおっしゃるとおり、だいたい8母音ぐらいの体系だったと思います。
どちらかと言えば英語に近い i/e/ε/a(ae)/α(っ)/o/u/∂(Λ)。
εとaの区別(中国音韻論の術語で言えば二等重韻)も、昔の区別が韻書に残っただけで、
実際の言語では区別がなかったかも知れません(少なくとも9世紀以降は合流)。
iとιも、今では/ji/と/i/と解釈する説が有力ですね。
李朝語の母音ですが、前に挙げた17世紀の漂流民のことを書いた本では、
母音┤をエ段の仮名で写しています(例:漢城に「はんせん」とルビ)
そう考えると、┤は・(いわゆるアレア)の消失やai、eiの短母音化などの影響で
どんどん奥母音へと変化していったのでしょうね。
ただ満州語のように、eをもたず∂を持つ言語も東アジアにはあるので、
[e]とは違う、もう少し中舌に近い母音だったのかも。
371 名前:
日語商売
:2003/09/09(火) 19:21 ID:7pahZ7ek
あ、レスが進んでいる。
>>368
あるいは長短があったのかもしれませんね。
粤語ではa:対aの区別がありますが、歴史的には原則としてa:はaやα(a^)、aは∂から来ています。
すると一等の重韻、αとΛ(っ)の区別は、ある時期にはa:とaに近いものだったかもしれません。
二等重韻(私の表記ではaとε)もε:とεだったとか。
これは阿木林さんの考えとは異なりますが。
江韻については、中古音に円唇軟口蓋鼻音韻尾を考えて、/aung/と解釈する説も有力です。
>>369
今の中国語方言にはi介音に2種類あるのってないんですよね。
三等と四等の区別は13世紀頃まで残っていたらしいのに。
さっき自分が挙げた三等/i/四等/ji/と、三等/I/四等/i/では、どちらがいいのか、
正直自分でも迷っています。
上古音の段階で、三等のおそらく大部分に*-r-要素があったというのは、
間違いないと思うのですが。。。
372 名前:
阿木林
:2003/09/09(火) 20:19 ID:i7vKouAM
aungとかaingとか、介音と主母音が逆転したような形式って
福州話などでは普通にみられるんですよね。
それに四等音が対応するかというと、そうでもないんですが。
四等に/ji/という発音を当てた場合(中国ではこの説が多いはず)
弱い摩擦をともなうイであったということになるでしょうか。
aの長短を区別する言語は基層のタイ系言語の影響であると考える
のが普通ですが、長安音にも長短の対立があったと考えることが
可能かどうか。長短の対立があったとすれば、基本母音数を少なく
することができ、すっきりするのですが。
タイ系の言語では/ian/と/i:an/のように介音に長短の区別がある
ものがあったような気がするのですが、確かな記憶ではありません。
章zhang/将jiangのような対立に、突破口を求めたいと
思っています。この場合章には中舌的な介音-I-が含まれて
いると考えうるからです。捲舌音は北方語に特有な特徴とされて
いますが、必ずしもそうではなく、蘇州話や海陸客話などの老派では
残されています。
373 名前:
364
:2003/09/09(火) 23:19 ID:5HYB7Cjg
>>365
「耽羅」が「丸い」の意味だというのは岩波の日本書紀の注釈にあったよ。
374 名前:
阿木林
:2003/09/10(水) 10:30 ID:579HTEDk
実は、昨日結構大事なことに気づいたのですが、切韻をもとにした
中古音体系は、長安音とは似て非なるものなんです。
これは全て南北朝時代の江南音をもとにしているといわれており、
いわゆる「呉音」のもととなった体系です。
切韻が編纂された当時でも、長安音と合致しないことは問題となって
おり、多くの注釈が生まれるのですが、契丹語などの音韻の影響を
強く受けた北方中原語の韻書が編纂されるのは宋代になってから
であったと思います。当時の長安音は、チベット文字の資料などから
かなり明らかになっており、いわゆる「漢音」の元となっているものです。
で、その重要な特徴の一つは、「清濁を区別しない」ことなのです。
「漢音」に濁音がほとんど現れない(馬 バ ma>mbaなど、鼻母音から
変化したものは除く)ことからも明確です。
朝鮮三国関係の資料がこの北方中原音に依拠していることは恐らく
間違いないでしょう。そうであれば多くの資料で「清濁の対立が
見られない」ことは当然であるともいえるのです。
もちろん、これが「高句麗語に清濁の対立がない」ことを否定する
材料とはなりません。
三国関係の資料の漢字音は、切韻の体系よりもむしろ朝鮮漢字音に
近いということが、ここから言えると思います。
そこで、朝鮮漢字音も資料に加えるというのはどうでしょうか。
もちろん、戦後に表記が簡略化される前の綴りが望ましいでしょう。
(例:田 tien
> cen ここではeは/っ/ないし/∂/を表す)
375 名前:
阿木林
:2003/09/10(水) 11:49 ID:579HTEDk
とは言ったものの改定前の漢字音はあまり詳しくないんですよ。
026
主夫吐 cu-pu-tho
長堤 tiang-tiei
樹州 su-ciu
027,
首尓忽 su-'i-hol
戍城県 sul-sieng
守安県 su-'an
028
,黔浦県 kem-pho
金浦県 kwm-pho
029
童子忽県 thong-c@-hol
仇斯波衣 ku-s@-pha-'wi
童城県 thong-sieng
[山+童]山県 thong-san
030
平淮押県 phieng-hoi('iu/ciun)-'ap
別史波衣 piel-s@-pha-'wi
分津県 pun-cin
乎唯押県 ho-'iu-'ap
通津県 thong-cin
波衣=唯押('iu-ap「いわ」と関係ありや?」)=津
であるとして、別と分が通じるのが興味あります。
であるならば乎は通に通じるのでしょう。
「史」と28の「斯」は同音であり、かりに助詞の/s/(〜の)を表すと
するならば、仇斯波衣はおそらく「子ども?の岩」
別史波衣は「分かれた?岩」ということになり、新羅語と通じる波衣
には「唯押(イワ?)」という語彙が対応しているということになります。
376 名前:
阿木林
:2003/09/10(水) 11:55 ID:579HTEDk
なお、個人的に朝鮮語の表記に次の方法で書いてみました。
k/n/t/r(l)/m/p/s/'/c/ch/kh/th/ph/h
a/ia/ai/iai/e/ie/ei/iei/o/io/u/iu/w/i/@(アレア)
志部方式とイェール式のちゃんぽんですが、この場ではよいかと。
韓国のチャンポンってなんであんなに辛いんだろう・・・
377 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/10(水) 17:12 ID:d1WTvisU
>>373
364さん
>「耽羅」が「丸い」の意味だというのは岩波の日本書紀の注釈にあったよ。
えっと。それは日本古典文学大系のことですよね。何頁でしょ?
ちょっと見つけられなかったので。
378 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/10(水) 17:19 ID:d1WTvisU
>阿木林さん
>>374
>そうであれば多くの資料で「清濁の対立が
>見られない」ことは当然であるともいえるのです。
なるほど。この辺はある意味阿木林さんの予想通りの結果が出たというわけ
ですね。「高句麗漢字音に清濁の対応が存在しない」から「高句麗語に清濁の
対応が存在しない」と考えたのはさすがに短絡過ぎたようです。スマソ。
>そこで、朝鮮漢字音も資料に加えるというのはどうでしょうか。
おー、アナタ、私に死ね言いますか!
冗談はさておき、私の手元に河野六郎著作集の『資料音韻表』があるので、
それを参照すれば、「田(朝:tj∂n)」のように朝鮮漢字音を記載することは
一応可能は可能です。ただ、その作業にはかなりの時間と労力を要すること
が予想されますので、さすがにすぐにというわけには…(^^;。
>>375
>波衣=唯押('iu-ap「いわ」と関係ありや?」)=津
日本語の「岩」は平安中期までは「iΦa」で、「i'wa」になるのはハ行転呼が
生じた平安後期以降の話ですよ。高句麗語ではいち早く〔Φ→β→w〕の変化
が起きたとでも考えない限りは難しいのではないでしょうか。それに、「波衣」
も「唯押」も音読表記だとすると、両者の再構語形には相当な隔たりがあります
ので、同じ語の異型とはちょっと解されません。結局、別に「津」の意味を持つ
語を新たに想定しなくてはならないというのも問題かと。
379 名前:
阿木林
:2003/09/10(水) 18:11 ID:579HTEDk
おお。あれは「いは」でしたね。勇み足を踏んでしまった。
古語ができないというのはやっぱり弱点ですね。
切韻の体系でも、長安音とかけ離れているわけではないので、
清濁にさえこだわらなければやはり有用ということになると思います。
380 名前:
阿木林
:2003/09/10(水) 18:26 ID:579HTEDk
波衣は韓系の語彙、唯押は高句麗系の語彙、ということを考えて
みたのですが・・・やっぱり立証は難しいですよねぇ。
ちなみに現代音で/pha/となる「波」も、おそらく当時は/pa/と発音
されていたのでしょう。
381 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/10(水) 19:35 ID:d1WTvisU
>>202
でもある程度指摘済みですが、結局、『三国史記』の高句麗地名データの
記述パターンによる価値の高低について言えば、地名データ(注:大文字は訓読
字(漢語)、小文字は音読字)が、
(1)AB{一ニ云フab}(巻三七) CD県ハ、本高句麗ノAB(ab)県ナリ。(巻三五)
または、
(2)ab{一ニ云フAB}(巻三七) CD県ハ、本高句麗ノAB(ab)県ナリ。(巻三五)
という形で記述されているのが最高なんですよね。何せ巻三七から高句麗語を
再構出来る可能性(あくまでも「可能性」です。両者が無関係である可能性もある
ので)があるだけでなく、ついでに巻三五から新羅語までも再構出来る可能性
まで出てくるわけですから、こいつはもうたまりません。ご存知の通り、新羅語も
相当資料が乏しいので、こんなデータでも十分貴重なデータになります。しかし、
(3)ab(巻三七) CD県ハ、本高句麗ノab県ナリ。(巻三五)
というパターン(私のデータで言うところの「非三七」)だと、CDとabの関係から
導き出せるのは高句麗語なのか新羅語なのか、はたまたまったく無関係なのか
が判別出来ないので、他の地名データを参照したり周辺言語と比較したり等、
色々と面倒な手続きが必要になってきます。更に、
(4)AB(巻三七) CD県ハ、本高句麗ノAB県ナリ。(巻三五)
になると、高句麗語の再構も新羅語の再構も、どちらもほぼ絶望的になります。
まぁ高句麗漢字音と新羅漢字音の比較対照くらいは出来る可能性がありますが、
後はせいぜい、高句麗地名を音読し、その音から新羅語の単語を連想してそれ
に基づいて新羅地名が命名されたという可能性を追究することで、場合によっては
新羅語を再構出来るかも知れないという程度でしょうか。
あ。それともう一つ。たとえ高句麗地理誌に載っている地名であっても、新羅領
に近い地域の場合は、もともとその土地では韓系言語(新羅語)が使われていた
という可能性がかなり出てくるので、仮に(1)や(2)といった黄金パターンのデータ
であっても、それをもって無条件に夫餘系言語(高句麗語)と断定するのは危険
であるということも念頭に置いておく必要がありますね。まぁ同様の問題は、百済
領に近い領域についても起こり得るわけですが、百済の支配層が夫餘系であると
いう通説に従えば、可能性としてはまだ低そうです。
382 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/10(水) 21:22 ID:ycsFM8Bg
日語商売さんに続いて阿木林さんという漢字音にお詳しいお方が
登場されたので、この機会にそろそろ高句麗地名データにおいて
中古漢字音の転写の際に私が使用している音声表記法の問題点
とその改良案などを具体的に指摘して頂けると有難いのですが。
例えば、私は「^」をそり舌音を示す記号として用いています(
>>98
の日語商売さんの真似)が、阿木林さんはa、eの上のvの記号と
して使用しておられますよね。私はこっちの区別の方は最初から
書き分けを放棄しているという体たらくだったりするわけですが、
仮に区別するなら区別するで、どう書き分けるべきかについても
アイデアを出して頂ければと存じます。
その他、この漢字については藤堂はこう再構しているが、実はこう
再構するのが正しいからこうせよというようなことでも結構です。
宜しくお願いします m(_"_)m。
383 名前:
日語商売
:2003/09/10(水) 21:25 ID:kOy/b8Po
すっかり亀レスになってしまいました、スマソ。
現在行われている「トーナメント優勝者最萌トーナメント」の選対活動を某所でしておりまして、
昨日は書きかけをほっぽっといてしまいますた。
>>372
福州音の例は有名ですね。
中古音だと、江韻と同じように東韻や冬韻、鍾韻を音韻論的に
/∂uη,i∂uη,αuη,iαuη/と考える説があります。
また別な説では、庚韻、耕韻、清韻、青韻の韻尾を/-iη/として、
aiη,iaiη,εiη,iεiη,eiηのように考える説もあります。
これはたとえば朝鮮漢字音の庚韻や耕韻の音にΛiη、oiηのようなのが出てくるのが
一つの証拠になっています。
ただ、同一時期に-uηと-iηの両方があったと考えると、-ηも同時に存在したわけだから、
韻尾の種類が多くなりすぎてしまうって不都合があるんですよね。
だから音声的にはともかく、音韻としては、どちらか片方があったと考える人が多いようです。
四等の/ji/ですが、これはロシア語の硬音と軟音のように、子音の口蓋化の有無とされます。
たとえば/ki-/だったらkは軟口蓋音だけれども、/kji-/のときはもっと前寄りで硬口蓋音に近かった、
とか解釈をするわけです。
軟口蓋音の場合は調音点の前:後ろで区別されるでしょうが、唇音とか声門音の場合は
そもそも舌があまり調音に関与しないので、軽い硬口蓋摩擦を伴っていたと考えていいと思います。
長安や洛陽の言語に長短の別があったかというと、仮説持ち出したくせに恐縮ですが、
どうもその可能性は低いようです。
というのは、梵漢対訳に使われる字の調査の結果によると、サンスクリット(梵語)の
長音には、去声の字が宛てられる傾向があったそうなんです。
どうも中古音以前には、声調によって母音の長短に差があったようで、そのような環境で、
別個に母音の長短が存在し得たのだろうか、疑問なわけです。
>>374
これ重要ですね。濁音は長安あたりでは全部清音になってしまってた
(ただその代償として声調が陰陽の2つに分裂しました。現代北京語の第一声と第二声は
平声の陰陽の名残です)。
>>378
あ、河野先生の著作集がありますか!
あれ、古本屋とかで買おうとすると高いんですよね。前いた研究室には2部あったので、
ほとんど好き勝手に使っていたのですが、こっち来てからはうちの大学にはないので、
参照できません(泣。
COREA大あたりにあったらtonkasuさんのつてでコピーさせてもらおうかしら。
384 名前:
阿木林
:2003/09/12(金) 11:45 ID:riz9oyQI
うわあああああああああああw
漢字音に詳しいなんて冗談だと思いますが、ただの電波です。
たとえば次のようなスレにはびこってましたが、今は誰もいませんw
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=asia&key=1049592884&ls=50
" target=new>
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=asia&key=1049592884&ls=50
福州音にaungがあるってのもうそでした。Oungならあるんだけど。
むしろビルマ語にそういう例が沢山ある。
aing/eing/oungなどという韻尾は「漢語」の枠組みの中では福州話と
周辺のビン北語くらいにしか見られないため、中古音との関連ってあまり
真面目に考えてなかったのです。基層のミャオ語の影響かな、と考える
ほうが分かりやすかったので。でも、たとえばベトナム語などで
anh /anj/などという韻は「アィン」としか聞こえないわけで、これが/aing/
から発展したとも考えることができます。朝鮮漢字音の/aing/, /oing/
も盲点でした。/-ung/, /-ing/, /-ng/という韻尾が同時に存在していた
としても、それが全ての母音に対して3種類設定する必要はないのです
から、韻尾の数が増えすぎることはないでしょう。
四等の/ji/について「摩擦が多い」などと間抜けなことを書いてしまい
ましたが、たとえば/ts/に/ing/と/jing/が付いた場合には、尖団音の
区別のようなものがあったということになりますよね。
音色としては「ツィン」と「チン」の違いというか。
それよりはむしろ単純に/Ing//ing/の区別があって、/Ing/が捲舌音を
発生させた、と考えたいところです。音色としては/Ing/のほうが声母と
同化して、「チン」に近かったのだと思います。
385 名前:
阿木林
:2003/09/12(金) 11:58 ID:riz9oyQI
去声の字に長音があてられる、というのも実は福州話とぴったり
あてはまる特徴だったりします。
福州話の去声は「\/」ないし「/\」という、北京語の上声のような
屈折した声調があらわれるのですが、このために母音が変化します。
漢蔵語言学の用語では「緊音」に対する「鬆音」というのですが、
これは長母音のようなものといえないこともない。
みにふろに福州話のスレを立てているのですが、人がいないので
完全に放置しています。あれを復活させてみようかな、と思いました。
386 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/15(月) 12:35 ID:YU26Ls7.
娜々志娑无先生、本家での美少女認定おめでとうございます。
___
<_娜々> ra
/ i レノノ))) \ nu¨ ノ
人il.゚ ヮ゚ノ人 na ヾ ☆
√dl∨==o==<|nu¨ri nu¨〜nu¨ri(世) 新羅語 奈 良 ヽ ☆.∧_∧ アイゴー
|= く_ :|〉 `` 馬- ☆ ∩#`Д´>'')
し'ノ / ☆ヽ ノ
♪ ノ (,,フ .ノ
鹿 .レ'
387 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/15(月) 15:07 ID:jIyw1iGo
>>386
本家って?本家スレがあったんですか?
388 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/15(月) 15:28 ID:/5nXHNQc
>>387
たんにハン板のことだと思われ
389 名前:
日語商売
:2003/09/15(月) 16:13 ID:UsgVsbwQ
>>386
おお、おめでとうございまつ!!w
実は私も某所で志保車タソに萌キャラにされたことが。。。w
390 名前:
machina ◆CnqNOeLs
:2003/09/15(月) 16:35 ID:4UH9nn6c
>>386
え〜、美少女より美女教師がいいでつ。
むちむちぷりんなタイトスカートに白ブラウスでおいおまえどこからはいってk(PAMPAM!!
391 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/16(火) 07:13 ID:OHoKdMdU
>.389
志保車タソって誰?
392 名前:
ケムール人 ◆9s/SSlUk
:2003/09/16(火) 14:37 ID:y5AeZGgI
>>390
年の頃なら30凸凹、ひっつめ髪に、くろ縁メガネ。
しかしバサリと髪を解くと・・・
センセ萌え〜!
393 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/17(水) 19:13 ID:0LUwg6Fo
| |__
| |i■
| |ノノ)))
| |ワ@人 ・・・
|_と ノ
|娜|ノ
| ̄|
394 名前:
shimi
:2003/09/17(水) 21:33 ID:At7/a83Q
う、この学術スレで新たなカップリングが誕生するの?(スイマセン すぐ落ちます)
395 名前:
ケムール人 ◆9s/SSlUk
:2003/09/17(水) 21:37 ID:BUAkVzOc
>>393
すみません。やっぱり自分に嘘はつけない・・・
396 名前:
美少女と言ってみた人
:2003/09/18(木) 16:26 ID:5565Odfg
>>393
美少女娜々志タンハァハァ・・・
嘘です、私は知的な男性にしかハァハァ出来ません。
先日、某スレで美少女と最初に書き込んだ者ですが(AAは違う人です)、
ご迷惑でったでしょうか?謝罪は致しますが賠償はご勘弁くださいませ。
397 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/18(木) 19:57 ID:XKWAcINk
思えば、在日認定を受けたのがほんの数ヶ月前のことだったわけでつが、
工作員認定→人格批判→美少女認定と、ここんとこ立て続けにハン板の
通過儀礼をこなしているという感じでつね(w。次は美少年認定か、はたまた
放置プレイか。でも、個人名の暴露だけは勘弁ね(^^;。過去に私が晒した
個人情報をもとに調べれば、簡単に出来ることだと思うんで(汗)。
398 名前:
日語商売
:2003/09/18(木) 20:21 ID:38fo5MkU
最近いろんな人が来ますねぇ。いやぁ、めでたい(嘘
399 名前:
Seosomun
:2003/09/18(木) 23:16 ID:VwXsr17g
お勤めの独立行政法人予定地に
助手に採用していただければ黙っておきまつw
ってホントはどなたかわかってないんでつが。
400 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/22(月) 17:10 ID:dApaJjr6
031,北漢山郡{一ニ云フ平壌},漢陽郡ハ、本高句麗ノ北漢山郡{一ニ云フ平壌}ナリ。真興王
為シ/v州ト、置ク/2軍主ヲ/1。景徳王改名ス。本楊州ノ旧墟ナリ。,ソウル市,×,×,×,×,
※漢字の変更のみ
032,骨衣内県,荒壌県ハ、本高句麗ノ骨衣奴県ナリ。景徳王改名ス。今ノ豊壌県ナリ。,京畿
楊州郡榛接面,荒=骨衣(中:ku∂t-・ι∂i);壌=内〈奴〉(中:nu∂i〈no〉),古代日本語
「na(国・大地)」,新羅語「ka¨c‘っ¨l(荒)」;後期中世語「k∂c‘щl(荒)」;新羅語
「nu¨〜nu¨ri(世)」;後期中世語「na-rah(国)」,南方ツングース諸語・満州語「na(土地)」,
033,王逢県{一ニ云フ皆伯。漢氏ノ美女迎フル/2安臧王ヲ/1之地ナリ。故ニ名ヅク/2王迎ト/1},
遇王県ハ、本高句麗ノ皆伯県ナリ。景徳王改名ス。今ノ幸州ナリ。,京畿高陽郡知道面幸州,
王=皆(中:k∧i);逢〈遇〉=伯(中:p∧k),古代日本語「ki1mi1(君)」,新羅語「kan(干)」
;新羅語「han(翰)」,夫餘語「ka(加)」;任那語「kanki(干岐)」;蒙古語「kaγan(可汗)」
;満州語「baha-(得)」;ゴルディ語「ba-(発見)」;エベンキ語「baka-(発見)」;ラムト語
「bak-(発見)」;トルコ語「bak-(見)」,
034,買省郡{一ニ云フ馬忽},来蘇郡ハ、本高句麗ノ買省郡ナリ。景徳王改名ス。今ノ見州ナリ。,
京畿議政府,買(中:mai)=馬(中:ma);省(中:s^i¨Λη)=蘇?(中:so),×,×,×,※
省(巻三七)ー召(東。誤植か)※高句麗漢字音:買=馬※新羅漢字音:省=蘇?※「省」
は「城」の音読表記か
035,七重県{一ニ云フ難隠別},重城県ハ、本高句麗ノ七重県ナリ。景徳王改名ス。今ノ積城
県ナリ。,京畿坡州郡積城面,七=難隠(中:nan-・ι∂n);重=別(中:bιεt),古代日本
語「nana(7)」;古代日本語「Φe1(重)」,後期中世語「p∧l(重)」,ツングース諸語「nadan
(7)」,
401 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/22(月) 17:13 ID:dApaJjr6
031は漢語地名のみですから、高句麗語再構には使えません。しかし、ソウルがかつて
平壌とも呼ばれていたとは知らなんだ。
032は
>>381
でいうところの(3)(非三七)ですので、高句麗地名の「骨衣内県」と新羅地名
の「荒壌県」が本当に対応するかどうか確証はありませんが、047「於斯内県{一ニ云フ斧壌}」
のように、「内」と「壌」は対応することが知られていますから、残る「骨衣」と「荒」もまた対応
する可能性があります。仮に高句麗語「骨衣」の意味が「荒」であるとすると、「骨衣」の漢字
音は「ku∂t-・ι∂i」ですから、t入声の対応や語末子音の相違が気にはなるものの、一応
新羅語「ka¨c‘っ¨l(荒)」や後期中世語「k∂c‘щl(荒)」を対応例として挙げることが出来
ます。一方、日本語には同様の例を挙げることが出来ませんので、本例に関しては朝鮮語
側が有利であることは否めません。ただ、「荒」の漢字音が「huaη」であることを考えると、
新羅地名「荒」は高句麗語「骨衣」の意味ではなく発音に基づいて命名されたものという可能
性もあることは指摘しておく必要があるでしょう。
033は巻三七に訓読地名と音読地名の両方が載っている例ですので、確実に高句麗語
資料として使えるものです。「王逢県」と「皆伯」の対応ですから、「王」と「皆」、「逢」と「伯」
が対応するということになりますが、このうち、前者は104の「玉岐県{一ニ云フ皆次丁}」の
例や周辺言語の「王」や高官を意味する語などから確実視されますし、後者もツングース
諸語やモンゴル語、トルコ語などに対応する動詞を見出せますので、高句麗語の動詞と
して認めてよいでしょう。訓読地名が「王逢」であって「逢王」でないというのも、いかにも
アルタイ系諸言語や日本語、朝鮮語の語順を思わせるものであり、興味深いですね。新羅
地名「遇王県」はそれを漢語風に変えたものに過ぎません。
402 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/22(月) 17:22 ID:dApaJjr6
034は巻三七に高句麗地名として「買省郡」と「馬忽」の2つが出て来ますが、どうも両者
の関係は単純な音読地名/訓読地名という関係ではなさそうです。「買省」「馬忽」のうち
「忽」は高句麗地名では普通「城」に対応する音読字ですので、それが「省」に対応するの
は違例ですが、002に「国原城{一ニ云フ未乙省。一ニ云フ託長城}」という例があり、「城」と
「省」が対応しています。おそらくこの「省」は「城」の漢字音を表わしているのでしょう。
とすれば、本例も「省」で「城」の漢字音を表わしている可能性が出て来ます。残る「買」と
「馬」ですが、それぞれの漢字音が「mai」と「ma」ですので、こちらは単純に高句麗地名
を別々の漢字で音読表記しただけと見てよさそうです。残念ながら、こちらは対応する
訓読地名もなく、かつまたそれを推定することも出来ないので、高句麗語の資料としては
全然使えそうにありません。
なお、新羅地名「来蘇郡」の由来は難しいですが、高句麗地名「買省(中:mai-s^i¨Λη)」
の音と多少似ている(「来蘇」の朝鮮漢字音は「nΛi-so」)ので、とりあえずそこから命名
された可能性を指摘しておきたいと思います。
035は巻三七に訓読地名と音読地名の両方が載っている例ですので、確実に高句麗語
資料として使えます。そのような箇所で数詞が拾えるというのはまさに僥倖というもので
しょう。しかも、「七=難隠」「重=別」それぞれ古代日本語とも対応させることが出来ると
来ては、応えられません罠。まぁ後者の方は朝鮮語にも対応する語を一応指摘することは
出来ますが、肝心の数詞が対応しないのではねぇ…。なお、新羅地名「重城県」は高句麗
訓読地名「七重県」をもとに命名されたものでしょうが、その際なぜ「七」が取られなかった
のかは不明です。
403 名前:
阿木林
:2003/09/23(火) 11:40 ID:KH0./U6g
「来蘇」と「買省」が混同された可能性っていうのは面白いですね。
語頭に/r,l/が立てないという法則はかなり古くからあったものでしょうし。
ところで「見州」の意味とは関係はないと考えるべきなのでしょうか。
mi-ruとmΛiで頭子音が一致しているだけですが。気になります。
また、「城」に対応している「省」には、訓読として「役所」
というような意味があったという可能性はないでしょうか。
「伯」に対応する現代朝鮮語は、というとpoip-ta(お目にかかる)や
po-ta(見る)ということになるでしょう。
404 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/24(水) 16:27 ID:XUiYhPGI
>>403
阿木林さん
>「見州」の意味とは関係はないと考えるべきなのでしょうか。
本スレの最大の目的は高句麗時代の地名から高句麗語を再構して日韓両語と比較
対照することですので、時代的に近い新羅時代の地名は十分参考になるでしょうが、
さすがに高麗時代に付けられた地名は今回の考察の対象からは外すべきだと思います。
まぁ確かに、高麗は一応高句麗の後継国家であることを意識していたわけですし、初期
の段階では旧高句麗領にはまだ高句麗系言語が基層として残っていたようですので、
高麗時代の地名から高句麗語を再構出来る可能性はまったくのゼロではないでしょうが、
そうでなくても地名研究は何かとリスクを抱えているのに、高麗地名まで対象とするのは
現状ではリスクが高過ぎるのではないでしょうか。
>また、「城」に対応している「省」には、訓読として「役所」
>というような意味があったという可能性はないでしょうか。
う〜ん。私が
>>268
や
>>402
で示した、「省」が「城(=忽)」と対応しており、かつ両者の
漢字音が近いというのは、「省」が音読字である根拠としては弱過ぎますかねぇ。でも、
私の見る限り、わざわざ訓読字と取らなければならない理由というのも特にないような
気もするのですが。
>「伯」に対応する現代朝鮮語は、というとpoip-ta(お目にかかる)や
>po-ta(見る)ということになるでしょう。
おお、これは気がつきませんでした。『李朝語辞典』を引くと、中期朝鮮語は「見る」が
「po-ta」、「お目にかかる」が「poi-ta」「poizΛp-ta」でした。意味的にも語形的にも
対応例として挙げるにふさわしいように思います。ご指摘、ありがとう御座いました。
それにしても李基文先生、ツングース諸語やトルコ語の「見る」系の語は対応例として
挙げているのに、どうして朝鮮語は挙げなかったのかしら。不思議だ…。
405 名前:
Seosomun
:2003/09/26(金) 17:14 ID:43BsrotI
すみません
流人部屋の続きなんですが、
峠を表す言葉に、峙(치)というのもありますよね。
これはまた티とも読むようですが、
この峙という漢字は日本や中国でも使われているのでしょうか?
日本語の「峠」のように치・티を訓読みするために韓国で独自に
作られた漢字といううわさを聞いたものでして。
また、この漢字が使われはじめた頃って、いつぐらいなんでしょうか?
教えてくんで済みません。
。
406 名前:
阿木林
:2003/09/26(金) 18:10 ID:vsfvI54E
>>405
「対峙する」という熟語は聞いたことがありませんか?
この字自体は中国から来たものです。
北京語ではzhi4チーと通常読みますが、地名に使うときはshi4シーという
読み方もあります。
韓国で地名に使われることが多い字ですが、固有語に由来するもの
とはちょっと思えません。
中国でも××峙という山名は少なくないからです。
t'iという語型についても、古い漢字音ではないかと思います。
ガイシュツだと思いますが、「堤」にたいして現れる「吐」と日本語の「つ」
(古くはトゥ)は関係あるのではないかと、「つなみ」のニュースを見て
思いました。
407 名前:
阿木林
:2003/09/26(金) 18:16 ID:vsfvI54E
峠の意味の朝鮮固有字なら、[山見] hyeon のほうが有名ですよね。
これの語源はなんだろうと考えてみたのですがわかりません。
同音の「懸」の俗字だったのではないか、という気もするのですが、
やはり固有語と考えるべきなんでしょうか。
408 名前:
Seosomun
:2003/09/26(金) 18:38 ID:43BsrotI
対峙! そうだでした!
현は漢字語だと思ってました
ちなみにソウル地下鉄3号線に大峙という駅がありますが、
すぐ近くに国鉄の駅が最近出来て、
そちらは「한티(hanti)」という駅名になりました。
地名が足りなくなって、昔使われていた
固有語を引っ張り出して来たんですね。
おんなじ様な例は、2号線の阿[山見](アヒョン)駅と
5号線のエオゲ(애오개)駅がありますね。
409 名前:
阿木林
:2003/09/26(金) 20:03 ID:vsfvI54E
気になって調べてみたんですが[山見]は中国でも使われている
漢字でした。固有字だというのは間違いです。すみません。
ティがソウルでも使われている地名だったとは気づきませんでした。
そうすると単純に漢字音とも言えなくなるのですが、
やはり方言型と考えたいところです。
現在は大峙洞の中にハンティ、ウムマルなどの地名があるそうです。
http://kr.encycl.yahoo.com/final.html?id=732228&from=enc
" target=new>
http://kr.encycl.yahoo.com/final.html?id=732228&from=enc
エオゲは気になる地名だったんですが、エ(子どもの)+コゲ(峠)
という地名だったんですね。アヒョンは児ヒョンとも書くようです。
http://kr.encycl.yahoo.com/final.html?id=108371&from=enc
" target=new>
http://kr.encycl.yahoo.com/final.html?id=108371&from=enc
410 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/26(金) 20:39 ID:DiZxYLWs
>>405-408
ブラウザに表示されない文字多いですね
外字はなるべく[]式でやってくれませんかね。
後々、第3者がみる時の便宜を考えないとこのスレの存在意義は半減するでしょうね
411 名前:
阿木林
:2003/09/26(金) 21:04 ID:vsfvI54E
>>410
その部分はチョソングルみたいですよ。インチキIPAにしときますね。
有気音は便宜上アポストロフィーで示しておきます。
ソソムンさん、勝手にこぴってミアナムニダ。
405
峠を表す言葉に、峙(t∫'i)というのもありますよね。
これはまたt'iとも読むようですが、
この峙という漢字は日本や中国でも使われているのでしょうか?
日本語の「峠」のようにt∫'i・t'iを訓読みするために韓国で独自に(略)
408
hj∂nは漢字語だと思ってました
ちなみにソウル地下鉄3号線に大峙という駅がありますが、
すぐ近くに国鉄の駅が最近出来て、
そちらは「han-t'i(hanti)」という駅名になりました。
地名が足りなくなって、昔使われていた
固有語を引っ張り出して来たんですね。
おんなじ様な例は、2号線の阿[山見](アヒョン)駅と
5号線のエオゲ(εogε)駅がありますね。
412 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/27(土) 01:22 ID:cYE2G9wM
発音記号はよう分かりませんので、韓国式のローマ字表記に準拠します。
オゲっていうのはコゲから語頭のGが脱落したもののようですね。
東大門市場の位置は昔べオゲ(BAE O GAE)っていったんですが、
漢字だと梨[山見](イヒョン I HYEON)だから、同じ例ですね。
広州にはセオゲ(SAE O GAE =新[山見])というのもあるから、
中部地方で結構普遍的なのかもしれませんね。
ところで、このセ(SAE)は、峠の名前と集落の名前でよく出てきますね。
これは、セが 新しいという意味なので、新しく出来た峠、あるいは
村という意味なんですけど、SAEを 「SA」 と 「I」 に分割すると、
「SAI」、つまり間って意味になります。
そう考えると、セマウル(という名の集落が、平野地帯では多い)
っていうのは「新しい村」であると同時に「間の村」という
意味にも取れますね。
従来あった村の「間」にできた村という事実からは、
従来あった村々よりは「新しい」ことは自明なので、
「セ」の付く地名は「間の」と「新しい」の両方の意味を
持つことが多いんではないでしょうか。
413 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/27(土) 01:30 ID:cYE2G9wM
実際、聞慶と忠州の間にある峠、「セジェ」は、李朝時代に開かれた
峠ですが、東がわの「ハヌルジェ」、西側の「梨花嶺」などは三国時代から
ありました。だから、「セジェ」は時代的にはこれらの峠より
「新しい」わけですし、また位置的にも「間」にあって、
「セジェ」が「新嶺」なのか「間嶺」なのか、学会では
意見が分かれてます。
ぼくは前のレスのようなことから、両者は同根であると
考えています。
ちなみにこの「セジェ」は漢字では「鳥嶺」ですが、
これは単なる当て字だというのが通説です。
414 名前:
日語商売
:2003/09/27(土) 01:59 ID:aWJ1EpqI
>>412
なんか日本の「○○新田」のようでもありますね。
話変わりますが、大邱の古名タルグボル(達句火)の日本書紀にでてくる形「卓淳」は、
もしかすると淳がpっ¨lに近い音をもつ字の間違いじゃないかと思いました。
例えば渤海の渤は、中期語で確かp∧l(現代語はpal)で、pっ¨lにちょっと近いです。
で、渤の「力」の部分が欠けると、[シ孛]という形になりますが、この孛の部分は
享と形が似てるので書き間違えられたのではないかな。。。と。
まぁ、誤写というのは基本的に可能性をすべてつぶした上で持ち出すべき最後の手段なので、
まずは「淳」の意味にpっ¨lのような音になるものがあったかどうか探す方が先決でしょうが。
415 名前:
阿木林
:2003/09/27(土) 15:31 ID:Mb.X8bRg
渤と同音同義の字で、[シ孛]という字は実際にあります。
中古音ではbu∂tです。サンズイの字が火の意味に当てられることに
ちょっと疑問がないわけではないのですが。
淳ときわめて字形が近く、また淳のほうがよく用いられる文字ですから、
誤写の確率は高いといえるのではないでしょうか。
ナナシサンの意見を聞かないとなんともいえないですが。
416 名前:
阿木林
:2003/09/27(土) 15:44 ID:Mb.X8bRg
>>404
「伯」にpo-taやpoi-taが対応しているという説が唱えられなかった理由は、
やはり伯の末子音の-kが説明できないという理由だと思います。
するとpoi-taがpo-ki-taのような形であったという可能性もあります。
動詞を受動形にする-i-という折中辞にはいくつかの異型がありますが、
これらが-ki-に由来している可能性を検討してみると面白い。
417 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/27(土) 16:32 ID:5Yb9twRE
>>414
日語商売さん
「淳」が「[シ+孛]」の誤写というのは面白いですね。字体から見ても、
いかにも読み間違えそうな文字ですもん。まぁ韓の地では「pっ¨l」の
音読字としては「伐」を使うのが普通のようですが、「[シ+孛]」には
「湧き起こる」という意味があるようですから、「卓[シ+孛]」であれば
「ひときわぬきんでて湧き起こる」という意味になり、国号としても
中々どうして悪くないものになりますしね。もし「淳」に「pっ¨l」に近い
訓がないようであれば、それで逝きましょう(w。
418 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/27(土) 16:32 ID:5Yb9twRE
>阿木林さん
>>415
>サンズイの字が火の意味に当てられることに
>ちょっと疑問がないわけではないのですが。
「火」は単に新羅語の「集落」を意味する語「pΛl」を表記するのに
用いただけの訓読字ですから、「火」のfireという意味そのものは関係
ありません。万葉仮名でいう訓仮名(「女メ」「藻モ」の類)と同様に扱う
べきでしょう。
>>416
確かに高句麗語で使用されている音読字「伯」の漢字音からは、
末子音kの存在が予想されはしますが、李基文が示した例で言えば、
ゴルディー語では「ba-(発見)」のみでkやhは含まれていません。
それと同様に朝鮮語でもkの要素が落ちたと考えればそれで済むよう
に思います。まぁでも朝鮮語の接中辞-i-が-ki-に由来しているかもと
いうのは確かに面白いですね。ただ、kだと容易には落ちないような
気がするので、どうせならhにしてはどうでしょうか。「po-hi-ta」乃至
「poh-i-ta」と考えるわけですね。
419 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/27(土) 17:41 ID:U4OvMoM2
辰韓12国のうちの州鮮国が卓淳国に比定されてんのは何でなんですかね?
もしかして「州」と「淳」が似てるから?
420 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/27(土) 17:57 ID:cYE2G9wM
テグと慶州の間に阿火という地名(李朝時代の阿火駅)もありますが、
それも同じ理由の可能性が高いですね?
山中の盆地ですが。
現在、「ボル」は漢字語では坪と書くことが圧倒的に多いですよね。
「坪」は平地という意味で、古代でも使われていたんでしょうか?
あったとしても、よっぽど目が悪いかうっかりものでなければ
「淳」を「坪」にはしないでしょうw
首都圏の5大新都市のうち、安養市にある「坪村新都市」は、
中心駅の名前が開業当時は漢字なしで「ボルマル(Beolmal)駅」
だったんですが「ダサすぎる」という陳情が殺到して、
坪村駅に改称したそうです。
いや、坪村でも十分にダサいんだけどと小一(ry
と考えるのは日本人だからで、
漢字の響き=洗練、固有語の響き=肥溜めくさいという
固定観念が、この国では暗に支配している気がします。
421 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/27(土) 18:00 ID:cYE2G9wM
ソウルは別格ですね。
完全に定着しちゃったし、なにより「みやこ」のことですし。
農村地帯を都市化したところでは、
田舎地名を洗練された地名に作り変えなければならないから、
上のようなことが起こるんですね。
422 名前:
阿木林
:2003/09/27(土) 19:43 ID:Mb.X8bRg
>>418
失礼しました。「火」がポルの意味だとは気付きませんでした。
こうしてみると、韓国も固有語の地名が本当に多いんですね。
「カピョン」も加平ではなく加坪だったのかもしれません。
(そのわりには東京にも北京にも「加平」という地名がありますが・・)
日本語で「淳」という字が訓読で用いられた例だと「淳足ぬたり」
というのを思い出しますが、これは「ぬれる」からきたんでしょう。
>>419
多分地名以外の要素を考慮した結果ではないでしょうか。
t∫i∂u-siεnとt.っk-ζιue^nではちょっと結びつかないです。
ソウルが旧来の漢字の地名から改められたのは、漢字の使用を
制限していったのと同じ目的があったように思いますが、
今なお漢字=洗練という観念があるんですよね。
日本でもその観念は抜きにくいものがありますが。
423 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/27(土) 20:54 ID:cYE2G9wM
もちろん表記は全部ハングルなんですが、
それが漢字語か固有語かというのは、
本能的に嗅ぎ分けられます。
自分たちの言葉なんだから当然ではありますがw
逆に日本の場合、固有語でも漢語同様漢字表記を行うので、
上のような「固有語いじめ」はひどくないと思います。
「博多」「新宿」は洗練されてるけど、
「広島」「渋谷」はやぼったいとか思わないですから。
韓国でも自然地名や集落名なんかはほとんど固有語ですよ。
それを支配する側が記録をつくると漢字に変換されて古地図なり
古文献なりに登録されるわけで、もっといえばほとんどの
地名が固有名と漢語名をダブルで持っています。
地元民たちは「しぶや」「しながわ」とよんで、
為政者は「じゅうこく(渋谷)」「ひんせん(品川)」と呼んでいる
という状態です。
固有名がそのまま漢字で表記される例は、ほとんどないでしょう。
串(ゴッ=GOJ=岬、漢字発音はGWAN)とか。
424 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/27(土) 20:58 ID:5Yb9twRE
>>420
Seosomun さん
>テグと慶州の間に阿火という地名(李朝時代の阿火駅)もありますが、
>それも同じ理由の可能性が高いですね?
ええ。そう考えてよいと思います。
>現在、「ボル」は漢字語では坪と書くことが圧倒的に多いですよね。
>「坪」は平地という意味で、古代でも使われていたんでしょうか?
「坪」は高句麗地名には見えないようですが、百済地名では使用された
例があります。でも、「坪」の漢字音は「bιΛη」ですから、ボルの音読字
としてはふさわしくないように思うのですがねぇ。
425 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/27(土) 20:58 ID:5Yb9twRE
>>422
阿木林さん
>日本語で「淳」という字が訓読で用いられた例だと「淳足ぬたり」
>というのを思い出しますが、これは「ぬれる」からきたんでしょう。
「ぬたり」は「渟足」です。「渟」と「淳」とはよく似ていますが別字です。「渟」
は水がとどまるとかよどむ、またその場所という意味ですが、これを日本語
の訓読で「ぬ」と読むのは、もちろん「ぬま(沼)」の意の「ぬ(沼)」からです。
「ぬれる(濡)」と「ぬま(沼)」ではアクセントが違います(前者は高起式、
後者は低起式)ので、別語源と見るのが自然でしょうね。
426 名前:
日語商売
:2003/09/27(土) 22:23 ID:aWJ1EpqI
ちょいと朝鮮語関係のサイトを探していたら、非常に役立つページを見つけました。
ttp://mklabo.hp.infoseek.co.jp/index.html
中期朝鮮語を研究している東京外大の院生さん(現在はソウル大学留学中)のサイトですが、
中期朝鮮語の文法事項について非常に詳しく書いてあります。
ただし、New Glimmというフォントが入っていないと読めない部分が多い
(中期朝鮮語に現れるハングルが読めない)です。
このサイトで韓国語の態を変える動詞接辞の説明を見たのですが、
現在 -i-, -ki-, -hi-, -ri- と4種類ある接辞は、中期語では母音の後で -ki-、子音の後で -i- だったそうで
す。
とすると、
>>416
で阿木林さんがおっしゃったように、poi-ta は po-ki-ta にさかのぼれそうです。
427 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/27(土) 22:48 ID:5Yb9twRE
>>426
日語商売さん
ウ、ウリの推論の方が間違ってたニカ!? アイゴー!天は我を亡ぼせり!
/| /| ()
/ | / | 。
/ | / : ;| 。 ゜ アイゴォォォ〜ッ!!
/ | / :;:;| ()
/ |______/ ;:;:|
/ ____ :;:::;:;\二二
/ \ | | / :;:;:;:;:;:ヽ_ ̄_ ̄ ̄_ ̄ ̄_ ̄三二- ̄-
/____ | | :; :;:;:;:;:;\
/ ̄ \ :; ノ ヽ、 ;: :;:;;:;:\_ ̄_ ̄ ̄_ ̄ ̄_ ̄三二- ̄
/ | :;: / | ::; / ;:;|
| ___/ | ヽ、 / ::;|_ ̄_ ̄ ̄_ ̄ ̄_ ̄三二- ̄
| :;:;| ノ ゝ |:: ;::/
| :;:| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ |: :;:;:;/ _ ̄_ ̄ ̄_ ̄ ̄_ ̄三二
| ::ヽ、 :;::;::;:;:;:; ;: :;:;:;:;:/
| ヽ、 :;:;;:: :;:;:;:;:;;:;;:;:;:;;;:;;:;;:/ _ ̄_ ̄ ̄_ ̄ ̄_ ̄三
\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ヽ、 :;|_ ̄_ ̄ ̄_
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) :;:;:;:;/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_ ̄_ ̄ ̄_ ̄ ̄_
428 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/28(日) 01:11 ID:R0LvyxsM
[シ孛]が実際に「伐」「火」「[火本]」に相当する文字として使われてる実例がないかぎり
「淳」を安易に[シ孛]の誤りとは認められないな。
それと州鮮国と卓淳の比定は地名の類似以外に手がかりがないはず。
おそらく卓淳の周辺に、「州鮮」にこじつけ可能な程度に類似した地名が残っているとか、
などの事情があるのではないだろうか?
429 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/28(日) 01:53 ID:nJpBm1Ek
ヨンrケ、マタウッ瓶エ、ホエネネハアh」ィャF祖ノスハミ」ゥ、ヒアネカィ、オ、、、ス、ヲ、ヌ、ケ、ャ。「
エネネハ」スアセミツチ_ナォヒケサ」ィヤニニ莉」ゥセー蕉ヘハョチトクトエネネハ樣箟ノスソ、I
ス、ッ、ホソ、アh、、゚、、ネ。「ミツ月」スカ。サ。「ミL」スヘニチシサ。「陀ス」スホサ。「
イ月」スアネラヤサ。「ネハヘャ」スヒケヘャサ。「テロ齧」スヘニサ。「アネーイ」スー「サホン。「ユ豎ヲ」スニ皺ヘサ。「
ム裲魅スセモヨェサ。「ナdコ」」スヘヒサ。「モタエィ」スヌミメイサ。「ホオノス」スヌー「サエ
、ハ、、ォサ、タ、鬢ア、ヌ、ケ、ヘ。」、オ、ケ、ャ、ハ、ルオラ壥コ、ホオリモ、ヌ、ケ、ヘ」
430 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/28(日) 01:57 ID:nJpBm1Ek
なんだこりゃ
431 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/28(日) 01:58 ID:nJpBm1Ek
ヨンrケ、マタウッ瓶エ、ホエネネハアh」ィャF祖ノスハミ」ゥ、ヒアネカィ、オ、、、ス、ヲ、ヌ、ケ、ャ。「
エネネハ」スアセミツチ_ナォヒケサ」ィヤニニ莉」ゥセー蕉ヘハョチトクトエネネハ樣箟ノスソ、I
ス、ッ、ホソ、アh、、゚、、ネ。「ミツ月」スカ。サ。「ミL」スヘニチシサ。「陀ス」スホサ。「
イ月」スアネラヤサ。「ネハヘャ」スヒケヘャサ。「テロ齧」スヘニサ。「アネーイ」スー「サホン。「ユ豎ヲ」スニ皺ヘサ。「
ム裲魅スセモヨェサ。「ナdコ」」スヘヒサ。「モタエィ」スヌミメイサ。「ホオノス」スヌー「サエ
、ハ、、ォサ、タ、鬢ア、ヌ、ケ、ヘ。」、オ、ケ、ャ、ハ、ルオラ壥コ、ホオリモ、ヌ、ケ、ヘ」
432 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/28(日) 01:59 ID:nJpBm1Ek
すんません。さくじょいらいだしときます。
433 名前:
阿木林
:2003/09/28(日) 02:21 ID:zk1MrAp2
アイゴー!ヌタリ柵の字を間違えて覚えていたニカ。
日本書紀の誤写の可能性の話をしていたのに、恥の上塗りでした。
poi-taについては、字面とおりにとらえれば「見える」の意味なんですが、
そこから「お目にかかる」という意味が派生した、と勝手に仮定しての
仮説です。なればこそpoi-ta(現代語ではpwe:da)の中期語での形が
po-ki-taだという仮説もなりたちます。
日語商売さん、ありがとうございます。
州鮮と朝鮮を結びつけるのは突飛すぎるかなぁw
431は固有語との地名対照の例であるみたいですが、
解読できませんでした。
434 名前:
阿木林
:2003/09/28(日) 02:28 ID:zk1MrAp2
>>424
ポルを「坪」と書くのはいわゆる訓読だと思います。
もともと平地とか野原とかいう意味の字ですから。
こないだ韓国の美術館のサイトを見ていたのですが、
英語のサイトが用意してあって、感心しながら読んでいたら
面積のところが「120pyeong」と書いてあって、爆笑しました。
なぜにスクエアメーターにしないのかと。余談。
435 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/28(日) 09:49 ID:nJpBm1Ek
そうです、訓読です。
Beolは現代語では、地平線が見えそうな広大な平野
(Beolpanとも)を言いますが、もう少し小さめの、
「おらが村の原っぱ」くらいでは、
「TEUL」>(更に小さめ)>「TTEUL」を
使うこともあります。
でも漢字に直すと上記みな坪(たまに原)を混用していて、
原語の微妙な違いが失われてしまいます。
現地の専門家はこれを当然の如く
「ニテーイの民族文化抹殺政策ニダ」と変換しているのですが、
いや、それはあなたたちの慣行を継承しただけだよと、、、
原っぱを坪とするのは日本でも普遍的だったんでしょうか?
