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レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
高句麗語合戦 〜あれは韓国これは日本〜

500 名前:名無しさんはポシンタン:2003/10/11(土) 04:35 ID:nG3U0CHk

>2ちゃんねるの「.【謝ることなど】日韓歴史認識スレ15【ない】」

そんなのハン板にあった?アドレス貼ってくださいよー

501 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/10/11(土) 05:02 ID:BBN/iC5.

>>500

愚かな 日本人はこのスレをよく読むべきですね

.【謝ることなど】日韓歴史認識スレ15【ない】
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1064336195/" target=new>http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1064336195/

502 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/10/11(土) 10:39 ID:BBN/iC5.

 どなたか朝鮮語のわかる方、>>499

http://www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm" target=new>http://www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm

を翻訳して頂けないでしょうか。

http://j2k.naver.com/j2k.php/japan/www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm" target=new>http://j2k.naver.com/j2k.php/japan/www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm
http://ocn.amikai.com/amiweb/browser.jsp?url=http%3A%2F%2Fwww.hangeul.or.kr%2Fhnp%2Fhg2000%2Fhg249_03.htm&langpair=9%2C2&c_id=ocn&lang=JA&toolbar=yes&display=2" target=new>http://ocn.amikai.com/amiweb/browser.jsp?url=http%3A%2F%2Fwww.hangeul.or.kr%2Fhnp%2Fhg2000%2Fhg249_03.htm&langpair=9%2C2&c_id=ocn&lang=JA&toolbar=yes&display=2

でも何となく意味はわかる(復讐は複数、再区は再構、聖母は聖母、
雲母は韻母でしょう)のですが、「定木」とか「ウンミ」とか「歳国」とか
ところどころ理解出来ない語句がありますので。

503 名前:日語商売:2003/10/11(土) 20:37 ID:6gCMnqJw

>>502
拙い韓国語力で翻訳してみました。一部意訳したところもあります。
おかしなところも多いと思いますがスマソ
----------------------------------------------------
ハングル第249号 2000. 秋
高句麗語表記漢字音の形成基層とその語彙研究

目次
1.はじめに
2.高句麗地名資料
3.資料分析結果
4.結語

 高句麗語を表記した資料である『三国史記』巻37の複数表記地名資料の中で、一度に15個の地名に用いられた高句麗漢字音を形成した基層と、語彙についての検討をするため、多くの学者が再構した上古音や中古音の声母や韻母の体系に基づき分析検討し、また上古韻尾子音の反映であるかどうか検討した。
 その結果、音借字41字中、上古音を基層とする高句麗漢字音と推定される字は37字(90%)で、中古音を基層とする高句麗漢字音と推定される字の数は4字(10%)、上古字音の韻尾が反映された字は1字しか現れておらず、また20個の語彙中、新羅語や百済語、あるいは中世語と関連がある語彙は16個(80%)で、純粋な高句麗の方言と推定される語彙は4つ(20%)だった。
 以降の結果からみて、高句麗語表記資料は上古漢字音を基層として形成されてはいるが、上古子音韻尾の反映がない点からみて、5、6世紀ごろの後期上古音と一部中古音が、高句麗漢字音を形成した基層であり、また高句麗語と新羅語および百済語は若干の言語差異を持つものと見られ、3国の言語が単一語であることが立証された。
〈チェ・ナムヒ 東義大国語学〉

504 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/10/11(土) 21:53 ID:BBN/iC5.

>>503 日語商売さん

 ありがとう御座います。大変助かりました。ちなみに、>>502の「聖母は
聖母」はもちろん「聖母は声母」のつもりだったのですが、変換ミスをして
しまいますた。スマソ。

 ところで、日語商売さんとしては、このチェ・ナムヒ先生の結論に対して
どのような感想をお持ちになったでしょうか。

505 名前:日語商売:2003/10/11(土) 23:05 ID:6gCMnqJw

「以降の結果」って「以上の結果」の間違いだ。スマソ

>>504
正直、要旨を読んだだけじゃ何とも言えないのですが、
資料が少なすぎること、どのような再構音に基づいているのかや手続きの問題、
他いろいろの問題があるのではと思っています。
この雑誌は母校の研究室で購読してるので、後輩に頼んで、コピーして送ってもらおうかな。

506 名前:阿木林:2003/10/12(日) 07:51 ID:39/.rCjA

上古漢字音・・・ですか。5,6世紀のものを後期上古音と呼んで
よいものかどうか。
上古音といえば通常、論語や詩経の時代から漢代に
かけてのものを言うと思うんですが・・・
ぜひ上古音を基礎とした高句麗漢字音の体系とやらを見てみたい。
清濁の区別を持たない時点で上古音とはいえないと思うけど。

東晋以降に南北の言語の分化が進んだと言われており、
中古音というのは南北朝の南朝後期の発音であるといえます。
北朝の発音は唐宋音に近いものであったと考えられます。
唐宋音で濁音が消滅しているのは、北方異民族の言語の影響を
強く受けたからとみられます。

507 名前:香具山の光:2003/10/13(月) 00:11 ID:Yoh2fHXg

こちらでは学術的な討論が進んでいて>>499に書き込んだ甲斐があったというものです。
googleで「高句麗語の研究」を検索すると唯一ヒットするサイトが
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/" target=new>http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/
「娜々志娑无のぺぇじ」。このスレに直リンクが貼られていて実に便利です。
貴重なスレなので、どうか末永く存続させて下さい。

508 名前:日語商売:2003/10/13(月) 00:45 ID:PVZyHjM.

>>506
5〜6世紀の中国語の音韻は、むしろ中古音だと思いますね。
前にいろいろな学者の説やその時代の詩の押韻などから、ちょっとだけ漢〜南北朝時代の
音韻の変遷を表にまとめたことがあったのですが、一番中古音に近い押韻体系なのは南北朝後期。
唐代になると近世音に近づく変化が一気に進みます。
面白いのは、10世紀頃の音韻資料で、今の南京あたりの読書音が反映されているらしい資料を
今扱ってるのですが、それが北方音から見ると超保守的。
いくつか近世音の特徴もあるのですが、かなり『切韻』の体系に近い特徴を持ってます。
いかに南方と北方で言葉が違ってたかのか示唆していると思います。

>>507
こちらのスレを立てた娜々志娑无先生のサイトですね。
資料や過去ログにも有益な情報がたくさんありますので、是非ブックマークして御愛顧下さい。

509 名前:阿木林:2003/10/15(水) 16:19 ID:lHVnF3zc

10世紀頃だと、中原音で入声が合流しているくらいでしたっけ。
中古音の基礎となっている広韻自体が、北方漢語の話者である
鮮卑人である編者が、文化先進地域である江南地域の音韻を
まとめるために作られたものといえますから、唐代でも南北の差異が
開いていたことが窺い知れます。というか南北朝時代にそれが
固定化されたのでしょう。

現在の中国の言語的な南北の境界はほぼ長江にそっており、
南京含め長江以北はほとんどが「官話」地域ですが、
長らくシナの南北の境目はワイ河とされていたのですから、
言語境界もそのあたりにあったと考えるのが自然です。
明初くらいまでは南京は中原音よりもむしろ呉語に近い言語が
話されていたのだと思います。
現代の南京音は入声が声門閉鎖音として残る以外はすっかり
北方官話化していますが。

時代ごとに残された「韻書」の基準となった地域が、江南、長安、
ベン京、北京、南京などと移り変わっていることも、無視できない
事実ですよね。

朝鮮漢字音も超がつくほど保守的で、
三等と四等が区別されていたりするのには感動すら覚えます。
乙 *I@t eul オツ・イツ
一 *i@t il イチ
ただし以下の例では朝鮮音で混同されていて呉音で区別されています。
金 *kI@m keum/kim コム・キム
襟 *ki@m keum キム (中古音はうろおぼえですが)

中古音における三等というのも、かつては朝鮮語のeuのような
音値だったのかもしれません。ある時代にそれが一斉に-i-と
合流したのではないか。

510 名前:阿木林:2003/10/24(金) 12:14 ID:jmbqRw0I

なんか、私わるいことでも書いちゃったでしょうか・・・

朝鮮漢字音で上古音の痕跡を残しているらしいものといえば、
蹴、丑をchukと発音することなどでしょうか。
日本漢字音では入声を失っているのですが、
丑は忸などの音符になっているように、古くは入声だったのでしょう。
そのくせ、告goや洗seなどは末子音を失っていますが。
朝鮮漢字音の場合も日本語の呉音漢音同様にさまざまな層が
あるため、かなり複雑な様相を呈しています。
墨は漢字音ではmokですが固有語ではmeokであり、これも古い
漢字音であろうと言われています。

511 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/10/24(金) 12:55 ID:XUiYhPGI

>>510 阿木林さん
>なんか、私わるいことでも書いちゃったでしょうか・・・

 いえいえ、最近本家の某スレの方で日韓中における「檀」の正体をめぐって
いろいろ盛り上がっている上に、リアルの方でもそれなりに忙しいもんで、
ついついこちらの方がおろそかになっているだけでおます。まぁ総督府は
本家と違ってスレ落ちの心配をする必要がありませんので、長〜い目で見て
やって下さいませ。

 古い朝鮮漢字音と言えば、「車」の「k∂」もそうみたいですね。「c‘ja」の方は
間違いなく中古音でしょうが。中古音以前の漢字音は日本でも推古遺文の万葉
仮名や金石文の借音表記などに残っていますが、その多くは古韓音と呼ばれる
古い漢字音の流れを汲むものだそうです。この「k∂」も古韓音の成れの果てと
いうことになるのでしょうかね。

512 名前:阿木林:2003/10/24(金) 13:53 ID:jmbqRw0I

ははぁ。檀とはなんでしょう。。栴檀は双葉より芳し。
車については現代北京音でもche1/t∫∂1/、ju1/t6y1/の二つの音があり、
juはシナ将棋の「車」に用いられていますが、これが古くは/kjy/と
発音されていて、/*ko/にまで遡ることができるようです。
おもしろいのは朝鮮将棋の「車」は/t∫a/と発音されていること。
「飛車」の語源でもあるのでしょう。

「庫」の音符に使われていることから車に/k∂/という音があっても
おかしくはないのでしょうが、シャとコがかけ離れているため、
古代シナの別系統の言語を反映した可能性もあるのでしょう。
日本語の「くるま」は「くるり」という擬声語からなんでしょうけど・・
朝鮮固有語では「くるま」はスレ、またはバクィといいます。

残念ながら私の朝鮮語力は西大門さんほどではないので、
朝鮮語で/k∂/と発音されている例については、自転車をなぜか
チャジョンゴと発音する他に例を思い出せないです。
これが「チャリンコ」の語源だという説もありますが。
それ以外の単語、自動車などではチャドンチャと発音されます。

調べてみたら、車渠/k∂g∂/という単語を見つけました。
日本語では車渠貝、つまりシャコ貝のことです。
この場合も日本語で「シャ」なんですねぇ・・・

513 名前:Seosomun ◆57aYuBt.:2003/10/24(金) 14:23 ID:GLdPw6VY

人力車=インリョクコ
停車場=チョンゴジャン
ベトナム語の発音にヒントがあるかも
19世紀からある用語には普通に使われるようです


514 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/10/24(金) 14:55 ID:XUiYhPGI

>>512 阿木林さん

 文字通り、「檀」の正体です。「檀君神話」の件から、「檀君」の「檀」とは何か
という話になり、日中韓で「檀」という漢字で表記される植物の正体は何なのか
ということを検討しています。日本では「マユミ」または「インドの香木」で確定
したと見てよさそうですが、古代中国の「檀」及び朝鮮半島の「檀」の正体に
ついては謎が多く、いまだ具体的につかめていない状態です。阿木林さんも、
また他の方も、もしご興味がおありでしたら、

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/san15.html" target=new>http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/san15.html ←前スレ
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1066454986/" target=new>http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1066454986/ ←現行スレ

をご覧の上、参加して頂ければ幸いです。ちなみに、こちらでもお馴染みの
日語商売さんも参加しておられます。つーか、私が引き込みました(w。

515 名前:阿木林:2003/10/24(金) 15:01 ID:jmbqRw0I

なるほど。停車にはチョンチャという発音もあるので、
停車場もチョンチャジャンと読んでいましたが、チョンゴジャンが
正しいのですね。漢越音ではxa、ベトナム語音ではxeですが、
この/x/は喉音ではないので直接の関係を見出すのは難しそうです。
停車をチョンゴと読むのは、どちらかというと年配層ではないでしょうか。

関係ないですが「船着場」の発音を聞いていると、年配の人は
ソンチャクチャン、若い人ほどペチャクチャンと発音する傾向が
あるようでした。湯桶読みのような例ですね。

516 名前:日語商売:2003/10/24(金) 19:02 ID:4FNIWM02

>>510
最近ちょっとよそで立て込んでいたもので・・・

「蹴」は『広韻』では入声音しかなく、日本の「シュウ」の読みの方が、
声符の「就」に引っ張られた慣用音です。
「告」や「洗」も、日本の「コク」「セン」はそれぞれ「告朔(古代の祭りの1つ)」
「姑洗(音階名、また旧暦三月の雅称)」という特殊な語彙だけに用いられる読みを
採用してしまったものとのことです。

朝鮮漢字音で古そうな気がするのは、-eoi となるはずのところで一部 -eo となる
読みの字がある点ですね。麗 ryeo とか西 seo(syeo)とか低 jeo(tyeo)とか。
単に末尾の -i が脱落しただけではなくて、中国側で一時期 -ei ではなくて -e のような
音だったのかな、と。ただこれ初声(頭子音)が舌尖の音のときにしか現れない現象なので、
別な理由(舌尖音とiの間で異化が起こり脱落した)かなともおもいます。

古い漢字音の痕跡だと、筆を bus(<but)というのもそうだと聞いたことがありますね。

517 名前:阿木林:2003/10/24(金) 20:19 ID:jmbqRw0I

ありゃりゃ。自分が出した例はことごとく古音とは無関係だった模様ニダ・・・
丑がチュクと読まれる例はまだいけると思うのですが。。。哀号

蹴という字も中国語、というか各地のシナ系言語で使われることが
すくないのですが広東語でも福建語でも上海語でも入声なんですね。
洗は北京語でも、姓に使われるときはxian2だし。
告は酷の音符に使われているのだから古音で入声でおかしくないと
思っていたのですが・・・少し賢くなりました。
おばか丸出しだなぁ。。wチンシムロ謝罪するニダ。

518 名前:阿木林:2003/10/24(金) 20:34 ID:jmbqRw0I

「檀」については、あとでスレを覗いてみますね。
麗とか西とか低とかは、/∂/の音値が古くはずっと/e/に近かったため、
ということで一応解決できるのではないかと思っておりました。
福建語では/ei/という韻尾がないため、これらは/le/, /se/, /te/
と発音されています。
じゃあなんで/ei/という韻尾をもっていたはずの朝鮮漢字音で
/rei/, /sei/, /cei/という音にならなかったのか、
という疑問は依然として残るのですが・・・
呉音だとこれらはライ、サイ、タイとなるわけでして・・・
やっぱり「層」の問題として解決するしかないのでしょう。
末尾の-iが脱落するという点では、むしろ新しい層の漢字音に
属しているのかもしれないかな、と思ってみたり。

519 名前:日語商売:2003/10/24(金) 21:36 ID:QNkkr0Ls

丑が chuk となるのは古音の可能性がけっこう高そうですね。
ただ十二支の場合はタイとか他の地域にも借用とみられるものがあるのですが、
「丑」はなんか変な形になってるんですよ。語頭にpがあったり。
現地語の影響か古代の複子音の名残かわかりませんが。

よく古音の名残として取り上げられるものとして、-αの音を持つ漢字音の一部に
韻尾にiがくっついてるのがあることを思い出しました。
個(箇)gai とか、倭 uai とか。
ただこのiは、主格を表したり名詞を作ったりなどいろいろ機能を持つ -i が
くっついたまま残ったものという説もありますね。
脳悩 noe(noi)とか取趣就臭 chui のように、本来どこをどう振っても出てくるはずのない
韻尾のiが現れる漢字音もありますし・・・謎です。

520 名前:阿木林:2003/10/24(金) 21:56 ID:jmbqRw0I

十二支名が古代の華南のなんらかの言語による動物名の痕跡
(おそらくミャオ・ヤオに近い言語)だという説があったと思うのですが、
西田龍雄先生か誰かだったかなぁ・・・
ベトナム語と十二支
chuo^t_ 鼠 ○
tra^u 水牛 ○
ho^? 虎 (漢語) ×
meo` 猫(mao~の変?) △
ro^ng` 龍 ○
ra(n/ 蛇 ×
ngu'a_ 馬 ○
de^ 山羊 ×
khi? 猿 ×
ga` 鶏 ×
cho/ 犬 ○
lo'n_ 豚 ×

ミャオ語は、湖南、貴州、雲南の順で紹介する。

子 nen4 / nang4 / zhua6, nang4
丑 yu4 / lyo4 / nyo2
寅 jo3 / xe3 / zho3
卯 la3 / lo7 / lua3
辰 rong2 / vong2 / rang2
巳 nen / nang / nang
午 me4 / ma4 / nen4
未 yong2 / lyi3 / yang2
申 mrai / lei / la
酉 nu6, nu6-nu2 / ne6, nyong2 / nong6, zheu5
戌 ghwou5 / dla5 / dle5
亥 nba5 / ba5 / nbua5


521 名前:阿木林:2003/10/24(金) 22:09 ID:jmbqRw0I

機能辞の/-i/が残されているというのは、古韓語にあった/-i/の
ことでしょうか。それとも古漢語に見られる屈折現象のことでしょうか。

個/gai/というのは、個が古くは介に通じていたこと(一介の浪人、
というような言い方にも残されている)によるのでしょう。
客家語海陸方言だとkai5、潮州語でもkai2という発音になるのですが、
これは漢字音として認めてよいか微妙です。
倭/oai/は「矮/oai/」と関連があるのでしょうけど・・・

脳とか悩は本当に謎ですね。/noi/という綴りが/noi/という発音から
/nφ/に移行してからの漢字音でしょうか・・?
取趣も、シナ語の近世音に由来しているような気がします。
就臭とか吹とかは、それに釣られてしまった形なのではないかと
思うのですが、北京音の/-ou/にまとめて対応しているので、
ここにも何か秘密があるのでしょう。
上海音などでこれらが/-γ/と発音されていることを思い出します。

茂/mu/なんてのも面白いですよね。

522 名前:日語商売:2003/10/24(金) 23:00 ID:QNkkr0Ls

十二支名はいろんな説がありますね。
生まれたから死ぬまでを象徴しているとか、12ヶ月を表しているとか。
どれも決め手がないんですがね。
各地語のを見ると、現地語と漢語の動物名と十二支名がごっちゃになっていて、面白いですね。

漢字音にみられる -i は河野六郎先生によれば、名詞形を作る語尾からの
類推じゃないかということですが、どうなんでしょうねぇ。
脳は中期語の読み方では no だったはずですから、どこかでiがくっついたようですね。
蘇州語だと -au, -ou が前舌の -ae, -γ になるけど、直接の関係がなさそうだし。

茂は北京語では mao になってるし、結構変化が激しい音節のようです。
もとは mou だったのですが、同音の戊貿など mao になっているのに、
同音の牟眸・謀は mou、畝・母は mu になってます。

523 名前:阿木林:2003/10/25(土) 01:47 ID:efrfh1Qs

ああ、そういえば貿もmuだった・・・ムーヨクと無縁の生活をしているわけじゃ
ないというのに。
だいぶ前にあげられていたと思うのですが、江戸時代のプサン方言の記録で
「道」を「てい」と記録している資料があるそうですね。
思うに「脳」のようなよく使われる(多分)語彙には特殊な漢字音が生じ、
悩が引きづられた、というようなところではないでしょうか。

茂戊貿はすべて/mu/と読まれるし
牟眸謀はすべて/mo/と読まれるのだから、
北京音ともわりと関連がありそうですね。
畝は/mu/、母は/mo/ですが、母はかなり古い時期に入った
漢字音だろうし。

524 名前:阿木林:2003/10/25(土) 12:48 ID:efrfh1Qs

連カキすまそ。
ある時代のある時期に、/-o/が/-oi/にシフトしてしまうような
現象があったのかもしれません。
そういえば中国語板でロシア語のチャイのイ、が何か、
というのが話題になったことがありました。
福建音でte2なので、chaiというような音がある時代に存在したとしても
おかしくはないのですが・・・
単に子音にひきづられて/-i/という韻尾が発生したのかもしれないし、
ー児などの接尾辞や、「茶葉」が単音節化したものなど、さまざまな
可能性が考えられます。
あと、十二支についてはベトナム語などの例では十二支それ自体を
あらわす単語はなく、すべて「動物名」として使われているものです。
十二支が動物の名称にシフトしたと考えるよりは、古代の異民族語に
よる動物名こそが十二支であったという説を私は考えています。
ついでに十干も古代語の数詞か何かなのではないかと思います。
ミャオ・ヤオ語とはある程度関係が見出せると考えています。

525 名前:日語商売:2003/10/25(土) 21:55 ID:tvMcCFWI

>>524
そいえば韓国語には後続音節のiに引っ張られて前の母音が前舌化する、
いわゆる「ウムラウト」があるそうですね。
今語例を思い付かないのですが。
あと、「牛」もsoとsoiの2形があって、後者は接頭辞に使われる。

chaiのように -i がついている「茶」の形は南方方言にけっこう見られるそうで、
これも古音の名残という人がいましたが、どうなんでしょう?
中国語板はチェックしてないなぁ。なんか音韻学関係のスレってありますか?
言語学板はデムパゆんゆんスレが多いので恐くて逝ってませんw

十干も謎ですよね。
字や音からみていくと、植物の芽生えから実りまでを象徴しているようだけど、
やっぱり何らかの数詞でしょう。
苗瑶あたりは古代からのつながりが大きそうですから、関係調べるといいかも。

526 名前:名無しさんはポシンタン:2003/10/26(日) 16:53 ID:syDVvwgQ

そういえば昔『迷宮』に「十二干」説の論文のが連載されてて面白かったな。


527 名前:阿木林:2003/10/28(火) 10:42 ID:rAMt5Ixs

カイ(犬)>ケーのような音便はありますが、これはウムラウトとは
呼べないですよね。
so牛、soegogi牛肉という変化ですが、これも
so eui gogi(牛の肉)の音便というふうに説明することができます。
これが「肉」じゃなくて「仔(aji)」がつく変化だと、
ソ(牛)>ソンアジ、馬(マル)>マンアジ、犬(ケ)>カンアジ
のように-ng-が挿入されるのがおもしろい。
古くは*ngaji(ngagi)というような形だったのかもしれません。

茶の南方方言で-iという形が多い、というのはデマかハッタリの
部類ではないかと思います。そのような南方方言はついぞ聞いた
ことがないです。マレー語などを介してティーやテーの語源となった
のは恐らく福建語ですが、福建音で/te2/と発音されるのも、実は泉州音で
/tε2/と発音されることから、これが/ta2/の変音であることが
わかります。「チャイ」という語型は、恐らくモンゴル時代に広がった
語型であると思います。モンゴル語のチャイがインドから西南アジア、
ロシア東欧にまで広がっています。元のころに生じた、特殊な音韻が
元になっているのではないかと思います。もしくはずばり「茶葉」がなまって
チャイになったのではないかと。
音韻学関連の話題は、僕もそれとなく話題を振ってみることがあるのですが、
「現代中文」をやっている人たちにとっては、あまり近づきたくない世界で
あるようです。乗ってくれるのは自転車小僧さんくらい。
建てるとしたら言語学板かなぁ・・・



528 名前:阿木林:2003/10/28(火) 10:44 ID:rAMt5Ixs

植物の伸びるさまなんて発想は全然なかったです。おもしろい。
昔しらべた、ミャオ語の数詞との比較を紹介してみます。
ミャオ語は、湖南、貴州、雲南の順です。
なお、表記は苗語ピンイン方案の声調表記のみ数字にしたものです。
ヤオ語とも比較してみたことがあるはずなのですが、
あんまり収穫がなかった記憶があります。

甲 カフ a3 / i, ghai3 / i
乙 ou / o / au
丙 bu / bi / be
丁 brei / dlu / blou
戊 bra / za / zhi
己 dhao5 / dyu5 / dhou5
庚 jong6 / xong6 / xang5
辛 yi4 / ya8 / yi8
壬 jo2 / je2 / jua2
癸 gu4 / ju8 / gou8

>>526
おもしろそうですね。内容を紹介していただけるとコマプーです。

529 名前:名無しさんはポシンタン:2003/10/28(火) 11:49 ID:UiwdKVhc

>>528
十干はもともと十二干で、二つ削って十干が作られた一方、十二干から十二支が作られた。という説。
ところで「コマプー」とは?

530 名前:阿木林:2003/10/28(火) 13:52 ID:rAMt5Ixs

>>529
おお!ありがとうございます!ちなみにコマプーとは朝鮮籍日本人の
友人の口癖ですが、コマプスムニダ(ありがとう)の変形であると
思われます。いずれにせよ30男が口に出すと相当キモイマンです。

十二干から十干と十二支が作られたなら、もともとそれぞれは同じ
ものだったということになりますね。どれがどれに対応するのだろう・・
朝鮮語でも子(ja)と鼠(jwi)、丑(chuk)と牛(so)なんてのは似ているな、
と思うのですが、そこからあとが全然つづかないので、
十二支朝鮮起源説を打ち立てるのは私にはむりぽですw

531 名前:名無しさんはポシンタン:2003/10/28(火) 15:20 ID:J1Q1DlsU

>>530
甲→子、乙→丑、丙→寅・・・・・というような感じです。

コマプー、それ面白いからマンセー、アイゴーに続く第3のニダ系2ちゃん語として流行らせよう(w

532 名前:日語商売:2003/10/29(水) 16:55 ID:xwNW9uco

>>528
2、3年前に読んだ本に書いてあったのですが、あいにくその本は日本の荷物の中に
埋もれてしまっているので、参照できません。
「甲」が種の殻が割れた様子、「乙」が曲がった根が出た様子、
「丙」が双葉の出た様子・・・のような感じの解釈でしたが、
面白いけど後付けの解釈のような気がします。
それだと『説文』の陰陽五行の解釈と大した差はなくなってしまいますが。

数詞との比較も面白いですね。
甲kap、乙・ι∂t、丙pιaη、癸kiuiは似ていますし(音価は中古音)、
戊m∂u、庚kaη、壬nziemも似ていると言えば似てます。
あとは何とも言いがたかったり。
他の語彙も含めてきちんと比較した研究もありそうですが
今資料を参照できる環境にないのが辛いです。
中国少数民族語の概説書は確か図書館にあったので、時間があったらそれら引っくり返して
対照とかしてみようかな?

しかしコマプーってのも変な言葉ですね。
パンマルならコマウォとかコマワなのに、そういう形になるのがいかにも。
それともどこかの方言ではそういう形も使うのかな?

533 名前:名無しさんはポシンタン:2003/10/29(水) 22:04 ID:0PJIWDmU

十二干説だと、甲は、神憑かりする人がかぶる祭儀用の仮面。乙は忘れた。丙は壷を二つ並べたさま。
・・・・だったかな?

534 名前:Jake_USA:2003/11/02(日) 15:52 ID:t/UjzdUE

高句麗語の「谷」を意味する言葉について、ほとんどの研究者が見過ごしている
資料があると思います。皆さん「鶏林遺事」という書物を知っていますか?
前期中世朝鮮語の資料としてかなり役に立つと思いますが。。。
とにかく、「鶏林遺事」には、「渓曰渓」、すなわち、「渓(山地に在る小川)を
渓と云う」という記録があります。「渓」を意味する単語の場合は後期中世朝鮮語の
「シーナイ」じゃなくて漢語をそのまま使っていたという解釈につながるんですが、
「渓」の次の訳語一対こそ興味深いのです。それは、「谷曰丁蓋」(谷をテョンガイと
云う)と、漢語の「谷」を朝鮮語の「丁蓋」の字音の様に発音された単語をもって
訳していたのです。この「テョンガイ」(tjenggai)は多分新羅系の言葉で、高句麗語の
「タン」と日本語の「たに」と同源の語(テョン = tjen)に中期朝鮮語と現代朝鮮語の
「浦、入り江」などという意味の「カイ > ケ」(ハングルでは개)を付加した結果
生じた語形ではないでしょうか。意味的には「浦、入り江」という要素を「谷」に付け加えるのは
おかしいと思われるかも知れないが、朝鮮語の「カイ > ケ」がもともと日本語の「かわ(川、側)」と
同源だと考えるなら、納得がいきそうな気がします。英語の「river」の語源がラテン語の「ripa」(岸、すなわち
英語の「side」(サイド)みたいな意味の語根)に由来する事を参考にしてください。

皆さん僕の提案についてはどう思いますか?


535 名前:Jake_USA:2003/11/02(日) 16:36 ID:t/UjzdUE

日語商売さん:
韓国語に於けるウムラウト現象の例が思いつかないとおっしゃっていましたが、
私が補足します。何時の時代から朝鮮語にウムラウト(前舌母音化)という現象が
あったなんて事について学説を作ってみたとしても、朝鮮語の系統が確定できるまで
そんな説を裏付ける証拠は現れないと思います。しかし、後期中世朝鮮語から近代朝鮮語へ
移る段階で、接尾辞に於いてウムラウトが広く行われた形跡が残っています。例えば、
「ナニナニ生まれ」という意味の接尾辞の「-ナギ」(-나기)は明らかに朝鮮語の自動詞
「ナ」(나 生まれる、成る、起こるなどの意味)に動詞・形容詞から派生名詞を作る接尾辞
「−キ」をくっ付けた結果生じた複合性(二重?)接尾辞です。その「-ナギ」という接尾辞が
今は多くの朝鮮語の方言では実際に「-ネギ」(-내기)のように発音されています。「ナ」から「ネ」のように
母音が「ア」から「エ」に変わったのは、その後に続く音節に「イ」という前舌母音が存在する事に
因ります。これはまさに「ウムラウト」です。「-ナギ」>「-ネギ」の外にも、「ナニナニ屋」のように
ある職業・癖をもつ者の意味を表す単語を作る接尾辞、「ージャンイ」(-장이)が現代朝鮮語では
多くの場合に於いては「ージェンイ」と発音されるのが普通です。

536 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/02(日) 19:53 ID:b2IIqOHI

>>534 Jake_USA さん

 総督府へようこそ。当スレのスレ主は朝鮮語がまったく出来ないので、
朝鮮語の出来る方は特に歓迎致します。今後とも宜しく。

>皆さん「鶏林遺事」という書物を知っていますか?

 『郷薬救急方』と並んで貴重な前期中世語資料の一つですね。

http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/kelim.htm" target=new>http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/kelim.htm

に写真があります。「渓曰渓」「谷曰丁蓋」は

http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/kelim3.htm" target=new>http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/kelim3.htm

の方にありますね。後者の「丁蓋」の「丁(ti∂η)」の部分が高句麗語
の「t∂n(谷)」と関係があるのでは、とのことですが、中々興味深い説
だと思います。ただ気になるのは、もし高句麗語の「t∂n(谷)」が語源
なら、語末はnのはずなのに、実際はηになっているという点です。
nとηの違いは日本人には難しいでしょうが、nとηの違いを音韻として
区別している中国人にとっては朝飯前のはずです。また、明代の中国
資料で後期中世語資料でもある『朝鮮館訳語』に「村」を呑」と漢字で
借音表記した例があり、後代でも「村(=谷)」の語末子音はnであった
ことがわかっています。この辺りの事実とどう整合性を付けるかが問題
となりそうですね。「蓋(kai)」の部分が朝鮮語の「kai→kε(浦・港・川
の支流)」であるというところは私も賛同します。

>朝鮮語の「カイ > ケ」がもともと日本語の「かわ(川、側)」と
>同源だと考えるなら、

 朝鮮語の「カイ」と日本語の「カワ(川)」が語源的につながるかどうか
はともかく、「カワ(側)」はこの場合無関係でしょう。「カワ(側)」の初出
は室町時代のことですし、当初から丸く輪をなしたものの外周部分と
いう意味もあったことから推測するに、語源は「カワ(皮)」であると考え
られますので。

537 名前:Jake_USA:2003/11/02(日) 21:11 ID:t/UjzdUE

No.48
意  味 :斧(名詞)
原  文 :「於斯内県一ニ云フ斧壌」(『三国史記』)
漢 字 音:於斯(中:io-syie、朝:∂-s∧)

現代語では使われていないのですが、古い時代の日本語には「斧」という意味の
単語には、「をの」の外に「よき」という単語があったそうです。高句麗語に於ける
語中の「シ」が日本語の語中の「キ」に対応すると考えたら他の対応例が難しくなって
しまいますか? 古代の朝鮮半島のどの言語も日本語とはそんなに近い関係には
無かった様ですから、高句麗語と古代日本語の間には既にかなり大きいな音韻の
相違が生じていたのでしょう。高舌母音の前に現れるk・gが世界の各言語で
しばしばch・jh、ts・dz、s・zの様な音に変化する事を考慮に入れてください。
東アジアの言語に於いては特にそういう変化が普遍的の様にさえ感じられます(少なくとも
中国語(マンダリン)、朝鮮語、満州語はそういう音韻の変化が目立ちます)。日本語だけが
かなり古い時代の高母音の前に於けるk・gを現代に至るまで残しているように私には見えますが。。。

とりあえず、高句麗語の「斧」に対する訳語が日本語の「よき」と同源であるとすれば、

76 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA [2003/06/20(金) 16:43 ID:.JVZgiNA]
No.36
意  味 :翼(名詞)
原  文 :「於支谷一ニ云フ翼谷」(『三国史記』)
漢 字 音:於支(中:io-t∫ie、朝:∂-ci)

上の「翼」に対応する「於支」はもしかすると日本語の「よこ」(横)辺りの
単語と同源ではないでしょうか。母音の問題はまだ残りますが。。。

それはさておき、高句麗語の「金」という意味をもつと思われる単語は、僕にとっては
非常に興味深いのです。なぜなら、私は朝鮮語の「ソイ > スェ」(金属、特に鉄或いはbrass)と
全く同じ語形の要素が朝鮮語の「スェ-セ」(쇠새、「かわせみ」の意)と「スェ-ゴレ」(쇠고래、青がかった
灰色の皮をもつ鯨の一種, 英語ではgray whale、学名はRhachionectes glaucus)といった単語に現れる事に
気付いたのです。日本語の「かわせみ」を意味する言葉には、古くは「そにどり」、「そに」、「せみ」、「せび」、
などあった様ですが。。。これらの言葉が全て「ソミ」或いは「ソビ」の様な発音に遡るのではないでしょうか?
後世の日本語の「せび」ないし「せみ」はウムラウトの結果なのでしょうか。とにかく、日本語の「かわせみ」を
意味する言葉が朝鮮語の「金」(中世朝鮮語の「ソイ」と高句麗語の*ソムンのような言葉)を意味する言葉と
妙に似ているような気がします。ただ、私はもともと朝鮮語の「ソイ」(金属、鉄)と同源の言葉を満州語の「sele 」(金属、鉄)
(ソロ或いはツォロみたいな発音だったそうです)に見出そうとしていましたが。。。満州語の「sele」の語源説はありますか?
ツングーズの他の言語に同源の単語は確認されていますか? 妙に朝鮮語の「鉄」の漢字音(철 チョル)を借用していた様にも
見えますし。。。だけど朝鮮漢字音の「鉄」は中世の頃は「テョル thyel」のように、まだ口蓋音化は起きていなかったのかな。
でも、女真語の「sege ソゴある意はツォゴ」(過去に於ける年、「aniya」=現在と未来に於ける年とは異なる事に注意)と満州語の「se」(ナニナニ歳の「歳」の意味)は
どうしても朝鮮語の「チョク 적」(過去に経験した事、時などの意)と日本語の「とき(時)」と結び付けたくなりますが。。。
皆中国語(漢語)から古代に借用された言葉の様ですが。「昔」あるいは「時」の字音か? >sege, cek, toki

538 名前:Jake_USA:2003/11/02(日) 21:58 ID:t/UjzdUE

ななしさん、初めまして! 先ほどは挨拶もせずに書き込みしてすみませんでした。
私は20歳のアメリカ人の大学生ですが、日本語・韓国語・中国語(マンダリン)を
知っていて、その他のアジアの言語(モンゴル語、満州語、トルコ語など)をかじっては
います。中でも中世朝鮮語についてけっこう詳しいんですが。。。その知識をもって役に立つ事が
出来たら嬉しいです。

536 > 鶏林遺事に記載されている「丁蓋」(谷の意)については、
朝鮮固有語の二つの語幹が合わさって出来た複合語とする場合、tjen + kaj > tjenggaj (音韻論的にはtjengkajだけど、
語中の無声破裂子音はやや有声化して現れます)
のような発展を仮定しても全然無理がないです。むしろ、それが自然の発展なのであって、
朝鮮固有語の複合語にtjenkajなんて言葉が現れたら変です。実は、朝鮮語ではどの環境においても、
/n/の後にvelar音(即ち/k/)が来る場合、/n/は[ng](/k/に相当する鼻音)を以て発音されます。
朝鮮語はその様な「子音同化」が著しく現れる言語です。事実のところ、閉音節を含む朝鮮語の単語が
音韻論的表示(概してハングルの標準的なつづり)のまま発音される事は皆無に近いです。
pap mek-ca(ご飯食べよう)の語句も、そのまま「パップ モックチャ」と発音されずに、「パムモックチャ」の
様に「訛る」のです。eps-nynが「オムヌン」と発音されてしまうほど酷い同化です。漢語に於いても
そうですし。。。「隔離」は音韻論的には격리(kjekri キョックリ)だけど、実際には「경니」(kjengni キョン二)
と発音されるのです。朝鮮語からtjen + kaj > *tjenkajなんてキレイな展開を望まない方が良いと思います。


539 名前:阿木林:2003/11/03(月) 10:15 ID:XnbOQel2

Jakeさんはじめまして。20歳でそれほど詳しいとは・・うらやましい。

>>535
ナンビ>ネンビ(鍋)
マッキダ>メッキダ(つまる)
なんてのもそうですよね。
ただ、これらは意味の屈折を伴わない音変化ですから、
ウムラウトと呼ぶことにはためらいがあります。

>>537
なるほど。むしろ斯に「キ」という発音があったのかもしれません。
ただ、他の対応例に影響が出てしまいますが・・・
/soi/の古い形が/sobi/であってもおかしくないと思います。
母音にはさまれた/b/は落ちる傾向にありますから。
えび/saibu/(釜山)>/sai'u/(ソウル)
ただそうすると満洲語の/sele/とは遠くなりますが。
「金」を意味する「アルタイ語」なら、満州語のaisinとか、
モンゴル語のaltanなんて言葉もありますよね。
満州語の歳をあらわす[se]は、漢語起源である可能性があります。

540 名前:阿木林:2003/11/03(月) 10:39 ID:XnbOQel2

>>538
朝鮮語の表記は語源的なものと表音的なものの2種類があります。
中期語の多くが表音的に綴られていたことはご存知だと思います。
現代朝鮮語の表記は語源的なものが採用されたため、
実際のつづりと発音が離れることが多いですよね。
ただしこれらは規則的なものです。tien+gaiがtienggaiに変化する
ためには、漢江han-gangがhang-gangと発音されることになるし、
同じ規則を当てはめるならebs-nynはen-nynに、
gieg-riはgien-niに変化することになります。

ただし、現代語でもjam gan man(暫間マン=ちょっとだけ)を、多くの人は
jjang ggam manと発音しているように、非規則的な音便が存在する
ことも確かです。
そのため、語源的にはtien+kaiであっても、実際の発音がtienggaiで
あった可能性はあると思います。

とはいえ、高麗語の表記にこのような音値の推移まで考慮しなければ
ならなくなると、音値の推定が困難になることも事実です。

蛇足
おとといまで韓国に出張していたのですが、韓国人が
「最近は4,50代でも公園でインナインをして遊んでるよ」
といったのがわからなかった。インラインスケートのことですが、
/nr/という子音連続は通常/rr/に変化するため、それを忌避する
ために/nn/という子音連続にしてしまったのでしょう。
インナインとイルラインどっちが原音に近いかはともかく。

541 名前:あぼーんはウリナラ起源:あぼーんはウリナラ起源

あぼーんはウリナラ起源

542 名前:阿木林:2003/11/03(月) 17:11 ID:XnbOQel2

ついでに、満洲語の/s@l@/はエヴェンキ、オロチョン、ホジェン、シボなどの
言語にもほぼ同じ形で存在するので、ツングース共通語であると言えるでせう。
満洲語の/s@/「〜歳」ですが、オロチョン語ではnashu、ダウール語では
nas、モンゴル語ではnasuです。語頭の/na/が落ちた形とも見えるのですが・・

ツングース語はあまり調べたことがないのですが、たとえば現代朝鮮語の
語頭につく否定辞/an-/に対応する否定辞は満洲語にはたしかないのですが、
オロチョン語では/@-/という接辞が存在するなど、やはり面白いですね。
しばらくはオロチョン語に没頭してみるのも悪くない。

ダウール語などは語彙がツングース系とモンゴル系が混在していて、
今日まで系統論争が続いているのですが、高句麗語もおそらくは、
周辺の言語と少しずつ語彙を共有しており、明らかにツングース系の語彙と
非ツングース系の語彙が混在していたのでしょう。

そういえば、北朝鮮には今日でもツングース系住民(満洲族?)が少数
存在しており、二文字の姓がハムギョンドには存在していたと聞きます。
なんでも平壌政府の「創氏改名」により朝鮮名に改められたそうですが。

543 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/03(月) 18:40 ID:5hJZXtn.

>>537 Jake_USA さん
>現代語では使われていないのですが、古い時代の日本語には「斧」という意味の
>単語には、「をの」の外に「よき」という単語があったそうです。

 確かに「ヨキ(斧)」という語はありますね。初出は平安初期の古辞書
ですから、奈良時代にも存在した可能性は高いでしょう。斧は斧でも
小さい斧を意味していたようですが、第1音節は半母音であるjとoの
組み合わせですし、第2音節のkもsに変化する可能性はありますから、
「ヨキ(斧)」を高句麗語の「於斯」との対応例として挙げるだけの価値は
十分あると思います。正直、これは日本語史の専門家である私が先に
指摘しておかなくてはならなかった例でした。いや、お恥ずかしい。

>高句麗語に於ける
>語中の「シ」が日本語の語中の「キ」に対応すると考えたら他の対応例が難しくなって
>しまいますか?

 今はあらゆる可能性を模索している段階ですから、音韻対応の問題は
とりあえず後回しにしておいてもいいでしょう。新しい発想でいろいろな
可能性を追究して下さることを期待しております。

>上の「翼」に対応する「於支」はもしかすると日本語の「よこ」(横)辺りの
>単語と同源ではないでしょうか。

 う〜ん。「横」と「翼」では意味の方がつながらないので、さすがにこれ
は無理があるのではないでしょうか。まぁ確かに翼を広げた格好は縦で
はなく横ではありますがねぇ。それに、「於支」の「支」は中古漢字音こそ
「t∫ie」であっても、新羅資料では「ki」と読むべき漢字であることはほぼ
間違いなさそうですしね。

>高句麗語の「金」
>これらの言葉が全て「ソミ」或いは「ソビ」の様な発音に遡るのではないでしょうか?

 これについては、私も>>94で「sobi」ではないかと推定しておりますので、
その点については特に異論ありませんが、日本語の「ソニ〜セビ(翡翠)」
や朝鮮語の「スェ-セ(翡翠)」とまで関係付けるのは強引過ぎでしょう。
どんな言語にも同音異義語は当たり前に存するのですから、無理をして
何もかも一緒くたにするのは危険ですよ。下手すると、音義説(一音一音
に固有の意味が存するとした説。江戸期に流行した)に陥ってしまいかね
ません。

544 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/03(月) 18:41 ID:5hJZXtn.

>>538 Jake_USA さん

 こちらこそ宜しく。20歳で3ヶ国語を操れるとは凄いですね。私なんて、
日本語以外はまともに話せないくせに、一端の言語学者面をしている
もんですから、まともに顔向け出来ませんや(藁)。

>中でも中世朝鮮語についてけっこう詳しいんですが

 おおう、そいつは素晴らしい。一体それはどこで学ばれたのですか。
韓国や日本ならともかく、アメリカで中期朝鮮語を学ぶ場所と機会が
あるとは思いもしませんでしたyo! そうそう、もう一つ知りたいことが
あります。このページをどうやってお知りになったのですか。一応Google
で検索してもここを探り当てることは可能であることは知っていますが、
わざわざこんなマイナーなところを貴方が探り当てられたことに大変
興味を引かれましたので。

>朝鮮固有語の二つの語幹が合わさって出来た複合語とする場合、tjen + kaj > tjenggaj (音韻論的にはtjengkajだけど、
>語中の無声破裂子音はやや有声化して現れます)
>のような発展を仮定しても全然無理がないです。

 なるほど、確かに日本語でもkやgの直前の撥音はηになることが知られ
ていますから、kやgの直前の鼻音nがηになりやすいというのはよくわかり
ます。しかしながら、それは日本語の撥音がm、n、η等の鼻音性子音を
音韻、即ち言語的に意味のある音区別として認識していないからであって、
朝鮮語のようにm、n、ηを音韻として区別する言語においては、n→ηの
ような変化は起こりづらいように思うのですが…。もし宜しければ、朝鮮語で
実際にそのように変化した例をいくつかお教え頂けませんか。

545 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/03(月) 18:44 ID:5hJZXtn.