あってもそんなに頻度はないような気がしますが。
436 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/28(日) 09:57 ID:nJpBm1Ek
もう一度
州鮮国は李朝時代の慈仁県(現慶山市)に比定されるそうですが、
慈仁=本新羅奴斯火(云其火)景徳王十六年改慈仁
近くの郡県をみると、新寧=丁火、玄風=推良火、霊山=西火、
昌寧=比自火、仁同=斯同火、蜜陽=推火、比安=阿火屋、真宝=漆巴火、
彦陽=居知火、興海=退火、永川=切也火、蔚山=屈阿火村
なんか火だらけですね。さすがなべ底気候の地域ですねw
437 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/28(日) 12:50 ID:nJpBm1Ek
おお、ちゃんと表示された。
>>403
>>436
の史料をみてて、「買」のつく地名が慶尚道北部山間に
集中して出てきてますが、何か手がかりになるかもしてませんね。
438 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/28(日) 14:35 ID:f8XeFHYY
州鮮国の比定地が卓淳国(=達句火=大丘)=大邱だという説は井上秀雄の「古代朝鮮」NHKブックスより。
奴斯火=慈仁(=慶山の一部)という説のソースはなんでしょうか?
439 名前:
日語商売
:2003/09/28(日) 17:17 ID:CAXzTkHk
>>433
申し訳ありません!またやっちゃいました!!
例のサイトをよく見返したら、態を変える接辞 -ki- は、rの後で -i- になるそうです。
(現代語では同じ環境のとき -ri- になります)
まぁ、po-ta の場合は -ki- が付いた形から poi-ta が発達したことには変わりないと思います。
で、『李朝語辞典』をよく調べたら、-hi- やrの後以外での -i- も相当早い時期から
使われているようで、すでに中期語の時期にはいくつかの変種があったようです。
というわけで、どうも -ki- の問題は単純には逝かないようです。
-ki-, -hi-, -i- は音声的に類似しているので、すべて *-ki- から発達したとみてよさそうなのですが。。。
「見える」→「お目にかかる」と類似の意味転化としては、日本語の「まみえる」、
中国語の「見」、英語の see など、いくつも他言語に見いだせますね。
いずれも「みる」「みえる」→「会う」で、人間を見ることすなわち会うということなんでしょう。
440 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/28(日) 19:31 ID:nJpBm1Ek
>>438
斗山大百科事典ですw
慈仁と大邱の間には慶山が挟まってるんですよね。
同じ盆地内だから同じ国の勢力圏と見るのが妥当でしょうけど。
>>439
家の家内は「会いたい」というときに「見たーい」といいます。
441 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/28(日) 21:22 ID:0/o/WYls
>>440
啄=押梁(慶山)、卓淳(大邱)、非自火(昌寧)は
新羅に併合される前は任那の一部であったように日本書紀には書かれてるが
卓淳(大邱)が辰韓の州鮮国、非自火(昌寧)が辰韓の不斯国に比定されてるので、
この地域は辰韓の一部でありながら新羅ではなく倭国の勢力圏だったことになる。
倭王武が宋から叙任された将軍号の一部に出てくる、任那とも加羅とも新羅とも
別の“秦韓”とはこの地域をさしていると考えられる。
442 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/28(日) 23:57 ID:nJpBm1Ek
辰韓=後漢書曰在馬韓東凡有十二国南接倭、
魏志云其瀆盧国在三国志與倭接十二国亦有王
按自鉄嶺以南沿江原慶尚之洛江以東皆其地也
443 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/29(月) 00:00 ID:H1FIJUCU
この「倭接」ってのは、どのへんが境界になるんでしょう。
もはやスレの本旨から外れてますが。
444 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/29(月) 00:24 ID:iEdRa8p6
>>442
涜廬国だろ。すぐ外字にたよる癖をなんとかしろよ。ブラウザ複数使ってるけど見えないぞ。
445 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/29(月) 02:46 ID:9qmEmLws
>>444
444ゲットおめ。さてそれはそれとして、Seosomunさんがハングルや本字
(日本でいう旧字)を書き込んでしまうのは、氏が韓国在住で、韓国版の
ウインドウズをお使いのせいだからだと思いますよ。ハングルについては、
日本語のJIS環境では読めないことが明らかですから、Seosomunさんが
それを使ってしまったのは、ここが日本語環境を前提とした掲示板である
以上、まぁ不用意であると咎められても仕方ありません。しかしながら、
「[シ+賣]」はJISでこそ外字扱いでも、韓国語(KSCだっけ)では標準で
あって外字ではないのですから、氏が日本語環境でも使えるものと誤解
しても無理もありません罠。
そもそも、JISに「[シ+賣]」という漢字が存在しないこと自体がおかしい
ことなんですよね。JISでこの漢字に相当するのは「涜」ですが、これは
ぶっちゃけて言えばただの嘘字に過ぎません。本来は、略字の字体を
使うことが認められているのは常用漢字に収められているもののみで
あって、それ以外は旧字体を使うべきなのです。そういう意味では、
韓国の規格の「[シ+賣]」の方がまだましと言えましょう。
てなわけで、この点についてはそうきつく責めないでやって下さいな。
貴殿もウインドウズアップデイトで韓国語対応フォントだか何かを落と
せば、ハングルも「[シ+賣]」もきちんと表示されるようになりますよ。
まぁ個人的には私もJIS環境に応じた文字を使ってくれればとは思い
ますけどね。どの字がJISで表示不能かをいちいちチェックすることを
要求するのはあまりにお気の毒ですもん。
446 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/09/29(月) 02:51 ID:9qmEmLws
>>445
スマソ。最後に「そこまで求めるのは酷というものでしょう。」という一文を
追加して下され。
447 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/29(月) 08:57 ID:H1FIJUCU
これは失礼しました。
廬のようにハングル入力して漢字変換したものも、
表示されると素で思ってますた。
[シ+賣]の方は日本語IMEで「ぼうとく」と打ったら
「とく」の字が本自体と日本式略字と両方出てきたので、
前者を選んだんですが、表示されないブラウザもあるんですね。
しかし日中韓で漢字の字体も入力表示コードも違うというのは
不便極まりないですね。
448 名前:
阿木林
:2003/09/29(月) 10:10 ID:ATBBiECk
うーん。私のPCはハングルも中国語も表示されるようにしてあるので
問題ないんですが、学術系のスレには重要な問題ですよね。
>>436
推火=mir(押す)+ポル=密陽
比自火=pic(光)+ポル=昌寧
というふうに現代語からもある程度類推できますね。
玄風は推良火をミリャンポルと読むとして、
密陽と区別するために玄風になったというところでしょうか。
火(ポル)と風(パラム)を結びつけるのは無理でしょうね。
真宝と漆巴火は漢字音が近いからついただけなのでしょう。
仁には斯が対応していることが分かります。
「仁」という字に対応する新羅語がなんであるかは難しいのですが、
サラム(人)のサかなぁ。すると斯盧なんていう国名も「人」を意味
していたのかもしれません。
そして、肝心の州鮮との関係はさっぱりわかりません。
鮮が上古音で*sranとでも発音されたとして、「人」という意味の古訓が
あったのなら分かるのですが・・すると鮮卑というのも「人」という意味の
韓系語彙ということに。巡り巡って朝鮮という国号にまで使われた、と。
卓淳の卓が達句とも書かれている。達が古い時代にもdatではなく
talと発音されていたとして、talk(u)-peolとは「鶏原」かもしれません。
ああ、電波言語学w
449 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/29(月) 10:35 ID:H1FIJUCU
疑問なのは、史料によっては「○○peol」のような小地名と
中世以降の郡県が1対1で一致するかのように書かれていますが
(○○県即××火也とか)、
そうではない場合も多いですよね?
>>436
はそういう本に準拠してしまったので、
正確ではないんですが。
というか、中心集落(邑治)の所在地が古代の何処だったかという
ことを書いているようです。
邑治の位置も、高麗以降は風水によって
決められた反面、それ以前は別の場所にあった可能性があるでしょう。
450 名前:
444
:2003/09/29(月) 11:10 ID:et0QbqBs
あ、そうだったの?
事情しらないものだから口調が厳しくなってしまいました。すいません。
まぁ一応[シ+賣]の字はないってことでよろしく。
451 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/29(月) 12:47 ID:H1FIJUCU
まあ、事情はどうあれ、学術スレで
>「なんとかしろよ」とか、「見えないぞ」とか、
品のない口調を使うのは褒められたものではないですが。
学術的水準も、IT水準もいろいろな人がいてこそ盛る上がるわけで、
生暖かい目で見てくださいw
452 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/09/29(月) 17:20 ID:RC2QdINA
>>448
州鮮については現代の「面」なんかに類似地名があるのかも。
鮮卑はモンゴル語だかトルコ語で「霊威」を意味するサビ?[sabi?]という説がありました。
朝鮮は史記の注釈からすると北朝鮮の川の名前からきてるようですね。
朝鮮と鮮卑の間に関係はないと思いますが、もしあったとしても
「鮮卑→朝鮮」という流れは時代からいってあり得ないかと。
453 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/29(月) 17:50 ID:H1FIJUCU
現代の「面」は1914年にほとんどニテーイが人工的に
付与したもので、一次的には参考になり辛いと思いますよ。
里名も同様です。
むしろ其の元ネタになった自然集落名、さらには
原っぱの名前なんかにヒントが隠されているかもしれません。
今地図をざっと見ても、慈仁など3郡で「カヤ」という
自然部落名がありました。
あ、もちろんニテーイの「改悪」前の面名は、
新羅時代の地名(ほとんどは部曲級ですが)が
使われているのが多いので、価値があると思います。
454 名前:
阿木林
:2003/09/29(月) 17:57 ID:ATBBiECk
もちろん鮮卑と朝鮮なんて電波ですよん。
今日は2ちゃんにアクセスできないので、電波ゆんゆんなのです。
霊がサビならば、西火が霊山になったのもなんとなく関連づけられる
かもしれませんね。
朝鮮語では霊などの語彙がかなり漢語におきかえられてしまったので、
西との関連付けは困難です。
もちろん、ソソムンさんのおっしゃるように、後継の地名と完全に同定
できるものではないのでしょうけれど。
455 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/29(月) 18:03 ID:H1FIJUCU
そう思って、18世紀中ごろに作られた「嶺南地図 大丘
(ママ=李朝時代までの表記)地図」を見たら、あるはあるは。
鮮北村面、鮮西村面、鮮東村面、鮮西部面、年貢倉庫の名は
「鮮顔倉」。現在の東区一帯ですね(空港のあるところ)。
ただ、鮮の偏が「魚」ではなく「角」の真ん中の線も下に
出っ張ってるやつなんですが、これもありでしょうか?
456 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/29(月) 18:12 ID:H1FIJUCU
霊山の項を見ると、
本新羅西火 景徳王十六年改尚薬 為蜜城(現蜜陽)郡領県。
霊山になったのは高麗の時ですね。
尚薬、、ますます分からんス
457 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/29(月) 18:15 ID:H1FIJUCU
サビと尚(Sang)がちょっとだけ似てますね。
阿木林さんが電波ならぼくは厨
458 名前:
阿木林
:2003/09/29(月) 18:22 ID:ATBBiECk
おお。通常「觧」は「解」の異体字だと思っていたのですが、
(角の真ん中が出ているのは本来の字体)
この場合はヘではなくソン(古くはションないしシェン)と
読むべきなんでしょうね。
ソンビ(儒者)の語源と関係があるのではないか、などと思ってみたり。
古い形ではsien-byiまたはsien-b@i。
459 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/29(月) 19:19 ID:H1FIJUCU
へ?ということはHae?
460 名前:
阿木林
:2003/09/29(月) 19:59 ID:ATBBiECk
電波どころか毒電波出してますよん。
やほーの百科事典で検索してみたところ、解顔面がただしいみたいです。
僕も早とちりしてしまいました。
http://kr.encycl.yahoo.com/final.html?id=44037&from=enc
" target=new>
http://kr.encycl.yahoo.com/final.html?id=44037&from=enc
尚薬といえば薬を扱う官職ですから、地名と直接の関係はないのかも
知れません。
461 名前:
阿木林
:2003/09/29(月) 20:05 ID:ATBBiECk
ただ、この手の資料を斜め読みしていても、訓読の地名を漢字読み
することは本当に多いですね。押梁だってアムニャンと書かれていますが、
本来はミルリャンなのだろうと思います。
だから解顔も実際はヘアンとは読まれてないのかもしれません。
どんな訓で読まれていたんだろう・・帰って千字文の訓読でも
やってみるか。
462 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/09/29(月) 22:04 ID:H1FIJUCU
そういえば、テグのファビョった地下鉄にも解顔駅がありましたね。
振り出しにもどるー。
上の漢文は「尚薬に改めて蜜城郡の領県と為す」と読めるから、
恐らく地名で合ってるんじゃないかと思うです。
現在残ってる地名でも、訓と音といったり来たりが
ありまくりです。
春香伝に出てくる「ファラン(HWA-RAN)」は
漢字名は弓院里ですが、
弓(GEUNG)の訓「ファル(HWAL)」と院(WON)」をつなげて
「HWAL−WON」、理恵ゾーンして「HWARON」、
なぜかOがAに入れ替わって「HWARAN」です。
ハングルの表記も HWAL-ANではなく
HWA-RANと切れるので、一見して同一地名とは
思えないくらいです。
463 名前:
阿木林
:2003/09/30(火) 10:01 ID:NIXwrkog
そういえばヘアン駅ってありましたね・・
テグにはいったことがないのですが、向こうのテレビで地下鉄火災の
ドキュメントをずっと見ていたとき、出てきた駅名でした。
あのドキュメント、キンサンサトゥリが出まくりで、気の毒だけど
その一点では興味深かったなぁ。
〜アンだから勝手に海安とかそんな地名だと思ってた。
尚薬が地名であることは間違いないです。
従来の地名と直接関係があってつけられた地名ではなかろう、
と書こうとしていたのですが、ごらんの通り日本語が足りないので・・。
hwa-ranと聞いて真っ先にオランダを思い出してしまいますた。
hwal-wonがhwa-ranになるのはまさに母音調和ですね。
もしかしたらヘアンもヘ+ウォンが調和した形だったりして。
関係ないけど牡丹をモランと発音するのも、漢字音の規則からは
外れていて面白いです。
464 名前:
452
:2003/09/30(火) 16:38 ID:tPfsZWOM
正直、ついていけない展開になってまつが(^^;)
池袋のジュンク堂でさっき立ち読みしてきた「末」の字がつく人の本
(名前忘れたけど任那日本府の古典的研究で有名な人ね)によると
州鮮国は大丘の「解顔」で、この古地名が「雉省」、で、州鮮と音が近いとありましたが
なにがどう近いのかよく理解できませんでした。
465 名前:
阿木林
:2003/09/30(火) 17:09 ID:NIXwrkog
少々スレ違い気味だなと思いつつ・・
>>464
古典的研究であれば末松保和先生でしょうか。
解顔(ヘアン)というのは古い地名なんですね。ソソムンさんの例で
解北村面などの地名があるのは、ヘアンの東西南北に村があった
ということなんでしょう。固有語に対する当て字だったとするなら
解は太陽のhaeでしょうか。
現代音ならば雉省chiseongと州鮮juseonは似てないこともないですが
中古音では厳しいように思えます。-ng/-nを混同する傾向はナナシサン
が出された例でもほとんどないのではないでしょうか。
雉を「トリ」と解釈するならば達句火タルクボル=鳥原であるとして、
雉省(城)は相応しい当て字であるように思えます。
それとヘアンは関係あるのでしょうか・・・なさそう。
解顔の地名の由来が知りたいところです。
466 名前:
464
:2003/10/01(水) 02:49 ID:KbKA3iPs
>>465
そうそう、末松保和でつ。
古地名の比定は、けっこう昔の人が適当にやったのを無批判に継承してる例が多いかも知れませんね。
このスレの皆さんで全面的に見直してみてほしいでつ。
467 名前:
Seosomun
:2003/10/01(水) 13:49 ID:EvbFQfz2
>>465
朝鮮時代に見える面名は、旧地名を使って東西南北や数字、遠近、
上下左右などを用いて分割したものが多いです。
問題はその分割がどの時期のものかですが、
そういう論文がどっかにありますた^^;
探して見ます
468 名前:
Seosomun
:2003/10/01(水) 13:52 ID:EvbFQfz2
面は昔も今もおかみの行政区画なので、
住民たちの生活単位ではない。
特に昔の面は行政機能が希薄だったので、
現在の日本の「郡」位に存在感が薄いです。
お上が決めただけに、旧地名が活用される
事例が多くなるんだと思います。
469 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/03(金) 19:10 ID:XAcY9JRo
036,波害平史県{一ニ云フ額},波平県ハ、本高句麗ノ波害平史県ナリ。景徳王改名ス。
今モ因ル/v之ニ。,京畿坡州郡坡平面,額=波害平史?(中:pua-斤ai-bιΛη-
s^i¨ei),古代日本語「ΦitaΦi(額)」,ナシ,ナシ,※額ー[各+頁](東)※史ー吏(東)
※新羅地名「波平」は高句麗の音読地名の「波害平史」を省略したものか。
037,泉井口県{一ニ云フ於乙買串},交河郡ハ、本高句麗ノ泉井口県ナリ。景徳王改名ス。
今モ因ル/v之ニ。,京畿坡州郡交河面,泉井=於乙買(中:・ιo-・ιet-mai);口=
串(中:kuan),古代日本語「wi(井)」;古代日本語「kuti〜kutu(口)」,新羅語「っ¨l
(井)」;後期中世語「u-mщl(井戸水)」;済州島方言「kulrε(口)」;全羅南道方言
「kul(口)」,トルコ語「bul-a-q(泉)」「bul-a-γ」(泉);ギリヤーク語「eri〜erri(川)」
;オロチ語「uri(水・川)」,※「泉井」の音読表記「於乙買」は本来は泉(井戸)の水の
意であろう。※「串」は訓読字か(後期中世語「koc(串)」)
038,述尓忽県{一ニ云フ首泥忽},峯城県ハ、本高句麗ノ述尓忽県ナリ。景徳王改名ス。
今モ因ル/v之ニ。,京畿坡州郡州内面坡州里,峯=述尓〈首泥〉(中:dзιuet-nie
〈∫ι∂u-nei〉);城=忽(中:hu∂t),古代日本語「ki2(城)」,後期中世語「su-nщlk
(嶺)」;百済語「ki(城)」;後期中世語「kol(谷・洞)」,エベンキ語「maηa(堅)」;
ラムト語「maη(堅)」;満州語「maηga(堅)」;満州語「holo(谷)」「golo(省)」;
トルコ語「qol-γan(城)」;蒙古語「qol-γan(城)」,※高句麗漢字音:述=首;
尓=泥
039,達乙省県{漢氏ノ美女於イテ/2高山ノ頭ニ/1点ス/2烽火ヲ/1。迎フル/2安臧王ヲ/1
之処ナリ。故ニ後ニ名ヅク/2高烽ト/1},高烽県ハ、本高句麗ノ達乙省県。景徳王改名ス。
今モ因ル/v之ニ。,京畿高陽郡元堂面,高=達(中:dat);烽=乙省?(中:・ιet-
s^i¨Λη),古代日本語「take2(岳)」;古代日本語「taka-si(高)」,ナシ,トルコ語
「taγ(山)」,
040,臂城郡{一ニ云フ馬忽},堅城郡ハ、本高句麗ノ馬忽郡ナリ。景徳王改名ス。今ノ
抱州ナリ。,京畿抱川郡抱川面,臂(堅)=馬(中:ma);城=忽(中:hu∂t),古代
日本語「ma(真)」;古代日本語「ki2(城)」,百済語「ki(城)」;後期中世語「kol
(谷・洞)」,エベンキ語「maηa(堅)」;ラムト語「maη(堅)」;満州語「maηga
(堅)」;満州語「holo(谷)」「golo(省)」;トルコ語「qol-γan(城)」;蒙古語「qol-
γan(城)」,※「臂」は「堅」の誤記?
470 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/03(金) 19:13 ID:XAcY9JRo
036は一応「波害平史」が音読地名、「額」が訓読地名と解されます。「波害平史」
の漢字音は「pua-斤ai-bιΛη-s^i¨ei」。古代日本語の「ΦitaΦi(額)」とは
頭子音及び第3音節の子音が似ているという程度の一致しか認められませんが、
中期朝鮮語は「nima(額)」ですので、まだしも日本語の方が似ていると言えるの
ではないでしょうか。とは言え、第2音節の子音の違いは大きいこともまた確かで
はあります。ちなみに、新羅地名「波平」は「波害平史」を省略したもののようです。
037は「泉井口」が訓読地名、「於乙買串」が音読地名っぽいですが、後者の「串」
については、062「穴口郡」102「楊口郡」等から「口」が「koc〜koti」であったと推定
されることを考慮すると、音読して「kuan」と読むよりは、中期朝鮮語のように「koc」
と訓で読んだ方がより都合がよいということになります。ただし、そのように考える
ためには、同時に高句麗語の「串」に相当する語もまた「koc」に近い発音であった
としなくてはならなくなるわけですが。
一方、「泉井」と「於乙買」の対応は非常にわかりやすいものです。「買」が「水」の
音読字であることはもはや多言を要しませんから、「於乙(・ιo-・ιet)」は「井戸」
を意味する語と推定出来ます。「泉」と「井戸」はともに水の湧き出るところであり、
両者の違いは天然か人工かという違いに過ぎませんから、「泉=於」「井=乙」の
ように分けて考える必要はないでしょう。さて、本語は古代日本語の「'wi(井)」とも
語形的に近いですが、とりわけ新羅語の「乙('っ¨l=井)」とはよく似ています。中期
朝鮮語の「'u-mщl(井)」の「u」は、新羅語「'っ¨l」が母音変化及び語末子音「l」の
脱落を起こしたものでしょう。
なお、新羅地名「交河郡」の命名の由来は難しいですが、「河」が「買(水)」に対応
することだけは確実です。「交」は字義通りと見るべきか、それとも「交」の漢字音
「kau」から「串(音:kuan、訓:koc)」との関連を求めるべきか悩むところですね。
471 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/03(金) 19:16 ID:XAcY9JRo
038は巻三七に地名が二つ出て来ますが、残念ながらどちらも音読地名という
例です。「忽」は共通ですので置いておいて、「述尓(dзιuet-nie)」と「首泥
(∫ι∂u-nei)」が同一語を音写していることは間違いないでしょう。清濁の違い
が無視されていることについては言わずもがなですが、前者にあるt入声が後者
には存在しないというのはちょっと興味を惹かれますね。これは音読表記では
t入声は場合によっては無視してもよいということを意味するのか、それともtが
流音lであることを示唆する例と取るべきなのか…。う〜ん、悩ましや。
もう一つの問題は新羅地名との関係です。新羅地名「峯城県」を高句麗地名の
訓読表記に準じて考えることが出来るかどうかですが、高句麗音読地名の「忽」
と「城」が対応しているので、一応第一段階はクリアしております。仮に「峯」も
「述尓(首泥)」と対応しているとすると、中期朝鮮語「su-nщlk(嶺)」との関連が
浮かび上がって来ますね。語末の「-lk」部分が対応しないという問題点はある
ものの、それでも意味と言い語形と言い、近いことは確かです。古代日本語には
対応する語は見出せないので、本語に関しては朝鮮語側が有利と言えますね。
ただ、「su-nщrk(嶺)」は現代朝鮮語では死語となっているようでして、中世に
高句麗語系言語から高麗語に入った借用語である可能性もあるということは
指摘しておく必要はあろうかと存じます。
472 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/03(金) 19:18 ID:XAcY9JRo
039は巻三七には音読地名「達乙省」しか地名として挙げてありませんが、
地名の由来を記した箇所に「高烽」という語が出て来ますので、これを訓読地名
として処理してよさそうです。「達」と「高」は064「高木根県{一ニ云フ達乙斬}」から
確実に対応することがわかっていますので、残る「乙省」と「烽」も対応する可能性
が高そうですが、今のところ周辺言語に本語に対応する語は報告されていない
ようです。「烽」の意の日本語と言えば「のろし」がまず第一に思い浮かびますが、
「乙省」の「乙」が「ol」のような音であれば、「のろし」の第2音節以下と近い語形に
なりますので、一見よさそうに感じます。しかしながら、「のろし」という語は16世紀
の用例が最古でして、それ以前は「とぶひ(飛ぶ火)」と称していたことがわかって
いますので、「のろし」を対応例として挙げるのはさすがに躊躇されますね。
そうそう。「省」は「城」の漢字音を表記する音読字として用いられた可能性があり
ます(
>>268
、
>>402
参照)から、もしかすると「烽」に対応するのは「乙」の部分だけ
という可能性もあるかも知れません。と言っても、そう処理することによって対応例
を指摘出来るというわけではありませんが(^^;。
040は巻三七に訓読地名と音読地名の両方が揃っている例です。「臂城」と「馬忽」
の対応ですので、「城」と「忽」が対応する以上、「臂」と「馬」も対応する可能性が
大いに期待されるのですが、「臂」のままでは周辺言語にどうにも対応例が見出せ
ないのが辛いところです。それはそれで仕方がないと言えばそうなのですが、ここ
で注目されるのが新羅地名です。新羅地名では同じ地名が「堅城」となっているん
ですよね。仮に「臂」を「堅」の誤記乃至誤伝であると見なすことが可能なら、今度は
「堅」と「馬」との間で対応関係を求めればよいことになるわけです。実際にそのよう
に考えると、周辺言語、とりわけツングース系言語に多数対応例を見出せるという
事実もありますので、中々に具合がよいのですが、問題は果たしてそのように考え
てよいものかどうかでしょう。
なるほど、「臂」と「堅」では崩して書けば上半分は似た字形になりますが、下半分
はダメダメですね。せめて「臂」ではなくて「壁」なら問題はないのですがねぇ。まぁ
でも、新羅語〜朝鮮語で「堅」と「ma」が結び付かない以上、高句麗地名の「馬忽」
から「堅城」を導き出すことは無理な相談なので、もう一つの高句麗地名「臂城」と
関連付けるしか方法はないというのは、誤写説にとっては条件的に有利であること
は間違いないのですが…。
473 名前:
日語商売
:2003/10/03(金) 20:45 ID:osgLFj7c
>>470
串については日本語に「くし」って言葉があるので、高句麗語にも同じような発音の
言葉があったと考えて差し支えないんではないでしょうか?
あまり関係ないけど現代語ではこういう語彙がありますね。
goj-gam 串柿、干し柿
kkocεη-i 串
kkoci 串料理、特におでんw
kkoj-da 差し込む、挿す、刺す
韓国のおでんは屋台の定番中の定番で、長い串に練り物の棒状の固まり、もしくは薄く作って
焼いた練り物を何重にも畳んで刺したもので、だしで煮てあります。
味が単調なのでバラエティーに富む日本のおでんには全然勝てませんね。
BoAタソ一人でモーニング娘。のネタに挑むようなものです(例えはユンソナの方がいいか?)w
もちろん屋台でおやじに愚痴聞いてもらいながら一杯引っ掛けるという風情もありませんw
通勤時や小腹が空いた時に食べるような感じですね。
実はさっきコンビニでおにぎりのおまけについてきたので食べたニダw
また同じものを油や辛いタレで炒めたり、料理に入れたりしますが、
これも「おでん」と呼んでいますw
>>472
「臂」が「肩」ならば「堅」と同音なんですけどねぇ。
まあ、「臂」を「腕」ととらえれば、現代語ですがp‘alなので、
「馬」のmalと似てるっちゃあ似てるんですがねぇ。。。
474 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/03(金) 21:36 ID:sM5axc3k
>>473
日語商売さん
>串については日本語に「くし」って言葉があるので、高句麗語にも同じような発音の
>言葉があったと考えて差し支えないんではないでしょうか?
そう言えばそうですなあ。採用!
>「臂」が「肩」ならば「堅」と同音なんですけどねぇ。
おお、こいつは気が付きませなんだ。しかし、それを利用するとしたら、
高句麗の本来の訓読地名は「肩城」「臂城」「堅城」のうちのどれであると
すべきなのでしょうかねぇ。
>まあ、「臂」を「腕」ととらえれば、現代語ですがp‘alなので、
>「馬」のmalと似てるっちゃあ似てるんですがねぇ。。。
なるほど。「p‘al(腕)」ですか。pは両唇破裂音、mは両唇鼻音。ともに
唇を使う子音であるという共通点はありますな。でも、出来れば激音では
なく平音であればもっとよかったのですが。日本語でも、bとmの交替は
ポピュラーな出来事ですからねぇ。今は自宅にいるため『李朝語辞典』
を参照出来ないのですが、これの中期朝鮮語の語形はどうなっているの
か知りたいですね。それから、「臂=馬=p‘al(腕)」だとすると、新羅地名
の「堅」の由来も気になるところです。
475 名前:
Seosomun
:2003/10/04(土) 02:13 ID:VAIzFPPA
串(ゴッ)は地名では岬の意味でよく使いますが、
この場合は口との対応ということですか。
交河といえば、名前は忘れたけど漢江と臨津江の
合流地点に岬があるんですよね。
今は統一展望台になってますが。
この字は韓国語ではかなり例外的に、
漢字をそのまま訓読みする文字ですが、
このような文字は他にもあるのでしょうか?
476 名前:
日語商売
:2003/10/04(土) 20:28 ID:A9hbhYBw
すいません、またブービートラップ踏んじまいました。
「串」は本来「つらぬく」「なれる」という意味で、「くし」の意味はありません。
(その意味の字は「串」の縦棒が2本とおってるものですw)
もともと「串」の形は「貫」の上の部分と同じで、物に棒か紐を通してる形ですから、
1本通ろうが2本通ろうが「くし」の意味は潜在してるといえるのですがね。
あるいは高句麗で既に「くし」という訓が定着していたのかもしれません。
たとえ「つらぬく」の意味でも、「さす」の意味の動詞 (s)koc-taが中期朝鮮語にあるので、
その語幹を使ってkocをあらわすのに使ったと考えられるでしょう。
で、p‘alの中期語の形ですが、『李朝語辞典』にはp‘∧lとありました。
意味も「臂」と出ています(「臂」はもともと腕の意味)。
「馬」もm∧lなので、中期語でもよく似た形です。
しかし有気破裂音と鼻音ではずいぶん音色が違いますよね。
どちらかが高句麗語ではb∧lのような形だったならば、多少は近くなるでしょうが。。。
477 名前:
阿木林
:2003/10/06(月) 10:29 ID:IB9UvI4o
パジュの昔の名前がナミヘーだったのは驚き。
口をコッというのが岬の意味に転用されているのは、
日本で岬をハナとよぶのに似ています。
述尓忽の現行地名である州内の発音もt∫u-nεですね。
主に峠を表す「チェ」もこれと関係ある言葉かもしれません。
p'alの中期語の形は、p'ΛlのほかにpΛl, pΛlhという形もあります。
もっとも、pΛlhは後ろに母音で始まる助詞がついたときに現れる
形であるようですが。
高句麗語で有声音が存在するという証拠がないのですが、
bΛlという形であったとしてもおかしくはないのでしょう。
(ただし、m/p~bが混同されたという証拠もない)
ただし、後の抱州、抱川(p'o-ju, p'o-c'∂n)という地名に連なっていくことをかんがえれば、
同じ頭子音のp'Λlが基層にあるとかんがえたほうがよいのかもしれません。
478 名前:
阿木林
:2003/10/06(月) 15:23 ID:IB9UvI4o
韓国版ヤホーに地図があるんだけど、自分のOS環境だと文字部分が
うまく表示されない模様。あれで調べれば岬の名前とかもわかるはず。
あと、中期語なら韓国ヤホーの国語辞典であるていど調べられます。
479 名前:
tenpura ◆UMAIu01k
:2003/10/06(月) 17:05 ID:5CzwA73A
突然疑問に思ったことがあるので、専門家さんがいるスレに聞きに来てみる。
新羅や高句麗の言葉は今の朝鮮語、日本語とも違う言葉であったことは
わかっているのですが、もうひとつの国、「任那」の言葉って何か手がかりでも
残ってないのでしょうか。
変なことを考えたんだけど、またデムパといわれるのが怖い(藁)ので
とりあえず、ここまでで聞いてみる。
480 名前:
tenpura ◆UMAIu01k
:2003/10/06(月) 17:06 ID:5CzwA73A
>>479
しまった、電波系大道芸のほうがよかったかなと反省。。。
481 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/10/06(月) 17:10 ID:cl.7k2ME
>>480
「半島古代史教えてくんスレ」も活用おながいしまつ
482 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/10/06(月) 17:12 ID:cl.7k2ME
>>480
何でも知りたい!歴史基礎知識やさしく教えてくん専用統一スレ
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1039074422&ls=50
" target=new>
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1039074422&ls=50
483 名前:
阿木林
:2003/10/06(月) 18:18 ID:IB9UvI4o
専門家というには程遠いのですが、お答えしてみます。
ナナシサンのホムペにはカヤ(ミマナ)語の地名解説は無かったと
思うのですが、結論からいうと新羅語にきわめて近かったようです。
地理的な分布から見ても、そう考えるのが自然です。
http://www.chosun.ac.kr/~ongmi/teaching/korhistory/kh4-4.htm
" target=new>
http://www.chosun.ac.kr/~ongmi/teaching/korhistory/kh4-4.htm
にいくつかの単語が紹介されています。ドラビダ語説も紹介されてますが・・
城門を梁(訓読でto)というのは日本語と共通し、三を密というのは日本語と
高句麗語と共通するのですが、野=火/伐、水=物、居[柴-止+シ]=王、
鶴=巨老というのは新羅語と変わりません。
484 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/06(月) 18:45 ID:jBFB2a66
>>476
日語商売さん
>「串」は本来「つらぬく」「なれる」という意味で、「くし」の意味はありません。
「串」は万葉集でも「くし」の意味で使用されていますので、日本でもかなり早い
時期から「くし」の意味の漢字として認識されていたようです。おそらく半島から
伝わった用字法ではないでしょうか。
>「馬」もm∧lなので、中期語でもよく似た形です。
そう言えば、高句麗地名で「駒」は「滅烏(miεt-・o)」と音読表記されていること
から、高句麗語の「馬」は「miεro」と再構される(
>>269-270
)ということを忘れて
いました。仮に高句麗地名の「馬忽」の「馬」が訓読字であったとすると、「臂」も
「miεro」に近い発音の語であることが期待されると思うのですが、その辺はどう
考えるべきですかねぇ。
485 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/06(月) 18:46 ID:jBFB2a66
>>477
阿木林さん
>口をコッというのが岬の意味に転用されているのは、
>日本で岬をハナとよぶのに似ています。
岬の「ハナ」は「ハナ(鼻)」ではなくて「ハナ(端)」が直接の語源です。「ハナ(端)」
は「ハ(端)」「ハシ(端)」「ハタ(端)」と同一語彙グループに属し、物の先端を指す
語です。転じて時間的に先の方を指して言うようにもなりました。尤も、「ハナ(鼻)」
にしても、語源を遡れば「ハナ(端)」と同系の語彙である可能性が高そうですが。
486 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/06(月) 18:47 ID:jBFB2a66
>>479
tenpuraさん
一連のレスを書いていたら、阿木林さんに先を越されてしまった…。内容的にも
かなりかぶるようですが、もったいないので書き込みますね(w。
任那語(加羅語)については、直接の資料としては(1)「栴檀梁。城門名。加羅語
謂門為梁云」(『三国史記』)とあるのが唯一のもので、あとは(2)『三国史記』新羅
地理誌に見える任那地域の地名、(3)『日本書紀』に見える任那地域の地名、と
いった地名資料から推測するしか手立てがなかったと記憶しております。このうち、
(1)は日本語「ト(戸・門)」との関係を考えたくなる例ですが、(2)(3)を見ると、むしろ
韓系言語の方が中心であり一部夫餘系の言語が混じっていた程度ではないかと
いう印象を持っています。尤も、まだ新羅〜任那の地名データを作成していない
ので、それによっては別の可能性も出てくるかも知れませんが。
487 名前:
阿木林
:2003/10/06(月) 19:23 ID:IB9UvI4o
子馬が滅烏(メロ)で親馬が臂(ポル)だったら全然にていませんよね。
駒(若いウマ)と馬(成長したウマ)では違う言葉が用いられていた、
という可能性はあるのではないでしょうか。
(日本語のコマはコウマが語源でいいんでしたっけ?)
シナ語ならば駒と馬でまったく違う形ですし、モンゴル語でもかなり
違う形が用いられているはずです。
そういえばモリは去勢馬のことで、総称はたしかホリでした。
あとで調べてみます。
488 名前:
tenpura ◆UMAIu01k
:2003/10/07(火) 00:45 ID:SKErWo9I
>>483
>>486
まとめてでもうしわけないですが、ありがとうございます。
うーむ、資料が少ないなら、なにか捏造の余地はないだろうか。
ってスレちがいですな。
さんちゃんにはとても及ばない自分にガカーリするのであった。。。
489 名前:
阿木林
:2003/10/07(火) 10:01 ID:xJYOm.FU
ギャース!どこからホリなんてのが出てきたんだろう・・羊/honj/と間違えた?
アルヒ飲んでウリヤンハイまで逝って馬に蹴られて死んできます。。。
/morj/は去勢馬のことも指しますが、馬の総称としても間違いではありません。
去勢馬のことを特に指す言葉は/axt/でした。
ついでに、一歳馬は/ynag/、二歳馬は/daag/、雄の子馬は/urj∂∂/、
牝の子馬は/bεεdas/、雄馬は/εdζrag/、牝馬は/guu/だそうです。
こういう細かい分け方は牛、駱駝、綿羊、山羊の全てに存在します。
関係なさげなのでさげ。
(以上、チャハル方言。ハルハ方言の資料が手元になかった)
490 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/10/07(火) 14:52 ID:aH6YAXzU
>>487
コマ(駒)はコウマ(小馬)から?
よく昔の日本語だと「小さい」の意味だと「ヲ」といいますよね?
昔の日本語でも「小さい」の意味の「コ」ってあったんですか?
491 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/07(火) 14:53 ID:oePHFtgg
>>487
阿木林さん
040の地名ですが、034「買省郡{一ニ云フ馬忽}」や107「大楊管郡{一ニ云フ
馬斤押}」の例などを見ると、やはり「馬忽」の「馬」は訓読字ではなく音読字
と見て「ma」と再構した方がよいかと思われます。騎馬民族は馬に関する
語彙が豊富なので、高句麗語でも馬と駒を使い分けた可能性はありそうで
はありますが、高句麗族は確か半農半牧ではなかったかしら。モンゴル語
ほどの細かい使い分けをしていたかどうか、ちと怪しいような気がします。
さてそうなると、この「ma」と対応するのは高句麗訓読地名の「臂」の方で
あるのか、それとも新羅の漢語地名の「堅」の方なのかが問題となりますが、
現状ではどちらを是とすべきか判断が難しいですね。「堅」ではなく「臂」と
対応するのだとすると、中期朝鮮語「p‘Λl(腕)」との対応が考えられます
(古代日本語「Φi1di(肘)」もこれに加えてもいいかも)ので、「臂」と「ma」
については一応の説明は付けることが出来ますが、その一方で新羅地名
「堅城」はいったい何に基づいて付けられた名前なのかが説明出来ないの
が最大のネックになるでしょう。何せ新羅語方面(朝鮮語を含む)では「ma」
と「堅」との間に対応関係を認め難いですし、まさか高句麗地名の「臂城」が
新羅時代には「堅城」と誤って伝えられたとも思えませんからねぇ。
まだそれよりは、新羅地名の「堅」の方が正しくて、高句麗地名の「臂城」
の方が間違っているとした方がましかも知れません。『三国史記』執筆の
時点で、新羅時代は直前の時代ですから、まだ記憶も新しく、記録自体も
正確であることが期待されますが、高句麗時代は一時代前ということで、
誤写などによって地名が誤って伝えられる危険性はより高まるはずです。
加えて、そのように考えると、「堅」と「ma」が対応するわけですから、日本
語の「ma(真)」の他、ツングース諸語とも対比可能出来るというのはやはり
大きいと思います。
>日本語のコマはコウマが語源でいいんでしたっけ?
確かにそのように説明されることが多いですが、それだと、「こま」を子馬
の意味で使用した例は平安時代になってようやく登場するのに、馬の意の
「こま」は奈良時代から既に使われているという事実をうまく説明出来ない
ので、個人的には同意出来ません。
492 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/07(火) 15:04 ID:oePHFtgg
>>490
>よく昔の日本語だと「小さい」の意味だと「ヲ」といいますよね?
>昔の日本語でも「小さい」の意味の「コ」ってあったんですか?
ありますよ。万葉仮名の一字一音表記で「古」「子」と表記されたものでは、
「こさる(小猿)」「こすず(小鈴)」「こまつ(小松)」「こぶすま(小衾)」「こすげ
(小菅)」などがあります。「を(小)」とは意味・用法ともに共通しますので、
違いはよくわかりませんが、両者の使用頻度を見るに、少なくとも奈良時代
においては「を(小)」の方が「こ(小)」よりも勢力が強かったようですね。
493 名前:
Seosomun
:2003/10/07(火) 23:20 ID:p2A01W.c
>>477
>パジュの昔の名前がナミヘーだったのは驚き。
正確には現パジュ=パジュ+ナミヘー+積城+交河なんです。
494 名前:
日語商売
:2003/10/08(水) 02:13 ID:hJSihI6.
>>492
昔国語学の授業で教授(けっこー有名な人、テレビでもたまに見る)が、
「コ」と「ヲ」の使い分けについて、「明確な差異を見いだすことは難しいが、
ヲの方は大きいものに付属するもののニュアンスがある」と言って、
語源を「尾」に求めていたのを思い出しました。
この先生、けっこう思い付きでもの言うところもあるのですが、参考までに。
495 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/08(水) 02:53 ID:23daIlHs
>>494
日語商売さん
アクセントを見てみますと、「を(尾)」は平安期低平調、「を(小)」は
平安期高平調ですから、金田一法則で見る限りはその説はちょっと
苦しそうでつね(w。でも、私も結構思い付きが好きな人間ですから、
その先生とは気が合いそうでつ(w。
496 名前:
日語商売
:2003/10/08(水) 04:06 ID:hJSihI6.
>>495
うむむ、ちょい無理ですかぁ。
その人ちなみに今N大にいるS先生なんですけどね(わからんつーのw
「コ」の上代における母音が甲類であることを考えると、
「ヲ」は「コ1」の語頭音kの脱落形かもしれませんね。
ただそのような子音脱落が起こる環境を知りませんが。
そういえば、「コ(小)」は「コ(子)」と同語源と見ていいのでしょうか?
ちょっと気になることがあるので。
497 名前:
阿木林
:2003/10/08(水) 10:22 ID:iA7fsOvo
>>493
ありがとうございます。統一展望台が懐かしいです。
朝鮮語では「川の合流点」を現す地名語ってありましたっけ?
村山七郎といえばどちらかといえば飛んでも系に分類されることが
多いと思うのですが、彼が日本語の「マガマガシ」をツングース諸語の
「マガ」に語源を求めていたのを読んだことがあります。
コというのは日本語系統論でしばしば「タイ系基層語」の例として
出される語彙なのでその点でも興味深い。
Vietnam: con, Hokkien: koa~/kia~ etc.
No.38
意 味 :子(名詞)
原 文 :「童子忽県一ニ云フ仇斯波衣」(『三国史記』)
というのがありましたが、現代朝鮮語では馬はmal、
駒はmang'aji(mal'agiの変)なので、滅びる烏も
滅(=馬)+烏(子)という構造なのかも知れません。
仇の頭子音が落ちて烏になった。もしくは烏が訓読であったのかも。
498 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/10/08(水) 10:42 ID:HkMC9pcs
合流点は地名によってさまざまな呼称がありますが、
一般的なのはハプスモリ(HAP SU MEO RI)ですね。
ハプスは合水、モリは頭。
アリラソで有名な江原道ジョンソンのアウラジ(AURAJI)も
合流点という意味で、「調和する(EO U REO JI DA)」
から来ているようです。
近くに住んでいながら、まだ行ってないんです
>統一展望台
自由路はよく暴走しますがw
499 名前:
香具山の光
:2003/10/11(土) 03:13 ID:8Js59znI
娜々志娑无先生へ
2ちゃんねるの「.【謝ることなど】日韓歴史認識スレ15【ない】」
にさんちゃんが来ました。以下引用。
「高句麗語と国語の関係をみたが
やはり、80%程度の一致があるという
どうも良くわからないが、当時の漢語の尾子音から判明した高句麗語の中の20から
80%がなんからの関係性があり、高句麗の方言と推定が4つという
http://www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm
" target=new>
http://www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm
翻訳
http://j2k.naver.com/j2k.php/japan/www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm
" target=new>
http://j2k.naver.com/j2k.php/japan/www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm
」
500 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/10/11(土) 04:35 ID:nG3U0CHk
>2ちゃんねるの「.【謝ることなど】日韓歴史認識スレ15【ない】」
そんなのハン板にあった?アドレス貼ってくださいよー
501 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/11(土) 05:02 ID:BBN/iC5.
>>500
愚かな 日本人はこのスレをよく読むべきですね
.【謝ることなど】日韓歴史認識スレ15【ない】
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1064336195/
" target=new>
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1064336195/
502 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/11(土) 10:39 ID:BBN/iC5.
どなたか朝鮮語のわかる方、
>>499
の
http://www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm
" target=new>
http://www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm
を翻訳して頂けないでしょうか。
http://j2k.naver.com/j2k.php/japan/www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm
" target=new>
http://j2k.naver.com/j2k.php/japan/www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm
http://ocn.amikai.com/amiweb/browser.jsp?url=http%3A%2F%2Fwww.hangeul.or.kr%2Fhnp%2Fhg2000%2Fhg249_03.htm&langpair=9%2C2&c_id=ocn&lang=JA&toolbar=yes&display=2
" target=new>
http://ocn.amikai.com/amiweb/browser.jsp?url=http%3A%2F%2Fwww.hangeul.or.kr%2Fhnp%2Fhg2000%2Fhg249_03.htm&langpair=9%2C2&c_id=ocn&lang=JA&toolbar=yes&display=2
でも何となく意味はわかる(復讐は複数、再区は再構、聖母は聖母、
雲母は韻母でしょう)のですが、「定木」とか「ウンミ」とか「歳国」とか
ところどころ理解出来ない語句がありますので。
503 名前:
日語商売
:2003/10/11(土) 20:37 ID:6gCMnqJw
>>502
拙い韓国語力で翻訳してみました。一部意訳したところもあります。
おかしなところも多いと思いますがスマソ
----------------------------------------------------
ハングル第249号 2000. 秋
高句麗語表記漢字音の形成基層とその語彙研究
目次
1.はじめに
2.高句麗地名資料
3.資料分析結果
4.結語
高句麗語を表記した資料である『三国史記』巻37の複数表記地名資料の中で、一度に15個の地名に用いられた高句麗漢字音を形成した基層と、語彙についての検討をするため、多くの学者が再構した上古音や中古音の声母や韻母の体系に基づき分析検討し、また上古韻尾子音の反映であるかどうか検討した。
その結果、音借字41字中、上古音を基層とする高句麗漢字音と推定される字は37字(90%)で、中古音を基層とする高句麗漢字音と推定される字の数は4字(10%)、上古字音の韻尾が反映された字は1字しか現れておらず、また20個の語彙中、新羅語や百済語、あるいは中世語と関連がある語彙は16個(80%)で、純粋な高句麗の方言と推定される語彙は4つ(20%)だった。
以降の結果からみて、高句麗語表記資料は上古漢字音を基層として形成されてはいるが、上古子音韻尾の反映がない点からみて、5、6世紀ごろの後期上古音と一部中古音が、高句麗漢字音を形成した基層であり、また高句麗語と新羅語および百済語は若干の言語差異を持つものと見られ、3国の言語が単一語であることが立証された。
〈チェ・ナムヒ 東義大国語学〉
504 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/11(土) 21:53 ID:BBN/iC5.
>>503
日語商売さん
ありがとう御座います。大変助かりました。ちなみに、
>>502
の「聖母は
聖母」はもちろん「聖母は声母」のつもりだったのですが、変換ミスをして
しまいますた。スマソ。
ところで、日語商売さんとしては、このチェ・ナムヒ先生の結論に対して
どのような感想をお持ちになったでしょうか。
505 名前:
日語商売
:2003/10/11(土) 23:05 ID:6gCMnqJw
「以降の結果」って「以上の結果」の間違いだ。スマソ
>>504
正直、要旨を読んだだけじゃ何とも言えないのですが、
資料が少なすぎること、どのような再構音に基づいているのかや手続きの問題、
他いろいろの問題があるのではと思っています。
この雑誌は母校の研究室で購読してるので、後輩に頼んで、コピーして送ってもらおうかな。
506 名前:
阿木林
:2003/10/12(日) 07:51 ID:39/.rCjA
上古漢字音・・・ですか。5,6世紀のものを後期上古音と呼んで
よいものかどうか。
上古音といえば通常、論語や詩経の時代から漢代に
かけてのものを言うと思うんですが・・・
ぜひ上古音を基礎とした高句麗漢字音の体系とやらを見てみたい。
清濁の区別を持たない時点で上古音とはいえないと思うけど。
東晋以降に南北の言語の分化が進んだと言われており、
中古音というのは南北朝の南朝後期の発音であるといえます。
北朝の発音は唐宋音に近いものであったと考えられます。
唐宋音で濁音が消滅しているのは、北方異民族の言語の影響を
強く受けたからとみられます。
507 名前:
香具山の光
:2003/10/13(月) 00:11 ID:Yoh2fHXg
こちらでは学術的な討論が進んでいて
>>499
に書き込んだ甲斐があったというものです。
googleで「高句麗語の研究」を検索すると唯一ヒットするサイトが
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/
" target=new>
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/
「娜々志娑无のぺぇじ」。このスレに直リンクが貼られていて実に便利です。
貴重なスレなので、どうか末永く存続させて下さい。
508 名前:
日語商売
:2003/10/13(月) 00:45 ID:PVZyHjM.
>>506
5〜6世紀の中国語の音韻は、むしろ中古音だと思いますね。
前にいろいろな学者の説やその時代の詩の押韻などから、ちょっとだけ漢〜南北朝時代の
音韻の変遷を表にまとめたことがあったのですが、一番中古音に近い押韻体系なのは南北朝後期。
唐代になると近世音に近づく変化が一気に進みます。
面白いのは、10世紀頃の音韻資料で、今の南京あたりの読書音が反映されているらしい資料を
今扱ってるのですが、それが北方音から見ると超保守的。
いくつか近世音の特徴もあるのですが、かなり『切韻』の体系に近い特徴を持ってます。
いかに南方と北方で言葉が違ってたかのか示唆していると思います。
>>507
こちらのスレを立てた娜々志娑无先生のサイトですね。
資料や過去ログにも有益な情報がたくさんありますので、是非ブックマークして御愛顧下さい。
509 名前:
阿木林
:2003/10/15(水) 16:19 ID:lHVnF3zc
10世紀頃だと、中原音で入声が合流しているくらいでしたっけ。
中古音の基礎となっている広韻自体が、北方漢語の話者である
鮮卑人である編者が、文化先進地域である江南地域の音韻を
まとめるために作られたものといえますから、唐代でも南北の差異が
開いていたことが窺い知れます。というか南北朝時代にそれが
固定化されたのでしょう。
現在の中国の言語的な南北の境界はほぼ長江にそっており、
南京含め長江以北はほとんどが「官話」地域ですが、
長らくシナの南北の境目はワイ河とされていたのですから、
言語境界もそのあたりにあったと考えるのが自然です。
明初くらいまでは南京は中原音よりもむしろ呉語に近い言語が
話されていたのだと思います。
現代の南京音は入声が声門閉鎖音として残る以外はすっかり
北方官話化していますが。
時代ごとに残された「韻書」の基準となった地域が、江南、長安、
ベン京、北京、南京などと移り変わっていることも、無視できない
事実ですよね。
朝鮮漢字音も超がつくほど保守的で、
三等と四等が区別されていたりするのには感動すら覚えます。
乙 *I@t eul オツ・イツ
一 *i@t il イチ
ただし以下の例では朝鮮音で混同されていて呉音で区別されています。
金 *kI@m keum/kim コム・キム
襟 *ki@m keum キム (中古音はうろおぼえですが)
中古音における三等というのも、かつては朝鮮語のeuのような
音値だったのかもしれません。ある時代にそれが一斉に-i-と
合流したのではないか。
510 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 12:14 ID:jmbqRw0I
なんか、私わるいことでも書いちゃったでしょうか・・・
朝鮮漢字音で上古音の痕跡を残しているらしいものといえば、
蹴、丑をchukと発音することなどでしょうか。
日本漢字音では入声を失っているのですが、
丑は忸などの音符になっているように、古くは入声だったのでしょう。
そのくせ、告goや洗seなどは末子音を失っていますが。
朝鮮漢字音の場合も日本語の呉音漢音同様にさまざまな層が
あるため、かなり複雑な様相を呈しています。
墨は漢字音ではmokですが固有語ではmeokであり、これも古い
漢字音であろうと言われています。
511 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/24(金) 12:55 ID:XUiYhPGI
>>510
阿木林さん
>なんか、私わるいことでも書いちゃったでしょうか・・・
いえいえ、最近本家の某スレの方で日韓中における「檀」の正体をめぐって
いろいろ盛り上がっている上に、リアルの方でもそれなりに忙しいもんで、
ついついこちらの方がおろそかになっているだけでおます。まぁ総督府は
本家と違ってスレ落ちの心配をする必要がありませんので、長〜い目で見て
やって下さいませ。
古い朝鮮漢字音と言えば、「車」の「k∂」もそうみたいですね。「c‘ja」の方は
間違いなく中古音でしょうが。中古音以前の漢字音は日本でも推古遺文の万葉
仮名や金石文の借音表記などに残っていますが、その多くは古韓音と呼ばれる
古い漢字音の流れを汲むものだそうです。この「k∂」も古韓音の成れの果てと
いうことになるのでしょうかね。
512 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 13:53 ID:jmbqRw0I
ははぁ。檀とはなんでしょう。。栴檀は双葉より芳し。
車については現代北京音でもche1/t∫∂1/、ju1/t6y1/の二つの音があり、
juはシナ将棋の「車」に用いられていますが、これが古くは/kjy/と
発音されていて、/*ko/にまで遡ることができるようです。
おもしろいのは朝鮮将棋の「車」は/t∫a/と発音されていること。
「飛車」の語源でもあるのでしょう。
「庫」の音符に使われていることから車に/k∂/という音があっても
おかしくはないのでしょうが、シャとコがかけ離れているため、
古代シナの別系統の言語を反映した可能性もあるのでしょう。
日本語の「くるま」は「くるり」という擬声語からなんでしょうけど・・
朝鮮固有語では「くるま」はスレ、またはバクィといいます。
残念ながら私の朝鮮語力は西大門さんほどではないので、
朝鮮語で/k∂/と発音されている例については、自転車をなぜか
チャジョンゴと発音する他に例を思い出せないです。
これが「チャリンコ」の語源だという説もありますが。
それ以外の単語、自動車などではチャドンチャと発音されます。
調べてみたら、車渠/k∂g∂/という単語を見つけました。
日本語では車渠貝、つまりシャコ貝のことです。
この場合も日本語で「シャ」なんですねぇ・・・
513 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/10/24(金) 14:23 ID:GLdPw6VY
人力車=インリョクコ
停車場=チョンゴジャン
ベトナム語の発音にヒントがあるかも
19世紀からある用語には普通に使われるようです
514 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/24(金) 14:55 ID:XUiYhPGI
>>512
阿木林さん
文字通り、「檀」の正体です。「檀君神話」の件から、「檀君」の「檀」とは何か
という話になり、日中韓で「檀」という漢字で表記される植物の正体は何なのか
ということを検討しています。日本では「マユミ」または「インドの香木」で確定
したと見てよさそうですが、古代中国の「檀」及び朝鮮半島の「檀」の正体に
ついては謎が多く、いまだ具体的につかめていない状態です。阿木林さんも、
また他の方も、もしご興味がおありでしたら、
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/san15.html
" target=new>
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/san15.html
←前スレ
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1066454986/
" target=new>
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1066454986/
←現行スレ
をご覧の上、参加して頂ければ幸いです。ちなみに、こちらでもお馴染みの
日語商売さんも参加しておられます。つーか、私が引き込みました(w。
515 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 15:01 ID:jmbqRw0I
なるほど。停車にはチョンチャという発音もあるので、
停車場もチョンチャジャンと読んでいましたが、チョンゴジャンが
正しいのですね。漢越音ではxa、ベトナム語音ではxeですが、
この/x/は喉音ではないので直接の関係を見出すのは難しそうです。
停車をチョンゴと読むのは、どちらかというと年配層ではないでしょうか。
関係ないですが「船着場」の発音を聞いていると、年配の人は
ソンチャクチャン、若い人ほどペチャクチャンと発音する傾向が
あるようでした。湯桶読みのような例ですね。
516 名前:
日語商売
:2003/10/24(金) 19:02 ID:4FNIWM02
>>510
最近ちょっとよそで立て込んでいたもので・・・
「蹴」は『広韻』では入声音しかなく、日本の「シュウ」の読みの方が、
声符の「就」に引っ張られた慣用音です。
「告」や「洗」も、日本の「コク」「セン」はそれぞれ「告朔(古代の祭りの1つ)」
「姑洗(音階名、また旧暦三月の雅称)」という特殊な語彙だけに用いられる読みを
採用してしまったものとのことです。
朝鮮漢字音で古そうな気がするのは、-eoi となるはずのところで一部 -eo となる
読みの字がある点ですね。麗 ryeo とか西 seo(syeo)とか低 jeo(tyeo)とか。
単に末尾の -i が脱落しただけではなくて、中国側で一時期 -ei ではなくて -e のような
音だったのかな、と。ただこれ初声(頭子音)が舌尖の音のときにしか現れない現象なので、
別な理由(舌尖音とiの間で異化が起こり脱落した)かなともおもいます。
古い漢字音の痕跡だと、筆を bus(<but)というのもそうだと聞いたことがありますね。
517 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 20:19 ID:jmbqRw0I
ありゃりゃ。自分が出した例はことごとく古音とは無関係だった模様ニダ・・・
丑がチュクと読まれる例はまだいけると思うのですが。。。哀号
蹴という字も中国語、というか各地のシナ系言語で使われることが
すくないのですが広東語でも福建語でも上海語でも入声なんですね。
洗は北京語でも、姓に使われるときはxian2だし。
告は酷の音符に使われているのだから古音で入声でおかしくないと
思っていたのですが・・・少し賢くなりました。
おばか丸出しだなぁ。。wチンシムロ謝罪するニダ。
518 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 20:34 ID:jmbqRw0I
「檀」については、あとでスレを覗いてみますね。
麗とか西とか低とかは、/∂/の音値が古くはずっと/e/に近かったため、
ということで一応解決できるのではないかと思っておりました。
福建語では/ei/という韻尾がないため、これらは/le/, /se/, /te/
と発音されています。
じゃあなんで/ei/という韻尾をもっていたはずの朝鮮漢字音で
/rei/, /sei/, /cei/という音にならなかったのか、
という疑問は依然として残るのですが・・・
呉音だとこれらはライ、サイ、タイとなるわけでして・・・
やっぱり「層」の問題として解決するしかないのでしょう。
末尾の-iが脱落するという点では、むしろ新しい層の漢字音に
属しているのかもしれないかな、と思ってみたり。
519 名前:
日語商売
:2003/10/24(金) 21:36 ID:QNkkr0Ls
丑が chuk となるのは古音の可能性がけっこう高そうですね。
ただ十二支の場合はタイとか他の地域にも借用とみられるものがあるのですが、
「丑」はなんか変な形になってるんですよ。語頭にpがあったり。
現地語の影響か古代の複子音の名残かわかりませんが。
よく古音の名残として取り上げられるものとして、-αの音を持つ漢字音の一部に
韻尾にiがくっついてるのがあることを思い出しました。
個(箇)gai とか、倭 uai とか。
ただこのiは、主格を表したり名詞を作ったりなどいろいろ機能を持つ -i が
くっついたまま残ったものという説もありますね。
脳悩 noe(noi)とか取趣就臭 chui のように、本来どこをどう振っても出てくるはずのない
韻尾のiが現れる漢字音もありますし・・・謎です。
520 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 21:56 ID:jmbqRw0I
十二支名が古代の華南のなんらかの言語による動物名の痕跡
(おそらくミャオ・ヤオに近い言語)だという説があったと思うのですが、
西田龍雄先生か誰かだったかなぁ・・・
ベトナム語と十二支
chuo^t_ 鼠 ○
tra^u 水牛 ○
ho^? 虎 (漢語) ×
meo` 猫(mao~の変?) △
ro^ng` 龍 ○
ra(n/ 蛇 ×
ngu'a_ 馬 ○
de^ 山羊 ×
khi? 猿 ×
ga` 鶏 ×
cho/ 犬 ○
lo'n_ 豚 ×
ミャオ語は、湖南、貴州、雲南の順で紹介する。
子 nen4 / nang4 / zhua6, nang4
丑 yu4 / lyo4 / nyo2
寅 jo3 / xe3 / zho3
卯 la3 / lo7 / lua3
辰 rong2 / vong2 / rang2
巳 nen / nang / nang
午 me4 / ma4 / nen4
未 yong2 / lyi3 / yang2
申 mrai / lei / la
酉 nu6, nu6-nu2 / ne6, nyong2 / nong6, zheu5
戌 ghwou5 / dla5 / dle5
亥 nba5 / ba5 / nbua5
521 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 22:09 ID:jmbqRw0I
機能辞の/-i/が残されているというのは、古韓語にあった/-i/の
ことでしょうか。それとも古漢語に見られる屈折現象のことでしょうか。
個/gai/というのは、個が古くは介に通じていたこと(一介の浪人、
というような言い方にも残されている)によるのでしょう。
客家語海陸方言だとkai5、潮州語でもkai2という発音になるのですが、
これは漢字音として認めてよいか微妙です。
倭/oai/は「矮/oai/」と関連があるのでしょうけど・・・
脳とか悩は本当に謎ですね。/noi/という綴りが/noi/という発音から
/nφ/に移行してからの漢字音でしょうか・・?
取趣も、シナ語の近世音に由来しているような気がします。
就臭とか吹とかは、それに釣られてしまった形なのではないかと
思うのですが、北京音の/-ou/にまとめて対応しているので、
ここにも何か秘密があるのでしょう。
上海音などでこれらが/-γ/と発音されていることを思い出します。
茂/mu/なんてのも面白いですよね。
522 名前:
日語商売
:2003/10/24(金) 23:00 ID:QNkkr0Ls
十二支名はいろんな説がありますね。
生まれたから死ぬまでを象徴しているとか、12ヶ月を表しているとか。
どれも決め手がないんですがね。
各地語のを見ると、現地語と漢語の動物名と十二支名がごっちゃになっていて、面白いですね。
漢字音にみられる -i は河野六郎先生によれば、名詞形を作る語尾からの
類推じゃないかということですが、どうなんでしょうねぇ。
脳は中期語の読み方では no だったはずですから、どこかでiがくっついたようですね。
蘇州語だと -au, -ou が前舌の -ae, -γ になるけど、直接の関係がなさそうだし。
茂は北京語では mao になってるし、結構変化が激しい音節のようです。
もとは mou だったのですが、同音の戊貿など mao になっているのに、
同音の牟眸・謀は mou、畝・母は mu になってます。
523 名前:
阿木林
:2003/10/25(土) 01:47 ID:efrfh1Qs
ああ、そういえば貿もmuだった・・・ムーヨクと無縁の生活をしているわけじゃ
ないというのに。
だいぶ前にあげられていたと思うのですが、江戸時代のプサン方言の記録で
「道」を「てい」と記録している資料があるそうですね。
思うに「脳」のようなよく使われる(多分)語彙には特殊な漢字音が生じ、
悩が引きづられた、というようなところではないでしょうか。
茂戊貿はすべて/mu/と読まれるし
牟眸謀はすべて/mo/と読まれるのだから、
北京音ともわりと関連がありそうですね。
畝は/mu/、母は/mo/ですが、母はかなり古い時期に入った
漢字音だろうし。
524 名前:
阿木林
:2003/10/25(土) 12:48 ID:efrfh1Qs
連カキすまそ。
ある時代のある時期に、/-o/が/-oi/にシフトしてしまうような
現象があったのかもしれません。
そういえば中国語板でロシア語のチャイのイ、が何か、
というのが話題になったことがありました。
福建音でte2なので、chaiというような音がある時代に存在したとしても
おかしくはないのですが・・・
単に子音にひきづられて/-i/という韻尾が発生したのかもしれないし、
ー児などの接尾辞や、「茶葉」が単音節化したものなど、さまざまな
可能性が考えられます。
あと、十二支についてはベトナム語などの例では十二支それ自体を
あらわす単語はなく、すべて「動物名」として使われているものです。
十二支が動物の名称にシフトしたと考えるよりは、古代の異民族語に
よる動物名こそが十二支であったという説を私は考えています。
ついでに十干も古代語の数詞か何かなのではないかと思います。
ミャオ・ヤオ語とはある程度関係が見出せると考えています。
525 名前:
日語商売
:2003/10/25(土) 21:55 ID:tvMcCFWI
>>524
そいえば韓国語には後続音節のiに引っ張られて前の母音が前舌化する、
いわゆる「ウムラウト」があるそうですね。
今語例を思い付かないのですが。
あと、「牛」もsoとsoiの2形があって、後者は接頭辞に使われる。
chaiのように -i がついている「茶」の形は南方方言にけっこう見られるそうで、
これも古音の名残という人がいましたが、どうなんでしょう?
中国語板はチェックしてないなぁ。なんか音韻学関係のスレってありますか?
言語学板はデムパゆんゆんスレが多いので恐くて逝ってませんw
十干も謎ですよね。
字や音からみていくと、植物の芽生えから実りまでを象徴しているようだけど、
やっぱり何らかの数詞でしょう。
苗瑶あたりは古代からのつながりが大きそうですから、関係調べるといいかも。
526 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/10/26(日) 16:53 ID:syDVvwgQ
そういえば昔『迷宮』に「十二干」説の論文のが連載されてて面白かったな。
527 名前:
阿木林
:2003/10/28(火) 10:42 ID:rAMt5Ixs
カイ(犬)>ケーのような音便はありますが、これはウムラウトとは
呼べないですよね。
so牛、soegogi牛肉という変化ですが、これも
so eui gogi(牛の肉)の音便というふうに説明することができます。
これが「肉」じゃなくて「仔(aji)」がつく変化だと、
ソ(牛)>ソンアジ、馬(マル)>マンアジ、犬(ケ)>カンアジ
のように-ng-が挿入されるのがおもしろい。
古くは*ngaji(ngagi)というような形だったのかもしれません。
茶の南方方言で-iという形が多い、というのはデマかハッタリの
部類ではないかと思います。そのような南方方言はついぞ聞いた
ことがないです。マレー語などを介してティーやテーの語源となった
のは恐らく福建語ですが、福建音で/te2/と発音されるのも、実は泉州音で
/tε2/と発音されることから、これが/ta2/の変音であることが
わかります。「チャイ」という語型は、恐らくモンゴル時代に広がった
語型であると思います。モンゴル語のチャイがインドから西南アジア、
ロシア東欧にまで広がっています。元のころに生じた、特殊な音韻が
元になっているのではないかと思います。もしくはずばり「茶葉」がなまって
チャイになったのではないかと。
音韻学関連の話題は、僕もそれとなく話題を振ってみることがあるのですが、
「現代中文」をやっている人たちにとっては、あまり近づきたくない世界で
あるようです。乗ってくれるのは自転車小僧さんくらい。
建てるとしたら言語学板かなぁ・・・
528 名前:
阿木林
:2003/10/28(火) 10:44 ID:rAMt5Ixs
植物の伸びるさまなんて発想は全然なかったです。おもしろい。
昔しらべた、ミャオ語の数詞との比較を紹介してみます。
ミャオ語は、湖南、貴州、雲南の順です。
なお、表記は苗語ピンイン方案の声調表記のみ数字にしたものです。
ヤオ語とも比較してみたことがあるはずなのですが、
あんまり収穫がなかった記憶があります。
甲 カフ a3 / i, ghai3 / i
乙 ou / o / au
丙 bu / bi / be
丁 brei / dlu / blou
戊 bra / za / zhi
己 dhao5 / dyu5 / dhou5
庚 jong6 / xong6 / xang5
辛 yi4 / ya8 / yi8
壬 jo2 / je2 / jua2
癸 gu4 / ju8 / gou8
>>526
おもしろそうですね。内容を紹介していただけるとコマプーです。
529 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/10/28(火) 11:49 ID:UiwdKVhc
>>528
十干はもともと十二干で、二つ削って十干が作られた一方、十二干から十二支が作られた。という説。
ところで「コマプー」とは?
530 名前:
阿木林
:2003/10/28(火) 13:52 ID:rAMt5Ixs
>>529
おお!ありがとうございます!ちなみにコマプーとは朝鮮籍日本人の
友人の口癖ですが、コマプスムニダ(ありがとう)の変形であると
思われます。いずれにせよ30男が口に出すと相当キモイマンです。
十二干から十干と十二支が作られたなら、もともとそれぞれは同じ
ものだったということになりますね。どれがどれに対応するのだろう・・
朝鮮語でも子(ja)と鼠(jwi)、丑(chuk)と牛(so)なんてのは似ているな、
と思うのですが、そこからあとが全然つづかないので、
十二支朝鮮起源説を打ち立てるのは私にはむりぽですw
531 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/10/28(火) 15:20 ID:J1Q1DlsU
>>530
甲→子、乙→丑、丙→寅・・・・・というような感じです。
コマプー、それ面白いからマンセー、アイゴーに続く第3のニダ系2ちゃん語として流行らせよう(w
532 名前:
日語商売
:2003/10/29(水) 16:55 ID:xwNW9uco
>>528
2、3年前に読んだ本に書いてあったのですが、あいにくその本は日本の荷物の中に
埋もれてしまっているので、参照できません。
「甲」が種の殻が割れた様子、「乙」が曲がった根が出た様子、
「丙」が双葉の出た様子・・・のような感じの解釈でしたが、
面白いけど後付けの解釈のような気がします。
それだと『説文』の陰陽五行の解釈と大した差はなくなってしまいますが。
数詞との比較も面白いですね。
甲kap、乙・ι∂t、丙pιaη、癸kiuiは似ていますし(音価は中古音)、
戊m∂u、庚kaη、壬nziemも似ていると言えば似てます。
あとは何とも言いがたかったり。
他の語彙も含めてきちんと比較した研究もありそうですが
今資料を参照できる環境にないのが辛いです。
中国少数民族語の概説書は確か図書館にあったので、時間があったらそれら引っくり返して
対照とかしてみようかな?
しかしコマプーってのも変な言葉ですね。
パンマルならコマウォとかコマワなのに、そういう形になるのがいかにも。
それともどこかの方言ではそういう形も使うのかな?
533 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/10/29(水) 22:04 ID:0PJIWDmU
十二干説だと、甲は、神憑かりする人がかぶる祭儀用の仮面。乙は忘れた。丙は壷を二つ並べたさま。
・・・・だったかな?
534 名前:
Jake_USA
:2003/11/02(日) 15:52 ID:t/UjzdUE
高句麗語の「谷」を意味する言葉について、ほとんどの研究者が見過ごしている
資料があると思います。皆さん「鶏林遺事」という書物を知っていますか?
前期中世朝鮮語の資料としてかなり役に立つと思いますが。。。
とにかく、「鶏林遺事」には、「渓曰渓」、すなわち、「渓(山地に在る小川)を
渓と云う」という記録があります。「渓」を意味する単語の場合は後期中世朝鮮語の
「シーナイ」じゃなくて漢語をそのまま使っていたという解釈につながるんですが、
「渓」の次の訳語一対こそ興味深いのです。それは、「谷曰丁蓋」(谷をテョンガイと
云う)と、漢語の「谷」を朝鮮語の「丁蓋」の字音の様に発音された単語をもって
訳していたのです。この「テョンガイ」(tjenggai)は多分新羅系の言葉で、高句麗語の
「タン」と日本語の「たに」と同源の語(テョン = tjen)に中期朝鮮語と現代朝鮮語の
「浦、入り江」などという意味の「カイ > ケ」(ハングルでは개)を付加した結果
生じた語形ではないでしょうか。意味的には「浦、入り江」という要素を「谷」に付け加えるのは
おかしいと思われるかも知れないが、朝鮮語の「カイ > ケ」がもともと日本語の「かわ(川、側)」と
同源だと考えるなら、納得がいきそうな気がします。英語の「river」の語源がラテン語の「ripa」(岸、すなわち
英語の「side」(サイド)みたいな意味の語根)に由来する事を参考にしてください。
皆さん僕の提案についてはどう思いますか?
535 名前:
Jake_USA
:2003/11/02(日) 16:36 ID:t/UjzdUE
日語商売さん:
韓国語に於けるウムラウト現象の例が思いつかないとおっしゃっていましたが、
私が補足します。何時の時代から朝鮮語にウムラウト(前舌母音化)という現象が
あったなんて事について学説を作ってみたとしても、朝鮮語の系統が確定できるまで
そんな説を裏付ける証拠は現れないと思います。しかし、後期中世朝鮮語から近代朝鮮語へ
移る段階で、接尾辞に於いてウムラウトが広く行われた形跡が残っています。例えば、
「ナニナニ生まれ」という意味の接尾辞の「-ナギ」(-나기)は明らかに朝鮮語の自動詞
「ナ」(나 生まれる、成る、起こるなどの意味)に動詞・形容詞から派生名詞を作る接尾辞
「−キ」をくっ付けた結果生じた複合性(二重?)接尾辞です。その「-ナギ」という接尾辞が
今は多くの朝鮮語の方言では実際に「-ネギ」(-내기)のように発音されています。「ナ」から「ネ」のように
母音が「ア」から「エ」に変わったのは、その後に続く音節に「イ」という前舌母音が存在する事に
因ります。これはまさに「ウムラウト」です。「-ナギ」>「-ネギ」の外にも、「ナニナニ屋」のように
ある職業・癖をもつ者の意味を表す単語を作る接尾辞、「ージャンイ」(-장이)が現代朝鮮語では
多くの場合に於いては「ージェンイ」と発音されるのが普通です。
536 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/02(日) 19:53 ID:b2IIqOHI
>>534
Jake_USA さん
総督府へようこそ。当スレのスレ主は朝鮮語がまったく出来ないので、
朝鮮語の出来る方は特に歓迎致します。今後とも宜しく。
>皆さん「鶏林遺事」という書物を知っていますか?
『郷薬救急方』と並んで貴重な前期中世語資料の一つですね。
http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/kelim.htm
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http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/kelim.htm
に写真があります。「渓曰渓」「谷曰丁蓋」は
http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/kelim3.htm
" target=new>
http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/kelim3.htm
の方にありますね。後者の「丁蓋」の「丁(ti∂η)」の部分が高句麗語
の「t∂n(谷)」と関係があるのでは、とのことですが、中々興味深い説
だと思います。ただ気になるのは、もし高句麗語の「t∂n(谷)」が語源
なら、語末はnのはずなのに、実際はηになっているという点です。
nとηの違いは日本人には難しいでしょうが、nとηの違いを音韻として
区別している中国人にとっては朝飯前のはずです。また、明代の中国
資料で後期中世語資料でもある『朝鮮館訳語』に「村」を呑」と漢字で
借音表記した例があり、後代でも「村(=谷)」の語末子音はnであった
ことがわかっています。この辺りの事実とどう整合性を付けるかが問題
となりそうですね。「蓋(kai)」の部分が朝鮮語の「kai→kε(浦・港・川
の支流)」であるというところは私も賛同します。
>朝鮮語の「カイ > ケ」がもともと日本語の「かわ(川、側)」と
>同源だと考えるなら、
朝鮮語の「カイ」と日本語の「カワ(川)」が語源的につながるかどうか
はともかく、「カワ(側)」はこの場合無関係でしょう。「カワ(側)」の初出
は室町時代のことですし、当初から丸く輪をなしたものの外周部分と
いう意味もあったことから推測するに、語源は「カワ(皮)」であると考え
られますので。
537 名前:
Jake_USA
:2003/11/02(日) 21:11 ID:t/UjzdUE
No.48
>
意 味 :斧(名詞)
原 文 :「於斯内県一ニ云フ斧壌」(『三国史記』)
漢 字 音:於斯(中:io-syie、朝:∂-s∧)
現代語では使われていないのですが、古い時代の日本語には「斧」という意味の
単語には、「をの」の外に「よき」という単語があったそうです。高句麗語に於ける
語中の「シ」が日本語の語中の「キ」に対応すると考えたら他の対応例が難しくなって
しまいますか? 古代の朝鮮半島のどの言語も日本語とはそんなに近い関係には
無かった様ですから、高句麗語と古代日本語の間には既にかなり大きいな音韻の
相違が生じていたのでしょう。高舌母音の前に現れるk・gが世界の各言語で
しばしばch・jh、ts・dz、s・zの様な音に変化する事を考慮に入れてください。
東アジアの言語に於いては特にそういう変化が普遍的の様にさえ感じられます(少なくとも
中国語(マンダリン)、朝鮮語、満州語はそういう音韻の変化が目立ちます)。日本語だけが
かなり古い時代の高母音の前に於けるk・gを現代に至るまで残しているように私には見えますが。。。
とりあえず、高句麗語の「斧」に対する訳語が日本語の「よき」と同源であるとすれば、
76 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA [2003/06/20(金) 16:43 ID:.JVZgiNA]
No.36
意 味 :翼(名詞)
原 文 :「於支谷一ニ云フ翼谷」(『三国史記』)
漢 字 音:於支(中:io-t∫ie、朝:∂-ci)
上の「翼」に対応する「於支」はもしかすると日本語の「よこ」(横)辺りの
単語と同源ではないでしょうか。母音の問題はまだ残りますが。。。
それはさておき、高句麗語の「金」という意味をもつと思われる単語は、僕にとっては
非常に興味深いのです。なぜなら、私は朝鮮語の「ソイ > スェ」(金属、特に鉄或いはbrass)と
全く同じ語形の要素が朝鮮語の「スェ-セ」(쇠새、「かわせみ」の意)と「スェ-ゴレ」(쇠고래、青がかった
灰色の皮をもつ鯨の一種, 英語ではgray whale、学名はRhachionectes glaucus)といった単語に現れる事に
気付いたのです。日本語の「かわせみ」を意味する言葉には、古くは「そにどり」、「そに」、「せみ」、「せび」、
などあった様ですが。。。これらの言葉が全て「ソミ」或いは「ソビ」の様な発音に遡るのではないでしょうか?
後世の日本語の「せび」ないし「せみ」はウムラウトの結果なのでしょうか。とにかく、日本語の「かわせみ」を
意味する言葉が朝鮮語の「金」(中世朝鮮語の「ソイ」と高句麗語の*ソムンのような言葉)を意味する言葉と
妙に似ているような気がします。ただ、私はもともと朝鮮語の「ソイ」(金属、鉄)と同源の言葉を満州語の「sele 」(金属、鉄)
(ソロ或いはツォロみたいな発音だったそうです)に見出そうとしていましたが。。。満州語の「sele」の語源説はありますか?
ツングーズの他の言語に同源の単語は確認されていますか? 妙に朝鮮語の「鉄」の漢字音(철 チョル)を借用していた様にも
見えますし。。。だけど朝鮮漢字音の「鉄」は中世の頃は「テョル thyel」のように、まだ口蓋音化は起きていなかったのかな。
でも、女真語の「sege ソゴある意はツォゴ」(過去に於ける年、「aniya」=現在と未来に於ける年とは異なる事に注意)と満州語の「se」(ナニナニ歳の「歳」の意味)は
どうしても朝鮮語の「チョク 적」(過去に経験した事、時などの意)と日本語の「とき(時)」と結び付けたくなりますが。。。
皆中国語(漢語)から古代に借用された言葉の様ですが。「昔」あるいは「時」の字音か? >sege, cek, toki
538 名前:
Jake_USA
:2003/11/02(日) 21:58 ID:t/UjzdUE
ななしさん、初めまして! 先ほどは挨拶もせずに書き込みしてすみませんでした。
私は20歳のアメリカ人の大学生ですが、日本語・韓国語・中国語(マンダリン)を
知っていて、その他のアジアの言語(モンゴル語、満州語、トルコ語など)をかじっては
います。中でも中世朝鮮語についてけっこう詳しいんですが。。。その知識をもって役に立つ事が
出来たら嬉しいです。
536
> 鶏林遺事に記載されている「丁蓋」(谷の意)については、
朝鮮固有語の二つの語幹が合わさって出来た複合語とする場合、tjen + kaj
> tjenggaj (音韻論的にはtjengkajだけど、
語中の無声破裂子音はやや有声化して現れます)
のような発展を仮定しても全然無理がないです。むしろ、それが自然の発展なのであって、
朝鮮固有語の複合語にtjenkajなんて言葉が現れたら変です。実は、朝鮮語ではどの環境においても、
/n/の後にvelar音(即ち/k/)が来る場合、/n/は[ng](/k/に相当する鼻音)を以て発音されます。
朝鮮語はその様な「子音同化」が著しく現れる言語です。事実のところ、閉音節を含む朝鮮語の単語が
音韻論的表示(概してハングルの標準的なつづり)のまま発音される事は皆無に近いです。
pap mek-ca(ご飯食べよう)の語句も、そのまま「パップ モックチャ」と発音されずに、「パムモックチャ」の
様に「訛る」のです。eps-nynが「オムヌン」と発音されてしまうほど酷い同化です。漢語に於いても
そうですし。。。「隔離」は音韻論的には격리(kjekri キョックリ)だけど、実際には「경니」(kjengni キョン二)
と発音されるのです。朝鮮語からtjen + kaj
> *tjenkajなんてキレイな展開を望まない方が良いと思います。
539 名前:
阿木林
:2003/11/03(月) 10:15 ID:XnbOQel2
Jakeさんはじめまして。20歳でそれほど詳しいとは・・うらやましい。
>>535
ナンビ>ネンビ(鍋)
マッキダ>メッキダ(つまる)
なんてのもそうですよね。
ただ、これらは意味の屈折を伴わない音変化ですから、
ウムラウトと呼ぶことにはためらいがあります。
>>537
なるほど。むしろ斯に「キ」という発音があったのかもしれません。
ただ、他の対応例に影響が出てしまいますが・・・
/soi/の古い形が/sobi/であってもおかしくないと思います。
母音にはさまれた/b/は落ちる傾向にありますから。
えび/saibu/(釜山)>/sai'u/(ソウル)
ただそうすると満洲語の/sele/とは遠くなりますが。
「金」を意味する「アルタイ語」なら、満州語のaisinとか、
モンゴル語のaltanなんて言葉もありますよね。
満州語の歳をあらわす[se]は、漢語起源である可能性があります。
540 名前:
阿木林
:2003/11/03(月) 10:39 ID:XnbOQel2
>>538
朝鮮語の表記は語源的なものと表音的なものの2種類があります。
中期語の多くが表音的に綴られていたことはご存知だと思います。
現代朝鮮語の表記は語源的なものが採用されたため、
実際のつづりと発音が離れることが多いですよね。
ただしこれらは規則的なものです。tien+gaiがtienggaiに変化する
ためには、漢江han-gangがhang-gangと発音されることになるし、
同じ規則を当てはめるならebs-nynはen-nynに、
gieg-riはgien-niに変化することになります。
ただし、現代語でもjam gan man(暫間マン=ちょっとだけ)を、多くの人は
jjang ggam manと発音しているように、非規則的な音便が存在する
ことも確かです。
そのため、語源的にはtien+kaiであっても、実際の発音がtienggaiで
あった可能性はあると思います。
とはいえ、高麗語の表記にこのような音値の推移まで考慮しなければ
ならなくなると、音値の推定が困難になることも事実です。
蛇足
おとといまで韓国に出張していたのですが、韓国人が
「最近は4,50代でも公園でインナインをして遊んでるよ」
といったのがわからなかった。インラインスケートのことですが、
/nr/という子音連続は通常/rr/に変化するため、それを忌避する
ために/nn/という子音連続にしてしまったのでしょう。
インナインとイルラインどっちが原音に近いかはともかく。
541 名前:
あぼーんはウリナラ起源
:あぼーんはウリナラ起源
あぼーんはウリナラ起源
542 名前:
阿木林
:2003/11/03(月) 17:11 ID:XnbOQel2
ついでに、満洲語の/s@l@/はエヴェンキ、オロチョン、ホジェン、シボなどの
言語にもほぼ同じ形で存在するので、ツングース共通語であると言えるでせう。
満洲語の/s@/「〜歳」ですが、オロチョン語ではnashu、ダウール語では
nas、モンゴル語ではnasuです。語頭の/na/が落ちた形とも見えるのですが・・
ツングース語はあまり調べたことがないのですが、たとえば現代朝鮮語の
語頭につく否定辞/an-/に対応する否定辞は満洲語にはたしかないのですが、
オロチョン語では/@-/という接辞が存在するなど、やはり面白いですね。
しばらくはオロチョン語に没頭してみるのも悪くない。
ダウール語などは語彙がツングース系とモンゴル系が混在していて、
今日まで系統論争が続いているのですが、高句麗語もおそらくは、
周辺の言語と少しずつ語彙を共有しており、明らかにツングース系の語彙と
非ツングース系の語彙が混在していたのでしょう。
そういえば、北朝鮮には今日でもツングース系住民(満洲族?)が少数
存在しており、二文字の姓がハムギョンドには存在していたと聞きます。
なんでも平壌政府の「創氏改名」により朝鮮名に改められたそうですが。
543 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/03(月) 18:40 ID:5hJZXtn.
>>537
Jake_USA さん
>現代語では使われていないのですが、古い時代の日本語には「斧」という意味の
>単語には、「をの」の外に「よき」という単語があったそうです。
確かに「ヨキ(斧)」という語はありますね。初出は平安初期の古辞書
ですから、奈良時代にも存在した可能性は高いでしょう。斧は斧でも
小さい斧を意味していたようですが、第1音節は半母音であるjとoの
組み合わせですし、第2音節のkもsに変化する可能性はありますから、
「ヨキ(斧)」を高句麗語の「於斯」との対応例として挙げるだけの価値は
十分あると思います。正直、これは日本語史の専門家である私が先に
指摘しておかなくてはならなかった例でした。いや、お恥ずかしい。
>高句麗語に於ける
>語中の「シ」が日本語の語中の「キ」に対応すると考えたら他の対応例が難しくなって
>しまいますか?
今はあらゆる可能性を模索している段階ですから、音韻対応の問題は
とりあえず後回しにしておいてもいいでしょう。新しい発想でいろいろな
可能性を追究して下さることを期待しております。
>上の「翼」に対応する「於支」はもしかすると日本語の「よこ」(横)辺りの
>単語と同源ではないでしょうか。
う〜ん。「横」と「翼」では意味の方がつながらないので、さすがにこれ
は無理があるのではないでしょうか。まぁ確かに翼を広げた格好は縦で
はなく横ではありますがねぇ。それに、「於支」の「支」は中古漢字音こそ
「t∫ie」であっても、新羅資料では「ki」と読むべき漢字であることはほぼ
間違いなさそうですしね。
>高句麗語の「金」
>これらの言葉が全て「ソミ」或いは「ソビ」の様な発音に遡るのではないでしょうか?
これについては、私も
>>94
で「sobi」ではないかと推定しておりますので、
その点については特に異論ありませんが、日本語の「ソニ〜セビ(翡翠)」
や朝鮮語の「スェ-セ(翡翠)」とまで関係付けるのは強引過ぎでしょう。
どんな言語にも同音異義語は当たり前に存するのですから、無理をして
何もかも一緒くたにするのは危険ですよ。下手すると、音義説(一音一音
に固有の意味が存するとした説。江戸期に流行した)に陥ってしまいかね
ません。
544 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/03(月) 18:41 ID:5hJZXtn.
>>538
Jake_USA さん
こちらこそ宜しく。20歳で3ヶ国語を操れるとは凄いですね。私なんて、
日本語以外はまともに話せないくせに、一端の言語学者面をしている
もんですから、まともに顔向け出来ませんや(藁)。
>中でも中世朝鮮語についてけっこう詳しいんですが
おおう、そいつは素晴らしい。一体それはどこで学ばれたのですか。
韓国や日本ならともかく、アメリカで中期朝鮮語を学ぶ場所と機会が
あるとは思いもしませんでしたyo! そうそう、もう一つ知りたいことが
あります。このページをどうやってお知りになったのですか。一応Google
で検索してもここを探り当てることは可能であることは知っていますが、
わざわざこんなマイナーなところを貴方が探り当てられたことに大変
興味を引かれましたので。
>朝鮮固有語の二つの語幹が合わさって出来た複合語とする場合、tjen + kaj
> tjenggaj (音韻論的にはtjengkajだけど、
>語中の無声破裂子音はやや有声化して現れます)
>のような発展を仮定しても全然無理がないです。
なるほど、確かに日本語でもkやgの直前の撥音はηになることが知られ
ていますから、kやgの直前の鼻音nがηになりやすいというのはよくわかり
ます。しかしながら、それは日本語の撥音がm、n、η等の鼻音性子音を
音韻、即ち言語的に意味のある音区別として認識していないからであって、
朝鮮語のようにm、n、ηを音韻として区別する言語においては、n→ηの
ような変化は起こりづらいように思うのですが…。もし宜しければ、朝鮮語で
実際にそのように変化した例をいくつかお教え頂けませんか。
545 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/03(月) 18:44 ID:5hJZXtn.
>>544
修正です。スマソ。
× 日本語の撥音がm、n、η等の鼻音性子音を
○ 日本語がm、n、η等の鼻音性子音を
546 名前:
Jake_USA
:2003/11/03(月) 21:47 ID:sFeQjYeA
皆さん宜しくお願いします。阿木林さん、ツングース諸語の「金属、鉄」という単語の事情を調べてくれて
ありがとうございました。どうも満州語の「sele」は高句麗語・朝鮮古語(Old Koreanをどう訳せば良いのでしょうか)の
*/sobi/(金属?)と近い関係ではなさそうですね。
大金帝国の時代の「女真館雜字」と呼ばれている書物に載っていて、
女真語として記録されている*/sege/(漢字表記では「塞革」)は、「去年」(女真語では
*genehei sege)という様に、過去に於ける「年」のことを女真語では*/sege/と
言っていた様ですし、しかも同じ*/sege/という単語を「〜歳」という意味にも使っていたと、
同じ書物の中に書いてあるそうです。女真族が「現在乃至未来に於ける年」のことを後世の
満州人と同じく*/aniya/(漢字表記では「阿捏」)と言っていた様なのに、過去に於ける「年」を
わざわざ*/sege/と言って区別したみたいですね。後世の満州人が「〜歳」を/se/という語を以て
表したと聞いていますが、女真語の*/sege/と満州語の/se/とには何の関係も無いのでしょうか。
(上記の女真語については
http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/Vocabulary/timeseason.htm
" target=new>
http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/Vocabulary/timeseason.htm
<ここからデータを採取しました)
547 名前:
Jake_USA
:2003/11/03(月) 22:21 ID:sFeQjYeA
まず、前項546に追加。。。
満州語では、/g/と/h/が語中に於いては本当に音素として対立しているかどうか疑わしいという
点を考慮してください。女真語の*/sege/に*/sehe/という異形が生じて、その
*/sehe/が後世の満州語に受け継がれたのなら、それが更に/se/に簡略化される可能性が
あると思えるでしょう。特に満州語では「〜歳」という様に主に接尾辞ごとく使われていたのですから、
不規則的にでも*/sehe/>/se/の変化を被ったと仮定できましょう。もっともその時代の中国北部で
話されていた漢語の方言の影響もあったりしたかも知れませんが。。。(「歳」の漢字音を真似ての
変化か?)事実のところ、大金帝国時代の*/sege/の漢語訳注として「歳」を挙げていますから(*/aniya/の
訳注としては「年」を挙げているのに)、古くから女真語の*/sege/は「歳」という字と結び付けられていたの
かも知れませんね。
ちなみに、現在中国の新疆省で話されているシボ語(満州語の一方言とも言われているのですが)では、
満州語の/se/に対応する単語が[see](もちろん「e」は満州語に於いては朝鮮語の中舌母音みたいな母音なんですが)と
いう様に長母音になっているとのうろ覚えがあります。。。
548 名前:
Jake_USA
:2003/11/03(月) 23:21 ID:sFeQjYeA
阿木林さんが先ほど朝鮮語の「蝦」を指す単語を挙げましたが、私はどうしても
満州語の/sampa/、中世朝鮮語の/sabi/(と現代朝鮮語の/seu/乃至貴方が指摘して
くれた釜山方言の/saibu/)および日本語の/ebi/を比べたくなりますが。。。
この単語については同源の臭いがすると思いませんか? もちろん借用語も考えられるのでしょうけど。。。
ななしさん: 高句麗語「於支」と日本語の「横」との関係については、厳密に言えば
高句麗語の「於支」が本当に日本語の「よこ」と同源の単語(cognate)だとは言ってません。
ただ、日本語の「よこ」と同じ語源、すなわち遠い昔のどこかで話されていた言語の、
一つの語幹が二つ以上の子孫言語に受け継がれていって、結局高句麗語の「於支」と日本語の
「よこ」の本を成したのではないか、とアイデアを探っていただけです。強いて言えば、
上代日本語の上二段活用の動詞「よく」(よきぬ、云々)あたりかなあと思っていました。
実際、上代日本語の「よく」は、「道避く」のように、「道端へ横に動く(横に移動する)」の
様に使われるのが普通だったと思います。「よこ」の様な意味をもつ単語が「翼(鳥の羽根)」と
同一単語、あるいは語幹・派生語の関係にあるのが実は多くの言語で確認される傾向ですが。。。
英語の「wing」には「つばさ」のほかに「建物の翼(よく)」という意味があって、満州語の
/asha/が「つばさ;佩玉;鎧の背面の、肩を守る部分の下に取り付けた鉄の板」などの意味であってその派生語/asha-n/には
「よこ、わき;手足の様な物、肢、付加物;下位の、付随する」などの意味があって、更に
満州語の場合は/asha(-m-bi)/(腰や襟の辺りに付けて着る)という動詞など派生語が数々あります。
漢語の「翼」の意味の広さは言うまでもないでしょう(日本語の「翼(よく)」の意味を考えてください)。
とにかく「意味の類似」は「再構音の類似」に次いで考慮すべきでしょう。
549 名前:
Jake_USA
:2003/11/03(月) 23:26 ID:sFeQjYeA
訂正: 「語幹・派生語の関係にある」じゃなくて、「語幹と派生語との
相互関係にある」と言った方が紛らわしくなくて良かったのかな。外国人の
変な日本語ですみません。どうか理解してくだされば幸いですが!
550 名前:
tenpura ◆UMAIu01k
:2003/11/03(月) 23:37 ID:7AKwABBA
>>538
いらっさいませー。
すばらしい!
ついに中世朝鮮語の専門家が!
自分は電波系くらいしか参加できずに、もっぱら
読むばかりになりますが、楽しみにさせてもらいます。
551 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 00:23 ID:D4lPpGAk
>>548
Jake_USA さん
ああ、なるほど、動詞「ヨク(避)」を介在させて高句麗語「於支(翼)」と
「ヨコ(横)」を結び付けようというわけですか。確かに「ヨコ(横)」は以前
から動詞「ヨク(避)」「ヨキル(過)」と同源ではないかと言われている語
です。ただ、アクセントが合わないという大きな弱点があるので、個人的
にはあまり強くは主張出来ないのですがね。まあそのことはしばらくおく
として、そういう主張をなさりたいのであれば、むしろ最初から「ヨコ(横)」
ではなく語形的に近い語形(連用形「ヨキ」)を持つ「ヨク(避)」の方を先に
挙げて、その上で「翼」との意味の上での繋がりについて持論を展開して
下さっていれば、まだしも理解しやすかったと思いますよ。
さて、古代日本語の「ヨク(避)」は「よける」「脇へ退く」という意味です
から、その本義を「横に移動する」であると見ることは一応可能です。
「ヨキル(過)」は「通り過ぎる」という意味ですが、これも一旦横に移動
して通るという風に解されます。このように、意味の上では、両語は一応
「ヨコ(横)」と関連付けることが可能です。尤も、正直そこから「翼」まで
はまだまだかなり距離がある上、日本語「ツバサ(翼)」をどう考えるか
という問題もあるので、諸手を挙げてまでは賛同出来ませんが、貴方の
挙げられた諸外国語の例は確かに興味深いものです。本例も検討の
対象たる資格は十分備えていることは認めざるを得ないようですね。
>とにかく「意味の類似」は「再構音の類似」に次いで考慮すべきでしょう。
いや、過去の検討においても「意味の類似」を軽視していたわけでは
ないんですよ。それどころか、「再構音の類似」と「意味の類似」の両方
が同時に成立していることが、比較する上での最低条件だったのです。
それは過去ログをじっくりお読み頂ければおわかりになると思いますが。
今回の例は、貴方の説明だけでは日本語「ヨコ(横)」と高句麗語「於支
(翼)」の「意味の類似」が十分に説明されていないと感じたので、あの
ような突っ込みをしたまでのことでして、その辺はどうか誤解のなきように
お願い致します m(_"_)m。
552 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 01:01 ID:oMVZcVxQ
朝鮮語の/[ng]/(軟口蓋鼻音音素)については、私は祖語まで遡る可能性が低いと
見ています。朝鮮語だけでなく、世界各国の言語の於いては(特に北ユーラシアの言語の特徴かも知れませんが)、
軟口蓋鼻音は普通、異形態に過ぎず音素を成しません。事実上、朝鮮語の軟口蓋鼻音も
今は音素として認められていますが朝鮮語の歴史上最近までは(漢語が大量に取り入れられる頃からかな?或いは
漢語との接触に因って生じたのかも知れません)軟口蓋鼻音は単なる異形態であって音素には成ってなかった
と推定します。現在の朝鮮語をとって見ても、固有語に於ける/[ng]/の機能(負担量?)はかなり
少ないものです。その多くは擬声語・擬態語の中に存在していると思いますが。擬声語以外の固有語でも、
ほとんどは/kkorangci/(鳥の尾)の様に、二つ以上の形態素が合わさって複合語を成す時に起こるのです。
/kkorangci/は、恐らく中世朝鮮語の/skori/と書き表す単語(尾っぽとか、尻の意 - 現代語では/kkori/或いは/chori/)に
母音調和の法則に従って付加される「-aci/-eci」という指小辞が付いて出来た単語だと思われますが、
明らかな理由も無く軟口蓋鼻音が添加されている事が見えるでしょう。もっとも、現代朝鮮語の軟口蓋鼻音音素が
一体どういう環境から生まれたのかも判明していません。中世語の/stah/が現代語では/ttang/となりますし、
軟口蓋で作られる子音じゃなくても子音の前では軟口蓋鼻音が現れる事が多いです(例えば/engseng-ha-ta/「やつれる」,
/engteng(i)/「お尻」、/torongthaj/「ハイタカに似た猛禽の一種(或いはハイタカ)」等など)。勿論、
軟口蓋鼻音が起こると普通に予想される環境でも、すなわち軟口蓋破裂音の隣に来る鼻音が軟口蓋鼻音に変化する事も多く
見られます(朝鮮語では軟口蓋破裂音と鼻音の順序はほとんど構いません;鼻音ではないのに/r/が軟口蓋破裂音の後に来る時さえ
軟口蓋破裂音が[ng]になって/r/は[n]と発音されます)。実際、朝鮮語の固有語で/nk/なんていう子音の隣り合わせを見たことが
ありません。なぜなら、そういう配列がたとえ起きたとしても、自動的に[ngk]乃至[ngg]にかわって発音されますから。例を挙げるにも
足りないほど自然に起こる事ですが。。。
何にせよ「鶏林遺事」は中国人が執筆したという事になっているのでしょう? それなら
「丁蓋」の「丁」の部分がもともと*/tjen/であって[tjenggai]という複合語に於いては
その要素が[tjeng]と現れているのだなんて分かるはずがないでしょう。早い話、
「丁蓋」がたとえ音韻歴史的には/tjen-kai/だったとしても実際の発音は[tjenggai]に近かったはずだし
中国人・朝鮮人を問わず「丁蓋」という表記が適切に思えたはずです。私が皆さんの真剣な疑い(躊躇?用心?)を
無視したり蔑んだりしている様に聞こえなければいいんですが。。。私はそんな事などしていませんし、
ただ「丁蓋」がかなり高い確率で高句麗語の「旦・呑・頓」や日本語の「たに」と同源の要素をもつ事を
主張したいです。
553 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 02:31 ID:oMVZcVxQ
ついつい徹夜してしまいました! 皆さんのレスを読んでとても楽しかったです。
こういうメッセージ板のディスカッションに参加するのは私は初めてですが、これからも
(古代を含む)朝鮮半島、満州、日本、そしてもっと広い範囲では東アジア全域の言語の
歴史について真剣にアイディアを交わせたら嬉しいです。この場を作ってくれたななしさんに
感謝しています。
ななしさんは私が中世朝鮮語をどのようにして習ったのか、それに私がどうやってこの
メッセージ板を見つけたのかと聞いていましたね。こんなに返事が遅くなってしまってごめんなさい。
朝鮮語は、高校を卒業してすぐの夏休みの間に勉強を始め(ハングルの覚えやすい事に驚きましたよ。。。本当に。。。
1時間以内で覚えちゃうんじゃないですか、あんな文字? 文盲対策として貧しい国々に導入した方が良いかも)、
大学に入ってからは一年間、現代朝鮮語の授業をとるかたわら、図書館から借りた資料を使って中世朝鮮語の勉強も
しました。李基文著の「韓国語の歴史」という本は大いに役立ちました。
このメッセージ板が見つかったのは、ななしさんのおっしゃったとおり、グーグルで「高句麗」を入力して
検索した結果ですよ! 正確に言えば「高句麗 地名」で検索を行ったのだと思います。とんでもない発言をする人が
たくさん居るスレ(スレッド=糸の略ですか?)も見つけてしまいましたが。。。 名無しさんのこのスレは
良い所ですね! 見つかって良かったと思います。
言語学に話を戻すと、私の朝鮮語の「soj-saj」(翡翠)について日本語の「(かわ)せみ」と
結びつけようとする考えが気に入らなかったのですか? それとも、私がそれ以上更に「soj-koraj」(灰色の鯨の一種)や
朝鮮語の「soj」(金属、鉄)・高句麗語の*/sobi/(金)までも巻き込もうとしたのが恣意的過ぎると
思われたのですか? 確かに「翡翠」を意味する語については裏づけが全くないのですが(中世朝鮮語の段階で
/soj-saj/がどうなっていたかすら不明です)、日朝両言語の歴史を考慮すれば、有り得る話だと思いませんか?