>>544
 修正です。スマソ。

× 日本語の撥音がm、n、η等の鼻音性子音を
○ 日本語がm、n、η等の鼻音性子音を

546 名前:Jake_USA:2003/11/03(月) 21:47 ID:sFeQjYeA

皆さん宜しくお願いします。阿木林さん、ツングース諸語の「金属、鉄」という単語の事情を調べてくれて
ありがとうございました。どうも満州語の「sele」は高句麗語・朝鮮古語(Old Koreanをどう訳せば良いのでしょうか)の
*/sobi/(金属?)と近い関係ではなさそうですね。

大金帝国の時代の「女真館雜字」と呼ばれている書物に載っていて、
女真語として記録されている*/sege/(漢字表記では「塞革」)は、「去年」(女真語では
*genehei sege)という様に、過去に於ける「年」のことを女真語では*/sege/と
言っていた様ですし、しかも同じ*/sege/という単語を「〜歳」という意味にも使っていたと、
同じ書物の中に書いてあるそうです。女真族が「現在乃至未来に於ける年」のことを後世の
満州人と同じく*/aniya/(漢字表記では「阿捏」)と言っていた様なのに、過去に於ける「年」を
わざわざ*/sege/と言って区別したみたいですね。後世の満州人が「〜歳」を/se/という語を以て
表したと聞いていますが、女真語の*/sege/と満州語の/se/とには何の関係も無いのでしょうか。
(上記の女真語についてはhttp://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/Vocabulary/timeseason.htm" target=new>http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/Vocabulary/timeseason.htm <ここからデータを採取しました)

547 名前:Jake_USA:2003/11/03(月) 22:21 ID:sFeQjYeA

まず、前項546に追加。。。
満州語では、/g/と/h/が語中に於いては本当に音素として対立しているかどうか疑わしいという
点を考慮してください。女真語の*/sege/に*/sehe/という異形が生じて、その
*/sehe/が後世の満州語に受け継がれたのなら、それが更に/se/に簡略化される可能性が
あると思えるでしょう。特に満州語では「〜歳」という様に主に接尾辞ごとく使われていたのですから、
不規則的にでも*/sehe/>/se/の変化を被ったと仮定できましょう。もっともその時代の中国北部で
話されていた漢語の方言の影響もあったりしたかも知れませんが。。。(「歳」の漢字音を真似ての
変化か?)事実のところ、大金帝国時代の*/sege/の漢語訳注として「歳」を挙げていますから(*/aniya/の
訳注としては「年」を挙げているのに)、古くから女真語の*/sege/は「歳」という字と結び付けられていたの
かも知れませんね。

ちなみに、現在中国の新疆省で話されているシボ語(満州語の一方言とも言われているのですが)では、
満州語の/se/に対応する単語が[see](もちろん「e」は満州語に於いては朝鮮語の中舌母音みたいな母音なんですが)と
いう様に長母音になっているとのうろ覚えがあります。。。

548 名前:Jake_USA:2003/11/03(月) 23:21 ID:sFeQjYeA

阿木林さんが先ほど朝鮮語の「蝦」を指す単語を挙げましたが、私はどうしても
満州語の/sampa/、中世朝鮮語の/sabi/(と現代朝鮮語の/seu/乃至貴方が指摘して
くれた釜山方言の/saibu/)および日本語の/ebi/を比べたくなりますが。。。
この単語については同源の臭いがすると思いませんか? もちろん借用語も考えられるのでしょうけど。。。

ななしさん: 高句麗語「於支」と日本語の「横」との関係については、厳密に言えば
高句麗語の「於支」が本当に日本語の「よこ」と同源の単語(cognate)だとは言ってません。
ただ、日本語の「よこ」と同じ語源、すなわち遠い昔のどこかで話されていた言語の、
一つの語幹が二つ以上の子孫言語に受け継がれていって、結局高句麗語の「於支」と日本語の
「よこ」の本を成したのではないか、とアイデアを探っていただけです。強いて言えば、
上代日本語の上二段活用の動詞「よく」(よきぬ、云々)あたりかなあと思っていました。
実際、上代日本語の「よく」は、「道避く」のように、「道端へ横に動く(横に移動する)」の
様に使われるのが普通だったと思います。「よこ」の様な意味をもつ単語が「翼(鳥の羽根)」と
同一単語、あるいは語幹・派生語の関係にあるのが実は多くの言語で確認される傾向ですが。。。
英語の「wing」には「つばさ」のほかに「建物の翼(よく)」という意味があって、満州語の
/asha/が「つばさ;佩玉;鎧の背面の、肩を守る部分の下に取り付けた鉄の板」などの意味であってその派生語/asha-n/には
「よこ、わき;手足の様な物、肢、付加物;下位の、付随する」などの意味があって、更に
満州語の場合は/asha(-m-bi)/(腰や襟の辺りに付けて着る)という動詞など派生語が数々あります。
漢語の「翼」の意味の広さは言うまでもないでしょう(日本語の「翼(よく)」の意味を考えてください)。
とにかく「意味の類似」は「再構音の類似」に次いで考慮すべきでしょう。

549 名前:Jake_USA:2003/11/03(月) 23:26 ID:sFeQjYeA

訂正: 「語幹・派生語の関係にある」じゃなくて、「語幹と派生語との
相互関係にある」と言った方が紛らわしくなくて良かったのかな。外国人の
変な日本語ですみません。どうか理解してくだされば幸いですが!

550 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/11/03(月) 23:37 ID:7AKwABBA

>>538
いらっさいませー。

すばらしい!
ついに中世朝鮮語の専門家が!
自分は電波系くらいしか参加できずに、もっぱら
読むばかりになりますが、楽しみにさせてもらいます。

551 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/04(火) 00:23 ID:D4lPpGAk

>>548 Jake_USA さん

 ああ、なるほど、動詞「ヨク(避)」を介在させて高句麗語「於支(翼)」と
「ヨコ(横)」を結び付けようというわけですか。確かに「ヨコ(横)」は以前
から動詞「ヨク(避)」「ヨキル(過)」と同源ではないかと言われている語
です。ただ、アクセントが合わないという大きな弱点があるので、個人的
にはあまり強くは主張出来ないのですがね。まあそのことはしばらくおく
として、そういう主張をなさりたいのであれば、むしろ最初から「ヨコ(横)」
ではなく語形的に近い語形(連用形「ヨキ」)を持つ「ヨク(避)」の方を先に
挙げて、その上で「翼」との意味の上での繋がりについて持論を展開して
下さっていれば、まだしも理解しやすかったと思いますよ。

 さて、古代日本語の「ヨク(避)」は「よける」「脇へ退く」という意味です
から、その本義を「横に移動する」であると見ることは一応可能です。
「ヨキル(過)」は「通り過ぎる」という意味ですが、これも一旦横に移動
して通るという風に解されます。このように、意味の上では、両語は一応
「ヨコ(横)」と関連付けることが可能です。尤も、正直そこから「翼」まで
はまだまだかなり距離がある上、日本語「ツバサ(翼)」をどう考えるか
という問題もあるので、諸手を挙げてまでは賛同出来ませんが、貴方の
挙げられた諸外国語の例は確かに興味深いものです。本例も検討の
対象たる資格は十分備えていることは認めざるを得ないようですね。

>とにかく「意味の類似」は「再構音の類似」に次いで考慮すべきでしょう。

 いや、過去の検討においても「意味の類似」を軽視していたわけでは
ないんですよ。それどころか、「再構音の類似」と「意味の類似」の両方
が同時に成立していることが、比較する上での最低条件だったのです。
それは過去ログをじっくりお読み頂ければおわかりになると思いますが。
今回の例は、貴方の説明だけでは日本語「ヨコ(横)」と高句麗語「於支
(翼)」の「意味の類似」が十分に説明されていないと感じたので、あの
ような突っ込みをしたまでのことでして、その辺はどうか誤解のなきように
お願い致します m(_"_)m。

552 名前:Jake_USA:2003/11/04(火) 01:01 ID:oMVZcVxQ

朝鮮語の/[ng]/(軟口蓋鼻音音素)については、私は祖語まで遡る可能性が低いと
見ています。朝鮮語だけでなく、世界各国の言語の於いては(特に北ユーラシアの言語の特徴かも知れませんが)、
軟口蓋鼻音は普通、異形態に過ぎず音素を成しません。事実上、朝鮮語の軟口蓋鼻音も
今は音素として認められていますが朝鮮語の歴史上最近までは(漢語が大量に取り入れられる頃からかな?或いは
漢語との接触に因って生じたのかも知れません)軟口蓋鼻音は単なる異形態であって音素には成ってなかった
と推定します。現在の朝鮮語をとって見ても、固有語に於ける/[ng]/の機能(負担量?)はかなり
少ないものです。その多くは擬声語・擬態語の中に存在していると思いますが。擬声語以外の固有語でも、
ほとんどは/kkorangci/(鳥の尾)の様に、二つ以上の形態素が合わさって複合語を成す時に起こるのです。
/kkorangci/は、恐らく中世朝鮮語の/skori/と書き表す単語(尾っぽとか、尻の意 - 現代語では/kkori/或いは/chori/)に
母音調和の法則に従って付加される「-aci/-eci」という指小辞が付いて出来た単語だと思われますが、
明らかな理由も無く軟口蓋鼻音が添加されている事が見えるでしょう。もっとも、現代朝鮮語の軟口蓋鼻音音素が
一体どういう環境から生まれたのかも判明していません。中世語の/stah/が現代語では/ttang/となりますし、
軟口蓋で作られる子音じゃなくても子音の前では軟口蓋鼻音が現れる事が多いです(例えば/engseng-ha-ta/「やつれる」,
/engteng(i)/「お尻」、/torongthaj/「ハイタカに似た猛禽の一種(或いはハイタカ)」等など)。勿論、
軟口蓋鼻音が起こると普通に予想される環境でも、すなわち軟口蓋破裂音の隣に来る鼻音が軟口蓋鼻音に変化する事も多く
見られます(朝鮮語では軟口蓋破裂音と鼻音の順序はほとんど構いません;鼻音ではないのに/r/が軟口蓋破裂音の後に来る時さえ
軟口蓋破裂音が[ng]になって/r/は[n]と発音されます)。実際、朝鮮語の固有語で/nk/なんていう子音の隣り合わせを見たことが
ありません。なぜなら、そういう配列がたとえ起きたとしても、自動的に[ngk]乃至[ngg]にかわって発音されますから。例を挙げるにも
足りないほど自然に起こる事ですが。。。

何にせよ「鶏林遺事」は中国人が執筆したという事になっているのでしょう? それなら
「丁蓋」の「丁」の部分がもともと*/tjen/であって[tjenggai]という複合語に於いては
その要素が[tjeng]と現れているのだなんて分かるはずがないでしょう。早い話、
「丁蓋」がたとえ音韻歴史的には/tjen-kai/だったとしても実際の発音は[tjenggai]に近かったはずだし
中国人・朝鮮人を問わず「丁蓋」という表記が適切に思えたはずです。私が皆さんの真剣な疑い(躊躇?用心?)を
無視したり蔑んだりしている様に聞こえなければいいんですが。。。私はそんな事などしていませんし、
ただ「丁蓋」がかなり高い確率で高句麗語の「旦・呑・頓」や日本語の「たに」と同源の要素をもつ事を
主張したいです。

553 名前:Jake_USA:2003/11/04(火) 02:31 ID:oMVZcVxQ

ついつい徹夜してしまいました! 皆さんのレスを読んでとても楽しかったです。
こういうメッセージ板のディスカッションに参加するのは私は初めてですが、これからも
(古代を含む)朝鮮半島、満州、日本、そしてもっと広い範囲では東アジア全域の言語の
歴史について真剣にアイディアを交わせたら嬉しいです。この場を作ってくれたななしさんに
感謝しています。

ななしさんは私が中世朝鮮語をどのようにして習ったのか、それに私がどうやってこの
メッセージ板を見つけたのかと聞いていましたね。こんなに返事が遅くなってしまってごめんなさい。
朝鮮語は、高校を卒業してすぐの夏休みの間に勉強を始め(ハングルの覚えやすい事に驚きましたよ。。。本当に。。。
1時間以内で覚えちゃうんじゃないですか、あんな文字? 文盲対策として貧しい国々に導入した方が良いかも)、
大学に入ってからは一年間、現代朝鮮語の授業をとるかたわら、図書館から借りた資料を使って中世朝鮮語の勉強も
しました。李基文著の「韓国語の歴史」という本は大いに役立ちました。

このメッセージ板が見つかったのは、ななしさんのおっしゃったとおり、グーグルで「高句麗」を入力して
検索した結果ですよ! 正確に言えば「高句麗 地名」で検索を行ったのだと思います。とんでもない発言をする人が
たくさん居るスレ(スレッド=糸の略ですか?)も見つけてしまいましたが。。。 名無しさんのこのスレは
良い所ですね! 見つかって良かったと思います。

言語学に話を戻すと、私の朝鮮語の「soj-saj」(翡翠)について日本語の「(かわ)せみ」と
結びつけようとする考えが気に入らなかったのですか? それとも、私がそれ以上更に「soj-koraj」(灰色の鯨の一種)や
朝鮮語の「soj」(金属、鉄)・高句麗語の*/sobi/(金)までも巻き込もうとしたのが恣意的過ぎると
思われたのですか? 確かに「翡翠」を意味する語については裏づけが全くないのですが(中世朝鮮語の段階で
/soj-saj/がどうなっていたかすら不明です)、日朝両言語の歴史を考慮すれば、有り得る話だと思いませんか?
日本側の「翡翠」を意味する語根の音韻的多様性も興味深いほどです。この数千年の間、日本で一体どんな方言が
生まれては消えていったのかなあと思い出させる語根の一つですね。

阿木林さんは、どのようにしてツングース諸語のデータを仕入れていますか?
僕は探しても探してもほとんど見つからないんですけど。。。阿木林さんに協力していただければ
嬉しいです。

554 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/04(火) 03:22 ID:3R8nzbkM

>>534,>>536,>>538,>>552
>「丁蓋」がたとえ音韻歴史的には/tjen-kai/だったとしても実際の発音は[tjenggai]に近かったはず

日本書紀に「丹谷」と書いて「たにかひ」と読ませ、
他にも「やまかひ」という言葉があり。甲斐国の甲斐(かひ)も、
すべて谷(山なみの折り重なり)の意味だったかと。
なんか関係ないのかな。むり?

>>537,>>539,>>553
鉄を意味する「ソ」は日本語の「さび」と通ずるものでは?

>ただそうすると満洲語の/sele/とは遠くなりますが。
>「金」を意味する「アルタイ語」なら、満州語のaisinとか、
>モンゴル語のaltanなんて言葉もありますよね。

高句麗や半島の「ソ」は【金】といっても黄金=ゴールドではなく金属=鉄のこと。
アルタイ・アイシンは【金】といっても鉄ではなく黄金の意味なのでは?

漢字の【金】はもともとは銅をさしたかしいけど、
鉄・銅・銀・鉛・錫など各種の金属を意味する漢字が作られたのに
1文字でゴールドだけを意味する文字が作られなかったのは不思議な感じがする。


555 名前:Jake_USA:2003/11/04(火) 07:21 ID:oMVZcVxQ

>>554  決して無理はなくむしろ上代日本語の「たにかひ」と鶏林遺事に現れる
「丁蓋」*/tjenggai/が同源の単語と見る方が自然でしょう。*/tjenggai/の最初の母音は、
半母音の*/j/と中舌よりの前舌母音*/e/の二重母音と仮定しましょう。そうすれば、その
*/je/がその後に続く前舌母音に釣られて前舌化したものかも知れないと想像を膨らますことが
容易に出来るでしょう。実際のところ、朝鮮語には古くからウムラウトの様な現象が起きていた
可能性が高いと私は見ています。今例を挙げろといわれたら、少しは困りますが。。。とにかく、
近代の朝鮮語の音韻の変化にはウムラウトの様な現象が深く関わっていることを参考にした上で、
現代朝鮮語の/pje:r/(ピョール)が昔は私の仮定する第二音節の*/ri/(実際は「アルタイ語群」の
再構祖語に種類が多すぎる*/l/音素と何らか関係している様に思えますが)の*/i/母音のために
前舌化した*/o/と考えられます。ここで音素記号をタイプするのはちょっと出来ないんですが、前舌母音化に因って
「星」を意味する朝鮮古語*/pori/や「谷」を意味する朝鮮古語*/tani/がそれぞれ円唇前舌母音*/oe/と
無円唇前舌母音*/e/になり、後には*/oe/と*/e/とが合流して*/je/に発展したと仮定しています。
ただし、異例もあるのですが。。。例えば、「カシの木」を意味する現代朝鮮語/ka:r/がなぜ
/kje:r/になっていないのかなんて説明できません。それに、誰かが「中世朝鮮語にも*/ton/の様な単語があって
それは「(谷間にあるような)小さな村」という意味で使われていたと言っていたのを聞きましたね。。。その単語は
中世朝鮮語のどの書物に現れていますか?僕はその単語を知らないのですが、どうか教えてください。もし「谷」を意味する
語根の単独形が前舌母音化を通らずに中世朝鮮語に残っていたとするのなら私のさっき述べた説は成り立ちにくいのですよね。

後、高句麗地名の「於支谷一ニ云フ翼谷」についてもう一言ですが、「於支谷」というのが「翼谷」と一対を成している事に
注意して考えてください。明らかに「翼」はこの場合は、「谷」なんていう地形の事を表す名詞を修飾(特定?)しているわけだから、
鳥の「つばさ」じゃなくて、「何かのよこ・わきにある物」の意味で使われていると見るのが妥当だと思います。
たとえ高句麗語の「於支」や日本語の「よこ」「よきる」などといった単語には「つばさ」という本義がなくても、
地名を漢風に改める際に漢語の「翼」を以て表すほどの意味があっただけなのでしょう。

556 名前:Jake_USA:2003/11/04(火) 08:53 ID:oMVZcVxQ

次に、私の中世朝鮮語の「カイ」を日本語の「〜かひ」や「かわ(川)」と同源と見做す理由について述べたいと思います。
古代日本語には、動詞に現れる語根と名詞に現れる語根の重なり合いが多く認められます。「〜かひ」や「かわ」の場合は、
その語根を同じくする動詞としては、「かふ(交ふ)」を仮定しておくべきでしょう。古代日本語には、語根を共有すると見られる
動詞と名詞の間には、大体2パターンが確認されます。

第一パターン: 名詞は/-a/で終わって、動詞は四段活用或いは下二段活用のもの。
         例: 「ほら(洞)」、「ほる(掘る、彫る)」
            「はら(原)」、「はる(張る、墾る)」
            「なは(縄)」、「なふ(綯ふ)」
            「むら(村、叢)」、「むれる(群れる)」
            「あか(赤)」、「あける(明ける)」
       私の提案:「かは(川)」、「かふ(交ふ)」

第二パターン: 名詞は/-i/で終わって、動詞は四段活用のもの:
         例: 「ほり(壕、濠、彫り)」、「ほる(掘る、彫る)」
            「はり(張り、開墾した道や土地)」(「梁」も似ていますが。。。)、「はる(張る、墾る)」
            その他数多くの派生語。。。私見では、「あきら(明)」も同じ
            様な派生語に接尾辞「−ら」の付いたものかなあと思っていますが。
      私の提案: 「かひ(峡谷)」、「かふ(交ふ)」

きれいにまとまっていると思いませんか? ちなみに「はり(開墾した道や土地)」は単独で使われた例は無いものの、
「にひはり」とか「にひばり(新墾)」という上代日本語の複合語に明白に現れています。万葉集二八五五にその用例があるとのことです。
他に「交ふ」と関連のある語としては、私は中世朝鮮語の/kabon-toj/ないし/kawon-toj/(「中、仲、半ば、途中、うち、中心」などの意)とそれから発展した
現代韓国標準語/kawun-te/(가운데)や釜山方言の/kapun-te/(가분대)をまず挙げます。その次に信憑性のあるものとしては
朝鮮語の「kai」(浦、入り江、河川の支流など)を挙げます。そして現代朝鮮語の/kaph(-ta)/(返す)や/kaps/(値打ち)など、
日本語の「買ふ」「甲斐(がない)」なども遠い目で見れば同源だったのではないかと思います。


557 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/04(火) 09:54 ID:Ln.bLjsc

貝(かひ)と食(くふ)とか?

558 名前:阿木林:2003/11/04(火) 10:11 ID:vqAyvycE

Old Koreanの訳語ですが、どの時代のものを取るか、によって
異なると思います。通常は訓民正音以降のものならば中期朝鮮語
ないし李朝語という風に呼び習わしていると思います。
あと、ツングース語の資料はあまり持っていないのですが、
中国で15年くらい前に大量に発行された少数民族語簡介という
シリーズの「オロチェーン語」を持っています。比較的ツングース
諸語の中でも古形に近い言語なので面白いですね。
あとは満州語関係や女真語関係の資料をわずかに持っていますが、
満州語は今後の楽しみに取っておいているといったところです。

満洲語などの/e/は、朝鮮語の中舌母音というよりは、北京語の/e/
と同じ音といって差し支えないですよね。むしろ北京語の/e/が
北方語の影響で生じたのでしょうから。
「年」は女真語ではsegeというのですか。これは満洲語のseと関係
ありと見て間違いなさそうですね。逆にエウェンキやオロチェーンの
nasuとは直接の関連がなさそうです。

朝鮮語の方言形であるセビ〜セブと日本語のエビの関係は古くから
指摘されていると思いますが、満洲語にもサンパという形があるとは
寡聞にして知りませんでした。
朝鮮語のイウンパッチムが不規則?に現れる例には、mar(馬)+aji
(仔)でmang'aji(仔馬)という例もありますね。


559 名前:阿木林:2003/11/04(火) 10:44 ID:vqAyvycE

>>554
徹夜までされましたか。体に気をつけてください。
「金」が銅を表していたというのは聞いたことがないですが、五行説で
いうところの「金」はgoldのことではないんでしょうね。たぶん。
朝鮮固有語でgoldを意味する言葉はないんでしたっけ?
女真のことを朝鮮語では/'orangkai/というのですが、これは部族名に
由来するものであろうと思います。/o'rocheen/などと同源なのでしょう。

「旦」とトンネ(「洞」村、集落)との関連はなさそうでしょうか。
トンネはモンゴル語のフートン(胡同)と関係があるという説をどこかで
目にしたことがありますが・・
ニヒハリという地名は、日本では関東地方に広く存在していますね。
/kai/という朝鮮語はほとんど死語になっているようですが、
チェジュ方言では地名語としてしっかり残っています。
甲斐が古朝鮮語に遡るなんて、韓国の人が聞いたら喜ぶだろうなぁ。

「買う」と「売る」については、仲の良い台湾人が面白い説を唱えてました。
曰く、「貝」と「瓜」を、海の民と山の民が交換することから生じた言葉で
あると。ナナシサンに怒られそうな説ではありますが・・w
「カヒ」に対応する朝鮮語は/jogai/ですが、都合のいいことに「貝殻」を
意味する/jogabi/という語形もあります。「ウリ」を意味する朝鮮語は
/'o'i/ですが、これの古い形はちょっとわかりません。

560 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/04(火) 10:56 ID:Ln.bLjsc

徹夜はしてませんよ。一度ねておきてから書いたのが557。

「金」という文字がゴールドでも鉄でもなくもともとは銅だというのは青銅のことです。
当時はまだゴールドも鉄も発見されてなかったから。「金文」というのは青銅器の銘のことですよね。

五行説の「金」はもちろんメタル=金属のことです。

561 名前:Jake_USA:2003/11/04(火) 11:04 ID:oMVZcVxQ

他のメッセージ板を拝見して来ましたが、「朝鮮人や日本人の起源」について語ろうとする
人が多い様ですね。私の意見は日本人、それに韓国人のほとんどの人たちの意見とは
かなり違うみたいですけど。。。私のアメリカで教えられた限りのことをまとめて私見を語りましょうか。
まずは、何も勉強せずに目で判断する限りでは、私は朝鮮人は日本人よりも満州人や中国北部の人たちとの
血の繋がりが濃いと思います。日本人は大体目で見分けられるのに、朝鮮人、中国北部の漢族、満族などはほとんど
同じ様に私には見えるのです。日本人の方はといえば、中央アジア・シベリアの人たちや、北アメリカの先住民など、強いて言えば
白人に近い様な感じがします。日本人の中国人や韓国人と異なる特徴として、肌が白人並みに白い人が多い、
顔がわりと細長い人が多いと思うのです。鼻も日本人は東アジアではとびぬけて高い様な気がします。一方、中国人や韓国人は、ほぼ
普遍的に肌が黒ずんで或いは黄ばんでいて、顔がまん丸でエラが張っていて額が広いですね。韓国人はそうでもないけど、
中国人の方は口が出っ張っている人が多いと思います。それらの特徴をまとめていえば、東南アジアの人種に近く見えると思いますけど。。。

それに、私が最近の人類の遺伝子研究の結果を勉強し始めて気付いたのは、東アジアはだいたい三つのゾーンに分けられるのです。
一番南方にあるのはマレー半島から中国の長江の南岸辺りまでの広い亜熱帯の地域ですが、その地域の住民(原住民)はほとんど
皮膚がかなり黒くて、東南アジアの特徴的な遺伝子を持っている人が多いです。彼らは他の人類とはかなり相違している遺伝子も携わっているとの
研究結果も聞きました。とにかく彼らは東南アジアの地域に非常に古くから住んでいる種族の末裔でしょう。

次に北へ進んで行けば、長江を超えた辺りからは住民の皮膚の色が急速に白くなり(もちろん太陽を浴びる時間と太陽の光の強さとも
関係しているのだろうけど、私の聞く限りでは太陽の光への対応変化とは思えないほど急に人々の肌が白くなるそうです)。だが、まだまだ
わりと黒ずんだり黄ばんだりしている皮膚を持つ人が多くて、顔の形など南方の人たちとの類似は少なくありません。この地域は、私の考えでは
内モンゴル・南満州・朝鮮半島(を含めて)の辺りまで、かなり北の方まで続くと思います。

562 名前:Jake_USA:2003/11/04(火) 11:05 ID:oMVZcVxQ

更にその北の方(モンゴル共和国の北辺、旧ソ連の中国東北地方・北満州に接する辺りから北)へ進んで行くと、かなり白い肌をもつ人が多くて、
顔など大体の外見が激しく変わりますね。私は実際、モンゴルの北辺からの人に会ったことがあるのですが、
もちろん一人の人を見ただけで決め付けるのはいけないけど彼女は白人の私と同じぐらい肌が白かったです。顔も朝鮮人などより
日本人に似ていましたね。ただ鼻だけは日本人にして見れば少し低かった(日本人の中にも彼女と同じ様な鼻をもつ人もいますが)。彼女の
家族の人もみんな何だか朝鮮人・中国人とは違うなあって感じました。とにかく、その他にモンゴル人の顔を拝見することは
何度もありますが、日本人に似ているような気がします。朝鮮や中国北部にも似た様な人たちはたくさんいますが、彼らの方は
顔が日本人や北モンゴル人などに似ていてもやっぱり肌が黒かったりとか、何だか南方の人を思わせる面影があります。
それはそれで僕の目の判断に過ぎないのですが、最近の遺伝子の研究も大体その様な類似の範囲を裏付けてくれそうです。
古代、東アジアには大きく分けて二つの人種が住んでいて、北方の人種はシベリア・モンゴル・中国北部・満州・朝鮮・日本の地域に
多く居たのでしょう。そして南方の人種は中国南部、台湾、ヴェトナム、タイなどに住んでいたのでしょう。しかし、漢族と底族(チベット族の先祖と
思しき人たち:漢字は「底」の垂を取り除いた様な字だと思います)がそれぞれ中国の北東部と北西部に大きな帝国を築くことになり、
両方が東と西と別々で南下していって南方の人種が元から住んでいた地域を占領し始めたという説が有力の様に感じます。とにかく、
何らかの出来事で(恐らく中国に帝国が興った時代から)東アジア古来の北方の人種と南方の人種が混ざり始めたと
考えられます。そうすると、現在の中国南部の人たちは南方の人種がほとんどで、それに混血した北方の人種の血をいくらか受け継いではいるが、
南方の人種の特徴が強く残っています(チベットは除きます。あの高原にはもとから南方の人たちは住居していなかったのか、それに北方の人たちが高原で
生活を営み始めた後も南方の人種の人たちが高原に住もうと思わなかったせいか、
現在のチベット人はほとんど北方人種のままの様です)。長江以北の中国、満州南部(実は満州に於いてはかなり北の方まで行く様です)、モンゴルの南部(内モンゴルなど)、
朝鮮半島の住民は、基本的には北方人種だけど、大帝国であった中国の国内を通って(移住などで)徐徐に、滲みる如く北上してきた南方人種の血も
けっこう入っているのではないかと思います。とにかく南北両方の人種が混ざり始めた地といえば中国でしょう。アメリカ合衆国のかつての黒人奴隷の血が、
アメリカ南東部から徐徐にでも確実に北そして西へ広がってきた、という事情と似ていたのかも知れません。

日本・琉球列島の住民は、海を隔てて住んでいる故か、南方人種との混血が一番少なかったと見るべきだと思います。
日本の中でも、琉球列島の住民とアイヌ族は南方人種の影響を一番少なく受けている様ですが、これは古代朝鮮半島で既に
混血していた中国人と混血した半島人が日本列島へ渡って主に九州、四国、本州の西部ないし中部に先ず住居して、日本列島のその地域を中心にほぼ純粋な
北方人種系であった列島の先住民と更に混血した結果でしょうか。日本に住んでいる人間は北方の民族(旧ソ連のシベリアの先住民)と一番よく
似ている様です。もちろん、中国人と混血したと思われる半島人の血もたくさん日本人に入って来ているというのも
事実の様です。それゆえに私は日本語は、恐らく昔から日本の主な豪族(私の憶測ではおそらく天皇家も、、こんなことを
言うのは失礼かも知れませんが)を成してきた北方人種多・南方人種少の混血半島系渡来人の先祖の話していた言語の分流(daughter
language)だと仮定します。


563 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/04(火) 14:38 ID:E31e2iOo

>>552 Jake_USA さん

 朝鮮語の固有語のηの現われ方についてご教授頂き、有難う御座います。
要するに、朝鮮語の固有語に限って言えば、/nk/の/n/は常に[η]のように
発音されるということですね。大体わかりました。しかし、まだ一つ気になること
がありますので、それについてお教え願えますか。『鶏林類事』を見ていきます
と、以下のような例があります。

  女子曰漢吟   金曰[舟+β]論議

これらはいずれも/nk/(中古音なら/nη/)の例です。貴方のお話ですと、これ
らの語の/n/の部分はいずれも[η]にならなくてはならないと思うのですが、
それが「漢」「論」のようなn韻尾の漢字で表記されているのはなぜなのでしょうか。
また、ηではありませんが、

  痩曰安里塩骨真

の「塩骨真」の部分では/mk/という音連続も出来ています。お説の通りなら、
このmも[η]になりそうな気がしますが、その辺はどうなのでしょうか。

>私が皆さんの真剣な疑い(躊躇?用心?)を
>無視したり蔑んだりしている様に聞こえなければいいんですが。

 それは心配し過ぎというものですよ。むしろ我々の方が遠来のお客に対して
失礼をしているのではないかと思っているくらいなのですから(^^;。

564 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/04(火) 14:38 ID:E31e2iOo

>>553 Jake_USA さん
>ついつい徹夜してしまいました!

 ……。若いっていいですねぇ。でも、お体は大事になさった方がいいですよ(w。

>ハングルの覚えやすい事に驚きましたよ。。。本当に。。。
>1時間以内で覚えちゃうんじゃないですか、あんな文字? 文盲対策として貧しい国々に導入した方が良いかも

 まぁハングルは言語によって向き不向きがありますから(^^;。と言うか、朝鮮語
を表記する文字としては実によく出来ていると思いますが、それ以外はどうかな?
音素の組み合わせで文字を作るという特徴のせいで、やたらと文字の種類が必要
となる(ユニコードでは漢字よりも多くのコードを占有しているとか)という欠点もあり
ますしねぇ。

>李基文著の「韓国語の歴史」

 おお、奇遇ですね。私も主にその本で朝鮮語史を学びました。今となっては
古いところもあるようですが、中々によくまとまったいい本ですよね。

>グーグルで「高句麗」

 やはりそうですか。試しに「高句麗 地名」でぐぐったら、私のHPが一番最初
に出て来たのは驚きました。しかも、「高句麗語の研究」だと私のページしか
出て来ないという…。韓国人は何をやってんだか。そんなことだから中国に歴史
を取られるんだと、小一時間(以下略)。

>私の朝鮮語の「soj-saj」(翡翠)について日本語の「(かわ)せみ」と
>結びつけようとする考えが気に入らなかったのですか?

 朝鮮語の「soj-saj」(翡翠)について日本語の「(かわ)せみ」と結び付けるのは、
既に先人達がやっていることですし、私もここまではとりあえず悪くないと思って
います。しかしながら、朝鮮語の「soj」(金属、鉄)・高句麗語の*/sobi/(金)とも
一緒にしてしまうのは、現状ではあまりにも無謀なことのように思われたのです。
高句麗語にしても新羅語にしても、資料は限られていますから、わずかなデータ
をもとに推論を積み重ねて行かなければならないことは確かですが、それだけに、
一つでも不確かなものがあると、すべてが駄目になってしまいます。学問はいくら
慎重にやってもやり過ぎということはありませんからねぇ。

565 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/04(火) 15:05 ID:E31e2iOo

>>555-556 Jake_USA さん
>誰かが「中世朝鮮語にも*/ton/の様な単語があって
>それは「(谷間にあるような)小さな村」という意味で使われていたと言っていたのを聞きましたね。。。

 >>536で私が指摘しておりまっせ。ネタ元字体は李基文の例の本ですが。

>「於支谷一ニ云フ翼谷」

 私はこの例、「翼」は「於支」を借音表記したものと解しました。ですから、「翼」
の意味そのものは関係ないと見ています。「於支」が何を意味しているかは、
この例だけからはわからないというのが私の立場です。「「何かのよこ・わきに
ある物」の意味で使われている」というのは、現状ではJake_USA さんの想像に
過ぎません。はっきりそうだと言えるためには、まだまだ根拠が不足していますよ。

 日本語の「カヒ(峡)」ですが、おそらくはそれとストレートに対応すると思われる
高句麗語が既にあります。>>7の「甲比(穴)」です。「カヒ(峡)」を問題にするなら、
こちらも併せて考察した方が宜しいでしょうね。

>古代日本語には、語根を共有すると見られる
>動詞と名詞の間には、大体2パターンが確認されます。

 第一パターンは阪倉篤義氏が『語構成の研究』で提唱された情態言(形状言)、
第二パターンは居体言(連用名詞形)に、それぞれ対応するものですね。阪倉氏
は更に第三のパターンとして-u接尾形を最も古い名詞形成要素として認定して
おられましたが。「ハル(春)」「ナツ(夏)」「ツル(鶴)」「サル(猿)」「イヌ(犬)」など
のことです。それはともあれ、「カハ(川)」を「カフ(交・買)」「カヒ(峡)」と同じ仲間
として認めることについては私も賛同します。これらはアクセントも合致しますしね。
尤も、これらの語が朝鮮語の「kai(浦、入り江、河川の支流)」やその他の朝鮮語
語彙と対応するかどうかは、今はまだ留保させて下さいね。

566 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/04(火) 15:07 ID:E31e2iOo

>Jake_USA さん

 そうそう。出来れば、次回は適当なところで改行して頂けないでしょうか。
そうすると随分見やすくなりますので。宜しくお願いします。では!


>おおる
 大物新人さんの登場で、このスレも久々に活気が出て来ましたね(w。

567 名前:阿木林:2003/11/04(火) 15:33 ID:vqAyvycE

>>561-562
いえいえ、決してJakeさんの意見は特殊なものではないと思いますよ。
戦前の書物(神代かなについて書かれたものです)を読んだときも、
アジアの人種を北方種と南方種に分けていましたし、言語的にもその
分類を基礎としていました。
Jakeさんのおっしゃる3つの系統というのは、ネグリート、中央モンゴロイド、
旧アジア人種ということになると思います。ネグリートの特徴をもっとも
強く持っているのは、アンダマン諸島やフィリピンの山岳民族でしょう。

漢民族自体が非常に混血的に成立した民族であり、
その基礎は華北に存在したチベット系と、華南に存在したタイ・カダイ
系であったという仮説は、既に一般的なものとなっているはずです。
そもそも、漢民族というのは中原の文化と言語を周辺の諸民族が
吸収することにより成立した混成的な集団というべきであり、
それゆえに、北京、上海、広東では人類学的にも少なからぬ差異が
見られるようになったのです。

日本人と朝鮮人の起源、というのは難しい問題ですが、天皇族が
朝鮮半島に起源をもつという説には概ね賛成です。
立証せよと言われると非常に難しいのですが・・

568 名前:阿木林:2003/11/04(火) 17:19 ID:vqAyvycE

>>564
ハン板のスレで、ハングルは優れた文字とはいえない、という部分は
私も読んだのですが、残念ながら批判のための批判になっていると
思われます。コンピューターの文字コードに適合していない、という
のなら漢字なんて最悪ですし、文字というのはあくまで手で書かれる
ことが基本です。
外国語を表記することが難しい、という批判は確かにもっともなの
ですが、それはハングル文字の問題ではなく、朝鮮語の発音規則と
正書法に引きずられてしまうことの問題です。
満洲語を表記するのならほとんど問題にはなりませんし。

朝鮮語の発音規則に拘らないという前提で、訓民正音が制定された
ころに作られた文字までフルに使うならば、そもそもが漢字の中古音を
正確にあらわすための文字なのですから、非常に多くの音素を無理なく
あらわすことができます。
おそらく女真文字から受け継いだと見られる一音節一文字のシステムが、
縦書きにも横書きにも適応している点はいうまでもありません。
文字の一つ一つが非常に画数が少ないことも特記すべきでしょう。
そのあと当の朝鮮民族に冷遇されたことも確かですが・・

そういえば、西田龍雄先生は「ハングルがエクアドルの少数民族の
言語をあらわすために使われている」ということを書かれており、
10年以上これを探しているのですが、さっぱりわかりません。
エクアドルは韓国人が多い土地ですし、キリスト教会を通じて利用される
ことがあってもおかしくはないのですが・・ご本人にきくしかないな。

569 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/11/04(火) 17:51 ID:.5Dvze3U

余談(しかできないとも言う)

漢字、仮名、ハングル、いずれも縦書き、横書き対応しているのは
印刷では大きいメリットです。
かなり自由な組版ができる。

ハングルのコードがおそろしく容量を食うのは、使われない
ような組み合わせを含め、文字の順列組み合わせを、ほとんど
全部搭載したせいと聞いています。
どちらかというと文字の問題よりも、実装のやり方と、政治の問題(w
かと思います。

今なら、もうちょっとスマートな方法が採れるのではないでしょうか。

570 名前:阿木林:2003/11/04(火) 19:14 ID:vqAyvycE

固有語で、合成語や漢語の可能性がなくてn+gという連続があるものならば、
たとえば/'angai/「霧」とか/bangabda/「嬉しい」などがありますが、
これらは方言形になればng+gという連続に変化する傾向があると思います。
それにしても、男子曰沙喃、女子曰漢吟、とはなんと読むんでしょうねぇ。
男は/sanai/サネ(ますらお)でしょうけど。

571 名前:Jake_USA:2003/11/04(火) 19:57 ID:oMVZcVxQ

563>> 鶏林遺事の表記法についての疑問を提案してくださってありがとう
ございました。

女子曰漢吟   金曰[舟+β]論義

以上については、金曰[舟+阝]論義 の「ノ論義」(*/nwor-on i/?)の場合は「ノロン」の
部分は後世の朝鮮語の「nworo(-ta)/nwuru(-ta)」(黄色い)という形容詞と同源だと
仮定しています。鶏林遺事の金属・宝石についての記録は、金曰{偏舟旁阝}論義・珠曰区戌・
銀曰漢歳・銅曰銅・鉄曰歳とあるので、この場合は「金」は明らかに「黄金」を指している
ことが分かりますね。どうして鶏林遺事の頃では「黄色い」という意味の形容詞の第一音節が
「[舟+阝]」(中国普通話の「そこ、それ」などの意味を表す「那」の旧字体だと思いますが)を
以て表したのか疑問をもちましたけど、「那」という字には中国普通話でお馴染みの「na4, nei4」
という発音の外に、もう廃れた発音なのかそれとも地名や人名のような固定した言葉を読む時に
使う発音なのか分かりませんが、「nuo2, nuo4」という読み方もあるそうです。ともかく、
「黄曰[舟+阝]論」と同じ書物の中に書かれていると思うから少なくとも「金」を意味する
「[舟+阝]論義」がその派生語であると仮定できよう。

「黄色い」という意味をもつ語幹に接尾辞として添えられている「-un/-on」は、
(この場合は母音調和によって-on、即ちアレアに二ウンの方ですね)形容詞の
連体形(動詞に於いては過去分詞?の様なものを作るんですが)を作る語尾ですね。
最後の「義」がどういう形態素を表しているのかは私も戸惑うところですが、鼻音系の
/i/を音写しているのだと解釈したら差し支えありますか? 結果的には「ノロンイ」
という語形にはもともと「黄色い物」という程度の意味しか無くて、後から「黄金」
という特定の意味をもつようになったと仮定しても宜しいでしょう。現代語には
/nora[ng]i/と/nwure[ng]i/はニュアンスを区別して「黄色い物」という意味で使われて
いますが、現代語の/nora[ng]i/が上記の「[舟+β]論義」(*/nworon i/?)と同源だと
すれば非規則的だと思います。例えば中世語の/na'or/(四日)は現代語では/naur/と
いうんですけど。。。ふむ。

572 名前:阿木林:2003/11/04(火) 20:27 ID:ZZaOh6fw

おお。すばらしい。確かに黄曰那論とありますね。
こっちは「那」と書いてあります。
ノランイは明るい黄色の物、ヌロンイは暗い黄色の物というニュアンスですが、
「黄色い物」と黄金が呼ばれていたのは俗語かもしれませんね。
日本語でも黄金や小判を俗語で「やまぶき」と読んだりしていますし。
那の読み方については帰ってから調べてみますが、
[才那]nuo2や[女那]nuo2/nuo3の音符として那が使われているのだから、
那にnuoという読みがあったって不思議ではありません。

篇者とされる孫穆はおそらく北宋の人でしょうか。
朝鮮語に精通した上での記録というわけではないでしょうから、
おかしなところはあるのでしょうけど、細かく見ていくと非常に面白い
です。今日ではない語彙がある反面、現代語よりも漢語を多く
取り入れた部分もあったり。高句麗語にもこのくらいの資料があれば・・

573 名前:Jake_USA:2003/11/04(火) 20:51 ID:oMVZcVxQ

まあ、「金」という単語はさほど面白くないと思うから、次に移りましょうか。
「女子曰漢吟」の「漢吟」ですが、これももしかしたら形容詞の連体形を一つの要素と
しているのではないかなあと考えています。私の考えでは、「吟」は中世朝鮮語の
/nim-kum/(主君)と同じ形態素*/kum/(君の意?)を表しているとします。そうしたら
「漢」が残るんですが、「漢」の字は鶏林遺事を通して朝鮮語の/ha-n/(「大きい、多い」と
いう意味の古語の連体形です)および/hoj-n/(「白い」という意味の中世朝鮮語の連体形)を
音写するために使われています。

例: 「銀曰漢歳」(銀を/hoj-n-soj/即ち「白き金」という)
   「白米曰漢菩薩」(白米を/hoj-n-p(o)sar/即ち「白き穀物」という)
   「祖曰漢子祕」(祖を漢子祕という)
   「舅(しゅうと)曰漢子祕」
   「姑曰漢子彌」
(ここでは表記法がちょっといいかげんかも知れない、という点に注意してください。
 「漢」で音写されている音節は中世語の/han/と/hojn/の両方に相当している様に見えます。)

上記の親戚を表す語については、間に入っている「子」の字が何を音写しているのか
よく分からないんですか。。。とにかく「漢子祕」は後期中世語の/hanapi/(お爺さま)と
関連のある単語でしょう。

私は、「女子曰漢吟」は「妻亦曰漢吟」の「妻」という意味の語から
転じた意味と考えています。そして、その「妻」という意味を表す
「漢吟」は他人の奥さんの敬称として使われていたと思います。なぜなら
「自分の妻をナニナニと称する」という記録がその次に書かれているのです。
少なくとも高麗時代の朝鮮語は既にけっこう複雑な敬語法が発達していたのでしょう。
私は結論として、「漢吟」(妻、女子の意)が*/ha-n-kum/(大き君?)という
語形に遡るのだと考えています。(鶏林遺事の時代には既に*/ha-n-Gum/のように
無声軟口蓋破裂音から有声軟口蓋摩擦音への道をたどっていたのでしょう。)
何故「漢」の代わりに/ng/で終わる漢字を以て音写しなかったのか分かりませんが、
もしかして「大きを意味する/ha-n/は漢で書き表す」、という公式みたいなものが
筆者の頭の中にあったのではないでしょうか? 漢民族の自負心に因るというか。そういえば、
鶏林遺事の筆者の姓名は知られていますか?どんな人でしたっけ?

574 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/04(火) 21:28 ID:D4lPpGAk

>>573 Jake_USA さん
>上記の親戚を表す語については、間に入っている「子」の字が何を音写しているのか
>よく分からないんですか。。。

 多分「了」の誤記乃至誤伝でしょう。「了」は中世漢字音は[lieu]ですが、
「父曰了秘」「母曰了弥」などから朝鮮語の['a]乃至['∂]を表記していると
推定される漢字です。「母」の方は寡聞にして知りませんが、「父」は中期
朝鮮語に「'abi」という例があったと記憶していますし、現代でも俗語乃至
方言では「親父」という意味で使用されているはずです。私は朝鮮語には
本当に無知なのですが、この「アビ」に関してだけは、昔ちょっとした縁が
ありましてね(苦笑)。それで覚えているのですよ。それはともかく、貴方が
挙げた「祖曰漢子秘」「舅曰漢子秘」「姑曰漢子弥」、いずれも「子」を「了」
に置き換えてみれば、この場合の「漢」はお説の通り「大きい」という意味
でしょうから、うまく合うのではないでしょうか。

575 名前:Jake_USA:2003/11/04(火) 21:30 ID:oMVZcVxQ

ははは、私がメッセージを書いている間に阿木林さんが私の質問に答えてくれたのですね。
鶏林遺事の編者は孫穆という人だったんですね。どうもありがとうございました。

ちなみに、私の「漢吟」(女子、奥様)の語源説を笑い飛ばす前に、日本語の「おかみさん」など
という言い方を考慮してくださいね!東アジアに於ける他人の妻の敬称としては「大き君」は
おかしくもないと思うのですが。

皆さんのメッセージを読んで思い出したのですが、確かに両唇鼻音が/k/の前に来る場合こそ
自動的に[ng]と発音されることがないんですよね。ただ、/k/の後に/m/が来ると、/k/が
[ng]になってしまうのは事実ですけど。この前は私が過言をしてしまって済みません。

563>>
ななしさんが持ち出してくれた「痩曰安里塩骨真 」ですが、これは恐らく
中世朝鮮語の/ani/(否定の副詞)と現代朝鮮語の/o[ng]kor-ci(-ta)/(たくましい、
穀物の穂に種が大きく生っているなどの状態を表す形容詞ですが)を音写したものと
考えています。確かに、かつて/mk/だったところが/[ng]k/へと発展してきた様に
見えますね。ただ、現代語の/o[ng]kor/という形態素の母音が全て/o/になっている
理由が分からないんですが。。。中世語で/ani/となる言葉が「安里」を以て音写されて
いるというところも非常に気になりますね。


576 名前:Jake_USA:2003/11/04(火) 21:39 ID:oMVZcVxQ

あら、大変な日本語を使ってしまいましたね。「痩曰安里塩骨真」は決して
中世朝鮮語の/ani/と現代朝鮮語/o[ng]kor-ci-n/を音写したものではなくて、
それらの単語と同源と思われる前期中世朝鮮語の言葉を音写したものです。
本当にすみませんでした。なるべく日本語に気をつけようとしているのですが、
やっぱり外国語はねえ。。。(汗

577 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/04(火) 21:51 ID:D4lPpGAk

>Jake_USA さん

 ちょっとコーヒーブレイク(私の場合は「酒」ですが(^^ゞ)。>>553
「とんでもない発言をする人がたくさん居るスレ(スレッド=糸の略で
すか?)も見つけてしまいましたが。。。」と発言しておられますが、
もしよかったらそこのurlを教えてくれませんか。ハングル板もいいの
ですが、たまには私も別の電波浴を楽しみたいので(w。

578 名前:Jake_USA:2003/11/04(火) 23:03 ID:oMVZcVxQ

阿木林さん: さっきの「金曰[舟+阝]論義」についての話が気に入っていたんですか?
突然「漢吟」へ話題を移してしまってごめんなさい。私は日本語で会話する時、
言葉遣いや表現の仕方にもっと気を付けなければならないことは分かっているんですが、
私は時々失礼な言い方をするかも知れませんからその時は大目で見ていただけたら
嬉しいです。よろしくお願いしますね! でも私も阿木林さんと同じく、「[舟+阝]論義」が
俗語みたいな言葉だったと考えています。その派生法を見れば幼児語や俗語のうちだって
直感的に思います。

ななしさん: いわゆる「コーヒーブレーク」はいかがでしたか?
お休みの時間ならとんでもないメッセージボードの発言を見て楽しみますか。
実は、私が話していたメッセージ板はななしさんが既にご存知のはずです。。。
なぜならななしさんの書き込みを読んだのを覚えています。ななしさんの
発言はもちろん意味をちゃんとなしていたけれど他の人たちは様々でした。。。という
程度にしておきましょう。例えば

25 名前:竹崎季長2 ◆T/zSkROU 投稿日:2001/09/12(水) 00:03 ID:rhGZ6Hbk
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA さん、なんか
日露戦争の時の長岡半太郎(だっけ)みたいだなあ。

387 名前:ついでだが 投稿日:2001/10/08(月) 21:43 ID:yXGxtccs
人力車は日本人の発明らしい。
浅草に外人連れて行ったら人力車屋が店を開いてた。
「ありゃ中国のんだろう?」と言うんで「ありゃ日本人の発明だ。
中国人は引いただけ」と言うてやった。
後で心配になって検索したら、明治2年辺りに日本人が発明した様だ。
やっぱりね。
嘘だと思うならgoogle引いてみな。

(以上はhttp://rkrc5w2q.dyndns.org/korea_refuge/1000210540.html" target=new>http://rkrc5w2q.dyndns.org/korea_refuge/1000210540.htmlからの
 転載でした。。。ご迷惑をかけて済みません。他にもっと変わった掲示板が
 あった気がしますがそれを見つけるのには少し時間がかかりそうです。役に
 立てなくてごめんなさい!)