日本側の「翡翠」を意味する語根の音韻的多様性も興味深いほどです。この数千年の間、日本で一体どんな方言が
生まれては消えていったのかなあと思い出させる語根の一つですね。
阿木林さんは、どのようにしてツングース諸語のデータを仕入れていますか?
僕は探しても探してもほとんど見つからないんですけど。。。阿木林さんに協力していただければ
嬉しいです。
554 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/04(火) 03:22 ID:3R8nzbkM
>>534
,
>>536
,
>>538
,
>>552
>「丁蓋」がたとえ音韻歴史的には/tjen-kai/だったとしても実際の発音は[tjenggai]に近かったはず
日本書紀に「丹谷」と書いて「たにかひ」と読ませ、
他にも「やまかひ」という言葉があり。甲斐国の甲斐(かひ)も、
すべて谷(山なみの折り重なり)の意味だったかと。
なんか関係ないのかな。むり?
>>537
,
>>539
,
>>553
鉄を意味する「ソ」は日本語の「さび」と通ずるものでは?
>ただそうすると満洲語の/sele/とは遠くなりますが。
>「金」を意味する「アルタイ語」なら、満州語のaisinとか、
>モンゴル語のaltanなんて言葉もありますよね。
高句麗や半島の「ソ」は【金】といっても黄金=ゴールドではなく金属=鉄のこと。
アルタイ・アイシンは【金】といっても鉄ではなく黄金の意味なのでは?
漢字の【金】はもともとは銅をさしたかしいけど、
鉄・銅・銀・鉛・錫など各種の金属を意味する漢字が作られたのに
1文字でゴールドだけを意味する文字が作られなかったのは不思議な感じがする。
555 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 07:21 ID:oMVZcVxQ
>>554
決して無理はなくむしろ上代日本語の「たにかひ」と鶏林遺事に現れる
「丁蓋」*/tjenggai/が同源の単語と見る方が自然でしょう。*/tjenggai/の最初の母音は、
半母音の*/j/と中舌よりの前舌母音*/e/の二重母音と仮定しましょう。そうすれば、その
*/je/がその後に続く前舌母音に釣られて前舌化したものかも知れないと想像を膨らますことが
容易に出来るでしょう。実際のところ、朝鮮語には古くからウムラウトの様な現象が起きていた
可能性が高いと私は見ています。今例を挙げろといわれたら、少しは困りますが。。。とにかく、
近代の朝鮮語の音韻の変化にはウムラウトの様な現象が深く関わっていることを参考にした上で、
現代朝鮮語の/pje:r/(ピョール)が昔は私の仮定する第二音節の*/ri/(実際は「アルタイ語群」の
再構祖語に種類が多すぎる*/l/音素と何らか関係している様に思えますが)の*/i/母音のために
前舌化した*/o/と考えられます。ここで音素記号をタイプするのはちょっと出来ないんですが、前舌母音化に因って
「星」を意味する朝鮮古語*/pori/や「谷」を意味する朝鮮古語*/tani/がそれぞれ円唇前舌母音*/oe/と
無円唇前舌母音*/e/になり、後には*/oe/と*/e/とが合流して*/je/に発展したと仮定しています。
ただし、異例もあるのですが。。。例えば、「カシの木」を意味する現代朝鮮語/ka:r/がなぜ
/kje:r/になっていないのかなんて説明できません。それに、誰かが「中世朝鮮語にも*/ton/の様な単語があって
それは「(谷間にあるような)小さな村」という意味で使われていたと言っていたのを聞きましたね。。。その単語は
中世朝鮮語のどの書物に現れていますか?僕はその単語を知らないのですが、どうか教えてください。もし「谷」を意味する
語根の単独形が前舌母音化を通らずに中世朝鮮語に残っていたとするのなら私のさっき述べた説は成り立ちにくいのですよね。
後、高句麗地名の「於支谷一ニ云フ翼谷」についてもう一言ですが、「於支谷」というのが「翼谷」と一対を成している事に
注意して考えてください。明らかに「翼」はこの場合は、「谷」なんていう地形の事を表す名詞を修飾(特定?)しているわけだから、
鳥の「つばさ」じゃなくて、「何かのよこ・わきにある物」の意味で使われていると見るのが妥当だと思います。
たとえ高句麗語の「於支」や日本語の「よこ」「よきる」などといった単語には「つばさ」という本義がなくても、
地名を漢風に改める際に漢語の「翼」を以て表すほどの意味があっただけなのでしょう。
556 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 08:53 ID:oMVZcVxQ
次に、私の中世朝鮮語の「カイ」を日本語の「〜かひ」や「かわ(川)」と同源と見做す理由について述べたいと思います。
古代日本語には、動詞に現れる語根と名詞に現れる語根の重なり合いが多く認められます。「〜かひ」や「かわ」の場合は、
その語根を同じくする動詞としては、「かふ(交ふ)」を仮定しておくべきでしょう。古代日本語には、語根を共有すると見られる
動詞と名詞の間には、大体2パターンが確認されます。
第一パターン: 名詞は/-a/で終わって、動詞は四段活用或いは下二段活用のもの。
例: 「ほら(洞)」、「ほる(掘る、彫る)」
「はら(原)」、「はる(張る、墾る)」
「なは(縄)」、「なふ(綯ふ)」
「むら(村、叢)」、「むれる(群れる)」
「あか(赤)」、「あける(明ける)」
私の提案:「かは(川)」、「かふ(交ふ)」
第二パターン: 名詞は/-i/で終わって、動詞は四段活用のもの:
例: 「ほり(壕、濠、彫り)」、「ほる(掘る、彫る)」
「はり(張り、開墾した道や土地)」(「梁」も似ていますが。。。)、「はる(張る、墾る)」
その他数多くの派生語。。。私見では、「あきら(明)」も同じ
様な派生語に接尾辞「−ら」の付いたものかなあと思っていますが。
私の提案: 「かひ(峡谷)」、「かふ(交ふ)」
きれいにまとまっていると思いませんか? ちなみに「はり(開墾した道や土地)」は単独で使われた例は無いものの、
「にひはり」とか「にひばり(新墾)」という上代日本語の複合語に明白に現れています。万葉集二八五五にその用例があるとのことです。
他に「交ふ」と関連のある語としては、私は中世朝鮮語の/kabon-toj/ないし/kawon-toj/(「中、仲、半ば、途中、うち、中心」などの意)とそれから発展した
現代韓国標準語/kawun-te/(가운데)や釜山方言の/kapun-te/(가분대)をまず挙げます。その次に信憑性のあるものとしては
朝鮮語の「kai」(浦、入り江、河川の支流など)を挙げます。そして現代朝鮮語の/kaph(-ta)/(返す)や/kaps/(値打ち)など、
日本語の「買ふ」「甲斐(がない)」なども遠い目で見れば同源だったのではないかと思います。
557 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/04(火) 09:54 ID:Ln.bLjsc
貝(かひ)と食(くふ)とか?
558 名前:
阿木林
:2003/11/04(火) 10:11 ID:vqAyvycE
Old Koreanの訳語ですが、どの時代のものを取るか、によって
異なると思います。通常は訓民正音以降のものならば中期朝鮮語
ないし李朝語という風に呼び習わしていると思います。
あと、ツングース語の資料はあまり持っていないのですが、
中国で15年くらい前に大量に発行された少数民族語簡介という
シリーズの「オロチェーン語」を持っています。比較的ツングース
諸語の中でも古形に近い言語なので面白いですね。
あとは満州語関係や女真語関係の資料をわずかに持っていますが、
満州語は今後の楽しみに取っておいているといったところです。
満洲語などの/e/は、朝鮮語の中舌母音というよりは、北京語の/e/
と同じ音といって差し支えないですよね。むしろ北京語の/e/が
北方語の影響で生じたのでしょうから。
「年」は女真語ではsegeというのですか。これは満洲語のseと関係
ありと見て間違いなさそうですね。逆にエウェンキやオロチェーンの
nasuとは直接の関連がなさそうです。
朝鮮語の方言形であるセビ〜セブと日本語のエビの関係は古くから
指摘されていると思いますが、満洲語にもサンパという形があるとは
寡聞にして知りませんでした。
朝鮮語のイウンパッチムが不規則?に現れる例には、mar(馬)+aji
(仔)でmang'aji(仔馬)という例もありますね。
559 名前:
阿木林
:2003/11/04(火) 10:44 ID:vqAyvycE
>>554
徹夜までされましたか。体に気をつけてください。
「金」が銅を表していたというのは聞いたことがないですが、五行説で
いうところの「金」はgoldのことではないんでしょうね。たぶん。
朝鮮固有語でgoldを意味する言葉はないんでしたっけ?
女真のことを朝鮮語では/'orangkai/というのですが、これは部族名に
由来するものであろうと思います。/o'rocheen/などと同源なのでしょう。
「旦」とトンネ(「洞」村、集落)との関連はなさそうでしょうか。
トンネはモンゴル語のフートン(胡同)と関係があるという説をどこかで
目にしたことがありますが・・
ニヒハリという地名は、日本では関東地方に広く存在していますね。
/kai/という朝鮮語はほとんど死語になっているようですが、
チェジュ方言では地名語としてしっかり残っています。
甲斐が古朝鮮語に遡るなんて、韓国の人が聞いたら喜ぶだろうなぁ。
「買う」と「売る」については、仲の良い台湾人が面白い説を唱えてました。
曰く、「貝」と「瓜」を、海の民と山の民が交換することから生じた言葉で
あると。ナナシサンに怒られそうな説ではありますが・・w
「カヒ」に対応する朝鮮語は/jogai/ですが、都合のいいことに「貝殻」を
意味する/jogabi/という語形もあります。「ウリ」を意味する朝鮮語は
/'o'i/ですが、これの古い形はちょっとわかりません。
560 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/04(火) 10:56 ID:Ln.bLjsc
徹夜はしてませんよ。一度ねておきてから書いたのが557。
「金」という文字がゴールドでも鉄でもなくもともとは銅だというのは青銅のことです。
当時はまだゴールドも鉄も発見されてなかったから。「金文」というのは青銅器の銘のことですよね。
五行説の「金」はもちろんメタル=金属のことです。
561 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 11:04 ID:oMVZcVxQ
他のメッセージ板を拝見して来ましたが、「朝鮮人や日本人の起源」について語ろうとする
人が多い様ですね。私の意見は日本人、それに韓国人のほとんどの人たちの意見とは
かなり違うみたいですけど。。。私のアメリカで教えられた限りのことをまとめて私見を語りましょうか。
まずは、何も勉強せずに目で判断する限りでは、私は朝鮮人は日本人よりも満州人や中国北部の人たちとの
血の繋がりが濃いと思います。日本人は大体目で見分けられるのに、朝鮮人、中国北部の漢族、満族などはほとんど
同じ様に私には見えるのです。日本人の方はといえば、中央アジア・シベリアの人たちや、北アメリカの先住民など、強いて言えば
白人に近い様な感じがします。日本人の中国人や韓国人と異なる特徴として、肌が白人並みに白い人が多い、
顔がわりと細長い人が多いと思うのです。鼻も日本人は東アジアではとびぬけて高い様な気がします。一方、中国人や韓国人は、ほぼ
普遍的に肌が黒ずんで或いは黄ばんでいて、顔がまん丸でエラが張っていて額が広いですね。韓国人はそうでもないけど、
中国人の方は口が出っ張っている人が多いと思います。それらの特徴をまとめていえば、東南アジアの人種に近く見えると思いますけど。。。
それに、私が最近の人類の遺伝子研究の結果を勉強し始めて気付いたのは、東アジアはだいたい三つのゾーンに分けられるのです。
一番南方にあるのはマレー半島から中国の長江の南岸辺りまでの広い亜熱帯の地域ですが、その地域の住民(原住民)はほとんど
皮膚がかなり黒くて、東南アジアの特徴的な遺伝子を持っている人が多いです。彼らは他の人類とはかなり相違している遺伝子も携わっているとの
研究結果も聞きました。とにかく彼らは東南アジアの地域に非常に古くから住んでいる種族の末裔でしょう。
次に北へ進んで行けば、長江を超えた辺りからは住民の皮膚の色が急速に白くなり(もちろん太陽を浴びる時間と太陽の光の強さとも
関係しているのだろうけど、私の聞く限りでは太陽の光への対応変化とは思えないほど急に人々の肌が白くなるそうです)。だが、まだまだ
わりと黒ずんだり黄ばんだりしている皮膚を持つ人が多くて、顔の形など南方の人たちとの類似は少なくありません。この地域は、私の考えでは
内モンゴル・南満州・朝鮮半島(を含めて)の辺りまで、かなり北の方まで続くと思います。
562 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 11:05 ID:oMVZcVxQ
更にその北の方(モンゴル共和国の北辺、旧ソ連の中国東北地方・北満州に接する辺りから北)へ進んで行くと、かなり白い肌をもつ人が多くて、
顔など大体の外見が激しく変わりますね。私は実際、モンゴルの北辺からの人に会ったことがあるのですが、
もちろん一人の人を見ただけで決め付けるのはいけないけど彼女は白人の私と同じぐらい肌が白かったです。顔も朝鮮人などより
日本人に似ていましたね。ただ鼻だけは日本人にして見れば少し低かった(日本人の中にも彼女と同じ様な鼻をもつ人もいますが)。彼女の
家族の人もみんな何だか朝鮮人・中国人とは違うなあって感じました。とにかく、その他にモンゴル人の顔を拝見することは
何度もありますが、日本人に似ているような気がします。朝鮮や中国北部にも似た様な人たちはたくさんいますが、彼らの方は
顔が日本人や北モンゴル人などに似ていてもやっぱり肌が黒かったりとか、何だか南方の人を思わせる面影があります。
それはそれで僕の目の判断に過ぎないのですが、最近の遺伝子の研究も大体その様な類似の範囲を裏付けてくれそうです。
古代、東アジアには大きく分けて二つの人種が住んでいて、北方の人種はシベリア・モンゴル・中国北部・満州・朝鮮・日本の地域に
多く居たのでしょう。そして南方の人種は中国南部、台湾、ヴェトナム、タイなどに住んでいたのでしょう。しかし、漢族と底族(チベット族の先祖と
思しき人たち:漢字は「底」の垂を取り除いた様な字だと思います)がそれぞれ中国の北東部と北西部に大きな帝国を築くことになり、
両方が東と西と別々で南下していって南方の人種が元から住んでいた地域を占領し始めたという説が有力の様に感じます。とにかく、
何らかの出来事で(恐らく中国に帝国が興った時代から)東アジア古来の北方の人種と南方の人種が混ざり始めたと
考えられます。そうすると、現在の中国南部の人たちは南方の人種がほとんどで、それに混血した北方の人種の血をいくらか受け継いではいるが、
南方の人種の特徴が強く残っています(チベットは除きます。あの高原にはもとから南方の人たちは住居していなかったのか、それに北方の人たちが高原で
生活を営み始めた後も南方の人種の人たちが高原に住もうと思わなかったせいか、
現在のチベット人はほとんど北方人種のままの様です)。長江以北の中国、満州南部(実は満州に於いてはかなり北の方まで行く様です)、モンゴルの南部(内モンゴルなど)、
朝鮮半島の住民は、基本的には北方人種だけど、大帝国であった中国の国内を通って(移住などで)徐徐に、滲みる如く北上してきた南方人種の血も
けっこう入っているのではないかと思います。とにかく南北両方の人種が混ざり始めた地といえば中国でしょう。アメリカ合衆国のかつての黒人奴隷の血が、
アメリカ南東部から徐徐にでも確実に北そして西へ広がってきた、という事情と似ていたのかも知れません。
日本・琉球列島の住民は、海を隔てて住んでいる故か、南方人種との混血が一番少なかったと見るべきだと思います。
日本の中でも、琉球列島の住民とアイヌ族は南方人種の影響を一番少なく受けている様ですが、これは古代朝鮮半島で既に
混血していた中国人と混血した半島人が日本列島へ渡って主に九州、四国、本州の西部ないし中部に先ず住居して、日本列島のその地域を中心にほぼ純粋な
北方人種系であった列島の先住民と更に混血した結果でしょうか。日本に住んでいる人間は北方の民族(旧ソ連のシベリアの先住民)と一番よく
似ている様です。もちろん、中国人と混血したと思われる半島人の血もたくさん日本人に入って来ているというのも
事実の様です。それゆえに私は日本語は、恐らく昔から日本の主な豪族(私の憶測ではおそらく天皇家も、、こんなことを
言うのは失礼かも知れませんが)を成してきた北方人種多・南方人種少の混血半島系渡来人の先祖の話していた言語の分流(daughter
language)だと仮定します。
563 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 14:38 ID:E31e2iOo
>>552
Jake_USA さん
朝鮮語の固有語のηの現われ方についてご教授頂き、有難う御座います。
要するに、朝鮮語の固有語に限って言えば、/nk/の/n/は常に[η]のように
発音されるということですね。大体わかりました。しかし、まだ一つ気になること
がありますので、それについてお教え願えますか。『鶏林類事』を見ていきます
と、以下のような例があります。
女子曰漢吟 金曰[舟+β]論議
これらはいずれも/nk/(中古音なら/nη/)の例です。貴方のお話ですと、これ
らの語の/n/の部分はいずれも[η]にならなくてはならないと思うのですが、
それが「漢」「論」のようなn韻尾の漢字で表記されているのはなぜなのでしょうか。
また、ηではありませんが、
痩曰安里塩骨真
の「塩骨真」の部分では/mk/という音連続も出来ています。お説の通りなら、
このmも[η]になりそうな気がしますが、その辺はどうなのでしょうか。
>私が皆さんの真剣な疑い(躊躇?用心?)を
>無視したり蔑んだりしている様に聞こえなければいいんですが。
それは心配し過ぎというものですよ。むしろ我々の方が遠来のお客に対して
失礼をしているのではないかと思っているくらいなのですから(^^;。
564 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 14:38 ID:E31e2iOo
>>553
Jake_USA さん
>ついつい徹夜してしまいました!
……。若いっていいですねぇ。でも、お体は大事になさった方がいいですよ(w。
>ハングルの覚えやすい事に驚きましたよ。。。本当に。。。
>1時間以内で覚えちゃうんじゃないですか、あんな文字? 文盲対策として貧しい国々に導入した方が良いかも
まぁハングルは言語によって向き不向きがありますから(^^;。と言うか、朝鮮語
を表記する文字としては実によく出来ていると思いますが、それ以外はどうかな?
音素の組み合わせで文字を作るという特徴のせいで、やたらと文字の種類が必要
となる(ユニコードでは漢字よりも多くのコードを占有しているとか)という欠点もあり
ますしねぇ。
>李基文著の「韓国語の歴史」
おお、奇遇ですね。私も主にその本で朝鮮語史を学びました。今となっては
古いところもあるようですが、中々によくまとまったいい本ですよね。
>グーグルで「高句麗」
やはりそうですか。試しに「高句麗 地名」でぐぐったら、私のHPが一番最初
に出て来たのは驚きました。しかも、「高句麗語の研究」だと私のページしか
出て来ないという…。韓国人は何をやってんだか。そんなことだから中国に歴史
を取られるんだと、小一時間(以下略)。
>私の朝鮮語の「soj-saj」(翡翠)について日本語の「(かわ)せみ」と
>結びつけようとする考えが気に入らなかったのですか?
朝鮮語の「soj-saj」(翡翠)について日本語の「(かわ)せみ」と結び付けるのは、
既に先人達がやっていることですし、私もここまではとりあえず悪くないと思って
います。しかしながら、朝鮮語の「soj」(金属、鉄)・高句麗語の*/sobi/(金)とも
一緒にしてしまうのは、現状ではあまりにも無謀なことのように思われたのです。
高句麗語にしても新羅語にしても、資料は限られていますから、わずかなデータ
をもとに推論を積み重ねて行かなければならないことは確かですが、それだけに、
一つでも不確かなものがあると、すべてが駄目になってしまいます。学問はいくら
慎重にやってもやり過ぎということはありませんからねぇ。
565 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 15:05 ID:E31e2iOo
>>555-556
Jake_USA さん
>誰かが「中世朝鮮語にも*/ton/の様な単語があって
>それは「(谷間にあるような)小さな村」という意味で使われていたと言っていたのを聞きましたね。。。
>>536
で私が指摘しておりまっせ。ネタ元字体は李基文の例の本ですが。
>「於支谷一ニ云フ翼谷」
私はこの例、「翼」は「於支」を借音表記したものと解しました。ですから、「翼」
の意味そのものは関係ないと見ています。「於支」が何を意味しているかは、
この例だけからはわからないというのが私の立場です。「「何かのよこ・わきに
ある物」の意味で使われている」というのは、現状ではJake_USA さんの想像に
過ぎません。はっきりそうだと言えるためには、まだまだ根拠が不足していますよ。
日本語の「カヒ(峡)」ですが、おそらくはそれとストレートに対応すると思われる
高句麗語が既にあります。
>>7
の「甲比(穴)」です。「カヒ(峡)」を問題にするなら、
こちらも併せて考察した方が宜しいでしょうね。
>古代日本語には、語根を共有すると見られる
>動詞と名詞の間には、大体2パターンが確認されます。
第一パターンは阪倉篤義氏が『語構成の研究』で提唱された情態言(形状言)、
第二パターンは居体言(連用名詞形)に、それぞれ対応するものですね。阪倉氏
は更に第三のパターンとして-u接尾形を最も古い名詞形成要素として認定して
おられましたが。「ハル(春)」「ナツ(夏)」「ツル(鶴)」「サル(猿)」「イヌ(犬)」など
のことです。それはともあれ、「カハ(川)」を「カフ(交・買)」「カヒ(峡)」と同じ仲間
として認めることについては私も賛同します。これらはアクセントも合致しますしね。
尤も、これらの語が朝鮮語の「kai(浦、入り江、河川の支流)」やその他の朝鮮語
語彙と対応するかどうかは、今はまだ留保させて下さいね。
566 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 15:07 ID:E31e2iOo
>Jake_USA さん
そうそう。出来れば、次回は適当なところで改行して頂けないでしょうか。
そうすると随分見やすくなりますので。宜しくお願いします。では!
>おおる
大物新人さんの登場で、このスレも久々に活気が出て来ましたね(w。
567 名前:
阿木林
:2003/11/04(火) 15:33 ID:vqAyvycE
>>561-562
いえいえ、決してJakeさんの意見は特殊なものではないと思いますよ。
戦前の書物(神代かなについて書かれたものです)を読んだときも、
アジアの人種を北方種と南方種に分けていましたし、言語的にもその
分類を基礎としていました。
Jakeさんのおっしゃる3つの系統というのは、ネグリート、中央モンゴロイド、
旧アジア人種ということになると思います。ネグリートの特徴をもっとも
強く持っているのは、アンダマン諸島やフィリピンの山岳民族でしょう。
漢民族自体が非常に混血的に成立した民族であり、
その基礎は華北に存在したチベット系と、華南に存在したタイ・カダイ
系であったという仮説は、既に一般的なものとなっているはずです。
そもそも、漢民族というのは中原の文化と言語を周辺の諸民族が
吸収することにより成立した混成的な集団というべきであり、
それゆえに、北京、上海、広東では人類学的にも少なからぬ差異が
見られるようになったのです。
日本人と朝鮮人の起源、というのは難しい問題ですが、天皇族が
朝鮮半島に起源をもつという説には概ね賛成です。
立証せよと言われると非常に難しいのですが・・
568 名前:
阿木林
:2003/11/04(火) 17:19 ID:vqAyvycE
>>564
ハン板のスレで、ハングルは優れた文字とはいえない、という部分は
私も読んだのですが、残念ながら批判のための批判になっていると
思われます。コンピューターの文字コードに適合していない、という
のなら漢字なんて最悪ですし、文字というのはあくまで手で書かれる
ことが基本です。
外国語を表記することが難しい、という批判は確かにもっともなの
ですが、それはハングル文字の問題ではなく、朝鮮語の発音規則と
正書法に引きずられてしまうことの問題です。
満洲語を表記するのならほとんど問題にはなりませんし。
朝鮮語の発音規則に拘らないという前提で、訓民正音が制定された
ころに作られた文字までフルに使うならば、そもそもが漢字の中古音を
正確にあらわすための文字なのですから、非常に多くの音素を無理なく
あらわすことができます。
おそらく女真文字から受け継いだと見られる一音節一文字のシステムが、
縦書きにも横書きにも適応している点はいうまでもありません。
文字の一つ一つが非常に画数が少ないことも特記すべきでしょう。
そのあと当の朝鮮民族に冷遇されたことも確かですが・・
そういえば、西田龍雄先生は「ハングルがエクアドルの少数民族の
言語をあらわすために使われている」ということを書かれており、
10年以上これを探しているのですが、さっぱりわかりません。
エクアドルは韓国人が多い土地ですし、キリスト教会を通じて利用される
ことがあってもおかしくはないのですが・・ご本人にきくしかないな。
569 名前:
tenpura ◆UMAIu01k
:2003/11/04(火) 17:51 ID:.5Dvze3U
余談(しかできないとも言う)
漢字、仮名、ハングル、いずれも縦書き、横書き対応しているのは
印刷では大きいメリットです。
かなり自由な組版ができる。
ハングルのコードがおそろしく容量を食うのは、使われない
ような組み合わせを含め、文字の順列組み合わせを、ほとんど
全部搭載したせいと聞いています。
どちらかというと文字の問題よりも、実装のやり方と、政治の問題(w
かと思います。
今なら、もうちょっとスマートな方法が採れるのではないでしょうか。
570 名前:
阿木林
:2003/11/04(火) 19:14 ID:vqAyvycE
固有語で、合成語や漢語の可能性がなくてn+gという連続があるものならば、
たとえば/'angai/「霧」とか/bangabda/「嬉しい」などがありますが、
これらは方言形になればng+gという連続に変化する傾向があると思います。
それにしても、男子曰沙喃、女子曰漢吟、とはなんと読むんでしょうねぇ。
男は/sanai/サネ(ますらお)でしょうけど。
571 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 19:57 ID:oMVZcVxQ
563>> 鶏林遺事の表記法についての疑問を提案してくださってありがとう
ございました。
女子曰漢吟 金曰[舟+β]論義
以上については、金曰[舟+阝]論義 の「ノ論義」(*/nwor-on i/?)の場合は「ノロン」の
部分は後世の朝鮮語の「nworo(-ta)/nwuru(-ta)」(黄色い)という形容詞と同源だと
仮定しています。鶏林遺事の金属・宝石についての記録は、金曰{偏舟旁阝}論義・珠曰区戌・
銀曰漢歳・銅曰銅・鉄曰歳とあるので、この場合は「金」は明らかに「黄金」を指している
ことが分かりますね。どうして鶏林遺事の頃では「黄色い」という意味の形容詞の第一音節が
「[舟+阝]」(中国普通話の「そこ、それ」などの意味を表す「那」の旧字体だと思いますが)を
以て表したのか疑問をもちましたけど、「那」という字には中国普通話でお馴染みの「na4, nei4」
という発音の外に、もう廃れた発音なのかそれとも地名や人名のような固定した言葉を読む時に
使う発音なのか分かりませんが、「nuo2, nuo4」という読み方もあるそうです。ともかく、
「黄曰[舟+阝]論」と同じ書物の中に書かれていると思うから少なくとも「金」を意味する
「[舟+阝]論義」がその派生語であると仮定できよう。
「黄色い」という意味をもつ語幹に接尾辞として添えられている「-un/-on」は、
(この場合は母音調和によって-on、即ちアレアに二ウンの方ですね)形容詞の
連体形(動詞に於いては過去分詞?の様なものを作るんですが)を作る語尾ですね。
最後の「義」がどういう形態素を表しているのかは私も戸惑うところですが、鼻音系の
/i/を音写しているのだと解釈したら差し支えありますか? 結果的には「ノロンイ」
という語形にはもともと「黄色い物」という程度の意味しか無くて、後から「黄金」
という特定の意味をもつようになったと仮定しても宜しいでしょう。現代語には
/nora[ng]i/と/nwure[ng]i/はニュアンスを区別して「黄色い物」という意味で使われて
いますが、現代語の/nora[ng]i/が上記の「[舟+β]論義」(*/nworon i/?)と同源だと
すれば非規則的だと思います。例えば中世語の/na'or/(四日)は現代語では/naur/と
いうんですけど。。。ふむ。
572 名前:
阿木林
:2003/11/04(火) 20:27 ID:ZZaOh6fw
おお。すばらしい。確かに黄曰那論とありますね。
こっちは「那」と書いてあります。
ノランイは明るい黄色の物、ヌロンイは暗い黄色の物というニュアンスですが、
「黄色い物」と黄金が呼ばれていたのは俗語かもしれませんね。
日本語でも黄金や小判を俗語で「やまぶき」と読んだりしていますし。
那の読み方については帰ってから調べてみますが、
[才那]nuo2や[女那]nuo2/nuo3の音符として那が使われているのだから、
那にnuoという読みがあったって不思議ではありません。
篇者とされる孫穆はおそらく北宋の人でしょうか。
朝鮮語に精通した上での記録というわけではないでしょうから、
おかしなところはあるのでしょうけど、細かく見ていくと非常に面白い
です。今日ではない語彙がある反面、現代語よりも漢語を多く
取り入れた部分もあったり。高句麗語にもこのくらいの資料があれば・・
573 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 20:51 ID:oMVZcVxQ
まあ、「金」という単語はさほど面白くないと思うから、次に移りましょうか。
「女子曰漢吟」の「漢吟」ですが、これももしかしたら形容詞の連体形を一つの要素と
しているのではないかなあと考えています。私の考えでは、「吟」は中世朝鮮語の
/nim-kum/(主君)と同じ形態素*/kum/(君の意?)を表しているとします。そうしたら
「漢」が残るんですが、「漢」の字は鶏林遺事を通して朝鮮語の/ha-n/(「大きい、多い」と
いう意味の古語の連体形です)および/hoj-n/(「白い」という意味の中世朝鮮語の連体形)を
音写するために使われています。
例: 「銀曰漢歳」(銀を/hoj-n-soj/即ち「白き金」という)
「白米曰漢菩薩」(白米を/hoj-n-p(o)sar/即ち「白き穀物」という)
「祖曰漢子祕」(祖を漢子祕という)
「舅(しゅうと)曰漢子祕」
「姑曰漢子彌」
(ここでは表記法がちょっといいかげんかも知れない、という点に注意してください。
「漢」で音写されている音節は中世語の/han/と/hojn/の両方に相当している様に見えます。)
上記の親戚を表す語については、間に入っている「子」の字が何を音写しているのか
よく分からないんですか。。。とにかく「漢子祕」は後期中世語の/hanapi/(お爺さま)と
関連のある単語でしょう。
私は、「女子曰漢吟」は「妻亦曰漢吟」の「妻」という意味の語から
転じた意味と考えています。そして、その「妻」という意味を表す
「漢吟」は他人の奥さんの敬称として使われていたと思います。なぜなら
「自分の妻をナニナニと称する」という記録がその次に書かれているのです。
少なくとも高麗時代の朝鮮語は既にけっこう複雑な敬語法が発達していたのでしょう。
私は結論として、「漢吟」(妻、女子の意)が*/ha-n-kum/(大き君?)という
語形に遡るのだと考えています。(鶏林遺事の時代には既に*/ha-n-Gum/のように
無声軟口蓋破裂音から有声軟口蓋摩擦音への道をたどっていたのでしょう。)
何故「漢」の代わりに/ng/で終わる漢字を以て音写しなかったのか分かりませんが、
もしかして「大きを意味する/ha-n/は漢で書き表す」、という公式みたいなものが
筆者の頭の中にあったのではないでしょうか? 漢民族の自負心に因るというか。そういえば、
鶏林遺事の筆者の姓名は知られていますか?どんな人でしたっけ?
574 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 21:28 ID:D4lPpGAk
>>573
Jake_USA さん
>上記の親戚を表す語については、間に入っている「子」の字が何を音写しているのか
>よく分からないんですか。。。
多分「了」の誤記乃至誤伝でしょう。「了」は中世漢字音は[lieu]ですが、
「父曰了秘」「母曰了弥」などから朝鮮語の['a]乃至['∂]を表記していると
推定される漢字です。「母」の方は寡聞にして知りませんが、「父」は中期
朝鮮語に「'abi」という例があったと記憶していますし、現代でも俗語乃至
方言では「親父」という意味で使用されているはずです。私は朝鮮語には
本当に無知なのですが、この「アビ」に関してだけは、昔ちょっとした縁が
ありましてね(苦笑)。それで覚えているのですよ。それはともかく、貴方が
挙げた「祖曰漢子秘」「舅曰漢子秘」「姑曰漢子弥」、いずれも「子」を「了」
に置き換えてみれば、この場合の「漢」はお説の通り「大きい」という意味
でしょうから、うまく合うのではないでしょうか。
575 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 21:30 ID:oMVZcVxQ
ははは、私がメッセージを書いている間に阿木林さんが私の質問に答えてくれたのですね。
鶏林遺事の編者は孫穆という人だったんですね。どうもありがとうございました。
ちなみに、私の「漢吟」(女子、奥様)の語源説を笑い飛ばす前に、日本語の「おかみさん」など
という言い方を考慮してくださいね!東アジアに於ける他人の妻の敬称としては「大き君」は
おかしくもないと思うのですが。
皆さんのメッセージを読んで思い出したのですが、確かに両唇鼻音が/k/の前に来る場合こそ
自動的に[ng]と発音されることがないんですよね。ただ、/k/の後に/m/が来ると、/k/が
[ng]になってしまうのは事実ですけど。この前は私が過言をしてしまって済みません。
563>>
ななしさんが持ち出してくれた「痩曰安里塩骨真 」ですが、これは恐らく
中世朝鮮語の/ani/(否定の副詞)と現代朝鮮語の/o[ng]kor-ci(-ta)/(たくましい、
穀物の穂に種が大きく生っているなどの状態を表す形容詞ですが)を音写したものと
考えています。確かに、かつて/mk/だったところが/[ng]k/へと発展してきた様に
見えますね。ただ、現代語の/o[ng]kor/という形態素の母音が全て/o/になっている
理由が分からないんですが。。。中世語で/ani/となる言葉が「安里」を以て音写されて
いるというところも非常に気になりますね。
576 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 21:39 ID:oMVZcVxQ
あら、大変な日本語を使ってしまいましたね。「痩曰安里塩骨真」は決して
中世朝鮮語の/ani/と現代朝鮮語/o[ng]kor-ci-n/を音写したものではなくて、
それらの単語と同源と思われる前期中世朝鮮語の言葉を音写したものです。
本当にすみませんでした。なるべく日本語に気をつけようとしているのですが、
やっぱり外国語はねえ。。。(汗
577 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 21:51 ID:D4lPpGAk
>Jake_USA さん
ちょっとコーヒーブレイク(私の場合は「酒」ですが(^^ゞ)。
>>553
で
「とんでもない発言をする人がたくさん居るスレ(スレッド=糸の略で
すか?)も見つけてしまいましたが。。。」と発言しておられますが、
もしよかったらそこのurlを教えてくれませんか。ハングル板もいいの
ですが、たまには私も別の電波浴を楽しみたいので(w。
578 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 23:03 ID:oMVZcVxQ
阿木林さん: さっきの「金曰[舟+阝]論義」についての話が気に入っていたんですか?
突然「漢吟」へ話題を移してしまってごめんなさい。私は日本語で会話する時、
言葉遣いや表現の仕方にもっと気を付けなければならないことは分かっているんですが、
私は時々失礼な言い方をするかも知れませんからその時は大目で見ていただけたら
嬉しいです。よろしくお願いしますね! でも私も阿木林さんと同じく、「[舟+阝]論義」が
俗語みたいな言葉だったと考えています。その派生法を見れば幼児語や俗語のうちだって
直感的に思います。
ななしさん: いわゆる「コーヒーブレーク」はいかがでしたか?
お休みの時間ならとんでもないメッセージボードの発言を見て楽しみますか。
実は、私が話していたメッセージ板はななしさんが既にご存知のはずです。。。
なぜならななしさんの書き込みを読んだのを覚えています。ななしさんの
発言はもちろん意味をちゃんとなしていたけれど他の人たちは様々でした。。。という
程度にしておきましょう。例えば
25 名前:竹崎季長2 ◆T/zSkROU 投稿日:2001/09/12(水) 00:03 ID:rhGZ6Hbk
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA さん、なんか
日露戦争の時の長岡半太郎(だっけ)みたいだなあ。
387 名前:ついでだが 投稿日:2001/10/08(月) 21:43 ID:yXGxtccs
人力車は日本人の発明らしい。
浅草に外人連れて行ったら人力車屋が店を開いてた。
「ありゃ中国のんだろう?」と言うんで「ありゃ日本人の発明だ。
中国人は引いただけ」と言うてやった。
後で心配になって検索したら、明治2年辺りに日本人が発明した様だ。
やっぱりね。
嘘だと思うならgoogle引いてみな。
(以上は
http://rkrc5w2q.dyndns.org/korea_refuge/1000210540.html
" target=new>
http://rkrc5w2q.dyndns.org/korea_refuge/1000210540.html
からの
転載でした。。。ご迷惑をかけて済みません。他にもっと変わった掲示板が
あった気がしますがそれを見つけるのには少し時間がかかりそうです。役に
立てなくてごめんなさい!)
579 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 23:29 ID:D4lPpGAk
>>578
Jake_USA さん
ひぇ〜。それは私のホームページからもリンクしている、私の常駐スレの
過去スレではありませんか! あのスレは言語系電波を退治するための
スレでして、あそこを電波スレと言われたら、ウリ、泣いちゃうニダ!・゚・<つД`>・゚・
ちなみに、私は今もリカー・ブレイク中です。今日は日本酒ばかり飲んで
ますが、日本酒はおいしいですよ! おいしいのは、ね(藁)。
それから、人力車云々の発言を引用しておられますが、人力車は日本人
の発明に間違いないはずですよ。発明年も発明者もわかっていますから。
もし変な発言という意味で引いたのでなければスマソニダ。
580 名前:
tenpura ◆UMAIu01k
:2003/11/05(水) 00:52 ID:7mB3kNjo
予想通りのオチだ(笑)。
さんちゃんとか在日タソのスレでなくてほっとした。。。
581 名前:
ケムール人 ◆9s/SSlUk
:2003/11/05(水) 01:01 ID:gbBqGjzE
企業家さんや娜々志センセクラスになると
何処で引用されるかわかんないから大変だねえ・・・
582 名前:
ケムール人 ◆9s/SSlUk
:2003/11/05(水) 01:11 ID:gbBqGjzE
昔(20年近く前)インドにいったら、人力車ワラワラ。
「リクシャー」と呼ばれていて、土地に長い日本人から
「もとはニホンのジンリキシャですよ」と教えられた。
でもさ、日本の人力車って威勢がいいじゃない?若き日の
姿三四郎が「うらうらうらあ!」引いてたりさ。スポンサ
ーのいない学生の適当なバイトだったり。でもインドで
たまんなかったのは、明らかに当時の漏れより体力の
ない、おっちゃん、おばちゃんがよちよち引いてて、
やりきれなくてすぐ降りちゃったよ。
583 名前:
Jake_USA
:2003/11/05(水) 09:23 ID:UVb8Aq8A
ななしさん: ああ、あそこが電波スレ(デマみたいなことばかり書く人が
多いという意味ですか?)だなんて言うつもりじゃなかったけれど、25番の発言の
ように何を何のために言っているのか分からないのがたまにあったという事
だけでした。。。人力車の話も、デマやデタラメというより発言の書き方が
面白いと思っただけです。それは関西の方言を使っているのでしょうか?
ふぅ。。。私がこの発言でかえって変な方向へ話題を持って行ってしまった様ですね。。。
反省します。
ちなみに私は日本の梅酒が大好きです。こちらでsake(発音は普通「サキ」ですよ!)と
いわれる物はあまり飲んだことがないけど、梅酒は手の及ぶ所にあったら自主的に
飲もうと思います。大人の皆さんにとっては甘すぎるのかなあ。。。?
584 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 10:15 ID:QSY8jk4c
>>573
ありがとうございます。しつこく「金」の話なんですが、五行説の「金」は、
モンゴル語では/to'mo'r/「鉄」なんですよね。
日本語の「カネ」も、鉄を指すことが多いと思いますが、断言はできません。
漢吟の解説、ありがとうございます。/hangym/という解釈、同意します。
現代語の/manim/「奥様」に該当する言葉ですね。
/ma/は/ma:nura/「妻」の/ma/だと思いますが、意外と漢語の「媽」
だったりするかも知れません。
>>574
「了」が、意外と「阿」の吏読文字だったりして。カダガナはウリナラ起源ニダ!!
「了彌」は/emi/とでも読むのでしょう。
>>575
/ogorjida/という朝鮮語を知らないのですが、近い音の言葉で
/hen'ger-cada/ホンゴルチャダという言葉があります。
(おぉ、これもn+gの連続でした)
安里-が否定辞として用いられているらしいことも面白い。
孫穆さん自身については分かっていることが少ないのですが、
/l/と/n/を混同する言語の話者だったかもしれませんね。
現代中国では四川から広東にかけての人がそうです。
あと、那を/no/と発音する地方の人だったのかもしれません。
585 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 10:34 ID:QSY8jk4c
ついでに、ハングルのローマ字転写ですが、朝鮮語の知識がある人
同士ならそれぞれ違う転写法を用いても話は通じるので問題はない
のですが、一応自分が使っている方式を紹介しておきます。
ウリは個人的な好みで「志部方式」と呼ばれるものを使ってるニダ。
現代語の表記なら文化部方式やMR方式を使うことに抵抗は
ないのですが、この方式だと古典語も無理なくあらわせるので
気に入ってます。
g/n/d/r/m/b/s/'/j/c/k/t/p/h
gg/dd/bb/ss/jj
a/ia/ai[ε]/iai/e[∂]/ie/ei[e]/iei/o/io/u/iu/y[щ]/i/@(アレア)
oa/oai/ue/uei/oi/ui/yi
586 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 10:51 ID:QSY8jk4c
ア、アイゴ!鶏林遺事じゃなくて鶏林類事だった!
朝鮮語で覚えるとどっちもケリムユサだから・・・
三国遺事サムグクユサと紛らわしいなぁ。
鶏林は慶州の別称ですが、タクポルという古名にも通じますよね。
鶏林類事 三巻
1.天曰漢捺
2.日曰[女亘]
3.月曰契
4.雲曰屈林
5.風曰孛纜
6.雪曰敕
7.雨曰霏微
8.雪下曰敕恥
9.凡下皆曰恥
10.雷曰天動
11.雹曰霍
12.雷曰閃
13.霜露皆曰率
こんな感じでまとめてみようかな。
あ、このスレは高麗語スレじゃないんだった!
587 名前:
Jake_USA
:2003/11/05(水) 14:31 ID:UVb8Aq8A
阿木林さん: 貴方の朝鮮語ローマ字転写法を教えてくださってありがとうございます。
私たちが皆同じ転写法を用いればこのスレに書くメッセージが読んでいる人により分かりやすくなるでしょうね。
モンゴル語では鉄のことを/to'mo'r/というんですね。それがもしかして高句麗語の*/sobi/や
朝鮮語の/soi/と同源だと考えていらっしゃるんですか? それとも日本語の「カネ」も意味的範囲が
似ているということですか? 確かに古代の金属の名前は現代人の立場から振り返って見ると紛らわしい
んですよね。古代人にとってはある種類の金属はまだまだ「新しい物」という印象があったのかな。。。
/ma:nura/(妻、婆 - 中世では/manora/)と/mienyri/(嫁の意 - 中世では/mien@ri/とも)はきっと
「大・小」のニュアンスを表す意思的母音交換に因る一対をなしているでしょう。
確かに/ma:-nim/(身分の高い婦人を呼ぶ語; 或いは身分の高い者の名称の下に付けて敬意を
表す語)は前期中世語の*/hangym/(奥様、女子<「大き君」の意からか?)と似ている点がありますね。
しかし、朝鮮語の/ma:ma/(王様や王室の人を呼ぶ語;或いは身分の高い官人の妾を呼ぶ語)のことを
考慮に入れると、/ma:-nim/と/ma:ma/はもしかして(女真語経由?)の漢語なのではないか、と
思いますね。満州語にも同じ/mama/という敬称がありましたよね。私は、朝鮮語の/ma:nura/と/mienyri/に
ついては、むしろ日本語の「め(女)」や「をみな(女)」と関係があるのではないかと考えて
います。
あ、「鶏林遺事」じゃなくて「鶏林類事」でしたよね。私はずっと間違えていて気付かなかったのです。
ごめんなさい! 確かに「三国遺事」と紛らわしいんですよね。。。漢字を朝鮮語読みに読むと。。。
/hen'ger-ca(-da)/(非常に嬉しい、意気揚々たる;背丈がでかい)という朝鮮語は確かにありますが
意味的にも「痩曰安里塩骨真 」とは程遠い様な気がしますし、語頭に/h/が付いている点など気になります。
私は鶏林類事の編者の孫穆さんについて彼がまだまだ「塩」の終声の/m/を保っていたか分かりませんが、
「塩」の語頭音が後世、朝鮮語の/onggor-ji(-da)/や/onggor-ca(-da)/の[ong]になった可能性の方が、
「塩」が表していた音が/hen'ger-ca(-da)/の[hen]になった可能性より高いと見ています。異議の余地は
あると思いますが。。。
鶏林類事に於ける「祖曰漢子祕」の「子」が、朝鮮語の/a/ないし/e/の音を表す吏読文字と思われる
「了」の間違いだと私も思います。そう解釈すれば簡単に後期中世語の/hanabi/(お爺さま)と
関連付けることが出来ますから。しかし、そうすると「剪刀曰割子蓋」の解釈はどうなるのでしょう。
「割子蓋」は明らかに後期中世語の/g@z'ai/, /g@zai/, /g@'ai/や現代語の/gaui/, /gasai/(確か/gasigai/という
語形をもつ方言もあると聞きましたが。。。)などと同源の単語ですが、「割子蓋」という表記は
正確にはどんな音声を音写したものだと思いますか?
588 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/05(水) 14:55 ID:8W/nuTmI
>>583
Jake_USA さん
>電波スレ(デマみたいなことばかり書く人が
>多いという意味ですか?)
この場合の「電波」を定義するなら、「道理に合わない奇妙な主張。また、
そういうことを主張するおかしな人。」ということになるかな。もともとは現代
の狂人がよく抱く妄想のパターンである、「世界は毒電波で満ちている」だの
「電波が飛んできて私に命令する」だのを応用したものです。日本のネット
ではカタカナで「デムパ」と書くことも多いですね。
>それは関西の方言を使っているのでしょうか?
大部分はより俗語性の強い口語ですね。「言うてやった」だけは関西から
西日本にかけての方言ですが。さすがに俗語や方言となると、外国の方に
はわかりづらいでしょうねぇ。更にネットではまたネット特有の言い回しが
あったりしますから…(w。まぁ適当に読み飛ばしても、大体意味が取れれば
それで大丈夫ですよ。
>私は日本の梅酒が大好きです。
最近はあまり飲みませんが、梅酒は私も好きですよ。昔は自分で作って
いたくらいです(w。
589 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/05(水) 15:19 ID:8W/nuTmI
>>586
阿木林さん
前期中世語は基本は新羅語系語彙でしょうが、高句麗語系の語彙も
少なくないと言われていますから、『鶏林類事』の研究は高句麗語研究
にもきっと役立つと思いますよ。どうぞ遠慮なく続けて下さい。
>>587
Jake_USA さん
>モンゴル語では鉄のことを/to'mo'r/というんですね。それがもしかして高句麗語の*/sobi/や
>朝鮮語の/soi/と同源だと考えていらっしゃるんですか?