579 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/04(火) 23:29 ID:D4lPpGAk

>>578 Jake_USA さん

 ひぇ〜。それは私のホームページからもリンクしている、私の常駐スレの
過去スレではありませんか! あのスレは言語系電波を退治するための
スレでして、あそこを電波スレと言われたら、ウリ、泣いちゃうニダ!・゚・<つД`>・゚・

 ちなみに、私は今もリカー・ブレイク中です。今日は日本酒ばかり飲んで
ますが、日本酒はおいしいですよ! おいしいのは、ね(藁)。

 それから、人力車云々の発言を引用しておられますが、人力車は日本人
の発明に間違いないはずですよ。発明年も発明者もわかっていますから。
もし変な発言という意味で引いたのでなければスマソニダ。

580 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/11/05(水) 00:52 ID:7mB3kNjo

予想通りのオチだ(笑)。



       さんちゃんとか在日タソのスレでなくてほっとした。。。

581 名前:ケムール人 ◆9s/SSlUk:2003/11/05(水) 01:01 ID:gbBqGjzE

企業家さんや娜々志センセクラスになると
何処で引用されるかわかんないから大変だねえ・・・

582 名前:ケムール人 ◆9s/SSlUk:2003/11/05(水) 01:11 ID:gbBqGjzE

昔(20年近く前)インドにいったら、人力車ワラワラ。
「リクシャー」と呼ばれていて、土地に長い日本人から
「もとはニホンのジンリキシャですよ」と教えられた。

でもさ、日本の人力車って威勢がいいじゃない?若き日の
姿三四郎が「うらうらうらあ!」引いてたりさ。スポンサ
ーのいない学生の適当なバイトだったり。でもインドで
たまんなかったのは、明らかに当時の漏れより体力の
ない、おっちゃん、おばちゃんがよちよち引いてて、
やりきれなくてすぐ降りちゃったよ。

583 名前:Jake_USA:2003/11/05(水) 09:23 ID:UVb8Aq8A

ななしさん: ああ、あそこが電波スレ(デマみたいなことばかり書く人が
多いという意味ですか?)だなんて言うつもりじゃなかったけれど、25番の発言の
ように何を何のために言っているのか分からないのがたまにあったという事
だけでした。。。人力車の話も、デマやデタラメというより発言の書き方が
面白いと思っただけです。それは関西の方言を使っているのでしょうか?
ふぅ。。。私がこの発言でかえって変な方向へ話題を持って行ってしまった様ですね。。。
反省します。

ちなみに私は日本の梅酒が大好きです。こちらでsake(発音は普通「サキ」ですよ!)と
いわれる物はあまり飲んだことがないけど、梅酒は手の及ぶ所にあったら自主的に
飲もうと思います。大人の皆さんにとっては甘すぎるのかなあ。。。?

584 名前:阿木林:2003/11/05(水) 10:15 ID:QSY8jk4c

>>573
ありがとうございます。しつこく「金」の話なんですが、五行説の「金」は、
モンゴル語では/to'mo'r/「鉄」なんですよね。
日本語の「カネ」も、鉄を指すことが多いと思いますが、断言はできません。

漢吟の解説、ありがとうございます。/hangym/という解釈、同意します。
現代語の/manim/「奥様」に該当する言葉ですね。
/ma/は/ma:nura/「妻」の/ma/だと思いますが、意外と漢語の「媽」
だったりするかも知れません。
>>574
「了」が、意外と「阿」の吏読文字だったりして。カダガナはウリナラ起源ニダ!!
「了彌」は/emi/とでも読むのでしょう。
>>575
/ogorjida/という朝鮮語を知らないのですが、近い音の言葉で
/hen'ger-cada/ホンゴルチャダという言葉があります。
(おぉ、これもn+gの連続でした)
安里-が否定辞として用いられているらしいことも面白い。
孫穆さん自身については分かっていることが少ないのですが、
/l/と/n/を混同する言語の話者だったかもしれませんね。
現代中国では四川から広東にかけての人がそうです。
あと、那を/no/と発音する地方の人だったのかもしれません。

585 名前:阿木林:2003/11/05(水) 10:34 ID:QSY8jk4c

ついでに、ハングルのローマ字転写ですが、朝鮮語の知識がある人
同士ならそれぞれ違う転写法を用いても話は通じるので問題はない
のですが、一応自分が使っている方式を紹介しておきます。

ウリは個人的な好みで「志部方式」と呼ばれるものを使ってるニダ。
現代語の表記なら文化部方式やMR方式を使うことに抵抗は
ないのですが、この方式だと古典語も無理なくあらわせるので
気に入ってます。

g/n/d/r/m/b/s/'/j/c/k/t/p/h
gg/dd/bb/ss/jj
a/ia/ai[ε]/iai/e[∂]/ie/ei[e]/iei/o/io/u/iu/y[щ]/i/@(アレア)
oa/oai/ue/uei/oi/ui/yi

586 名前:阿木林:2003/11/05(水) 10:51 ID:QSY8jk4c

ア、アイゴ!鶏林遺事じゃなくて鶏林類事だった!
朝鮮語で覚えるとどっちもケリムユサだから・・・
三国遺事サムグクユサと紛らわしいなぁ。
鶏林は慶州の別称ですが、タクポルという古名にも通じますよね。

鶏林類事 三巻

1.天曰漢捺
2.日曰[女亘]
3.月曰契
4.雲曰屈林
5.風曰孛纜
6.雪曰敕
7.雨曰霏微
8.雪下曰敕恥
9.凡下皆曰恥
10.雷曰天動
11.雹曰霍
12.雷曰閃
13.霜露皆曰率

こんな感じでまとめてみようかな。
あ、このスレは高麗語スレじゃないんだった!

587 名前:Jake_USA:2003/11/05(水) 14:31 ID:UVb8Aq8A

阿木林さん: 貴方の朝鮮語ローマ字転写法を教えてくださってありがとうございます。
私たちが皆同じ転写法を用いればこのスレに書くメッセージが読んでいる人により分かりやすくなるでしょうね。

モンゴル語では鉄のことを/to'mo'r/というんですね。それがもしかして高句麗語の*/sobi/や
朝鮮語の/soi/と同源だと考えていらっしゃるんですか? それとも日本語の「カネ」も意味的範囲が
似ているということですか? 確かに古代の金属の名前は現代人の立場から振り返って見ると紛らわしい
んですよね。古代人にとってはある種類の金属はまだまだ「新しい物」という印象があったのかな。。。

/ma:nura/(妻、婆 - 中世では/manora/)と/mienyri/(嫁の意 - 中世では/mien@ri/とも)はきっと
「大・小」のニュアンスを表す意思的母音交換に因る一対をなしているでしょう。
確かに/ma:-nim/(身分の高い婦人を呼ぶ語; 或いは身分の高い者の名称の下に付けて敬意を
表す語)は前期中世語の*/hangym/(奥様、女子<「大き君」の意からか?)と似ている点がありますね。
しかし、朝鮮語の/ma:ma/(王様や王室の人を呼ぶ語;或いは身分の高い官人の妾を呼ぶ語)のことを
考慮に入れると、/ma:-nim/と/ma:ma/はもしかして(女真語経由?)の漢語なのではないか、と
思いますね。満州語にも同じ/mama/という敬称がありましたよね。私は、朝鮮語の/ma:nura/と/mienyri/に
ついては、むしろ日本語の「め(女)」や「をみな(女)」と関係があるのではないかと考えて
います。

あ、「鶏林遺事」じゃなくて「鶏林類事」でしたよね。私はずっと間違えていて気付かなかったのです。
ごめんなさい! 確かに「三国遺事」と紛らわしいんですよね。。。漢字を朝鮮語読みに読むと。。。

/hen'ger-ca(-da)/(非常に嬉しい、意気揚々たる;背丈がでかい)という朝鮮語は確かにありますが
意味的にも「痩曰安里塩骨真 」とは程遠い様な気がしますし、語頭に/h/が付いている点など気になります。
私は鶏林類事の編者の孫穆さんについて彼がまだまだ「塩」の終声の/m/を保っていたか分かりませんが、
「塩」の語頭音が後世、朝鮮語の/onggor-ji(-da)/や/onggor-ca(-da)/の[ong]になった可能性の方が、
「塩」が表していた音が/hen'ger-ca(-da)/の[hen]になった可能性より高いと見ています。異議の余地は
あると思いますが。。。

鶏林類事に於ける「祖曰漢子祕」の「子」が、朝鮮語の/a/ないし/e/の音を表す吏読文字と思われる
「了」の間違いだと私も思います。そう解釈すれば簡単に後期中世語の/hanabi/(お爺さま)と
関連付けることが出来ますから。しかし、そうすると「剪刀曰割子蓋」の解釈はどうなるのでしょう。
「割子蓋」は明らかに後期中世語の/g@z'ai/, /g@zai/, /g@'ai/や現代語の/gaui/, /gasai/(確か/gasigai/という
語形をもつ方言もあると聞きましたが。。。)などと同源の単語ですが、「割子蓋」という表記は
正確にはどんな音声を音写したものだと思いますか?

588 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/05(水) 14:55 ID:8W/nuTmI

>>583 Jake_USA さん
>電波スレ(デマみたいなことばかり書く人が
>多いという意味ですか?)

 この場合の「電波」を定義するなら、「道理に合わない奇妙な主張。また、
そういうことを主張するおかしな人。」ということになるかな。もともとは現代
の狂人がよく抱く妄想のパターンである、「世界は毒電波で満ちている」だの
「電波が飛んできて私に命令する」だのを応用したものです。日本のネット
ではカタカナで「デムパ」と書くことも多いですね。

>それは関西の方言を使っているのでしょうか?

 大部分はより俗語性の強い口語ですね。「言うてやった」だけは関西から
西日本にかけての方言ですが。さすがに俗語や方言となると、外国の方に
はわかりづらいでしょうねぇ。更にネットではまたネット特有の言い回しが
あったりしますから…(w。まぁ適当に読み飛ばしても、大体意味が取れれば
それで大丈夫ですよ。

>私は日本の梅酒が大好きです。

 最近はあまり飲みませんが、梅酒は私も好きですよ。昔は自分で作って
いたくらいです(w。

589 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/05(水) 15:19 ID:8W/nuTmI

>>586 阿木林さん

 前期中世語は基本は新羅語系語彙でしょうが、高句麗語系の語彙も
少なくないと言われていますから、『鶏林類事』の研究は高句麗語研究
にもきっと役立つと思いますよ。どうぞ遠慮なく続けて下さい。

>>587 Jake_USA さん
>モンゴル語では鉄のことを/to'mo'r/というんですね。それがもしかして高句麗語の*/sobi/や
>朝鮮語の/soi/と同源だと考えていらっしゃるんですか?

 高句麗語の「鉄」を探る手がかりは既に存在します。『三国史記』の
「鉄円郡{一ニ云フ毛乙冬非}」です。これを素直に受け取れば、「鉄」が
「毛乙」、「円」が「冬非」を表わしているということになりますが、村山は
逆に「鉄」が「冬非」、「円」が「毛乙」を表わしているのではないかと推測
しています(>>97)。実際、村山説に従えば、「冬非」はモンゴル語の
「to'mo'r(鉄)」やトルコ語「ta¨mir(鉄)」とも対応させることが出来ますし、
「毛乙」も日本語「maru(丸)」と対応させることが可能になります。

>しかし、そうすると「剪刀曰割子蓋」の解釈はどうなるのでしょう。

 その例は「子」のままで正しいとすればいいのではないでしょうか。
現存する『鶏林類事』は孫穆自身の書き残した原本ではなく、もとは
写本の形で伝わっていたものが版本になって残っているのですよね。
出版に著者本人が関わっていれば間違いはないのでしょうが、実際
には高麗語について何の知識もない別人が出版するのですから、
元の写本に書写の際に生じた誤りがあったとしても、本人以外には
それを訂正しようがありません。〔了→子〕のような誤りは誤写によって
容易に生じるものです。他の箇所で「子」という漢字も使われていれば
尚更でしょう。

590 名前:阿木林:2003/11/05(水) 17:41 ID:QSY8jk4c

http://www.cambridge.co.kr/culture/chamjin/chamjin03SS/chamjin03SS-03.asp" target=new>http://www.cambridge.co.kr/culture/chamjin/chamjin03SS/chamjin03SS-03.asp
たまたま見つけたのではっときます。ソウルの地名が漢字化されてどのように
変化したかが紹介されているページです。

591 名前:Jake_USA:2003/11/05(水) 17:53 ID:UVb8Aq8A

1.天曰漢捺 = 後期中世語/han@rh/, /h@n@rh/、現代語/hanyr/。語源的には「大き日」(*/ha-n-nar/)かなと
        思ったりしますが、中世語の語末の/h/が説明できませんね。
2.日曰[女亘] =後期中世語/nar/.古くから「太陽」を意味する語でしたが、
         現代語の/nar/は普通「day」とか「天気」とかいう意味しか持ちません。
3.月曰契 = 中世語にも現代語にもこの語に当たる単語は見当たりません。しかし、
        私は中世朝鮮語の/nir'wei/(七日)に現れる*/gwei/など、日数を
数えるときの朝鮮語と何らかの関係があるのではないかと考えています。
        尤も、あるとても古い書物のどこかに「東夷は夜を以て日を数ふ」とか
       「東夷は日を夜にす」とかいう謎めく記録を見た様なうろ覚えがあるのです。
4.雲曰屈林 =中世語の/gurym/, /gurum/と現代語の/gurym/(雲の意)に当たりますね。
        ここの面白い所は本来/t/を語末に持ったはずの「屈」という漢字を
        使っているところですね。編者は朝鮮人の様に/t/入声を[l]/[r]に変えて
        発音する習慣は無かったのでしょうね。。。単に「屈」の語末の子音が既に
        衰えていたとしますか?或いは編者は朝鮮人の口癖・書く癖を表記法で
        真似たのでしょうか?
5.風曰孛纜 =中世語の/b@r@m/, /b@ram/ですね。上記の(4)と同様の表記法ですね。
        音写のために使われている漢字の第二字の音は中世語の異形態のうち、
        /b@ram/が古形だという説を裏付けることになるでしょうか?
6.雪曰敕 = この中で一番気になる単語ですね。今までの研究者はこの音写に使われている字が
        「眼曰嫩」の所で使われている「嫩」と似ていることと、「雪」と「眼」を
        意味する単語が後期中期朝鮮語および現代朝鮮語に於いて/nu:n/と/nun/で著しく
        似ていることから、この「雪曰敕」の「敕」が誤字だという結論を出す人が
        多いのですが、実は日本語の「ゆき」やトルコ語の/yaGmur/(雨)などと同源の
        単語を音写しているのではないでしょうか?
7.雨曰霏微 =中世語および現代語の/bi/(雨)。重複語と見做せますか?
        かなり気になる単語の一つですね。。。
8.雪下曰敕恥 = 同じ意味の語句が中世語では/nu:n di/、現代語では/nu:n ji/と
          なるのですが、中国語に於いては「恥」という字にはいつの時代に
          [di]ないし[ti]の様な発音があったかしら? 中国人が朝鮮語の/ti/
          を正しく聞き取れなかったとするのか、或いは鶏林類事が反映している
          前期中世朝鮮語の方言では/i/の前に於ける本来の*/d/が既に口蓋音化
          していたのか分かりませんが。。。「敕」については上述しました。
9.凡下皆曰恥   しつこいですね。やはりこれも前項と同じく後期の/di/,現代の/ji/(落ちる、
          {日が}入るなど)ですね。
10.雷曰天動 =現代語の/cendu[ng]/(雷の意)。そのまま漢字の「天動」に由来するのでしょう。
11.雹曰霍 =全く分かりません! これは漢語でしょうか?
12.電曰閃 =漢語ですね。どうして気象の分野では漢語がこんなに
        多く使われていたのでしょう。
13.霜露皆曰率 =現代語では「霜」を/seri/, 「露」を/isyr/と呼び分けています
   が。。。発音の類似から中国人である編者は誤解をして霜露を言う語を
   一つにまとめてしまったのでしょうか? もちろん「霜」と「露」って、
   現象としても根本的に似ているのですが。

ちなみに高句麗語の「於斯」(斧)に対応するかも知れない単語を見つけました。
「斧曰烏子蓋」が高句麗語の「於斯」に接尾辞の/-kai, -kei/の付いた語形だと
思いませんか?

参考
漢 字 音:於斯(中:io-syie、朝:∂-s∧)

なお一層日本語の古語である「よき」と何らかの関係がありそうですね。


592 名前:Jake_USA:2003/11/05(水) 18:14 ID:UVb8Aq8A

でも「斧曰烏子蓋」の「烏子」は日本語の「わける(分)」という動詞の語幹と
結びつけることも出来そうだし。。。朝鮮語の/-kai, -kei/という接尾辞は主に動詞語幹から
派生名詞を作る役割を果たすのですから、「烏子蓋」はもしかして「わける」と
同源だと仮定した方が合理的かも知れませんね。

593 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/05(水) 18:18 ID:pSFo4AJQ

>>590
最古の名前は「尉礼」と「漢山」のようですね。
「尉礼」は百済語で「漢山」は漢語のようですが。漢山は「漢城」「広州」の語源ですね。
ソウルは首都を意味する普通名詞「所夫里」から。

594 名前:Jake_USA:2003/11/05(水) 18:22 ID:UVb8Aq8A

でもこう見ると高句麗語の斧=「於斯」も、前期中世朝鮮語の「斧曰烏子蓋」も、
はたまた高句麗語の翼谷=「於支谷」という地名も、全て日本語の「わき」・「わける」と
関係がある様に思えちゃいますね。。。他の対応例ではどうでしょうか? 「於」字は
日本語のヤ行の音節と日本語のワ行の音節のどちらに対応すると考えてらっしゃいますか?

595 名前:阿木林:2003/11/05(水) 18:24 ID:QSY8jk4c

おお!すばらしい。ちなみに中世語は、ヤフー韓国の国語辞典で
検索することができ、便利ハムニダ。

2.日曰[女亘] は、/hai/ではないかと思ったのですがどうでしょう。
唐宋語に詳しいわけではないのですが、沙o南でサネと読ませる例から、
/-an/を/-e/ないし/-ai/と読む方言の話者かな、とちょっと思ったので。
もちろん、その先を読めば「南」を明らかに/nam/と読むところがあるので、
この説は成立しないと思うのですが。

3.月曰契は/*(ng)uer/という漢字音をあらわすのかな、と思ったのですが、
/ng/を/g/に置き換えている部分は他になさそうなので無理っぽいですね。
それにしても「太陽、月」のような基礎語彙でこれだけ現代語と違うとは・・

6.雪曰敕「敕」は「チョク」ですから、/nu:n/とは関係ないかもしれませんが、
やはり「嫩」の誤写だと思いたいです。

8.雪下曰敕恥は、現代語なら/nu:n oda(雪が来る)/と表現するところです
よね。古くは/nu:n dida(雪が降りる)/という表現があったのでしょう。
「恥」は今でいう「捲舌音」に属する字ですから、古くは/tji/に近い発音で
あったことは間違いなく、高麗語の/di/の音訳に使われたのも不思議では
ありません。ただ、「恥」は有気音であったとみるのが普通ですから、
/nu:n tida(雪が打つ)/のような表現だったのでしょうか?

596 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/05(水) 18:27 ID:8W/nuTmI

>>593

 「所夫里」は百済語ですから、「ソウル」の語源とするにはふさわしくない
でしょう。直接の語源は新羅語「徐伐」「徐羅伐」とした方がいいのでは。
まぁ「所夫里」にしろ徐伐」「徐羅伐」にしろ、起源は同じ韓系祖語に遡るの
でしょうから、似たようなものと言えばそうなのではありますが。

597 名前:阿木林:2003/11/05(水) 18:50 ID:QSY8jk4c

11.雹曰霍 雹の現代朝鮮語は/u:bag/ですが、これは「雨雹」という漢語
なんですよね。古くは/murui/という語彙があったようですが、まったく関連
を見出せません。

12.電曰閃 現代語では/ben'gai/ですが・・・
思うに、孫穆先生は高麗人のインフォーマントに「これはなんと言うか」
「これは何ぞ」と一つ一つ尋ねて、書き取っていった(もしくは書かせた)
のだと思われます。
高麗語にはすでに漢語が大量に流入していたはずであり、
固有語と漢語の二種類の語彙があった場合に、漢語で問い掛けられた
インフォーマントが、つい漢語の語彙を出してしまったのかもしれません。
学識の高い高麗人ならなおさら。

「斧」をあらわす朝鮮語は/doggi/であり、中世語は/doc@i/または
/dosgui/, /dosgyi/だそうですが、烏子とも於斯とも関係なさそう
ですね。

598 名前:阿木林:2003/11/05(水) 19:38 ID:QSY8jk4c

とりあえず、Jakeさん使ってください。
[人+西/大/山]人って何事かと思いましたが、「仙人」のことであるようですね。
てっきり[人+西/国]で仏のことかと思いましたが日本の国字だった・・・

14.霧曰蒙
15.虹曰陸橋
16.鬼曰幾沁
17.神曰神道
18.仏曰孛
19.[人+西/大/山]人曰僊人
20.一曰河屯
21.二曰途孛
22.三曰[手西]
23.四曰迺
24.五曰行戌
25.六曰逸戌
26.七曰一急
27.八曰逸答
28.九曰鴉好
29.十曰噎
30.二十曰戌没
31.三十曰戌漢
32.四十曰麻刃
33.五十曰舜
34.六十曰逸舜
35.七十曰逸短
36.八十曰逸頓
37.九十曰鴉訓
38.百曰[酉+日/皿]
39.千曰千
40.萬曰萬

599 名前:阿木林:2003/11/05(水) 19:38 ID:QSY8jk4c

41.旦曰阿[手参]
42.午曰捻宰
43.暮曰占捺
44.前曰訖載
45.昨日曰訖載
46.今日曰烏捺
47.明日曰轄載
48.後日曰毋魯
49.約明日至曰轄載鳥受勢
50.凡約日至皆曰受勢
51.明年曰明年
52.春夏秋冬同
53.上曰頂
54.下曰底
55.東西南北同
56.土曰轄希
57.田曰田
58.火曰孛
59.山曰毎

600 名前:阿木林:2003/11/05(水) 19:39 ID:QSY8jk4c

76.胡桃曰渇未なんて面白いですね。日本語の「くるみ」と同源とみて
ほぼ間違いないと思います。

60.石曰突
61.水曰没
62.海曰海
63.江曰江
64.渓曰渓
65.谷曰丁蓋
66.泉曰泉
67.井曰烏没
68.草曰戌
69.花曰骨
70.木曰南記
71.竹曰帯
72.果曰果
73.栗曰監
74.桃曰枝棘
75.松曰鮓子南
76.胡桃曰渇未
77.柿曰坎
78.梨曰販
79.林禽曰悶子計

601 名前:阿木林:2003/11/05(水) 19:40 ID:QSY8jk4c

とりあえず今日入力したのはここまで。
面白くって、つい没頭してしまいました。

80.漆曰黄漆
81.菱曰質姑
82.雄曰鶻試
83.雌曰暗
84.鶏曰啄
85.鷺曰漢賽
86.鳩曰于雄
87.雉曰雉賽
88.鴿曰弼陀里
89.鵲曰則寄
90.鶴曰鶴
91.鴉曰打馬鬼
92.隼曰笑利彖畿
93.禽皆曰雀訳
94.雀曰賽
95.虎曰監
96.牛曰焼
97.羊曰羊
98.猪曰突
99.犬曰家稀
100.猫曰鬼[尸<工]
101.鼠曰觜
102.鹿曰鹿
103.馬曰末
104.乗馬曰轄打
105.皮曰渇翅
106.毛曰毛

602 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/05(水) 19:52 ID:cCLF.wM.

>阿木林さん

 その勢いで、ぜひ『鶏林類事』のcsvデータを、『三国史記』で私が
作ったような感じで作成して下さい。html化くらいは私がお手伝いし
てもよござんす。そうして私のホームページに統合して載せれば、
みんなに喜ばれること請け合いでっせ。宜しう頼んます。

603 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/05(水) 20:20 ID:pSFo4AJQ

李炳寿が、夫餘の馬加・牛加・猪加・狗加を訓読して方位名と解し
高句麗の潅奴部・消奴部(藻那部)・絶奴部(朱那部)・順奴部(慎那部)と
同じものとしていたように記憶してますが、
>96.牛曰焼
のように牛をソと読んで消奴部(藻那部)に関連づけるのはまだわかるとして、
他はなにか根拠なり妥当性なりあるんすかね?


604 名前:Jake_USA:2003/11/06(木) 08:51 ID:3rGSv1D.

阿木林さん: 「日曰妲」じゃなかったですか? 私が誤写したのかも知れませんね。
てっきり中世語と現代語の/nar/(日)と同じ単語だと思っていました。

14.霧曰蒙 = 分かりません。日本語の「もや」の様な擬態語っぽい単語かな
         と思っていますけど。。。「ぼんやりとしているもの」の様な意味からか?
15.虹曰陸橋 = 道路に架かっている「りっきょう」じゃないです。でも漢語ですね。
16.鬼曰幾沁 = もともと漢語の「鬼神」と同源の言葉だと思いますけど、なぜ編者が
          /m/の終声の「沁」字を使ったのか分かりません。
17.神曰神道 = 現代語の「神道」(/sindo/, 鬼神や化け物を敬って呼ぶ語)
18.仏曰孛  = 現代語では/bur/、でも中世語の/butie/から来た/buce/の方が現在
          多く使われる。「仏曰孛」が表している単語は「仏」の朝鮮漢字音
          なのでしょう。
19.[人+西/大/山]人曰僊人 = よく分かりません。「仙人」と同源の単語なのでは?
20.一曰河屯 = 中世語の/h@nah/, /h@nna/, /h@nnah/など、そして現代語の/hana/
(「一つ」の意)と関係があるのでしょう。が、「屯」が第二音節を
          表しているのはどういう音声だったのでしょうか。*/h@don/か?
          それとも*/h@jon/みたいな音だったのでしょうか?
21.二曰途孛 = 中世語の/durh/および現代語の/du:r/,「二つ、二人」などの意。
          鶏林類事のこの記事で中世語の/durh/が*/dubyrh/の様な語形に
          遡ることを知ることが出来ます。私は日本語の「つま(配偶者)」
          或いは「とも(友、共)」と同じ語根を基にして出来た語なの
          かなと思っています。
22.三曰[手西]  この音写のために使われている字の発音が良く分からないから
          確実には言えないけれど、後期中世語の/seih/(三つ)や現代語の
          /se:i-s/(三つ)、/se:i-/(三-)、/se:-/, /se:g-/(ある限られたセットの
          語幹に付く語形)、/sa-/(化石化した語に残っている語形)などの
          語と同源なのでしょう。
23.四曰迺    後期中世語の/neih/(四つ)および現代語の/ne:i-s/, /ne:i-/, /ne:-/,
/ne:g-/, /na-/等。「三」のパラダイムと全く同じです。この音写に
          使われている漢字の読み方って、中国語だったらむしろ*[nai]に近い音を
          表しているはずですけど。。。「四つ」を意味する朝鮮語が「三つ」の
          母音に釣られて後期中世語・現代語の/e/になったのでしょうか。そもそも
         「三」という前期中世語を音写している字([手西])の発音を知らないんですが。。。
24.五曰行戌  後期中世語では/das@-s/(五つ)となります。現代語では/dase-s/, /da-s-/、
/da:i-s/(五つぐらい)、/da-/など「三」と「四」と同様に異形態に富みます。
         結局これらの語は全て朝鮮語の/dai/(物の茎、体あるいは枝、手の様な部分)や
         日本語の「て(手)」と同源かなと思っています。この「行戌」という表記は、
         というと、よく説明できません。次の「六曰逸戌」との類似から、「戌」の字が
         語尾の/-s@-s, -sy-s/に当たる部分を表していると思います。「行」は誤字なの
         でしょうか? それとも[ta]を表す特別な表記法。。。?
25.六曰逸戌  後期中世語では/iesy-s/, 現代語では/iese-s/, /iei-/, /ie-s-/, /ie-/など。
         全形にわたって「八」を意味する言葉と似ています。
         異形態のモルフォロジーは「五」のパラダイムと同じです。
26.七曰一急  後期中世語の/nirgob/, /nirgub/および現代語の/irgob/(七つ)ですね。
         どうして編者が「一」の字を使って音写したのか分かりません。
         前期中世語では/ni/がまだ/i/と区別されていたはずですが。。。
         気になりますね。「七」という意味をもつ形態素は恐らく*/nir/です。
         他に/nirhyn/(七十), /nir'uei/(七日), /irob/(家畜の七歳)など
         ありますから。

605 名前:Jake_USA:2003/11/06(木) 08:52 ID:3rGSv1D.

27.八曰逸答  後期中世語の/iedyrb/, /ied@rb/および現代語の/iederb/(八つ)と
         同源ですね。同じ語根をもつ単語は/iedyn/(八十), /ied@rai/と現代
         /iedyrei/(八日), /iedyb/(家畜の八歳)などですから、語幹は*/ied/の
         様です。朝鮮語の「六」の語幹と妙に似ています。あと、日本語の「や(八)」とも
         似ていますね。この語の母音調和が中世語でもいいかげんな所がアヤシイ。
28.九曰鴉好  アホーですか。。。いいえいいえ「九つ」の意味を表す朝鮮語/ahob/なのでしょう。
         /p/で終わる適切な漢字が無くて音写するのに困ったのでしょうね。他に
         /ah@n/(現代語では/ahyn/、「九十」)、/ah@rai/ > /ahyrei/(九日)、
         /asyb/(家畜の九歳)などありますから、語根は*/ah/ないし*/a/或いは*/as/の
         様ですね。
29.十曰噎 = 後期中世語では/ier/或いは/ierh/だったと思います。現代語でも/ier/ですね。
         /ie:r/と伸ばす人もいるそうですが。。。/ie-nam-yn/(十余りの)では
         /ie/という異形態をもちますね。多分/n/の前で/r/が脱落したのでしょう。
30.二十曰戌没 = 後期中世語では/symyr/、現代語では/symur/或いは/symu-/です。「〜十」を
           表す朝鮮語はよっぽど古いのですね。。。現代まで受け継がれてきたなんて
           すごいと思います。この語は「二つ」を表す*/dubyrh/とは無関係なのかな。。。
31.三十曰戌漢 = 後期中世語/sierhyn/および現代語/seryn/.「三つ」の意味の/se:-/などと
           一見関係がありそうですね。
32.四十曰麻刃 = 後期中世語/maz@n/, /ma'@n/および現代語/mahyn/(=[mayn]).「二十」と同様、
           「四つ」の意味の語とは程遠い様な気がしますね。音写ではちゃんと
           /z/が「刃」の字を以て表されている点が面白いですね。
33.五十曰舜  = 現代語の/su:in/(実際には[Swi:n]の様な発音)です。
           音声的には朝鮮語ばなれですね。こんな変な発音の言葉、
           他にあったのかな。。。「五つ」の意味の語とは関係が
           無い様に見えます。
34.六十曰逸舜 = 後期中世語/iesiuin/、現代語/ieisun/です。「五十」の単語と
           同じ様な変な発音でしたね。
35.七十曰逸短 = 後期中世語/nirhyn/, 現代語/irhyn/と同じ意味の単語ですけど、
           「短」の字が音写に使われているのが気になりますね。ここでも
           */nir/だったはずの「七」という語根を/ir/と表記していますね。
36.八十曰逸頓 = ずっと/iedyn/. この語では表記の「頓」が/dyn/を表していると
           容易に認められますが、上記の「逸短」の「短」とは一体何なのでしょうね。
37.九十曰鴉訓 = 後期中世語の/ah@n/および現代語の/ahyn/.
38.百曰[酉+日/皿] = 後期中世語の/on/(百)。現代語では漢語の/baik/しか使わないが、語形の
             よく似た言葉で/o:n/(全ての、全部の)というのが現代語にあります。中世語の
             /on/とは関係がないかも知れませんが。。。
39.千曰千 = 漢字語らしいですね。しかし、後期中世語では/jymyn/という固有語も「千」の意味で
         使われました。/jymyn/はアルタイ諸語の「万」という意味の言葉に似てると思いませんか?
40.萬曰萬 = また漢字語ですね。「万」の意味で使われた固有語の形跡は全く無いですね。

606 名前:阿木林:2003/11/06(木) 10:07 ID:hF4VrmdU

Jakeさん、おつかれさまです。こちらもただお願いするばっかりで、
申し訳ないですから、いずれ自分なりに少しまとめてみます。

>>603
方位をあらわす言葉は現代語に手がかりが少ないだけに難しいですよね。
奴とか那は「の」にあたる言葉としても、ほかは関連うすそうですねぇ。
藻那・・・思わずモナーとよんでしまいました。
モンゴル語では南を正面として、左と東、右と西が同じ言葉で表される
のですが、ツングース語ではどうだったかな・・調べてみます。
そういえば、琉球語の方位語は非常に面白いですよね。
北北東を「ニシ」、東南東を「アガリ」、南南西を「ハエ」、西北西を「イリ」
という。金沢庄三郎説では琉球の「ニシ」と和語の「にし」は同源で、
「イニシヘ」に自分たちの祖先が住む方角を指すとかなんとか。

>>604
ウェブサイトの写真からは、日曰妲ではなく[女亘]でした。
でも、「妲」の誤写である可能性は非常に高いと思います。
さらに突っ込むと、次の月の項目は「月曰契(黒隘反)」とあります。
つまり契は/*hai/というような発音を表していることになり、
日と月がどこかで入れ替わったとすれば、日曰契/*hai/、月曰妲/*dar/
となって、現代語と非常によく合致することになるのですが・・・
さすがに入れ替わるようなことはないと思います。

607 名前:阿木林:2003/11/06(木) 10:35 ID:hF4VrmdU

14.霧曰蒙  /me:ng hada/ぼうっとする などと同源でしょうか。
いずれにせよ、/a:n'gai/とは関連なさそうですね。

15.虹曰陸橋  これも面白い。高麗人のインフォーマントはわざわざ
漢語で言ってるとしか思えない。/mujigai/や/myjigei/とは縁もゆかりも
なさそうです。もちろん、高麗が漢語の影響を李朝時代以上に受けていた
証拠と見るべきなんでしょうけど・・・

16.鬼曰幾沁  孫穆先生が-in/-imを混同していたという可能性も
あるかもしれません。シナ語で-n/-mが合流していく過程の中で、
-in/-imはもっとも早く合流した部分であるからです。
宋の時代の資料の一部ではそれが見られたような気がします。

19.[人+西/大/山]人曰僊人  おっしゃるとおり、僊は仙と同音で、
仙人をあらわすものです。なんでわざわざ異体字が使われている
のかわかりませんが。

20.一曰河屯  これは有名ですよね。/h@don/として、日本語の
/φito/と結びつける説が昔からあったと思います。次の途孛 といい、
数詞も現代語と随分違いますよね。

22.三曰[手西]  この字は(斯乃切)とあるので、次の「四曰迺」同様、
/-ai/に近い音だったのかもしれません。

24.五曰行戌  これは謎ですよね。「行」が「多」か何かの誤写である
と考えればすっきりするんですが・・

26.七曰一急  これも面白い。後で出てくる「歯曰[人尓]」で、歯がニ
と発音されていたらしいことがわかるのに、ニルゴプはイルゴプに
なっている。語頭の/ni-/から子音が脱落する現象は、地方ごとに、
単語ごとに段階的に起こったということになるのでしょうか。

27.八曰逸答  ここで「答」という/-p/韻尾の字が使われているのは、
語尾が/-rb/のような二重子音であったことの表れでしょうか。
私は以前から朝鮮語の6, 8は倍数法によるもので、/ye-/や10を意味
する/yer/が倍数を表す要素(語源は「開く」かもしれません)なのでは
ないかと思っていたのですが、「迺」と「答」では音が遠すぎるので、
ちょっと苦しいです。



608 名前:阿木林:2003/11/06(木) 10:46 ID:hF4VrmdU

33.五十曰舜  /sui/という綴りは、今でも通常/siui/と発音
されています。/suida(休む、たやすい)/など。
あまり関係ないのですが、中国朝鮮族の友人は耳を/giui/ギュイと
発音しています。黄海道方言につながる特徴だと思うのですが、
初めて聞いたときは感動しました。

35.七十曰逸短  仰るとおり語頭の/n-/は落ちているみたいですね。
数詞はよく使う語彙ですから、音便が進んでいるのでしょうか。
「短」は謎です。/r/の発音が現在と異なっており、/d/のように発音
されていたことを示すのでしょうか・・・

609 名前:Jake_USA:2003/11/06(木) 11:37 ID:3rGSv1D.

阿木林さん: 助けてくれてありがとうございます! 私は実は、今ものすごい
風邪(病魔?)と闘っています。ですからこの間あまり参加することができなかったのです。
早く治るようになるべく休んでいます。

ちなみに中世朝鮮語でも南は/arp/(前および南の意: 現代語の/ap/「前、先;将来」の古形)で、
北は/duih/(後ろおよび北の意: 現代語の/dui:/「後ろ;後(あと);支援;糞など」の古形)
でしたね。モンゴル語との類似は面白いですね。

610 名前:阿木林:2003/11/06(木) 11:56 ID:hF4VrmdU

そうでしたか・・無理させてしまって、すみません。
このボードで待っておりますので、早くなおしてくださいね。
風邪には少量の梅酒がいいかもしれませんよ。
南を前とする方位法はかなり普遍的なもので、ネイティブ・アメリカン
の言語にも存在すると記憶しております。
寒い地方であるほど、太陽の存在は重要であったのでしょう。

611 名前:阿木林:2003/11/06(木) 13:58 ID:hF4VrmdU

105.皮曰渇翅
106.毛曰毛
107.角曰角
108.龍曰珍
109.魚曰水脱
110.[敞/魚]曰[囗<元]
111.蟹曰慨
112.鰒曰必
113.螺曰蓋慨
114.蛇曰蛇
115.蝿曰蝿
116.[虫豈]曰螻蟻
117.蝨曰[示尸<工]
118.蚤曰批動
119.[虫幾]曰側根施
120.墓曰[虫乞]
121.人曰人
122.主曰主
123.客曰孫
124.命官曰員理
125.士曰進
126.吏曰主事
127.商曰行身
128.工匠曰把指
129.農曰宰把指
130.兵曰軍
131.僧曰福田
132.尼曰阿尼
133.遊子曰浮浪人
134.丐曰丐剥
135.倡曰水作
136.盗曰案児
137.倡人之子曰故作
138.楽工亦曰胡作
139.称我曰能
140.問爾汝誰何曰箇
141.祖曰漢子秘
142.父曰了秘
143.母曰了彌

612 名前:阿木林:2003/11/06(木) 19:03 ID:hF4VrmdU

144.伯叔皆曰了査秘
145.叔伯母皆曰了子彌
146.兄曰長官
147.嫂曰長官漢吟
148.姉曰[女奈]妹
149.弟曰了児
150.妹曰了慈
151.男子曰沙喃
152.女子曰漢吟
153.自称其夫曰沙会
154.妻亦曰漢吟
155.自称其妻曰細婢
156.男児曰了妲
157.女児曰宝姐
158.父呼其子曰了加
159.孫曰了
160.寸曰了姐
161.舅曰漢子秘
162.姑曰漢子彌
163.婦曰了寸
164.母之兄曰訓鬱
165.母之弟曰次鬱
166.姨[女今]亦曰了子彌
167.頭曰麻帝
168.髪曰麻帝核試
169.面曰捺翅
170.眉曰嫩歩
171.眼曰嫩
172.耳曰瑰
173.口曰邑
174.歯曰[人尓]
175.舌曰竭
176.面美曰捺翅朝勲
177.面醜曰捺翅没朝勲

613 名前:阿木林:2003/11/06(木) 19:22 ID:hF4VrmdU

178.心曰沁(音尋)
179.身曰門
180.胸曰軻
181.背曰腿馬末
182.腹曰擺
183.手曰遜
184.足曰撥
185.肥曰骨塩真
186.痩曰安里塩骨真
187.洗手曰遜時蛇
188.凡洗濯皆曰時蛇
189.白米曰漢菩薩
190.粟曰田菩薩
191.麦曰秘
192.豆曰火
193.穀曰田麻帝骨
194.酒曰酥孛
195.醋曰生根
196.醤曰秘祖
197.塩曰酥甘
198.油曰畿(入声)
199.魚肉皆曰姑記
200.飯曰朴挙
201.餅曰模做
202.茶曰茶
203.湯曰湯水
204.飲酒曰酥孛麻蛇
205.凡飲皆曰麻蛇
206.暖酒曰蘇孛打里
207.凡按排皆曰打里
208.勧客飲尽食曰打馬此
209.酔曰蘇孛速
210.不善飲曰本道安里麻蛇
211.熱水曰泥根没
212.冷水曰時根没
213.飽曰擺[口自]
214.飢曰擺[口自]安里
215.金曰[舟+β]論議
216.珠曰区戌

614 名前:阿木林:2003/11/06(木) 19:23 ID:1pufV.qc

今日はみなさんいらっしゃらないですね。
本当は小さい字で注が入っている部分もかなり重要なのですが、
読みにくい部分などがあるので、割愛しています。

615 名前:阿木林:2003/11/06(木) 20:12 ID:AgbqIlf6

217.銀曰漢歳
218.銅曰銅
219.鉄曰歳
220.糸曰糸
221.麻曰麻
222.羅曰速
223.錦曰錦
224.綾曰菩薩
225.絹曰及
226.布曰背
227.苧曰毛施
228.苧布曰毛施背
229.[巾+僕-人]頭曰[巾+僕-人]頭
230.帽子曰帽
231.頭巾曰上倦
232.袍曰袍
233.帯曰腰帯
234.褐p衫曰珂門
235.被曰尼不
236.袴曰珂背
237.[衣昆]曰安海珂背
238.裙曰裙
239.鞋曰盛
240.襪曰背成
241.女子蓋頭曰子母蓋
242.斜曰板捺
243.夾袋曰男子木蓋
244.女子勒帛曰実帯
245.緜曰実
246.繍曰繍
247.白曰漢
248.黄曰那論
249.青曰青
250.紫曰質背
251.黒曰黒
252.赤曰赤
253.紅曰真紅
254.緋曰緋
255.染曰没涕里
256.秤曰雌孛
257.尺曰作
258.升曰刀
259.斗曰抹

616 名前:阿木林:2003/11/06(木) 20:12 ID:AgbqIlf6

260.印曰印
261.車曰車
262.船曰擺
263.席曰[草/登](音席)
264.薦曰質薦
265.倚子曰馳馬
266.卓子曰食床
267.牀曰牀
268.燭曰火炬
269.簾曰箔
270.燈曰活黄
271.下簾曰箔恥具[口+羅]
272.匱曰枯孛
273.傘曰聚笠
274.扇曰孛采
275.笠曰蓋

617 名前:阿木林:2003/11/06(木) 20:13 ID:AgbqIlf6

我ながらなかなかの入力スピードですなw
では、そろそろ帰ります。

618 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/06(木) 21:13 ID:FNwxR4qY

>おおる

 明日から10日夜まで、旅行中につき私はネットにアクセス出来ません。
今も実は旅の空なのですが、何とかネットにつなげる環境にありますので
こうして書き込みが出来ております。最近は当スレも中々に賑わっていて、
不在の間に話題に取り残されてしまいそうな勢いですが、どうぞお気に
なさらず皆さんで盛り上がって下さいね(^_^)。ではでは♪

>Jake_USA さん

 若いからと言って無茶をしてはいけませんぞ。日本では「風邪は万病の元」
という諺があります。養生なされませ。お暇な時には当スレの過去ログや、
私のホームページにリンクしてあるログなどをご覧頂くと、いい暇つぶしに
なるかも知れません。

619 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/11/06(木) 22:09 ID:5CzwA73A

ブログ。作者は紀貫之。
ttp://www.kotonoha.or.tv/history/tosa/


620 名前:阿木林:2003/11/07(金) 12:40 ID:t8arwgAY

276.梳曰[竹/必](音必)
277.篦曰頻希
278.歯刷曰養枝
279.合曰合子
280.盤曰盤
281.瓶曰瓶
282.銀瓶曰蘇乳
283.酒注曰瓶碗
284.盞盤曰台盞
285.釜曰吃(枯吃反)
286.盆曰鴉救耶
287.鬲曰[穴/卒]
288.碗曰已題
289.楪曰楪至
290.盂曰大耶
291.匙曰戍
292.茶匙曰茶戍
293.箸曰折(之吉?反)
294.沙羅曰戍羅(亦曰敖?耶)
295.硯曰皮盧
296.筆曰皮盧
297.紙曰捶
298.墨曰墅
299.刀子曰割
300.剪刀曰割子蓋

621 名前:阿木林:2003/11/07(金) 12:40 ID:t8arwgAY

301.骰子曰節
302.鞭曰鞭
303.鞍曰未鞍
304.轡曰轡頭
305.鼓曰濮
306.[示其]曰[示其]
307.弓曰活
308.箭曰薩(亦曰矢)
309.剣曰長刀
310.大刀曰訓刀
311.斧曰烏子蓋
312.炭曰蘇戍
313.柴曰孛南木
314.香曰寸
315.索曰鄒(又曰朴)
316.索縛曰[舟+β]木香
317.射曰活孛
318.読書曰赴鋪
319.写字曰核薩
320.画曰乞林
321.榜曰柏子
322.寝曰作之
323.興曰[人尓]之
324.坐曰阿則家
325.立曰[口羅]
326.臥曰吃寝
327.行曰欺臨
328.走曰早行打
329.来曰烏[口羅]
330.去曰匿家入[口羅]
331.笑曰胡臨
332.哭曰胡住
333.客至曰孫烏[口羅]
334.有客曰孫集移室
335.延客入曰屋裏坐少時
336.語話曰替黒受勢
337.繋考曰室打里
338.決罪曰滅知衣底
339.借物皆曰皮離受勢
340.問此何物曰設審

622 名前:阿木林:2003/11/07(金) 12:42 ID:t8arwgAY

とりあえず、全部入力しました。方針を変えて、注の部分もなるべく
入れるようにしました。
あと、当たり前ですが旧字体にはこだわっていません。
見ればわかると思うので。

341.乞物曰念受勢
342.問物多少曰密翅易成
343.凡呼取物皆曰[口羅]
344.相別曰羅戯少時
345.凡事之畢皆曰得
346.労問曰雅蓋
347.生曰生
348.死曰死
349.老曰刀斤
350.少曰亞退
351.存曰薩[口羅]
352.亡曰朱幾
353.有曰移実
354.無曰不鳥実
355.大曰黒根
356.小曰胡根
357.多曰釁何支
358.少曰阿捺
359.高曰那奔
360.低曰捺則
361.深曰及欣
362.浅曰泥底

623 名前:阿木林:2003/11/07(金) 17:03 ID:t8arwgAY

あれ?かちゅーしゃの調子が悪いかな?次は注のコンプリートを目指します。

624 名前:Jake_USA:2003/11/10(月) 07:28 ID:MhX7BVM.

かちゅーしゃって、私のこと(加註者)をいうんですか? 遅れてしまって
すみません。私は今カムギで立つだけでも精一杯の状態です。。。でもなるべく
早くやってみます。もう少し待っててくださいね。私は今週授業に行けなかった分の
宿題などもありますから、今週末忙しくなりそうですけどね。ん〜 今2時間だけ
暇があるからとりあえずやってみましょうか。それじゃ〜〜!!

41.旦曰阿摻 = 後期中世語/ac@m/乃至/acym/、のち現代語の/acim/となります。
         「朝; 朝食」などの意。中世語にはこの語の他に/ajiek/という
          言葉がありましたが、どちらも元は同じ語根に遡るのかも知れません。
         「鶏林類事」の音写は*/ac@m/あるいは*/acam/の様な音声を表したのでしょう。
          前期中世語から現代までずっと語形があまり変わらなかった様ですね。
          日本語にも似た様な言葉は幾つかありますが、紛らわしいからそれについては
          また今度。。。ちなみにこの語に見える(と思われる?)派生法は、季節や
          時期を表す語によく現れると思います。例えば/bom/(春)、
          /nierym/, /nier@m/(夏)など。私はこれらの語が元々動詞から派生した名詞
          なのではないかと仮定しています。
42.午曰捻宰 = 現代語の/naj/(昼、昼間;正午)と同源の単語を音写したものだと
          思ったりしますが、この音写に従えば*/nemj@i/, */niemj@i/の様な
          発音だったということになります。。。何だか納得がいきませんね。
          しかし、「鶏林類事」の編者が/m/終声の字音を必ずしも/n/終声のもの
          と区別してはいなかった様ですから、*/nenj@i/や*/nienj@i/の様な
          音声を表すつもりで「捻宰」と書いたのかも知れません。けっこう謎の
          多い一例ですね。
43.暮曰占捺 =「ハングル時代」の書物には現れない単語の一例ですね。私はこの語は
          きっと、後期中世語の/jiemkyr(-ta)/, /jiemyr(-ta)/と現代語の/jemur(-ta)/
(暮れる)と関係があると思っています。この「語群」には他に現代語の
          /jenieg/(夕方)があります。「占捺」の「捺」は「太陽」の意味の/nar/か?
          日本語に同源の語を求めるとしたら「よ(夜)」、「よる(夜)」、「やみ(闇)」、
          「よひ(宵)」、「ゆふ(夕)」の辺りでしょう。
44.前曰訖載 = 現代語の/ejei/(昨日)か? でも音写が複雑で。。。
          この語はあまりにも使用頻度が高いから早くも語形が
          崩れたと見るべきでしょうか。
45.昨日曰訖載 =前項44に同じ
46.今日曰烏捺 =後期中世語/on@r/、現代語/onyr/(今日)。語源については私は
          /o(-ta)/(来る)の語幹或いはその活用形である(かも知れない)*/or-/と、
          日を意味する/nar/との複合語を仮定します。現代語/or-hai/(今年)参照。
          */or-/がもし本当に/o(-ta)/(来る)と同源だとしたら、/o(-ta)/の原義が
          違っていたのかも知れない。。。もしかして上代日本語の「う」、その後の日本語の
          「ゐる(居る)」と関係があるのか? 或いは日本語の「をり」とも?(しかし
          「をり」は恐らく「ゐる」の語根と「あり(有り)」とが合わさって出来た語だと
          思っています。)
47.明日曰轄載 =後期中世語にも現代語にもありません。「前;昨日」を意味する「訖載」との
          類似が面白いです。しかし、語源説はまだ唱えられません。
48.後日曰毋魯 =現代語の/mo:rei/(あさって)と同源でしょう。でも前期中世語の頃では
          語末の母音が違っていた様ですね。語源については、/me:r(-ta)/(遠い)と
          関係があるのでしょう。

625 名前:Jake_USA:2003/11/10(月) 07:31 ID:MhX7BVM.

49.約明日至曰轄載鳥受勢 =「明日」を意味する語は相変わらず謎ですが、「鳥受勢」は
         「来てくださいませ」という意味の後期中世語/o-siosie/と(今は古臭いけど)
          現代語/o-sose/と同源の語句を音写したのでしょう。
50.凡約日至皆曰受勢 = 編者が勘違いをしていたのでしょうか?「受勢」は恐らく
          後期中世語の丁寧な命令形を作る語尾、/-siosie/に相当するものでしょう。
51.明年曰明年 = 漢語なので説明は要らないでしょう。
52.春夏秋冬同 = 後期中世語および現代語では普通、固有語である/bom/, /nierym/, /g@z@r(h)/,
/giezyr/を使います。編者はよっぽど漢語に敏感だったのでしょう。
53.上曰頂 = こんな変な漢語を高麗の人々は本当に使っていたのでしょうか?
54.下曰底 = 同上。。。
55.東西南北同 = これは納得がいきます。現在でも朝鮮民族は普通、漢語を以て
           方角を表します。
56.土曰轄希 = 後期中世語/h@rg/および現代語/harg/。この単語の語末に「希」の
          字音が示唆する様な母音が本当にあったかどうか疑問のところです。
          漢字で朝鮮語の/rg/終声をこれ以上上手く音写することが出来なかったのでしょう。
57.田曰田 = 本当か。。。? 現代語では/non/といいます。
58.火曰孛 = 後期中世語の/byr/および現代語の/bur/です。日本語の「ひ・ほ」(火)と
         一見関係がありそうですが、日本語ではこの語の*/r/がどこへ行っちゃったの?
59.山曰毎 = 後期中世語の/moih/および現代語の/mei/です。現代語ではこの語は普通、複合語の
         要素とする以外使われません。漢語の/san/の方が単語として使われます。

626 名前:Jake_USA:2003/11/10(月) 07:41 ID:MhX7BVM.

あっ、プチ訂正です(汗 後期中世語と現代語との間にある規則的な母音変化の
パターンに釣られて、ついつい中世語の/h@rg/(土)の子孫が現代語の*/harg/であると
言ってしまいました。実は、この語は特別として、現代語では/hyrg/となっています。
即ち、上56項は以下の様に訂正致します:

56.土曰轄希 = 後期中世語/h@rg/および現代語/hyrg/。この単語の語末に「希」の
          字音が示唆する様な母音が本当にあったかどうか疑問のところです。
          漢字で朝鮮語の/rg/終声をこれ以上上手く音写することが出来なかったのでしょう。


627 名前:Jake_USA:2003/11/10(月) 08:03 ID:MhX7BVM.

よく考えてみたら、後期中世語の/h@/が現代語の/hy/に対応する例は決して少なくありません。。。
/h@rg/ > /hyrg/のほかに、/h@j(-ta)/ > /hyi(-ta)/(白い)というのがありますね。この事実は
中世語の声調(トーン)の違いに因るのでしょうか? 該当する語の中世語に於ける声調がどうであったのか
私はよく覚えていませんが、お助けを願えますか? 或いは/h@/という子音母音連続には元から二種類が
存在したとか。。。そんな仮定はむちゃ過ぎるのかな。中世語のハングル資料では同じ/h@/というハングルで
書き表していたのですから。でも面白いところは、/h@j(-ta)/ > /hyi(-ta)/が日本語の「しろ(い)」
(白い)に相当して、/h@rg/ > /hyrg/がモンゴル祖語の*/siroga/と再構される単語に相当するのですね。

628 名前:阿木林:2003/11/10(月) 11:25 ID:znf4ceC.

>>624
はは。かちゅーしゃとは私が使っているブラウザの名前です。
掲示板表示と書き込みに特化した性能を持っているので、
日本では「2ちゃんねる」を中心に、一部でかなり普及しております。

注釈、お疲れ様でした。僕がもっとやりたいのですがなかなか時間が・・

41.旦曰阿[手参] に対応する日本語は「あさ」や「あした」ですね。
一連の時間を表す語彙に/-m/で終わる語彙が多いのですが、
/bam/なども動詞起源かもしれませんね。

42.午曰捻宰  この時代には語末の/-j/が現代よりもはっきり
発音されていたことを表すのかもしれませんし、/-i/のような
接辞がついた形かもしれません。
近い発音の/nac/(顔)は「捺翅」と記されています。

43.暮曰占捺  この注には(或言占没)とあります。
それぞれ、/jemun nar/, /jemur/のような形だったのかも。

44.45では「おととい(オジョッケ)」「きのう(オジェ)」が同じ言葉で
あらわされていますね。古くは同じ言葉であらわしていたのかも。

629 名前:阿木林:2003/11/10(月) 11:52 ID:znf4ceC.

47.明日曰轄載  現代語では「来日」「明日」という漢語のほかに
該当する言葉があるのでしょうか。「轄」は56.土曰轄希 の音を
あらわすのにも使われていますから、/*h@rjei/のような発音で
あったことはまちがいないのですが・・・
チェジュ方言でも母音がつづまって/nair/ですし。

50.凡約日至皆曰受勢  そうですね。編者の勘違いであろうと
思います。面白いのは、そのあとで336.語話曰替黒受勢や、
339.借物皆曰皮離受勢、341.乞物曰念受勢などでも出てくる。
50.は恐らく「烏受勢」と書いたものから「烏」が脱落したものです。

52.春夏秋冬同  このあたり、固有語がなかったとは思えないので、
「訓読」の類ではないかとにらんでいます。だとするとかなり高麗語の
再構は困難になってしまうのですが。。。
この資料じたいが、当時高麗で通用していたと思われる吏読の類を
シナ人が読み下すために作られたものであるのかもしれません。

>>627
おっしゃるとおり、中世語の/@/は、現代標準語では語頭では
/a/、第二音節以降では/y/に規則的に変化しますよね。
/hyita/(白い)の古形は/h@ita/ですが、現代語では/ha'ian/(真っ白い)
などという変化形もありますね。両方とも/h/という子音のあとですから、
/h/のあとでは/y/に変化する規則があったのかも。
このケリムユサの資料は、声調までも考慮して漢字音をあてているかも
知れません。(去声)(平声)などという注が入ることがその証拠でしょうし、
「手」と「客」の表記分けなどは、声調を示唆している可能性がある。


630 名前:阿木林:2003/11/10(月) 11:54 ID:znf4ceC.

ちょっと補足。
/h@rg/も/h@ida/も両方/h/の後だったから、/y/に変化したのでは
ないか、という意味です。ついでに転写も間違えてた・・・
アイゴー、ムシッカンノマー

631 名前:Jake_USA:2003/11/10(月) 14:37 ID:MhX7BVM.

60.石曰突 = 後期中世語の/dorh/(上昇調)および現代語の/do:r/(石)。
         恐らく*/dor/の様な語幹に*/-agi/の様な接尾辞(もと指小辞か?)が
         付加されたことに因る語形。
61.水曰没 = 後期中世語の/myr/および現代語の/mur/(水)。古そうな単語です。
62.海曰海 = 漢語ですね。後期中世語では主に/bar@r/という語形が使われて、現代語では
         /bada/が使われます。高麗人が漢語の「海」を実際の日常会話で使っていたと
         いうなんて疑わざるを得ません。固有語の/bar@r/乃至/bada/については、女真語の
         */meterin/(漢字表記「[月永]忒厄林」)、満州語の/mederi/、上代日本語の
        「わた」などと同源の様子です。元々日本語の動詞「わたる(渡る)」と何らかの
         関係があるのではないでしょうか? 女真語、満州語の語形は特に動詞からの派生語の
         様に私の目には見えますが。。。ツングース語派に詳しい方、解説をお願いします。
63.江曰江 = 現在もなお漢語の「江」(朝鮮漢字音では/ga[ng]/)が使われています。が、後期中世語には
         /g@r@m/(大河ないし湖)、/naih/(現代語では死語っぽいですが/na:i/といいます)などといって
         河川を大小に細かく分けて呼んでいました。
64.渓曰渓 = 現代語では/si:nai/、/gaiur/などと呼びます。/si:nai/は新羅語の*/sir/(谷)或いは現代語の
         /si:r/(糸の意、しかし「細い、小さい」という意味で接頭語的にもしばしば使います)が
         /naih/(川)にくっ付いて出来た複合語である様ですね。
65.谷曰丁蓋 =この語については以前、534項の辺りから長い討論が繰り広げられました。もしかすると日本語の
         「たに」と同源の要素に朝鮮語の/kai/(浦、川の支流など語義多々)が
         くっ付いて出来た語かも知れません。
66.泉曰泉 = 漢語です。後期中世語では泉のことを/s@im/、現代語では/sa:im/といいます。
         いずれ「漏れる」などの意味を表す/s@i(-ta)/(現代語/sa:i(-ta)/)からの
         派生名詞です。
67.井曰烏没 = 後期中世語/umyr/、現代語/umur/に当たります。もともと複合語だったと
          思われます。後期中世語/myr/(水)参照。
68.草曰戌 = 何ですか、これは? 全く謎です。後期中世語では「草」を/pyr/といい、
         現代語では/pur/といいます。
69.花曰骨 = 後期中世語の/goj/(単独ないし子音で始まる助詞の前では/gos/)、そして
         現代語の/ggoc/に当たります。何故に/n@c/(顔)を「捺翅」と音写したのと
         同じ様に、二字を使って*/goj/を音写しようとしなかったのでしょうか?
         この「花曰骨」という音写がちょっと引っかかりますね。ともかく、この朝鮮語の
         /goj/などは日本語の「くさ(草)」の対応例としてしばしば指摘されてきました。
70.木曰南記 =後期中世語では単独で、あるいは母音で始まる助詞の前で使われる時には/namo/,
         子音で始まる助詞の前で使われる時には /namg-/と現れた単語です。「鶏林類事」の
         編者は恐らく主格形の/namg-i/を音写したのでしょう。/namgi/の様な語形は実は
         現在の方言でも使われている所もありますが、韓国の現代標準語では/namu/となって
         います。この語は「木」の意味の中でも、特に「薪」のニュアンスが強く現れます。
         日本語の「き」と同様、「木材」の意味もあります。「植物、草木」全般を指すことも
         可能です。決して英語の「tree」の意味に限ることは出来ませんね。

632 名前:Jake_USA:2003/11/10(月) 14:38 ID:MhX7BVM.

71.竹曰帯 = 後期中世語から現代語までずっと/dai/です。日本語の「たけ」と関係があるの
         でしょうか?
72.果曰果 = 漢語です。現代語では普通、/gwa:sir/(果実)といいます。後期中世語には
         /ierym/(果実)という単語も存在しましたが、現代語では死語となっており、
         「果実」という漢語の他に/iermai/という固有語がよく使われます。固有語は
         いずれも動詞の/ie:r(-ta)/(実る)と同源の様子です。
73.栗曰監 = この語には確か、註が施してありましたね。この音写はともあれ、「栗」のことを
         後期中世語および現代語では/ba:m/と呼びます。ちなみにハシバミ(榛)のことを
         後期中世語では/gai'om/、現代語では/gaiam/と呼ぶんですが、これも/ba:m/を
         第二の要素として含んでいるのではないかと仮定しております。日本語の「はしばみ」も
         考慮に入れた方が良いかも知れません。
74.桃曰枝棘 = 全く謎です。現代語では桃のことを/bogsu[ng]a/または/bogsa/と呼びます。
75.松曰鮓子南 = 現代語では/sor/または/so-namu/といいます。前期中世語の頃では
           松を意味する単語の語形がかなり異なっていた様ですね。
76.胡桃曰渇未 = 現代語では「胡桃」の訛りである/hodu/を使います。胡桃の近縁種で
          「楸」という木が朝鮮に自生するんですが、その木の結ぶ実は人間には食べられません。
          「楸」の朝鮮語名は後期中世語では/g@rai/,現代語では/garai/です。この
          「胡桃曰渇未」をとって見れば、日本語の「くるみ」を借用していた様にすら
           見えますね。
77.柿曰坎 = 現代語の/ga:m/に当たります。日本語の「かき」の第一音節と関係があるのでしょうか。。。
78.梨曰販 = 後期中世語の/b@i/および現代語の/bai/に当たります。この語は「腹」、「船」を
         意味する朝鮮語の単語と語形が同一であることで有名です。しかし「梨曰販」では、
         この語を音写するために/n/で終わるはずの「販」字が使われており、気になる
         ところです。
79.林禽曰悶子計 = 現代語ではリンゴを呼ぶ名前は漢語ばかりです。
            すなわち/sagwa/(沙果・砂果)と/pie[ng]gwa/(苹果)です。
            しかし前期中世語には「悶子計」を以て音写される様な単語も存在したんですね。
            リンゴはもともと中央アジア原産の様ですし、朝鮮にも近縁種の/ny[ng]gym-namu/が
            自生するみたいだからリンゴみたいな木を呼ぶ固有語があったとしても
            おかしくはないでしょう。

633 名前:Jake_USA:2003/11/10(月) 14:51 ID:MhX7BVM.

629の阿木林さん:
「明日曰轄載」について、現代語には/gyjeggei/または/gyjei/という単語がありますが、
これらの単語は「明日」じゃなくてむしろ「おととい」の意味を表します。しかも語頭音が
/g/なのにその直後の母音は規則的に/a/とはなっておらず、/y/となっています。/h@rg/ >
/hyrg/, /h@i(-ta)/ > /hyi(-ta)/などの問題を思い出しますね。その他に「轄載」が
音写しているかも知れない朝鮮語が全く思い浮かびません。。。

634 名前:阿木林:2003/11/10(月) 15:17 ID:znf4ceC.

あ、おとといはオジョッケじゃなくてクジョッケでしたね・・・失礼ハムニダ。
44.前(日)曰訖載 と、45.昨日曰訖載 はむしろ、クジェを音写している
ように見えます。
「載」チェという言葉自体が、「時」をあらわす接辞かなにかだったのだと
思います。それによって明日を意味する言葉がかつては存在したのだと。
そもそも、現代語には漢語に由来する語彙しかないこと自体が、
不自然なのですから。

しかし植物名にも詳しいですね。うらやましい。
あとでもうすこしまとめてレスします。

73.栗曰監 の註は、([咸鹵?]檻切)です。[咸鹵?]の部分は、
よく読めませんでしたが、多分こういう字が書いてあるのだと思います。
74.桃曰枝棘 は、/jadu/(すもも)など、他の植物名かもしれません。
78.梨曰販 は、江南方言を思わせます。上海などでは「販」は/pε/
と発音されていますから。
林檎にあたる言葉は、たしかチェジュド方言に興味深いものがあった
と思いますが、今はわかりません。

635 名前:阿木林:2003/11/10(月) 15:33 ID:znf4ceC.

満洲語については、まったくといっていいほど詳しくないのですが、
オロチェーン語での「越える」という言葉は/eder/という言葉ですから、
満洲語の/mederi/と関係あってもおかしくありません。
ちなみにオロチェーン語で「海」はモンゴルからの借用で/dalaj/です。
そのうち満洲語の語彙集を作ってウェブにアップしてみたいです。

草にあたる語彙も謎ですが、/susu/(きび)などと関係があるかも
知れません。戊の誤記であれば、/pur/との関連付けもできるかも
知れませんが。

636 名前:阿木林:2003/11/10(月) 16:56 ID:znf4ceC.

79.林禽曰悶子計
/nyng'gym/ヌングムは、漢語の「林檎」に由来するものです。
「リンゴ」も漢語ですし、10世紀頃の日本語では「リウコウ」だったそうですが。
中央アジア系の小粒の品種で、日本でも江戸時代までは林檎といえば
これだったのですが、明治以降は瞬く間に地中海原産の西洋種にとって
変わられ、現在ではヒメリンゴなどの品種が細々と栽培されています。
中国で「海棠」と呼ばれている果物もこの系統です。

余談ですがロシアのリンゴは気候が寒すぎて西洋種が根付かず、
いまでもこのアジア種が一般的だそうです。

発音が近い類似の植物では/mu:nbai/(ヤマナシ)というのもあります。
これの古い形で、ムンジャゲないしムナゲという形があったのかも。

637 名前:阿木林:2003/11/10(月) 18:04 ID:znf4ceC.

>>634
補足。僕の書き込みばかりになってしまいすみません。
チェジュド方言では、オンジェ(いつ)はオヌジェと発音されます。
これは古い形を示していると思われるので、チェには時間を表す
意味があることは間違いないといえます。

ところで/namg(i)/と日本語の/ki/は関係があるといえるのでしょうか。
日本語の/ki/は、なんとなくオーストロネシア系の/kahoj/などと
関係があると思っていたのですが、中期朝鮮語に同系の語彙が
あるならばわざわざアタヤル語やタガログ語を持ち出したりしなくても
よくなりますね。

638 名前:阿木林:2003/11/10(月) 19:04 ID:znf4ceC.

おぉ!素晴らしい!
釜山マルだけじゃなくてチェジュマルも分かるんですね。
ハングルで書いてある資料を丸写ししただけなので、微妙な発音
がモルンダンケ〜(これは全羅サトゥリかw)
一番困るのはチェジュ独特の「アレア」の発音が表記されていない
ところなんですが・・・あと、△/z/の発音もあるんでしたっけ。
あと、島の南(たしかアプという)と北(トゥイ)でも、かなり言葉
が違うらしいので、おかしなところは方言の差異かもしれないです。

地名なんかも、面白いですよね。ソギポとかの「ポ」は、地元では
「ケ」というらしいです。「浦」を表す古語だとか。

639 名前:阿木林:2003/11/10(月) 19:04 ID:znf4ceC.

あ、638は誤爆ですw
外国語スレの慶尚サトゥリスレに書き込もうとしてたのですが・・

640 名前:Jake_USA:2003/11/10(月) 19:23 ID:MhX7BVM.

>>637
そうですね。/enjei/(いつ)は古くは/enyjei/で、その語源は/eny jek-ei/(どの時に)
或いは/eny jek-i/(どの時が)が訛ったのでしょう。他の時間に関する語に現れる"jei"も
恐らく同源(/jek-ei/「時に」或いは/jek-i/「時が」の訛り)だと仮定しています。

朝鮮語の方言に現れる/namgi/の"gi"を析出して日本語の「き」「け」(木)と比較すると
いうのはちょっと引っかかりますね。そもそも朝鮮語の「木」をいう語の祖形は*/namog/
或いは*/namog(V)/( (V)は何らかの母音)の段階までしか再構できません。その祖形の*"namo"と
いう部分が単独で何らかの意味を成していたかどうか分からないから、*/namog/の語末の
部分と日本語の「き」を比べるのはまだ早い様に感じます。私はアタヤル語おやタガログ語などの
単語を持ち出さなくても良いというのには賛成ですが。。。(笑 私がそう思うには言語学的な
理由の他に人類学的な理由などもあります(それはいけませんね。。。えへへ)が、第一日本語の
文法や語彙がタガログ語の辺りの言語とほとんど似ていないのが重要です。フィリピンの言語を
少し勉強した人には分かると思いますが、あの辺の言語はinfix(語幹を二分に分けて活用形を
作る形態素をその間に入れて置く形式)を多用します。日本語の様な北アジアの言語とは全く別物です。
正直言って、オーストロネシア語族はコワイと思います。。。 でもああいう変な言語を話せるように
なったら嬉しいかも知れませんね。(^−^)

641 名前:Jake_USA:2003/11/10(月) 19:35 ID:MhX7BVM.

ちなみに/namgi/の語末の/i/は恐らく中世朝鮮語の「木」をいう語の曲用形の
一つ、主格形の/namg-i/(語幹*/namog/ + 主格助詞/-i/、のち*/namog-i/の
第二音節の/o/母音が脱落)に由来すると思われているから、方言形の/namgi/の
/i/はもしかすると主格助詞のほかならないかも知れません。だとすると、*"gi"を
析出して日本語と比較するのはちょっと無理がありますね。今の研究の段階では。

642 名前:Jake_USA:2003/11/10(月) 19:43 ID:MhX7BVM.

>>640
ああ、ローマ字転写を間違えました。。。 /eny jek-ei/などではなくて、
/eny jeg-ei/の様になるべきところです。すみませんでした。

643 名前:Jake_USA:2003/11/10(月) 20:14 ID:MhX7BVM.

北アジアの言語(主として「アルタイ語群」と呼ばれる言語たち)以外の言語に日本語の
語根と関係があるかも知れない言葉を見つけようとするのなら、むしろ西方(ウラル語族、
インド・ヨーロッパ語族)を参考すべきだと思いますよ。私はウラル語族については知識を
欠いておりますが、文法的にはアルタイ語群と非常に似ている点があるそうですね。でも
かつてウラル・アルタイ語族と呼ばれていたほどですから、それは有名な話だと思います。
それほどよく知られていないのは、アルタイ語群の幾つかの言語を比較して再構した語根と、
インド・ヨーロッパ語族の再構された祖語の語根とがかなり似ているという事です。私は
インド・ヨーロッパ語族についてはけっこう知識をもっておりますが、日本語と似ている
語根が多々あると感じますね。ただウラル語族の言語を勉強することが出来たらなあ。。。

ちなみにシナ・チベット語族も更に遠縁ではあろうが、北ユーラシアの言語と何らかの関係が
あると思います。大昔、北ユーラシアの語族を生んだ大祖語がシナ・チベット語族の祖語と
交流できる場所で話されていた、と仮定するのでしょうか。まあ、これはいずれにしてもすごく
遠い昔の話で、不確実な事が多くてその上で仮定をするのは大変ですが。。。今後の研究に
私自身も貢献したいと思っております。

644 名前:阿木林:2003/11/10(月) 20:45 ID:ibTOfNyU

おぉ!ノストラティック大語族の再構築ですね。
ウラル語群とモンゴル語あたりを比較すると面白いと思いますよ。
ツングースとチュルクは共通する要素が少なくないのに、
モンゴルはどうも異質な感じがするんです。
数詞を比較しても、ウラル系に近い。
学習するならフィン・ウゴル系の方がずっと学習しやすいんですけどね。

僕は台湾のオーストロネシア語をそれなりに「かじって」いますが、
もともとはシナ・チベット語のほうです。
この分野での「熱門」はタイ諸語とオーストロネシア諸語が同源である
としてアウストリック語族を仮設することですが、ビルマ語と朝鮮語
の比較も、非常に面白い。チベット・ビルマ系とアルタイ語群の関係を
さぐることは、非常に面白いテーマだと思っています。
チベット・ビルマ系の祖先たちは華北に住んでおり、おそらくは北方の
諸民族と言語的に交流があったはずです。
漢民族が南方系の言語と同化してゆく過程で、断絶が生まれた
のではないかと思っております。

645 名前:Jake_USA:2003/11/11(火) 07:57 ID:c.iY4mZ6

80.漆曰黄漆 = どうして「黄色い漆」なのでしょうか? まあ、ともかく漢語の様ですね。
          後期中世朝鮮語では漆のことを/os/といい、現代語では/oc/といいます。
          日本語の「うるし」と何らかの関係があるのでしょうか?
81.菱曰質姑 = これは他には見つからない単語ですね。現代朝鮮語ではヒシのことを
          /marym/といいます。
82.雄曰鶻試 = これも初めて見る単語ですね。後期中世語では雄のことを/suh/といい、
          この/suh/は数多くの複合語に今も残っています。しかし単独では
          現代語は/su/といいます(これはもはや死語化しつつありますけれども)。
83.雌曰暗  = 後期中世語の/amh/および現代語の/am/に当たります。現代語でも/su/と
          同様、複合語の語頭で使われる場合には中世語の語末の/h/の名残を
          呈してくれます。
84.鶏曰啄  = 後期中世語の/t@rg/および現代語の/targ/. 現代語では単独で使われる場合には
          [tak]という風に発音され、主格助詞の/-i/が付くと本来の発音のままで現れます
          (すなわち[talg-i])。日本語の「とり(鳥、鶏)」と関係がありそうですね。
85.鷺曰漢賽 = /han-sai/(大き鳥?)という言葉は後期中世語ではコウノトリの名前となっていましたが、
          この「漢賽」はむしろ*/h@i-n-sai/(白き鳥)が語源でしょう。白鷺をいう後期中世語には
          /ha'iarobi/, /h@i'orabi/があって、現代語には/hai'ori/, /hai'oragi/というのが
          あります。いずれも「白い」という意味の形容詞の語幹(/h@i/ないし/hai/)を含んでいる
          様に見えますね。しかし、近代語へ移る過程で「カモ」の意味の/o:ri/と無理やり
          結び付けられた形跡もありますね。
86.鳩曰于雄 = 何でしょうか、これは。。。「鳩」と「鴿」の違いは何ですか? ハトの野生種と
          家畜化された(した?)ハトを漢語では呼び分けていたのかしら? ともかく「于雄」に
          相当する単語は後期中世語にも現代語にも現れませんね。
87.雉曰雉賽 = 漢語の「雉」と朝鮮語の/sa:i/(スズメ、概して鳥)とから成る複合語ですね。キジは
          もともと中国から入って来たのかな?
88.鴿曰弼陀里 = 後期中世語の/biduri/, /bidurogi/および現代語の/bidurgi/に当たりますね。
           日本語の「ハト」と関係がありそうです。
89.鵲曰則寄 = 後期中世語ではカササギのことを/gaci/といい、現代語では/gga:ci/といいます。
          しかし「則寄」はどうも漢語の「鵲」と同源っぽいですね。これは日本にはほとんど
          居ないけど居て欲しい鳥の一つですね!! むっちゃ可愛いカササギちゃんです。
          でもウルサイと思う人もいるでしょうね。。。ちなみに朝鮮語の/gaci/は多分
          日本語のカササギの異名、カチガラスの語源でしょう。そもそもカササギちゃんの
          鳴き声を真似た擬声語ともいえますけど。
90.鶴曰鶴 = ホワックか。。。あまりツルに相応しくない名前ですねえ、下品で。現代語ではこんな気持ち悪い
         漢語じゃなくて/durumi/という言葉を使っています。この単語は日本語の「ツル」と似すぎていて
         怪しいです。
91.鴉曰打馬鬼 = 後期中世語では/gamagoi/のち/gamagui/、現代語では/ggamagui/といいますが、
           この音写ではなぜか語頭音が*/d/となっています。誤写なのでしょうか。「カラス」の
           名前は「黒い」という意味の形容詞に影響されやすいのだから、もともと*/damagoi/で、
           これが後に朝鮮語の/ge:m(-ta)/, /gga:m-a-h(-ta)/(黒い)などという語に影響されて
           /gamagoi/になったのかも知れませんが。。。
92.隼曰笑利彖畿 = こんな単語はもう存在しませんね。しかし、「笑利」の部分は恐らく現代語の/suri/
            (ワシ)と同源でしょう。「彖畿」はもっと難しいんですが、もしかすると現代語の
            /doro[ng]tai/(ハイタカを含む猛禽の一連)の"tai"の部分と同源なのではない
            でしょうか? もっと遠くは日本語の「タカ」とも同源かも知れませんね。

646 名前:Jake_USA:2003/11/11(火) 09:31 ID:c.iY4mZ6

93.禽皆曰雀訳 = 「鳥」をいう朝鮮語が朝鮮語の「雀」をいう語と同じである、という意味ですね。
94.雀曰賽   = 現代語の/sa:i/(スズメ、または鳥類全般を指す語)。
95.虎曰監   = 後期中世語および現代語の/be:m/(虎・豹の類)。後期中世語では、この語が
           複合語の第二要素として使われる場合には時々/Wem/に変わりました。虎をいう語には
           この語のほかに/ho:ra[ng]i/というのがありますが、これは恐らく漢語に基づく単語です。
96.牛曰焼   = 後期中世語の/sio/および現代語の/so/に当たります。この語には確かに声調についての
           註が施してありましたよね?
97.羊曰羊   = 漢語なので除外。。。ちなみに今でも/ia[ng]/(羊)といいます。
98.猪曰突   = 後期中世語の/dot/(ブタ)に当たります。現代語ではこの語の
           もと指小辞/doa:iji/しか使われません。
99.犬曰家稀  = 後期中世語の/gahi/および現代語の/ga:i/に当たります。この語の
           成立については、元指小辞だったのではないかと考えています。そうすると
           元の語根は*/ga/の様になるんですが。。。しかし現代語には/gahi/から
           派生した指小辞、/ga[ng]aji/が存在します。
100.猫曰鬼[尸<工] = 猫をいう語は後期中世語では/goi/、現代語では/goia[ng]i/ないし
              /goa:i[ng]i/です。前期中世語の「鬼[尸<工]」はむしろ*/goini/の
              様な語形だったのでしょうか?
101.鼠曰觜 = ずっと/jui/です。何だか擬声語っぽい感じがすると思いますが、他の言語にも
          ネズミの似た様な呼称はありますか?
102.鹿曰鹿 = 漢語です。しかし私は後期中世語の*/nor@G/および/noro/、そして現代語の
          /noru/(ノロジカ)の第二音節の部分と何らかの関係があるのではないかと
          思ったりします。ちなみにシカ全般は後期中世語では/sas@m/、現代語では
          /sasym/といいます。
103.馬曰末 = 後期中世語の/m@r/および現代語の/mar/に当たります。北東アジアの共通の
          言葉ですね。
104.乗馬曰轄打 = 何なのでしょう。よく分かりませんが、後期中世語では
           「(何かを捕まえて)乗る」ことを/t@(-da)/といい、現代語では/ta(-da)/と
            いいます。
105.皮曰渇翅  = 後期中世語の/gac/に当たります。現代語では/gajug/といいますが、この語も
            きっと源を辿れば同じ要素を含んでいるでしょう。或いは全く同源といっても
            いいかも知れません(*/gajug(V)/ > */gajuh/ > */gajh/ = /gac/). /a/母音を
            含むと「皮」の意ですが、母音が/e/に変われば「外側、外面、表面」という意味に
            なります(後期中世語/gec/および現代語の/gejug/, /get/参照)。
106.毛曰毛   = 高麗人が「毛」ほど基礎的で身近な物を言い表すために漢語の「毛」を使って
            いたというのですか? うそつけ! もっと実用的な資料を作ってくださいよ、
            編者さん。。。「毛」じゃ何の役にも立ちませんよ。。。

647 名前:Jake_USA:2003/11/11(火) 15:45 ID:c.iY4mZ6

>>629 
残念ながら中世語のアレア/@/が/h/の後に来る場合(即ち/h@/)、必ず現代語では
/y/として現れるという規則が成り立ちません。中世語の/h@rg/(土)、/h@i(-da)/(白い)などは
確かに現代語ではそれぞれ/hyrg/, /hyi(-da)/となっていますが、一方中世語の/h@(-da)/(為る、言う)、
/h@i/(太陽、年)、/h@nah/(一つ)などでは現代語がそれぞれ/ha(-da)/, /hai/, /hana/となって
います。声調を以てこれらの/h@/語群の歴史的変遷を規則的に説明できるのでしょうか?
確かに鶏林類事の編者は、漢人であったせいか、声調に敏感で高麗語の声調まで記録しようとしていた
様ですね。

「47.明日曰轄載」について、貴方が/*h@rjei/と再構した様な単語が高麗語にあったとは私も
賛成です。たとえ現代語のどの方言に現れていなくても、「明日」という意味の固有語は必ずあった
はずだと思うのです。しかし、その語源は一体何なのでしょうか。。。「明ける」という意味の現代語
/sa:i(-da)/の古形の活用形の一つと「時」を意味する名詞/jeg/とが合わさったのち、訛って出来た
単語だと仮定しましょうか? 後期中世語には/s@i(-da)/(漏れる)というのがありましたが、この語は
現代語では、「明ける」を意味する/sa:i(-da)/と同一の語形を共有します。その他に/h@i(-da)/(白い)と
いう言葉も中世語にあったもので、「明日」という意味の語を形成する要素としては大いに有り得ると
思います。

たしかに、「春夏秋冬同」や「毛曰毛」などの様に極日常的な単語のところでは高麗語を音写せずに
そのまま漢字で書き写したのかも知れませんね。ただ、こういう例のどれが高麗の吏読書法を反映して
いてどれが実際に漢語をそのまま借用していたということを表しているのか知る由も無いので私たち
研究者は困りますね。編者が「毛曰毛」なんて書くのは高麗の書き言葉じゃなくて実際の口語を知りたい
人に役に立ちません。何て不利な立場の私たち。。。もっと良い資料を残して欲しかったですね!!
高句麗語や百済語についてはなおさらです。

648 名前:阿木林:2003/11/11(火) 16:24 ID:HUeScnco

80.漆曰黄漆  /oc(i)/という漢字音をあらわしたもの、という仮説は
さすがに無理がありますよね。古くは/os/だし。

81.菱曰質姑  古語では/mar'oam/または/m@r/には「藻」という
意味があったようです。菱も水中で取れるものですから、これが
語源かもしれません。日本語の「も」とも関係があるのでしょう。
で、肝心の質姑ですが・・・方言形に残っているかも知れませんね。
「姑」は199.魚肉皆曰姑記などのように、/go/に近い音をあらわして
いることは確かですが、「質」の音は確かではありません。

86.鳩曰于雄  漢語ではヤマバトを「鳩」、街中のハトを「鴿」と
いいます。ただ、朝鮮語でヤマバトをなんと言うかわかりません。

89.鵲曰則寄  これもなんだかわかりませんね。日本語の
「さぎ」に近い形にも見えますが・・・「かちがらす」は日本語の
中では新しいもので、豊臣秀吉による朝鮮侵略の後に、
朝鮮から連れ帰ったかささぎが佐賀県などに土着化した
ものを「かちがらす」と読んでいます。もちろん朝鮮語の/gaci/
をそのまま取り入れたものです。

90.鶴曰鶴  朝鮮音では/hag/じゃなかったかしら。。。(笑
日本語の「つる」が外来語であるのはほぼ間違いないでしょう。
気になるのは「つるみ」という地名が日本に幾つかあることです。

95.虎曰監(蒲南切)は、73.栗曰監(舗檻切)と同じ
漢字で違う発音を表していますね。/bem/と/bam/なら同じ
漢字をあてるのは分かるのですが、なぜ/*kam/という発音の
字を使ったのでしょう?そしてわざわざ反切で/p/という唇音で
始まることをアピールしているのはなぜ?
中世漢語では唇音で始まる漢字音については、まっさきに
語末の/-m/が消失した(凡、など)ため、/bem/のような発音を
あらわすことはできません。
そのため、語末に/-m/を持つことを示すためだけにわざわざ
「監」という字をあてたのでしょうか?

649 名前:阿木林:2003/11/11(火) 16:54 ID:HUeScnco

96.牛曰焼(去声)とあります。「焼」は陰平声ですから、
恐らくは尻下がりの声調で発音されたのでしょうが・・・

99.犬曰家稀  /hi/を指小辞としても問題はないと思います。
/mar/に対する/mang'aji/という形もありますので、/ng/はただの
つなぎの要素だと思っています。

100.猫曰鬼[尸<工]  [尸<工]は恐らく「尼」の異体字でしょう。
チェジュ方言ではコヤンイのことをコネンイと言います。

101.鼠曰觜  /jui/に似た言葉としては、ずばり漢語の「鼠」
でしょうか。北京音ではshu3ですが、古くは/tsh/という子音で
始まっており、福建語では/niautshu/といいます。
ベトナム語でもchuo^tですし、日本語でも/nezumi/です。
周辺言語でも大体近い発音ですから面白いですね。

104.乗馬曰轄打  /oryda/とはさすがに結びつかないですよね。
「轄」は/hyrg/の/hyr/に当たる字ですが・・・
「打」は朝鮮音では/ta/で激音ですが、唐宋音ではさすがに無気音
でしょうね。「轄」が/h-/のような語頭の複子音を表した、という解釈
も難しそうです。

105.皮曰渇翅  これらの例からも分かるように、語末の/-j/と/-c/
は、かなり厳密に区別されているようです。

これらの漢字による記述から、高麗語の声調(アクセント)もかなり
把握することができるようですが、中期朝鮮語のアクセントについて
あまり知識がないので、その情報を役立てることは私には無理です。

650 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/11(火) 17:55 ID:xVi2q..U

>>648 阿木林さん
>日本語の「つる」が外来語であるのはほぼ間違いないでしょう。

 私の心づもりと致しましては、一通り『鶏林類事』の話題が終わるまでは
口出しは控える、つーか日本語が絡むものを除けば、朝鮮語のわからない
私には事実上出来ません(苦藁)ので、しばらくROMに徹するつもりだった
のですが、ちょっと一言言わせて下さい。阿木林さんが日本語の「ツル(鶴)」
を朝鮮語と関係がありそうとか日韓の共通語彙の類かもとかせいぜいその
程度で留めず、「外来語」であると言い切られた根拠は何なのでしょうか。
そもそもツルは渡り鳥なのですから、留鳥であるカササギなどとは異なり、
古くから日本にもいた鳥のはずですよね。仮にその根拠が中期朝鮮語に
「turumi」とあり、日本語とよく似ているからというだけでは、日本語のツル
が外来語であるという根拠としてはあまりにも薄弱ではないでしょうか。

 それに、古代日本語には「タヅ(田鶴)」という語も存することから、「ツ」こそ
が鶴の古形であると推定されます。残る「ル」も、「カヘル(蛙)」「サル(猿)」
「ホタル(蛍)」「ヒル(蛭)」などの例から、「トリ(鳥)」「カリ(雁)」「アリ(蟻)」の
「リ」同様、動物を表わす語に付く接尾語の類であると解されます。このように、
日本語では少音節語が複合によって多音節語を作り出すのが一般的です。
朝鮮語の方はどうだか知りませんが、むしろ私には多音節語となっている
朝鮮語の方が新しい語形のように思えてならないのですが…。

651 名前:阿木林:2003/11/11(火) 19:28 ID:HUeScnco

>>650ナナシサン
たしかに、「間違いない」という断定的な言い方はふさわしくありません
でした。でも、ナナシサンのカキコの呼び水になったのなら私の失手は
有益なものだったといえますね・・・ご教授ありがとうございます。

朝鮮語の「トゥルミ」は本来「丹頂鶴」を指す言葉であったようです。
日本語の「つる」もそうなのでしょう。
語源ははっきりしません。口を絞った袋(チュモニ)をトゥルジュモニ
というのですが・・・。「たづ」は「つる」の雅称でもあるようですね。
自分としては「つる」と「トゥルミ」が同源である可能性を否定する
要素が見つからないし、日本語から朝鮮語に入ったという可能性
も低いと思ったので「外来語」という言葉を使ってみたのですが、
「−ル、−リ」という接辞が日本語にあるのならば、それは有力な
反証になると思います。

652 名前:阿木林:2003/11/11(火) 19:49 ID:QShTALAE

http://mogasen.hp.infoseek.co.jp/lang_study.html" target=new>http://mogasen.hp.infoseek.co.jp/lang_study.html
Manju-gisunの語彙集を載せてるページを見つけました。
「鶴」は/bulehen/というそうです。ま、直リンでもいいでしょう。
http://home.kimo.com.tw/manchusoc/" target=new>http://home.kimo.com.tw/manchusoc/
ついでに有名なサイト。

653 名前:Jake_USA:2003/11/11(火) 20:06 ID:c.iY4mZ6

107.角曰角 = 役に立ちません。が、後期中世語では角のことを/sbyr/といい、
          現代語では/bbur/といいますね。
108.龍曰珍 = 他には現れない単語ですね。日本語の「ち(霊)」と同源なのでしょうか?
          よく分かりません。「珍」で謎です。脫
109.魚曰水脱 = この語は後期中世語にも現代語にも現れませんが、「水」はそのまま漢語の
          「みず」を表す要素と見ています。現代語でも魚の総称は/mur-s-gogi/で、本来
           単独でも「魚」の意味を表すことのできる/gogi/に「水」の意味の/mur/が
           付加されているのが確認されます。「脱」は恐らく後期中世語の/-ti/および
           現代語の/-ci/(魚の種類の名前を形成する形態素)と同源だと思います。
           でも「脱」は正確にはどんな音声を音写したのでしょうか? 中世の中国語に
           詳しい方、助けてください!
110.[敞/魚]曰[囗<元] = 「[囗<元]」という音写をどう読むべきかよく分かりませんが、少なくとも
                後期中世語に現れる/gebub/や現代語の/gebug/(カメ類の総称)とは関係が
                無い様に見えますね。
111.蟹曰慨  = 現代語の/ge:i/に同じ。日本語の「カニ」と関係があってもおかしくないと思います。
112.鰒曰必  = 現代語では漢語に由来する/jenbog/(全鰒)を使いますが、後期中世語には/s@i[ng]po/と
           いう名称があって、これもまた漢語臭いですね。/s@i[ng]/は「生」の字音に基づくの
           でしょうか。前期中世語のこの「鰒曰必」ですが、後期中世語の/s@i[ng]po/の"po"の部分と
           同源の言葉を音写するつもりだったのでしょうか?しかしそれにしては母音の違いが
           大きいですね(「必」には/o/に近づく様な発音はどの時代にも無かったと思います)。
           しかも「必」の語頭子音は"p"の様な有気音じゃなくて無気音の"b"ですよね。考えられるのは
           日本語の「アワビ」(あはび)の「ビ」の部分と何らかの関係があるという事ですが。。。
113.螺曰蓋慨 = う〜ん、難しいですね。後期中世語にも現代語にも無い単語です。
          「カワニナ」の意味ですから、「川貝」という意味で*/gai-gai/の様な複合語が生まれても
           おかしくなかったはずですが、「慨」の字は先ほど書いた通り、朝鮮語の/ge:i/(カニ)を
           音写するために使われました。もしかして中国語では「螺」はカワニナの様なカタツムリ・
           貝類じゃなくて、カニ類の様な動物を指すのでしょうか? 誰か助けてください。まあ、
           カワニナの様な貝類でも高麗人は「川蟹」という様に生物学的に間違った名前で呼んでいたの
           かも知れません。
114.蛇曰蛇 = 漢語です。後期中世語では蛇を/b@'iam/, /b@i'iam/などといい、現代の標準語では/ba:im/と
          いいます。ちなみに満州語では/meihe/といっていたそうです。私の直感ですが、小動物の名称は
          他の部門の語彙よりも日本語・朝鮮語・満州語で共通しているものが多い様です。
115.蝿曰蝿 = また漢語です。後期中世語では/p@r/または/p@ri/といいました。現代語では/pa:ri/といいます。
          私は朝鮮語の「蝿」をいう語が日本語の「はへ」と何らかの関係があるのではないかと
          思っております。日本語の単語は*/pari-pari/または*/fari-fari/の様な重複語が
          簡単化されたものでしょうか?
116.[虫豈]曰螻蟻  = さらに複雑な漢語を持ち出してきましたね。高麗人は本当に「螻蟻」の様な
              古い漢語を使っていたのでしょうか。アリのことは後期中世語では
              /ga'iami/または/gai'iami/といい、現代語では/ga:imi/といいます。
117.蝨曰[示尸<工] = シラミのことですが、後期中世語では/ni/といい、現代語では/i/と
              いいます。前期中世語でも同じく/ni/といっていたのが分かりますね。