高句麗語の「鉄」を探る手がかりは既に存在します。『三国史記』の
「鉄円郡{一ニ云フ毛乙冬非}」です。これを素直に受け取れば、「鉄」が
「毛乙」、「円」が「冬非」を表わしているということになりますが、村山は
逆に「鉄」が「冬非」、「円」が「毛乙」を表わしているのではないかと推測
しています(
>>97
)。実際、村山説に従えば、「冬非」はモンゴル語の
「to'mo'r(鉄)」やトルコ語「ta¨mir(鉄)」とも対応させることが出来ますし、
「毛乙」も日本語「maru(丸)」と対応させることが可能になります。
>しかし、そうすると「剪刀曰割子蓋」の解釈はどうなるのでしょう。
その例は「子」のままで正しいとすればいいのではないでしょうか。
現存する『鶏林類事』は孫穆自身の書き残した原本ではなく、もとは
写本の形で伝わっていたものが版本になって残っているのですよね。
出版に著者本人が関わっていれば間違いはないのでしょうが、実際
には高麗語について何の知識もない別人が出版するのですから、
元の写本に書写の際に生じた誤りがあったとしても、本人以外には
それを訂正しようがありません。〔了→子〕のような誤りは誤写によって
容易に生じるものです。他の箇所で「子」という漢字も使われていれば
尚更でしょう。
590 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 17:41 ID:QSY8jk4c
http://www.cambridge.co.kr/culture/chamjin/chamjin03SS/chamjin03SS-03.asp
" target=new>
http://www.cambridge.co.kr/culture/chamjin/chamjin03SS/chamjin03SS-03.asp
たまたま見つけたのではっときます。ソウルの地名が漢字化されてどのように
変化したかが紹介されているページです。
591 名前:
Jake_USA
:2003/11/05(水) 17:53 ID:UVb8Aq8A
1.天曰漢捺 = 後期中世語/han@rh/, /h@n@rh/、現代語/hanyr/。語源的には「大き日」(*/ha-n-nar/)かなと
思ったりしますが、中世語の語末の/h/が説明できませんね。
2.日曰[女亘] =後期中世語/nar/.古くから「太陽」を意味する語でしたが、
現代語の/nar/は普通「day」とか「天気」とかいう意味しか持ちません。
3.月曰契 = 中世語にも現代語にもこの語に当たる単語は見当たりません。しかし、
私は中世朝鮮語の/nir'wei/(七日)に現れる*/gwei/など、日数を
数えるときの朝鮮語と何らかの関係があるのではないかと考えています。
尤も、あるとても古い書物のどこかに「東夷は夜を以て日を数ふ」とか
「東夷は日を夜にす」とかいう謎めく記録を見た様なうろ覚えがあるのです。
4.雲曰屈林 =中世語の/gurym/, /gurum/と現代語の/gurym/(雲の意)に当たりますね。
ここの面白い所は本来/t/を語末に持ったはずの「屈」という漢字を
使っているところですね。編者は朝鮮人の様に/t/入声を[l]/[r]に変えて
発音する習慣は無かったのでしょうね。。。単に「屈」の語末の子音が既に
衰えていたとしますか?或いは編者は朝鮮人の口癖・書く癖を表記法で
真似たのでしょうか?
5.風曰孛纜 =中世語の/b@r@m/, /b@ram/ですね。上記の(4)と同様の表記法ですね。
音写のために使われている漢字の第二字の音は中世語の異形態のうち、
/b@ram/が古形だという説を裏付けることになるでしょうか?
6.雪曰敕 = この中で一番気になる単語ですね。今までの研究者はこの音写に使われている字が
「眼曰嫩」の所で使われている「嫩」と似ていることと、「雪」と「眼」を
意味する単語が後期中期朝鮮語および現代朝鮮語に於いて/nu:n/と/nun/で著しく
似ていることから、この「雪曰敕」の「敕」が誤字だという結論を出す人が
多いのですが、実は日本語の「ゆき」やトルコ語の/yaGmur/(雨)などと同源の
単語を音写しているのではないでしょうか?
7.雨曰霏微 =中世語および現代語の/bi/(雨)。重複語と見做せますか?
かなり気になる単語の一つですね。。。
8.雪下曰敕恥 = 同じ意味の語句が中世語では/nu:n di/、現代語では/nu:n ji/と
なるのですが、中国語に於いては「恥」という字にはいつの時代に
[di]ないし[ti]の様な発音があったかしら? 中国人が朝鮮語の/ti/
を正しく聞き取れなかったとするのか、或いは鶏林類事が反映している
前期中世朝鮮語の方言では/i/の前に於ける本来の*/d/が既に口蓋音化
していたのか分かりませんが。。。「敕」については上述しました。
9.凡下皆曰恥 しつこいですね。やはりこれも前項と同じく後期の/di/,現代の/ji/(落ちる、
{日が}入るなど)ですね。
10.雷曰天動 =現代語の/cendu[ng]/(雷の意)。そのまま漢字の「天動」に由来するのでしょう。
11.雹曰霍 =全く分かりません! これは漢語でしょうか?
12.電曰閃 =漢語ですね。どうして気象の分野では漢語がこんなに
多く使われていたのでしょう。
13.霜露皆曰率 =現代語では「霜」を/seri/, 「露」を/isyr/と呼び分けています
が。。。発音の類似から中国人である編者は誤解をして霜露を言う語を
一つにまとめてしまったのでしょうか? もちろん「霜」と「露」って、
現象としても根本的に似ているのですが。
ちなみに高句麗語の「於斯」(斧)に対応するかも知れない単語を見つけました。
「斧曰烏子蓋」が高句麗語の「於斯」に接尾辞の/-kai, -kei/の付いた語形だと
思いませんか?
参考
漢 字 音:於斯(中:io-syie、朝:∂-s∧)
なお一層日本語の古語である「よき」と何らかの関係がありそうですね。
592 名前:
Jake_USA
:2003/11/05(水) 18:14 ID:UVb8Aq8A
でも「斧曰烏子蓋」の「烏子」は日本語の「わける(分)」という動詞の語幹と
結びつけることも出来そうだし。。。朝鮮語の/-kai, -kei/という接尾辞は主に動詞語幹から
派生名詞を作る役割を果たすのですから、「烏子蓋」はもしかして「わける」と
同源だと仮定した方が合理的かも知れませんね。
593 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/05(水) 18:18 ID:pSFo4AJQ
>>590
最古の名前は「尉礼」と「漢山」のようですね。
「尉礼」は百済語で「漢山」は漢語のようですが。漢山は「漢城」「広州」の語源ですね。
ソウルは首都を意味する普通名詞「所夫里」から。
594 名前:
Jake_USA
:2003/11/05(水) 18:22 ID:UVb8Aq8A
でもこう見ると高句麗語の斧=「於斯」も、前期中世朝鮮語の「斧曰烏子蓋」も、
はたまた高句麗語の翼谷=「於支谷」という地名も、全て日本語の「わき」・「わける」と
関係がある様に思えちゃいますね。。。他の対応例ではどうでしょうか? 「於」字は
日本語のヤ行の音節と日本語のワ行の音節のどちらに対応すると考えてらっしゃいますか?
595 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 18:24 ID:QSY8jk4c
おお!すばらしい。ちなみに中世語は、ヤフー韓国の国語辞典で
検索することができ、便利ハムニダ。
2.日曰[女亘] は、/hai/ではないかと思ったのですがどうでしょう。
唐宋語に詳しいわけではないのですが、沙o南でサネと読ませる例から、
/-an/を/-e/ないし/-ai/と読む方言の話者かな、とちょっと思ったので。
もちろん、その先を読めば「南」を明らかに/nam/と読むところがあるので、
この説は成立しないと思うのですが。
3.月曰契は/*(ng)uer/という漢字音をあらわすのかな、と思ったのですが、
/ng/を/g/に置き換えている部分は他になさそうなので無理っぽいですね。
それにしても「太陽、月」のような基礎語彙でこれだけ現代語と違うとは・・
6.雪曰敕「敕」は「チョク」ですから、/nu:n/とは関係ないかもしれませんが、
やはり「嫩」の誤写だと思いたいです。
8.雪下曰敕恥は、現代語なら/nu:n oda(雪が来る)/と表現するところです
よね。古くは/nu:n dida(雪が降りる)/という表現があったのでしょう。
「恥」は今でいう「捲舌音」に属する字ですから、古くは/tji/に近い発音で
あったことは間違いなく、高麗語の/di/の音訳に使われたのも不思議では
ありません。ただ、「恥」は有気音であったとみるのが普通ですから、
/nu:n tida(雪が打つ)/のような表現だったのでしょうか?
596 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/05(水) 18:27 ID:8W/nuTmI
>>593
「所夫里」は百済語ですから、「ソウル」の語源とするにはふさわしくない
でしょう。直接の語源は新羅語「徐伐」「徐羅伐」とした方がいいのでは。
まぁ「所夫里」にしろ徐伐」「徐羅伐」にしろ、起源は同じ韓系祖語に遡るの
でしょうから、似たようなものと言えばそうなのではありますが。
597 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 18:50 ID:QSY8jk4c
11.雹曰霍 雹の現代朝鮮語は/u:bag/ですが、これは「雨雹」という漢語
なんですよね。古くは/murui/という語彙があったようですが、まったく関連
を見出せません。
12.電曰閃 現代語では/ben'gai/ですが・・・
思うに、孫穆先生は高麗人のインフォーマントに「これはなんと言うか」
「これは何ぞ」と一つ一つ尋ねて、書き取っていった(もしくは書かせた)
のだと思われます。
高麗語にはすでに漢語が大量に流入していたはずであり、
固有語と漢語の二種類の語彙があった場合に、漢語で問い掛けられた
インフォーマントが、つい漢語の語彙を出してしまったのかもしれません。
学識の高い高麗人ならなおさら。
「斧」をあらわす朝鮮語は/doggi/であり、中世語は/doc@i/または
/dosgui/, /dosgyi/だそうですが、烏子とも於斯とも関係なさそう
ですね。
598 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 19:38 ID:QSY8jk4c
とりあえず、Jakeさん使ってください。
[人+西/大/山]人って何事かと思いましたが、「仙人」のことであるようですね。
てっきり[人+西/国]で仏のことかと思いましたが日本の国字だった・・・
14.霧曰蒙
15.虹曰陸橋
16.鬼曰幾沁
17.神曰神道
18.仏曰孛
19.[人+西/大/山]人曰僊人
20.一曰河屯
21.二曰途孛
22.三曰[手西]
23.四曰迺
24.五曰行戌
25.六曰逸戌
26.七曰一急
27.八曰逸答
28.九曰鴉好
29.十曰噎
30.二十曰戌没
31.三十曰戌漢
32.四十曰麻刃
33.五十曰舜
34.六十曰逸舜
35.七十曰逸短
36.八十曰逸頓
37.九十曰鴉訓
38.百曰[酉+日/皿]
39.千曰千
40.萬曰萬
599 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 19:38 ID:QSY8jk4c
41.旦曰阿[手参]
42.午曰捻宰
43.暮曰占捺
44.前曰訖載
45.昨日曰訖載
46.今日曰烏捺
47.明日曰轄載
48.後日曰毋魯
49.約明日至曰轄載鳥受勢
50.凡約日至皆曰受勢
51.明年曰明年
52.春夏秋冬同
53.上曰頂
54.下曰底
55.東西南北同
56.土曰轄希
57.田曰田
58.火曰孛
59.山曰毎
600 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 19:39 ID:QSY8jk4c
76.胡桃曰渇未なんて面白いですね。日本語の「くるみ」と同源とみて
ほぼ間違いないと思います。
60.石曰突
61.水曰没
62.海曰海
63.江曰江
64.渓曰渓
65.谷曰丁蓋
66.泉曰泉
67.井曰烏没
68.草曰戌
69.花曰骨
70.木曰南記
71.竹曰帯
72.果曰果
73.栗曰監
74.桃曰枝棘
75.松曰鮓子南
76.胡桃曰渇未
77.柿曰坎
78.梨曰販
79.林禽曰悶子計
601 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 19:40 ID:QSY8jk4c
とりあえず今日入力したのはここまで。
面白くって、つい没頭してしまいました。
80.漆曰黄漆
81.菱曰質姑
82.雄曰鶻試
83.雌曰暗
84.鶏曰啄
85.鷺曰漢賽
86.鳩曰于雄
87.雉曰雉賽
88.鴿曰弼陀里
89.鵲曰則寄
90.鶴曰鶴
91.鴉曰打馬鬼
92.隼曰笑利彖畿
93.禽皆曰雀訳
94.雀曰賽
95.虎曰監
96.牛曰焼
97.羊曰羊
98.猪曰突
99.犬曰家稀
100.猫曰鬼[尸<工]
101.鼠曰觜
102.鹿曰鹿
103.馬曰末
104.乗馬曰轄打
105.皮曰渇翅
106.毛曰毛
602 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/05(水) 19:52 ID:cCLF.wM.
>阿木林さん
その勢いで、ぜひ『鶏林類事』のcsvデータを、『三国史記』で私が
作ったような感じで作成して下さい。html化くらいは私がお手伝いし
てもよござんす。そうして私のホームページに統合して載せれば、
みんなに喜ばれること請け合いでっせ。宜しう頼んます。
603 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/05(水) 20:20 ID:pSFo4AJQ
李炳寿が、夫餘の馬加・牛加・猪加・狗加を訓読して方位名と解し
高句麗の潅奴部・消奴部(藻那部)・絶奴部(朱那部)・順奴部(慎那部)と
同じものとしていたように記憶してますが、
>96.牛曰焼
のように牛をソと読んで消奴部(藻那部)に関連づけるのはまだわかるとして、
他はなにか根拠なり妥当性なりあるんすかね?
604 名前:
Jake_USA
:2003/11/06(木) 08:51 ID:3rGSv1D.
阿木林さん: 「日曰妲」じゃなかったですか? 私が誤写したのかも知れませんね。
てっきり中世語と現代語の/nar/(日)と同じ単語だと思っていました。
14.霧曰蒙 = 分かりません。日本語の「もや」の様な擬態語っぽい単語かな
と思っていますけど。。。「ぼんやりとしているもの」の様な意味からか?
15.虹曰陸橋 = 道路に架かっている「りっきょう」じゃないです。でも漢語ですね。
16.鬼曰幾沁 = もともと漢語の「鬼神」と同源の言葉だと思いますけど、なぜ編者が
/m/の終声の「沁」字を使ったのか分かりません。
17.神曰神道 = 現代語の「神道」(/sindo/, 鬼神や化け物を敬って呼ぶ語)
18.仏曰孛 = 現代語では/bur/、でも中世語の/butie/から来た/buce/の方が現在
多く使われる。「仏曰孛」が表している単語は「仏」の朝鮮漢字音
なのでしょう。
19.[人+西/大/山]人曰僊人 = よく分かりません。「仙人」と同源の単語なのでは?
20.一曰河屯 = 中世語の/h@nah/, /h@nna/, /h@nnah/など、そして現代語の/hana/
(「一つ」の意)と関係があるのでしょう。が、「屯」が第二音節を
表しているのはどういう音声だったのでしょうか。*/h@don/か?
それとも*/h@jon/みたいな音だったのでしょうか?
21.二曰途孛 = 中世語の/durh/および現代語の/du:r/,「二つ、二人」などの意。
鶏林類事のこの記事で中世語の/durh/が*/dubyrh/の様な語形に
遡ることを知ることが出来ます。私は日本語の「つま(配偶者)」
或いは「とも(友、共)」と同じ語根を基にして出来た語なの
かなと思っています。
22.三曰[手西] この音写のために使われている字の発音が良く分からないから
確実には言えないけれど、後期中世語の/seih/(三つ)や現代語の
/se:i-s/(三つ)、/se:i-/(三-)、/se:-/, /se:g-/(ある限られたセットの
語幹に付く語形)、/sa-/(化石化した語に残っている語形)などの
語と同源なのでしょう。
23.四曰迺 後期中世語の/neih/(四つ)および現代語の/ne:i-s/, /ne:i-/, /ne:-/,
/ne:g-/, /na-/等。「三」のパラダイムと全く同じです。この音写に
使われている漢字の読み方って、中国語だったらむしろ*[nai]に近い音を
表しているはずですけど。。。「四つ」を意味する朝鮮語が「三つ」の
母音に釣られて後期中世語・現代語の/e/になったのでしょうか。そもそも
「三」という前期中世語を音写している字([手西])の発音を知らないんですが。。。
24.五曰行戌 後期中世語では/das@-s/(五つ)となります。現代語では/dase-s/, /da-s-/、
/da:i-s/(五つぐらい)、/da-/など「三」と「四」と同様に異形態に富みます。
結局これらの語は全て朝鮮語の/dai/(物の茎、体あるいは枝、手の様な部分)や
日本語の「て(手)」と同源かなと思っています。この「行戌」という表記は、
というと、よく説明できません。次の「六曰逸戌」との類似から、「戌」の字が
語尾の/-s@-s, -sy-s/に当たる部分を表していると思います。「行」は誤字なの
でしょうか? それとも[ta]を表す特別な表記法。。。?
25.六曰逸戌 後期中世語では/iesy-s/, 現代語では/iese-s/, /iei-/, /ie-s-/, /ie-/など。
全形にわたって「八」を意味する言葉と似ています。
異形態のモルフォロジーは「五」のパラダイムと同じです。
26.七曰一急 後期中世語の/nirgob/, /nirgub/および現代語の/irgob/(七つ)ですね。
どうして編者が「一」の字を使って音写したのか分かりません。
前期中世語では/ni/がまだ/i/と区別されていたはずですが。。。
気になりますね。「七」という意味をもつ形態素は恐らく*/nir/です。
他に/nirhyn/(七十), /nir'uei/(七日), /irob/(家畜の七歳)など
ありますから。
605 名前:
Jake_USA
:2003/11/06(木) 08:52 ID:3rGSv1D.
27.八曰逸答 後期中世語の/iedyrb/, /ied@rb/および現代語の/iederb/(八つ)と
同源ですね。同じ語根をもつ単語は/iedyn/(八十), /ied@rai/と現代
/iedyrei/(八日), /iedyb/(家畜の八歳)などですから、語幹は*/ied/の
様です。朝鮮語の「六」の語幹と妙に似ています。あと、日本語の「や(八)」とも
似ていますね。この語の母音調和が中世語でもいいかげんな所がアヤシイ。
28.九曰鴉好 アホーですか。。。いいえいいえ「九つ」の意味を表す朝鮮語/ahob/なのでしょう。
/p/で終わる適切な漢字が無くて音写するのに困ったのでしょうね。他に
/ah@n/(現代語では/ahyn/、「九十」)、/ah@rai/
> /ahyrei/(九日)、
/asyb/(家畜の九歳)などありますから、語根は*/ah/ないし*/a/或いは*/as/の
様ですね。
29.十曰噎 = 後期中世語では/ier/或いは/ierh/だったと思います。現代語でも/ier/ですね。
/ie:r/と伸ばす人もいるそうですが。。。/ie-nam-yn/(十余りの)では
/ie/という異形態をもちますね。多分/n/の前で/r/が脱落したのでしょう。
30.二十曰戌没 = 後期中世語では/symyr/、現代語では/symur/或いは/symu-/です。「〜十」を
表す朝鮮語はよっぽど古いのですね。。。現代まで受け継がれてきたなんて
すごいと思います。この語は「二つ」を表す*/dubyrh/とは無関係なのかな。。。
31.三十曰戌漢 = 後期中世語/sierhyn/および現代語/seryn/.「三つ」の意味の/se:-/などと
一見関係がありそうですね。
32.四十曰麻刃 = 後期中世語/maz@n/, /ma'@n/および現代語/mahyn/(=[mayn]).「二十」と同様、
「四つ」の意味の語とは程遠い様な気がしますね。音写ではちゃんと
/z/が「刃」の字を以て表されている点が面白いですね。
33.五十曰舜 = 現代語の/su:in/(実際には[Swi:n]の様な発音)です。
音声的には朝鮮語ばなれですね。こんな変な発音の言葉、
他にあったのかな。。。「五つ」の意味の語とは関係が
無い様に見えます。
34.六十曰逸舜 = 後期中世語/iesiuin/、現代語/ieisun/です。「五十」の単語と
同じ様な変な発音でしたね。
35.七十曰逸短 = 後期中世語/nirhyn/, 現代語/irhyn/と同じ意味の単語ですけど、
「短」の字が音写に使われているのが気になりますね。ここでも
*/nir/だったはずの「七」という語根を/ir/と表記していますね。
36.八十曰逸頓 = ずっと/iedyn/. この語では表記の「頓」が/dyn/を表していると
容易に認められますが、上記の「逸短」の「短」とは一体何なのでしょうね。
37.九十曰鴉訓 = 後期中世語の/ah@n/および現代語の/ahyn/.
38.百曰[酉+日/皿] = 後期中世語の/on/(百)。現代語では漢語の/baik/しか使わないが、語形の
よく似た言葉で/o:n/(全ての、全部の)というのが現代語にあります。中世語の
/on/とは関係がないかも知れませんが。。。
39.千曰千 = 漢字語らしいですね。しかし、後期中世語では/jymyn/という固有語も「千」の意味で
使われました。/jymyn/はアルタイ諸語の「万」という意味の言葉に似てると思いませんか?
40.萬曰萬 = また漢字語ですね。「万」の意味で使われた固有語の形跡は全く無いですね。
606 名前:
阿木林
:2003/11/06(木) 10:07 ID:hF4VrmdU
Jakeさん、おつかれさまです。こちらもただお願いするばっかりで、
申し訳ないですから、いずれ自分なりに少しまとめてみます。
>>603
方位をあらわす言葉は現代語に手がかりが少ないだけに難しいですよね。
奴とか那は「の」にあたる言葉としても、ほかは関連うすそうですねぇ。
藻那・・・思わずモナーとよんでしまいました。
モンゴル語では南を正面として、左と東、右と西が同じ言葉で表される
のですが、ツングース語ではどうだったかな・・調べてみます。
そういえば、琉球語の方位語は非常に面白いですよね。
北北東を「ニシ」、東南東を「アガリ」、南南西を「ハエ」、西北西を「イリ」
という。金沢庄三郎説では琉球の「ニシ」と和語の「にし」は同源で、
「イニシヘ」に自分たちの祖先が住む方角を指すとかなんとか。
>>604
ウェブサイトの写真からは、日曰妲ではなく[女亘]でした。
でも、「妲」の誤写である可能性は非常に高いと思います。
さらに突っ込むと、次の月の項目は「月曰契(黒隘反)」とあります。
つまり契は/*hai/というような発音を表していることになり、
日と月がどこかで入れ替わったとすれば、日曰契/*hai/、月曰妲/*dar/
となって、現代語と非常によく合致することになるのですが・・・
さすがに入れ替わるようなことはないと思います。
607 名前:
阿木林
:2003/11/06(木) 10:35 ID:hF4VrmdU
14.霧曰蒙 /me:ng hada/ぼうっとする などと同源でしょうか。
いずれにせよ、/a:n'gai/とは関連なさそうですね。
15.虹曰陸橋 これも面白い。高麗人のインフォーマントはわざわざ
漢語で言ってるとしか思えない。/mujigai/や/myjigei/とは縁もゆかりも
なさそうです。もちろん、高麗が漢語の影響を李朝時代以上に受けていた
証拠と見るべきなんでしょうけど・・・
16.鬼曰幾沁 孫穆先生が-in/-imを混同していたという可能性も
あるかもしれません。シナ語で-n/-mが合流していく過程の中で、
-in/-imはもっとも早く合流した部分であるからです。
宋の時代の資料の一部ではそれが見られたような気がします。
19.[人+西/大/山]人曰僊人 おっしゃるとおり、僊は仙と同音で、
仙人をあらわすものです。なんでわざわざ異体字が使われている
のかわかりませんが。
20.一曰河屯 これは有名ですよね。/h@don/として、日本語の
/φito/と結びつける説が昔からあったと思います。次の途孛 といい、
数詞も現代語と随分違いますよね。
22.三曰[手西] この字は(斯乃切)とあるので、次の「四曰迺」同様、
/-ai/に近い音だったのかもしれません。
24.五曰行戌 これは謎ですよね。「行」が「多」か何かの誤写である
と考えればすっきりするんですが・・
26.七曰一急 これも面白い。後で出てくる「歯曰[人尓]」で、歯がニ
と発音されていたらしいことがわかるのに、ニルゴプはイルゴプに
なっている。語頭の/ni-/から子音が脱落する現象は、地方ごとに、
単語ごとに段階的に起こったということになるのでしょうか。
27.八曰逸答 ここで「答」という/-p/韻尾の字が使われているのは、
語尾が/-rb/のような二重子音であったことの表れでしょうか。
私は以前から朝鮮語の6, 8は倍数法によるもので、/ye-/や10を意味
する/yer/が倍数を表す要素(語源は「開く」かもしれません)なのでは
ないかと思っていたのですが、「迺」と「答」では音が遠すぎるので、
ちょっと苦しいです。
608 名前:
阿木林
:2003/11/06(木) 10:46 ID:hF4VrmdU
33.五十曰舜 /sui/という綴りは、今でも通常/siui/と発音
されています。/suida(休む、たやすい)/など。
あまり関係ないのですが、中国朝鮮族の友人は耳を/giui/ギュイと
発音しています。黄海道方言につながる特徴だと思うのですが、
初めて聞いたときは感動しました。
35.七十曰逸短 仰るとおり語頭の/n-/は落ちているみたいですね。
数詞はよく使う語彙ですから、音便が進んでいるのでしょうか。
「短」は謎です。/r/の発音が現在と異なっており、/d/のように発音
されていたことを示すのでしょうか・・・
609 名前:
Jake_USA
:2003/11/06(木) 11:37 ID:3rGSv1D.
阿木林さん: 助けてくれてありがとうございます! 私は実は、今ものすごい
風邪(病魔?)と闘っています。ですからこの間あまり参加することができなかったのです。
早く治るようになるべく休んでいます。
ちなみに中世朝鮮語でも南は/arp/(前および南の意: 現代語の/ap/「前、先;将来」の古形)で、
北は/duih/(後ろおよび北の意: 現代語の/dui:/「後ろ;後(あと);支援;糞など」の古形)
でしたね。モンゴル語との類似は面白いですね。
610 名前:
阿木林
:2003/11/06(木) 11:56 ID:hF4VrmdU
そうでしたか・・無理させてしまって、すみません。
このボードで待っておりますので、早くなおしてくださいね。
風邪には少量の梅酒がいいかもしれませんよ。
南を前とする方位法はかなり普遍的なもので、ネイティブ・アメリカン
の言語にも存在すると記憶しております。
寒い地方であるほど、太陽の存在は重要であったのでしょう。
611 名前:
阿木林
:2003/11/06(木) 13:58 ID:hF4VrmdU
105.皮曰渇翅
106.毛曰毛
107.角曰角
108.龍曰珍
109.魚曰水脱
110.[敞/魚]曰[囗<元]
111.蟹曰慨
112.鰒曰必
113.螺曰蓋慨
114.蛇曰蛇
115.蝿曰蝿
116.[虫豈]曰螻蟻
117.蝨曰[示尸<工]
118.蚤曰批動
119.[虫幾]曰側根施
120.墓曰[虫乞]
121.人曰人
122.主曰主
123.客曰孫
124.命官曰員理
125.士曰進
126.吏曰主事
127.商曰行身
128.工匠曰把指
129.農曰宰把指
130.兵曰軍
131.僧曰福田
132.尼曰阿尼
133.遊子曰浮浪人
134.丐曰丐剥
135.倡曰水作
136.盗曰案児
137.倡人之子曰故作
138.楽工亦曰胡作
139.称我曰能
140.問爾汝誰何曰箇
141.祖曰漢子秘
142.父曰了秘
143.母曰了彌
612 名前:
阿木林
:2003/11/06(木) 19:03 ID:hF4VrmdU
144.伯叔皆曰了査秘
145.叔伯母皆曰了子彌
146.兄曰長官
147.嫂曰長官漢吟
148.姉曰[女奈]妹
149.弟曰了児
150.妹曰了慈
151.男子曰沙喃
152.女子曰漢吟
153.自称其夫曰沙会
154.妻亦曰漢吟
155.自称其妻曰細婢
156.男児曰了妲
157.女児曰宝姐
158.父呼其子曰了加
159.孫曰了
160.寸曰了姐
161.舅曰漢子秘
162.姑曰漢子彌
163.婦曰了寸
164.母之兄曰訓鬱
165.母之弟曰次鬱
166.姨[女今]亦曰了子彌
167.頭曰麻帝
168.髪曰麻帝核試
169.面曰捺翅
170.眉曰嫩歩
171.眼曰嫩
172.耳曰瑰
173.口曰邑
174.歯曰[人尓]
175.舌曰竭
176.面美曰捺翅朝勲
177.面醜曰捺翅没朝勲
613 名前:
阿木林
:2003/11/06(木) 19:22 ID:hF4VrmdU
178.心曰沁(音尋)
179.身曰門
180.胸曰軻
181.背曰腿馬末
182.腹曰擺
183.手曰遜
184.足曰撥
185.肥曰骨塩真
186.痩曰安里塩骨真
187.洗手曰遜時蛇
188.凡洗濯皆曰時蛇
189.白米曰漢菩薩
190.粟曰田菩薩
191.麦曰秘
192.豆曰火
193.穀曰田麻帝骨
194.酒曰酥孛
195.醋曰生根
196.醤曰秘祖
197.塩曰酥甘
198.油曰畿(入声)
199.魚肉皆曰姑記
200.飯曰朴挙
201.餅曰模做
202.茶曰茶
203.湯曰湯水
204.飲酒曰酥孛麻蛇
205.凡飲皆曰麻蛇
206.暖酒曰蘇孛打里
207.凡按排皆曰打里
208.勧客飲尽食曰打馬此
209.酔曰蘇孛速
210.不善飲曰本道安里麻蛇
211.熱水曰泥根没
212.冷水曰時根没
213.飽曰擺[口自]
214.飢曰擺[口自]安里
215.金曰[舟+β]論議
216.珠曰区戌
614 名前:
阿木林
:2003/11/06(木) 19:23 ID:1pufV.qc
今日はみなさんいらっしゃらないですね。
本当は小さい字で注が入っている部分もかなり重要なのですが、
読みにくい部分などがあるので、割愛しています。
615 名前:
阿木林
:2003/11/06(木) 20:12 ID:AgbqIlf6
217.銀曰漢歳
218.銅曰銅
219.鉄曰歳
220.糸曰糸
221.麻曰麻
222.羅曰速
223.錦曰錦
224.綾曰菩薩
225.絹曰及
226.布曰背
227.苧曰毛施
228.苧布曰毛施背
229.[巾+僕-人]頭曰[巾+僕-人]頭
230.帽子曰帽
231.頭巾曰上倦
232.袍曰袍
233.帯曰腰帯
234.褐p衫曰珂門
235.被曰尼不
236.袴曰珂背
237.[衣昆]曰安海珂背
238.裙曰裙
239.鞋曰盛
240.襪曰背成
241.女子蓋頭曰子母蓋
242.斜曰板捺
243.夾袋曰男子木蓋
244.女子勒帛曰実帯
245.緜曰実
246.繍曰繍
247.白曰漢
248.黄曰那論
249.青曰青
250.紫曰質背
251.黒曰黒
252.赤曰赤
253.紅曰真紅
254.緋曰緋
255.染曰没涕里
256.秤曰雌孛
257.尺曰作
258.升曰刀
259.斗曰抹
616 名前:
阿木林
:2003/11/06(木) 20:12 ID:AgbqIlf6
260.印曰印
261.車曰車
262.船曰擺
263.席曰[草/登](音席)
264.薦曰質薦
265.倚子曰馳馬
266.卓子曰食床
267.牀曰牀
268.燭曰火炬
269.簾曰箔
270.燈曰活黄
271.下簾曰箔恥具[口+羅]
272.匱曰枯孛
273.傘曰聚笠
274.扇曰孛采
275.笠曰蓋
617 名前:
阿木林
:2003/11/06(木) 20:13 ID:AgbqIlf6
我ながらなかなかの入力スピードですなw
では、そろそろ帰ります。
618 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/06(木) 21:13 ID:FNwxR4qY
>おおる
明日から10日夜まで、旅行中につき私はネットにアクセス出来ません。
今も実は旅の空なのですが、何とかネットにつなげる環境にありますので
こうして書き込みが出来ております。最近は当スレも中々に賑わっていて、
不在の間に話題に取り残されてしまいそうな勢いですが、どうぞお気に
なさらず皆さんで盛り上がって下さいね(^_^)。ではでは♪
>Jake_USA さん
若いからと言って無茶をしてはいけませんぞ。日本では「風邪は万病の元」
という諺があります。養生なされませ。お暇な時には当スレの過去ログや、
私のホームページにリンクしてあるログなどをご覧頂くと、いい暇つぶしに
なるかも知れません。
619 名前:
tenpura ◆UMAIu01k
:2003/11/06(木) 22:09 ID:5CzwA73A
ブログ。作者は紀貫之。
ttp://www.kotonoha.or.tv/history/tosa/
620 名前:
阿木林
:2003/11/07(金) 12:40 ID:t8arwgAY
276.梳曰[竹/必](音必)
277.篦曰頻希
278.歯刷曰養枝
279.合曰合子
280.盤曰盤
281.瓶曰瓶
282.銀瓶曰蘇乳
283.酒注曰瓶碗
284.盞盤曰台盞
285.釜曰吃(枯吃反)
286.盆曰鴉救耶
287.鬲曰[穴/卒]
288.碗曰已題
289.楪曰楪至
290.盂曰大耶
291.匙曰戍
292.茶匙曰茶戍
293.箸曰折(之吉?反)
294.沙羅曰戍羅(亦曰敖?耶)
295.硯曰皮盧
296.筆曰皮盧
297.紙曰捶
298.墨曰墅
299.刀子曰割
300.剪刀曰割子蓋
621 名前:
阿木林
:2003/11/07(金) 12:40 ID:t8arwgAY
301.骰子曰節
302.鞭曰鞭
303.鞍曰未鞍
304.轡曰轡頭
305.鼓曰濮
306.[示其]曰[示其]
307.弓曰活
308.箭曰薩(亦曰矢)
309.剣曰長刀
310.大刀曰訓刀
311.斧曰烏子蓋
312.炭曰蘇戍
313.柴曰孛南木
314.香曰寸
315.索曰鄒(又曰朴)
316.索縛曰[舟+β]木香
317.射曰活孛
318.読書曰赴鋪
319.写字曰核薩
320.画曰乞林
321.榜曰柏子
322.寝曰作之
323.興曰[人尓]之
324.坐曰阿則家
325.立曰[口羅]
326.臥曰吃寝
327.行曰欺臨
328.走曰早行打
329.来曰烏[口羅]
330.去曰匿家入[口羅]
331.笑曰胡臨
332.哭曰胡住
333.客至曰孫烏[口羅]
334.有客曰孫集移室
335.延客入曰屋裏坐少時
336.語話曰替黒受勢
337.繋考曰室打里
338.決罪曰滅知衣底
339.借物皆曰皮離受勢
340.問此何物曰設審
622 名前:
阿木林
:2003/11/07(金) 12:42 ID:t8arwgAY
とりあえず、全部入力しました。方針を変えて、注の部分もなるべく
入れるようにしました。
あと、当たり前ですが旧字体にはこだわっていません。
見ればわかると思うので。
341.乞物曰念受勢
342.問物多少曰密翅易成
343.凡呼取物皆曰[口羅]
344.相別曰羅戯少時
345.凡事之畢皆曰得
346.労問曰雅蓋
347.生曰生
348.死曰死
349.老曰刀斤
350.少曰亞退
351.存曰薩[口羅]
352.亡曰朱幾
353.有曰移実
354.無曰不鳥実
355.大曰黒根
356.小曰胡根
357.多曰釁何支
358.少曰阿捺
359.高曰那奔
360.低曰捺則
361.深曰及欣
362.浅曰泥底
623 名前:
阿木林
:2003/11/07(金) 17:03 ID:t8arwgAY
あれ?かちゅーしゃの調子が悪いかな?次は注のコンプリートを目指します。
624 名前:
Jake_USA
:2003/11/10(月) 07:28 ID:MhX7BVM.
かちゅーしゃって、私のこと(加註者)をいうんですか? 遅れてしまって
すみません。私は今カムギで立つだけでも精一杯の状態です。。。でもなるべく
早くやってみます。もう少し待っててくださいね。私は今週授業に行けなかった分の
宿題などもありますから、今週末忙しくなりそうですけどね。ん〜 今2時間だけ
暇があるからとりあえずやってみましょうか。それじゃ〜〜!!
41.旦曰阿摻 = 後期中世語/ac@m/乃至/acym/、のち現代語の/acim/となります。
「朝; 朝食」などの意。中世語にはこの語の他に/ajiek/という
言葉がありましたが、どちらも元は同じ語根に遡るのかも知れません。
「鶏林類事」の音写は*/ac@m/あるいは*/acam/の様な音声を表したのでしょう。
前期中世語から現代までずっと語形があまり変わらなかった様ですね。
日本語にも似た様な言葉は幾つかありますが、紛らわしいからそれについては
また今度。。。ちなみにこの語に見える(と思われる?)派生法は、季節や
時期を表す語によく現れると思います。例えば/bom/(春)、
/nierym/, /nier@m/(夏)など。私はこれらの語が元々動詞から派生した名詞
なのではないかと仮定しています。
42.午曰捻宰 = 現代語の/naj/(昼、昼間;正午)と同源の単語を音写したものだと
思ったりしますが、この音写に従えば*/nemj@i/, */niemj@i/の様な
発音だったということになります。。。何だか納得がいきませんね。
しかし、「鶏林類事」の編者が/m/終声の字音を必ずしも/n/終声のもの
と区別してはいなかった様ですから、*/nenj@i/や*/nienj@i/の様な
音声を表すつもりで「捻宰」と書いたのかも知れません。けっこう謎の
多い一例ですね。
43.暮曰占捺 =「ハングル時代」の書物には現れない単語の一例ですね。私はこの語は
きっと、後期中世語の/jiemkyr(-ta)/, /jiemyr(-ta)/と現代語の/jemur(-ta)/
(暮れる)と関係があると思っています。この「語群」には他に現代語の
/jenieg/(夕方)があります。「占捺」の「捺」は「太陽」の意味の/nar/か?
日本語に同源の語を求めるとしたら「よ(夜)」、「よる(夜)」、「やみ(闇)」、
「よひ(宵)」、「ゆふ(夕)」の辺りでしょう。
44.前曰訖載 = 現代語の/ejei/(昨日)か? でも音写が複雑で。。。
この語はあまりにも使用頻度が高いから早くも語形が
崩れたと見るべきでしょうか。
45.昨日曰訖載 =前項44に同じ
46.今日曰烏捺 =後期中世語/on@r/、現代語/onyr/(今日)。語源については私は
/o(-ta)/(来る)の語幹或いはその活用形である(かも知れない)*/or-/と、
日を意味する/nar/との複合語を仮定します。現代語/or-hai/(今年)参照。
*/or-/がもし本当に/o(-ta)/(来る)と同源だとしたら、/o(-ta)/の原義が
違っていたのかも知れない。。。もしかして上代日本語の「う」、その後の日本語の
「ゐる(居る)」と関係があるのか? 或いは日本語の「をり」とも?(しかし
「をり」は恐らく「ゐる」の語根と「あり(有り)」とが合わさって出来た語だと
思っています。)
47.明日曰轄載 =後期中世語にも現代語にもありません。「前;昨日」を意味する「訖載」との
類似が面白いです。しかし、語源説はまだ唱えられません。
48.後日曰毋魯 =現代語の/mo:rei/(あさって)と同源でしょう。でも前期中世語の頃では
語末の母音が違っていた様ですね。語源については、/me:r(-ta)/(遠い)と
関係があるのでしょう。
625 名前:
Jake_USA
:2003/11/10(月) 07:31 ID:MhX7BVM.
49.約明日至曰轄載鳥受勢 =「明日」を意味する語は相変わらず謎ですが、「鳥受勢」は
「来てくださいませ」という意味の後期中世語/o-siosie/と(今は古臭いけど)
現代語/o-sose/と同源の語句を音写したのでしょう。
50.凡約日至皆曰受勢 = 編者が勘違いをしていたのでしょうか?「受勢」は恐らく
後期中世語の丁寧な命令形を作る語尾、/-siosie/に相当するものでしょう。
51.明年曰明年 = 漢語なので説明は要らないでしょう。
52.春夏秋冬同 = 後期中世語および現代語では普通、固有語である/bom/, /nierym/, /g@z@r(h)/,
/giezyr/を使います。編者はよっぽど漢語に敏感だったのでしょう。
53.上曰頂 = こんな変な漢語を高麗の人々は本当に使っていたのでしょうか?
54.下曰底 = 同上。。。
55.東西南北同 = これは納得がいきます。現在でも朝鮮民族は普通、漢語を以て
方角を表します。
56.土曰轄希 = 後期中世語/h@rg/および現代語/harg/。この単語の語末に「希」の
字音が示唆する様な母音が本当にあったかどうか疑問のところです。
漢字で朝鮮語の/rg/終声をこれ以上上手く音写することが出来なかったのでしょう。
57.田曰田 = 本当か。。。? 現代語では/non/といいます。
58.火曰孛 = 後期中世語の/byr/および現代語の/bur/です。日本語の「ひ・ほ」(火)と
一見関係がありそうですが、日本語ではこの語の*/r/がどこへ行っちゃったの?
59.山曰毎 = 後期中世語の/moih/および現代語の/mei/です。現代語ではこの語は普通、複合語の
要素とする以外使われません。漢語の/san/の方が単語として使われます。
626 名前:
Jake_USA
:2003/11/10(月) 07:41 ID:MhX7BVM.
あっ、プチ訂正です(汗 後期中世語と現代語との間にある規則的な母音変化の
パターンに釣られて、ついつい中世語の/h@rg/(土)の子孫が現代語の*/harg/であると
言ってしまいました。実は、この語は特別として、現代語では/hyrg/となっています。
即ち、上56項は以下の様に訂正致します:
56.土曰轄希 = 後期中世語/h@rg/および現代語/hyrg/。この単語の語末に「希」の
字音が示唆する様な母音が本当にあったかどうか疑問のところです。
漢字で朝鮮語の/rg/終声をこれ以上上手く音写することが出来なかったのでしょう。
627 名前:
Jake_USA
:2003/11/10(月) 08:03 ID:MhX7BVM.
よく考えてみたら、後期中世語の/h@/が現代語の/hy/に対応する例は決して少なくありません。。。
/h@rg/
> /hyrg/のほかに、/h@j(-ta)/ > /hyi(-ta)/(白い)というのがありますね。この事実は
中世語の声調(トーン)の違いに因るのでしょうか? 該当する語の中世語に於ける声調がどうであったのか
私はよく覚えていませんが、お助けを願えますか? 或いは/h@/という子音母音連続には元から二種類が
存在したとか。。。そんな仮定はむちゃ過ぎるのかな。中世語のハングル資料では同じ/h@/というハングルで
書き表していたのですから。でも面白いところは、/h@j(-ta)/
> /hyi(-ta)/が日本語の「しろ(い)」
(白い)に相当して、/h@rg/
> /hyrg/がモンゴル祖語の*/siroga/と再構される単語に相当するのですね。
628 名前:
阿木林
:2003/11/10(月) 11:25 ID:znf4ceC.
>>624
はは。かちゅーしゃとは私が使っているブラウザの名前です。
掲示板表示と書き込みに特化した性能を持っているので、
日本では「2ちゃんねる」を中心に、一部でかなり普及しております。
注釈、お疲れ様でした。僕がもっとやりたいのですがなかなか時間が・・
41.旦曰阿[手参] に対応する日本語は「あさ」や「あした」ですね。
一連の時間を表す語彙に/-m/で終わる語彙が多いのですが、
/bam/なども動詞起源かもしれませんね。
42.午曰捻宰 この時代には語末の/-j/が現代よりもはっきり
発音されていたことを表すのかもしれませんし、/-i/のような
接辞がついた形かもしれません。
近い発音の/nac/(顔)は「捺翅」と記されています。
43.暮曰占捺 この注には(或言占没)とあります。
それぞれ、/jemun nar/, /jemur/のような形だったのかも。
44.45では「おととい(オジョッケ)」「きのう(オジェ)」が同じ言葉で
あらわされていますね。古くは同じ言葉であらわしていたのかも。
629 名前:
阿木林
:2003/11/10(月) 11:52 ID:znf4ceC.
47.明日曰轄載 現代語では「来日」「明日」という漢語のほかに
該当する言葉があるのでしょうか。「轄」は56.土曰轄希 の音を
あらわすのにも使われていますから、/*h@rjei/のような発音で
あったことはまちがいないのですが・・・
チェジュ方言でも母音がつづまって/nair/ですし。
50.凡約日至皆曰受勢 そうですね。編者の勘違いであろうと
思います。面白いのは、そのあとで336.語話曰替黒受勢や、
339.借物皆曰皮離受勢、341.乞物曰念受勢などでも出てくる。
50.は恐らく「烏受勢」と書いたものから「烏」が脱落したものです。
52.春夏秋冬同 このあたり、固有語がなかったとは思えないので、
「訓読」の類ではないかとにらんでいます。だとするとかなり高麗語の
再構は困難になってしまうのですが。。。
この資料じたいが、当時高麗で通用していたと思われる吏読の類を
シナ人が読み下すために作られたものであるのかもしれません。
>>627
おっしゃるとおり、中世語の/@/は、現代標準語では語頭では
/a/、第二音節以降では/y/に規則的に変化しますよね。
/hyita/(白い)の古形は/h@ita/ですが、現代語では/ha'ian/(真っ白い)
などという変化形もありますね。両方とも/h/という子音のあとですから、
/h/のあとでは/y/に変化する規則があったのかも。
このケリムユサの資料は、声調までも考慮して漢字音をあてているかも
知れません。(去声)(平声)などという注が入ることがその証拠でしょうし、
「手」と「客」の表記分けなどは、声調を示唆している可能性がある。
630 名前:
阿木林
:2003/11/10(月) 11:54 ID:znf4ceC.
ちょっと補足。
/h@rg/も/h@ida/も両方/h/の後だったから、/y/に変化したのでは
ないか、という意味です。ついでに転写も間違えてた・・・
アイゴー、ムシッカンノマー
631 名前:
Jake_USA
:2003/11/10(月) 14:37 ID:MhX7BVM.
60.石曰突 = 後期中世語の/dorh/(上昇調)および現代語の/do:r/(石)。
恐らく*/dor/の様な語幹に*/-agi/の様な接尾辞(もと指小辞か?)が
付加されたことに因る語形。
61.水曰没 = 後期中世語の/myr/および現代語の/mur/(水)。古そうな単語です。
62.海曰海 = 漢語ですね。後期中世語では主に/bar@r/という語形が使われて、現代語では
/bada/が使われます。高麗人が漢語の「海」を実際の日常会話で使っていたと
いうなんて疑わざるを得ません。固有語の/bar@r/乃至/bada/については、女真語の
*/meterin/(漢字表記「[月永]忒厄林」)、満州語の/mederi/、上代日本語の
「わた」などと同源の様子です。元々日本語の動詞「わたる(渡る)」と何らかの
関係があるのではないでしょうか? 女真語、満州語の語形は特に動詞からの派生語の
様に私の目には見えますが。。。ツングース語派に詳しい方、解説をお願いします。
63.江曰江 = 現在もなお漢語の「江」(朝鮮漢字音では/ga[ng]/)が使われています。が、後期中世語には
/g@r@m/(大河ないし湖)、/naih/(現代語では死語っぽいですが/na:i/といいます)などといって
河川を大小に細かく分けて呼んでいました。
64.渓曰渓 = 現代語では/si:nai/、/gaiur/などと呼びます。/si:nai/は新羅語の*/sir/(谷)或いは現代語の
/si:r/(糸の意、しかし「細い、小さい」という意味で接頭語的にもしばしば使います)が
/naih/(川)にくっ付いて出来た複合語である様ですね。
65.谷曰丁蓋 =この語については以前、534項の辺りから長い討論が繰り広げられました。もしかすると日本語の
「たに」と同源の要素に朝鮮語の/kai/(浦、川の支流など語義多々)が
くっ付いて出来た語かも知れません。
66.泉曰泉 = 漢語です。後期中世語では泉のことを/s@im/、現代語では/sa:im/といいます。
いずれ「漏れる」などの意味を表す/s@i(-ta)/(現代語/sa:i(-ta)/)からの
派生名詞です。
67.井曰烏没 = 後期中世語/umyr/、現代語/umur/に当たります。もともと複合語だったと
思われます。後期中世語/myr/(水)参照。
68.草曰戌 = 何ですか、これは? 全く謎です。後期中世語では「草」を/pyr/といい、
現代語では/pur/といいます。
69.花曰骨 = 後期中世語の/goj/(単独ないし子音で始まる助詞の前では/gos/)、そして
現代語の/ggoc/に当たります。何故に/n@c/(顔)を「捺翅」と音写したのと
同じ様に、二字を使って*/goj/を音写しようとしなかったのでしょうか?
この「花曰骨」という音写がちょっと引っかかりますね。ともかく、この朝鮮語の
/goj/などは日本語の「くさ(草)」の対応例としてしばしば指摘されてきました。
70.木曰南記 =後期中世語では単独で、あるいは母音で始まる助詞の前で使われる時には/namo/,
子音で始まる助詞の前で使われる時には /namg-/と現れた単語です。「鶏林類事」の
編者は恐らく主格形の/namg-i/を音写したのでしょう。/namgi/の様な語形は実は
現在の方言でも使われている所もありますが、韓国の現代標準語では/namu/となって
います。この語は「木」の意味の中でも、特に「薪」のニュアンスが強く現れます。
日本語の「き」と同様、「木材」の意味もあります。「植物、草木」全般を指すことも
可能です。決して英語の「tree」の意味に限ることは出来ませんね。
632 名前:
Jake_USA
:2003/11/10(月) 14:38 ID:MhX7BVM.
71.竹曰帯 = 後期中世語から現代語までずっと/dai/です。日本語の「たけ」と関係があるの
でしょうか?
72.果曰果 = 漢語です。現代語では普通、/gwa:sir/(果実)といいます。後期中世語には
/ierym/(果実)という単語も存在しましたが、現代語では死語となっており、
「果実」という漢語の他に/iermai/という固有語がよく使われます。固有語は
いずれも動詞の/ie:r(-ta)/(実る)と同源の様子です。
73.栗曰監 = この語には確か、註が施してありましたね。この音写はともあれ、「栗」のことを
後期中世語および現代語では/ba:m/と呼びます。ちなみにハシバミ(榛)のことを
後期中世語では/gai'om/、現代語では/gaiam/と呼ぶんですが、これも/ba:m/を
第二の要素として含んでいるのではないかと仮定しております。日本語の「はしばみ」も
考慮に入れた方が良いかも知れません。
74.桃曰枝棘 = 全く謎です。現代語では桃のことを/bogsu[ng]a/または/bogsa/と呼びます。
75.松曰鮓子南 = 現代語では/sor/または/so-namu/といいます。前期中世語の頃では
松を意味する単語の語形がかなり異なっていた様ですね。
76.胡桃曰渇未 = 現代語では「胡桃」の訛りである/hodu/を使います。胡桃の近縁種で
「楸」という木が朝鮮に自生するんですが、その木の結ぶ実は人間には食べられません。
「楸」の朝鮮語名は後期中世語では/g@rai/,現代語では/garai/です。この
「胡桃曰渇未」をとって見れば、日本語の「くるみ」を借用していた様にすら
見えますね。
77.柿曰坎 = 現代語の/ga:m/に当たります。日本語の「かき」の第一音節と関係があるのでしょうか。。。
78.梨曰販 = 後期中世語の/b@i/および現代語の/bai/に当たります。この語は「腹」、「船」を
意味する朝鮮語の単語と語形が同一であることで有名です。しかし「梨曰販」では、
この語を音写するために/n/で終わるはずの「販」字が使われており、気になる
ところです。
79.林禽曰悶子計 = 現代語ではリンゴを呼ぶ名前は漢語ばかりです。
すなわち/sagwa/(沙果・砂果)と/pie[ng]gwa/(苹果)です。
しかし前期中世語には「悶子計」を以て音写される様な単語も存在したんですね。
リンゴはもともと中央アジア原産の様ですし、朝鮮にも近縁種の/ny[ng]gym-namu/が
自生するみたいだからリンゴみたいな木を呼ぶ固有語があったとしても
おかしくはないでしょう。
633 名前:
Jake_USA
:2003/11/10(月) 14:51 ID:MhX7BVM.