654 名前:Jake_USA:2003/11/11(火) 20:09 ID:c.iY4mZ6

118.蚤曰批動  = ノミのことは後期中世語では/bierog/, 現代語では/bierug/といいますが、
           「批動」も恐らくこれらの語と同源の単語を音写したものだと私は思います。
            古くは*/bido[ng]/の様な方言形も存在したのではないでしょうか?
119.[虫幾]曰側根施 = シラミの子や卵をいう語だと思いますが、「側根施」に当たる語は
              後期中世語にも現代語にもありません。後期中世語では/hie/といい、
              現代語では/sekai/といいます。/hie/や/sekai/は日本語の「シラミ」の
             「シラ」と関係があるのでしょうか? 「シラミ」=「白虫」というのは
              俗説に過ぎないのかも知れませんね。また「側根施」については「根施」の
              部分が後期中世語の/gez'ui/, /ges'ui/, /ge'ui/(ミミズ)および
              現代語の/geui/(回虫の様な腸内に寄生する虫の総称)と同源なのではないかと
              思います。日本語の「げじ」もこの朝鮮語に由来する可能性はありますか?
120.墓曰[虫乞]  = 後期中世語の/gurhe[ng]/および現代語の/gure[ng]/(地面に出来た様な穴)と
              同源ではないでしょうか? この音写はちょっと解釈しにくいのですが。
121.人曰人 = これは正直に怒れますね。一番基本的な語彙すら見せてくれないんですね。。。
          まあ、後期中世語では/sar@m/といい、現代語では/sa:ram/といいます。これらは
          朝鮮語の/sa:r(-da)/(生きる、住むなどの意)から派生した名詞と考えられます。
          日本語の「あり(在り、有り)」や「あらひとがみ(現人神)」の「あら」などと
          同源ではないでしょうか?
122.主曰主 = これも嫌ですね。しかし後期中世語の/nim/および現代語の/i:m-gym/の"i:m"、
          敬称の接尾辞として使われる/-nim/やひょっとしたら現代語の/im/(恋しい人)は
          明らかに*/nirim/という様な古形に遡ることが知られています。それは日本書紀などの
          古書に現れる朝鮮の国々の人名・地名から判明したのですね。ですから「主曰主」は
          まだ許せる範囲かな? いや、ただこの語の場合に限ってラッキーだったんですよね。
          ちなみに朝鮮古語の*/nirim/については、日本語の「ぬし」やアイヌ語の/nis-pa/
         (主たち)などと同源ではないかと考えております。
123.客曰孫 = 後期中世語および現代語の/son/(お客さん、または単にある家などの特定の場所の主を
          訪ねに来たもの)。「手」をいう/son/とはかつて声調を以て区別していました。
          ちなみに私は「客」の/son/がもしかして現代語のもう一つの/son/(鬼の一種で、
          その日その日の運勢によって人を妨害するもの)と同源ではないかと考えております。
          日本語の「おに」もひょっとしたら。。。?? 語源的に「客」=「他人」=「外国人」
          =「敵」=「鬼神、怪物、化け物」などの公式は数え切れないほどの語族に見られる
          傾向ですから、「客」の/son/と「鬼」の/son/が同源だとしてもおかしくないと思います。
124.命官曰員理 = 何ですか、これは? 漢語に由来するのでしょうか?
125.士曰進  = 後期中世語に現れる/nam-jin/(夫、女の旦那さん)と関係があるのではない
           でしょうか。他にこの語の名残らしき物を見つけることが出来ません。
126.吏曰主事 = また漢語ですか?
127.商曰行身 = 漢語っぽい。。。

655 名前:Jake_USA:2003/11/11(火) 20:10 ID:c.iY4mZ6

128.工匠曰把指 = 後期中世語の/baji/または複合語では/-baci/、そして現代語の数多くの
            複合語に現れる/-baci/と同源ですね。たしか、女真語にも似た様な言葉が
            ありましたね。あっ、「匠人」の意味の女真語、*/fashi niyarma/
           (*/niyarma/は人の意)(漢字表記では「法失捏兒麻」)でしたね。似ていると
            思いませんか?
129.農曰宰把指 = 農民の人をいう語でしょうね。「把指」は前項のものと同源だろうが、「宰」は
            一体何なのでしょう。「屠殺する」という意味で漢語の「宰」がそのまま使われているの
            でしょうか。そうすると、農耕民ではなくむしろ家畜農民(農牧民)をいう単語だった
            はずです。
130.兵曰軍  = 漢語です。
131.僧曰福田 = 私の友達のケイスケ君のことです。(漢語はいいかげんやめてくださいよ!!)
132.尼曰阿尼 = これは後期中世語の頃、既に死語となっていた様ですが、語形は*/ani/の様な
           ものだったでしょうね。
133.遊子曰浮浪人 = 漢語です。可愛い言葉ですね。実は現代語にも/bura[ng]ja/(浮浪者)と
             いう言葉があります。音の類似から日本語の「ふりゃう(不良)」の意味に
             影響を及ぼした可能性はあるのでしょうか?
134.丐曰丐剥 = 後期中世語の/gesvazi/および現代語の/ge:ji/とその指小辞である/ga:ji/.
           日本語の「ケチ」の語源となった可能性はありますか?
135.倡曰水作 = 不明です。
136.盗曰案児 = これもまた不明です。
137.倡人之子曰故作 = 「倡」の意味の「水作」と「作」の字を共有していますね。
138.楽工亦曰胡作  = あはは。。。面白い話ですね。

656 名前:Jake_USA:2003/11/11(火) 20:12 ID:c.iY4mZ6

139.称我曰能  = 後期中世語および現代語の/na/(一人称)。「能」は主格形である
            /na-n/を音写しようとしたのでしょうか? しかし「能」の語末子音は
            /n/じゃなくて/[ng]/ですよね。もしかして前期中世語の頃では一人称の
            代名詞は/na/じゃなくてむしろ現代語の二人称の代名詞である/ne/の様に
            発音されていたため、その主格形の/ne-n/を音写するのに適切な漢字が
            見つからなかったのでしょうか。日本語にて古代から一人称と二人称の
            代名詞は何度も何度も混同されてきたという事実を思い出しますね。
140.問爾汝誰何曰箇 = 後期中世語の/nu-go/(誰+か)および現代語の/nugu/.
               現代語の語形は、もともと助詞だった/-go/が語幹の/nu/(誰)と
               融合してしまって、/nugu/となった結果です。しかし現代語でも
               主格形は/nu-ga/ですし、俗語として本来の/nu/も残っています。
              「箇」という音写からは前期中世語の頃には問いかけの助詞/-go/が
               既に確立していたことが分かりますね。しかし、「」の音価は
               どんなのでしょう? 後期中世語および現代語の/nu/とは関係が
               ないのかも知れませんね。
141.祖曰漢子秘 = 恐らく「漢了秘」の誤記でしょう。後期中世語の/ha-n-abi/
           (「大き父」の意で、お爺さんを呼ぶ語)と同源のはずですね。
142.父曰了秘  = 後期中世語の/abi/, /ebi/および現代語の/abi/という俗語。
            現代語では普通、父のことを/abeji/といいます。敬称は
            後期中世語においては/aba-nim/で、現代語では/abe-nim/のほか、
            数々の漢語を用いています。
143.母曰了彌  = 後期中世語の/emi/. 現代語ではこの語は人間の母についていうのは
            かなり下品で、普通、人間以外の動物の母親に限っていいます。現代語では
            母のことを/emeni/といいます。/emeni/は「お母様」という様な敬称である
            後期中世語/ema-nim/, 現代語/eme-nim/の訛った結果の語形です。

657 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/11(火) 20:23 ID:BBN/iC5.

>>651 阿木林さん

 今回のケースで「外来語」と言った場合は、日本語が朝鮮語の語彙を
借用したという意味としか受け取れません。日本語「ツル(鶴)」と朝鮮語
「turumi(鶴)」が同源であるという可能性は私も否定するつもりはあり
ませんが、仮に同源であったとしても、それは借用という関係ではなく、
日韓両語の共通語彙と見なすべきでしょう。

 >>651は、私の方もちょっと過敏に反応し過ぎたかも知れませんね。
何せ日本語と朝鮮語でちょっとでも似た語彙があると、常に日本語が
朝鮮語を借用したという流れでしか受け取ろうとしない輩がやたらと
多いものですから…。しかも、そういう輩に限って、日本語は朝鮮語
から分かれた言語だと主張したがるので、正直何をどうしたいのか
私にはもうわけがわかりませんや(苦笑)。そもそも、言語に本家も
分家もありはしませんし、朝鮮語と共通点のある日本語の語彙が皆
朝鮮語からの借用語扱いになるなら、朝鮮語とその朝鮮語から語彙
を借用する以前の日本語が言語的に同系であることを証明するもの
は何もなくなってしまうでしょうにねぇ。

658 名前:Jake_USA:2003/11/11(火) 20:43 ID:c.iY4mZ6

あのう、プチ訂正ですが。。。朝鮮語の/son/は(鬼の一種で、その日その日の
運勢によって人を妨害するもの)と書きましたが、実は「鬼の一種で、その日その日の
運勢に応じて人を妨害するもの」と書いたら意味がもっと伝わったのでしょうね。
「よって」じゃなくて「応じて」ね。(^^; うぅ。。。例えば、ある日がある人に
とって凶日だったら、ソン様が訪れてきちゃいます、という様な俗信だと思います。
その人にとって吉日だったら、もちろんソン様に遭わなくても良いわけですが。

659 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/11(火) 22:04 ID:BBN/iC5.

 ついでだから、Jake_USA さんにもちとお尋ねしておこうっと。Jake_USA さん
がどうやって中期朝鮮語を勉強されたのかは>>553の書き込みで大体わかり
ましたが、古代日本語の方は主に何を使って調べておられますか。これまで
のJake_USA さんの書き込みを拝見する限り、かなり高いレベルの参考書・
辞書類を使っておられるご様子。もしそれが私の知っているものでしたら、
日本語史に関する通説的な知識や専門用語などについて、今後ここで
いちいち説明しなくても済みますからねぇ。

 さてお尋ねだけでは何なので、お役立ち情報を一つ。>>628で阿木林さん
も簡単に説明されていますが、「かちゅ〜しゃ」というソフトについて私も少々
解説をば。「かちゅ〜しゃ」は2ちゃんねる型のスレッド式掲示板専用閲覧
ソフトです。2ちゃんねるは日本最大級の掲示板ですが、通常のブラウザ
(IE等)ではやや閲覧しづらいため、専用の閲覧ソフトが開発されました。
このソフトの最大の利点は、ログをパソコンのHD内に保存してくれるという
点です。Jake_USA さんのネット環境にもよりますが、常時接続でないか
またはモバイルで使用する機会が多いということでしたら、オフラインで
いつでもログを参照出来るというのは大変便利なはずです。ここハングル
総督府は2ちゃんねるの一部ではないのですが、2ちゃんねる型の掲示板
ですので、同じソフトを使用可能です。この機会にぜひ導入されてはいかが
でしょうか。導入の仕方は、

http://kage.monazilla.org/katsetup.exe?v=0.05&n=katsetup.exe" target=new>http://kage.monazilla.org/katsetup.exe?v=0.05&n=katsetup.exe

をダウンロードして実行し、しかる後にそのフォルダ内に

http://hima2908.hp.infoseek.co.jp/katjusha2003-11-07.lzh" target=new>http://hima2908.hp.infoseek.co.jp/katjusha2003-11-07.lzh

の中の「2channel.brd」を上書きコピーするだけです。かちゅ〜しゃの起動は
「kage.exe」を実行すればOK。ここハングル総督府は起動画面の左端にある
タブのうち、「みにふろ」と名付けられたタブの中にあります。そこをクリックす
ればスレッドの一覧が自動的に画面上部に読み込まれますので、閲覧したい
スレッドをクリックすればログの読み込みが始まります。後はログを保存する
モードにする(フロッピーディスクの形をしたアイコンをクリックして灰色から
青色にすればOK)ことさえ忘れなければ大丈夫でしょう。中々便利ですよ。

660 名前:Jake_USA:2003/11/11(火) 22:22 ID:c.iY4mZ6

今調べたところによりますと、女真語ではお寺のことを*/taira/(漢字表記では
「太乙剌」)といっていたそうですが、これこそ古代の日本語の「てら」と直接に
結び付くのではないでしょうか? 後期中世朝鮮語に現れる語形は/dier/でしたけど。

661 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/11(火) 22:53 ID:t6YV9U2Q

>>652
満洲語ならこちらの満英辞典もどうぞ。
ttp://web.archive.org/web/*/msnhomepages.talkcity.com/IvyHall/anzhu/manchu_dictionary.htm

現在はどこかに逝ってしまったサイトですが、
archive.orgに残っています。

662 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/11/12(水) 00:20 ID:ycwCH1Cc

>>658(余談)
「さん」と読むのかと一瞬思ってしまった……チョブ

663 名前:Jake_USA:2003/11/12(水) 07:50 ID:v0p3zaJs

>>650の娜々志娑无
>朝鮮語の方はどうだか知りませんが、むしろ私には多音節語となっている
 >朝鮮語の方が新しい語形のように思えてならないのですが…。

まさにその通りですね。どちらかというと、朝鮮語よりも日本語の方が語彙が古いです。というのは、
日本語の方が大昔の語形をより良く保存していると言えるのです。それは8世紀の頃の日本の
古書に現れる日本語は現代の日本語とさほど語彙の形が異なっていないのに対して、
朝鮮語の語彙の語形が中世語と現代語とでは大きく異なっていることが多い(わずか300年ぐらいの
間で分からなくなってしまうほど激しく変化しています)という事実を照らし合わせれば、
容易に納得できるのでしょうね。

例: 「星」を意味する日本語・朝鮮語・女真語・満州語
日本語 /hosi/ (古代日本語*/posi/ないし*/fosi/)
朝鮮語 /bie:r/
女真語 */oshiha/ (漢字表記では「斡失哈」)
満州語 /usiha/

女真語と満州語の近縁関係は一目瞭然でしょう。それに、女真語と満州語の語形に
現れる"ha"の部分は、もしかして古代史書に見える「加」という敬称語尾と同源なのでは
ないでしょうか? すなわち女真族や満州族は「星」のことを「お星様」の様に呼んでいたのだと
思います。

しかし女真語でも大金文字(女真文字)の「星」を意味する字は
*/oshi/(漢字表記では「斡失」)と呼ばれていました。この様に、祖語がひどく訛った結果
生じたと思われる女真・満州語や朝鮮語でも、たまに古形に近い形の言葉が残っていて、
私たちは辛うじてこれらの古形を幾つか確認することが出来るのです。

朝鮮語は、西欧の言語にたとえれば、フランス語の様なものでしょう。かなり訛っていて
大昔の語形を見出すことが困難の極まりとなっています。一方、日本語はスペイン語とイタリア語の
様なもので、非常に古い語形を今もほとんど保っている様に見えるのです。女真語などの
ツングース諸語は、どちらかというとルーマニア語の様なもので、遠くかけ離れている場所で
話されていて他の近縁の言語(朝鮮語や日本語など)とは別に成長してきたものの、その語形は
大抵、フランス語似の朝鮮語よりも古い語形をより良く残している日本語に似ていると言えそうです。
まさか日本語が満州から日本列島に入ってきたとなんて仮定しなくても良いのです。ただ満州と
日本の間にある朝鮮の人々の言語がグチャグチャになるほど崩れてしまった、と考える方が妥当だと
思います。


664 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/12(水) 08:05 ID:eFzGob6A

満洲側と列島側を取り残した上での半島言語の「崩れ」(よくいえば急激な進化)は
中世におこったことでなく
3世紀にすでにそういう傾向があったと思われ。
やはり真番郡の漢人の中国語の影響が大きかったかと。

665 名前:Jake_USA:2003/11/12(水) 09:57 ID:v0p3zaJs

664>>
     勿論、現代朝鮮語と現代日本語とが似つかないのは、古代(貴方のおっしゃる
3世紀の頃、3世紀というのは正確ではないですがとりあえずそのぐらい古い時代ということに
しておきましょう)に起こった朝鮮半島の言語の急激な変化に因りますね。しかし、朝鮮語では
その古代に一時的に起こった変化だけが理由とは言えないと思いますよ。朝鮮語は他の周辺の言語に
比べて、速く・激しく・何が何だか解らなくなってしまうほど語形が変化する傾向にあります。
その傾向は、古代からずっと現代語に至るまで続いている現象だ、と解釈した方が良いと思います。
後期中世語の/gesvazi/(乞食)が現代語の/ge:ji/, /ga:ji/になってしまうほどですよ。正直言って、
言語学者の私でさえ朝鮮語の語形変化の具合を見ると呆れてしまいます。フランス語よりもヒドいのかも
知れません。朝鮮の古語を再構するに当たった者はかなり苦労するはずだと思います。憐れんであげましょう。。。

666 名前:阿木林:2003/11/12(水) 10:39 ID:Y.smlHks

なんかJakeさんに甘えっぱなしで本当に申し訳ないです。

108.龍曰珍  ずばり、満洲語の/miduri/につながる語形だと
思うのですが、/jin/とはあまりに結びつかないですねw
日本語には「みづち」がありますが、これは「みづ+ち」という
複合語でしょうか?

109.魚曰水脱(剔曰切) 「脱」の発音は、剔曰切とありますから
/*t'oat/のようなものだったろうと思います。もし(剔日切)なら、
/*t'iet/として、魚の要素である/-ti/と近いのですが・・・
ここで「水」を訓読としてしまうと、他の部分でも訓読を取り入れない
といけなくなりますねぇ。。。
ちなみに現代朝鮮語では「かつお」のことを/murci/といいます。

110.[敞/魚]曰[囗<元]  [敞/魚]は「すっぽん」です。
[囗<元]は円の俗字ですね。
現代語では/jara/ですが、気になるのは中国語の方言でも
「円魚」ということ。日本でも「まる」と呼びますし。

113.螺曰蓋慨  螺は現代でいう/sora/で、日本語のサザエ
にもタニシにも使うことばであるはずです。
/jogai/(貝)と関係がある言葉でしょう。/jagai/(青貝)などにも
/gai/が現れますから、古くは/gai/一つで貝を意味したのでしょう。
方言形で/jogabi/というものがありますから、/gabi/という古形が
想定できますし、そうすると日本語の「かひ」と直接結びつくのでは
ないでしょうか。

これまでに何度か考察のあった/gai/「浦、川?」という言葉ですが、
現代標準語でも「潟」という意味があります。浦とは意味も近いです
から、標準語で必ずしも死語になったわけではないようです。

667 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/12(水) 11:03 ID:.5POf6lE

>>666 阿木林さん

 獣の数字ゲットおめ。

>ここで「水」を訓読としてしまうと、他の部分でも訓読を取り入れない
>といけなくなりますねぇ。。。

 専門外の人間の感想ですが、『鶏林類事』に関しては吏読や訓読字の
ような半島独自の表記は考慮しなくてもよい、いなむしろ考慮すべきでは
ないのではないでしょうか。何せ筆者の孫穆自身が高麗語を「方言」と
記しているわけですから、筆者の捉え方としては、高麗語はあくまでも
中国の一方言でしかなかったと思われます。だからこそ不自然なくらいに
漢語を取り入れて、少しでも高麗語と漢語との共通点を示したかったので
しょう。『鶏林類事』所収の高麗語彙の中で漢語として現われているものに
ついては、実際に完全に漢語に置き換わっていたものもある程度あったで
しょうが、多くは固有語が別個に存していた可能性が高いように思われます。

668 名前:阿木林:2003/11/12(水) 11:23 ID:Y.smlHks

114.蛇曰蛇  187.洗手曰遜時蛇や、204.飲酒曰酥孛麻蛇などに
「蛇」が現れるところをみると、/si/に近い発音だったのでしょう。

116.[虫豈]曰螻蟻  字面通りに解釈すると螻蟻はケラとアリです。
漢語ではこれをセットにして「とるにたらない虫けら」という意味があり、
けだし文章語と見るべきでしょう。

119.[虫幾]曰側根施  「則」ではなく、「側」で記されています。
[虫幾]は仰るとおり、しらみの卵ですね。「根」は、355.大曰黒根
356.小曰胡根などに現れるように、形容詞に関係する要素かも
しれません。施/si/が「種」(/ssi/、中世語で/bsi/という意味を
持つかもしれません。356.小曰胡根が「小曰側根」なら、
「小さな種」として再構できるのですが・・・

123.客曰孫  183.手曰遜とは、孫(平声)、遜(上声)のように
声調が区別されているようです。現代語ではこの二つの言葉
はどちらも短母音ですが、声調の区別はあったのでしょうか・・・

124.命官曰員理  漢語の命官は「官を命ずる」という動詞のほかに、
「命じられた官」という名詞もあります。朝廷から派遣された官吏という
程度の意味です。「理」は「吏」が正しいかもしれません。

125.士曰進  「進士」という漢語に由来しているというのは穿ちすぎ
でしょうか・・?

129.農曰宰把指  宰把指で「宰を作る/する者」という意味ですね。
宰が農業を意味しているのは間違いないとして、/sa'ym/(小作人)
などと関係ある言葉でしょうか。

131.僧曰福田  仏教では衆生を田になぞらえて、敬田とか恩田
とか悲田とかいうように表現します。福田は「福のある田」という
程度の意味ですが、こんな言葉が用いられていたんですねぇ。

134.丐曰丐剥  朝鮮語の/geji/が、日本語の「こじき」に転じた
可能性はあるでしょうか?「食を乞う」で一応意味は通っているの
ですが。

135.倡曰水作  倡は「唱」に通じるので、歌い手という程度の意味
ではないかと思います。僕は暗に「娼」という意味が込められている
のではないかと思いますが。

136.盗曰案児  /dodog/という現代語とは関係なさそうですね。

138.楽工亦曰故作(多倡人子為之) 「胡」ではなく「故」です。
もしかすると現代語の/goja/(鼓者。インポテンツの意味)に通じて
いるのではないでしょうか。

669 名前:阿木林:2003/11/12(水) 11:40 ID:Y.smlHks

139.称我曰能(奴台切) とあるので、/nyng/ではなく/nai/
という発音であったようです。中国の江南方言では「能」を
/nei/のように発音するところもありますから(確か温州あたり)
そのあたりのご出身かもしれませんね。
これは主格の/-i/がついた形でしょうか?

>>667
「方言」という言葉については、今の「方言」とはニュアンスが
異なります。かの訓民正音でも自国語を「方言」と呼んでおり、
「地方の言葉」という程度の意味です(語源的には「方」は
異民族を意味するらしいですが)。
ただ、筆者の高麗語に対するとらえ方については、禿るほど
同意です。この資料は間違いなく支配階級の言語を記述した
ものであり、実際の支配階級の会話も漢語が飛び交うもの
だったと想像しています。

670 名前:阿木林:2003/11/12(水) 11:46 ID:Y.smlHks

補遺。

「宰パジ」の「宰」が、「栽」という漢語だったりして。
「水作」は「酬酌」(さかずきを酌み交わす)や、「豎子」(青二才)
という漢語を、意味ではなく音を書き取ったものだったり
するかもしれません。
「コジャ」についても、「鼓者」でもともと樂工を意味していたのに、
宦官の意味に転じて、現代ではインポテンシャルな人を意味する
ようになったのではないか。

だんだんトンデモ言語学になってきましたがw

671 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/12(水) 14:03 ID:bTg/1/5E

>>665
なんで朝鮮語はそんなに変化が早いのですか?あなたの考えは?

672 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/12(水) 14:11 ID:bTg/1/5E

>>665
3世紀といったのは「3世紀に“すでに”半島語は満洲側と列島側とを
取り残して独自に早い変化をはじめていた」といったのであって、
その変化が3世紀からはじまった、とはいってませんよ。
(レスの中では真番郡のことをだしていますが。真番郡ってなんのことだかご存じない?)

673 名前:阿木林:2003/11/12(水) 14:34 ID:Y.smlHks

まぁまぁ。3世紀頃というと、漢が置いていた楽浪郡などが
高句麗に滅ぼされるちょっと前の時期ですね。
正確にいえば、高句麗語や新羅語、百済語などが形成されていった
時期ということになるのでしょうか。

人的移動が盛んな中央部ほど言語の変化がはげしく、周圏部に
古い言葉が残りやすい、というのは柳田國男の有名な「言語周圏論」
で、とても妥当な考え方だと思うのですが、なんにでもこれを適用して
しまうと、遠いところにある言語ほど近い、という変な結論がでてしまうw

いずれにせよ、朝鮮半島の言語が特殊である理由が、かなり古い
時代に漢語の影響を強く受けたため、という謝罪汁さんの考え方は
僕も賛成です。広義の「シナ語」に朝鮮語を含められないか、という
仮説を以前本気で考えていたことがあります。

674 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/12(水) 15:49 ID:goYcW1G6

こっちにも一応宣伝しておく。
ハングル板総督府にとって切実な資料をアップロードした。
約330KB
http://68.209.118.21/upload.php?act=dl&file=U2hpcnlvLnppcA==" target=new>http://68.209.118.21/upload.php?act=dl&file=U2hpcnlvLnppcA==

かなり重いがDLしておくことをお勧めしておく。

675 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/12(水) 16:01 ID:bTg/1/5E

ちょいと電波説。
フランス語って、ゲルマン語とラテン語がかさなったあたりで、
やってきたゲルマン人がゲルマン語を捨ててラテン語になったんでしょうか?
半島は先住民語の上に中国語を話す連中が大量に入ってきたと。

まったく別の言語が急速に混淆すると、ベースになる母語の語感によるイメージ連想が壊れて
言語全体の安定感を失ってしまい、その結果、単語の変化や交代が加速するのでは?

英語は、フランス語より変化が遅いんですかね?

676 名前:阿木林:2003/11/12(水) 17:21 ID:rwr3JJRw

>>675
フランス語の成立史については詳しい人がいると思いますが、
最も古い基層にはケルト(+バスク?)がいて、さらにゲルマン系の
ゴート人が流入しつつ、ラテン語を吸収していったというところでは
ないでしょうか。なお、「フランス語」は言語学ではオイル語フランシアン
方言という言葉だそうで、南部のオック語とはかなり異なる言語です。

韓半島の場合はというと、もともといた民族の素性がいまいちはっきり
しないという問題がありますが、「三韓」の言語はいまの朝鮮語の先祖に
あたるものであると考えて差し支えないでしょうし、高句麗語はツングース
に近いものと考えるのが一般的です。ワイやハクもしかり。

>まったく別の言語が急速に混淆すると、ベースになる母語の語感によるイメージ連想が壊れて
>言語全体の安定感を失ってしまい、その結果、単語の変化や交代が加速するのでは?

通常、言語が混交する場合には基層言語の韻律や文法に
縛られつつ上層言語を受け入れる、というパターンが多いと思います。
それにより、たとえばピジンイングリッシュのようなものが生まれる。
発音がまったく異なる言葉になることも少なくありません。
/s/を持たないハワイ語ではクリスマスをカリキマカというそうです。

>英語は、フランス語より変化が遅いんですかね?
うーん。どうでしょう。「言語の変化のスピード」を比較するのは、
異なる言語同士ではなかなか難しいことだと思います。
英語において「大母音推移」のような現象が生じた理由がなんであるかは、
私は寡聞にして知りません。

677 名前:Jake_USA:2003/11/12(水) 17:28 ID:v0p3zaJs

あっ、私、大変な間違いをしてしまいましたね。。。「螺」はカワニナじゃなくて、
ニシやサザエのことを指すんですね。ご指摘ありがとうございます。でも、カワニナも
ニシやサザエと同じ様な巻貝ですから、似ているといえば全部似たモノ同士ですね。
肝心なところは、鶏林類事に書いてある「螺曰蓋慨」の「螺」が淡水性の巻貝(カワニナ、
ニシなど)を表したのか、それとも海水性の巻貝(サザエなど)を表したのか、というところ
ですね。後者の場合は、*/gai-gai/(浦貝、潟貝)の様な名称があったとしてもおかしくない
でしょう。しかし、もう一つ気になる問題は、「慨」の字が朝鮮語の/ge:i/「カニ」に当たる
前期中世語を音写するためにも使われているところです。「貝」を意味する要素の*/gai/は
二重母音の単一母音化が起こるまで一貫して*/gai/や*/gabi/の様な語形で、第一母音は*/a/の
様な音だったはずです。しかし「カニ」を意味する朝鮮語は今/ge:i/で、日本語の「カニ」と
同源の可能性が高いものの、いつの時代に第一母音が*/a/の様な音から/e/に変わったのか、どういう
理由でその変化が起こったのか(前舌母音同化?)などはっきりしていないから、難しいんですねえ。
そして貴方の挙げた/so:ra/ですが、この語はまさにややこしいものです。後期中世語では/gora/や
/b@ra/の様な語形もあって、その貝殻を楽器としていう語には漢語らしき/bebra/(「法螺」、発音は[bemna])、
/ba:ra/や/ragag/(「螺角」、ハングルつづり及び発音は[nagak])などもあります。どれが日本語の
「ホラ」と同源で、どれが直接「法螺」から来ていて、そしてどういう経緯で朝鮮語の/gora/や/so:ra/などの
語形が生じたのかはっきりさせるのは至難の技であろう。

110.[敞/魚]曰[囗<元] : ご解説ありがとうございます。[囗<元] は「円」の俗字だったの
ですね。中国の方言でスッポンのことを「円魚」というとおっしゃっていましたが、それはどの
地域で話されている方言なのでしょうか? たしかに気になりますね。

109.魚曰水脱(剔曰切): 鶏林類事の頃の中国語なら「脱」の字音は*/toat/じゃなくて
既に*/toa/の様な音になっていたのではないでしょうか? 後期中世語の/-ti/(魚を表す要素)は
前期中世語では/toai/または/tui/の様な発音だったのかも知れませんね。ちなみに私は「水」の字を
訓読すべしなどとは言っておらず、ただそのまま「みず」の意味を表す要素だったのではないかなあと
思っているのです。音読字としてね。前期中世語には*/su-toai/ないし*/sui-toai/または*/su-tui/ないし
*/sui-tui/の様な単語があったと仮定しております。

108.龍曰珍: 古く日本語には「みつち」または「みづち」という単語があって、それは
一種の邪悪な水竜(もちろん想像上の動物ですが)をいう呼称だったそうです。この日本語の「ち」なら
前期中世朝鮮語の「龍曰珍」の「珍」と結び付く可能性はあると思いますが、満州語の/miduri/(私の
使用している資料では/muduri/となっていますが、方言の差なのでしょう)はいったいどうなのでしょうかね。
女真語では竜のことを*/mudur/(漢字表記「木杜兒」)といっていたそうですが、これは満州語の/miduri/・
/muduri/と直接的な関係があるはずです。日本語の「ち」や高麗語(前期中世朝鮮語)の「珍」(*/jin/?)とは
なかなか結び付かないと思いますねえ。しかし、まず女真語・満州語の/r/の由来をつきとめる必要がありますね。
ツングース語派に詳しい方に助けを願えるのでしょうか? 女真語・満州語の/r/音について歴史的音韻学説を
お願いします!


678 名前:Jake_USA:2003/11/12(水) 17:46 ID:v0p3zaJs

補足: 後期中世朝鮮語には/miry/という語があって、これも竜の呼称でした。
女真語の*/mudur/と満州語の/miduri/, /muduri/と似ていますね。

679 名前:阿木林:2003/11/12(水) 18:44 ID:rwr3JJRw

>>677
中国語の螺に淡水と海水の区別は基本的にありませんから、
どちらともとれます。/ei/と/ai/はしばしば混同されていますから、
それほど問題にはならないと思います。
しかしソラとホラが近い言葉とは気づかなかった・・・
/*gai-gai/は「巻き貝」という意味かもしれませんね。

スッポンを円魚というのは北方中国語に広く見られると思いますが、
直接耳にしたのは東北地方の朝鮮族からです。
ただ、彼はカメとスッポンの区別ができないようでしたが。

当時のシナ語では、少なくとも筆者の発音では/-t/のような
音節末子音はまだ残っていたと思われます。
馬曰末、などもその傍証だと思います。

/miduri/は私の勘違いみたいですね。/muduri/が正しいです。
すみませんでした。
女真語の/r/の由来を調べるといっても、女真語より古い言語の
資料がほとんど皆無ですから、難しいですねぇ・・・
発音的には「はじき音」ですから、朝鮮語や日本語のそれと
ほとんど変わらないはずですが。
なお、女真語の木杜兒の「兒」も、当時の発音では/ri/に近い
ものであったと思います。

680 名前:Jake_USA:2003/11/12(水) 20:08 ID:v0p3zaJs

>>81.菱曰質姑  

   たしかにこの語は面白いですね。どう読むべきかは私もよく分かりませんが、
後期中世語および現代語のヒシをいう単語とは全く関係がありませんね。後期中世語の
/mar'oam/のち/maram/および現代語の/marym/は現代語の/ma:r/(藻)とは似ているけれども、
後者は中世語では/m@r/だったという事実に注意しましょうね。/mar'oam/の"'oam"は恐らく
現代語の/ba:m/(栗)と同源だと思いますが、残る*/mar/は一体どういう意味の要素でしょうか?
もしかするとこの*/mar/こそ、本来の朝鮮語の「ヒシ(菱)」をいう語なのではないかと
思います。

そして今までこのメッセージに返事しなくて悪かったですが、今から返事致します:
>>557 名前:名無しさんは謝罪汁 [2003/11/04(火) 09:54 ID:Ln.bLjsc]
>>貝(かひ)と食(くふ)とか?

日本語の「かひ(貝)」と朝鮮語の*/gai/, */gabi/(貝)という要素ももともと
「かふ(交ふ)」という動詞から派生したのかも知れません。日本語の「くふ(食う)」とは
直接の関係は無い様に見えます。むしろ、「かひ(貝)」は日本語の「かは(川)」や
「かひ(峡谷)」などと同源の言葉でしょう。実際、古い日本語の「かひ(貝)」の用例を見ると、
基本的には動物自体よりもその二枚の板状の物が合わさって成る貝殻のことを意味した様です。
(貝の殻は「交ひてある」と言えるのではないでしょうか?笑) 朝鮮語の*/gai/, */gabi/という
要素も、主に細工の素材として捉える「貝」を指していた様です。一方、日本語では巻貝のことを
もともと「かひ(貝)」と区別して「つび」、「つぶ」、「つみ」などと呼んでいた様です。
すなわち、「かひ(貝)」という言葉は恐らく、古くは牡蠣のように二つの板から成っている、
いわゆる「二枚貝」のことしか指すことができなかったのでしょう。

「かひ(貝)」のかつての用法について:
古い諺、慣用句や複合語を見ても「かひ」の「二枚貝の貝殻」という意味合いが
濃かった事が確認できます:
「あはびの かひの かたおもひ」
「かひを つくる」 = べそをかく、拗ねた様な顔をして口もとをゆがめる
「かひあはせ」(国語辞典をひいてみてください)
他に「かひざいく」(貝細工)の様な単語も現存しますね。

「かひ」がいつから巻貝などをも指すようになったのかは私は知りませんが、
恐らく「かひ」が「二枚貝」だけじゃなくて素材としての「貝殻」を意味するように
なった後、「ほらのかひ」の様な言い方が生じて、これは当時、楽器として使われる
「法螺の貝殻」を指す言葉だったと思います。大体の事の成り行きは解っていただけた
でしょうか。

681 名前:Jake_USA:2003/11/12(水) 20:24 ID:v0p3zaJs

ちなみに「かひ」は英語の「shell」と同様、卵の殻をも指すようになり、
事の果て卵自体までも意味の範囲に含んでしまいました。まるごとの卵を
意味する時は普通、「かひご」(<*「かひのこ」、すなわちshellの中の子か?)と
いっていた様ですが。「かひ」は万葉集が出来る頃には既にこんなに意味が
広かったみたいですよ。もちろん、私が上述した語源説がお気に入らなかったら、
「かひ(貝、殻、卵など)」が「かは(皮)」と同源だという説を作ってみてください。

682 名前:Jake_USA:2003/11/12(水) 20:28 ID:v0p3zaJs

ん〜、というより、「かひ(貝など)」が「かは(皮)」と同源だという説を
作ってみたらどうなるのでしょう、と言いたかったのです(苦笑

683 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/12(水) 20:53 ID:7NSqIRdM

>>676
>高句麗語はツングース に近いものと考えるのが一般的です。ワイやハクもしかり。

どうにも承服しがたい感じがしますが、その場合の「一般的」の意味は?
たしかに古くは(戦前は)たいした検討もなく高句麗をツングース族とする見解が
ある意味「一般的」だったことは認めますが、
三国史記を丸のみした古典的(?)見解(=高句麗を朝鮮人国家とする説)よりは、
いくらか学問的な態度にみえるという程度の理由ではなかったのかと邪推しています。

>通常、言語が混交する場合には基層言語の韻律や文法に
>縛られつつ上層言語を受け入れる、というパターンが多いと思います。
>発音がまったく異なる言葉になることも少なくありません。

その場合、かつての母語がもっていた皮膚感覚というか語感が失われてしまうわけですよね?


684 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/12(水) 22:44 ID:.5POf6lE

>>680-682 Jake_USA さん

 日本語学は私の領分ですから存分に物を言わせてもらいます。
「カヒ(貝)」が「クフ(食)」と関係ないという点は私も賛成。しかし、
「カフ(交)」と同源であるかどうかとなると、かなり微妙です。成る程、
二枚貝が口を閉じている様はまさにも殻をカ(交)ヒている状態です
から、両者を結び付けたくなる気持ちもよくわかるのですが、何しろ
両者はアクセントが合わないという問題点があります。「カヒ(貝)」
は平安後期に低低型と低く始まる語であるのに対し、「カフ(交)」は
高低型と高く始まる語です。古代日本語は複合語や派生語を作る
時にもとの語の高起・低起の式を保存するという法則があります
(別名:金田一法則)ので、両語は同源とは考えづらいのです。

 また、「カヒ(貝)」が本来二枚貝を指す語だったというのも、用例
に照らして見ると必ずしもそうとばかりは言えません。アワビは生物
学的には巻貝ですが、日本では二枚貝の類と見なされていたよう
ですから別にしても、古代日本語に「カヒブエ(貝笛)」という語が
見え、これは明らかに法螺貝を指しています。法螺貝は巻貝です
よね。それに、貴方が巻貝の総称とされた「ツビ(螺)」という語は、
奈良時代の用例こそないものの、平安初期には既に登場している
古い語ですが、巻貝という意味でも使われているけれども、同時に
「ハマグリ(蛤)」の意で使用された用例もあり、必ずしも巻貝限定
とは言えません。確実に巻貝の総称と言えるのは「ミナ(蜷)」の方
でしょう。

 そんだこんだで、私はむしろ「カヒ(貝)」と同源なのは「カフ(交)」
の方ではなく、「カヒゴ(卵)」であると考えています。この辺りは私も
Jake_USA さんと同意見です。貝と卵の形態から案ずるに、「カヒ」
は本来は「殻」という意味だったのでしょう。アクセントも、「カヒゴ(卵)」
は平安後期低低低型ですから、「カヒ(貝)」と一致します。 更に
言えば、Jake_USA さんはこれらの語と「カハ(皮)」を語源的に結び
付けておられるわけですが、これにも私は同意します。皮は形態的
にも殻に通じるものですし、アクセントも平安後期低低型ですから、
「カヒ(貝)」「カヒゴ(卵)」と一致しており、金田一法則に抵触しません
からねぇ。

 ただ、Jake_USA さんは貝から殻、卵という順に意味が変化したと
捉えておられるようですが、これについては私は同意しかねます。
私はむしろ「カハ(皮)」こそがこれらの一連の語彙の中では最も古い
語であって、それに名詞形成要素iが接続し、母音連続を嫌って先行
母音aが脱落することによって「カヒ」という語形が生じ、意味の方も
皮の特殊な形態である殻の意から、貝殻、更には貝自身を指すよう
に変化していったと捉えるべきだと思っています。意味の変遷という
点からも、音韻変化の点からも、こちらの方がずっと自然だと思うの
ですが、いかが。

685 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 07:38 ID:yozb9Shw

>>684のななしさん

 ん〜、なるほど、カヒ(貝)はアクセント的にはカハ(皮)の方と似ているのですか。
まあ、アクセントは意味の類似によってcontaminate(フォークエティモロジーなどによって
汚染=影響?されてしまう)する可能性も高いし、私はアクセントよりも音素(segments)を
はるかに重視すべきだと思いますが、とりあえずカハ(皮)もカヒ(貝、卵)と意味的に
結び付けるすべがあるからアクセントのデータに従ってカハ(皮)とカヒ(貝、卵)の方が
同源だと仮定しておきましょうね。でも日本語はあくまでも声調言語ではないからアクセントは
第二次に考慮すべきものだと思います。実際、現代標準語でさえも、ある一つの単語につき
アクセントの付け方が複数に存在する例は少なくありませんよね。

ちなみに、意味の方から見ても、カヒはもともとの語源がどうであれ「二枚貝」という意味合いが
強かったと思いますよ。「さざえの つぼやき」などという様に、古くから二枚貝じゃない貝類を
指す時には「かひ」以外の何らかの単語が使われていたことも多かったと思います。
「つび」、「つぶ」、「つみ」などは「螺」(阿木林さんはこの字が中国語では「巻貝」を意味するとおっしゃいましたが)
という漢字を以て書き表されていたし、これらの単語は「さざえの つぼやき」に見える「つぼ」とも
類似していますし、巻貝である「カタツムリ」も同じく「つむり」という要素を含んでいますね。明らかに
「つぶ」「つむ」という要素は主に「丸っこい物(たとえば巻貝」について使われたのに対して、「かひ」は
主に二枚貝、或いは生物学的には巻貝なのに殻の口があまりにも広くてわりと扁平な殻を持っているせいで
「一枚の殻しか無い、さみしい二枚貝」の様に考えられていたアワビのことを指していた様に私は思います。

しかし、「カヒ(貝)」のもともとの語源がどちらだったとしても、「交ふ」の連用形との類似や、「カハ(皮)」などとの
類似から意味が混同された可能性は大いに有り得ると思います。言語は派生した時(一旦の「語源」をもつ時点)の後も
定まらずに常に生きていて変化しているモノですからね。まあ、化石化したモノもたまに確認されますが、それらは普通
死語となってしまう危機に立たされている場合が多いと思います。

686 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 08:37 ID:yozb9Shw

>>104.乗馬曰轄打  /oryda/とはさすがに結びつかないですよね。
>>「轄」は/hyrg/の/hyr/に当たる字ですが・・・
>>「打」は朝鮮音では/ta/で激音ですが、唐宋音ではさすがに無気音
>>でしょうね。「轄」が/h-/のような語頭の複子音を表した、という解釈
>>も難しそうです。

非常に面白い所に気付かせてくださいましたね。「土」をいう語は「轄希」と
音写されていますが、この語は現代語でこそ/hyrg/となるものの、後期中世語では
/h@rg/でした。ですから、「乗馬曰轄打」の「轄」も、*[h@r]或いは後に続く「打」の
語頭子音/d/を受けて*[h@t]の様な音声を音写するために使われていたのかも知れません。
*[h@t]の音節末の[t]はともかく前期中世朝鮮語の「乗馬」をいう動詞に音素的には
存在しなかったのでしょう。すると、前期中世語の「乗馬」という意味の動詞は*/h@rda/
または*/h@da/という事になりますね。朝鮮語ではdentalやalveolar(歯や歯の直後の
硬い所で調音される子音)の前の*/r/はしばしば脱落しますから、再構形としては*/h@rda/でも
*/h@da/でもほとんど構わないと言えます。この*/h@rda/または*/h@da/こそ、後期中世語の
/t@(-da)/と現代語の/ta(-da)/(捕まえて乗る)の古形なのでしょう。104番の「乗馬曰轄打」は
結局は非常に大事な一例だったのですね!

687 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 08:43 ID:yozb9Shw

補足: */h@rda/や*/h@da/じゃなくて、*/h@rd@/または*/h@d@/だったと仮定した方が良いかも
知れませんね。第一音節の母音と第二音節の母音が同じく*/@/だったとすれば、第一音節の*/@/が
失われて*/hd@/即ち/t@/(後期中世語に現れる語形)になったという事実がもっと自然に説明できそう
ですね。

688 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 09:05 ID:yozb9Shw

語源的には、後期中世朝鮮語の/h@(-da)/(為る、言う)が満州語の/se(-mbi)/(「言う」の意味のほかに、
助動詞として用法が多様)や日本語の/s(-u)/(為る)と同源だろうという立場から言えば、「捕まえて乗る」の
意味の前期中世朝鮮語*/h@rd@/, */h@d@/は日本語の「さらふ(攫う)」と満州語の/te(-mbi)/(座る、住む、(官位などに)就く)と
同源の要素から成った、もと複合語である可能性があると思います。朝鮮語を分析するのって、よっぽど
やっかいな作業ですね。。。まあ、とりあえず「捕まえて乗る」という意味の現代語/ta(-da)/の再構できる
一番古い語形が*/h@rd@/または*/h@d@/だ、という程度にしておきましょうか。

689 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 10:03 ID:yozb9Shw

>>671 名前:名無しさんは謝罪汁 [2003/11/12(水) 14:03 ID:bTg/1/5E]
>>>>665
>>なんで朝鮮語はそんなに変化が早いのですか?あなたの考えは?

恐らく朝鮮半島は古くから二重(三重?もっと?)言語社会だったろう事と、
かなり最近まで朝鮮人が主に漢文(朝鮮語ではない言語)を書き言葉として
使用していた事に因る現象だと思います。朝鮮固有語を書いて表す風習は一般的でなかったために、
あまり使われない語彙が数世代のうちにもはや廃れてしまったり、発音が訛ったり語形が変わったりしても
標準語的スペル(日本の歴史的仮名遣いなど)に依って訛りを正して統一する事も困難だったの
でしょう。

672 名前:名無しさんは謝罪汁 [2003/11/12(水) 14:11 ID:bTg/1/5E]
>>665
3世紀といったのは「3世紀に“すでに”半島語は満洲側と列島側とを
取り残して独自に早い変化をはじめていた」といったのであって、
その変化が3世紀からはじまった、とはいってませんよ。
(レスの中では真番郡のことをだしていますが。真番郡ってなんのことだかご存じない?)

私が貴方のおっしゃった言葉を誤解してすみませんでした。3世紀になる頃には
既に朝鮮半島の言語は満州や日本の言語とはかけ離れていたのでしょう、とおっしゃるつもり
だったのですね。それについては私も同意します。
ちなみに真番郡が何のことであるかは私も知っていますよ。漢の武帝(劉徹)が朝鮮半島に
設置した郡県の一番南方の郡の名前です。次の皇帝の代の時に、真番郡は朝鮮半島東部の
臨屯郡と共に一番早く廃れたのです。のち、玄菟郡も遷移したり次第に衰退していき、
最後には漢の勢力が一番強く及んでいた楽浪郡とそれから分轄された帯方郡も高句麗に滅ぼされ
漢の朝鮮半島の直接的支配は終わったとの事です。

690 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 10:34 ID:yozb9Shw

>>139.称我曰能(奴台切) とあるので、/nyng/ではなく/nai/
>>という発音であったようです。中国の江南方言では「能」を
>>/nei/のように発音するところもありますから(確か温州あたり)
>>そのあたりのご出身かもしれませんね。
>>これは主格の/-i/がついた形でしょうか?

あっ、この語も発音についての註が施してあったのですね。まさに
主格形の/na-i/(発音は[nei]の様だったのか)を表したのだと思います。

>>670

 「宰」にはもともと「屠殺する」という意味もあったのではないですか?
確かに「栽」と字音が似ていますけど。何にせよ「宰把指」は一種の農民の
呼称に違いないですね。

「鼓者」など、朝鮮で流行っていた漢語を「鶏林類事」の編者が「故作」と
音写した、という貴方の提案は非常に面白いと思います。確かに、「故作」の
音価から見ても、朝鮮の固有語では無さそうですね。やっぱり漢語に由来する
単語だと仮定した方が良いのでしょうね。

691 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 10:52 ID:yozb9Shw

阿木林さん: ちなみに「問爾汝誰何曰箇」のところの「」について、どんな
発音を音写したものだと思いますか? 私は「」の字音を知らないのですが。音符が
「委」となっていますから後世の朝鮮語の/nu/(誰)と同源の言葉を写したわけではないの
かなと思いました。でも、「女」の字音なら/nu/と同源の言葉を音写した可能性がある
でしょうね。「」の字は結局どんな発音なのですか? もしかして「箇」は後期中世語の
/mai/や現代語の/oa:i/(「何故」というのが基本的な意味ですが、「は〜い?」の様に
聞き返す時にも軽く発する言葉です)と同源の要素を表しているのかしら? しかし「箇」は
きっと疑問詞の/go/と同源のはずですね。

692 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 11:10 ID:yozb9Shw

>>659の娜々志娑无のご質問に対して

  返事が遅れてしまってすみません。私は古代日本語を勉強するためには主に
Samuel E. Martin著の「The Japanese Language through Time」という書物のほかに、
インフォシークの『オンライン大辞林』の国語辞典を使用しております。しかし私の
日本語の知識は何年にもわたって習得したもので、いちいちそんな資料を参考している
わけではありません。実は一年間、日本の高校に留学した経験もあります。

ちなみに私のネット環境は常時接続のケーブルモーデムです。

693 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/13(木) 11:57 ID:3v8z.UeI

>>685 Jake_USA さん

 日本語が中国語のような声調言語でないことはおっしゃる通りですし、
>>684で私が示したアクセント法則も、少数ながら例外もあり、100%
完全な法則でないことも確かです。でもね、Jake_USA さん。インド=
ヨーロッパ語族と違って言語の系統が明らかになっていない言語で
語源を考える際に、このような既知の規則や知識を軽視するというのは
決して誉められたやり方とは思えませんね。私の目には貴方のやり方
はどうにも危なっかしく見えて仕方がないのです。貴方のやり方は極端
に言えば、発音の類似を優先させ、意味の違いは後付けで辻褄を合わ
せればそれでよしという感じのように見受けられます。しかしながら、
そういうやり方を是とするなら、あらゆる同音異義語はすべて同語源に
してしまうことだって可能になってしまうわけですが、貴方にそれを否定
する術はないのではありませんか。

 学問において仮説を立てるということは非常に重要なことですし、自由
な発想で仮説を立てることも大いに結構。それにけちを付けるつもりは
毛頭ありません。でも、それよりも重要なのは仮説をきちんと検証する
ことです。仮説を立てること自体は決して難しいことではありません。
検証してその是非をきちんと判断することが難しいのです。なるほど、
私はこのスレであらゆる可能性を追究するとは申しましたが、これは
すべての可能性を検証せずに放っておくという意味ではありません。
既知の知識で検証して問題があるものはきっちりと選別して捨て去り、
本当の意味で可能性のあるものだけを残して行くようにしなければ、
語源はおろか言語の系統すらまともに論じることは出来なくなります。
既知の知識を軽視して論じるのは、あたかも海図なしで航海するよう
なもので、運が悪ければ即座礁してしまいますし、座礁しないまでも、
正しい目的地には決して辿り着けないでしょう。私はそれを心配して
いるのです。

694 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/13(木) 11:57 ID:3v8z.UeI

 きつい言い方をして済みませんでした。見方を変えれば、私は単に
臆病過ぎるだけなのかも知れません。でも、それが私の流儀なもの
でして、今更変えることは出来ないのですよ。ま、年も年ですし、その
辺はご容赦頂ければ幸甚です。

695 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/13(木) 12:02 ID:3v8z.UeI

>>692 Jake_USA さん

 なるほど、日本に留学経験がおありでしたか。>>645で「むっちゃ」の
ような俗語、つーか方言を使っておいでだったので、教科書だけで
日本語を勉強したわけではないようだとは感じていましたが、それで
合点が行きました。

696 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 13:02 ID:yozb9Shw

144.伯叔皆曰了査秘 = 後期中世語の/ajabi/。この語のほかに、後期中世語には/aj@ba-nim/という
              敬称がありました。現代語には/ajubi/, /ajaibi/, /ajai/という卑語のほかに、
              標準的な/aje-ssi/や敬称の/ajubeni/, /ajube-nim/などがあります。
              また、朝鮮には漢風に、おじさんが自分の親の弟なのか兄なのかによって
              呼び分ける風習があります。後期中世語では「叔父」の方を/az@'ajabi/(/az@/は
              年下の弟妹の意)、現代語では/jag-yn-abeji/(「小さな父」の意)と
              いいます。「伯父」の方は後期中世語では/m@d'ajabi/(/m@d/は「最年長」という
              意味の接尾辞または「最年長の者」という意味の名詞・代名詞みたいな単語)、
              現代語では/ky-n-abeji/(「大きな父」の意)といいます。
              ちなみに「父」をいう意味の/abi/についての補足ですが、後期中世語では
              /abi/に属格の助詞/-yi/が続く場合には、普通/ab-yi/という語形をとった
              様です。「父」を意味する語根は古くは*/aba/で、これに主格助詞/-i/が
              くっ付いた語形、即ち*/aba-i/から第二音節の*/a/が抜けて、中世語の
              /abi/という語幹が生じたのではないでしょうか?
              しかし属格形の/ab-yi/にはまだ一つの問題点があります。
              それは属格助詞の/-yi/が語幹と調和していないのです。むしろ*/ab-@i/となる
              はずでしたね。後期中世語の属格形の/ab-yi/は*/abi-yi/の訛りと見るべき
              かも知れませんね。
145.叔伯母皆曰了子彌 = 後期中世語の/aj@mi/。その頃の敬称は/aj@ma-nim/でした。現代語には
               卑語の/ajumi/のほかに、標準的な/ajumeni/や敬称の/ajume-nim/が
               あります。現代語では叔母のことを/jag-yn-emeni/(「小さな母」の意)と、
               伯母のことを/ky-n-emeni/(「大きな母」の意)ともいいます。様々な
               漢語も多用されます。
146.兄曰長官  = 面白い漢語です。
147.嫂曰長官漢吟 = そのまま「兄」「妻」という意味の「長官」「漢吟」を続けて言ったのですね。
148.姉曰[女奈]妹 = 後期中世語の/nu'yi/および現代語の/nui/(男性の姉妹を言う語で、主に年下の妹に
             ついて言う)。現代語では男が姉のことを/nu:na/、または敬称として
             /nu:-nim/といいます。この語の語中から両唇性の子音が早くも消失してしまったと
             見るべきでしょう。
149.弟曰了児   = 後期中世語の*/az@G/(のち/a'@/とも)。母音で始まる助詞の前では/az'/(例えば主格の/az'-i/)と
             なり、単独または子音で始まる助詞の前では/az@/となりました。この語は
             現代語の/au/(男性の弟、女性の妹; または親しい仲の男性二人の年下の方)に当たります。
             現代語では弟のことを/nam-do[ng]sai[ng]/(男同生)ともいいます。
150.妹曰了慈   = 後期中世語では妹のことを/az@-nu'yi/、のち/a'@-nu'yi/といいました。
             現代語では女性の妹をいう場合には、この語の子孫である/au/はたまに
             使われます。普通、現代語では妹のことを/nui-do[ng]sai[ng]/または
             /ie-do[ng]sai[ng]/(女同生)といいます。

697 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 13:03 ID:yozb9Shw

151.男子曰沙喃  = 後期中世語では男を/s@nah@i/といいましたが、これは「青年」という意味の
             後期中世語/s@n/と「子供」の意味の後期中世語/ah@i/(現代語の/ai/に相当)との
             複合語です。「沙喃」の「喃」は鼻音で終わるはずですが、「沙喃」が音写している
             言葉の正体がよく分かりません。現代語では漢語の/namja/(男子)のほかに、
             /s@nah@i/から発展した/sanai/もなお使われます。
152.女子曰漢吟 = 以前この語の語源説を唱えましたが、もう一度書いておきます。
           「漢吟」が音写している単語は後期中世語の頃にはもう死語となっていた様ですが、
            恐らく語源は*/ha-n-gym/「大き君」だと仮定しております。前期中世語の
           「漢吟」の段階では既に*/han'ym/の様に単語化して、語中の軟口蓋子音が
            衰退していたと思っております。
153.自称其夫曰沙会 = 後期中世語の/sahoi/および現代語の/saui/(婿)に当たります。
              前期中世語の頃では女性が自分の夫をいう語となっていた様ですね。
154.妻亦曰漢吟 = 上記の「152.女子曰漢吟」参照。

698 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 14:59 ID:yozb9Shw

>>693の娜々志娑无

ご諫言ありがとうございます。私はまさかアクセントのデータを無視しようとは考えていませんよ。
ただしあくまでも音素に基づいた語源解釈を尽くした後に次いで考えるべきだと思っております。
「かひ(貝)」の場合は、「かひ(卵)」と「かは(皮)」にも意味的につながると思われる部分が
あるので、それらが同源だと仮定した後にこそアクセントを見て「あっ、これらの単語は全てアクセントも
同じパターンに属しているね」と、その仮定を裏付ける証拠(evidence)の一つとして記しておこうという風に
私は考えております。それこそ「科学的な言語学のやり方」だと思っているのです。最初の仮定を立てる段階では
むしろ全ての事実をば考慮していない(全てを表に出してしまわない)方が良いのでは、という考え方です。
(古語的な表現を使ってすみません! 現代日本語でどういう言い回しをすれば良いのか分かりません。)

ちなみに余談ですが、「かひ(貝)」の場合は語源が「交ふ」と同じでも「皮」と同じでもあまり構わない、
とも言えるのでしょう。少なくとも「かは(皮)」を別の語根として取っておけば、残る「かひ」の様な語形の
単語を全て一つの語根にまとめてしまっても結局同じです。「かひ(貝)」の語源を正確につきとめるのが
重要になってくるのはたった二つの場合です:
1.「かひ(貝)」が一つの原始的語根(a primitive)として他の語根から派生したものでは
ないと考える場合
2.「かひ=貝」という派生語を有するほど日本語と非常に近縁の言語(たとえば朝鮮語)と
比較してわりと最近の過去に存在したと仮定する共通祖語の全語彙を厳密に再構しようとする場合

もちろん、比較言語学の立場ではなくて日本国語学の立場から「かひ(貝)」の語源の問題を
見るとしたらご意見は異なるのでしょうね。

とりあえず私も「かひ(貝)」=「かは(皮)」と同源という風に新しい仮定を立てることに
したと言いましたよ! ですからもうこの事でご心配なさらないでください(^−^)

699 名前:阿木林:2003/11/13(木) 15:48 ID:C1k7hfu2

ムドゥリについて。オロチェーン語では/mudur/でした。
「藻」の現代語は「馬」同様に短母音で/mar/ですね。

>>683
うろおぼえなのですが、中国側の史料では「高句麗の言語は
百済新羅とは異なる」としているものと、「大して変わらない」と
しているものの二種類があるようでして、「異なる」説を取った
場合は、地理的位置から、またいくつかの単語(数詞など)の
類似からツングースが選択されることが多いと思います。
ワイやハクなどは、系統不明とせざるを得ないですが、
恐らく高句麗の南下以前に朝鮮半島北部にいた人々でしょう。

皮(カハ)といえば、アイヌ語でも/kah/といいますよね。
貝は/pipa/とか/pisasi/というのですが、卵はなんだったろう。
/tamanko/という外来語はあるようですが、狩猟採集民族が
卵を指す言葉をもっていないわけがない。

700 名前:阿木林:2003/11/13(木) 16:18 ID:C1k7hfu2

今手元に漢和辞典がないので詳しくわかりませんが、
「」は日本語ではイまたはダイと読みます。ダイは古い呉音でしょう。
北京語ではwei4と読み、[食畏]wei4(えさを与える、養う)の異体字です。
朝鮮音はわかりませんが恐らくは/'ui/でしょう。
筆者の発音が/*dai/に近い発音であれば、/nu-/の音符として
使うことも可能かもしれませんが・・・

ヌグと結びつけるには、たとえば[食妥](nei3、飢える)の
誤写であったという説はどうでしょう。
こちらのほうが良く使われる文字であるし、妥当な説だと思います。
中期語の/nui/(だれ)の表記としても問題なさそうです。

701 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 16:20 ID:yozb9Shw

>>148.姉曰[女奈]妹

   補足ですが、女性が姉を呼ぶ時は現代朝鮮語では/enni/といいます。この語の古形を
示してくれる資料は残念ながら存在しない様です。日本語の「あね」(または「おねえ(さん)」?)との
類似は面白いですけど。日本語の接頭辞の「お」は確か、「おほみ」(大御)の訛りでしたよね?

>>146.兄曰長官
   
  また補足ですが、現代語では男性は兄を/hie[ng]/(漢語の「兄」です)または
敬称として/hie[ng]-nim/と呼びます。女性が兄弟を呼ぶ語には卑語の/orabi/(他人の
前で自分の兄または弟のことをいうのです)、標準的な/orabeni/(女性が兄のことを
普通にいう言葉)、敬称の/orabe-nim/(女性のお兄様)のほか、戦後の流行言葉の
様でもありますが/obba/(もと幼児語)というのもあります。また、兄弟姉妹を
まとめていう語には固有語の/o-nui/または/o-nu/, それに/nammai/(男妹)という漢語があります。





702 名前:阿木林:2003/11/13(木) 16:52 ID:C1k7hfu2

カフに近い音で、「あわせる」という意味の漢語は沢山あります。
「夾」とか「挟」とか「鋏」とか「蛤」とか「袷」とか「合」とか。
つまり漢語でも、「あわせる」と「貝」は通じていることになります。
偶然の一致とするべきでしょうか。それとも漢語と朝鮮語の間には、
「東夷語」という共通の祖先があると見るべきでしょうか。
ま、人類の考えることに対して違いがないことの例証と見るべき
でしょうね。

151.男子曰沙喃  どうも、筆者の言語が鼻音が消失する傾向がある
言葉であったようです。我曰能、などもそうでしょう。江南方言か、
もしくは西北方言に連なる言語の話者であると思います。

「轄-」が語頭の/h@-/という音素を表していて、後世の有気音に連なる
という説に、賛同していただきありがとうございます。
思いつきでも言ってみるもんですね。タイ語だかの有気音の起源が、
語頭にあった/h-/という複子音の名残だという説にならったものですが。

朝鮮語の親族名称、特に兄弟の言い方はややこしいものですが、
語源がわかればわかりやすいですねぇ。
女性からオッパと呼ばれたり、ヌナと呼びなさいといわれるのは決して
悪い気持ちはしないのですが、男性からヒョンと呼びなさいといわれる
のは苦手w

703 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/13(木) 18:40 ID:lp4zXWuU

>>698 Jake_USA さん

 しつこいようですが、ちょっと確認させて下さい。そうするとJake_USA さん
は、例えば日本語で「kap-」という音素を持つ語は、さしあたってすべて同
語源であると見なせるという風に考えておいでなのでしょうか。これまでに
Jake_USA さんは、

  カハ(川) カハ(側) カハ(皮) カヒ(貝) カヒ(峡) カヒゴ(卵)
  カフ(交・買)

を一つの語彙グループにまとめて解釈されようとなさいました。それなら、

  カホ(顔) カフ(養) カヘル(帰) カヘル(蛙)

は勿論のこと、p→b、更にはb→mの音変化を想定して、

  カベ(壁) カブル(噛) カム(噛) カマ(鎌) カマ(釜) カミ(上)
  カミ(紙) カミ(髪) カミ(神) カブ(頭) カビ(黴) カビ(芽)

なども同一語彙グループに入れてしまっても問題はないはずです。意味の
違いは後で何とでも理屈は付けられますからね。音変化にしても、可能性
ということだけで言えば、m→nやm→j、b→β→wのような変化も十分考え
られますから、そういうことを言い出したら、それこそ歯止めが利かなくなっ
てしまいます。これは研究者にとってはとても恐ろしい事態ではないですか?
少なくとも私は恐ろしいです。だからこそ私は既知の知識や法則を歯止めに
して、自ら律しているわけですが、Jake_USA さんにとっての歯止めとは何
ですか? 宜しかったら教えて下さい。

704 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 20:20 ID:yozb9Shw

あのう、本題の高句麗語再構に突然話を戻してすみませんが、
「犂 = 加尸」という対応例を導き出された様ですね。この「犂」の字の意味の
詳細を知りたいんですが。。。もしかすると頸木を牛の首に掛けて引かせる様な
スキのことをいうのではないでしょうか? 私は中期朝鮮語の/gar/および現代朝鮮語の
/kar/(かつて刑罰として罪人の首に掛けた首枷(くびかせ)を指す)、そして昔の
日本語の「かし」と現代日本語の「かせ」を連想します。私の意見では高句麗語の
「犂 = 加尸」は朝鮮語の/gar/ > /kar/ および日本語の/kasi/ > /kase/と同源の
単語だと仮定しても良い様に見えますが。。。

ちなみに朝鮮語と日本語だけを取って見ても、朝鮮語の語末の/r/が
日本語の/s/ + 前舌母音(/i/或いは/e/)、仮名で書けば語末の「し」と「せ」に
対応している様に見える例は少なくありません。幾つか著明なものを挙げましょう。

朝鮮語の語末の/r/と日本語の語末の「し」や「せ」との対応:

「星」             「樫(カシの木)」
朝鮮語/bie:r/          朝鮮語/ga:r/
日本語「ほし」         日本語「かし」

以上の二つの単語は現代語でさえよく対応している例ですが、掘り下げて朝鮮語の
昔の語根を再構すれば、もっとたくさんあるのです。。。例えば:

現代朝鮮語/hai-s-sar/(日差し)や/mur-s-sar/(水流)の「sar」という部分と
日本語「ひざし」の「さし」

中世朝鮮語/dorh/ < 古代朝鮮語*/dor/「石」+ /-aki/「子」(名詞にやたらと
付加された指小辞と仮定していますが。。。北方漢語を真似ていたのでしょうか)
これはもちろん日本語の「いし」に対応すると考えられます。しかし、朝鮮語の
/dor-gorai/は海の哺乳類「いるか」のことで、この場合は日本語は「いし」じゃなくて
「いる(か)」となっていますね。どういうワケでしょう。。。(ちなみに朝鮮語の/gorai/は
単に「鯨」の意味です)でも、古代日本語では鯨のことを「いさ(な)」といっていましたよね?

「石」と同様の言葉には次の様なものがあります:
後期中世朝鮮語の/s@rh/(肉、人の肌などの意)
古代日本語「しし」(肉、または食肉となる哺乳類の総称)

もしかして朝鮮語の/ne:r-bbanji/, /ne:r-panja/(両方とも「板」のことですが)と
日本語の「のしいた」などの「のし」もこの類に属す可能性があるのではないでしょうか?

語頭子音こそ問題なのですが、この一対の単語も重要でしょう:
朝鮮語/bar/
日本語「あし」(足)

あと、日本語では「し」ではなく「ち」となっているものですが、いかがでしょう:
後期中世朝鮮語/dir/ = 現代朝鮮語/jir/(陶器の素材となる粘土)
日本語「つち」(土)

ふゅ〜。。。他にも多々ありますが、今すぐ思い出して例として挙げることは
この私には無理です。

705 名前:阿木林:2003/11/13(木) 20:50 ID:C1k7hfu2

>>703
アクセントの問題は難しいですよね。
中期朝鮮語のアクセントの資料も利用しないといけない。
それ以前の資料も、漢字による表記がある程度アクセントを反映して
いるらしいのですが、必要であればケリムユサの全ての漢字に
北京音で声調をつけてみましょうか。
あとは、朝鮮音で発音をつけてみたい。無意味に思われるかも
しれませんが、唐宋音と現代朝鮮音は決して遠くない。
北京音よりもずっと近いといえる。

三国遺事の時代であれば、漢語における声調はそれほど分別的
ではなかったという説があるので、高句麗語の研究においては
それほど重要ではないかもしれません。
声調の分別が現れてくる(押韻などに)例は、たしか東晋くらい
まで遡れるのですが、それ以前は複合子音や音節末子音で
分別されていたものが、声調に形を変えていったのではないか
といわれています。
そのため、漢語とチベット語などの語彙を比較する際、
声調がそれほど重視されず、最も新しく発生した要素として扱う
ことがあります。
これと日本語学を同列に論じてはいけないのですが。

>>731
古い時代の/-r/がどのような発音であったかはしりませんが、
現代語の発音は基本的に巻き舌の/-l/ですし、
(モンゴル語などによく似た子音があります)
この音が無声化すれば用意に/-s/に転じます。
福建のビン北語など来母/l/が/s/に転じている
言語がありますし、類似の例はかなり沢山あります。

この場合は、朝鮮語の/-r/で表されていた音を、和人が
/-si/として聞き取ったというところでしょうか。
興味深いのは、七十曰逸短などのように、ところどころで
ケリムユサの筆者が/-d-/のような音として聞き取っていた
らしい痕跡がみられるんです。これについてはもう少し分析
してみたいと思っています。

706 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/13(木) 21:35 ID:3v8z.UeI

>>705 阿木林さん
>この場合は、朝鮮語の/-r/で表されていた音を、和人が
>/-si/として聞き取ったというところでしょうか。

 Jake_USAさんが>>704でお挙げになったような日本語の語彙が、
みぃ〜んな新羅語や韓系百済語、加羅語のような半島の言語から
下賜されたありがた〜い「借用語」なのであれば、そういうことになる
のでしょうね。しかし不思議だなぁ。どうも阿木林さんは日韓の共通
語彙っぽいものに対してはとにかく日本の「借用語」ということにして
しまいたがる傾向があるように私には思えるのですが、これについて
何か確信のようなものでもおありなのでしょうか。例えば、古代の
日本と半島の関係は常に〔半島→倭〕であってその逆はあり得ない
というような…。出来れば私の邪推であることを願っていますが。

707 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/13(木) 21:40 ID:3v8z.UeI

 う〜ん。それにしても、ここんとこやたらと喧嘩を売ってばっかりだなぁ。
もしかして更年期障害かしら(汗)。八つ当たりされ気味のJake_USAさん
と阿木林さんには申し訳ないことです。もしかすると、そろそろ一線を退く
時期が近付いているのかも知れませんね…(哀)。

708 名前:Jake_USA:2003/11/13(木) 22:37 ID:yozb9Shw

あっ、704のところへの補足ですが、朝鮮語の/sar/は実は単独でも使われることがあり、
この場合には蜂などの虫の「刺す針」という意味になります。朝鮮語の/sar/という語形は
非常に意味が多くて、どれが単なる同音異義語でどれがもともと同源の言葉なのか見分けるのは
至難の技と言えますが。。。とりあえず列挙しましょうか。

現代朝鮮語/sar/の意味: (決して皆が同源の語だとは言ってませんよ!)
/sar/ = 虫の刺す針
/sar/ = 矢
/sar/ = 櫛の歯
/sar/ = 格子、傘やうちわなどの骨、自転車などの車輪の輻(や)
/sar/ = (魚を獲るために川に仕掛ける)簗(やな)
/sar/ = 日差しや水流の様なもの(主に複合語に現れる):
      hai-s-sar=日差し、mur-s-sar=水流、
      darim-s-sar=アイロンの伸していく通り、アイロンの通り(通り方);
             服の皺の(アイロンを使っての)伸ばしやすさ
/sar/ = 賭け事にて、人が自分の賭けている金額を足すこと(すなわちもっと賭けること、上げること、増やすこと)
/sar/ = お餅に押し付けて模様を作り出し修飾するために使う型
/sar/ = 後期中世語の/s@rh/ = 肉; 太り具合; 人の肌など
/sar/ = 後期中世語の/ser/ = 〜歳(年齢を言う時に数字に下接させる語)

ふゅ〜。。。これは中国語を上回るほどの同音異義語の多さですね。


709 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/14(金) 02:38 ID:E3Ifrd92

>>699
>うろおぼえなのですが、中国側の史料では「高句麗の言語は
>百済新羅とは異なる」としているものと、「大して変わらない」と
>しているものの二種類があるようでして、

今手許に文献ないのでその3行を確認できないのがひじょうに残念ですが、
やむなくその3行はスルーさせて頂きます。すみません。

>「異なる」説を取った 場合は、地理的位置から、またいくつかの単語
>(数詞など)の 類似からツングースが選択されることが多いと思います。

地理的位置というのは歴史的な民族移動を無視しているように思われ。
「いくつかの単語(数詞など)の 類似からツングースが選択」
というお話は首をかしげざるを得ませんね。
高句麗語の数詞ならば、まさにこのスレのそもそもの主旨である日本語との
共通性ないし類似点という大問題のスタートになったものでしょうに???

>ワイやハクなどは、系統不明とせざるを得ないですが、
>恐らく高句麗の南下以前に朝鮮半島北部にいた人々でしょう。

その2行めの解釈はちょっと待ってくれといいたくなりますね。
朝鮮半島北部に「も」いた可能性は当然あるでしょうが・・・・
あえて半島北部に限定する意図がわかりません。

穢については、3世紀に「満洲から北鮮にかけて夫餘・高句麗・沃沮・穢という
民族誌」がしられるようになる以前に、前漢の頃などはすべて穢と総称したもので、
現代の我々がいう「夫餘系言語の諸族」とかなり重なる用法です。
夫餘の穢王之印が伝来していたり、沃沮の県侯が穢君の印を帯びていたりするこ
とからも、この4種族を広義の穢とみる認識は3世紀でもまだ残っていたようです。

高句麗の存在が知られた後は貊といえば高句麗そのものをさしています。
その以前の段階での用法は、用例だけからはまったくつかみどころがないので
貊の正体についてはなんともいえません。
高句麗というのはいうまでもなく玄菟郡の高句驪県に由来する名ですが
先住民にそれ以前から夷狄としての名が与えられていたのでしょうが
前漢の頃はまだ高句麗のあたりは穢であったはず。
とすると。「穢貊というのは穢と貊の併称ではなく
「穢諸族の中の貊族の意味だ」とする井上秀雄の説が妥当か・・・?


710 名前:Jake_USA:2003/11/14(金) 07:49 ID:keqMaJQo

またも>>704「犂 = 加尸」への補足です:

朝鮮語にはまた/ga:r(-da)/(耕す、スキなどで土を掘り返す; または穀類や野菜を植える)という
動詞が存在しますし、/garai/という農具もあります(シャベルの様な道具で、土を掘り起こすのに使います)。
また、積もった穀物や雪などを移し退けるための木製のシャベルで/neg-garai/というのもあります。
後期中世朝鮮語の漢字注釈本では[木欠]という字に/garai/という注釈を付けていました。/neg-garai/と
同じ道具を指す語には漢語に基づく/mokhem/(木[木欠])というのがあります。

後期中世朝鮮語の/gar/、現代朝鮮語の/kar/(首枷)および日本語の「かし」、「かせ」も、
もともと牛の首に掛けて引かせる犂(日本語では「からすき」、英語ではoxplow)のことを指していたのでは
ないでしょうか? ご感想をお願いします。

711 名前:縄文 ◆JtqvTec2:2003/11/14(金) 12:56 ID:usq4iIw2

>>all
基本的な質問で申し訳ないのですが、朝鮮語の区分についてお聞きしたいことがあります。
以下は洪允杓氏の提唱した区分だそうですが、このスレッドで話されている区分と同じでしょうか?

古代朝鮮語 ( 〜9世紀末) (三国, 統一新羅時代)
中世朝鮮語
    前期 中世朝鮮語 ― (10世紀〜13世紀末) (高麗時代)
    後期 中世朝鮮語 ― (14世紀〜16世紀末)
近代朝鮮語
    前期 近代朝鮮語 ― (17世紀〜18世紀 中盤)
    後期 近代朝鮮語 ― (18世紀 中盤 以後〜19世紀末)
現代朝鮮語 (20世紀初〜現在)


712 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/14(金) 13:34 ID:ImmBA/4g

>>710 Jake_USA さん

 さっきまで大学院の授業をやっていたのでお返事が遅れてしまいました。
さて、高句麗語「加尸(犂)」と中期朝鮮語「kal(枷)」、日本語「カシ〜カセ(枷)」
が結び付くのではないかというお説ですが、中々悪くない考えだと思います。
『大漢和辞典』によれば、「犂」は牛に引かせるタイプの鋤のようです。日本では
「からすき(韓鋤・唐鋤)」と呼ばれているものですが、これを取り付けることで、
牛自体は動きを制限されるわけで、そういう意味では確かに枷との共通点は
認められます罠。形状もまぁ似ていないこともありませんしね。

 尤も、朝鮮語の「kal-ta(耕す)」「karai(木[木+欠]・鍬)」から見るに、仮に
これらの語彙(高句麗語を含む)が同語源であったとしても、原義は「耕す」の
方であって、枷の意味は後から派生したものと見なくてはならないでしょうね。
一方、「からすき」という語形からもわかりますように、日本には元々このタイプ
の鋤はなかったようです。日本がどこから導入したか不明ですが、仮に朝鮮
半島から導入したものであるなら、当然その名称も朝鮮語から受け継ぐのが
自然ですから、日本語では「kar-」乃至「kas-」のようになったはずです。しかし
ながら、実際に受け継いだ(可能性のある)のは農具の方ではなく拘束具の方
だったというのはどうもしっくり来ないですねぇ。「実は朝鮮半島はボンテージの
宗主国だった!」というなら話はわかりますが(藁。

 ともあれ、高句麗語「加尸(犂)」に関して言えば、最も意味・用法が近いのは
間違いなく朝鮮語の方であり、日本語はカナーリ遠いことは確かのようですね。

713 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/14(金) 13:58 ID:ImmBA/4g

>>711 縄文さん

 他の方はどうだかわかりませんが、私の場合は、

  古代朝鮮語…三国時代から統一新羅時代までの新羅語。ただし、半島の
            他の言語と紛らわしいので使用せず、用語としては「新羅語」
            「高句麗語」「韓系百済語」「夫餘系百済語」等を使用。
  中世朝鮮語
       前期…高麗時代の朝鮮語。用語としては「前期中世語」「高麗語」を
            使用。
       後期…李朝時代前期(14〜16世紀)の朝鮮語。用語としては「後期
            中世語」「中期朝鮮語」を使用。
  近代朝鮮語…李朝時代後期(17〜19世紀)の朝鮮語。用語としては「近代
            朝鮮語」を使用。
  現代朝鮮語…20世紀以降の朝鮮語。用語としては「現代朝鮮語」を使用。

という感じです。ただ、私に限って言えば、後期中世語と近代朝鮮語の区別は
カナーリ曖昧でして、面倒臭い時には両方合わせて「李朝語」という言い方で
誤魔化すこともあります。

714 名前:縄文 ◆JtqvTec2:2003/11/14(金) 18:58 ID:pXzr9Ftc

>>713
なぜこういう事をお聞きしたのかといいますと、
中世朝鮮語については、元(モンゴル)の支配下で言語が変容したという旨のことを、
彼の韓国国定教科書でさえ書いてあります。
これが本当であれば、特に後期中世朝鮮語と同時期の日本語の比較結果を、
同一祖語の存在や借用語にストレートに結びつけるのは、危険ではないかと思った次第です。

ワシの意見が見当違いだったら、ごめんなさい。

715 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/11/14(金) 19:48 ID:ImmBA/4g

>>714 縄文さん
>特に後期中世朝鮮語と同時期の日本語の比較結果を、
>同一祖語の存在や借用語にストレートに結びつけるのは、危険ではないかと思った次第です。

 えっと。後期中世朝鮮語と同時期の日本語というと、鎌倉〜室町時代
のいわゆる中世日本語ですね。言語を比較する際には古いものどうしで
比較するのが大原則ですので、少なくとも私自身は、日本語に関しては
極力奈良時代の上代日本語を中心とする古代日本語を持って来るように
しております。このスレでも例のHPの比較でも、中世日本語はせいぜい
二、三例程度しか挙げていないはずです。ただ、残念ながらもう一方の
朝鮮語の方が中期語以降しかまともな言語資料がないものですから、
比較の対象としてはどうしても中期朝鮮語の方を持って来ざるを得ない
という状況なのです。中期朝鮮語が何かと問題が多いことは承知してい
るつもりですが、何せ新羅語資料も前期中世朝鮮語資料も乏しい以上、
これはもう万やむを得ぬ処置かと。それだけに一層の慎重さが求められ
るということもまた確かでしょうがね。

716 名前:ケムール人 ◆9s/SSlUk:2003/11/14(金) 20:13 ID:DGZpC6sY

あ、センセだ。りあるたいむレス。

717 名前:ケムール人 ◆9s/SSlUk:2003/11/14(金) 20:15 ID:DGZpC6sY

ってぜんぜんりあるたいむではなかった・・・_| ̄|○


718 名前:Jake_USA:2003/11/15(土) 22:24 ID:uzdMqx7g

>>補足: 「68.草曰戌 」について

この語については以前、後期中世朝鮮語および現代朝鮮語の対応語彙を提案することが
できませんでしたが、今日二つの可能性に気付きました。

〜〜『鶏林類事』の「草曰戌」に対応する可能性のある単語〜〜

1) 後期中世朝鮮語の/suh/(生い茂った所、藪)

   この語はのち消滅するが、後期中世語には似た語形および語義を持った単語が
   幾つかありました。それは/supyr/(=現代語/supur/「藪、林、森」)、
   /sub/(=現代語/sup/「林、森」)など。/sub/「林、森」についてはちょっと疑問が
   ありますが(もしかすると/sub/は単独で使われる時のつづり方で、後に母音で始まる
   助詞が続いたら*/sup(-i)/などとなったのかも知れません)、少なくとも/supyr/「藪、
   林、森」は後期中世語の/suh/「生い茂った所」と後期中世語の/pyr/「草」の複合語なの
   でしょう。

2) 現代朝鮮語の/sut/(頭髪の様な物の分量)

  『鶏林類事』では「草曰戌」と書いてありますが、同じ書物の中に
  「291.匙曰戍」(「戍」は「戌」の誤写でしょう)という箇所があります。これは
   きっと現代語の/sur/(一匙の分量、匙の分量を数える助数詞; 弦楽器を弾くための撥)
   および現代語の/sutgarag/(匙)、/su-je/(匙と箸; 匙を指す敬語)に見える*/sur/「匙」の
   前期中世朝鮮語に於ける語形を音写したものでしょう。この事実から見えるように、「戌」の字が
   朝鮮語に於いては区別される音節末子音を持った単語を、その音節末子音を区別しないで音写するのに
   使われた様です。よって、「68.草曰戌 」が後期中世朝鮮語の/suh/「生い茂った所、藪」と
   同源の単語を表したのか、それとも現代朝鮮語の/sut/(髪の様に生える物の分量・生長の具合)と
   同源の単語を表したのか確定できませんが、恐らく「草」との意味の類似がより目立つ/suh/の方を
  「戌」の字を以て音写したのでしょう。


719 名前:縄文 ◆JtqvTec2:2003/11/16(日) 00:40 ID:bPENgUyE

>>715
やぱーり、微妙にピントがずれておった(泪
お手数お掛けしました。m(_ _)m

720 名前:阿木林:2003/11/17(月) 10:42 ID:E1RNIXqk

明日からしばらくルスにします。
>>706
おっしゃるとおり、朝鮮から日本に語彙が流入、という経路を考え勝ち
なことは認めますが、今回のレスについては、
「もし朝鮮語/-r/と和語/-si/に対応関係があるとすれば、こういう
音変化が考えられますね」という意味のカキコだと思ってください。
たしか隋書かなにかでは、「倭の国は領土が大きく、近隣の国からは
恐れられている」うんぬんという記載があり、和語が朝鮮に影響を及ぼす
経路も考えうるのでしょう。

二つの近い関係にある言語を比較する場合、
「似ている語彙」があれば、それは共通の祖語から発展した形であると
考えうるのですが、「あまりに似ている語彙」があると、それはどちらか
がどちらかから借用したと考えたほうが自然な場合があり、
「つるみ」と「つる」もその一つではないかなぁ、と思ったりしたわけです。

721 名前:阿木林:2003/11/17(月) 10:48 ID:E1RNIXqk

>>709謝罪汁さん
明らかになっている数詞の中で、7については特に、ツングース語との
関係が深いといわれています。満洲語では/nadan/で、ほかの言語でも
大差ない言葉が使われています。もちろん、ほかの3とか5については、
ツングース語の形式との関係を設定するのが難しいのですが・・・
ワイとハクの解釈について、教えていただきありがとうございます。
ワイはツングースと見られる諸部族、ハクは高句麗の前身集団、という
ふうに考えうるわけですね。韓国で出ている歴史書では、ワイ・ハクと
高句麗を異なるものとして考えることが多いようですが、さしたる理由
があってのことではなかったのですな。うーむ。

722 名前:阿木林:2003/11/17(月) 10:54 ID:E1RNIXqk

>>711縄文さん
この区分によれば、古代語=三国・新羅語
中世語=高麗語、李朝語初期、近代語=李朝語後期
現代語=植民地化以降

ということになるようですが、中世と近代の境界はやはりオンモンに
よる資料が出てきてから、ということになるんでしょうかねぇ。

723 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/17(月) 11:09 ID:eYTdro0Q

>>721
>ワイはツングースと見られる諸部族、

あの、ですから前漢代の穢(=3世紀の夫餘系諸族の前身)をツングース系だというのは
さしたる理由のないことでは、と申し上げているのですが・・・
もしかして私はからかわれているのかな(^^;)

724 名前:阿木林:2003/11/17(月) 11:22 ID:E1RNIXqk

>>723謝罪汁さん
あ、ごめんなさい。それについては、数詞の「なな」のほかに、いくつか
ツングース系と見られる語彙が高句麗語に見られるし、その高句麗と
ワイ系が関係が深いことから、ワイ・ハクがツングース系に近いらしい、
という程度のことです。
別にツングースでなく旧アジア語族や、和人だのギリヤーク人だの
アイヌ人だのネイティブ・アメリカンの先祖であったとしても、
なんでもいいとは思います。

725 名前:縄文 ◆JtqvTec2:2003/11/17(月) 13:17 ID:Lwda9q.w

>>722
ハングルができる前と後ではなく、元の支配の前後でわけるべきではないかと思った次第でして。

さらに言えば、元の支配時期にどのように言語が推移したかについての検証無しに、
元の支配以降の朝鮮語と日本語の比較をやるのは如何なものかと。
 (韓国の国定歴史教科書に変容したと書かれてますので)

実はほとんど影響が無かった、と言えるのであればそれはそれでいいんですが....

726 名前:阿木林:2003/11/17(月) 13:52 ID:E1RNIXqk

モンゴル語から朝鮮語への影響、ということであれば過去に幾つもの
研究があるはずですが、統語などに強い影響を及ぼすようなものでは
なく、いくつかの古い語彙に借用語が見られる、という程度のものだった
と思います。たしか馬に関する語彙とかに。
女真語や満洲語の影響も、語彙レベルにとどまるようです。
たしかチェジュ方言でズボンを「クルマ」といったりするのがそう。

モンゴル人や満洲人はあれだけの帝国を築きながら、自分たちの言語を
世界に広めることについては、シナ人ほど熱心じゃなかったんでしょうねぇ。
もちろん、当時の「国」のあり方が今とは全然異なりますから、税金しぼって
反乱勢力は抹殺してしまえば、あとは土民どもの話す言語なんかどうでも
よかったんですけど。

そういえば、高麗は美女が多く、たしか元皇帝の愛妾が出たりしたんでは
なかったかな?それまでモンゴルでは、高麗女を妾にすると国が滅びる
といわれていたらしいのですが、妾にしたら案の定滅びたとかw

727 名前::2003/11/17(月) 13:58 ID:.lwZfMC2

>妾にしたら案の定滅びた
すごいなあ。最終兵器みたいなもんですね(爆

728 名前:Jake_USA:2003/11/17(月) 16:22 ID:gRJJSyBY

>>17 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA [2003/06/14(土) 21:29 ID:jWJqQfL6]
>>No.07
>>意  味 :土(名詞)
>>原  文 :「土山県本高句麗ノ息達」(『三国史記』)
>>漢 字 音:息(中:si∂k、朝:sik)
>>再 構 音:sik<*sirk(李)
      ?(村)
>>比較(日):古代日本語「su(砂・洲)」(娜)
>>比較(韓):後期中世語「h∧rk(土)」(李)
>>比較(他):ゴルディ語「siru(砂)」
      >>エベンキ語「sirugi〜sirgi(砂)」
      >>蒙古語「siruγai(塵・土)」
>>考  説 :
>> 日本語で強いて候補を挙げるとすれば「ス(砂・洲)」ぐらいだろうが、ツングース
>>系の言語では「砂」系の語が対応語彙として挙げられていることを考えれば、そう
>>変な説でもないのではないか。朝鮮語にしても、発音的には決して近いものとは
>>言えないから、対応語彙とするには問題が多い。

私は「す」という語形で「砂」の意味をもつ日本語は知らないが、少なくとも日本語の「すな」という語には
「砂」の意味のほかに「土、地」という意味もかつてありました。「土、地」という語義は現代日本語の
「うぶすな(産土、すなわち人の生まれた土地を指す語)」、「うぶすなのかみ > うぶすながみ(産土神)」などという
複合語に残存しています。この日本語の「すな」(砂、土、地)と日本語の「す」(洲)との間に何らかの関係が
あるというななしさんの仮定は私も否定しません。しかし日本語の「すな」と「す」を対比するよりも、
後期中世朝鮮語の/h@rg/(土)、ゴルディ語の/siru/・エベンキ語の/sirugi, sirgi/(砂)、
およびモンゴル語の/siruγai/(塵、土)などと比較した方が面白い事実が見えてくるはずでしょう。
この語根は恐らくもともと「塵」(英語のdirt)の様な語義をもっていたと私は仮定しておりますが、
この語もまた日本語の語形が極めて古い事を示唆してくれると思います。日本語の言葉から他のアルタイ諸語に
見える子音が脱落したと見えるのは、何とも脱落しやすい性質の*/r/および一種の特殊な*/l/音だけだったと思います。
日本語の*/r/脱落については今の話題の「土」のほか、「水・川」と関連するチュルク語派以外のアルタイ諸語の単語を
参照してください。しかし、日本祖語に於いて*/r/と一種の*/l/が脱落してしまったのも限られた音韻的環境だったと
思います。特に*/ri/という音節は日本祖語では不安定だったと思います。有史時代の古代日本語以来の日本語に於ける
「り」という音節は、ほとんど語幹が/r/で終わる四段活用動詞の連用形、或いは古くは*/rui/, */roi/の様な音に遡ると
仮定できるものばかりです。

例: 日本語「くり(栗)」は「くるすの(栗栖野)」などから見える様に、恐らく*/kurui/に遡ります。
   日本語「まり(鞠)」は「まろし(丸し)」や後世の「まるい(丸い)」などから見える様に、恐らく*/maroi/に遡ります。
       この語は多分日本語の「まとか、まどか」(円か)とも源を同じくするのでしょう。
 
「はり(針、梁、榛」や「かり(雁)」など、よく説明できない単語もありますが、これらの語も恐らく
古くは四段活用動詞の連用形、或いは「り」以外の何かに遡ると思います。

729 名前:Jake_USA:2003/11/17(月) 16:23 ID:gRJJSyBY

「はり(榛)」はハンノキの旧名ですが、これはもしかすると同じカバノキ科の樹木でハンノキにかなり似ている
「はしばみ(榛)」の「はし」と同源なのではないかと考えております。すなわち「はしばみ」が古くは「はしのはみ」で、
ハンノキの旧名「はり」と同源の要素「はし」および朝鮮語の/ba:m/(狭義では「栗」、広義では「丸っこい木の実」全般)と
同源の要素「はみ」が合わさって出来た複合語なのかも知れないと思っております。

「かり(雁)」はもともと擬声語に遡ると仮定していますが、かなり古く定まった呼称であるに違いないと思います。
もしかして日本でもっとも普通に見られるカモ、「かるがも(軽鴨)」の「かる」と同源なのでは? もちろんそうすると
「軽鴨」と書くのは単なる当て字に過ぎないという事になりますが。しかし、「かるがも」の第二要素の「かも」が連濁して
「がも」となっているのも気になります。これは古くからある単語の場合、*「かるのかも」という古形を仮定しなければ
ならないのです。「かる」が単独形(複合語じゃなくて助詞の前で普通に使われる語形)という事になっちゃいますね。これじゃ
「かり(雁)」との関係がなかなか認められません。。。しかし、「かるがも(軽鴨)」がどのくらい古い名称なのかすら
さっぱり分かりません。

730 名前:Jake_USA:2003/11/17(月) 16:49 ID:gRJJSyBY

ちなみに現代朝鮮語ではハンノキは/ori-namu/(/namu/は「木」の意)といい、
ハシバミは/gai'am/といいます。ハシバミを意味する語は後期中世語では/gai'om/でしたから、
ほぼ間違いなく*/gaibam/(即ち「カイ栗」:「カイ」という要素の由来は不明)という語形に
遡ると仮定できます。朝鮮語の/ori-namu/の/ori/という要素は古代日本語の「はり」(ハンノキ)と
よく似ていると思いますが、朝鮮語の単語の語頭の*/b/はどうして消えてしまったのでしょう。。。
しかし母音が*/a/(即ち*/ari/)じゃなくて/o/(即ち/ori/)となっている事が示唆的であると思います。
何らかの両唇性の子音が語頭から脱落したのではないかとね。

あと、朝鮮語の/ba:m/(栗、ハシバミの実の名前に現れる要素、ヒシの実の名前に現れる要素など)が
日本語の*「はみ」という要素と同源だと仮定しましたが、日本語にはたしか「食べ物」の意味で「はみ」という
言葉がかつてありましたよね? 日本語の動詞「はむ(食む)」を連想しますね。

731 名前:Seosomun:2003/11/17(月) 17:30 ID:QoJTH/rs

あの法則は高麗時代に遡ると、、
(メモメモ

732 名前:Jake_USA:2003/11/17(月) 17:36 ID:gRJJSyBY

あっ、アルタイ諸語に見える*/r/と特殊な*/l/のほか、日本祖語にて消失してしまったと
仮定している子音は後二つあります。まず、特に語頭に於いて、日本語から*/s/の様な子音が
しばしば脱落した形跡があります。「あめ」vs。「はるさめ」、朝鮮語/sa:r(-da)/(生きる、住むなど)
と日本語の「あり(在り、有り)」など参照。その他、日本祖語の語中から*/k/或いは*/g/の様な子音が
脱落したこともあると仮定しています。日本語「かい」(櫂)vs。「みづかき」(水掻き)など参照。

これらの事実を踏まえて、日本語の「うみ(海)」が古くは*「すみ」の様な語形だったと考えられます。
その語頭の「す」の子音は特に脱落する傾向にある*/s/系の音だったのかも知れません。
もしかして「しゅみ」だったのでは? 日本語に古く入った漢語でも「しゅ」となるべきものが「す」となっていることが
多いですよね。「す(主)」、「すぎゃう(修行)」等。つまり、私は日本語の「うみ(海)」が
もともと*/siru-muri/或いは*/siru-mori/(地水)の様な語形から*/siu-mui/, */siu-moi/に訛って、更に
「しゅみ」>「うみ」という風に発展したのではないかと思っております。
もちろんその語義はもともと「湖、池」だったろうと考えております。「海」をいう日本語は多分、
もともと「わた(り)」(渡り)だったと思います。

ちなみに「うなはら」(=現代語「うなばら(海原)」)や「うなぢ(海路)」の様な語形は、
恐らく「水」の古い属格形である「みな」(「みなもと(源)」、「みなと(港)」など参照)と関連があると
思います。即ち、「うなはら」は古くは*「しゅみなはら」(形態素の原義を漢訳すれば「地水之原」)で、
「うなぢ」は*「しゅみなみち」(地水之御道)から来ているのではないかなあと勝手に想像を
膨らませている私です。

733 名前:Jake_USA:2003/11/17(月) 21:06 ID:gRJJSyBY

うぅ。。。何よりも原義の再構が難しいんですよね。。。
満州語の/efen/(穀物の粉から作ったパン類・菓子類の総称)は他のツングース諸語の
どんな単語に対応するんですか? 阿木林さんはご存じですか? 