629の阿木林さん:
「明日曰轄載」について、現代語には/gyjeggei/または/gyjei/という単語がありますが、
これらの単語は「明日」じゃなくてむしろ「おととい」の意味を表します。しかも語頭音が
/g/なのにその直後の母音は規則的に/a/とはなっておらず、/y/となっています。/h@rg/
>
/hyrg/, /h@i(-ta)/
> /hyi(-ta)/などの問題を思い出しますね。その他に「轄載」が
音写しているかも知れない朝鮮語が全く思い浮かびません。。。
634 名前:
阿木林
:2003/11/10(月) 15:17 ID:znf4ceC.
あ、おとといはオジョッケじゃなくてクジョッケでしたね・・・失礼ハムニダ。
44.前(日)曰訖載 と、45.昨日曰訖載 はむしろ、クジェを音写している
ように見えます。
「載」チェという言葉自体が、「時」をあらわす接辞かなにかだったのだと
思います。それによって明日を意味する言葉がかつては存在したのだと。
そもそも、現代語には漢語に由来する語彙しかないこと自体が、
不自然なのですから。
しかし植物名にも詳しいですね。うらやましい。
あとでもうすこしまとめてレスします。
73.栗曰監 の註は、([咸鹵?]檻切)です。[咸鹵?]の部分は、
よく読めませんでしたが、多分こういう字が書いてあるのだと思います。
74.桃曰枝棘 は、/jadu/(すもも)など、他の植物名かもしれません。
78.梨曰販 は、江南方言を思わせます。上海などでは「販」は/pε/
と発音されていますから。
林檎にあたる言葉は、たしかチェジュド方言に興味深いものがあった
と思いますが、今はわかりません。
635 名前:
阿木林
:2003/11/10(月) 15:33 ID:znf4ceC.
満洲語については、まったくといっていいほど詳しくないのですが、
オロチェーン語での「越える」という言葉は/eder/という言葉ですから、
満洲語の/mederi/と関係あってもおかしくありません。
ちなみにオロチェーン語で「海」はモンゴルからの借用で/dalaj/です。
そのうち満洲語の語彙集を作ってウェブにアップしてみたいです。
草にあたる語彙も謎ですが、/susu/(きび)などと関係があるかも
知れません。戊の誤記であれば、/pur/との関連付けもできるかも
知れませんが。
636 名前:
阿木林
:2003/11/10(月) 16:56 ID:znf4ceC.
79.林禽曰悶子計
/nyng'gym/ヌングムは、漢語の「林檎」に由来するものです。
「リンゴ」も漢語ですし、10世紀頃の日本語では「リウコウ」だったそうですが。
中央アジア系の小粒の品種で、日本でも江戸時代までは林檎といえば
これだったのですが、明治以降は瞬く間に地中海原産の西洋種にとって
変わられ、現在ではヒメリンゴなどの品種が細々と栽培されています。
中国で「海棠」と呼ばれている果物もこの系統です。
余談ですがロシアのリンゴは気候が寒すぎて西洋種が根付かず、
いまでもこのアジア種が一般的だそうです。
発音が近い類似の植物では/mu:nbai/(ヤマナシ)というのもあります。
これの古い形で、ムンジャゲないしムナゲという形があったのかも。
637 名前:
阿木林
:2003/11/10(月) 18:04 ID:znf4ceC.
>>634
補足。僕の書き込みばかりになってしまいすみません。
チェジュド方言では、オンジェ(いつ)はオヌジェと発音されます。
これは古い形を示していると思われるので、チェには時間を表す
意味があることは間違いないといえます。
ところで/namg(i)/と日本語の/ki/は関係があるといえるのでしょうか。
日本語の/ki/は、なんとなくオーストロネシア系の/kahoj/などと
関係があると思っていたのですが、中期朝鮮語に同系の語彙が
あるならばわざわざアタヤル語やタガログ語を持ち出したりしなくても
よくなりますね。
638 名前:
阿木林
:2003/11/10(月) 19:04 ID:znf4ceC.
おぉ!素晴らしい!
釜山マルだけじゃなくてチェジュマルも分かるんですね。
ハングルで書いてある資料を丸写ししただけなので、微妙な発音
がモルンダンケ〜(これは全羅サトゥリかw)
一番困るのはチェジュ独特の「アレア」の発音が表記されていない
ところなんですが・・・あと、△/z/の発音もあるんでしたっけ。
あと、島の南(たしかアプという)と北(トゥイ)でも、かなり言葉
が違うらしいので、おかしなところは方言の差異かもしれないです。
地名なんかも、面白いですよね。ソギポとかの「ポ」は、地元では
「ケ」というらしいです。「浦」を表す古語だとか。
639 名前:
阿木林
:2003/11/10(月) 19:04 ID:znf4ceC.
あ、638は誤爆ですw
外国語スレの慶尚サトゥリスレに書き込もうとしてたのですが・・
640 名前:
Jake_USA
:2003/11/10(月) 19:23 ID:MhX7BVM.
>>637
そうですね。/enjei/(いつ)は古くは/enyjei/で、その語源は/eny jek-ei/(どの時に)
或いは/eny jek-i/(どの時が)が訛ったのでしょう。他の時間に関する語に現れる"jei"も
恐らく同源(/jek-ei/「時に」或いは/jek-i/「時が」の訛り)だと仮定しています。
朝鮮語の方言に現れる/namgi/の"gi"を析出して日本語の「き」「け」(木)と比較すると
いうのはちょっと引っかかりますね。そもそも朝鮮語の「木」をいう語の祖形は*/namog/
或いは*/namog(V)/( (V)は何らかの母音)の段階までしか再構できません。その祖形の*"namo"と
いう部分が単独で何らかの意味を成していたかどうか分からないから、*/namog/の語末の
部分と日本語の「き」を比べるのはまだ早い様に感じます。私はアタヤル語おやタガログ語などの
単語を持ち出さなくても良いというのには賛成ですが。。。(笑 私がそう思うには言語学的な
理由の他に人類学的な理由などもあります(それはいけませんね。。。えへへ)が、第一日本語の
文法や語彙がタガログ語の辺りの言語とほとんど似ていないのが重要です。フィリピンの言語を
少し勉強した人には分かると思いますが、あの辺の言語はinfix(語幹を二分に分けて活用形を
作る形態素をその間に入れて置く形式)を多用します。日本語の様な北アジアの言語とは全く別物です。
正直言って、オーストロネシア語族はコワイと思います。。。 でもああいう変な言語を話せるように
なったら嬉しいかも知れませんね。(^−^)
641 名前:
Jake_USA
:2003/11/10(月) 19:35 ID:MhX7BVM.
ちなみに/namgi/の語末の/i/は恐らく中世朝鮮語の「木」をいう語の曲用形の
一つ、主格形の/namg-i/(語幹*/namog/ + 主格助詞/-i/、のち*/namog-i/の
第二音節の/o/母音が脱落)に由来すると思われているから、方言形の/namgi/の
/i/はもしかすると主格助詞のほかならないかも知れません。だとすると、*"gi"を
析出して日本語と比較するのはちょっと無理がありますね。今の研究の段階では。
642 名前:
Jake_USA
:2003/11/10(月) 19:43 ID:MhX7BVM.
>>640
ああ、ローマ字転写を間違えました。。。 /eny jek-ei/などではなくて、
/eny jeg-ei/の様になるべきところです。すみませんでした。
643 名前:
Jake_USA
:2003/11/10(月) 20:14 ID:MhX7BVM.
北アジアの言語(主として「アルタイ語群」と呼ばれる言語たち)以外の言語に日本語の
語根と関係があるかも知れない言葉を見つけようとするのなら、むしろ西方(ウラル語族、
インド・ヨーロッパ語族)を参考すべきだと思いますよ。私はウラル語族については知識を
欠いておりますが、文法的にはアルタイ語群と非常に似ている点があるそうですね。でも
かつてウラル・アルタイ語族と呼ばれていたほどですから、それは有名な話だと思います。
それほどよく知られていないのは、アルタイ語群の幾つかの言語を比較して再構した語根と、
インド・ヨーロッパ語族の再構された祖語の語根とがかなり似ているという事です。私は
インド・ヨーロッパ語族についてはけっこう知識をもっておりますが、日本語と似ている
語根が多々あると感じますね。ただウラル語族の言語を勉強することが出来たらなあ。。。
ちなみにシナ・チベット語族も更に遠縁ではあろうが、北ユーラシアの言語と何らかの関係が
あると思います。大昔、北ユーラシアの語族を生んだ大祖語がシナ・チベット語族の祖語と
交流できる場所で話されていた、と仮定するのでしょうか。まあ、これはいずれにしてもすごく
遠い昔の話で、不確実な事が多くてその上で仮定をするのは大変ですが。。。今後の研究に
私自身も貢献したいと思っております。
644 名前:
阿木林
:2003/11/10(月) 20:45 ID:ibTOfNyU
おぉ!ノストラティック大語族の再構築ですね。
ウラル語群とモンゴル語あたりを比較すると面白いと思いますよ。
ツングースとチュルクは共通する要素が少なくないのに、
モンゴルはどうも異質な感じがするんです。
数詞を比較しても、ウラル系に近い。
学習するならフィン・ウゴル系の方がずっと学習しやすいんですけどね。
僕は台湾のオーストロネシア語をそれなりに「かじって」いますが、
もともとはシナ・チベット語のほうです。
この分野での「熱門」はタイ諸語とオーストロネシア諸語が同源である
としてアウストリック語族を仮設することですが、ビルマ語と朝鮮語
の比較も、非常に面白い。チベット・ビルマ系とアルタイ語群の関係を
さぐることは、非常に面白いテーマだと思っています。
チベット・ビルマ系の祖先たちは華北に住んでおり、おそらくは北方の
諸民族と言語的に交流があったはずです。
漢民族が南方系の言語と同化してゆく過程で、断絶が生まれた
のではないかと思っております。
645 名前:
Jake_USA
:2003/11/11(火) 07:57 ID:c.iY4mZ6
80.漆曰黄漆 = どうして「黄色い漆」なのでしょうか? まあ、ともかく漢語の様ですね。
後期中世朝鮮語では漆のことを/os/といい、現代語では/oc/といいます。
日本語の「うるし」と何らかの関係があるのでしょうか?
81.菱曰質姑 = これは他には見つからない単語ですね。現代朝鮮語ではヒシのことを
/marym/といいます。
82.雄曰鶻試 = これも初めて見る単語ですね。後期中世語では雄のことを/suh/といい、
この/suh/は数多くの複合語に今も残っています。しかし単独では
現代語は/su/といいます(これはもはや死語化しつつありますけれども)。
83.雌曰暗 = 後期中世語の/amh/および現代語の/am/に当たります。現代語でも/su/と
同様、複合語の語頭で使われる場合には中世語の語末の/h/の名残を
呈してくれます。
84.鶏曰啄 = 後期中世語の/t@rg/および現代語の/targ/. 現代語では単独で使われる場合には
[tak]という風に発音され、主格助詞の/-i/が付くと本来の発音のままで現れます
(すなわち[talg-i])。日本語の「とり(鳥、鶏)」と関係がありそうですね。
85.鷺曰漢賽 = /han-sai/(大き鳥?)という言葉は後期中世語ではコウノトリの名前となっていましたが、
この「漢賽」はむしろ*/h@i-n-sai/(白き鳥)が語源でしょう。白鷺をいう後期中世語には
/ha'iarobi/, /h@i'orabi/があって、現代語には/hai'ori/, /hai'oragi/というのが
あります。いずれも「白い」という意味の形容詞の語幹(/h@i/ないし/hai/)を含んでいる
様に見えますね。しかし、近代語へ移る過程で「カモ」の意味の/o:ri/と無理やり
結び付けられた形跡もありますね。
86.鳩曰于雄 = 何でしょうか、これは。。。「鳩」と「鴿」の違いは何ですか? ハトの野生種と
家畜化された(した?)ハトを漢語では呼び分けていたのかしら? ともかく「于雄」に
相当する単語は後期中世語にも現代語にも現れませんね。
87.雉曰雉賽 = 漢語の「雉」と朝鮮語の/sa:i/(スズメ、概して鳥)とから成る複合語ですね。キジは
もともと中国から入って来たのかな?
88.鴿曰弼陀里 = 後期中世語の/biduri/, /bidurogi/および現代語の/bidurgi/に当たりますね。
日本語の「ハト」と関係がありそうです。
89.鵲曰則寄 = 後期中世語ではカササギのことを/gaci/といい、現代語では/gga:ci/といいます。
しかし「則寄」はどうも漢語の「鵲」と同源っぽいですね。これは日本にはほとんど
居ないけど居て欲しい鳥の一つですね!! むっちゃ可愛いカササギちゃんです。
でもウルサイと思う人もいるでしょうね。。。ちなみに朝鮮語の/gaci/は多分
日本語のカササギの異名、カチガラスの語源でしょう。そもそもカササギちゃんの
鳴き声を真似た擬声語ともいえますけど。
90.鶴曰鶴 = ホワックか。。。あまりツルに相応しくない名前ですねえ、下品で。現代語ではこんな気持ち悪い
漢語じゃなくて/durumi/という言葉を使っています。この単語は日本語の「ツル」と似すぎていて
怪しいです。
91.鴉曰打馬鬼 = 後期中世語では/gamagoi/のち/gamagui/、現代語では/ggamagui/といいますが、
この音写ではなぜか語頭音が*/d/となっています。誤写なのでしょうか。「カラス」の
名前は「黒い」という意味の形容詞に影響されやすいのだから、もともと*/damagoi/で、
これが後に朝鮮語の/ge:m(-ta)/, /gga:m-a-h(-ta)/(黒い)などという語に影響されて
/gamagoi/になったのかも知れませんが。。。
92.隼曰笑利彖畿 = こんな単語はもう存在しませんね。しかし、「笑利」の部分は恐らく現代語の/suri/
(ワシ)と同源でしょう。「彖畿」はもっと難しいんですが、もしかすると現代語の
/doro[ng]tai/(ハイタカを含む猛禽の一連)の"tai"の部分と同源なのではない
でしょうか? もっと遠くは日本語の「タカ」とも同源かも知れませんね。
646 名前:
Jake_USA
:2003/11/11(火) 09:31 ID:c.iY4mZ6
93.禽皆曰雀訳 = 「鳥」をいう朝鮮語が朝鮮語の「雀」をいう語と同じである、という意味ですね。
94.雀曰賽 = 現代語の/sa:i/(スズメ、または鳥類全般を指す語)。
95.虎曰監 = 後期中世語および現代語の/be:m/(虎・豹の類)。後期中世語では、この語が
複合語の第二要素として使われる場合には時々/Wem/に変わりました。虎をいう語には
この語のほかに/ho:ra[ng]i/というのがありますが、これは恐らく漢語に基づく単語です。
96.牛曰焼 = 後期中世語の/sio/および現代語の/so/に当たります。この語には確かに声調についての
註が施してありましたよね?
97.羊曰羊 = 漢語なので除外。。。ちなみに今でも/ia[ng]/(羊)といいます。
98.猪曰突 = 後期中世語の/dot/(ブタ)に当たります。現代語ではこの語の
もと指小辞/doa:iji/しか使われません。
99.犬曰家稀 = 後期中世語の/gahi/および現代語の/ga:i/に当たります。この語の
成立については、元指小辞だったのではないかと考えています。そうすると
元の語根は*/ga/の様になるんですが。。。しかし現代語には/gahi/から
派生した指小辞、/ga[ng]aji/が存在します。
100.猫曰鬼[尸<工] = 猫をいう語は後期中世語では/goi/、現代語では/goia[ng]i/ないし
/goa:i[ng]i/です。前期中世語の「鬼[尸<工]」はむしろ*/goini/の
様な語形だったのでしょうか?
101.鼠曰觜 = ずっと/jui/です。何だか擬声語っぽい感じがすると思いますが、他の言語にも
ネズミの似た様な呼称はありますか?
102.鹿曰鹿 = 漢語です。しかし私は後期中世語の*/nor@G/および/noro/、そして現代語の
/noru/(ノロジカ)の第二音節の部分と何らかの関係があるのではないかと
思ったりします。ちなみにシカ全般は後期中世語では/sas@m/、現代語では
/sasym/といいます。
103.馬曰末 = 後期中世語の/m@r/および現代語の/mar/に当たります。北東アジアの共通の
言葉ですね。
104.乗馬曰轄打 = 何なのでしょう。よく分かりませんが、後期中世語では
「(何かを捕まえて)乗る」ことを/t@(-da)/といい、現代語では/ta(-da)/と
いいます。
105.皮曰渇翅 = 後期中世語の/gac/に当たります。現代語では/gajug/といいますが、この語も
きっと源を辿れば同じ要素を含んでいるでしょう。或いは全く同源といっても
いいかも知れません(*/gajug(V)/
> */gajuh/ > */gajh/ = /gac/). /a/母音を
含むと「皮」の意ですが、母音が/e/に変われば「外側、外面、表面」という意味に
なります(後期中世語/gec/および現代語の/gejug/, /get/参照)。
106.毛曰毛 = 高麗人が「毛」ほど基礎的で身近な物を言い表すために漢語の「毛」を使って
いたというのですか? うそつけ! もっと実用的な資料を作ってくださいよ、
編者さん。。。「毛」じゃ何の役にも立ちませんよ。。。
647 名前:
Jake_USA
:2003/11/11(火) 15:45 ID:c.iY4mZ6
>>629
残念ながら中世語のアレア/@/が/h/の後に来る場合(即ち/h@/)、必ず現代語では
/y/として現れるという規則が成り立ちません。中世語の/h@rg/(土)、/h@i(-da)/(白い)などは
確かに現代語ではそれぞれ/hyrg/, /hyi(-da)/となっていますが、一方中世語の/h@(-da)/(為る、言う)、
/h@i/(太陽、年)、/h@nah/(一つ)などでは現代語がそれぞれ/ha(-da)/, /hai/, /hana/となって
います。声調を以てこれらの/h@/語群の歴史的変遷を規則的に説明できるのでしょうか?
確かに鶏林類事の編者は、漢人であったせいか、声調に敏感で高麗語の声調まで記録しようとしていた
様ですね。
「47.明日曰轄載」について、貴方が/*h@rjei/と再構した様な単語が高麗語にあったとは私も
賛成です。たとえ現代語のどの方言に現れていなくても、「明日」という意味の固有語は必ずあった
はずだと思うのです。しかし、その語源は一体何なのでしょうか。。。「明ける」という意味の現代語
/sa:i(-da)/の古形の活用形の一つと「時」を意味する名詞/jeg/とが合わさったのち、訛って出来た
単語だと仮定しましょうか? 後期中世語には/s@i(-da)/(漏れる)というのがありましたが、この語は
現代語では、「明ける」を意味する/sa:i(-da)/と同一の語形を共有します。その他に/h@i(-da)/(白い)と
いう言葉も中世語にあったもので、「明日」という意味の語を形成する要素としては大いに有り得ると
思います。
たしかに、「春夏秋冬同」や「毛曰毛」などの様に極日常的な単語のところでは高麗語を音写せずに
そのまま漢字で書き写したのかも知れませんね。ただ、こういう例のどれが高麗の吏読書法を反映して
いてどれが実際に漢語をそのまま借用していたということを表しているのか知る由も無いので私たち
研究者は困りますね。編者が「毛曰毛」なんて書くのは高麗の書き言葉じゃなくて実際の口語を知りたい
人に役に立ちません。何て不利な立場の私たち。。。もっと良い資料を残して欲しかったですね!!
高句麗語や百済語についてはなおさらです。
648 名前:
阿木林
:2003/11/11(火) 16:24 ID:HUeScnco
80.漆曰黄漆 /oc(i)/という漢字音をあらわしたもの、という仮説は
さすがに無理がありますよね。古くは/os/だし。
81.菱曰質姑 古語では/mar'oam/または/m@r/には「藻」という
意味があったようです。菱も水中で取れるものですから、これが
語源かもしれません。日本語の「も」とも関係があるのでしょう。
で、肝心の質姑ですが・・・方言形に残っているかも知れませんね。
「姑」は199.魚肉皆曰姑記などのように、/go/に近い音をあらわして
いることは確かですが、「質」の音は確かではありません。
86.鳩曰于雄 漢語ではヤマバトを「鳩」、街中のハトを「鴿」と
いいます。ただ、朝鮮語でヤマバトをなんと言うかわかりません。
89.鵲曰則寄 これもなんだかわかりませんね。日本語の
「さぎ」に近い形にも見えますが・・・「かちがらす」は日本語の
中では新しいもので、豊臣秀吉による朝鮮侵略の後に、
朝鮮から連れ帰ったかささぎが佐賀県などに土着化した
ものを「かちがらす」と読んでいます。もちろん朝鮮語の/gaci/
をそのまま取り入れたものです。
90.鶴曰鶴 朝鮮音では/hag/じゃなかったかしら。。。(笑
日本語の「つる」が外来語であるのはほぼ間違いないでしょう。
気になるのは「つるみ」という地名が日本に幾つかあることです。
95.虎曰監(蒲南切)は、73.栗曰監(舗檻切)と同じ
漢字で違う発音を表していますね。/bem/と/bam/なら同じ
漢字をあてるのは分かるのですが、なぜ/*kam/という発音の
字を使ったのでしょう?そしてわざわざ反切で/p/という唇音で
始まることをアピールしているのはなぜ?
中世漢語では唇音で始まる漢字音については、まっさきに
語末の/-m/が消失した(凡、など)ため、/bem/のような発音を
あらわすことはできません。
そのため、語末に/-m/を持つことを示すためだけにわざわざ
「監」という字をあてたのでしょうか?
649 名前:
阿木林
:2003/11/11(火) 16:54 ID:HUeScnco
96.牛曰焼(去声)とあります。「焼」は陰平声ですから、
恐らくは尻下がりの声調で発音されたのでしょうが・・・
99.犬曰家稀 /hi/を指小辞としても問題はないと思います。
/mar/に対する/mang'aji/という形もありますので、/ng/はただの
つなぎの要素だと思っています。
100.猫曰鬼[尸<工] [尸<工]は恐らく「尼」の異体字でしょう。
チェジュ方言ではコヤンイのことをコネンイと言います。
101.鼠曰觜 /jui/に似た言葉としては、ずばり漢語の「鼠」
でしょうか。北京音ではshu3ですが、古くは/tsh/という子音で
始まっており、福建語では/niautshu/といいます。
ベトナム語でもchuo^tですし、日本語でも/nezumi/です。
周辺言語でも大体近い発音ですから面白いですね。
104.乗馬曰轄打 /oryda/とはさすがに結びつかないですよね。
「轄」は/hyrg/の/hyr/に当たる字ですが・・・
「打」は朝鮮音では/ta/で激音ですが、唐宋音ではさすがに無気音
でしょうね。「轄」が/h-/のような語頭の複子音を表した、という解釈
も難しそうです。
105.皮曰渇翅 これらの例からも分かるように、語末の/-j/と/-c/
は、かなり厳密に区別されているようです。
これらの漢字による記述から、高麗語の声調(アクセント)もかなり
把握することができるようですが、中期朝鮮語のアクセントについて
あまり知識がないので、その情報を役立てることは私には無理です。
650 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/11(火) 17:55 ID:xVi2q..U
>>648
阿木林さん
>日本語の「つる」が外来語であるのはほぼ間違いないでしょう。
私の心づもりと致しましては、一通り『鶏林類事』の話題が終わるまでは
口出しは控える、つーか日本語が絡むものを除けば、朝鮮語のわからない
私には事実上出来ません(苦藁)ので、しばらくROMに徹するつもりだった
のですが、ちょっと一言言わせて下さい。阿木林さんが日本語の「ツル(鶴)」
を朝鮮語と関係がありそうとか日韓の共通語彙の類かもとかせいぜいその
程度で留めず、「外来語」であると言い切られた根拠は何なのでしょうか。
そもそもツルは渡り鳥なのですから、留鳥であるカササギなどとは異なり、
古くから日本にもいた鳥のはずですよね。仮にその根拠が中期朝鮮語に
「turumi」とあり、日本語とよく似ているからというだけでは、日本語のツル
が外来語であるという根拠としてはあまりにも薄弱ではないでしょうか。
それに、古代日本語には「タヅ(田鶴)」という語も存することから、「ツ」こそ
が鶴の古形であると推定されます。残る「ル」も、「カヘル(蛙)」「サル(猿)」
「ホタル(蛍)」「ヒル(蛭)」などの例から、「トリ(鳥)」「カリ(雁)」「アリ(蟻)」の
「リ」同様、動物を表わす語に付く接尾語の類であると解されます。このように、
日本語では少音節語が複合によって多音節語を作り出すのが一般的です。
朝鮮語の方はどうだか知りませんが、むしろ私には多音節語となっている
朝鮮語の方が新しい語形のように思えてならないのですが…。
651 名前:
阿木林
:2003/11/11(火) 19:28 ID:HUeScnco
>>650
ナナシサン
たしかに、「間違いない」という断定的な言い方はふさわしくありません
でした。でも、ナナシサンのカキコの呼び水になったのなら私の失手は
有益なものだったといえますね・・・ご教授ありがとうございます。
朝鮮語の「トゥルミ」は本来「丹頂鶴」を指す言葉であったようです。
日本語の「つる」もそうなのでしょう。
語源ははっきりしません。口を絞った袋(チュモニ)をトゥルジュモニ
というのですが・・・。「たづ」は「つる」の雅称でもあるようですね。
自分としては「つる」と「トゥルミ」が同源である可能性を否定する
要素が見つからないし、日本語から朝鮮語に入ったという可能性
も低いと思ったので「外来語」という言葉を使ってみたのですが、
「−ル、−リ」という接辞が日本語にあるのならば、それは有力な
反証になると思います。
652 名前:
阿木林
:2003/11/11(火) 19:49 ID:QShTALAE
http://mogasen.hp.infoseek.co.jp/lang_study.html
" target=new>
http://mogasen.hp.infoseek.co.jp/lang_study.html
Manju-gisunの語彙集を載せてるページを見つけました。
「鶴」は/bulehen/というそうです。ま、直リンでもいいでしょう。
http://home.kimo.com.tw/manchusoc/
" target=new>
http://home.kimo.com.tw/manchusoc/
ついでに有名なサイト。
653 名前:
Jake_USA
:2003/11/11(火) 20:06 ID:c.iY4mZ6
107.角曰角 = 役に立ちません。が、後期中世語では角のことを/sbyr/といい、
現代語では/bbur/といいますね。
108.龍曰珍 = 他には現れない単語ですね。日本語の「ち(霊)」と同源なのでしょうか?
よく分かりません。「珍」で謎です。脫
109.魚曰水脱 = この語は後期中世語にも現代語にも現れませんが、「水」はそのまま漢語の
「みず」を表す要素と見ています。現代語でも魚の総称は/mur-s-gogi/で、本来
単独でも「魚」の意味を表すことのできる/gogi/に「水」の意味の/mur/が
付加されているのが確認されます。「脱」は恐らく後期中世語の/-ti/および
現代語の/-ci/(魚の種類の名前を形成する形態素)と同源だと思います。
でも「脱」は正確にはどんな音声を音写したのでしょうか? 中世の中国語に
詳しい方、助けてください!
110.[敞/魚]曰[囗<元] = 「[囗<元]」という音写をどう読むべきかよく分かりませんが、少なくとも
後期中世語に現れる/gebub/や現代語の/gebug/(カメ類の総称)とは関係が
無い様に見えますね。
111.蟹曰慨 = 現代語の/ge:i/に同じ。日本語の「カニ」と関係があってもおかしくないと思います。
112.鰒曰必 = 現代語では漢語に由来する/jenbog/(全鰒)を使いますが、後期中世語には/s@i[ng]po/と
いう名称があって、これもまた漢語臭いですね。/s@i[ng]/は「生」の字音に基づくの
でしょうか。前期中世語のこの「鰒曰必」ですが、後期中世語の/s@i[ng]po/の"po"の部分と
同源の言葉を音写するつもりだったのでしょうか?しかしそれにしては母音の違いが
大きいですね(「必」には/o/に近づく様な発音はどの時代にも無かったと思います)。
しかも「必」の語頭子音は"p"の様な有気音じゃなくて無気音の"b"ですよね。考えられるのは
日本語の「アワビ」(あはび)の「ビ」の部分と何らかの関係があるという事ですが。。。
113.螺曰蓋慨 = う〜ん、難しいですね。後期中世語にも現代語にも無い単語です。
「カワニナ」の意味ですから、「川貝」という意味で*/gai-gai/の様な複合語が生まれても
おかしくなかったはずですが、「慨」の字は先ほど書いた通り、朝鮮語の/ge:i/(カニ)を
音写するために使われました。もしかして中国語では「螺」はカワニナの様なカタツムリ・
貝類じゃなくて、カニ類の様な動物を指すのでしょうか? 誰か助けてください。まあ、
カワニナの様な貝類でも高麗人は「川蟹」という様に生物学的に間違った名前で呼んでいたの
かも知れません。
114.蛇曰蛇 = 漢語です。後期中世語では蛇を/b@'iam/, /b@i'iam/などといい、現代の標準語では/ba:im/と
いいます。ちなみに満州語では/meihe/といっていたそうです。私の直感ですが、小動物の名称は
他の部門の語彙よりも日本語・朝鮮語・満州語で共通しているものが多い様です。
115.蝿曰蝿 = また漢語です。後期中世語では/p@r/または/p@ri/といいました。現代語では/pa:ri/といいます。
私は朝鮮語の「蝿」をいう語が日本語の「はへ」と何らかの関係があるのではないかと
思っております。日本語の単語は*/pari-pari/または*/fari-fari/の様な重複語が
簡単化されたものでしょうか?
116.[虫豈]曰螻蟻 = さらに複雑な漢語を持ち出してきましたね。高麗人は本当に「螻蟻」の様な
古い漢語を使っていたのでしょうか。アリのことは後期中世語では
/ga'iami/または/gai'iami/といい、現代語では/ga:imi/といいます。
117.蝨曰[示尸<工] = シラミのことですが、後期中世語では/ni/といい、現代語では/i/と
いいます。前期中世語でも同じく/ni/といっていたのが分かりますね。
654 名前:
Jake_USA
:2003/11/11(火) 20:09 ID:c.iY4mZ6
118.蚤曰批動 = ノミのことは後期中世語では/bierog/, 現代語では/bierug/といいますが、
「批動」も恐らくこれらの語と同源の単語を音写したものだと私は思います。
古くは*/bido[ng]/の様な方言形も存在したのではないでしょうか?
119.[虫幾]曰側根施 = シラミの子や卵をいう語だと思いますが、「側根施」に当たる語は
後期中世語にも現代語にもありません。後期中世語では/hie/といい、
現代語では/sekai/といいます。/hie/や/sekai/は日本語の「シラミ」の
「シラ」と関係があるのでしょうか? 「シラミ」=「白虫」というのは
俗説に過ぎないのかも知れませんね。また「側根施」については「根施」の
部分が後期中世語の/gez'ui/, /ges'ui/, /ge'ui/(ミミズ)および
現代語の/geui/(回虫の様な腸内に寄生する虫の総称)と同源なのではないかと
思います。日本語の「げじ」もこの朝鮮語に由来する可能性はありますか?
120.墓曰[虫乞] = 後期中世語の/gurhe[ng]/および現代語の/gure[ng]/(地面に出来た様な穴)と
同源ではないでしょうか? この音写はちょっと解釈しにくいのですが。
121.人曰人 = これは正直に怒れますね。一番基本的な語彙すら見せてくれないんですね。。。
まあ、後期中世語では/sar@m/といい、現代語では/sa:ram/といいます。これらは
朝鮮語の/sa:r(-da)/(生きる、住むなどの意)から派生した名詞と考えられます。
日本語の「あり(在り、有り)」や「あらひとがみ(現人神)」の「あら」などと
同源ではないでしょうか?
122.主曰主 = これも嫌ですね。しかし後期中世語の/nim/および現代語の/i:m-gym/の"i:m"、
敬称の接尾辞として使われる/-nim/やひょっとしたら現代語の/im/(恋しい人)は
明らかに*/nirim/という様な古形に遡ることが知られています。それは日本書紀などの
古書に現れる朝鮮の国々の人名・地名から判明したのですね。ですから「主曰主」は
まだ許せる範囲かな? いや、ただこの語の場合に限ってラッキーだったんですよね。
ちなみに朝鮮古語の*/nirim/については、日本語の「ぬし」やアイヌ語の/nis-pa/
(主たち)などと同源ではないかと考えております。
123.客曰孫 = 後期中世語および現代語の/son/(お客さん、または単にある家などの特定の場所の主を
訪ねに来たもの)。「手」をいう/son/とはかつて声調を以て区別していました。
ちなみに私は「客」の/son/がもしかして現代語のもう一つの/son/(鬼の一種で、
その日その日の運勢によって人を妨害するもの)と同源ではないかと考えております。
日本語の「おに」もひょっとしたら。。。?? 語源的に「客」=「他人」=「外国人」
=「敵」=「鬼神、怪物、化け物」などの公式は数え切れないほどの語族に見られる
傾向ですから、「客」の/son/と「鬼」の/son/が同源だとしてもおかしくないと思います。
124.命官曰員理 = 何ですか、これは? 漢語に由来するのでしょうか?
125.士曰進 = 後期中世語に現れる/nam-jin/(夫、女の旦那さん)と関係があるのではない
でしょうか。他にこの語の名残らしき物を見つけることが出来ません。
126.吏曰主事 = また漢語ですか?
127.商曰行身 = 漢語っぽい。。。
655 名前:
Jake_USA
:2003/11/11(火) 20:10 ID:c.iY4mZ6
128.工匠曰把指 = 後期中世語の/baji/または複合語では/-baci/、そして現代語の数多くの
複合語に現れる/-baci/と同源ですね。たしか、女真語にも似た様な言葉が
ありましたね。あっ、「匠人」の意味の女真語、*/fashi niyarma/
(*/niyarma/は人の意)(漢字表記では「法失捏兒麻」)でしたね。似ていると
思いませんか?
129.農曰宰把指 = 農民の人をいう語でしょうね。「把指」は前項のものと同源だろうが、「宰」は
一体何なのでしょう。「屠殺する」という意味で漢語の「宰」がそのまま使われているの
でしょうか。そうすると、農耕民ではなくむしろ家畜農民(農牧民)をいう単語だった
はずです。
130.兵曰軍 = 漢語です。
131.僧曰福田 = 私の友達のケイスケ君のことです。(漢語はいいかげんやめてくださいよ!!)
132.尼曰阿尼 = これは後期中世語の頃、既に死語となっていた様ですが、語形は*/ani/の様な
ものだったでしょうね。
133.遊子曰浮浪人 = 漢語です。可愛い言葉ですね。実は現代語にも/bura[ng]ja/(浮浪者)と
いう言葉があります。音の類似から日本語の「ふりゃう(不良)」の意味に
影響を及ぼした可能性はあるのでしょうか?
134.丐曰丐剥 = 後期中世語の/gesvazi/および現代語の/ge:ji/とその指小辞である/ga:ji/.
日本語の「ケチ」の語源となった可能性はありますか?
135.倡曰水作 = 不明です。
136.盗曰案児 = これもまた不明です。
137.倡人之子曰故作 = 「倡」の意味の「水作」と「作」の字を共有していますね。
138.楽工亦曰胡作 = あはは。。。面白い話ですね。
656 名前:
Jake_USA
:2003/11/11(火) 20:12 ID:c.iY4mZ6
139.称我曰能 = 後期中世語および現代語の/na/(一人称)。「能」は主格形である
/na-n/を音写しようとしたのでしょうか? しかし「能」の語末子音は
/n/じゃなくて/[ng]/ですよね。もしかして前期中世語の頃では一人称の
代名詞は/na/じゃなくてむしろ現代語の二人称の代名詞である/ne/の様に
発音されていたため、その主格形の/ne-n/を音写するのに適切な漢字が
見つからなかったのでしょうか。日本語にて古代から一人称と二人称の
代名詞は何度も何度も混同されてきたという事実を思い出しますね。
140.問爾汝誰何曰箇 = 後期中世語の/nu-go/(誰+か)および現代語の/nugu/.
現代語の語形は、もともと助詞だった/-go/が語幹の/nu/(誰)と
融合してしまって、/nugu/となった結果です。しかし現代語でも
主格形は/nu-ga/ですし、俗語として本来の/nu/も残っています。
「箇」という音写からは前期中世語の頃には問いかけの助詞/-go/が
既に確立していたことが分かりますね。しかし、「」の音価は
どんなのでしょう? 後期中世語および現代語の/nu/とは関係が
ないのかも知れませんね。
141.祖曰漢子秘 = 恐らく「漢了秘」の誤記でしょう。後期中世語の/ha-n-abi/
(「大き父」の意で、お爺さんを呼ぶ語)と同源のはずですね。
142.父曰了秘 = 後期中世語の/abi/, /ebi/および現代語の/abi/という俗語。
現代語では普通、父のことを/abeji/といいます。敬称は
後期中世語においては/aba-nim/で、現代語では/abe-nim/のほか、
数々の漢語を用いています。
143.母曰了彌 = 後期中世語の/emi/. 現代語ではこの語は人間の母についていうのは
かなり下品で、普通、人間以外の動物の母親に限っていいます。現代語では
母のことを/emeni/といいます。/emeni/は「お母様」という様な敬称である
後期中世語/ema-nim/, 現代語/eme-nim/の訛った結果の語形です。
657 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/11(火) 20:23 ID:BBN/iC5.
>>651
阿木林さん
今回のケースで「外来語」と言った場合は、日本語が朝鮮語の語彙を
借用したという意味としか受け取れません。日本語「ツル(鶴)」と朝鮮語
「turumi(鶴)」が同源であるという可能性は私も否定するつもりはあり
ませんが、仮に同源であったとしても、それは借用という関係ではなく、
日韓両語の共通語彙と見なすべきでしょう。
>>651
は、私の方もちょっと過敏に反応し過ぎたかも知れませんね。
何せ日本語と朝鮮語でちょっとでも似た語彙があると、常に日本語が
朝鮮語を借用したという流れでしか受け取ろうとしない輩がやたらと
多いものですから…。しかも、そういう輩に限って、日本語は朝鮮語
から分かれた言語だと主張したがるので、正直何をどうしたいのか
私にはもうわけがわかりませんや(苦笑)。そもそも、言語に本家も
分家もありはしませんし、朝鮮語と共通点のある日本語の語彙が皆
朝鮮語からの借用語扱いになるなら、朝鮮語とその朝鮮語から語彙
を借用する以前の日本語が言語的に同系であることを証明するもの
は何もなくなってしまうでしょうにねぇ。
658 名前:
Jake_USA
:2003/11/11(火) 20:43 ID:c.iY4mZ6
あのう、プチ訂正ですが。。。朝鮮語の/son/は(鬼の一種で、その日その日の
運勢によって人を妨害するもの)と書きましたが、実は「鬼の一種で、その日その日の
運勢に応じて人を妨害するもの」と書いたら意味がもっと伝わったのでしょうね。
「よって」じゃなくて「応じて」ね。(^^; うぅ。。。例えば、ある日がある人に
とって凶日だったら、ソン様が訪れてきちゃいます、という様な俗信だと思います。
その人にとって吉日だったら、もちろんソン様に遭わなくても良いわけですが。
659 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/11(火) 22:04 ID:BBN/iC5.
ついでだから、Jake_USA さんにもちとお尋ねしておこうっと。Jake_USA さん
がどうやって中期朝鮮語を勉強されたのかは
>>553
の書き込みで大体わかり
ましたが、古代日本語の方は主に何を使って調べておられますか。これまで
のJake_USA さんの書き込みを拝見する限り、かなり高いレベルの参考書・
辞書類を使っておられるご様子。もしそれが私の知っているものでしたら、
日本語史に関する通説的な知識や専門用語などについて、今後ここで
いちいち説明しなくても済みますからねぇ。
さてお尋ねだけでは何なので、お役立ち情報を一つ。
>>628
で阿木林さん
も簡単に説明されていますが、「かちゅ〜しゃ」というソフトについて私も少々
解説をば。「かちゅ〜しゃ」は2ちゃんねる型のスレッド式掲示板専用閲覧
ソフトです。2ちゃんねるは日本最大級の掲示板ですが、通常のブラウザ
(IE等)ではやや閲覧しづらいため、専用の閲覧ソフトが開発されました。
このソフトの最大の利点は、ログをパソコンのHD内に保存してくれるという
点です。Jake_USA さんのネット環境にもよりますが、常時接続でないか
またはモバイルで使用する機会が多いということでしたら、オフラインで
いつでもログを参照出来るというのは大変便利なはずです。ここハングル
総督府は2ちゃんねるの一部ではないのですが、2ちゃんねる型の掲示板
ですので、同じソフトを使用可能です。この機会にぜひ導入されてはいかが
でしょうか。導入の仕方は、
http://kage.monazilla.org/katsetup.exe?v=0.05&n=katsetup.exe
" target=new>
http://kage.monazilla.org/katsetup.exe?v=0.05&n=katsetup.exe
をダウンロードして実行し、しかる後にそのフォルダ内に
http://hima2908.hp.infoseek.co.jp/katjusha2003-11-07.lzh
" target=new>
http://hima2908.hp.infoseek.co.jp/katjusha2003-11-07.lzh
の中の「2channel.brd」を上書きコピーするだけです。かちゅ〜しゃの起動は
「kage.exe」を実行すればOK。ここハングル総督府は起動画面の左端にある
タブのうち、「みにふろ」と名付けられたタブの中にあります。そこをクリックす
ればスレッドの一覧が自動的に画面上部に読み込まれますので、閲覧したい
スレッドをクリックすればログの読み込みが始まります。後はログを保存する
モードにする(フロッピーディスクの形をしたアイコンをクリックして灰色から
青色にすればOK)ことさえ忘れなければ大丈夫でしょう。中々便利ですよ。
660 名前:
Jake_USA
:2003/11/11(火) 22:22 ID:c.iY4mZ6
今調べたところによりますと、女真語ではお寺のことを*/taira/(漢字表記では
「太乙剌」)といっていたそうですが、これこそ古代の日本語の「てら」と直接に
結び付くのではないでしょうか? 後期中世朝鮮語に現れる語形は/dier/でしたけど。
661 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/11(火) 22:53 ID:t6YV9U2Q
>>652
満洲語ならこちらの満英辞典もどうぞ。
ttp://web.archive.org/web/*/msnhomepages.talkcity.com/IvyHall/anzhu/manchu_dictionary.htm
現在はどこかに逝ってしまったサイトですが、
archive.orgに残っています。
662 名前:
tenpura ◆UMAIu01k
:2003/11/12(水) 00:20 ID:ycwCH1Cc
>>658
(余談)
「さん」と読むのかと一瞬思ってしまった……チョブ
663 名前:
Jake_USA
:2003/11/12(水) 07:50 ID:v0p3zaJs
>>650の娜々志娑无
>朝鮮語の方はどうだか知りませんが、むしろ私には多音節語となっている
>朝鮮語の方が新しい語形のように思えてならないのですが…。
まさにその通りですね。どちらかというと、朝鮮語よりも日本語の方が語彙が古いです。というのは、
日本語の方が大昔の語形をより良く保存していると言えるのです。それは8世紀の頃の日本の
古書に現れる日本語は現代の日本語とさほど語彙の形が異なっていないのに対して、
朝鮮語の語彙の語形が中世語と現代語とでは大きく異なっていることが多い(わずか300年ぐらいの
間で分からなくなってしまうほど激しく変化しています)という事実を照らし合わせれば、
容易に納得できるのでしょうね。
例: 「星」を意味する日本語・朝鮮語・女真語・満州語
日本語 /hosi/ (古代日本語*/posi/ないし*/fosi/)
朝鮮語 /bie:r/
女真語 */oshiha/ (漢字表記では「斡失哈」)
満州語 /usiha/
女真語と満州語の近縁関係は一目瞭然でしょう。それに、女真語と満州語の語形に
現れる"ha"の部分は、もしかして古代史書に見える「加」という敬称語尾と同源なのでは
ないでしょうか? すなわち女真族や満州族は「星」のことを「お星様」の様に呼んでいたのだと
思います。
しかし女真語でも大金文字(女真文字)の「星」を意味する字は
*/oshi/(漢字表記では「斡失」)と呼ばれていました。この様に、祖語がひどく訛った結果
生じたと思われる女真・満州語や朝鮮語でも、たまに古形に近い形の言葉が残っていて、
私たちは辛うじてこれらの古形を幾つか確認することが出来るのです。
朝鮮語は、西欧の言語にたとえれば、フランス語の様なものでしょう。かなり訛っていて
大昔の語形を見出すことが困難の極まりとなっています。一方、日本語はスペイン語とイタリア語の
様なもので、非常に古い語形を今もほとんど保っている様に見えるのです。女真語などの
ツングース諸語は、どちらかというとルーマニア語の様なもので、遠くかけ離れている場所で
話されていて他の近縁の言語(朝鮮語や日本語など)とは別に成長してきたものの、その語形は
大抵、フランス語似の朝鮮語よりも古い語形をより良く残している日本語に似ていると言えそうです。
まさか日本語が満州から日本列島に入ってきたとなんて仮定しなくても良いのです。ただ満州と
日本の間にある朝鮮の人々の言語がグチャグチャになるほど崩れてしまった、と考える方が妥当だと
思います。
664 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/12(水) 08:05 ID:eFzGob6A
満洲側と列島側を取り残した上での半島言語の「崩れ」(よくいえば急激な進化)は
中世におこったことでなく
3世紀にすでにそういう傾向があったと思われ。
やはり真番郡の漢人の中国語の影響が大きかったかと。
665 名前:
Jake_USA
:2003/11/12(水) 09:57 ID:v0p3zaJs
664>>
勿論、現代朝鮮語と現代日本語とが似つかないのは、古代(貴方のおっしゃる
3世紀の頃、3世紀というのは正確ではないですがとりあえずそのぐらい古い時代ということに
しておきましょう)に起こった朝鮮半島の言語の急激な変化に因りますね。しかし、朝鮮語では
その古代に一時的に起こった変化だけが理由とは言えないと思いますよ。朝鮮語は他の周辺の言語に
比べて、速く・激しく・何が何だか解らなくなってしまうほど語形が変化する傾向にあります。
その傾向は、古代からずっと現代語に至るまで続いている現象だ、と解釈した方が良いと思います。
後期中世語の/gesvazi/(乞食)が現代語の/ge:ji/, /ga:ji/になってしまうほどですよ。正直言って、
言語学者の私でさえ朝鮮語の語形変化の具合を見ると呆れてしまいます。フランス語よりもヒドいのかも
知れません。朝鮮の古語を再構するに当たった者はかなり苦労するはずだと思います。憐れんであげましょう。。。
666 名前:
阿木林
:2003/11/12(水) 10:39 ID:Y.smlHks
なんかJakeさんに甘えっぱなしで本当に申し訳ないです。
108.龍曰珍 ずばり、満洲語の/miduri/につながる語形だと
思うのですが、/jin/とはあまりに結びつかないですねw
日本語には「みづち」がありますが、これは「みづ+ち」という
複合語でしょうか?
109.魚曰水脱(剔曰切) 「脱」の発音は、剔曰切とありますから
/*t'oat/のようなものだったろうと思います。もし(剔日切)なら、
/*t'iet/として、魚の要素である/-ti/と近いのですが・・・
ここで「水」を訓読としてしまうと、他の部分でも訓読を取り入れない
といけなくなりますねぇ。。。
ちなみに現代朝鮮語では「かつお」のことを/murci/といいます。
110.[敞/魚]曰[囗<元] [敞/魚]は「すっぽん」です。
[囗<元]は円の俗字ですね。
現代語では/jara/ですが、気になるのは中国語の方言でも
「円魚」ということ。日本でも「まる」と呼びますし。
113.螺曰蓋慨 螺は現代でいう/sora/で、日本語のサザエ
にもタニシにも使うことばであるはずです。
/jogai/(貝)と関係がある言葉でしょう。/jagai/(青貝)などにも
/gai/が現れますから、古くは/gai/一つで貝を意味したのでしょう。
方言形で/jogabi/というものがありますから、/gabi/という古形が
想定できますし、そうすると日本語の「かひ」と直接結びつくのでは
ないでしょうか。
これまでに何度か考察のあった/gai/「浦、川?」という言葉ですが、
現代標準語でも「潟」という意味があります。浦とは意味も近いです
から、標準語で必ずしも死語になったわけではないようです。
667 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/12(水) 11:03 ID:.5POf6lE
>>666
阿木林さん
獣の数字ゲットおめ。
>ここで「水」を訓読としてしまうと、他の部分でも訓読を取り入れない
>といけなくなりますねぇ。。。
専門外の人間の感想ですが、『鶏林類事』に関しては吏読や訓読字の
ような半島独自の表記は考慮しなくてもよい、いなむしろ考慮すべきでは
ないのではないでしょうか。何せ筆者の孫穆自身が高麗語を「方言」と
記しているわけですから、筆者の捉え方としては、高麗語はあくまでも
中国の一方言でしかなかったと思われます。だからこそ不自然なくらいに
漢語を取り入れて、少しでも高麗語と漢語との共通点を示したかったので
しょう。『鶏林類事』所収の高麗語彙の中で漢語として現われているものに
ついては、実際に完全に漢語に置き換わっていたものもある程度あったで
しょうが、多くは固有語が別個に存していた可能性が高いように思われます。
668 名前:
阿木林
:2003/11/12(水) 11:23 ID:Y.smlHks
114.蛇曰蛇 187.洗手曰遜時蛇や、204.飲酒曰酥孛麻蛇などに
「蛇」が現れるところをみると、/si/に近い発音だったのでしょう。
116.[虫豈]曰螻蟻 字面通りに解釈すると螻蟻はケラとアリです。
漢語ではこれをセットにして「とるにたらない虫けら」という意味があり、
けだし文章語と見るべきでしょう。
119.[虫幾]曰側根施 「則」ではなく、「側」で記されています。
[虫幾]は仰るとおり、しらみの卵ですね。「根」は、355.大曰黒根
356.小曰胡根などに現れるように、形容詞に関係する要素かも
しれません。施/si/が「種」(/ssi/、中世語で/bsi/という意味を
持つかもしれません。356.小曰胡根が「小曰側根」なら、
「小さな種」として再構できるのですが・・・
123.客曰孫 183.手曰遜とは、孫(平声)、遜(上声)のように
声調が区別されているようです。現代語ではこの二つの言葉
はどちらも短母音ですが、声調の区別はあったのでしょうか・・・
124.命官曰員理 漢語の命官は「官を命ずる」という動詞のほかに、
「命じられた官」という名詞もあります。朝廷から派遣された官吏という
程度の意味です。「理」は「吏」が正しいかもしれません。
125.士曰進 「進士」という漢語に由来しているというのは穿ちすぎ
でしょうか・・?