朝鮮語では/ib/(昔は/ip/とも)は「口」のことですよね。

そして古代日本語では「いひ(飯)」は穀物を調理した食べ物の総称ですね。
「いふ」は言葉を発する動作ですね。

この語の間には何らかの関係があるのでしょうか? 私はツングース語について
一番知識が足りないんですけど、これらの語は何だか怪しいと思います。アルタイ諸語の
比較から*/ip/または*/ep/の様な形で「口」或いは「食べる」、「言う」などの意味を表す
語根は以前再構されたことがありますか? 誰か資料があればご指導をお願いします。

734 名前:阿木林:2003/11/18(火) 10:26 ID:Ic7IO08o

今日から一週間くらいこのスレッドを見られません。
efenは中国語から、ってことはありませんか?
/fen/は「粉」として、/e/がなんであるかはわかりませんが。
ツングース諸語に関しては、確かに現存する言語の研究も
大切なのですが、実際問題として、少なくとも音韻に関しては
満洲文語がほかのどのツングース諸語よりも古い形を伝えて
くれているように思います。

/ip/ いふ(言う)
/ko/ かぐ(嗅ぐ)ただし、古語では「きく」
/gui/ きく(聞く)

という対応は古くから注目されていたと思いますが、
「いひ」との対応は新しい視点ですね。
アクセント的にも問題がないかな?

あと、朝鮮語の/-r/に日本語の/-si/が対応しているらしい、
ということですが、漢字音での対応では、/-tu/ないし
/-ti/なんですよね。日本語が朝鮮語と同じ祖語から分化した
として、漢字語が日本に流入したのは時代がずっとあとのこと
でしょうし、韓半島経由で流入したかどうかも分かりません。
ナナシサンの資料を見るかぎりでは、新羅漢字音は北方中国
の音韻ですし、日本漢字音は南方的です。

735 名前:Jake_USA:2003/11/18(火) 20:53 ID:pWf5Giak

阿木林さん: その朝鮮語の/-r/が日本語の/-si/に対応するらしい事について
考えてみたらかなりコワイことに気付いたんですが。。。

朝鮮語に限らず他のアルタイ諸語でも「水」とか「川」をいう言葉は語尾に/-r/が
付いていますよね? 日本語でも「水」を表す単独形は「みづ」でしたね。恐ろしい。。。
まさか、、「みづ」が/mur/などに訛ったわけじゃないでしょうね。。。(汗 両唇性の子音の
直後の*/i/が/u/に訛ることは容易に考えられますね。先日、阿木林さんが指摘してくれた
満州語の/muduri/(竜)と古代日本語の「みつち」乃至「みづち」(水竜)の類似のことも
考えてたんですが。。。 方針を変えて、日本語と他の東北アジアの言語を同格として比較するのではなく
諸言語が日本語に良く似た言語の訛りだと仮定して調べた方が良いのかも知れませんね。。。
しかし、なぜ日本語だけがこんなに古い形を呈しているのか分かりませんねえ。古来の物を
正しく受け継いで保っていこうとしていたのか、それとも日本語がほとんど進化しない滞った状態の
言語なのか、或いは日本が一番孤立していて人々の言語生活を不安定にする事(民族の移住など)が
あまり起こらなかったのか。。。 それとも単なる偶然に過ぎないのかも知れませんね。
まあ、たかが2000年の間でラテン語が現代のフランス語になってしまうほど訛ったのも事実ですし、
日本の「標準語」(共通語?)が万葉集の時代以来さほど酷く変化していない事を考えれば、
古代の高句麗語が今の日本語と一番似ていても高句麗語が実はツングース語派や朝鮮語の方と
「系譜的」に近い関係にあると仮定しても無理は無さそうです。もっと確実な対応例を導き出さなければ
なりませんね。

阿木林さんは今から一週間、レスを書くことが出来なくなるんですね。どこかへ
お出かけになるのでしょうか? 阿木林さんがお留守の間も私は熱心に研究を続けます。阿木林さんが
戻ってくる時には何か成果を見せてあげることが出来たら良いですね。

736 名前:Jake_USA:2003/11/18(火) 21:01 ID:pWf5Giak

そういえば、日本のどこかに「古の言葉を正しく受け継いで守ろう」みたいな
グループがかつて存在しましたか? その様な事がどこかの本に書いてあったりするのかなあと
思いまして。。。 変な宗教・習わし・文化のせいで日本語が古い形のまま残ってしまった
可能性もあるのかな。ふむふむ。。。とりあえず勉強に戻ります!

737 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/20(木) 05:48 ID:yHijXHgU

日本人とポリネシア民族だけが虫の声を左脳で聞くそうですが、
この影響はどの程度のものなのでしょうか?


738 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/20(木) 11:47 ID:3hjoPw1I

単に母音基調の言語だとそうなるらしいけど。

739 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/11/20(木) 15:46 ID:73XbRzdg

>>737
じゃあ、ベル星人にやられるのは日本人とポリネシア人とウルトラセブンだけだったのか!

740 名前:ROM@総督府:2003/11/20(木) 17:22 ID:MM.CjIEo


最近娜々志センセ見かけないがどうしたんだろう?
豆腐の角にアタマぶつけて怪我をしたのか、バナナの皮を踏みつけて
スベッテコロンデ骨折したのか? 

741 名前:匿名さん:2003/11/20(木) 20:28 ID:7L.77JC.

夕霧さんの「精神的与スレ」(溜まり場)参照

742 名前:ROM@総督府:2003/11/20(木) 23:51 ID:x6z4c1ZI


>>741
ナルホド ワカリマシタ。

743 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/21(金) 00:40 ID:ibNekx0Q

さっぱりわからん。
夕霧さんの「精神的与スレ」(溜まり場)ってなんのことだ?

744 名前:Jake_USA:2003/11/21(金) 16:15 ID:tB6zA7i6

ええっと。。。この間、大学の図書館に行ってトゥルキ語派の諸言語についての
本や現代トルコ語(トルコ共和国の公用語)のトルコ・英辞書を借りてきて少し
勉強したのですが、かなり恐ろしいものですね。日本語にそっくりな言葉が多くて。。。

この前、この掲示板で「かひ(貝)」「かひ(卵)」「かふ(交ふ)」、「かふ(買う)」、
「かふ(飼ふ)」、「かは(皮)」「かは(川)」などの単語の交互関係について議論を繰り広げましたが、
トルコ語にこの議論に関わるかも知れない単語を幾つか見つけました。

日本語の*/kap/語群の幾つかに対応する可能性が高いトルコ語:

/kapy/ = 戸、門; 可能性; [すごろくに於ける] 場(を占めて妨げる)
/kapaly/ = 閉じられた、締められた; 覆われた、屋根などの有る;
       一面に曇った(空); 塞がれた(道);
       ストレートでない、曖昧な(言い回し);(会議などが)密かだ
/kapa(-mak)/ = 閉じる、締める;(道などを)ふさぐ; 塞ぐ、詰まらせる;
        (お店を)閉店する、廃業する、(組織などを)抑制する、終わらせる;
        (一般的に)隠す、覆う;(ラジオ・電気などを)消す、(水道の水などを)
         止める; かぎをかける; (借金を)済す、返す; (話題を)変える、
         放っておく; 蓄える; (カーテンを)しめる
/kapak/ = 蓋、カバー; 塞ぐ物、詰め入れる物; (本などの)カバー、表紙;
      (生物の体内の)弁、valve
/kap/(対格形は/kab-y/) = うつわ、壺; 蓋、鞘、ケース、容器など;
               (料理を盛った)お皿
/kapa-n(-mak)/ = /kapa(-mak)/の受動・反照; 籠もる、立て籠もる、隠れる;
          (女性が)自分の顔を覆う;(傷が)治る; 止まる、やむ;
           (空が)曇る; (何かの上へ)身をかがめる
/kap-Cyk/ = 小さな容器; 貝;(豆などの)さや
/kavanoz/ = 瓶、壺
/kavata/ = 未熟で青いトマト; 木製の大きな器
/kavky/ (貝)(これはもうトルコ語では死語なのかも。。。)
/kav-la(-mak)/ = 皮を剥ぐ
/kav-la-k/ = 皮の剥がれた、皮の無い; 剥がれた(物)
/kap-la(-mak)/ = 覆う、蓋などを付ける; 塗る、(琺瑯などを)表面に付ける、
          ベニヤ(化粧張りなど)を付ける; 覆う、包む、敷いて覆う; ケースなどの中に
          入れて置く、何かのカバーの中に在るようにする
/kap-la-ma/ = 覆うこと、包むこと、蓋を付けること; コート、塗り;(歯の)金冠
/kap-la-ma-cy/ = めっきをする職人
/kap-ly/ = 何かに覆われている、塗られた、めっきをつけられた;
       綴られた、表紙の付いている(本)
/kaplumbaGa/ = 亀
/kabuk/ = (木・果実・貝などの)皮、殻;(傷口に出来る)瘡、瘡蓋;
       表面を覆うもの全般、包み

/kapaklan(-mak)/ = (つまずいたりして)前向きにバタンと倒れる;
            ひっくり返る、覆る


745 名前:Jake_USA:2003/11/21(金) 16:15 ID:tB6zA7i6

/kap(-mak)/ = 掴み取る、つかまえる、取る、拾い取る; 掴み取って食う;
        (風邪を)ひく; (何かについて自分を)慣らす、習う;
        (癖を)つける
/kap-yl(-mak)/ = /kap(-mak)/の受動態; (何かによって)攫われる、
連れて行かれてしまう、運ばれて行く、流されて行く; (何かに)見とれる、
うっとりさせられる
/kapylan(-mak)/ = 雇われる、就職する
/kapylgan/ =(何かの働きかけを)受けやすい、動かされやすい、よく影響される;
        騙されやすい; すぐに恋に落ちる癖がある、惚れっぽい
/kapan/ = 罠
/kapsa(-mak)/ = (何かを)範囲に含む、収める
/kapsa-m/ = 範囲
/kapyS-kapyS/ = すぐに(売れてしまう)、むさぼるように(食う)
/kapyS(-mak)/ = つかもうとする、せかせかと手に入れようとする;
          買おうと急ぐ、すぐに買う;(喧嘩などで)相手に手をつける、
          つかむ;(恋人同士が)いちゃつく
/kapkaC/ = スリ、財布をつかみ盗むこと
/kapkaC-Cy/ = スリをする者
/kaplan/ = 虎
/kabza/ = 取っ手、柄(え、つか);(銃の)太い方の端、尻の方;
      {俗語として}麻薬の一握り
/kabul/ = 受諾; 白状、供述; 承諾; 同意、賛成
/kabullen(-mek)/ = 奪う、剥奪する、攫う; 強いられて受ける、
           いやいやながら承諾する; 受ける; 耐える、
           忍耐する、我慢する; 白状する、自白する、
           責任をとる; 賛成する、同意する

/kavis/(対格形は/kavs-i/)= カーブ、曲線、弧
/kavSak/ = (道の)交差点、辻、つきあたり
/kavuS(-mak)/ = 再会する; 届く、着く; 合う、重なる;
         (道などが)交差する;(川などが)合流する
/kavuSum/ = 合わさること

746 名前:Jake_USA:2003/11/21(金) 16:16 ID:tB6zA7i6

ふゅ〜。。。他にも色?あるみたいですが。。。とにかくトルコ語が
重要な資料となりそうです。トルコ語の方言、またはオグ?ズ以外の
トゥルキ族の言語に詳しい人いませんか? トルコ共和?のトルコ語の
語中の/y/が他のトゥルキ族の言語では/d/だったりするという事は知っていますけど。。。
(/bUyUk/ = /beduk/(大きい)、/ayak/ = /adak/(足)など)。。。それに
トルコ共和?のトルコ語では昔の語中の/[ng]/が/n/または/m/に訛ってしまっているんですよね。。。
/dengiz/ > /deniz/(海)、/donguz/ > /domuz/(豚)など。。。
それに、オグ?ズトゥルキ諸方言では語頭の/t/と/d/が入れ替わったりした事も
知っています。(古代トゥルキ語/tag/ > 現代の方言の/dag/または/da:/「山」、
古代トゥルキ語/dapa/ > 現代の方言の/tepe/または/tapa/「丘; てっぺん、頂き」など。)

あと、トルコ語の/tazim/(尊崇、尊敬、尊重)、/taziz/(大切にすること、大事にすること;
?えること; 聖者の位を?えること)、/taziye/(哀悼の意を表すこと、弔う)や後期中世朝鮮語の
/d@z(-da)/(愛する、慕う)などがヤケに?になるんですけど。。。まさかトルコ語と朝鮮語の間に
この?語が借用されたことは有り得ないよね。ん〜 摩訶不思議ですね(おい!「マカ」というのは梵語
だったのか、そういえば。。。ロ?マ帝?ではMAGNA
FUSHIGIなのでしょうか。。。中世英語ならmickle不思議ですね!
可愛い感じ。)

747 名前:Jake_USA:2003/11/21(金) 16:18 ID:tB6zA7i6

ああ、文字化けしてしまいました! すみません。もう一度入力します。

ふゅ〜。。。他にも色々あるみたいですが。。。とにかくトルコ語が
重要な資料となりそうです。トルコ語の方言、またはオグーズ以外の
トゥルキ族の言語に詳しい人いませんか? トルコ共和国のトルコ語の
語中の/y/が他のトゥルキ族の言語では/d/だったりするという事は知っていますけど。。。
(/bUyUk/ = /beduk/(大きい)、/ayak/ = /adak/(足)など)。。。それに
トルコ共和国のトルコ語では昔の語中の/[ng]/が/n/または/m/に訛ってしまっているんですよね。。。
/dengiz/ > /deniz/(海)、/donguz/ > /domuz/(豚)など。。。
それに、オグーズトゥルキ諸方言では語頭の/t/と/d/が入れ替わったりした事も
知っています。(古代トゥルキ語/tag/ > 現代の方言の/dag/または/da:/「山」、
古代トゥルキ語/dapa/ > 現代の方言の/tepe/または/tapa/「丘; てっぺん、頂き」など。)

あと、トルコ語の/tazim/(尊崇、尊敬、尊重)、/taziz/(大切にすること、大事にすること;
讃えること; 聖者の位を与えること)、/taziye/(哀悼の意を表すこと、弔う)や後期中世朝鮮語の
/d@z(-da)/(愛する、慕う)などがヤケに気になるんですけど。。。まさかトルコ語と朝鮮語の間に
この単語が借用されたことは有り得ないよね。ん〜 摩訶不思議ですね(おい!「マカ」というのは梵語
だったのか、そういえば。。。ローマ帝国ではMAGNA
FUSHIGIなのでしょうか。。。中世英語ならmickle不思議ですね!
可愛い感じ。)

748 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/21(金) 17:29 ID:rXRBhPes

いきなり電波っぽくなってきたな

749 名前:エスペランサ鏡国:2003/11/21(金) 21:58 ID:qxYmffQ2

中国語のポンタンと日本語のアンポンタンはどういった関係でしょうか?
意味は同じだと思うんすけど・・。
それから同じくクールー(車輪)とクルマの関係も何かあるなと
思いましたが。どうでしょうか?

750 名前:上同:2003/11/21(金) 22:06 ID:qxYmffQ2

日本の中学生だったころ太いズボンを「ボンタン」と呼んでいましたが
あれも中国語のポンタン(馬鹿)に関係があるのかな。
あと、「あいつトッポイんだよ。」のトッポイと朝鮮語のトッポイダ(目立つ)
はやはり同系の言葉でしょうか?

751 名前:上同:2003/11/21(金) 22:10 ID:qxYmffQ2

南朝鮮では中国人のことをチャンケイーンと呼んで馬鹿にするんですが
山東半島の方言でチャンクウェイって社長のことなんですってね。
北京語の老板ですね、要するに。社長だったら別に差別語でもないすね。

752 名前:ケムール人 ◆9s/SSlUk:2003/11/21(金) 22:22 ID:QsfxoLDg

アンポンタンは、日清戦争のころ清からもらった言葉ではなかったか。

753 名前:名無しさんはポシンタン:2003/11/21(金) 22:46 ID:4lLN1MiE

http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1044079995&ls=50" target=new>http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1044079995&ls=50
高句麗語以外はセンセの本スレでやりましょうや

754 名前:只今蟄居中:2003/11/21(金) 23:19 ID:eEFhlJcw

>>749-750 鏡国さん
>中国語のポンタンと日本語のアンポンタンはどういった関係でしょうか?

 日本語のアンポンタンは江戸時代の中期から使われている語です。
「アホウ(阿呆)」を薬名の反魂丹になぞらえて言ったことから生まれた
語で、「あいつはあの通りのあんぽん丹で、付ける薬がない」のような
言い回しで使用されていました。「アホダラキョウ(阿呆陀羅経)」という
語が「〜ダラニ(陀羅尼)」になぞらえて作られたのと同じようなものです。
中国語のポンタン(馬鹿)という語は知りませんが、上のような事情が
ありますので、日本語と関係付けるのはまず無理かと。なお、学生服
の「ボンタン」の由来は私の手持ちの資料ではわかりませんでした。
隠語・俗語の語源は本当に難しいですね。

>クールー(車輪)とクルマの関係も何かあるなと

 中国語のことはよくわかりませんのでお答えしづらいのですが、その
クールーとはどういう漢字で書く語で、また、どの地方の方言音なので
しょうか。

>「あいつトッポイんだよ。」のトッポイと朝鮮語のトッポイダ(目立つ)
>はやはり同系の言葉でしょうか?

 「トッポい」は古い例が見当たりませんねぇ。1915年刊の『隠語輯覧』
という隠語辞典に収められているようですので、少なくとも20世紀初頭
には存在したようですが。意味も、今は「生意気だ」「図々しい」のように、
決して良い意味では使いませんが、当初は「頓知があり利を見るに敏だ」
「抜け目がない」と、必ずしも否定的なものではなかったようです。問題
は朝鮮語と関係があるかどうかですが、朝鮮併合が1910年のことです
から、朝鮮語から入ったという可能性もまったくないとは言い切れません
ね。でも、正直かなり厳しいのではないかと思います。

 なお、個人的には「トッポい」は、思いがけないさまや奇抜なさまを意味
する「とっぴ(突飛)だ」という形容動詞(明治初期の用例あり)を形容詞
に再活用させたものではないかと思っておりますが、それは発音と意味
の両面で関連性が認められるという程度のことでして、それ以外にさし
たる確証があるわけではありません。

755 名前:ケムール人 ◆9s/SSlUk:2003/11/22(土) 01:-10 ID:4jo11yjE

うは、はずかすい。やっぱりここに書くには知能が足りなかった。
事例として
「とっぽい」というのは、うち(横浜)のあたりではよく使われて
ましたね。不良じゃないけど、ちょっと気の利いた、けれどもあぶ
なっかしいお兄ちゃんやお姉ちゃんに使われる言葉でした。
昔、集団就職で来たお兄ちゃんやお姉ちゃんが周りにいて、そうした
青少年を評するのによく大人たちが使ってた言葉です。>「とっぽい」

756 名前:ケムール人 ◆9s/SSlUk:2003/11/22(土) 01:-3 ID:4jo11yjE

尾藤イサオみたいなお兄ちゃん。>とっぽい

757 名前:只今蟄居中:2003/11/22(土) 01:18 ID:I1CEoVKA

>>755 ケムール人さん

 「トッポい」については、軽率な人を言う「トッパ」という語と関連付けた
方がいいかも知れませんね。「トッパ」自身は室町時代から使用されて
いる由緒のある語ですが、方言形として「トッポ」「トッポー」という語形も
存するようですし、意味の方も「おっちょこちょい」「うそつき」「いたずら者」
「変わり者」「おてんば」、そして「生意気で軽率で乱暴な若者」などの
意味で使用されています。特に最後に挙げた意味は「トッポい」とかなり
近いものと言えそうです。思うに、「トッピ」も一応「突飛」という漢字表記
を持ってはいますが、それはただの当て字で、その実態は「トッパ」と
つながる一連の語彙群なのではないでしょうかしら。

758 名前:ケムール人 ◆9s/SSlUk:2003/11/22(土) 03:-17 ID:4jo11yjE

言語学として云々できる立場ではありませんが
「トッポイ」については>>757で先生が引用されてる
語意とほとんど同じ意味で使用してました。

とっぽい=「尾藤イサオ」って、結構いい例だと思いません?

759 名前:Jake_USA:2003/11/22(土) 08:-4 ID:7f/GxXXs

電波じゃないですよ。私は数日前からトルコ語を勉強し始めたのですが、
この短い間で日本語・朝鮮語・満州語などと酷似している単語をたくさん発見することが
できました。トルコ語が無関係だと思えませんよ。むしろ、トルコ語は日本語と同様、
他の北アジアの言語に比べて、より古い語形を保存している様に思えます。
例えば。。。

「日」を意味する言葉:
古代トルコ語/kyn/(この場合、私が/y/を以て表している音素は円唇性の前舌高母音)> 現代トルコ語/gyn/
満州語/Sun/(仮名で書けば「シュン」です)、他のツングースの或る言語では/siun/というそうですが。。。
中世朝鮮語/h@i/(フイとホイの間ぐらいの音だったと思いますが)、現代朝鮮語の/he/(へ)

朝鮮語では/ni/が/i/に変わってしまう現象は古くに始まってじょじょに助詞を除く全語彙に及ぶようになったと
考えられるので、中世朝鮮語の/h@i/が古くは*/h@ni/(フニ、ホニ)の様な語形だったと容易に仮定できます。
ただし、朝鮮語では/ni/だけじゃなくて/ri/も音節の頭の子音が消失する傾向が強いので、*/h@ri/などだったと
仮定しても良いのですが、満州語やトルコ語との類似を考慮すれば、*/h@ni/と仮定した方が合理的でしょう。

ちなみに、前舌母音(特に前舌高母音)の前では、軟口蓋子音(/k/や/g/)が母音の前方の位置に釣られて/s/や/z/の様な子音に
変わってしまうことは非常によく起こる音韻変化の一つです。英語の"magician"がもともとスペルの通り「マギキアン」なのに、
「マジシャン」の様に発音されることを思い起こしてください。この事実から見ると、古代トルコ語の/kyn/と満州語の/Sun/(シュン)は
正に酷似の単語なのです。ちなみにこの音韻変化の現象は、子音が本来の調音点から移って硬口蓋で調音されることになるので、
「口蓋化」と呼びます。

朝鮮語の/ni/の/n/が脱落してしまうという現象はさっき述べた「軟口蓋子音の硬口蓋化」ほど一般的なものではないです。
しかし、朝鮮語が古い時代にとても異質な言語である漢語から強い影響を受けたと思われます。歯子音で始まる/ni/が口蓋化によって
硬口蓋鼻音という音で発音されるようになった後、さらに子音が消えては母音に鼻音性が残るだけとなって、結局は母音の鼻音性も
識別的な役割を失くして単なる/i/母音が残ったと考えられます。朝鮮語に見えるこの音韻変化は一般的には珍しい方だけど、シナ系の
言語なら起こってもおかしくありません。中国語の「日母」(「日」の字音の語頭子音)の発音も一時、正にその「硬口蓋鼻音」だったと
思われています。それが日本語の音読みでは「にち」、「じつ」などとなっていますね。よっぽど変な子音ですから日本人が上手く発音できなかったの
だろうと思います。現代マンダリン語では/r/と/z/の中間の様な独特な摩擦音となっています。

さらに朝鮮語に見られる/h/音ですが、これは今もなお由来が明らかになっていません。日本語の「し」で始まる単語
(「しろ(白)」など)によく対応する様ですが、元々/s/系の音ではなくて/k/系の音だったのかも知れませんね。

また、モンゴル語と日本語にはこの*/kyn(i)/「日」と同源っぽい言葉を見つけることが出来ませんでした。
日本語では日数を数える時に「か」(日)という要素が入っている単語を使いますが、「か」と*/kyn(i)/とでは関連性が
なかなか見えてきませんね。強いて言えば、日本語の「き(黄)」「くがね(黄金、後世ではもちろん「こがね」)」などに
見える*/kui/または*/koi/かなあ。でも私は今まで「黄」が「木」と同源だとてっきり思い込んできましたけどね。
古代ギリシャ語でもxylosは「木」のほかに「黄」という意味をもっていたので。木材の色を「黄」にたとえたのだとか、
それとも秋に黄葉する木に由来するのだとか考えていました。日本語のアクセントに詳しい方、「木」と「黄」の関係の
可能性についてご説明をお願いします。


760 名前:Jake_USA:2003/11/22(土) 08:-3 ID:7f/GxXXs

しかし他にはモンゴル語にも日本語にも通ずる単語もありますよ〜。。。例えば:

トルコ語/CaG/「時間、日付; 時代、時期; (何かについての)相応しい年ごろ、相応しい時(季節、時期等)
(トルコ共和国の共通語では「チャー」の様な発音になっています)

モンゴル語/cag/「時間、時期、季節、時代」

女真語*/sege/(漢字表記は「塞革」)「(過去に於ける)年、(年齢を言う時に数字に下接する)歳」
満州語/se/「年齢、歳」

後期中世朝鮮語および現代朝鮮語/jeg/「時、(何々をした)こと(がある)」(現代語では文法要素化してしまっています)

古代日本語/toki/「時」

もしかしたら漢語の「昔」や「時」なども同源なのでは? 私はシナ系言語の歴史的変遷について
詳しくないのですが。。。

761 名前:Jake_USA:2003/11/22(土) 08:03 ID:7f/GxXXs

ちなみに、女真・満州語および朝鮮語に現れる語形は古代日本語の/toki/を進化させることによって
簡単に得られます。モンゴル語・トルコ語の*/cag/はもう少し難しいのですが。


762 名前:蟄居閉門希望2:2003/11/22(土) 09:-6 ID:0FWF2VzI

ケムールさんと同郷だったらすい。
正確には僕は半島人ですが。

763 名前:Jake_USA:2003/11/22(土) 09:05 ID:7f/GxXXs

ちなみにトルコ語では助詞まで日本語にヤケに似ていますよ。
例えばさっきの「時」という単語をとってみましょう:

/CaGInda/ (トルコ共和国の標準語では「チャーインダ」の様に発音されています)= 「時に、(何々の)時代に於いて」

古代日本語の「時にて」に不気味なほど似ていると思いませんか?(「ときにて」ですが、現代語では「ときで」となるはずの
言葉ですね。でも日本人はみんな「ときに」といいますよね。まあ、「にて」という助詞もあるのですから現代日本語では「時に」だと
言う事実もさほど気にしなくても良いでしょう。)

764 名前:ケムール人 ◆9s/SSlUk:2003/11/22(土) 13:-11 ID:4jo11yjE

>>762

ワスは京浜急行の南太田だす。(もとは東北ダス)
多分、蟄居閉門希望2さんとは、駅一つか二つ
位しか違わんだす。

765 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/22(土) 14:-8 ID:JA88nzM2

タミル語とトルコの古代言語は面白そうですね。

766 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/11/22(土) 16:-19 ID:8y/y/Nxw

申し訳ないですが、ここではトルコ語と日本語の比較はスレッドの趣旨から
外れますのでひかえていただけませんか。

767 名前:蟄居閉門希望2:2003/11/22(土) 19:-24 ID:0FWF2VzI

いえ、僕は南太田から約10駅離れてるんす。
普通列車が倍増したときに急行があぼーんされて、
ファビョった口です。


768 名前:蟄居閉門希望2:2003/11/22(土) 19:-21 ID:0FWF2VzI

確かにサンライズ町、ゴールデン町は、半島人多いですが、
僕は三浦半島人、、、
もっぽという店で、半島情報を仕入れてますた。

769 名前:Seosomun:2003/11/22(土) 23:-22 ID:0FWF2VzI

スレ主さん今度はAAスレで良いファビョン中。
かえってきてー

770 名前:ケムール人 ◆9s/SSlUk:2003/11/23(日) 00:06 ID:rDRGhmVY

>蟄居閉門希望2さん

スレ立てろ。

771 名前:鄭聲之:2003/11/23(日) 02:-26 ID:oa1v7TYA

日本語とトルコ語の共通・類似は、
それはそれとして非常に興味がそそられJake_USAさんには期待大でつが、
別スレでやってもらえませんかね?

ちなみに漏れの住んでるとこは京浜急行と山手線が両方通ってるとこでつ。

772 名前:Jake_USA:2003/11/23(日) 11:04 ID:z3dqkncg

じゃあ、「鶏林類事」の全語彙注釈に戻ります。この作業が終わったら、全部をまとめて
色々な統計表とか作ってみたいですね。どのぐらいの高麗語が後期中世朝鮮語に受け継がれて、
そしてさらにどのぐらいの後期中世朝鮮語が現代朝鮮語に受け継がれているのかとか。

155.自称其妻曰細婢 = これは「漢吟」と対照的に、自分の妻を卑下して呼称する単語でしょう。
              「細婢」って、漢語に由来するのでしょうか?
156.男児曰了妲  = 後期中世朝鮮語の/ad@r/そして現代語の/adyr/。「むすこ」の意味です。
157.女児曰宝姐  = 後期中世朝鮮語の/sd@r/そして現代語の/ddar/。「むすめ」の意味です。
             これは非常に面白い一例ですね。後期中世語で/sd@r/と表記していた単語が
             前期中世語の*/bod@r/に遡る様ですね。やはり後期中世語でも既に/s+子音/という
             表記は現代語に於けるいわゆる「濃音」を書き表すための手段となっていたの
             ではないでしょうか。もちろん、/s+子音/が実際にそのまま子音群を表していた場合も
             あるというのも否定できない事実ですから、現代の我々の様な研究者にとっては
             かなり紛らわしい表記法ですねえ。参照:後期中世語/sdeg/=現代標準語/ddeg/、
方言では/sidegu/など様々(意味は「米の粉から作ったお餅」。明らかに日本語の
            「しとぎもち」、「おしとぎ」などと同源ですね)。後期中世語/sdo[ng]/=現代標準語/ddo[ng]/、
             方言では/sido[ng]/などなど(意味は「糞」です)。/st/以外の/s+子音/の形をもつ子音群が
             実際の音価でも/s+b/, /s+g/の通りだった、という証拠は存在しますかね。。。
             とにかく、この前期中世語の*/bod@r/「むすめ」の/d@r/という部分と
             中世語の/ad@r/「むすこ」に見える/d@r/はどうも関係がある様に見えますね。
158.父呼其子曰了加  = 後期中世語および現代語の/aga/(「我が子よ!」みたいな呼称です)。
               恐らく朝鮮語の/agi/「赤子;むすめや嫁を呼ぶ語;(動植物の名称の前に付いて)
               動植物が幼稚であることを表す、または動植物の若いものを可愛がって呼ぶ語を形成する要素」に
               朝鮮語の呼格助詞/-a/(日本語の「よ」の人名などの後に付ける用法に相当)が
               付いて出来た語だと思われます。ただし後期中世朝鮮語の呼格助詞には/-a/の他に
               /-ha/という尊敬語も存在しました。

773 名前:Jake_USA:2003/11/23(日) 11:06 ID:z3dqkncg

159.孫曰了  = たしか、これと次の項目の「寸曰了姐」が何だか変な風に表記されていましたよね。
          「了」だけじゃ朝鮮語では意味をなしませんね。現代語では孫のことを/sonja/(孫子)、
           女性なる孫を/sonnie/(孫女)、または単に/son/(孫)とかいいます。いずれも
           漢語ですね。でも、前期中世語に*/a/乃至*/@/の様な単語が実際にあったと仮定しなければなりませんね。
           満州語の名詞には指小辞らしきもので/-hUn/または/-gUn/と現れる要素があり、
           指小辞が「子」という意味の単語から発達することが多いのだから、「孫曰了」はもしかすると
           */ha/または*/h@/の様な語形で、「子」>「孫」の様な意味をもつ単語を表していたのかも
           知れません。ここに関して日本語の「こ(子)」も持ち出したら怒られるかなあ?(汗 そういえば、
          「むすこ」をいう後期中世朝鮮語/ad@r/が*/a/と*/d@r/に分けられる様でしたね。その*/a/も「孫曰了」の
           */a/, */@/と同源なのでは。。。? あれ?! /d@rh/というのは、後期中世語の名詞の複数形を作る
           接尾辞でしたね! しかも/d@rh/の語末の/h/は後に母音で始まる助詞が続く場合に限って現れるのですね。
           /ad@r/「むすこ」に母音で始まる助詞が下接した語例を見たことがないからはっきり主張できませんが、
           朝鮮語の/ad@r/はもともと日本語の「こ+ども」(子の複数)>「こども」(単に「子」)の様に
           発展して出来上がった単語なのかも知れません。そうすると、*/bod@r/「むすめ」の*/bo/が
          「女子、むすめ」の様な意味をもつ要素だったという結論になるでしょうね。ふ〜む。。。私は
           あまりに深く掘り下げているのでしょうか。。。
160.寸曰了姐 = これもまた変ですね。「寸」って家族構成のコンテクストでは血縁がどのぐらい離れているのか
           数えるときに使う助数詞とか、血縁の遠近の度合いを表す単語ですが、この項目は何だか
           よく分かりませんねえ。「了姐」という音写も謎ですし。しかし、後期中世語では伯父・叔父を
           /ajabi/といい、伯母・叔母を/aj@mi/といったのは確かで、父・母の呼称はそれぞれ/abi/, /emi/だったので、
          「寸曰了姐」の「了姐」がおじさん・おばさんを呼ぶ語に見える*/aj/と同源なのかも知れませんね。
161.舅曰漢子秘 = これはきっと「漢了秘」の誤写でしょう。「祖」の意味の「漢子秘」と同一の単語です。後期中世朝鮮語の
            /hanabi/「祖父」に対応します。高麗時代の朝鮮人は、少なくとも家族関係を表す語彙については
            今ほど漢化されていなかった様ですね。

774 名前:Jake_USA:2003/11/23(日) 11:28 ID:z3dqkncg

>>「159.孫曰了」への補足:

今、後期中世語の/ad@r/「むすこ」の*/d@r/という部分が後期中世語の複数形を作る
接尾辞の/-d@rh/と同源であるという仮定を試すために、同じく同源であると仮定していた
/sd@r/「むすめ」の曲用例をさがしました。しかし、/sd@r/は/sd@r-@i/「むすめの」などと
いう風に曲用した様ですから、その*/d@r/という部分が複数形を作る/-d@rh/と同源だという
仮定は少し弱くなってしまいました。まあ、語末の/h/音なんかそもそも消失しやすいものだし、
特にもともと複合語だったものが単語化してしまったのなら語末に不規則な音韻変化が起こっても
無理はありませんね。自分の許せる範囲に入るかどうか考えて、皆様が私の仮定を捨てるかどうか
決めてくださいね。

775 名前:Jake_USA:2003/11/23(日) 11:30 ID:z3dqkncg

162.姑曰漢子彌 = これもまた「漢了彌」の誤写でしょう。これに当たる単語は実は後期中世語にも現代語にも見当たりませんが、
            明らかに「大し」の意味の古語/ha(-da)/の連体形/ha-n/と「母」の意味の/emi/とから成る合成語です。
            現代語では女性から見た姑を/simo/([女思]母)とか、/si-emeni/([女思]オモニ)とかいいます。この[女思]という
            漢字は中国語でも日本語でも使われない様ですが、日本語の「しうと(舅)」や「しうとめ(姑)」に見える「し」と
            同源のはずです。日本語の「しうと」や「しうとめ」は明らかに*「しひと(シ人)」や*「しひとめ(シ人女)」に遡りますから。
            ちなみに現代語では祖母のことは/jomo/(祖母)とか、/harmeni/とかいいます。/harmeni/も明らかに*/ha-r-ema-nim/(大き母様)に
            由来しますね。*/ha-r-ema-nim/に現れる/-r/で終わる連体形はよく「不確定の連体形」と呼ばれるものですが、日本語の形容詞の
            終止形語尾の「し」、それにもしかすると動詞の過去形の連体形語尾の「し」と同源なのではないかと思ったりします。
            後期中世朝鮮語のハングル資料では動詞の/-r/不定分詞は特別な表記法(/-r+声門閉鎖の様な表記)を以て書き表されていたので、
            この/-r/には他の/r/音とは少し違う、特有の音質があったのではないかと思います。朝鮮人はのちにその二種類の/r/音を区別しなくなって
            しまいましたが、その理由は恐らく、二種類の/r/音がcomplementary distribution(相補的分布)にあったからであろうと思います。
163.婦曰了寸  = 後期中世語にも現代語にもない単語ですが、恐らくモンゴル語からの借用語だと思います。
            モンゴル語では婦人・奥様・姫様・皇后様のことを/xatun/(ハトゥン)といいますよね。トルコ語でもまた婦人や奥さんのことを/kadIn/(カディン)と
            いいます。後期中世朝鮮語では女性や妻のことを/gas/といいましたが、これも同源なのかも知れませんね。

776 名前:ケムール人 ◆9s/SSlUk:2003/11/23(日) 12:09 ID:rDRGhmVY

>確かにサンライズ町、ゴールデン町は、半島人多いですが、

日の出町、黄金町ね(わら。しばらく考えちゃった。


777 名前:Jake_USA:2003/11/23(日) 13:-9 ID:z3dqkncg

今思い出したんですが、『鶏林類事』の編者が高麗の書法に基づくと
見られる「了」字(日本語の片仮名の「ア」に相当するのでしょうか)を
使っている様ですから、他にも高麗の正書法みたいなものに基づく音写が
使われている可能性もあるのではないでしょうか? それとも、「了」字を
「阿」の略体字として使うのは中国でも一時的に流行ったのでしょうか?

皆様のご意見を聞かせてください。音写を中国漢字音に基づくものと見なすか、あるいは
朝鮮漢字音に基づくものと見なすかによって、私の解釈が変わるかも知れないのです。

778 名前:Jake_USA:2003/11/23(日) 14:-18 ID:z3dqkncg

>>「159.孫曰了」への補足〜其の弐〜

ええっと、後期中世朝鮮語では「子供」をいう語は/ah@i/でした。現代語では
/ai/となっています。私はさっき、「158.父呼其子曰了加」でも言及しましたが、
朝鮮語にはまた/agi/という単語があって、これは主に「赤子」という意味ですが、
自分の娘または息子の嫁さんを呼んだりする時にも言います。/aga/は/agi/の
呼格形っぽかったけど。。。私は今から新説を唱える準備をします。

779 名前:阿木林:2003/11/23(日) 17:-14 ID:rfODDy7o

ホームグラウンドの上海から帰ってまいりました。
突っ込みたいところが満載ですが、ちょっと疲れてるので
のちほど。月曜日になってしまうかもしれません。
日本語とトルコ語の比較、高句麗語の再構という
観点からは必要な視点だと思いますよん。
黄金町方面の話題よりはナーw

780 名前:阿木林:2003/11/23(日) 17:-7 ID:rfODDy7o

あ、ジャケウサさんの質問に答えてないですね♪
漢字音がどっちのものか、という問題なんですけど、
自分の観点ではどちらでも問題なさそうなんです。
朝鮮の漢字音はこの時代に宋あたりから入ってきたものが
基礎となっているはずなので、朝鮮音で再構しようが、
宋音で再構しようが、それほど大きな問題にはならないのでは
ないかな、というのが私の感想です。

「了」みたいな吏読文字?が使われているのは、やっぱり高麗人の
手による資料が反映されていると考えざるを得ないですねぇ。

781 名前:Jake_USA:2003/11/23(日) 18:-18 ID:z3dqkncg

164.母之兄曰訓鬱 = 後期中世語にも現代語にもない言葉です。「鬱」は現代朝鮮語の
             /ur/「親族、親戚、自分と同じ血をひく者たち」と同源なのかなと
             思いますが、/ur/は何だか日本語の「うぢ(氏)」を彷彿させるから
             迷ってしまいます。しかし、一般的に朝鮮語は日本語の訛りみたいなものだと
             解釈しても間違いない様なので、「鬱」が「うぢ」じゃなくて日本語の
             「をぢ」(小父、叔父、伯父)と同源だと仮定しても良いかも知れません。
             もちろん日本語の「をぢ」は「を(指小辞を作る接頭語)」+「ち(父;男性を
             敬って呼ぶ語)」の合成語ですけど。「訓」の字はどう解釈すれば良いのか
             分かりません。「大きい」という意味の前期中世語「黒根」(後世の/ky(-da)/の
             連体形に当たるもので、恐らく*/hyg-yn/と読むべき)がこの複合語に於いては
             早くも訛ってしまって、「訓鬱」が*/ky-n-ur/(大きな小父?或いは大きな親戚?)の様な
             単語を音写したものと考えられるのでしょうか。私の知っている限り、「訓」の中古音は
             /hiun/の様な音だったはずですが。。。*/ky-n/を表した可能性は少し低いでしょう。      
165.母之弟曰次鬱 =これも謎ですね。「鬱」はきっと前項の「訓鬱」に見えるのと同じ要素を表したのでしょうが、
           「次」はそのまま漢語の「次」(位が一つ劣る、次位)に遡る可能性があるかも知れませんね。
166.姨[女今]亦曰了子彌 = 高麗の人々がおばさんのことを、「父の姉」「父の妹」
                「母の姉」「母の妹」の区別なく皆*/aj@mi/と呼んでいた
                証拠ですね。>>「145.叔伯母皆曰了子彌 」参照。
                やっぱり高麗には漢族の風習・習慣がまだまだあまり
                浸透していなかったのでしょうか。

782 名前:Jake_USA:2003/11/23(日) 18:-13 ID:z3dqkncg

167.頭曰麻帝  = 後期中世語の/mari/「頭;髪」および現代語の/meri/「頭;髪」、
            /-mari/「家畜などの動物を数える助数詞」に相当。しかし「麻帝」という音写からすれば、
            発音は前期中世語の頃では*/madi/或いは*/mad@i/だった様ですね。
            もしかして日本語の「まろ・まる(丸)」、「まり(鞠)」、「まとか・まどか(円か)」などの
            語群と関係があるのでは? 日本人の祖先が敵の頭蓋骨でサッカーをやっていたなんて
            言い張りませんが。。。もともとの意味が「丸っこい物」という事だったように祈りましょう。
            しかし、日本書記や古事記に書いてある伝説からすれば、日本人の祖先が「マリ(=頭)」を
            「まり(=鞠)」と混用していたと考えてもおかしくないかも知れません。。。何でしたっけ?
            倭建命(やまとたけるのみこと)が熊襲族の一人の梟帥(たける、すなわち異種族の長の呼称)をば
            剣を尻の穴から貫いて殺し、もう片方の梟帥をば熟れた瓜の様に真っ二つに切り裂いたとか。。。*ブルブル*
            何だかホモエロチックだし。昔の天皇陛下の皇子さんがゲイでしかもSフェチだったとか。*メモメモ*
168.髪曰麻帝核試 = 「麻帝」は前項と同じく「頭;髪」という意味ですね。「核試」はとなるとよく答えられませんが。。。
              編者が「核」の字音の終声を保存しない方言の話者だったとすれば、日本語の「かしら(頭)」または
              日本語の「け(毛)」と同源だと仮定しても良いかも知れませんね。「核試」が朝鮮語の/gaji/「枝」と
              同源なのかなとも考えましたけど、「試」は朝鮮語・日本語・私の知っている限り全ての中国語の方言でも
              語頭が/s/音となっているので、朝鮮語の/gaji/「枝」の/j/の様なts音やch音を表した可能性が低いと思います。
              それに、「核試」の「核」は語頭音が紛れもなく/h/音なので、なぜ後期中世語および現代語では*/haji/じゃなくて
              /gaj/とか/gaji/となっているのがなかなか説明できませんね。

783 名前:Jake_USA:2003/11/23(日) 18:-11 ID:z3dqkncg

169.面曰捺翅  = 後期中世語の/n@c/および現代語の/nac/「顔;面目」に当たります。「翅」は中国語では巻き舌の「チ」ですから、
            音写がよく合っていますね。ただ、語末に「翅」が表すような/i/母音が本当にあったかどうか疑問です。
            恐らく主格形の/n@c-i/「顔が」を音写したのか、それとも漢字音には/c/終声のものがないから仕方なく
           「翅」で代用したのだと思います。
170.眉曰嫩歩  = 「嫩」は間違いなく後期中世語および現代語の/nun/「目」と同源の言葉を表していますが、
            「歩」はよく分かりません。きっと*/bu/乃至*/bo/を音写しているはずですが、その様な要素は
             現代朝鮮語の/-bo/(「ある性質を有する者」とか、「ある動作をしきりに行う者」の意味をもつ接尾辞)と
             後期中世朝鮮語の/bo/「鋤;鋤の刃」のほかにはありません。「眉曰嫩歩」の「歩」が後期中世語の
             /bo/「鋤;鋤の刃」と同源だととりあえず仮定しましょうか? ちなみに「眉」をいう後期中世語は
             /nun-seb/で、現代語では/nun-sseb/となっています。この/seb/という要素も意味不明ですが、私は日本語の
             「そば」、「そは」(側、崖とか語義多々)と同源なのではないかと考えております。
171.眼曰嫩 = 後期中世語および現代語の/nun/ですね。アイヌ語の「見る」という動詞の語幹、即ち/nu(-kar)/にかなり似ていて
          怪しい単語です。日本語の「め(目)」と同源だと考えている学者が多い様ですが。。。その理由が
          私にはよく分かりません。多分、日本語に「なみだ(涙)」という単語が存在するから
          「なみだ」を「な」と「みだ」に分けて、前者を朝鮮語の/nun/と、後者を日本語の「みづ(水)」と
          関連付けようとしているのでしょうね。後期中世朝鮮語では涙を/nun-z-myr/または/nun-s-myr/「目の水」といい、
          現代朝鮮語でも同じく/nun-mur/といいますから、一見もっともらしい分析なのですが。。。
172.耳曰瑰 = 後期中世語および現代語の/gui/です。この語も「目」をいう/nun/と同様、前期中世語の頃からずっと
          変化していない様ですね。日本語の「きく(聞く)」という動詞の語幹と同源だと考える人が多いです。

784 名前:Jake_USA:2003/11/23(日) 18:29 ID:z3dqkncg

ちなみに私は前述した朝鮮語の/n@ch/「顔;面目」が日本語の「なさか」、「なさが」(「なさか立たぬ」という形で
多用された表現ですが)と同源の可能性があると思います。朝鮮語の歴史的変遷に於いて、/sk/が/c/に変わるのが普通ですから、
*/nasaka/または*/nasake/(「顔;評判」?)の様な言葉が訛って*/n@s@k/になり更に強勢の置かれない語中の
音節の母音が脱落して*/n@sk/に、事の果て(*/n@sk-i/という主格形の影響によってか)、*/n@sc/ > /n@c/ > /nac/になったのだと
考え得ます。もっと古い語源は、「さか」「さが」が「険しく立っているもの」(日本語「さがさがし(険々し)」参照)という意味で、
単語としての意味がもともと「鼻」だった可能性があるのでは? 「鼻が立つ」=「面目が立つ」としても無理は無かろう。
ということは、*/nasaka/乃至*/nasake/は「名鼻」なのでしょうか?! それとも「な(名)」自体がもともと
「顔」という意味だったとか。。。「顔坂」ということか。。。ふ〜む、ここら辺は私の勝手な想像ですから、あまり気に
なさらないでくださいね。


785 名前:Jake_USA:2003/11/23(日) 21:-22 ID:z3dqkncg

そういえば、倭の阿倍比羅夫(あべのひらぶ)という武将が水軍を率いて粛慎国(みしはせのくに)を討ったと
日本書紀のどこかに書いてありませんでした? 「粛慎(音読み「しゅくしん」、訓読み「みしはせ」)」は
「女真」(=女真族、即ち満州人の祖先)に言語的・文献的に通ずるはずですが。。。日本書紀の記す「粛慎」は本当に
満州人・ツングース諸族の祖先である「粛慎」>「女真」と同一の民族を表しているつもりなのでしょうか。。。
阿倍比羅夫将軍はのちに百済救援のために朝鮮半島へ渡ったと書かれていますが、その甲斐が無く新羅と唐の連合軍に
大敗したのですね。何故高句麗が参戦しなかったのでしょうか? 高句麗は自国も間もなく滅亡する運命だって
予期できたはずがないでしょう? 謎ばかりですね。白村江の戦いで百済・倭が惨敗することで百済復興の企みが
成し遂げられないまま百済の王族や貴族らがほとんど日本に逃げて行ったそうですね。百済の王族の人たちは確か、
日本に亡命した後もしばらく「余」の姓を名のっていましたね。「余」って、どこから来た姓ですか?「夫余」の「余」の
字をとった可能性は無いでしょうか? まあ、とにかく百済復興の策が失敗に終わって以来、豊臣秀吉のアホが李氏朝鮮を
侵略する時まで、倭はずっと統一新羅や高麗の事にあまり影響を及ぼせなかったみたいですね。

私は言語学者として何よりも気になるのが「粛慎(みしはせ)」という民族名の由来ですが。。。
女真族(=満州人)と同系だった(或いは女真族の祖先であった)と思われる種族には「勿吉」(494年に夫余国を滅ぼした一族)が
ありましたね。「勿吉(もっきつ)」は、後世、高句麗の遺民と手を組んで渤海国を建国した
「靺鞨(まっかつ、日本では「まか」とも呼ばれた様です)」といかにも同源っぽいですね。
「粛慎(みしはせ)」の「は」が*/pa/ではなく*/ha/を表したのなら、「みしはせ」という呼称が
「勿吉(もっきつ)」や「靺鞨(まっかつ)」と同源の可能性があるなあとふと思いました。はい、
それだけでした。結論の無い話をしてしまってごめんね!