129.農曰宰把指 宰把指で「宰を作る/する者」という意味ですね。
宰が農業を意味しているのは間違いないとして、/sa'ym/(小作人)
などと関係ある言葉でしょうか。
131.僧曰福田 仏教では衆生を田になぞらえて、敬田とか恩田
とか悲田とかいうように表現します。福田は「福のある田」という
程度の意味ですが、こんな言葉が用いられていたんですねぇ。
134.丐曰丐剥 朝鮮語の/geji/が、日本語の「こじき」に転じた
可能性はあるでしょうか?「食を乞う」で一応意味は通っているの
ですが。
135.倡曰水作 倡は「唱」に通じるので、歌い手という程度の意味
ではないかと思います。僕は暗に「娼」という意味が込められている
のではないかと思いますが。
136.盗曰案児 /dodog/という現代語とは関係なさそうですね。
138.楽工亦曰故作(多倡人子為之) 「胡」ではなく「故」です。
もしかすると現代語の/goja/(鼓者。インポテンツの意味)に通じて
いるのではないでしょうか。
669 名前:
阿木林
:2003/11/12(水) 11:40 ID:Y.smlHks
139.称我曰能(奴台切) とあるので、/nyng/ではなく/nai/
という発音であったようです。中国の江南方言では「能」を
/nei/のように発音するところもありますから(確か温州あたり)
そのあたりのご出身かもしれませんね。
これは主格の/-i/がついた形でしょうか?
>>667
「方言」という言葉については、今の「方言」とはニュアンスが
異なります。かの訓民正音でも自国語を「方言」と呼んでおり、
「地方の言葉」という程度の意味です(語源的には「方」は
異民族を意味するらしいですが)。
ただ、筆者の高麗語に対するとらえ方については、禿るほど
同意です。この資料は間違いなく支配階級の言語を記述した
ものであり、実際の支配階級の会話も漢語が飛び交うもの
だったと想像しています。
670 名前:
阿木林
:2003/11/12(水) 11:46 ID:Y.smlHks
補遺。
「宰パジ」の「宰」が、「栽」という漢語だったりして。
「水作」は「酬酌」(さかずきを酌み交わす)や、「豎子」(青二才)
という漢語を、意味ではなく音を書き取ったものだったり
するかもしれません。
「コジャ」についても、「鼓者」でもともと樂工を意味していたのに、
宦官の意味に転じて、現代ではインポテンシャルな人を意味する
ようになったのではないか。
だんだんトンデモ言語学になってきましたがw
671 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/12(水) 14:03 ID:bTg/1/5E
>>665
なんで朝鮮語はそんなに変化が早いのですか?あなたの考えは?
672 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/12(水) 14:11 ID:bTg/1/5E
>>665
3世紀といったのは「3世紀に“すでに”半島語は満洲側と列島側とを
取り残して独自に早い変化をはじめていた」といったのであって、
その変化が3世紀からはじまった、とはいってませんよ。
(レスの中では真番郡のことをだしていますが。真番郡ってなんのことだかご存じない?)
673 名前:
阿木林
:2003/11/12(水) 14:34 ID:Y.smlHks
まぁまぁ。3世紀頃というと、漢が置いていた楽浪郡などが
高句麗に滅ぼされるちょっと前の時期ですね。
正確にいえば、高句麗語や新羅語、百済語などが形成されていった
時期ということになるのでしょうか。
人的移動が盛んな中央部ほど言語の変化がはげしく、周圏部に
古い言葉が残りやすい、というのは柳田國男の有名な「言語周圏論」
で、とても妥当な考え方だと思うのですが、なんにでもこれを適用して
しまうと、遠いところにある言語ほど近い、という変な結論がでてしまうw
いずれにせよ、朝鮮半島の言語が特殊である理由が、かなり古い
時代に漢語の影響を強く受けたため、という謝罪汁さんの考え方は
僕も賛成です。広義の「シナ語」に朝鮮語を含められないか、という
仮説を以前本気で考えていたことがあります。
674 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/12(水) 15:49 ID:goYcW1G6
こっちにも一応宣伝しておく。
ハングル板総督府にとって切実な資料をアップロードした。
約330KB
http://68.209.118.21/upload.php?act=dl&file=U2hpcnlvLnppcA==
" target=new>
http://68.209.118.21/upload.php?act=dl&file=U2hpcnlvLnppcA==
かなり重いがDLしておくことをお勧めしておく。
675 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/12(水) 16:01 ID:bTg/1/5E
ちょいと電波説。
フランス語って、ゲルマン語とラテン語がかさなったあたりで、
やってきたゲルマン人がゲルマン語を捨ててラテン語になったんでしょうか?
半島は先住民語の上に中国語を話す連中が大量に入ってきたと。
まったく別の言語が急速に混淆すると、ベースになる母語の語感によるイメージ連想が壊れて
言語全体の安定感を失ってしまい、その結果、単語の変化や交代が加速するのでは?
英語は、フランス語より変化が遅いんですかね?
676 名前:
阿木林
:2003/11/12(水) 17:21 ID:rwr3JJRw
>>675
フランス語の成立史については詳しい人がいると思いますが、
最も古い基層にはケルト(+バスク?)がいて、さらにゲルマン系の
ゴート人が流入しつつ、ラテン語を吸収していったというところでは
ないでしょうか。なお、「フランス語」は言語学ではオイル語フランシアン
方言という言葉だそうで、南部のオック語とはかなり異なる言語です。
韓半島の場合はというと、もともといた民族の素性がいまいちはっきり
しないという問題がありますが、「三韓」の言語はいまの朝鮮語の先祖に
あたるものであると考えて差し支えないでしょうし、高句麗語はツングース
に近いものと考えるのが一般的です。ワイやハクもしかり。
>まったく別の言語が急速に混淆すると、ベースになる母語の語感によるイメージ連想が壊れて
>言語全体の安定感を失ってしまい、その結果、単語の変化や交代が加速するのでは?
通常、言語が混交する場合には基層言語の韻律や文法に
縛られつつ上層言語を受け入れる、というパターンが多いと思います。
それにより、たとえばピジンイングリッシュのようなものが生まれる。
発音がまったく異なる言葉になることも少なくありません。
/s/を持たないハワイ語ではクリスマスをカリキマカというそうです。
>英語は、フランス語より変化が遅いんですかね?
うーん。どうでしょう。「言語の変化のスピード」を比較するのは、
異なる言語同士ではなかなか難しいことだと思います。
英語において「大母音推移」のような現象が生じた理由がなんであるかは、
私は寡聞にして知りません。
677 名前:
Jake_USA
:2003/11/12(水) 17:28 ID:v0p3zaJs
あっ、私、大変な間違いをしてしまいましたね。。。「螺」はカワニナじゃなくて、
ニシやサザエのことを指すんですね。ご指摘ありがとうございます。でも、カワニナも
ニシやサザエと同じ様な巻貝ですから、似ているといえば全部似たモノ同士ですね。
肝心なところは、鶏林類事に書いてある「螺曰蓋慨」の「螺」が淡水性の巻貝(カワニナ、
ニシなど)を表したのか、それとも海水性の巻貝(サザエなど)を表したのか、というところ
ですね。後者の場合は、*/gai-gai/(浦貝、潟貝)の様な名称があったとしてもおかしくない
でしょう。しかし、もう一つ気になる問題は、「慨」の字が朝鮮語の/ge:i/「カニ」に当たる
前期中世語を音写するためにも使われているところです。「貝」を意味する要素の*/gai/は
二重母音の単一母音化が起こるまで一貫して*/gai/や*/gabi/の様な語形で、第一母音は*/a/の
様な音だったはずです。しかし「カニ」を意味する朝鮮語は今/ge:i/で、日本語の「カニ」と
同源の可能性が高いものの、いつの時代に第一母音が*/a/の様な音から/e/に変わったのか、どういう
理由でその変化が起こったのか(前舌母音同化?)などはっきりしていないから、難しいんですねえ。
そして貴方の挙げた/so:ra/ですが、この語はまさにややこしいものです。後期中世語では/gora/や
/b@ra/の様な語形もあって、その貝殻を楽器としていう語には漢語らしき/bebra/(「法螺」、発音は[bemna])、
/ba:ra/や/ragag/(「螺角」、ハングルつづり及び発音は[nagak])などもあります。どれが日本語の
「ホラ」と同源で、どれが直接「法螺」から来ていて、そしてどういう経緯で朝鮮語の/gora/や/so:ra/などの
語形が生じたのかはっきりさせるのは至難の技であろう。
110.[敞/魚]曰[囗<元] : ご解説ありがとうございます。[囗<元] は「円」の俗字だったの
ですね。中国の方言でスッポンのことを「円魚」というとおっしゃっていましたが、それはどの
地域で話されている方言なのでしょうか? たしかに気になりますね。
109.魚曰水脱(剔曰切): 鶏林類事の頃の中国語なら「脱」の字音は*/toat/じゃなくて
既に*/toa/の様な音になっていたのではないでしょうか? 後期中世語の/-ti/(魚を表す要素)は
前期中世語では/toai/または/tui/の様な発音だったのかも知れませんね。ちなみに私は「水」の字を
訓読すべしなどとは言っておらず、ただそのまま「みず」の意味を表す要素だったのではないかなあと
思っているのです。音読字としてね。前期中世語には*/su-toai/ないし*/sui-toai/または*/su-tui/ないし
*/sui-tui/の様な単語があったと仮定しております。
108.龍曰珍: 古く日本語には「みつち」または「みづち」という単語があって、それは
一種の邪悪な水竜(もちろん想像上の動物ですが)をいう呼称だったそうです。この日本語の「ち」なら
前期中世朝鮮語の「龍曰珍」の「珍」と結び付く可能性はあると思いますが、満州語の/miduri/(私の
使用している資料では/muduri/となっていますが、方言の差なのでしょう)はいったいどうなのでしょうかね。
女真語では竜のことを*/mudur/(漢字表記「木杜兒」)といっていたそうですが、これは満州語の/miduri/・
/muduri/と直接的な関係があるはずです。日本語の「ち」や高麗語(前期中世朝鮮語)の「珍」(*/jin/?)とは
なかなか結び付かないと思いますねえ。しかし、まず女真語・満州語の/r/の由来をつきとめる必要がありますね。
ツングース語派に詳しい方に助けを願えるのでしょうか? 女真語・満州語の/r/音について歴史的音韻学説を
お願いします!
678 名前:
Jake_USA
:2003/11/12(水) 17:46 ID:v0p3zaJs
補足: 後期中世朝鮮語には/miry/という語があって、これも竜の呼称でした。
女真語の*/mudur/と満州語の/miduri/, /muduri/と似ていますね。
679 名前:
阿木林
:2003/11/12(水) 18:44 ID:rwr3JJRw
>>677
中国語の螺に淡水と海水の区別は基本的にありませんから、
どちらともとれます。/ei/と/ai/はしばしば混同されていますから、
それほど問題にはならないと思います。
しかしソラとホラが近い言葉とは気づかなかった・・・
/*gai-gai/は「巻き貝」という意味かもしれませんね。
スッポンを円魚というのは北方中国語に広く見られると思いますが、
直接耳にしたのは東北地方の朝鮮族からです。
ただ、彼はカメとスッポンの区別ができないようでしたが。
当時のシナ語では、少なくとも筆者の発音では/-t/のような
音節末子音はまだ残っていたと思われます。
馬曰末、などもその傍証だと思います。
/miduri/は私の勘違いみたいですね。/muduri/が正しいです。
すみませんでした。
女真語の/r/の由来を調べるといっても、女真語より古い言語の
資料がほとんど皆無ですから、難しいですねぇ・・・
発音的には「はじき音」ですから、朝鮮語や日本語のそれと
ほとんど変わらないはずですが。
なお、女真語の木杜兒の「兒」も、当時の発音では/ri/に近い
ものであったと思います。
680 名前:
Jake_USA
:2003/11/12(水) 20:08 ID:v0p3zaJs
>>81.菱曰質姑
たしかにこの語は面白いですね。どう読むべきかは私もよく分かりませんが、
後期中世語および現代語のヒシをいう単語とは全く関係がありませんね。後期中世語の
/mar'oam/のち/maram/および現代語の/marym/は現代語の/ma:r/(藻)とは似ているけれども、
後者は中世語では/m@r/だったという事実に注意しましょうね。/mar'oam/の"'oam"は恐らく
現代語の/ba:m/(栗)と同源だと思いますが、残る*/mar/は一体どういう意味の要素でしょうか?
もしかするとこの*/mar/こそ、本来の朝鮮語の「ヒシ(菱)」をいう語なのではないかと
思います。
そして今までこのメッセージに返事しなくて悪かったですが、今から返事致します:
>>557 名前:名無しさんは謝罪汁 [2003/11/04(火) 09:54 ID:Ln.bLjsc]
>>貝(かひ)と食(くふ)とか?
日本語の「かひ(貝)」と朝鮮語の*/gai/, */gabi/(貝)という要素ももともと
「かふ(交ふ)」という動詞から派生したのかも知れません。日本語の「くふ(食う)」とは
直接の関係は無い様に見えます。むしろ、「かひ(貝)」は日本語の「かは(川)」や
「かひ(峡谷)」などと同源の言葉でしょう。実際、古い日本語の「かひ(貝)」の用例を見ると、
基本的には動物自体よりもその二枚の板状の物が合わさって成る貝殻のことを意味した様です。
(貝の殻は「交ひてある」と言えるのではないでしょうか?笑) 朝鮮語の*/gai/, */gabi/という
要素も、主に細工の素材として捉える「貝」を指していた様です。一方、日本語では巻貝のことを
もともと「かひ(貝)」と区別して「つび」、「つぶ」、「つみ」などと呼んでいた様です。
すなわち、「かひ(貝)」という言葉は恐らく、古くは牡蠣のように二つの板から成っている、
いわゆる「二枚貝」のことしか指すことができなかったのでしょう。
「かひ(貝)」のかつての用法について:
古い諺、慣用句や複合語を見ても「かひ」の「二枚貝の貝殻」という意味合いが
濃かった事が確認できます:
「あはびの かひの かたおもひ」
「かひを つくる」 = べそをかく、拗ねた様な顔をして口もとをゆがめる
「かひあはせ」(国語辞典をひいてみてください)
他に「かひざいく」(貝細工)の様な単語も現存しますね。
「かひ」がいつから巻貝などをも指すようになったのかは私は知りませんが、
恐らく「かひ」が「二枚貝」だけじゃなくて素材としての「貝殻」を意味するように
なった後、「ほらのかひ」の様な言い方が生じて、これは当時、楽器として使われる
「法螺の貝殻」を指す言葉だったと思います。大体の事の成り行きは解っていただけた
でしょうか。
681 名前:
Jake_USA
:2003/11/12(水) 20:24 ID:v0p3zaJs
ちなみに「かひ」は英語の「shell」と同様、卵の殻をも指すようになり、
事の果て卵自体までも意味の範囲に含んでしまいました。まるごとの卵を
意味する時は普通、「かひご」(<*「かひのこ」、すなわちshellの中の子か?)と
いっていた様ですが。「かひ」は万葉集が出来る頃には既にこんなに意味が
広かったみたいですよ。もちろん、私が上述した語源説がお気に入らなかったら、
「かひ(貝、殻、卵など)」が「かは(皮)」と同源だという説を作ってみてください。
682 名前:
Jake_USA
:2003/11/12(水) 20:28 ID:v0p3zaJs
ん〜、というより、「かひ(貝など)」が「かは(皮)」と同源だという説を
作ってみたらどうなるのでしょう、と言いたかったのです(苦笑
683 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/12(水) 20:53 ID:7NSqIRdM
>>676
>高句麗語はツングース に近いものと考えるのが一般的です。ワイやハクもしかり。
どうにも承服しがたい感じがしますが、その場合の「一般的」の意味は?
たしかに古くは(戦前は)たいした検討もなく高句麗をツングース族とする見解が
ある意味「一般的」だったことは認めますが、
三国史記を丸のみした古典的(?)見解(=高句麗を朝鮮人国家とする説)よりは、
いくらか学問的な態度にみえるという程度の理由ではなかったのかと邪推しています。
>通常、言語が混交する場合には基層言語の韻律や文法に
>縛られつつ上層言語を受け入れる、というパターンが多いと思います。
>発音がまったく異なる言葉になることも少なくありません。
その場合、かつての母語がもっていた皮膚感覚というか語感が失われてしまうわけですよね?
684 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/12(水) 22:44 ID:.5POf6lE
>>680-682
Jake_USA さん
日本語学は私の領分ですから存分に物を言わせてもらいます。
「カヒ(貝)」が「クフ(食)」と関係ないという点は私も賛成。しかし、
「カフ(交)」と同源であるかどうかとなると、かなり微妙です。成る程、
二枚貝が口を閉じている様はまさにも殻をカ(交)ヒている状態です
から、両者を結び付けたくなる気持ちもよくわかるのですが、何しろ
両者はアクセントが合わないという問題点があります。「カヒ(貝)」
は平安後期に低低型と低く始まる語であるのに対し、「カフ(交)」は
高低型と高く始まる語です。古代日本語は複合語や派生語を作る
時にもとの語の高起・低起の式を保存するという法則があります
(別名:金田一法則)ので、両語は同源とは考えづらいのです。
また、「カヒ(貝)」が本来二枚貝を指す語だったというのも、用例
に照らして見ると必ずしもそうとばかりは言えません。アワビは生物
学的には巻貝ですが、日本では二枚貝の類と見なされていたよう
ですから別にしても、古代日本語に「カヒブエ(貝笛)」という語が
見え、これは明らかに法螺貝を指しています。法螺貝は巻貝です
よね。それに、貴方が巻貝の総称とされた「ツビ(螺)」という語は、
奈良時代の用例こそないものの、平安初期には既に登場している
古い語ですが、巻貝という意味でも使われているけれども、同時に
「ハマグリ(蛤)」の意で使用された用例もあり、必ずしも巻貝限定
とは言えません。確実に巻貝の総称と言えるのは「ミナ(蜷)」の方
でしょう。
そんだこんだで、私はむしろ「カヒ(貝)」と同源なのは「カフ(交)」
の方ではなく、「カヒゴ(卵)」であると考えています。この辺りは私も
Jake_USA さんと同意見です。貝と卵の形態から案ずるに、「カヒ」
は本来は「殻」という意味だったのでしょう。アクセントも、「カヒゴ(卵)」
は平安後期低低低型ですから、「カヒ(貝)」と一致します。 更に
言えば、Jake_USA さんはこれらの語と「カハ(皮)」を語源的に結び
付けておられるわけですが、これにも私は同意します。皮は形態的
にも殻に通じるものですし、アクセントも平安後期低低型ですから、
「カヒ(貝)」「カヒゴ(卵)」と一致しており、金田一法則に抵触しません
からねぇ。
ただ、Jake_USA さんは貝から殻、卵という順に意味が変化したと
捉えておられるようですが、これについては私は同意しかねます。
私はむしろ「カハ(皮)」こそがこれらの一連の語彙の中では最も古い
語であって、それに名詞形成要素iが接続し、母音連続を嫌って先行
母音aが脱落することによって「カヒ」という語形が生じ、意味の方も
皮の特殊な形態である殻の意から、貝殻、更には貝自身を指すよう
に変化していったと捉えるべきだと思っています。意味の変遷という
点からも、音韻変化の点からも、こちらの方がずっと自然だと思うの
ですが、いかが。
685 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 07:38 ID:yozb9Shw
>>684のななしさん
ん〜、なるほど、カヒ(貝)はアクセント的にはカハ(皮)の方と似ているのですか。
まあ、アクセントは意味の類似によってcontaminate(フォークエティモロジーなどによって
汚染=影響?されてしまう)する可能性も高いし、私はアクセントよりも音素(segments)を
はるかに重視すべきだと思いますが、とりあえずカハ(皮)もカヒ(貝、卵)と意味的に
結び付けるすべがあるからアクセントのデータに従ってカハ(皮)とカヒ(貝、卵)の方が
同源だと仮定しておきましょうね。でも日本語はあくまでも声調言語ではないからアクセントは
第二次に考慮すべきものだと思います。実際、現代標準語でさえも、ある一つの単語につき
アクセントの付け方が複数に存在する例は少なくありませんよね。
ちなみに、意味の方から見ても、カヒはもともとの語源がどうであれ「二枚貝」という意味合いが
強かったと思いますよ。「さざえの つぼやき」などという様に、古くから二枚貝じゃない貝類を
指す時には「かひ」以外の何らかの単語が使われていたことも多かったと思います。
「つび」、「つぶ」、「つみ」などは「螺」(阿木林さんはこの字が中国語では「巻貝」を意味するとおっしゃいましたが)
という漢字を以て書き表されていたし、これらの単語は「さざえの つぼやき」に見える「つぼ」とも
類似していますし、巻貝である「カタツムリ」も同じく「つむり」という要素を含んでいますね。明らかに
「つぶ」「つむ」という要素は主に「丸っこい物(たとえば巻貝」について使われたのに対して、「かひ」は
主に二枚貝、或いは生物学的には巻貝なのに殻の口があまりにも広くてわりと扁平な殻を持っているせいで
「一枚の殻しか無い、さみしい二枚貝」の様に考えられていたアワビのことを指していた様に私は思います。
しかし、「カヒ(貝)」のもともとの語源がどちらだったとしても、「交ふ」の連用形との類似や、「カハ(皮)」などとの
類似から意味が混同された可能性は大いに有り得ると思います。言語は派生した時(一旦の「語源」をもつ時点)の後も
定まらずに常に生きていて変化しているモノですからね。まあ、化石化したモノもたまに確認されますが、それらは普通
死語となってしまう危機に立たされている場合が多いと思います。
686 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 08:37 ID:yozb9Shw
>>104.乗馬曰轄打 /oryda/とはさすがに結びつかないですよね。
>>「轄」は/hyrg/の/hyr/に当たる字ですが・・・
>>「打」は朝鮮音では/ta/で激音ですが、唐宋音ではさすがに無気音
>>でしょうね。「轄」が/h-/のような語頭の複子音を表した、という解釈
>>も難しそうです。
非常に面白い所に気付かせてくださいましたね。「土」をいう語は「轄希」と
音写されていますが、この語は現代語でこそ/hyrg/となるものの、後期中世語では
/h@rg/でした。ですから、「乗馬曰轄打」の「轄」も、*[h@r]或いは後に続く「打」の
語頭子音/d/を受けて*[h@t]の様な音声を音写するために使われていたのかも知れません。
*[h@t]の音節末の[t]はともかく前期中世朝鮮語の「乗馬」をいう動詞に音素的には
存在しなかったのでしょう。すると、前期中世語の「乗馬」という意味の動詞は*/h@rda/
または*/h@da/という事になりますね。朝鮮語ではdentalやalveolar(歯や歯の直後の
硬い所で調音される子音)の前の*/r/はしばしば脱落しますから、再構形としては*/h@rda/でも
*/h@da/でもほとんど構わないと言えます。この*/h@rda/または*/h@da/こそ、後期中世語の
/t@(-da)/と現代語の/ta(-da)/(捕まえて乗る)の古形なのでしょう。104番の「乗馬曰轄打」は
結局は非常に大事な一例だったのですね!
687 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 08:43 ID:yozb9Shw
補足: */h@rda/や*/h@da/じゃなくて、*/h@rd@/または*/h@d@/だったと仮定した方が良いかも
知れませんね。第一音節の母音と第二音節の母音が同じく*/@/だったとすれば、第一音節の*/@/が
失われて*/hd@/即ち/t@/(後期中世語に現れる語形)になったという事実がもっと自然に説明できそう
ですね。
688 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 09:05 ID:yozb9Shw
語源的には、後期中世朝鮮語の/h@(-da)/(為る、言う)が満州語の/se(-mbi)/(「言う」の意味のほかに、
助動詞として用法が多様)や日本語の/s(-u)/(為る)と同源だろうという立場から言えば、「捕まえて乗る」の
意味の前期中世朝鮮語*/h@rd@/, */h@d@/は日本語の「さらふ(攫う)」と満州語の/te(-mbi)/(座る、住む、(官位などに)就く)と
同源の要素から成った、もと複合語である可能性があると思います。朝鮮語を分析するのって、よっぽど
やっかいな作業ですね。。。まあ、とりあえず「捕まえて乗る」という意味の現代語/ta(-da)/の再構できる
一番古い語形が*/h@rd@/または*/h@d@/だ、という程度にしておきましょうか。
689 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 10:03 ID:yozb9Shw
>>671 名前:名無しさんは謝罪汁 [2003/11/12(水) 14:03 ID:bTg/1/5E]
>>
>>665
>>なんで朝鮮語はそんなに変化が早いのですか?あなたの考えは?
恐らく朝鮮半島は古くから二重(三重?もっと?)言語社会だったろう事と、
かなり最近まで朝鮮人が主に漢文(朝鮮語ではない言語)を書き言葉として
使用していた事に因る現象だと思います。朝鮮固有語を書いて表す風習は一般的でなかったために、
あまり使われない語彙が数世代のうちにもはや廃れてしまったり、発音が訛ったり語形が変わったりしても
標準語的スペル(日本の歴史的仮名遣いなど)に依って訛りを正して統一する事も困難だったの
でしょう。
672 名前:名無しさんは謝罪汁 [2003/11/12(水) 14:11 ID:bTg/1/5E]
>>665
3世紀といったのは「3世紀に“すでに”半島語は満洲側と列島側とを
取り残して独自に早い変化をはじめていた」といったのであって、
その変化が3世紀からはじまった、とはいってませんよ。
(レスの中では真番郡のことをだしていますが。真番郡ってなんのことだかご存じない?)
私が貴方のおっしゃった言葉を誤解してすみませんでした。3世紀になる頃には
既に朝鮮半島の言語は満州や日本の言語とはかけ離れていたのでしょう、とおっしゃるつもり
だったのですね。それについては私も同意します。
ちなみに真番郡が何のことであるかは私も知っていますよ。漢の武帝(劉徹)が朝鮮半島に
設置した郡県の一番南方の郡の名前です。次の皇帝の代の時に、真番郡は朝鮮半島東部の
臨屯郡と共に一番早く廃れたのです。のち、玄菟郡も遷移したり次第に衰退していき、
最後には漢の勢力が一番強く及んでいた楽浪郡とそれから分轄された帯方郡も高句麗に滅ぼされ
漢の朝鮮半島の直接的支配は終わったとの事です。
690 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 10:34 ID:yozb9Shw
>>139.称我曰能(奴台切) とあるので、/nyng/ではなく/nai/
>>という発音であったようです。中国の江南方言では「能」を
>>/nei/のように発音するところもありますから(確か温州あたり)
>>そのあたりのご出身かもしれませんね。
>>これは主格の/-i/がついた形でしょうか?
あっ、この語も発音についての註が施してあったのですね。まさに
主格形の/na-i/(発音は[nei]の様だったのか)を表したのだと思います。
>>670
「宰」にはもともと「屠殺する」という意味もあったのではないですか?
確かに「栽」と字音が似ていますけど。何にせよ「宰把指」は一種の農民の
呼称に違いないですね。
「鼓者」など、朝鮮で流行っていた漢語を「鶏林類事」の編者が「故作」と
音写した、という貴方の提案は非常に面白いと思います。確かに、「故作」の
音価から見ても、朝鮮の固有語では無さそうですね。やっぱり漢語に由来する
単語だと仮定した方が良いのでしょうね。
691 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 10:52 ID:yozb9Shw
阿木林さん: ちなみに「問爾汝誰何曰箇」のところの「」について、どんな
発音を音写したものだと思いますか? 私は「」の字音を知らないのですが。音符が
「委」となっていますから後世の朝鮮語の/nu/(誰)と同源の言葉を写したわけではないの
かなと思いました。でも、「女」の字音なら/nu/と同源の言葉を音写した可能性がある
でしょうね。「」の字は結局どんな発音なのですか? もしかして「箇」は後期中世語の
/mai/や現代語の/oa:i/(「何故」というのが基本的な意味ですが、「は〜い?」の様に
聞き返す時にも軽く発する言葉です)と同源の要素を表しているのかしら? しかし「箇」は
きっと疑問詞の/go/と同源のはずですね。
692 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 11:10 ID:yozb9Shw
>>659の娜々志娑无のご質問に対して
返事が遅れてしまってすみません。私は古代日本語を勉強するためには主に
Samuel E. Martin著の「The Japanese Language through Time」という書物のほかに、
インフォシークの『オンライン大辞林』の国語辞典を使用しております。しかし私の
日本語の知識は何年にもわたって習得したもので、いちいちそんな資料を参考している
わけではありません。実は一年間、日本の高校に留学した経験もあります。
ちなみに私のネット環境は常時接続のケーブルモーデムです。
693 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/13(木) 11:57 ID:3v8z.UeI
>>685
Jake_USA さん
日本語が中国語のような声調言語でないことはおっしゃる通りですし、
>>684
で私が示したアクセント法則も、少数ながら例外もあり、100%
完全な法則でないことも確かです。でもね、Jake_USA さん。インド=
ヨーロッパ語族と違って言語の系統が明らかになっていない言語で
語源を考える際に、このような既知の規則や知識を軽視するというのは
決して誉められたやり方とは思えませんね。私の目には貴方のやり方
はどうにも危なっかしく見えて仕方がないのです。貴方のやり方は極端
に言えば、発音の類似を優先させ、意味の違いは後付けで辻褄を合わ
せればそれでよしという感じのように見受けられます。しかしながら、
そういうやり方を是とするなら、あらゆる同音異義語はすべて同語源に
してしまうことだって可能になってしまうわけですが、貴方にそれを否定
する術はないのではありませんか。
学問において仮説を立てるということは非常に重要なことですし、自由
な発想で仮説を立てることも大いに結構。それにけちを付けるつもりは
毛頭ありません。でも、それよりも重要なのは仮説をきちんと検証する
ことです。仮説を立てること自体は決して難しいことではありません。
検証してその是非をきちんと判断することが難しいのです。なるほど、
私はこのスレであらゆる可能性を追究するとは申しましたが、これは
すべての可能性を検証せずに放っておくという意味ではありません。
既知の知識で検証して問題があるものはきっちりと選別して捨て去り、
本当の意味で可能性のあるものだけを残して行くようにしなければ、
語源はおろか言語の系統すらまともに論じることは出来なくなります。
既知の知識を軽視して論じるのは、あたかも海図なしで航海するよう
なもので、運が悪ければ即座礁してしまいますし、座礁しないまでも、
正しい目的地には決して辿り着けないでしょう。私はそれを心配して
いるのです。
694 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/13(木) 11:57 ID:3v8z.UeI
きつい言い方をして済みませんでした。見方を変えれば、私は単に
臆病過ぎるだけなのかも知れません。でも、それが私の流儀なもの
でして、今更変えることは出来ないのですよ。ま、年も年ですし、その
辺はご容赦頂ければ幸甚です。
695 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/13(木) 12:02 ID:3v8z.UeI
>>692
Jake_USA さん
なるほど、日本に留学経験がおありでしたか。
>>645
で「むっちゃ」の
ような俗語、つーか方言を使っておいでだったので、教科書だけで
日本語を勉強したわけではないようだとは感じていましたが、それで
合点が行きました。
696 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 13:02 ID:yozb9Shw
144.伯叔皆曰了査秘 = 後期中世語の/ajabi/。この語のほかに、後期中世語には/aj@ba-nim/という
敬称がありました。現代語には/ajubi/, /ajaibi/, /ajai/という卑語のほかに、
標準的な/aje-ssi/や敬称の/ajubeni/, /ajube-nim/などがあります。
また、朝鮮には漢風に、おじさんが自分の親の弟なのか兄なのかによって
呼び分ける風習があります。後期中世語では「叔父」の方を/az@'ajabi/(/az@/は
年下の弟妹の意)、現代語では/jag-yn-abeji/(「小さな父」の意)と
いいます。「伯父」の方は後期中世語では/m@d'ajabi/(/m@d/は「最年長」という
意味の接尾辞または「最年長の者」という意味の名詞・代名詞みたいな単語)、
現代語では/ky-n-abeji/(「大きな父」の意)といいます。
ちなみに「父」をいう意味の/abi/についての補足ですが、後期中世語では
/abi/に属格の助詞/-yi/が続く場合には、普通/ab-yi/という語形をとった
様です。「父」を意味する語根は古くは*/aba/で、これに主格助詞/-i/が
くっ付いた語形、即ち*/aba-i/から第二音節の*/a/が抜けて、中世語の
/abi/という語幹が生じたのではないでしょうか?
しかし属格形の/ab-yi/にはまだ一つの問題点があります。
それは属格助詞の/-yi/が語幹と調和していないのです。むしろ*/ab-@i/となる
はずでしたね。後期中世語の属格形の/ab-yi/は*/abi-yi/の訛りと見るべき
かも知れませんね。
145.叔伯母皆曰了子彌 = 後期中世語の/aj@mi/。その頃の敬称は/aj@ma-nim/でした。現代語には
卑語の/ajumi/のほかに、標準的な/ajumeni/や敬称の/ajume-nim/が
あります。現代語では叔母のことを/jag-yn-emeni/(「小さな母」の意)と、
伯母のことを/ky-n-emeni/(「大きな母」の意)ともいいます。様々な
漢語も多用されます。
146.兄曰長官 = 面白い漢語です。
147.嫂曰長官漢吟 = そのまま「兄」「妻」という意味の「長官」「漢吟」を続けて言ったのですね。
148.姉曰[女奈]妹 = 後期中世語の/nu'yi/および現代語の/nui/(男性の姉妹を言う語で、主に年下の妹に
ついて言う)。現代語では男が姉のことを/nu:na/、または敬称として
/nu:-nim/といいます。この語の語中から両唇性の子音が早くも消失してしまったと
見るべきでしょう。
149.弟曰了児 = 後期中世語の*/az@G/(のち/a'@/とも)。母音で始まる助詞の前では/az'/(例えば主格の/az'-i/)と
なり、単独または子音で始まる助詞の前では/az@/となりました。この語は
現代語の/au/(男性の弟、女性の妹; または親しい仲の男性二人の年下の方)に当たります。
現代語では弟のことを/nam-do[ng]sai[ng]/(男同生)ともいいます。
150.妹曰了慈 = 後期中世語では妹のことを/az@-nu'yi/、のち/a'@-nu'yi/といいました。
現代語では女性の妹をいう場合には、この語の子孫である/au/はたまに
使われます。普通、現代語では妹のことを/nui-do[ng]sai[ng]/または
/ie-do[ng]sai[ng]/(女同生)といいます。
697 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 13:03 ID:yozb9Shw
151.男子曰沙喃 = 後期中世語では男を/s@nah@i/といいましたが、これは「青年」という意味の
後期中世語/s@n/と「子供」の意味の後期中世語/ah@i/(現代語の/ai/に相当)との
複合語です。「沙喃」の「喃」は鼻音で終わるはずですが、「沙喃」が音写している
言葉の正体がよく分かりません。現代語では漢語の/namja/(男子)のほかに、
/s@nah@i/から発展した/sanai/もなお使われます。
152.女子曰漢吟 = 以前この語の語源説を唱えましたが、もう一度書いておきます。
「漢吟」が音写している単語は後期中世語の頃にはもう死語となっていた様ですが、
恐らく語源は*/ha-n-gym/「大き君」だと仮定しております。前期中世語の
「漢吟」の段階では既に*/han'ym/の様に単語化して、語中の軟口蓋子音が
衰退していたと思っております。
153.自称其夫曰沙会 = 後期中世語の/sahoi/および現代語の/saui/(婿)に当たります。
前期中世語の頃では女性が自分の夫をいう語となっていた様ですね。
154.妻亦曰漢吟 = 上記の「152.女子曰漢吟」参照。
698 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 14:59 ID:yozb9Shw
>>693の娜々志娑无
ご諫言ありがとうございます。私はまさかアクセントのデータを無視しようとは考えていませんよ。
ただしあくまでも音素に基づいた語源解釈を尽くした後に次いで考えるべきだと思っております。
「かひ(貝)」の場合は、「かひ(卵)」と「かは(皮)」にも意味的につながると思われる部分が
あるので、それらが同源だと仮定した後にこそアクセントを見て「あっ、これらの単語は全てアクセントも
同じパターンに属しているね」と、その仮定を裏付ける証拠(evidence)の一つとして記しておこうという風に
私は考えております。それこそ「科学的な言語学のやり方」だと思っているのです。最初の仮定を立てる段階では
むしろ全ての事実をば考慮していない(全てを表に出してしまわない)方が良いのでは、という考え方です。
(古語的な表現を使ってすみません! 現代日本語でどういう言い回しをすれば良いのか分かりません。)
ちなみに余談ですが、「かひ(貝)」の場合は語源が「交ふ」と同じでも「皮」と同じでもあまり構わない、
とも言えるのでしょう。少なくとも「かは(皮)」を別の語根として取っておけば、残る「かひ」の様な語形の
単語を全て一つの語根にまとめてしまっても結局同じです。「かひ(貝)」の語源を正確につきとめるのが
重要になってくるのはたった二つの場合です:
1.「かひ(貝)」が一つの原始的語根(a primitive)として他の語根から派生したものでは
ないと考える場合
2.「かひ=貝」という派生語を有するほど日本語と非常に近縁の言語(たとえば朝鮮語)と
比較してわりと最近の過去に存在したと仮定する共通祖語の全語彙を厳密に再構しようとする場合
もちろん、比較言語学の立場ではなくて日本国語学の立場から「かひ(貝)」の語源の問題を
見るとしたらご意見は異なるのでしょうね。
とりあえず私も「かひ(貝)」=「かは(皮)」と同源という風に新しい仮定を立てることに
したと言いましたよ! ですからもうこの事でご心配なさらないでください(^−^)
699 名前:
阿木林
:2003/11/13(木) 15:48 ID:C1k7hfu2
ムドゥリについて。オロチェーン語では/mudur/でした。
「藻」の現代語は「馬」同様に短母音で/mar/ですね。
>>683
うろおぼえなのですが、中国側の史料では「高句麗の言語は
百済新羅とは異なる」としているものと、「大して変わらない」と
しているものの二種類があるようでして、「異なる」説を取った
場合は、地理的位置から、またいくつかの単語(数詞など)の
類似からツングースが選択されることが多いと思います。
ワイやハクなどは、系統不明とせざるを得ないですが、
恐らく高句麗の南下以前に朝鮮半島北部にいた人々でしょう。
皮(カハ)といえば、アイヌ語でも/kah/といいますよね。
貝は/pipa/とか/pisasi/というのですが、卵はなんだったろう。
/tamanko/という外来語はあるようですが、狩猟採集民族が
卵を指す言葉をもっていないわけがない。
700 名前:
阿木林
:2003/11/13(木) 16:18 ID:C1k7hfu2
今手元に漢和辞典がないので詳しくわかりませんが、
「」は日本語ではイまたはダイと読みます。ダイは古い呉音でしょう。
北京語ではwei4と読み、[食畏]wei4(えさを与える、養う)の異体字です。
朝鮮音はわかりませんが恐らくは/'ui/でしょう。
筆者の発音が/*dai/に近い発音であれば、/nu-/の音符として
使うことも可能かもしれませんが・・・
ヌグと結びつけるには、たとえば[食妥](nei3、飢える)の
誤写であったという説はどうでしょう。
こちらのほうが良く使われる文字であるし、妥当な説だと思います。
中期語の/nui/(だれ)の表記としても問題なさそうです。
701 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 16:20 ID:yozb9Shw
>>148.姉曰[女奈]妹
補足ですが、女性が姉を呼ぶ時は現代朝鮮語では/enni/といいます。この語の古形を
示してくれる資料は残念ながら存在しない様です。日本語の「あね」(または「おねえ(さん)」?)との
類似は面白いですけど。日本語の接頭辞の「お」は確か、「おほみ」(大御)の訛りでしたよね?
>>146.兄曰長官
また補足ですが、現代語では男性は兄を/hie[ng]/(漢語の「兄」です)または
敬称として/hie[ng]-nim/と呼びます。女性が兄弟を呼ぶ語には卑語の/orabi/(他人の
前で自分の兄または弟のことをいうのです)、標準的な/orabeni/(女性が兄のことを
普通にいう言葉)、敬称の/orabe-nim/(女性のお兄様)のほか、戦後の流行言葉の
様でもありますが/obba/(もと幼児語)というのもあります。また、兄弟姉妹を
まとめていう語には固有語の/o-nui/または/o-nu/, それに/nammai/(男妹)という漢語があります。
702 名前:
阿木林
:2003/11/13(木) 16:52 ID:C1k7hfu2
カフに近い音で、「あわせる」という意味の漢語は沢山あります。
「夾」とか「挟」とか「鋏」とか「蛤」とか「袷」とか「合」とか。
つまり漢語でも、「あわせる」と「貝」は通じていることになります。
偶然の一致とするべきでしょうか。それとも漢語と朝鮮語の間には、
「東夷語」という共通の祖先があると見るべきでしょうか。
ま、人類の考えることに対して違いがないことの例証と見るべき
でしょうね。
151.男子曰沙喃 どうも、筆者の言語が鼻音が消失する傾向がある
言葉であったようです。我曰能、などもそうでしょう。江南方言か、
もしくは西北方言に連なる言語の話者であると思います。
「轄-」が語頭の/h@-/という音素を表していて、後世の有気音に連なる
という説に、賛同していただきありがとうございます。
思いつきでも言ってみるもんですね。タイ語だかの有気音の起源が、
語頭にあった/h-/という複子音の名残だという説にならったものですが。
朝鮮語の親族名称、特に兄弟の言い方はややこしいものですが、
語源がわかればわかりやすいですねぇ。
女性からオッパと呼ばれたり、ヌナと呼びなさいといわれるのは決して
悪い気持ちはしないのですが、男性からヒョンと呼びなさいといわれる
のは苦手w
703 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/13(木) 18:40 ID:lp4zXWuU
>>698
Jake_USA さん
しつこいようですが、ちょっと確認させて下さい。そうするとJake_USA さん
は、例えば日本語で「kap-」という音素を持つ語は、さしあたってすべて同
語源であると見なせるという風に考えておいでなのでしょうか。これまでに
Jake_USA さんは、
カハ(川) カハ(側) カハ(皮) カヒ(貝) カヒ(峡) カヒゴ(卵)
カフ(交・買)
を一つの語彙グループにまとめて解釈されようとなさいました。それなら、
カホ(顔) カフ(養) カヘル(帰) カヘル(蛙)
は勿論のこと、p→b、更にはb→mの音変化を想定して、
カベ(壁) カブル(噛) カム(噛) カマ(鎌) カマ(釜) カミ(上)
カミ(紙) カミ(髪) カミ(神) カブ(頭) カビ(黴) カビ(芽)
なども同一語彙グループに入れてしまっても問題はないはずです。意味の
違いは後で何とでも理屈は付けられますからね。音変化にしても、可能性
ということだけで言えば、m→nやm→j、b→β→wのような変化も十分考え
られますから、そういうことを言い出したら、それこそ歯止めが利かなくなっ
てしまいます。これは研究者にとってはとても恐ろしい事態ではないですか?
少なくとも私は恐ろしいです。だからこそ私は既知の知識や法則を歯止めに
して、自ら律しているわけですが、Jake_USA さんにとっての歯止めとは何
ですか? 宜しかったら教えて下さい。
704 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 20:20 ID:yozb9Shw
あのう、本題の高句麗語再構に突然話を戻してすみませんが、
「犂 = 加尸」という対応例を導き出された様ですね。この「犂」の字の意味の
詳細を知りたいんですが。。。もしかすると頸木を牛の首に掛けて引かせる様な
スキのことをいうのではないでしょうか? 私は中期朝鮮語の/gar/および現代朝鮮語の
/kar/(かつて刑罰として罪人の首に掛けた首枷(くびかせ)を指す)、そして昔の
日本語の「かし」と現代日本語の「かせ」を連想します。私の意見では高句麗語の
「犂 = 加尸」は朝鮮語の/gar/
> /kar/ および日本語の/kasi/ > /kase/と同源の
単語だと仮定しても良い様に見えますが。。。
ちなみに朝鮮語と日本語だけを取って見ても、朝鮮語の語末の/r/が
日本語の/s/ + 前舌母音(/i/或いは/e/)、仮名で書けば語末の「し」と「せ」に
対応している様に見える例は少なくありません。幾つか著明なものを挙げましょう。
朝鮮語の語末の/r/と日本語の語末の「し」や「せ」との対応:
「星」 「樫(カシの木)」
朝鮮語/bie:r/ 朝鮮語/ga:r/
日本語「ほし」 日本語「かし」
以上の二つの単語は現代語でさえよく対応している例ですが、掘り下げて朝鮮語の
昔の語根を再構すれば、もっとたくさんあるのです。。。例えば:
現代朝鮮語/hai-s-sar/(日差し)や/mur-s-sar/(水流)の「sar」という部分と
日本語「ひざし」の「さし」
中世朝鮮語/dorh/ < 古代朝鮮語*/dor/「石」+ /-aki/「子」(名詞にやたらと
付加された指小辞と仮定していますが。。。北方漢語を真似ていたのでしょうか)
これはもちろん日本語の「いし」に対応すると考えられます。しかし、朝鮮語の
/dor-gorai/は海の哺乳類「いるか」のことで、この場合は日本語は「いし」じゃなくて
「いる(か)」となっていますね。どういうワケでしょう。。。(ちなみに朝鮮語の/gorai/は
単に「鯨」の意味です)でも、古代日本語では鯨のことを「いさ(な)」といっていましたよね?
「石」と同様の言葉には次の様なものがあります:
後期中世朝鮮語の/s@rh/(肉、人の肌などの意)
古代日本語「しし」(肉、または食肉となる哺乳類の総称)
もしかして朝鮮語の/ne:r-bbanji/, /ne:r-panja/(両方とも「板」のことですが)と
日本語の「のしいた」などの「のし」もこの類に属す可能性があるのではないでしょうか?
語頭子音こそ問題なのですが、この一対の単語も重要でしょう:
朝鮮語/bar/
日本語「あし」(足)
あと、日本語では「し」ではなく「ち」となっているものですが、いかがでしょう:
後期中世朝鮮語/dir/ = 現代朝鮮語/jir/(陶器の素材となる粘土)
日本語「つち」(土)
ふゅ〜。。。他にも多々ありますが、今すぐ思い出して例として挙げることは
この私には無理です。
705 名前:
阿木林
:2003/11/13(木) 20:50 ID:C1k7hfu2
>>703
アクセントの問題は難しいですよね。
中期朝鮮語のアクセントの資料も利用しないといけない。
それ以前の資料も、漢字による表記がある程度アクセントを反映して
いるらしいのですが、必要であればケリムユサの全ての漢字に
北京音で声調をつけてみましょうか。
あとは、朝鮮音で発音をつけてみたい。無意味に思われるかも
しれませんが、唐宋音と現代朝鮮音は決して遠くない。
北京音よりもずっと近いといえる。
三国遺事の時代であれば、漢語における声調はそれほど分別的
ではなかったという説があるので、高句麗語の研究においては
それほど重要ではないかもしれません。
声調の分別が現れてくる(押韻などに)例は、たしか東晋くらい
まで遡れるのですが、それ以前は複合子音や音節末子音で
分別されていたものが、声調に形を変えていったのではないか
といわれています。
そのため、漢語とチベット語などの語彙を比較する際、
声調がそれほど重視されず、最も新しく発生した要素として扱う
ことがあります。
これと日本語学を同列に論じてはいけないのですが。
>>731
古い時代の/-r/がどのような発音であったかはしりませんが、
現代語の発音は基本的に巻き舌の/-l/ですし、
(モンゴル語などによく似た子音があります)
この音が無声化すれば用意に/-s/に転じます。
福建のビン北語など来母/l/が/s/に転じている
言語がありますし、類似の例はかなり沢山あります。
この場合は、朝鮮語の/-r/で表されていた音を、和人が
/-si/として聞き取ったというところでしょうか。
興味深いのは、七十曰逸短などのように、ところどころで
ケリムユサの筆者が/-d-/のような音として聞き取っていた
らしい痕跡がみられるんです。これについてはもう少し分析
してみたいと思っています。
706 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/13(木) 21:35 ID:3v8z.UeI
>>705
阿木林さん
>この場合は、朝鮮語の/-r/で表されていた音を、和人が
>/-si/として聞き取ったというところでしょうか。
Jake_USAさんが
>>704
でお挙げになったような日本語の語彙が、
みぃ〜んな新羅語や韓系百済語、加羅語のような半島の言語から
下賜されたありがた〜い「借用語」なのであれば、そういうことになる
のでしょうね。しかし不思議だなぁ。どうも阿木林さんは日韓の共通
語彙っぽいものに対してはとにかく日本の「借用語」ということにして
しまいたがる傾向があるように私には思えるのですが、これについて
何か確信のようなものでもおありなのでしょうか。例えば、古代の
日本と半島の関係は常に〔半島→倭〕であってその逆はあり得ない
というような…。出来れば私の邪推であることを願っていますが。
707 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/13(木) 21:40 ID:3v8z.UeI
う〜ん。それにしても、ここんとこやたらと喧嘩を売ってばっかりだなぁ。
もしかして更年期障害かしら(汗)。八つ当たりされ気味のJake_USAさん
と阿木林さんには申し訳ないことです。もしかすると、そろそろ一線を退く
時期が近付いているのかも知れませんね…(哀)。
708 名前:
Jake_USA
:2003/11/13(木) 22:37 ID:yozb9Shw
あっ、704のところへの補足ですが、朝鮮語の/sar/は実は単独でも使われることがあり、
この場合には蜂などの虫の「刺す針」という意味になります。朝鮮語の/sar/という語形は
非常に意味が多くて、どれが単なる同音異義語でどれがもともと同源の言葉なのか見分けるのは
至難の技と言えますが。。。とりあえず列挙しましょうか。
現代朝鮮語/sar/の意味: (決して皆が同源の語だとは言ってませんよ!)
/sar/ = 虫の刺す針
/sar/ = 矢
/sar/ = 櫛の歯
/sar/ = 格子、傘やうちわなどの骨、自転車などの車輪の輻(や)
/sar/ = (魚を獲るために川に仕掛ける)簗(やな)
/sar/ = 日差しや水流の様なもの(主に複合語に現れる):
hai-s-sar=日差し、mur-s-sar=水流、
darim-s-sar=アイロンの伸していく通り、アイロンの通り(通り方);
服の皺の(アイロンを使っての)伸ばしやすさ
/sar/ = 賭け事にて、人が自分の賭けている金額を足すこと(すなわちもっと賭けること、上げること、増やすこと)
/sar/ = お餅に押し付けて模様を作り出し修飾するために使う型
/sar/ = 後期中世語の/s@rh/ = 肉; 太り具合; 人の肌など
/sar/ = 後期中世語の/ser/ = 〜歳(年齢を言う時に数字に下接させる語)
ふゅ〜。。。これは中国語を上回るほどの同音異義語の多さですね。
709 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/14(金) 02:38 ID:E3Ifrd92
>>699
>うろおぼえなのですが、中国側の史料では「高句麗の言語は
>百済新羅とは異なる」としているものと、「大して変わらない」と
>しているものの二種類があるようでして、
今手許に文献ないのでその3行を確認できないのがひじょうに残念ですが、
やむなくその3行はスルーさせて頂きます。すみません。
>「異なる」説を取った 場合は、地理的位置から、またいくつかの単語
>(数詞など)の 類似からツングースが選択されることが多いと思います。
地理的位置というのは歴史的な民族移動を無視しているように思われ。
「いくつかの単語(数詞など)の 類似からツングースが選択」
というお話は首をかしげざるを得ませんね。
高句麗語の数詞ならば、まさにこのスレのそもそもの主旨である日本語との
共通性ないし類似点という大問題のスタートになったものでしょうに???
>ワイやハクなどは、系統不明とせざるを得ないですが、
>恐らく高句麗の南下以前に朝鮮半島北部にいた人々でしょう。
その2行めの解釈はちょっと待ってくれといいたくなりますね。
朝鮮半島北部に「も」いた可能性は当然あるでしょうが・・・・
あえて半島北部に限定する意図がわかりません。
穢については、3世紀に「満洲から北鮮にかけて夫餘・高句麗・沃沮・穢という
民族誌」がしられるようになる以前に、前漢の頃などはすべて穢と総称したもので、
現代の我々がいう「夫餘系言語の諸族」とかなり重なる用法です。
夫餘の穢王之印が伝来していたり、沃沮の県侯が穢君の印を帯びていたりするこ
とからも、この4種族を広義の穢とみる認識は3世紀でもまだ残っていたようです。
高句麗の存在が知られた後は貊といえば高句麗そのものをさしています。
その以前の段階での用法は、用例だけからはまったくつかみどころがないので
貊の正体についてはなんともいえません。
高句麗というのはいうまでもなく玄菟郡の高句驪県に由来する名ですが
先住民にそれ以前から夷狄としての名が与えられていたのでしょうが
前漢の頃はまだ高句麗のあたりは穢であったはず。
とすると。「穢貊というのは穢と貊の併称ではなく
「穢諸族の中の貊族の意味だ」とする井上秀雄の説が妥当か・・・?
710 名前:
Jake_USA
:2003/11/14(金) 07:49 ID:keqMaJQo
またも>>704「犂 = 加尸」への補足です:
朝鮮語にはまた/ga:r(-da)/(耕す、スキなどで土を掘り返す; または穀類や野菜を植える)という
動詞が存在しますし、/garai/という農具もあります(シャベルの様な道具で、土を掘り起こすのに使います)。
また、積もった穀物や雪などを移し退けるための木製のシャベルで/neg-garai/というのもあります。
後期中世朝鮮語の漢字注釈本では[木欠]という字に/garai/という注釈を付けていました。/neg-garai/と
同じ道具を指す語には漢語に基づく/mokhem/(木[木欠])というのがあります。
後期中世朝鮮語の/gar/、現代朝鮮語の/kar/(首枷)および日本語の「かし」、「かせ」も、
もともと牛の首に掛けて引かせる犂(日本語では「からすき」、英語ではoxplow)のことを指していたのでは
ないでしょうか? ご感想をお願いします。
711 名前:
縄文 ◆JtqvTec2
:2003/11/14(金) 12:56 ID:usq4iIw2
>>all
基本的な質問で申し訳ないのですが、朝鮮語の区分についてお聞きしたいことがあります。
以下は洪允杓氏の提唱した区分だそうですが、このスレッドで話されている区分と同じでしょうか?
古代朝鮮語 ( 〜9世紀末) (三国, 統一新羅時代)
中世朝鮮語
前期 中世朝鮮語 ― (10世紀〜13世紀末) (高麗時代)
後期 中世朝鮮語 ― (14世紀〜16世紀末)
近代朝鮮語
前期 近代朝鮮語 ― (17世紀〜18世紀 中盤)
後期 近代朝鮮語 ― (18世紀 中盤 以後〜19世紀末)
現代朝鮮語 (20世紀初〜現在)
712 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/14(金) 13:34 ID:ImmBA/4g
>>710
Jake_USA さん
さっきまで大学院の授業をやっていたのでお返事が遅れてしまいました。
さて、高句麗語「加尸(犂)」と中期朝鮮語「kal(枷)」、日本語「カシ〜カセ(枷)」
が結び付くのではないかというお説ですが、中々悪くない考えだと思います。
『大漢和辞典』によれば、「犂」は牛に引かせるタイプの鋤のようです。日本では
「からすき(韓鋤・唐鋤)」と呼ばれているものですが、これを取り付けることで、
牛自体は動きを制限されるわけで、そういう意味では確かに枷との共通点は
認められます罠。形状もまぁ似ていないこともありませんしね。
尤も、朝鮮語の「kal-ta(耕す)」「karai(木[木+欠]・鍬)」から見るに、仮に
これらの語彙(高句麗語を含む)が同語源であったとしても、原義は「耕す」の
方であって、枷の意味は後から派生したものと見なくてはならないでしょうね。
一方、「からすき」という語形からもわかりますように、日本には元々このタイプ
の鋤はなかったようです。日本がどこから導入したか不明ですが、仮に朝鮮
半島から導入したものであるなら、当然その名称も朝鮮語から受け継ぐのが
自然ですから、日本語では「kar-」乃至「kas-」のようになったはずです。しかし
ながら、実際に受け継いだ(可能性のある)のは農具の方ではなく拘束具の方
だったというのはどうもしっくり来ないですねぇ。「実は朝鮮半島はボンテージの
宗主国だった!」というなら話はわかりますが(藁。
ともあれ、高句麗語「加尸(犂)」に関して言えば、最も意味・用法が近いのは
間違いなく朝鮮語の方であり、日本語はカナーリ遠いことは確かのようですね。
713 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/14(金) 13:58 ID:ImmBA/4g
>>711
縄文さん
他の方はどうだかわかりませんが、私の場合は、
古代朝鮮語…三国時代から統一新羅時代までの新羅語。ただし、半島の
他の言語と紛らわしいので使用せず、用語としては「新羅語」
「高句麗語」「韓系百済語」「夫餘系百済語」等を使用。
中世朝鮮語
前期…高麗時代の朝鮮語。用語としては「前期中世語」「高麗語」を
使用。
後期…李朝時代前期(14〜16世紀)の朝鮮語。用語としては「後期
中世語」「中期朝鮮語」を使用。
近代朝鮮語…李朝時代後期(17〜19世紀)の朝鮮語。用語としては「近代
朝鮮語」を使用。
現代朝鮮語…20世紀以降の朝鮮語。用語としては「現代朝鮮語」を使用。
という感じです。ただ、私に限って言えば、後期中世語と近代朝鮮語の区別は
カナーリ曖昧でして、面倒臭い時には両方合わせて「李朝語」という言い方で
誤魔化すこともあります。
714 名前:
縄文 ◆JtqvTec2
:2003/11/14(金) 18:58 ID:pXzr9Ftc
>>713
なぜこういう事をお聞きしたのかといいますと、
中世朝鮮語については、元(モンゴル)の支配下で言語が変容したという旨のことを、
彼の韓国国定教科書でさえ書いてあります。
これが本当であれば、特に後期中世朝鮮語と同時期の日本語の比較結果を、
同一祖語の存在や借用語にストレートに結びつけるのは、危険ではないかと思った次第です。
ワシの意見が見当違いだったら、ごめんなさい。
715 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/14(金) 19:48 ID:ImmBA/4g
>>714
縄文さん
>特に後期中世朝鮮語と同時期の日本語の比較結果を、
>同一祖語の存在や借用語にストレートに結びつけるのは、危険ではないかと思った次第です。
えっと。後期中世朝鮮語と同時期の日本語というと、鎌倉〜室町時代
のいわゆる中世日本語ですね。言語を比較する際には古いものどうしで
比較するのが大原則ですので、少なくとも私自身は、日本語に関しては
極力奈良時代の上代日本語を中心とする古代日本語を持って来るように
しております。このスレでも例のHPの比較でも、中世日本語はせいぜい
二、三例程度しか挙げていないはずです。ただ、残念ながらもう一方の
朝鮮語の方が中期語以降しかまともな言語資料がないものですから、
比較の対象としてはどうしても中期朝鮮語の方を持って来ざるを得ない
という状況なのです。中期朝鮮語が何かと問題が多いことは承知してい
るつもりですが、何せ新羅語資料も前期中世朝鮮語資料も乏しい以上、
これはもう万やむを得ぬ処置かと。それだけに一層の慎重さが求められ
るということもまた確かでしょうがね。
716 名前:
ケムール人 ◆9s/SSlUk
:2003/11/14(金) 20:13 ID:DGZpC6sY
あ、センセだ。りあるたいむレス。
717 名前:
ケムール人 ◆9s/SSlUk
:2003/11/14(金) 20:15 ID:DGZpC6sY
ってぜんぜんりあるたいむではなかった・・・_| ̄|○
718 名前:
Jake_USA
:2003/11/15(土) 22:24 ID:uzdMqx7g
>>補足: 「68.草曰戌 」について
この語については以前、後期中世朝鮮語および現代朝鮮語の対応語彙を提案することが
できませんでしたが、今日二つの可能性に気付きました。
〜〜『鶏林類事』の「草曰戌」に対応する可能性のある単語〜〜
1) 後期中世朝鮮語の/suh/(生い茂った所、藪)
この語はのち消滅するが、後期中世語には似た語形および語義を持った単語が
幾つかありました。それは/supyr/(=現代語/supur/「藪、林、森」)、
/sub/(=現代語/sup/「林、森」)など。/sub/「林、森」についてはちょっと疑問が
ありますが(もしかすると/sub/は単独で使われる時のつづり方で、後に母音で始まる
助詞が続いたら*/sup(-i)/などとなったのかも知れません)、少なくとも/supyr/「藪、
林、森」は後期中世語の/suh/「生い茂った所」と後期中世語の/pyr/「草」の複合語なの
でしょう。
2) 現代朝鮮語の/sut/(頭髪の様な物の分量)
『鶏林類事』では「草曰戌」と書いてありますが、同じ書物の中に
「291.匙曰戍」(「戍」は「戌」の誤写でしょう)という箇所があります。これは
きっと現代語の/sur/(一匙の分量、匙の分量を数える助数詞; 弦楽器を弾くための撥)
および現代語の/sutgarag/(匙)、/su-je/(匙と箸; 匙を指す敬語)に見える*/sur/「匙」の
前期中世朝鮮語に於ける語形を音写したものでしょう。この事実から見えるように、「戌」の字が
朝鮮語に於いては区別される音節末子音を持った単語を、その音節末子音を区別しないで音写するのに
使われた様です。よって、「68.草曰戌 」が後期中世朝鮮語の/suh/「生い茂った所、藪」と
同源の単語を表したのか、それとも現代朝鮮語の/sut/(髪の様に生える物の分量・生長の具合)と
同源の単語を表したのか確定できませんが、恐らく「草」との意味の類似がより目立つ/suh/の方を
「戌」の字を以て音写したのでしょう。
719 名前:
縄文 ◆JtqvTec2
:2003/11/16(日) 00:40 ID:bPENgUyE
>>715
やぱーり、微妙にピントがずれておった(泪
お手数お掛けしました。m(_ _)m
720 名前:
阿木林
:2003/11/17(月) 10:42 ID:E1RNIXqk
明日からしばらくルスにします。
>>706
おっしゃるとおり、朝鮮から日本に語彙が流入、という経路を考え勝ち
なことは認めますが、今回のレスについては、
「もし朝鮮語/-r/と和語/-si/に対応関係があるとすれば、こういう
音変化が考えられますね」という意味のカキコだと思ってください。
たしか隋書かなにかでは、「倭の国は領土が大きく、近隣の国からは
恐れられている」うんぬんという記載があり、和語が朝鮮に影響を及ぼす
経路も考えうるのでしょう。
二つの近い関係にある言語を比較する場合、
「似ている語彙」があれば、それは共通の祖語から発展した形であると
考えうるのですが、「あまりに似ている語彙」があると、それはどちらか
がどちらかから借用したと考えたほうが自然な場合があり、
「つるみ」と「つる」もその一つではないかなぁ、と思ったりしたわけです。
721 名前:
阿木林
:2003/11/17(月) 10:48 ID:E1RNIXqk
>>709
謝罪汁さん
明らかになっている数詞の中で、7については特に、ツングース語との
関係が深いといわれています。満洲語では/nadan/で、ほかの言語でも
大差ない言葉が使われています。もちろん、ほかの3とか5については、
ツングース語の形式との関係を設定するのが難しいのですが・・・
ワイとハクの解釈について、教えていただきありがとうございます。
ワイはツングースと見られる諸部族、ハクは高句麗の前身集団、という
ふうに考えうるわけですね。韓国で出ている歴史書では、ワイ・ハクと
高句麗を異なるものとして考えることが多いようですが、さしたる理由
があってのことではなかったのですな。うーむ。
722 名前:
阿木林
:2003/11/17(月) 10:54 ID:E1RNIXqk
>>711
縄文さん
この区分によれば、古代語=三国・新羅語
中世語=高麗語、李朝語初期、近代語=李朝語後期
現代語=植民地化以降
ということになるようですが、中世と近代の境界はやはりオンモンに
よる資料が出てきてから、ということになるんでしょうかねぇ。
723 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/17(月) 11:09 ID:eYTdro0Q
>>721
>ワイはツングースと見られる諸部族、
あの、ですから前漢代の穢(=3世紀の夫餘系諸族の前身)をツングース系だというのは
さしたる理由のないことでは、と申し上げているのですが・・・
もしかして私はからかわれているのかな(^^;)
724 名前:
阿木林
:2003/11/17(月) 11:22 ID:E1RNIXqk
>>723
謝罪汁さん
あ、ごめんなさい。それについては、数詞の「なな」のほかに、いくつか
ツングース系と見られる語彙が高句麗語に見られるし、その高句麗と
ワイ系が関係が深いことから、ワイ・ハクがツングース系に近いらしい、
という程度のことです。
別にツングースでなく旧アジア語族や、和人だのギリヤーク人だの
アイヌ人だのネイティブ・アメリカンの先祖であったとしても、
なんでもいいとは思います。
725 名前:
縄文 ◆JtqvTec2
:2003/11/17(月) 13:17 ID:Lwda9q.w
>>722
ハングルができる前と後ではなく、元の支配の前後でわけるべきではないかと思った次第でして。
さらに言えば、元の支配時期にどのように言語が推移したかについての検証無しに、
元の支配以降の朝鮮語と日本語の比較をやるのは如何なものかと。
(韓国の国定歴史教科書に変容したと書かれてますので)
実はほとんど影響が無かった、と言えるのであればそれはそれでいいんですが....
726 名前:
阿木林
:2003/11/17(月) 13:52 ID:E1RNIXqk
モンゴル語から朝鮮語への影響、ということであれば過去に幾つもの
研究があるはずですが、統語などに強い影響を及ぼすようなものでは
なく、いくつかの古い語彙に借用語が見られる、という程度のものだった
と思います。たしか馬に関する語彙とかに。
女真語や満洲語の影響も、語彙レベルにとどまるようです。
たしかチェジュ方言でズボンを「クルマ」といったりするのがそう。
モンゴル人や満洲人はあれだけの帝国を築きながら、自分たちの言語を
世界に広めることについては、シナ人ほど熱心じゃなかったんでしょうねぇ。
もちろん、当時の「国」のあり方が今とは全然異なりますから、税金しぼって
反乱勢力は抹殺してしまえば、あとは土民どもの話す言語なんかどうでも
よかったんですけど。
そういえば、高麗は美女が多く、たしか元皇帝の愛妾が出たりしたんでは
なかったかな?それまでモンゴルでは、高麗女を妾にすると国が滅びる
といわれていたらしいのですが、妾にしたら案の定滅びたとかw
727 名前:
徹
:2003/11/17(月) 13:58 ID:.lwZfMC2
>妾にしたら案の定滅びた
すごいなあ。最終兵器みたいなもんですね(爆
728 名前:
Jake_USA
:2003/11/17(月) 16:22 ID:gRJJSyBY
>>17 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA [2003/06/14(土) 21:29 ID:jWJqQfL6]
>>No.07
>>意 味 :土(名詞)
>>原 文 :「土山県本高句麗ノ息達」(『三国史記』)
>>漢 字 音:息(中:si∂k、朝:sik)
>>再 構 音:sik<*sirk(李)
?(村)
>>比較(日):古代日本語「su(砂・洲)」(娜)
>>比較(韓):後期中世語「h∧rk(土)」(李)
>>比較(他):ゴルディ語「siru(砂)」
>>エベンキ語「sirugi〜sirgi(砂)」
>>蒙古語「siruγai(塵・土)」
>>考 説 :
>> 日本語で強いて候補を挙げるとすれば「ス(砂・洲)」ぐらいだろうが、ツングース
>>系の言語では「砂」系の語が対応語彙として挙げられていることを考えれば、そう
>>変な説でもないのではないか。朝鮮語にしても、発音的には決して近いものとは
>>言えないから、対応語彙とするには問題が多い。
私は「す」という語形で「砂」の意味をもつ日本語は知らないが、少なくとも日本語の「すな」という語には
「砂」の意味のほかに「土、地」という意味もかつてありました。「土、地」という語義は現代日本語の
「うぶすな(産土、すなわち人の生まれた土地を指す語)」、「うぶすなのかみ > うぶすながみ(産土神)」などという
複合語に残存しています。この日本語の「すな」(砂、土、地)と日本語の「す」(洲)との間に何らかの関係が
あるというななしさんの仮定は私も否定しません。しかし日本語の「すな」と「す」を対比するよりも、
後期中世朝鮮語の/h@rg/(土)、ゴルディ語の/siru/・エベンキ語の/sirugi, sirgi/(砂)、
およびモンゴル語の/siruγai/(塵、土)などと比較した方が面白い事実が見えてくるはずでしょう。
この語根は恐らくもともと「塵」(英語のdirt)の様な語義をもっていたと私は仮定しておりますが、
この語もまた日本語の語形が極めて古い事を示唆してくれると思います。日本語の言葉から他のアルタイ諸語に
見える子音が脱落したと見えるのは、何とも脱落しやすい性質の*/r/および一種の特殊な*/l/音だけだったと思います。
日本語の*/r/脱落については今の話題の「土」のほか、「水・川」と関連するチュルク語派以外のアルタイ諸語の単語を
参照してください。しかし、日本祖語に於いて*/r/と一種の*/l/が脱落してしまったのも限られた音韻的環境だったと
思います。特に*/ri/という音節は日本祖語では不安定だったと思います。有史時代の古代日本語以来の日本語に於ける
「り」という音節は、ほとんど語幹が/r/で終わる四段活用動詞の連用形、或いは古くは*/rui/, */roi/の様な音に遡ると
仮定できるものばかりです。
例: 日本語「くり(栗)」は「くるすの(栗栖野)」などから見える様に、恐らく*/kurui/に遡ります。
日本語「まり(鞠)」は「まろし(丸し)」や後世の「まるい(丸い)」などから見える様に、恐らく*/maroi/に遡ります。
この語は多分日本語の「まとか、まどか」(円か)とも源を同じくするのでしょう。
「はり(針、梁、榛」や「かり(雁)」など、よく説明できない単語もありますが、これらの語も恐らく
古くは四段活用動詞の連用形、或いは「り」以外の何かに遡ると思います。
729 名前:
Jake_USA
:2003/11/17(月) 16:23 ID:gRJJSyBY
「はり(榛)」はハンノキの旧名ですが、これはもしかすると同じカバノキ科の樹木でハンノキにかなり似ている
「はしばみ(榛)」の「はし」と同源なのではないかと考えております。すなわち「はしばみ」が古くは「はしのはみ」で、
ハンノキの旧名「はり」と同源の要素「はし」および朝鮮語の/ba:m/(狭義では「栗」、広義では「丸っこい木の実」全般)と
同源の要素「はみ」が合わさって出来た複合語なのかも知れないと思っております。
「かり(雁)」はもともと擬声語に遡ると仮定していますが、かなり古く定まった呼称であるに違いないと思います。
もしかして日本でもっとも普通に見られるカモ、「かるがも(軽鴨)」の「かる」と同源なのでは? もちろんそうすると
「軽鴨」と書くのは単なる当て字に過ぎないという事になりますが。しかし、「かるがも」の第二要素の「かも」が連濁して
「がも」となっているのも気になります。これは古くからある単語の場合、*「かるのかも」という古形を仮定しなければ
ならないのです。「かる」が単独形(複合語じゃなくて助詞の前で普通に使われる語形)という事になっちゃいますね。これじゃ
「かり(雁)」との関係がなかなか認められません。。。しかし、「かるがも(軽鴨)」がどのくらい古い名称なのかすら
さっぱり分かりません。
730 名前:
Jake_USA
:2003/11/17(月) 16:49 ID:gRJJSyBY
ちなみに現代朝鮮語ではハンノキは/ori-namu/(/namu/は「木」の意)といい、
ハシバミは/gai'am/といいます。ハシバミを意味する語は後期中世語では/gai'om/でしたから、
ほぼ間違いなく*/gaibam/(即ち「カイ栗」:「カイ」という要素の由来は不明)という語形に
遡ると仮定できます。朝鮮語の/ori-namu/の/ori/という要素は古代日本語の「はり」(ハンノキ)と
よく似ていると思いますが、朝鮮語の単語の語頭の*/b/はどうして消えてしまったのでしょう。。。
しかし母音が*/a/(即ち*/ari/)じゃなくて/o/(即ち/ori/)となっている事が示唆的であると思います。
何らかの両唇性の子音が語頭から脱落したのではないかとね。
あと、朝鮮語の/ba:m/(栗、ハシバミの実の名前に現れる要素、ヒシの実の名前に現れる要素など)が
日本語の*「はみ」という要素と同源だと仮定しましたが、日本語にはたしか「食べ物」の意味で「はみ」という
言葉がかつてありましたよね? 日本語の動詞「はむ(食む)」を連想しますね。
731 名前:
Seosomun
:2003/11/17(月) 17:30 ID:QoJTH/rs
あの法則は高麗時代に遡ると、、
(メモメモ
732 名前:
Jake_USA
:2003/11/17(月) 17:36 ID:gRJJSyBY
あっ、アルタイ諸語に見える*/r/と特殊な*/l/のほか、日本祖語にて消失してしまったと
仮定している子音は後二つあります。まず、特に語頭に於いて、日本語から*/s/の様な子音が
しばしば脱落した形跡があります。「あめ」vs。「はるさめ」、朝鮮語/sa:r(-da)/(生きる、住むなど)
と日本語の「あり(在り、有り)」など参照。その他、日本祖語の語中から*/k/或いは*/g/の様な子音が
脱落したこともあると仮定しています。日本語「かい」(櫂)vs。「みづかき」(水掻き)など参照。
これらの事実を踏まえて、日本語の「うみ(海)」が古くは*「すみ」の様な語形だったと考えられます。
その語頭の「す」の子音は特に脱落する傾向にある*/s/系の音だったのかも知れません。
もしかして「しゅみ」だったのでは? 日本語に古く入った漢語でも「しゅ」となるべきものが「す」となっていることが
多いですよね。「す(主)」、「すぎゃう(修行)」等。つまり、私は日本語の「うみ(海)」が
もともと*/siru-muri/或いは*/siru-mori/(地水)の様な語形から*/siu-mui/, */siu-moi/に訛って、更に
「しゅみ」>「うみ」という風に発展したのではないかと思っております。
もちろんその語義はもともと「湖、池」だったろうと考えております。「海」をいう日本語は多分、
もともと「わた(り)」(渡り)だったと思います。
ちなみに「うなはら」(=現代語「うなばら(海原)」)や「うなぢ(海路)」の様な語形は、
恐らく「水」の古い属格形である「みな」(「みなもと(源)」、「みなと(港)」など参照)と関連があると
思います。即ち、「うなはら」は古くは*「しゅみなはら」(形態素の原義を漢訳すれば「地水之原」)で、
「うなぢ」は*「しゅみなみち」(地水之御道)から来ているのではないかなあと勝手に想像を
膨らませている私です。
733 名前:
Jake_USA
:2003/11/17(月) 21:06 ID:gRJJSyBY
うぅ。。。何よりも原義の再構が難しいんですよね。。。
満州語の/efen/(穀物の粉から作ったパン類・菓子類の総称)は他のツングース諸語の
どんな単語に対応するんですか? 阿木林さんはご存じですか?
朝鮮語では/ib/(昔は/ip/とも)は「口」のことですよね。
そして古代日本語では「いひ(飯)」は穀物を調理した食べ物の総称ですね。
「いふ」は言葉を発する動作ですね。
この語の間には何らかの関係があるのでしょうか? 私はツングース語について
一番知識が足りないんですけど、これらの語は何だか怪しいと思います。アルタイ諸語の
比較から*/ip/または*/ep/の様な形で「口」或いは「食べる」、「言う」などの意味を表す
語根は以前再構されたことがありますか? 誰か資料があればご指導をお願いします。
734 名前:
阿木林
:2003/11/18(火) 10:26 ID:Ic7IO08o
今日から一週間くらいこのスレッドを見られません。
efenは中国語から、ってことはありませんか?
/fen/は「粉」として、/e/がなんであるかはわかりませんが。
ツングース諸語に関しては、確かに現存する言語の研究も
大切なのですが、実際問題として、少なくとも音韻に関しては
満洲文語がほかのどのツングース諸語よりも古い形を伝えて
くれているように思います。
/ip/ いふ(言う)
/ko/ かぐ(嗅ぐ)ただし、古語では「きく」
/gui/ きく(聞く)
という対応は古くから注目されていたと思いますが、
「いひ」との対応は新しい視点ですね。
アクセント的にも問題がないかな?
あと、朝鮮語の/-r/に日本語の/-si/が対応しているらしい、
ということですが、漢字音での対応では、/-tu/ないし
/-ti/なんですよね。日本語が朝鮮語と同じ祖語から分化した
として、漢字語が日本に流入したのは時代がずっとあとのこと
でしょうし、韓半島経由で流入したかどうかも分かりません。
ナナシサンの資料を見るかぎりでは、新羅漢字音は北方中国
の音韻ですし、日本漢字音は南方的です。
735 名前:
Jake_USA
:2003/11/18(火) 20:53 ID:pWf5Giak
阿木林さん: その朝鮮語の/-r/が日本語の/-si/に対応するらしい事について
考えてみたらかなりコワイことに気付いたんですが。。。
朝鮮語に限らず他のアルタイ諸語でも「水」とか「川」をいう言葉は語尾に/-r/が
付いていますよね? 日本語でも「水」を表す単独形は「みづ」でしたね。恐ろしい。。。
まさか、、「みづ」が/mur/などに訛ったわけじゃないでしょうね。。。(汗 両唇性の子音の
直後の*/i/が/u/に訛ることは容易に考えられますね。先日、阿木林さんが指摘してくれた
満州語の/muduri/(竜)と古代日本語の「みつち」乃至「みづち」(水竜)の類似のことも
考えてたんですが。。。 方針を変えて、日本語と他の東北アジアの言語を同格として比較するのではなく
諸言語が日本語に良く似た言語の訛りだと仮定して調べた方が良いのかも知れませんね。。。
しかし、なぜ日本語だけがこんなに古い形を呈しているのか分かりませんねえ。古来の物を
正しく受け継いで保っていこうとしていたのか、それとも日本語がほとんど進化しない滞った状態の
言語なのか、或いは日本が一番孤立していて人々の言語生活を不安定にする事(民族の移住など)が
あまり起こらなかったのか。。。 それとも単なる偶然に過ぎないのかも知れませんね。
まあ、たかが2000年の間でラテン語が現代のフランス語になってしまうほど訛ったのも事実ですし、
日本の「標準語」(共通語?)が万葉集の時代以来さほど酷く変化していない事を考えれば、
古代の高句麗語が今の日本語と一番似ていても高句麗語が実はツングース語派や朝鮮語の方と
「系譜的」に近い関係にあると仮定しても無理は無さそうです。もっと確実な対応例を導き出さなければ
なりませんね。
阿木林さんは今から一週間、レスを書くことが出来なくなるんですね。どこかへ
お出かけになるのでしょうか? 阿木林さんがお留守の間も私は熱心に研究を続けます。阿木林さんが
戻ってくる時には何か成果を見せてあげることが出来たら良いですね。
736 名前:
Jake_USA
:2003/11/18(火) 21:01 ID:pWf5Giak
そういえば、日本のどこかに「古の言葉を正しく受け継いで守ろう」みたいな
グループがかつて存在しましたか? その様な事がどこかの本に書いてあったりするのかなあと
思いまして。。。 変な宗教・習わし・文化のせいで日本語が古い形のまま残ってしまった
可能性もあるのかな。ふむふむ。。。とりあえず勉強に戻ります!
737 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/20(木) 05:48 ID:yHijXHgU
日本人とポリネシア民族だけが虫の声を左脳で聞くそうですが、
この影響はどの程度のものなのでしょうか?
738 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/20(木) 11:47 ID:3hjoPw1I
単に母音基調の言語だとそうなるらしいけど。
739 名前:
tenpura ◆UMAIu01k
:2003/11/20(木) 15:46 ID:73XbRzdg
>>737
じゃあ、ベル星人にやられるのは日本人とポリネシア人とウルトラセブンだけだったのか!
740 名前:
ROM@総督府
:2003/11/20(木) 17:22 ID:MM.CjIEo
最近娜々志センセ見かけないがどうしたんだろう?
豆腐の角にアタマぶつけて怪我をしたのか、バナナの皮を踏みつけて
スベッテコロンデ骨折したのか?
741 名前:
匿名さん
:2003/11/20(木) 20:28 ID:7L.77JC.
夕霧さんの「精神的与スレ」(溜まり場)参照
742 名前:
ROM@総督府
:2003/11/20(木) 23:51 ID:x6z4c1ZI
>>741
ナルホド ワカリマシタ。
743 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/21(金) 00:40 ID:ibNekx0Q
さっぱりわからん。
夕霧さんの「精神的与スレ」(溜まり場)ってなんのことだ?
744 名前:
Jake_USA
:2003/11/21(金) 16:15 ID:tB6zA7i6
ええっと。。。この間、大学の図書館に行ってトゥルキ語派の諸言語についての
本や現代トルコ語(トルコ共和国の公用語)のトルコ・英辞書を借りてきて少し
勉強したのですが、かなり恐ろしいものですね。日本語にそっくりな言葉が多くて。。。
この前、この掲示板で「かひ(貝)」「かひ(卵)」「かふ(交ふ)」、「かふ(買う)」、
「かふ(飼ふ)」、「かは(皮)」「かは(川)」などの単語の交互関係について議論を繰り広げましたが、
トルコ語にこの議論に関わるかも知れない単語を幾つか見つけました。
日本語の*/kap/語群の幾つかに対応する可能性が高いトルコ語:
/kapy/ = 戸、門; 可能性; [すごろくに於ける] 場(を占めて妨げる)
/kapaly/ = 閉じられた、締められた; 覆われた、屋根などの有る;
一面に曇った(空); 塞がれた(道);
ストレートでない、曖昧な(言い回し);(会議などが)密かだ
/kapa(-mak)/ = 閉じる、締める;(道などを)ふさぐ; 塞ぐ、詰まらせる;
(お店を)閉店する、廃業する、(組織などを)抑制する、終わらせる;
(一般的に)隠す、覆う;(ラジオ・電気などを)消す、(水道の水などを)
止める; かぎをかける; (借金を)済す、返す; (話題を)変える、
放っておく; 蓄える; (カーテンを)しめる
/kapak/ = 蓋、カバー; 塞ぐ物、詰め入れる物; (本などの)カバー、表紙;
(生物の体内の)弁、valve
/kap/(対格形は/kab-y/) = うつわ、壺; 蓋、鞘、ケース、容器など;
(料理を盛った)お皿
/kapa-n(-mak)/ = /kapa(-mak)/の受動・反照; 籠もる、立て籠もる、隠れる;
(女性が)自分の顔を覆う;(傷が)治る; 止まる、やむ;
(空が)曇る; (何かの上へ)身をかがめる
/kap-Cyk/ = 小さな容器; 貝;(豆などの)さや
/kavanoz/ = 瓶、壺
/kavata/ = 未熟で青いトマト; 木製の大きな器
/kavky/ (貝)(これはもうトルコ語では死語なのかも。。。)
/kav-la(-mak)/ = 皮を剥ぐ
/kav-la-k/ = 皮の剥がれた、皮の無い; 剥がれた(物)
/kap-la(-mak)/ = 覆う、蓋などを付ける; 塗る、(琺瑯などを)表面に付ける、
ベニヤ(化粧張りなど)を付ける; 覆う、包む、敷いて覆う; ケースなどの中に
入れて置く、何かのカバーの中に在るようにする
/kap-la-ma/ = 覆うこと、包むこと、蓋を付けること; コート、塗り;(歯の)金冠
/kap-la-ma-cy/ = めっきをする職人
/kap-ly/ = 何かに覆われている、塗られた、めっきをつけられた;
綴られた、表紙の付いている(本)
/kaplumbaGa/ = 亀
/kabuk/ = (木・果実・貝などの)皮、殻;(傷口に出来る)瘡、瘡蓋;
表面を覆うもの全般、包み
/kapaklan(-mak)/ = (つまずいたりして)前向きにバタンと倒れる;
ひっくり返る、覆る
745 名前:
Jake_USA
:2003/11/21(金) 16:15 ID:tB6zA7i6
/kap(-mak)/ = 掴み取る、つかまえる、取る、拾い取る; 掴み取って食う;
(風邪を)ひく; (何かについて自分を)慣らす、習う;
(癖を)つける
/kap-yl(-mak)/ = /kap(-mak)/の受動態; (何かによって)攫われる、
連れて行かれてしまう、運ばれて行く、流されて行く; (何かに)見とれる、
うっとりさせられる
/kapylan(-mak)/ = 雇われる、就職する
/kapylgan/ =(何かの働きかけを)受けやすい、動かされやすい、よく影響される;
騙されやすい; すぐに恋に落ちる癖がある、惚れっぽい
/kapan/ = 罠
/kapsa(-mak)/ = (何かを)範囲に含む、収める
/kapsa-m/ = 範囲
/kapyS-kapyS/ = すぐに(売れてしまう)、むさぼるように(食う)
/kapyS(-mak)/ = つかもうとする、せかせかと手に入れようとする;
買おうと急ぐ、すぐに買う;(喧嘩などで)相手に手をつける、
つかむ;(恋人同士が)いちゃつく
/kapkaC/ = スリ、財布をつかみ盗むこと
/kapkaC-Cy/ = スリをする者
/kaplan/ = 虎
/kabza/ = 取っ手、柄(え、つか);(銃の)太い方の端、尻の方;
{俗語として}麻薬の一握り
/kabul/ = 受諾; 白状、供述; 承諾; 同意、賛成
/kabullen(-mek)/ = 奪う、剥奪する、攫う; 強いられて受ける、
いやいやながら承諾する; 受ける; 耐える、
忍耐する、我慢する; 白状する、自白する、
責任をとる; 賛成する、同意する
/kavis/(対格形は/kavs-i/)= カーブ、曲線、弧
/kavSak/ = (道の)交差点、辻、つきあたり
/kavuS(-mak)/ = 再会する; 届く、着く; 合う、重なる;
(道などが)交差する;(川などが)合流する
/kavuSum/ = 合わさること
746 名前:
Jake_USA
:2003/11/21(金) 16:16 ID:tB6zA7i6
ふゅ〜。。。他にも色?あるみたいですが。。。とにかくトルコ語が
重要な資料となりそうです。トルコ語の方言、またはオグ?ズ以外の
トゥルキ族の言語に詳しい人いませんか? トルコ共和?のトルコ語の
語中の/y/が他のトゥルキ族の言語では/d/だったりするという事は知っていますけど。。。
(/bUyUk/ = /beduk/(大きい)、/ayak/ = /adak/(足)など)。。。それに
トルコ共和?のトルコ語では昔の語中の/[ng]/が/n/または/m/に訛ってしまっているんですよね。。。
/dengiz/
> /deniz/(海)、/donguz/ > /domuz/(豚)など。。。
それに、オグ?ズトゥルキ諸方言では語頭の/t/と/d/が入れ替わったりした事も
知っています。(古代トゥルキ語/tag/
> 現代の方言の/dag/または/da:/「山」、
古代トゥルキ語/dapa/ > 現代の方言の/tepe/または/tapa/「丘; てっぺん、頂き」など。)
あと、トルコ語の/tazim/(尊崇、尊敬、尊重)、/taziz/(大切にすること、大事にすること;
?えること; 聖者の位を?えること)、/taziye/(哀悼の意を表すこと、弔う)や後期中世朝鮮語の
/d@z(-da)/(愛する、慕う)などがヤケに?になるんですけど。。。まさかトルコ語と朝鮮語の間に
この?語が借用されたことは有り得ないよね。ん〜 摩訶不思議ですね(おい!「マカ」というのは梵語
だったのか、そういえば。。。ロ?マ帝?ではMAGNA
FUSHIGIなのでしょうか。。。中世英語ならmickle不思議ですね!
可愛い感じ。)
747 名前:
Jake_USA
:2003/11/21(金) 16:18 ID:tB6zA7i6
ああ、文字化けしてしまいました! すみません。もう一度入力します。
ふゅ〜。。。他にも色々あるみたいですが。。。とにかくトルコ語が
重要な資料となりそうです。トルコ語の方言、またはオグーズ以外の
トゥルキ族の言語に詳しい人いませんか? トルコ共和国のトルコ語の
語中の/y/が他のトゥルキ族の言語では/d/だったりするという事は知っていますけど。。。
(/bUyUk/ = /beduk/(大きい)、/ayak/ = /adak/(足)など)。。。それに
トルコ共和国のトルコ語では昔の語中の/[ng]/が/n/または/m/に訛ってしまっているんですよね。。。
/dengiz/
> /deniz/(海)、/donguz/ > /domuz/(豚)など。。。
それに、オグーズトゥルキ諸方言では語頭の/t/と/d/が入れ替わったりした事も
知っています。(古代トゥルキ語/tag/
> 現代の方言の/dag/または/da:/「山」、
古代トゥルキ語/dapa/ > 現代の方言の/tepe/または/tapa/「丘; てっぺん、頂き」など。)
あと、トルコ語の/tazim/(尊崇、尊敬、尊重)、/taziz/(大切にすること、大事にすること;
讃えること; 聖者の位を与えること)、/taziye/(哀悼の意を表すこと、弔う)や後期中世朝鮮語の
/d@z(-da)/(愛する、慕う)などがヤケに気になるんですけど。。。まさかトルコ語と朝鮮語の間に
この単語が借用されたことは有り得ないよね。ん〜 摩訶不思議ですね(おい!「マカ」というのは梵語
だったのか、そういえば。。。ローマ帝国ではMAGNA
FUSHIGIなのでしょうか。。。中世英語ならmickle不思議ですね!
可愛い感じ。)
748 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/21(金) 17:29 ID:rXRBhPes
いきなり電波っぽくなってきたな
749 名前:
エスペランサ鏡国
:2003/11/21(金) 21:58 ID:qxYmffQ2
中国語のポンタンと日本語のアンポンタンはどういった関係でしょうか?
意味は同じだと思うんすけど・・。
それから同じくクールー(車輪)とクルマの関係も何かあるなと
思いましたが。どうでしょうか?
750 名前:
上同
:2003/11/21(金) 22:06 ID:qxYmffQ2
日本の中学生だったころ太いズボンを「ボンタン」と呼んでいましたが
あれも中国語のポンタン(馬鹿)に関係があるのかな。
あと、「あいつトッポイんだよ。」のトッポイと朝鮮語のトッポイダ(目立つ)
はやはり同系の言葉でしょうか?
751 名前:
上同
:2003/11/21(金) 22:10 ID:qxYmffQ2
南朝鮮では中国人のことをチャンケイーンと呼んで馬鹿にするんですが
山東半島の方言でチャンクウェイって社長のことなんですってね。
北京語の老板ですね、要するに。社長だったら別に差別語でもないすね。
752 名前:
ケムール人 ◆9s/SSlUk
:2003/11/21(金) 22:22 ID:QsfxoLDg
アンポンタンは、日清戦争のころ清からもらった言葉ではなかったか。
753 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/11/21(金) 22:46 ID:4lLN1MiE
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1044079995&ls=50
" target=new>
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1044079995&ls=50
高句麗語以外はセンセの本スレでやりましょうや
754 名前:
只今蟄居中
:2003/11/21(金) 23:19 ID:eEFhlJcw
>>749-750
鏡国さん
>中国語のポンタンと日本語のアンポンタンはどういった関係でしょうか?
日本語のアンポンタンは江戸時代の中期から使われている語です。
「アホウ(阿呆)」を薬名の反魂丹になぞらえて言ったことから生まれた
語で、「あいつはあの通りのあんぽん丹で、付ける薬がない」のような
言い回しで使用されていました。「アホダラキョウ(阿呆陀羅経)」という
語が「〜ダラニ(陀羅尼)」になぞらえて作られたのと同じようなものです。
中国語のポンタン(馬鹿)という語は知りませんが、上のような事情が
ありますので、日本語と関係付けるのはまず無理かと。なお、学生服
の「ボンタン」の由来は私の手持ちの資料ではわかりませんでした。
隠語・俗語の語源は本当に難しいですね。
>クールー(車輪)とクルマの関係も何かあるなと
中国語のことはよくわかりませんのでお答えしづらいのですが、その
クールーとはどういう漢字で書く語で、また、どの地方の方言音なので
しょうか。
>「あいつトッポイんだよ。」のトッポイと朝鮮語のトッポイダ(目立つ)
>はやはり同系の言葉でしょうか?
「トッポい」は古い例が見当たりませんねぇ。1915年刊の『隠語輯覧』
という隠語辞典に収められているようですので、少なくとも20世紀初頭
には存在したようですが。意味も、今は「生意気だ」「図々しい」のように、
決して良い意味では使いませんが、当初は「頓知があり利を見るに敏だ」
「抜け目がない」と、必ずしも否定的なものではなかったようです。問題
は朝鮮語と関係があるかどうかですが、朝鮮併合が1910年のことです
から、朝鮮語から入ったという可能性もまったくないとは言い切れません
ね。でも、正直かなり厳しいのではないかと思います。
なお、個人的には「トッポい」は、思いがけないさまや奇抜なさまを意味
する「とっぴ(突飛)だ」という形容動詞(明治初期の用例あり)を形容詞
に再活用させたものではないかと思っておりますが、それは発音と意味
の両面で関連性が認められるという程度のことでして、それ以外にさし
たる確証があるわけではありません。
755 名前:
ケムール人 ◆9s/SSlUk
:2003/11/22(土) 01:-10 ID:4jo11yjE
うは、はずかすい。やっぱりここに書くには知能が足りなかった。
事例として
「とっぽい」というのは、うち(横浜)のあたりではよく使われて
ましたね。不良じゃないけど、ちょっと気の利いた、けれどもあぶ
なっかしいお兄ちゃんやお姉ちゃんに使われる言葉でした。
昔、集団就職で来たお兄ちゃんやお姉ちゃんが周りにいて、そうした
青少年を評するのによく大人たちが使ってた言葉です。>「とっぽい」
756 名前:
ケムール人 ◆9s/SSlUk
:2003/11/22(土) 01:-3 ID:4jo11yjE
尾藤イサオみたいなお兄ちゃん。>とっぽい
757 名前:
只今蟄居中
:2003/11/22(土) 01:18 ID:I1CEoVKA
>>755
ケムール人さん
「トッポい」については、軽率な人を言う「トッパ」という語と関連付けた
方がいいかも知れませんね。「トッパ」自身は室町時代から使用されて
いる由緒のある語ですが、方言形として「トッポ」「トッポー」という語形も
存するようですし、意味の方も「おっちょこちょい」「うそつき」「いたずら者」
「変わり者」「おてんば」、そして「生意気で軽率で乱暴な若者」などの
意味で使用されています。特に最後に挙げた意味は「トッポい」とかなり
近いものと言えそうです。思うに、「トッピ」も一応「突飛」という漢字表記
を持ってはいますが、それはただの当て字で、その実態は「トッパ」と
つながる一連の語彙群なのではないでしょうかしら。
758 名前:
ケムール人 ◆9s/SSlUk
:2003/11/22(土) 03:-17 ID:4jo11yjE
言語学として云々できる立場ではありませんが
「トッポイ」については
>>757
で先生が引用されてる
語意とほとんど同じ意味で使用してました。
とっぽい=「尾藤イサオ」って、結構いい例だと思いません?
759 名前:
Jake_USA
:2003/11/22(土) 08:-4 ID:7f/GxXXs
電波じゃないですよ。私は数日前からトルコ語を勉強し始めたのですが、
この短い間で日本語・朝鮮語・満州語などと酷似している単語をたくさん発見することが
できました。トルコ語が無関係だと思えませんよ。むしろ、トルコ語は日本語と同様、
他の北アジアの言語に比べて、より古い語形を保存している様に思えます。
例えば。。。
「日」を意味する言葉:
古代トルコ語/kyn/(この場合、私が/y/を以て表している音素は円唇性の前舌高母音)> 現代トルコ語/gyn/
満州語/Sun/(仮名で書けば「シュン」です)、他のツングースの或る言語では/siun/というそうですが。。。
中世朝鮮語/h@i/(フイとホイの間ぐらいの音だったと思いますが)、現代朝鮮語の/he/(へ)
朝鮮語では/ni/が/i/に変わってしまう現象は古くに始まってじょじょに助詞を除く全語彙に及ぶようになったと
考えられるので、中世朝鮮語の/h@i/が古くは*/h@ni/(フニ、ホニ)の様な語形だったと容易に仮定できます。
ただし、朝鮮語では/ni/だけじゃなくて/ri/も音節の頭の子音が消失する傾向が強いので、*/h@ri/などだったと
仮定しても良いのですが、満州語やトルコ語との類似を考慮すれば、*/h@ni/と仮定した方が合理的でしょう。
ちなみに、前舌母音(特に前舌高母音)の前では、軟口蓋子音(/k/や/g/)が母音の前方の位置に釣られて/s/や/z/の様な子音に
変わってしまうことは非常によく起こる音韻変化の一つです。英語の"magician"がもともとスペルの通り「マギキアン」なのに、
「マジシャン」の様に発音されることを思い起こしてください。この事実から見ると、古代トルコ語の/kyn/と満州語の/Sun/(シュン)は
正に酷似の単語なのです。ちなみにこの音韻変化の現象は、子音が本来の調音点から移って硬口蓋で調音されることになるので、
「口蓋化」と呼びます。
朝鮮語の/ni/の/n/が脱落してしまうという現象はさっき述べた「軟口蓋子音の硬口蓋化」ほど一般的なものではないです。
しかし、朝鮮語が古い時代にとても異質な言語である漢語から強い影響を受けたと思われます。歯子音で始まる/ni/が口蓋化によって
硬口蓋鼻音という音で発音されるようになった後、さらに子音が消えては母音に鼻音性が残るだけとなって、結局は母音の鼻音性も
識別的な役割を失くして単なる/i/母音が残ったと考えられます。朝鮮語に見えるこの音韻変化は一般的には珍しい方だけど、シナ系の
言語なら起こってもおかしくありません。中国語の「日母」(「日」の字音の語頭子音)の発音も一時、正にその「硬口蓋鼻音」だったと
思われています。それが日本語の音読みでは「にち」、「じつ」などとなっていますね。よっぽど変な子音ですから日本人が上手く発音できなかったの
だろうと思います。現代マンダリン語では/r/と/z/の中間の様な独特な摩擦音となっています。
さらに朝鮮語に見られる/h/音ですが、これは今もなお由来が明らかになっていません。日本語の「し」で始まる単語
(「しろ(白)」など)によく対応する様ですが、元々/s/系の音ではなくて/k/系の音だったのかも知れませんね。
また、モンゴル語と日本語にはこの*/kyn(i)/「日」と同源っぽい言葉を見つけることが出来ませんでした。
日本語では日数を数える時に「か」(日)という要素が入っている単語を使いますが、「か」と*/kyn(i)/とでは関連性が
なかなか見えてきませんね。強いて言えば、日本語の「き(黄)」「くがね(黄金、後世ではもちろん「こがね」)」などに
見える*/kui/または*/koi/かなあ。でも私は今まで「黄」が「木」と同源だとてっきり思い込んできましたけどね。
古代ギリシャ語でもxylosは「木」のほかに「黄」という意味をもっていたので。木材の色を「黄」にたとえたのだとか、
それとも秋に黄葉する木に由来するのだとか考えていました。日本語のアクセントに詳しい方、「木」と「黄」の関係の
可能性についてご説明をお願いします。
760 名前:
Jake_USA
:2003/11/22(土) 08:-3 ID:7f/GxXXs
しかし他にはモンゴル語にも日本語にも通ずる単語もありますよ〜。。。例えば:
トルコ語/CaG/「時間、日付; 時代、時期; (何かについての)相応しい年ごろ、相応しい時(季節、時期等)
(トルコ共和国の共通語では「チャー」の様な発音になっています)
モンゴル語/cag/「時間、時期、季節、時代」
女真語*/sege/(漢字表記は「塞革」)「(過去に於ける)年、(年齢を言う時に数字に下接する)歳」
満州語/se/「年齢、歳」
後期中世朝鮮語および現代朝鮮語/jeg/「時、(何々をした)こと(がある)」(現代語では文