786 名前:エスペランサ鏡国:2003/11/23(日) 22:-13 ID:8Hv9voXA

>蟄居中さま
恐縮です。ただの思いつきでした。
一様グール(車輪)はよく使う言葉で
漢字は
車ヘンに古 が グー(gu)で
車ヘンに鹿 が ルー(lu)
ひょっとしたら人力車なんかと一緒に
入った日本語のクルマの当て字かも分かりません。
トッポイ兄ちゃんといえば
やっぱり水谷豊かな。傷だらけの天使。
ちょっと弱いか。リーゼントにした津坂巨章
尾藤イサオねえ。何かジェリー藤尾と区別つかねえなあ。
集団就職系と言うと一昔前だなあ。

787 名前:エスペランサ鏡国:2003/11/23(日) 22:02 ID:8Hv9voXA

そういやこないだ大連で生まれてはじめて満族の人とあった。
マンズーの女。友達の友達。ああこの人があの話に聞く女真人かと思って。
名前はたしか普通の漢族とおんなじような感じで、なんかプライドが
高そうだった。怖くて歴史だの言語の話なんかできんかった。
その人も一人っ子政策だか少数民族特典だかで満族になったり
漢族になったり忙しいらしいけど。

788 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/23(日) 23:27 ID:FvrZ8uME

>>785

>「粛慎(音読み「しゅくしん」、訓読み「みしはせ」)」

訓読には「みしはせ」と「あしはせ」の2説がある。岩波古典文学大系はミシハセ説をとっているが
写本の古訓表記から最近ではアシハセ説が再評価されている。

>日本書紀の記す「粛慎」は本当に満州人・ツングース諸族の祖先である「粛慎」
>「女真」と同一の民族を表しているつもりなのでしょうか。。。

斉明紀の記す「粛慎」は時代からいって靺鞨で問題ないでしょう。
根拠のある異論って、ありえます?

>阿倍比羅夫将軍はのちに百済救援のために朝鮮半島へ渡ったと書かれ
>ていますが、その甲斐が無く新羅と唐の連合軍に 大敗したのですね。

白村江の戦いの際の倭軍の総大将=最高司令官は阿倍比羅夫ではないです。

>何故高句麗が参戦しなかったのでしょうか? 高句麗は自国も間もなく
>滅亡する運命だって 予期できたはずがないでしょう? 謎ばかりですね。

高句麗はそれ以前から隋や唐と戦っており挙国臨戦体制が継続していましたよ。
従って「中国による三国の平定」としてみれば、白村江の戦いはその一部であり
ある意味、高句麗は倭と同じ戦争に参戦していたと十分にいえると思う。

>白村江の戦いで百済・倭が惨敗することで百済復興の企みが 成し遂げられ
>ないまま百済の王族や貴族らがほとんど日本に逃げて行ったそうですね。

百済復興運動(ゲリラ活動)はその後も長く続きましたが?

>「余」って、どこから来た姓ですか?「夫余」の「余」の字をとった可能性は無いでしょうか?

つーかそれが通説でしょう。それ以外に代案でもありうるんでしょうか? 

>まあ、とにかく百済復興の策が失敗に終わって以来、豊臣秀吉のアホが李氏朝鮮を
>侵略する時まで、倭はずっと統一新羅や高麗の事にあまり影響を及ぼせなかったみたいですね。

新羅や高麗は中国だけでなく日本にも朝貢していましたし、秀吉以前の日本側には
新羅や高麗にちょっかい出す必要がそもそもなかったんじゃないですか。
初期の倭冦あるいは細川や大内などはかなり影響を及ぼしたように思います。
秀吉がアホだともとくには思いませんが。

>「勿吉(もっきつ)」は、後世、高句麗の遺民と手を組んで渤海国を建国した
>「靺鞨(まっかつ、日本では「まか」とも呼ばれた様です)」といかにも同源っぽいですね。

勿吉がのちに靺鞨になったというのも通説だと思いますが?
ちなみに「まか」というのは昔の仮名表記で、撥音便の表記がないだけで読みは「まっかつ」なのでは?
「けむしのきみ」と表記されてても読みは「げんじのきみ」(源氏の君)というのと同じ。

>「粛慎(みしはせ)」の「は」が*/pa/ではなく*/ha/を表したのなら、「みしはせ」
>という呼称が 「勿吉(もっきつ)」や「靺鞨(まっかつ)」と同源の可能性がある

ちょっとそれだけではどこが似てるのかピンと来ませんが?
もう少し詳しくいってもらえませんか?

789 名前:エスペランサ鏡国:2003/11/24(月) 00:06 ID:d.USXfiI

読んでると
何か高句麗の言葉と南朝鮮の田舎ことばと似てるなとか思って
面白いね。
何だっけ? おじさんのことアジェとかアジア
親父のエビとかお袋のエミ それからガキのアーとかアルラー
一番笑ったのは娘のカスン、カスナーとか今も罵詈雑言言うとき
使うもんね。ムンデイーカスナー(瘡持ちアマ)とか。
モンゴル語だとは知らなかったねえ。
何だよ田舎は今も中世かよとか思った。

790 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/24(月) 01:-1 ID:2liqmEXU

また高句麗と高麗を混同してるのねん?

791 名前:Jake_USA:2003/11/24(月) 03:25 ID:/73U6u.s

>>「170.眉曰嫩歩」への補足

すみません! 一つの可能性を見過ごしていました。後期中世朝鮮語には/boh/「梁」という単語が
ありました。この語は方言では今もなお/bo/という語形で単独で使われることがあるみたいですが、
標準語で普通に使われる語形は今は複合語の/dyr-s-bo/だと思います。/dyr-s-bo/に現れる/dyr/という要素は
単語としては死語なので、どういう意味をもっているのかよく分かりません。古代新羅語・百済語・高句麗語に
「梁」という意味の語と複合しそうで/dyr/の様な語形をもったものが見えますか?

とにかく私は『鶏林類事』に現れる「眉曰嫩歩」の「嫩歩」が*/nun-boh/「目梁」または*/nun-s-boh/「目の梁」という
風に出来上がった複合語かも知れないと思ったのです。「歩」字は入声(急降トーン)なので/h/で終わる/boh/の様な高麗語を
音写するのにピッタリだったのかも知れません。

792 名前:Jake_USA:2003/11/24(月) 09:07 ID:/73U6u.s

>>788の名無しさん:

  ご返事ありがとうございます! かなり詳しいんですね。「粛慎」の正しい古訓が
「アシハセ」だと研究がなされたのですか? どういう表記が「ア」を表していたのに
「ミ」と誤読・誤写されたのでしょうか? もし教えていただければとても嬉しいです。
お願いします!

>>斉明紀の記す「粛慎」は時代からいって靺鞨で問題ないでしょう。
>>根拠のある異論って、ありえます?
確かに七世紀の半ばごろなら「粛慎」は狭義ではもう存在しておらず「粛慎」の子孫(或いは一分派?)である
と思われる「靺鞨」を表しているはずですよね。でも、日本書紀の記すところの「粛慎」が実は本来の中国史書に
見える「粛慎」とは無関係の民族を表しているものだと主張する学者がけっこう多くいるみたいです。
阿倍比羅夫が水軍を率いて「渡島(わたりのしま)」とかいうところに渡って行って大河のほとりで粛慎と戦って平定したとか
書いてあるのですよね? 日本書紀の粛慎が「渡島」という地に住んでいた事から、日本書紀の記す「粛慎」と本来の中国側の
史書に見える「粛慎」とが同一民族であるはずがない、というのです。私も正直言って、「阿倍比羅夫がワタリノシマ(=海の中の島?)へ
渡って野蛮人である『粛慎』(野蛮人の種族の総称なのでは?)を平定したのだ」という解釈が間違っているとは主張できません。
しかし、日本語の「しま(島)」が実はもともと「島」の意味じゃなくて、「占める」という動詞と同源で「領土;ある種族の占領している地域」とか
「はっきりした境界のある区域、区切られた土地」とかいう意味だったのなら「渡島」と漢字で書いたのは倭の言語習慣に因るものだったのかも
知れませんね。

>>白村江の戦いの際の倭軍の総大将=最高司令官は阿倍比羅夫ではないです。
あっ、すみません。私が読み間違えたのでしょうね。

>>百済復興運動(ゲリラ活動)はその後も長く続きましたが?
これも私は知りませんでした。どの国の史書に収められているのですか?

>>新羅や高麗は中国だけでなく日本にも朝貢していましたし、秀吉以前の日本側には
>>新羅や高麗にちょっかい出す必要がそもそもなかったんじゃないですか。
>>初期の倭冦あるいは細川や大内などはかなり影響を及ぼしたように思います。
>>秀吉がアホだともとくには思いませんが。
倭寇はただ品物を盗んだり人を奴隷の様に連れ帰ったりしただけじゃないですか?
高麗・朝鮮の文化に大きな影響を与えたとは思っていませんでした。秀吉がアホというのは、
外国でしか通用しない話なのかな。。。(汗 たしか、猿顔で貧民の出で、死に物狂いで
アジア全域または全世界を征服しようと思ったけれど間もなくちゃんとした継嗣も残さず
死去したのですね?

>>ちなみに「まか」というのは昔の仮名表記で、撥音便の表記がないだけで読みは「まっかつ」なのでは?
たしかに「まか」と書いてあるのが訛りを示しているのではなく、単に「まっかつ」と発音されていた名称を
別の風に仮名表記しただけかも知れませんね。

>>ちょっとそれだけではどこが似てるのかピンと来ませんが?
>>もう少し詳しくいってもらえませんか?

ん〜、もし粛慎の正しい訓読みが/mi[sh]ihase/だとすれば、それを「ミシ」と
「ハセ」に分けて、前者の「ミシ」を勿吉・靺鞨の「勿」とか「靺」の部分に当てて、
後者の「ハセ」を「吉」とか「鞨」の部分に当てる、という事は有り得なくもないなあと
思っただけですよ。ただ、古代日本語の「ハ行」の仮名が常に*/pa/等の音を表していて、
「シ」がまだまだ/[sh]i/の様に口蓋化していなかったとするのが通説ですよね。私は
必ずしもその通説に賛成できませんが。。。「粛慎=ミシハセ」という名称については
資料がそもそも乏しいという事情もあって、根拠のある学説を立てることがなかなか出来ませんね。



793 名前:Seosomun:2003/11/24(月) 10:-7 ID:9qS6CJQQ

以前林巨正というドラマで、
ちょん髷をして日本刀振り回す倭寇が出てきて
笑いますた

794 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/24(月) 10:12 ID:0J52Dplg

1猿顔で
2貧民の出で、
3死に物狂いでアジア全域または全世界を征服しようと思ったけれど
4間もなくちゃんとした継嗣も残さず死去
5秀吉がアホというのは外国で通用

だからアホだと?>>792の方が途方もないアホとしか思えないが。

795 名前:Jake_USA:2003/11/24(月) 11:09 ID:/73U6u.s

173.口曰邑  = 後期中世朝鮮語の/ib/「口;出入り口、門」または/ip/「部屋の戸、出入り口」、
           そして現代語の/ib/「口、特に唇のあたり; 口癖、口、言葉遣い、言葉に出して言うこと; 扶養すべき家族、
           世帯主に依存している人たち; 味覚、食べ物の嗜好;(鳥の)くちばし」に相当します。
           日本語の「いふ(言ふ)」と同源だとする説は昔からある様です。私は古代日本語の
          「いひ(「飯」と漢字表記しますが、本当の意味は調理した穀物から作る食べ物の総称)も
           非常に古くは同源の言葉かも知れないと思います。
174.歯曰[人尓] = 後期中世語の/ni/および現代語の/i/。「歯」を言う語には他に漢語に由来する敬語の
            /ci-a/(「歯牙」の字音)と固有語に由来する卑語の/i-bbar/とがあります。/i-bbar/の
            /bbar/という部分の由来は不明ですが、恐らく朝鮮語の古い属格助詞である/-s/と
            不明の要素*/bar/とから成っているのではないでしょうか。即ち、私は卑語の/i-bbar/が
            */ni-s-bar/という語形に遡ると考えております。/bar/といえば朝鮮語では「足」の意味ですが、
            /bi-s-bar/「雨の足」とか/nu:n-s-bar/「雪の足」という様に、日本語と同様に
           「雨脚(あまあし)」の様な表現を多用します。日本語の「あまあし」が漢語の訓読に由来する語だと
            日本の国語学者は主張している様ですが。他に*/bar/という要素が化石化して残っている
            朝鮮語といえば、/gi-s-bar/「旗」(「旗の足」という様に見えるのですが、本当の語源は
            どうなのでしょう?)ですね。ちなみに/gi-s-bar/の/gi/は紛れもなく漢語の「旗」ですよ。
           「梁」を意味する/dyr-s-bo/も何だか似た構造の複合語ですね。最後にひとこと言わせていただきますと、
            単なる憶測に過ぎないのですが、私は朝鮮語の/ni/「歯」が日本語の「ね(嶺)」あたりの単語と
            同源なのではないかと考えております。

796 名前:Jake_USA:2003/11/24(月) 11:10 ID:/73U6u.s

175.舌曰竭  = この語の再構は難しいですね。「竭」の中古の頃の字音といえば、恐らく*/gie(t)/(上昇調)の様な
           音だったはずですが、後期中世朝鮮語および現代語に見える「舌」という語は/hie/または/se/でしたね。
           現代標準語では/se/は/so:-i-se/「牛タン」の様な複合語にしか残っておらず「舌」をいう単独形は/hie/ですが、
           方言にはまだまだ/se/と言う所もある様です。/hie/および/se/はきっと同じ祖形に遡ると思いますが、「舌曰竭」という
           音写からその祖形の語頭子音が恐らく*/g/または*/k/だったということが分かりますね。/kie/とか/kiel/の様な語形で
          「舌」という意味の語は北ユーラシアの凄まじく広い地域で使われており、現代朝鮮語の/hie/もそれらの語と同源だろうと
           思わされますね。日本語の「した(舌)」も多分、同じ語群に含めても良いと思います。漢語の「舌」もひどく気になるところですね。
176.面美曰捺翅朝勲  = 後期中世語では/n@c(-i) dioh-@n/、現代語では/nac(-i) joh-yn/「顔(が)良い」となります。もちろん、現代語では
               母音間に挟まれた/h/は発音されないので、[joyn]の様な発音になります。後期中世語の/dioh(-da)/および現代語の/joh(-da)/「良い」が
               日本語の「よし(良し)」と同源かと思ったりしますが、古代日本語には「えし」という語形も現れるので、少し複雑な
               由来の語と見るべきかも知れません。/n@c/「顔;面目」については前述したので省きます。
177.面醜曰捺翅没朝勲 = 後期中世語では/n@c(-i) mot dioh-@n/、現代語では/nac(-i) mo:s joh-yn/「顔(が) 没 良き」(顔の良くない、即ち醜いという意味)と
               なりますね。現代語では「不能」のニュアンスを含む否定詞は/mos/の様にハングル表記されますが、発音は常に[mo:t]ですね。
               現代朝鮮語では音節末の/s/、/d/、/t/、/j/および/c/は区別されないのです。直後に母音で始まる助詞が続く場合に限って本来の区別が
               実現するのです。この「面醜曰捺翅没朝勲」という項目は、高麗語の文法が後期中世朝鮮語の文法とさほど異ならない事と、漢語くさい
               否定詞の/mot/が既に使用されていた事とを示してくれる以外、あまり面白い点が無い様に思われます。

797 名前:Jake_USA:2003/11/24(月) 12:-26 ID:/73U6u.s

>>794の名無しさん

 何かの僻み根性の現れなのでしょうか? コンプレックスを持っているなら精神科医に
 診てもらった方が良いと思いますよ。私の友達はついこの前、心理学を学修し終わったので、
 必要でしたら紹介してあげますよ。ちなみに友達は日本人で東京に住んでいるのですが、
 貴方の近くになるのでしょうか?

 アハハ。。。こういう人は大抵、自分が英語を上手く覚えられないことで僻んでいて、
 むやみに反発するのですよね。。。

798 名前:只今蟄居中:2003/11/24(月) 13:03 ID:AiSDFvNA

>Jake_USA さん
>>792,>>797

 >>788氏ではありませんが、それはおそらく片仮名のミの変体仮名と
アとが、字体がよく似ていることに基づくものだと思います。古代には
「三」から生まれた「ミ」とともに「見」から生まれた変体仮名の方もよく
使用されていました。そしてその変体仮名は現在の「ア」にそっくりなの
ですよ。むしろ古代のアはPのように縦棒がまっすぐ伸びていました。
両者の違いは第2画が「ノ(→ミ)」か「l(→ア)」かの違いでしかないので、
書写の過程で混同される危険性が高いのです。

 「まか」については、日本語は促音(>>788氏は「撥音」と述べておられ
ますがそれは誤り)の音韻としての確立が遅れたという事情があるので、
促音化したt入声が文字として表記されなかっただけということでしょう。

>猿顔で貧民の出で、死に物狂いで
>アジア全域または全世界を征服しようと思ったけれど間もなくちゃんとした継嗣も残さず
>死去したのですね?

 貴方の挙げたその理由だけでは秀吉がアホだという説明にはなって
いませんよ。>>794氏の反応もけだし当然でしょう。貴方の挙げた理由
の中でかろうじて「アホ」の理由と言えるのは「死に物狂いでアジア全域
または全世界を征服しようと思った」という部分くらいですもん。「猿顔」
「貧民の出」「ちゃんとした継嗣も残さず死去」はまったくアホの理由には
なり得ません。もしなると言うなら、貴方の方がおかしい。それに、歴史上
世界征服を夢見た英雄は数多いと思いますが、そういう人間がアホなら、
アレキサンダー大王もチンギス=ハーンもナポレオンも秀吉並みのアホ
ということになりますね。まぁ秀吉の朝鮮出兵がアホな行為だったという
のは私も賛成ですけど、それを除けば秀吉はアホとは対極の人物です。
そもそもアホに日本統一なんて快挙は不可能でしょ?

 火病を起こしてJake_USAさんや阿木林さんに絡んで謹慎中の私が
言うのではあまり説得力がありませんが、>>797はカナーリ恥ずかしい
反応です。ご注意召されよ。

799 名前:ROMらーだけど:2003/11/24(月) 17:-19 ID:0t/1dkzg

博学を気取る人って、こんなふうに馬脚を現すんだね。
面白いね。



800 名前:Jake_USA:2003/11/24(月) 20:12 ID:/73U6u.s

>>796「175.舌曰竭」への補足

この前は指摘することを忘れましたけれど、前期中世朝鮮語の*/gie(r)/または*/kie(r)/と
現代朝鮮語の/hie/ないし/se/「舌」と関係があるかも知れない語には古代日本語の「こと(言)」および
古代日本語の東国方言の「けとば(言葉)」の「けと」の部分と、満州語の/gisun/(言葉、言語、話)も
含めた方が良いでしょう。朝鮮語では「言葉」をいう語がなぜか/hie/などと関係が無さそうで、
/ma:r/となっています。

801 名前:Jake_USA:2003/11/24(月) 20:25 ID:/73U6u.s

>>799

私が「博学を気取っている」なんて思うのなら、自分で私が述べている事について研究して
話をまとめてみてくださいよ。私をけなすのなら私はここを去って自分で研究を続けても全く構いませんよ。
何も貢献しない貴方こそこの板に無意味な存在でしょう。私の発言に対して怒り「言葉を選べ」と言っているのに、
私に「博学を気取る」なんて言葉をつかうのはどうなのでしょうかね。

802 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/11/24(月) 21:-25 ID:frDtidys

>>792
「和冦」というのは、武装した私交易船です。
『大航海時代』のスペインやイギリスあたりの船と一緒です。
交易ができる相手であれば、普通に交易船としての行動をする。
私交易自体が禁止されていましたから、自ずと行動は荒くなりましたが。
だいたい和冦が奴隷を取るという話は私は聞いたことがありませんが、何という
史書にあった記述でしょうか。

また、「和冦」という名称は中国側から見た「日本の私貿易船」につけた
名称でしかないということを指摘しておきます。

中期から後の和冦の正体が、実態は中国人や朝鮮人が9割だったという
ことは有名な話です。



803 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/24(月) 21:05 ID:sCXB2RGw

初期倭寇は元寇の復讐の意味もあると言う罠。
中期以降はおっしゃるとおり、殆ど中国人や朝鮮人、またはその他の外国人。

804 名前:ROMらー2だけど:2003/11/24(月) 23:-15 ID:FGWcGc3A

>801
ここでROMってる人達は、講義を受ける学生のような気持ちで娜々志娑无
先生やその他の人達の書込みを楽しみにしているのですよ。
あなたに2ch的に”空気を嫁”って言っても理解できないでしょうから、
はっきり言います。
”ここを去って自分の研究を続け下さい。”

805 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/25(火) 07:03 ID:8KDh54Vk

>>804
Jake_USA氏のカキコは、それとしては面白いもの(本人がいうところの「貢献」)なので、
追い出すような態度はいかがものか。
彼に2ch的な文化をわかれ、というのはやや酷な感じがするので、生暖かく見守るべきだと思う。
どういう人間かわかった上でつきあうということもできるはず。
せっかく知的生産物を披露してくれてるのに追い出すだけが能ではあるまい。

806 名前: :2003/11/25(火) 10:-28 ID:D3rHE40c

>>797
醜い日本語だねえ・・・(呆

807 名前:阿木林:2003/11/25(火) 10:-7 ID:ntLF3rLc

えぇっと・・・アホというのは大阪人に対してはほめ言葉ですよ!!!

太閤さんは尾張の人ですが、大阪人から敬愛されている存在ですから
アホの親玉ということにしてしまいます。
道頓堀を人で埋めると阪神が優勝して大塩平八郎と豊臣秀吉が復活
して大阪城ロボが東京をミサイル攻撃する、と信じている連中の親玉
が、アホじゃないわけないじゃないですか!

ジャケウサさんの英語ができない人はどーたら、という指摘はまったく
関係のない的外れな指摘だと思いますが、豊臣秀吉に対する指摘の
一点に噛み付いてどーこーいうのも、まったくスレ違いだと思いますよん。

スレの内容がだいぶ高句麗語から離れてしまったので、別スレに移行
して「高麗語」の研究を深めるというなら、私も賛成です。
そこで提案なのですが、鶏林類事の研究は別スレに移して、
残り200レスあまりを、高句麗語の研究に費やすというのはいかがな
もんざんしょ?せっかく空前絶後の高句麗語スレなのだから、
密度の濃いまま終わって欲しいと思うんですよ。

仕切り厨ですみません。

808 名前:阿木林:2003/11/25(火) 11:-11 ID:ntLF3rLc

>>735鮭兎さん
高句麗語の系統をどの位置に仮定するか、が大きな問題ですね。
チュルク諸語までを含めた「アルタイ諸語」の一語派としてしまうか、
朝鮮語とツングース諸語、日本語のリンク・ランゲージと見なすか。

>>736鮭兎さん
そんなあなたに、日本漢字党!
http://merimero.com/kanji/" target=new>http://merimero.com/kanji/

>>737-739
母音基調、というのは初耳です。文化的背景によるものだと
思っていましたが。トーホグ弁は子音基調ですから、蟲の声なんぞ
わがんね、ってことになったりして。

809 名前:阿木林:2003/11/25(火) 11:02 ID:ntLF3rLc

>>740
バナナですべって豆腐に頭をぶつけたんじゃないでしょうか
>>741-743
僕もさっぱりわかりません。
>>744-746
そうすると、英語のcupもくさいということになりますな。
自分はウイグル語なら多少は「かじって」いますが、朝鮮語ほどの
知識はとてもじゃないけどありません。
オグズという族名は現在は使われないと思いますが、どの民族の
ことを示しているでしょう?音韻的に特異なのはヤクート語など
が代表的でしょうか。チュルク語系と朝鮮語系との間に借用関係
があったか否かというのは面白いテーマで、鮮卑族はチュルク系
ではないかという説もあります。「摩訶」は朝鮮語ではマハですね。

810 名前:阿木林:2003/11/25(火) 11:18 ID:ntLF3rLc

>>748汁さん
まぁそうおっしゃらず。ってなんで全レスしてるんでしょうね私。
残り200レスしかないのに。
>>749-750
[竹/本]蛋 /ben4dan4/のことですね。
アンポンタンと関係があるとすれば、アンとはなんでしょう。
gu1lu0はずばり、「擬態語」からきていると思います。
日本語の「くるま」や「ころ」同様に。
ボンタンの語源は分かりませんねぇ。あれはツッパリファッションに
対抗する「ヤンキーファッション」の一部として、短ランとセットで
履かれたズボンですから「短ラン用ズボン」がひっくり返ってボンタン
になったという説はどうざんしょ。

811 名前:阿木林:2003/11/25(火) 12:-28 ID:ntLF3rLc

ボンタンで思い出したけど、韓国ではグレープフルーツのことを
チャモンっていいますよね。あれはザボンがなまったそうです。
>>751
「チャンケンイ」は日本語の「ちゃんころ」が訛った形でしょうね。
チャンクイ(掌[木巨])は別に方言でもなんでもありません。
普通の中国語語彙です。朝鮮華僑の9割が山東人だったことは
事実ですが。ことシナ語に関しては、「何とか方言で何々という」
という情報は、半分くらいはウソかデマカセだったりするので
ご用心を。
>>752
「ポコペン」なんて言葉もありますね。
>>753
そっちも楽しそうですね。ビルマとかモン・クメールなら守備範囲です。
>>754-758
「アホウ」はどのくらい古い言葉なんでしょう?朝鮮語のパーボとの
関係やいかに?「とっぽい」というのは「玄人っぽい」という語源説は
どんなもんざんしょ?

812 名前:阿木林:2003/11/25(火) 12:09 ID:ntLF3rLc

>>760鮭兎さん
「とき」とか「こと」のような概念的な語彙は借用の可能性があります。
(なんて書くとセンセが怒るかなw)
>>761
母音の陰陽の問題がありますね。
>>762
三浦半島人ですか?
>>763鮭兎さん
たしか/de/なんてそのままですよね。ただ、似ていないものの
ほうが多い。朝鮮語程度の類似ともいえます。
>>764蟄居2さん
なんか冬でもあったかそうですよね。神奈川って。
>>765汁さん
どう面白そうなのでしょうか。地理的には何の関係も見出せません。
>>766天麩羅さん
そんなことないですよん。高句麗語を汎アルタイ語族の一語派と
みなすか、ツングースの下部言語と見なすか、は再構にも大きく
影響を与える問題ですから。高麗語と高句麗語の間に直接の関連
を見出せない今の段階では、高麗語の話題ばかりになるのはちょっと
スレ違いかもしれませんけど。

813 名前:阿木林:2003/11/25(火) 12:19 ID:ntLF3rLc

ちょっと疲れてきたので全レス放棄。あほかと。
鮭兎さんに提言なのですが、[ng]で表記している音を、これを
[q]一文字で表すというのはどうざんしょ。
志部方式では本来そうやって転写しているんですが、私がファッピョン
にかかってしまったために忘れてました。

あと、精神科のお友達はファッピョンにかかったセンセにでも紹介して
あげてください。あと、私には英語を教えてやってください。
コンプレックスはないのですが、毎日契約書やインボイスを読まなきゃ
ならなくてヒィヒィいってます。言語学の論文なら喜んで読むのに・・w

814 名前:阿木林:2003/11/25(火) 12:26 ID:ntLF3rLc

あ、でもこれだけはただしとかないと。
>>791
歩は古くから「去声」です。急降トーンだったということにはまぁ
賛成ですが。
>>796
竭は古くは入声ですが、なぜ上昇調とされているのでしょう?
ヒョの古い発音がヒョルであろうことには賛同しますが、
ソは古い発音ではなく、いくつかの方言では/h/が規則的に/s/に
変化して発音されます。

815 名前:阿木林:2003/11/25(火) 17:06 ID:ntLF3rLc

粛慎を意味するらしい「みしはせ」ないし「あしはせ」ですが、
これは安倍比羅夫の「粛慎」討伐に対する書紀の註に出てくる読みです
よね。これはシナの歴史書に出てくる、女真と同族とされる「粛慎」を
本当に意味しているのか、検討が必要であると思います。
すなわち、シナで言われていた「粛慎」を、書紀の編者が機械的に
ウリナラ北方の人々に当てはめてしまった可能性がないか、ということです。
もちろんツングースが海をわたっていた可能性も考えるべきである
とは思いますが、この読みが「みしはせ」であるとして、「えみし」と共通
する要素をもっていることに注意すべきであると思います。
「はせ」は騎馬民であったことを意味するのでしょうか?

「えみし」の語源については、アイヌ語の一人称のひとつ/emchu/から
きているという説がありますが、定説はなかったと思います。

816 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/25(火) 17:30 ID:yf8nBi6Y

「あしはせ(orみしはせ)=粛慎=靺鞨」として何ら疑問をさしはさむ余地はないと思いますがね。
ぐずぐず言ってる人は、この等式だとどんな矛盾が派生するのか
具体的にいってくれないとつっこみようがない。

ツングースが海を渡ったはずがないと言いたいのか、阿部比羅夫が蝦夷征伐したはずがないと言いたいのか
蝦夷なのに日本書紀が勝手に粛慎にしたといいたいのか、いわゆる粛慎の地には実は粛慎ではない別の民族が
いたという珍説を唱えたいのか、いったい何なのです?



817 名前:阿木林:2003/11/25(火) 18:-9 ID:ntLF3rLc

>>蝦夷なのに日本書紀が勝手に粛慎にしたといいたいのか

おおせの通りです。漢文に知悉した編者によって作られた歴史書には、
このような落とし穴があるのではないか、ということです。
そもそもここで書かれた「あしはせのくに」が具体的にどこをどう指して
いるのか、ということについて断定的なことは何もいえないはずです。
「あしはせ(orみしはせ)=粛慎=靺鞨として何ら疑問をさしはさむ
余地はない」というほうが珍説に見えるのは私の目がおかしいのかな?

そもそも北蝦夷及び南蝦夷にはアイヌ以外にウィルタだのニブヒだの
さまざまな部族が雑居していたのであり、それを現代の常識でもって
あたかも近代国家が存在していたかのように、民族毎の名称が固定
していたというふうにとらえるのはどういうもんでしょうねぇ。

もちろん、安倍軍団がアムール河口まで攻め込んでいって平定した、
と考えるのはとても楽しい想像ではあるんですが。

818 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/25(火) 21:-2 ID:mWYTPX5I

>漢文に知悉した編者によって作られた歴史書には、
>このような落とし穴があるのではないか、ということです。

1、文飾ならそれは文脈でわかることかと思いますが。日本書紀をみると粛慎と蝦夷は別の存在
として区別してかかれていますね。これは文飾の問題として同一視するのはどうですかな。

2、漢文的表現ならば、粛慎でなくても匈奴でも鮮卑でもなんでもよかったわけですよね? 
粛慎とあってもそれは東夷や北狄と同じ普通名詞ということになりますから。
ところで、なぜに「あしはせ/みしはせ」という訓があるのでしょう?
蝦夷ならば表記にかかわらず「えみし」でよいでのでは?

>北蝦夷及び南蝦夷にはアイヌ以外にウィルタだのニブヒだの
>さまざまな部族が雑居していたのであり、

3、6-7世紀の「北蝦夷及び南蝦夷」の民族分布がそうなっていたとは初耳ですが?
百歩譲って、そのとおりとしても、そのようなツングース系の雑多な諸民族を総称するのに
当時のボキャブラリーとしては「粛慎」よりも最適な言葉は思いつきませんが。

4、蝦夷をわざわざ粛慎と書かなければならない日本書紀編集者の都合とは何です?

5、あしはせが具体的にどこをさしているかは断定的なことは言えませんが
「まったく何も言えない」わけではなく、「粛慎」というからには大雑把には
ツングース系種族の居住地をさしたものとは言えるでしょう。

6、比羅夫の水軍が北海道へまでいったのか沿海州までいったのかは保留します。
(可能性だけならなんとでも言えますから)
まずあなたはツングースが海を渡ることなどあり得ないと思うのか否かをお尋ねしたいですね。

819 名前:阿木林:2003/11/26(水) 09:26 ID:ZwLi5u3Q

歴史の話になると、やけに食いついてきますねぇ。
>1
いわゆる「蝦夷」とは生活習慣を異にする部族であるのは同意します。
>2
いや、いくらなんでも匈奴や鮮卑じゃ居住地域が離れすぎでしょう。
「あしはせ/みしはせ」については語源不明です。
「えみし」と区別される理由は1に対する回答参照。
3、6−7世紀の民族分布がそうだなんていってませんですよん。
ただ、かつてはもっと複雑だったでしょうね。
それからニブヒがツングース系だとは初耳ですが?
北方民族を総称するのに「粛慎」が用いられたというのは同意です。
ただ、「みしはせのくに」が沿海州を意味することにはならんのです。
>4
1に対する回答参照

820 名前:阿木林:2003/11/26(水) 10:-15 ID:ZwLi5u3Q

>5
大雑把にはツングース系の居住地であったかもしれませんが、
この地域の基層民族である旧アジア諸族を含んでいる可能性が
高いです。現在まで残っているのはほぼ、ニブヒ一部族だけですが。
>6
ウィルタ(オロチ)族についてご存知ない?
カラフトには現在にいたるまでツングース系が居住しているんです。
ツングース系であることは否定しません。ただ、旧アジア系諸族で
ある可能性が高いですし、言語や生活習慣を異にする樺太アイヌ
を指す言葉かもしれません。どちらかといえば、それらの雑多な
諸族の総称でしょう。むしろ、ツングース系に違いない、と断言する
ことに問題があるのです。「否定する材料がないから断言すべきだ」
なんてこと言ってたら、歴史学なんてドエリャーことになるだがや。
あなたの言うように、可能性だけならなんとでもいえるんです。

そりゃ、比羅夫の軍に私のような言語屋さんが混じってたら、
彼らの言語からどのような系統の民族であるか、判断することは
できるでしょうけど、当時は比較言語学が進んでないですから
無理でしょうねぇ。
比羅夫の水軍が沿海州まで行った、ということにしてしまえば、
ここでいう「みしはせ」が、シナの歴史書に出てくる「粛慎」と同一という
ことにして何の問題もないんですが、それに対しては懐疑的な学者が
多いはず。津軽までしか行かなかった説や、北海道説、樺太説などが
あります。要するに、安倍軍がどこまで行ったか、によって「みしはせ」
の内容が変わってくるんですよね。

821 名前:阿木林:2003/11/26(水) 10:-4 ID:ZwLi5u3Q

どうも、汁さんの反論はタメにする反論という感じがするのですが、
北海道には女真系の諸族が住んでいたはずだ、ということを
おっしゃりたいようですね?
その可能性は高いですが、ウィルタより古くから樺太に住む
ニブヒなど旧アジア諸族の存在を無視することになります。
また、おそらく「みしはせ/あしはせ」という部族に対する情報は
蝦夷の通詞から入手していたと思いますが、其の場合同じ蝦夷
の別部族を指している可能性も出てきます。
まがりなりにもアイヌ民族の一体性というのが生まれたのは
コシャマインの時代ですから、別部族といえば異民族も同然。

822 名前:阿木林:2003/11/26(水) 10:24 ID:ZwLi5u3Q

>>767-768
日の出町でオフキボン。
ちなみに私は川崎の総聯にはちょっと顔がききます。
>>769
なにやってるんでしょうねぇまったく。
>>770
お水板で
>>771
いいところにお住まいで。別スレたてませうか?
>>772
むしろ、高句麗語との比較をキビョンヌ。
155.現代語でいう「アネ」ですね。
156.ここで「妲」が/d@r/の音写に用いられることから、1.日曰[女亘]
の再構にも影響が出ると思います。私はやっぱり「月曰妲」の誤写だと
思います。
157.これは私は漢語で「ポジャ」とでも読んでいたのだと思います。
チェジュ島方言などでの娘の呼び方とは関係なさそうですが・・・
159.これは一文字脱落していそうですね。「孫曰了孫」という再構は
どうでしょう?アソンとは「児孫」という漢語ですが。
160.「寸」とは、現代語で「一寸、二寸」と親等を数える言葉でしょうか?
現代語で近い親戚を漠然と「サムチョン」と呼ぶことがあり、親戚を表す
言葉だとすればわかるのですが・・・

823 名前:阿木林:2003/11/26(水) 11:-16 ID:ZwLi5u3Q

>>775
162./-r/に二種類あったとは面白い。ずばり/-r/と/-l/だったのでは。
ツングース諸語ならば区別する音ですから。
163./gas/と現代語の/gye:jib/は関係ありそうですね。
>>776
考えるまでもなく分かる自分はどうかと思います。
>>777
中国で皆無ではなかったでしょうが、高麗での習慣に即したと
考えたほうが分かりやすいですね。
>>781
164.「訓」はやはり「大きい」を意味する言葉だと思います。
310.大刀曰訓刀にも出てくるからです。
ただし、37.九十曰鴉訓からみるかぎりは、これはやはり/hyn/
ないし/h@n/という発音であり、大きいを意味する/h@n/でしょう。
テハンミングクのハンです。
>>782
167.頭曰麻帝  どうやら/r/を/t/で書写することがあるようです。
35.七十曰逸短などもその可能性があります。
もしかしたら単純な/r/の発音ではなく、/lh/のような発音があった
のかもしれませんね。
168.髪曰麻帝核試 「髪」を意味する現代語がないため、たまに
通訳で苦労することがあります。どうしても髪を指すときには現代語
で「モリトル」(頭毛)と言いますが。
私は「核試」は日本語の「くし(髪)」と関係あると思います。
なお、福建語音では「試」の発音は/ts'i/です。

824 名前:阿木林:2003/11/26(水) 11:09 ID:ZwLi5u3Q

>>783
169.面曰捺翅  終声を表すのに苦労しているのがわかりますよね。
170.眉曰嫩歩  「毛曰毛」と関係があるかもしれません。
「毛」を意味するのに/mo/ないし/bo/という語形があったかも。
「刃」を意味する/bo/は日本語の/ha/と関係ありそうですね。
171.眼曰嫩  「なみだ」の語源説にはタイ語のナム・ター(水目)
というのまであります。
>>784
ほう。「なさか」という日本語は知りませんでした。
「なさけなし」という言葉に使われるあれですか?
>>785
これについて汁さんとやり合ってしまいました。
実は「北海道から日本海沿岸にかけてツングース系の人々が
住んでいた」と仮定すると、日本語の古語の研究にも大きな影響
があります。「こしのくに」の人々をアイヌ系と考える人がいますが、
ツングース系や旧アジア系、はたまた朝鮮系だったのかもしれない。
「あずまびと」の先祖にしても同様です。
私としては「けぬのくに」の人々が今日にいたるまで、アクセントを
もたず、/i/と/e/を音韻的に区別しない4母音言語であることは、
非常に示唆的なことであると考えています。

「みしはせ」(あえてこっちの説をとります)の語源については、
蝦夷人たちによる他称であると考えられます。

825 名前:阿木林:2003/11/26(水) 11:25 ID:ZwLi5u3Q

>>786
クールーは人力車以前からある擬態語です。
>>787
満洲族と女真族はかならずしもイコールではないです。
ダウール族が女真の末裔だという人もいます。
たしか大分の大学にアイチンギョロ姓の満洲語の教師がいるはず。
>>788
根拠のある異論がないからといえ断言はできないです。
一番の異論は、沿海州まで安倍軍が到達できたか?
高句麗が「挙国臨戦体制」を取っていたというのは、ちょっと疑問のある
書き方です。当時は国民国家ではないのですから、国境だって確定
していたわけじゃないですし、軍民一致して外敵に当たっていたような
現代的総力戦の概念とは大きく異なります。「百済人によるゲリラ活動」
というような書き方についても同様。現代のゲリラ戦とは質的に大きく
異なるものです。
靺鞨(まっかつ)と「みしはせ」が同じ音を表していたのではないか、
という可能性は面白いですね。もしそうであれば、ツングース人による
自称を、日本人は「みしはせ」と聞き、シナ人は/*mat-hat/のように
聞いていたのではないかという可能性ですね。

もしこれが成り立てば、汁さんのいうように「みしはせ」はツングース
である可能性が極めて高くなり、私の「諸族混成説」は根拠が弱い
ものとなることでしょう。

826 名前:阿木林:2003/11/26(水) 12:-15 ID:ZwLi5u3Q

>>789
サトゥリおもろいですよね。田舎は今も中世ニダ。
>>790
そうみたいですね。
>>791
百済語やカヤ語では「梁」の訓は/do/だったと思います。「歩」は去声。
>>792
私も安倍軍が沿海州に入ったという話は好きなんですよ。
田舎が北海道なもんですから、比羅夫の名前は身近なものでした。
「大河のほとり」がアムール河口であるというのは、ありえない話では
ないと思います。たしか180隻だかの水軍ですから、北緯50度まで
北上することだって可能かもしれません。
秀吉はちゃんとした後継ぎを指名したけど徳川によって滅ぼされて
しまいました。チャンチャン
日本では「判官びいき」からか、徳川より豊臣のほうが人気ありますねぇ。
「倭寇」に加わるシナ人や朝鮮人が多かった、ということは呉智英あたり
が指摘しだして、最近では非常に流行っている論説です。
当時の東シナ海情勢を考えれば、確かに事実だと思います。
「王直」というシナ人の率いた水軍が有名ですが、実際は和人やら
明人やらの混成部隊であったと思います。
>>793
イムゴクチョン、大好きなんですよ。あの小説の劇画を古本屋に
うっぱらってしまったことは、今でも悔やまれます。

827 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/26(水) 16:24 ID:mYE14nqE

>「倭寇」に加わるシナ人や朝鮮人が多かった、ということは

流行っている論説ではなく、「史実」です。
言い出したのも、「呉智英あたり」ではなく、ごくまともな史学者
です。「呉智英あたり」は、その史学者の専門的な研究を大衆に
向かって分かりやすく紹介しただけ。専門家は新知見であっても
いたずらに宣伝したりしないことが多いので、
(後期)倭寇=シナ人&朝鮮人の海賊が主流(日本人海賊は少数)
という史実がなかなか常識として定着しないことを危惧して
紹介しているだけね。「倭寇に加わった」では、あくまで主流が
日本人海賊みたいに聞こえるが、もちろん、それはデタラメ。

ああ、言語学のことだけ話してろよ、って感じ。

828 名前:阿木林:2003/11/26(水) 17:-22 ID:ZwLi5u3Q

>>794
アホはほめ言葉ということでおながいします。
>>795
173. これなんぞ、朝鮮漢字音だったらウプになってしまうわけで、
再構は朝鮮漢字音で行ってはいけない例の一つですね。
174. 歯牙は敬語とはちょと違います。イッパルは普通に「歯の足」
という語感でうけとめてました。キッパルも「旗の足」で同様に。
「ね(嶺)」と同源とすると、「みね」という形はどうなるんでしょう?
素直に中期語の/moi/(みね)と比較したほうがよいような。
>>796
175. しつこいようですが、編者の言語で上昇調として扱われている
根拠がわかりません。ほかの部分を見る限りでは、入声をわりと明確に
もっている言語の話者による記録であると考えられるからです。
仮にこれが「蝎」などの誤写であるとすると、/*hie(t)/となり、現代語と
関連付けることができます。/se/が古い形か、/hie/が古い形か、は
重要な問題です。チェジュ方言などでは漢字音の/h/などが、規則的
に/s/に置き換わる現象があったと思います。
古い形を/hier/と仮定して、日本語の「べろ」「ひれ」などと比較する説が
あったと思います。また、チベット・ビルマ諸語では概ね/*lhat/のような
形をとるので、漢蔵共通語の一つと考えられています。
177. 没を/mo:s/であるとして、否定辞が/an-/ではないのが気になる
ところです。接頭否定辞は満洲語やモンゴル語にはたしか無いんですが、
ツングースのオロチェーン語には/e-/という形であらわれますし、
アイヌ語でもたしか/a-/です。
これらの言語には北京語でいう「不能」「不会」の区別、すなわち
「能力がなくてできない」「習得しておらずできない」の区別がありません。
おそらく、高麗語には/mo:s-/という否定辞しかなかったところへ、
漢語の影響で上記の区別が生まれ、なんらかの言語から/an-/を
借用したというところでしょうか。どの言語から借用したかといえば、
やはり満洲語以前の女真語でしょう。

829 名前:阿木林:2003/11/26(水) 17:-8 ID:ZwLi5u3Q

>>797
精神科医はファッピョンを起したセンセに紹介してあげてくらはい。
>>798
ありがとうございます。非常に納得のいく説明です。
>>799
気取らなくても鮭兎さんは博学だと思いますよ。
>>800
満洲語で「舌」はなんというんでしょう?帰ったらオロチェーン語を
調べてみます。
[senggele]笛の舌,魚の鰓,鶏冠、という言葉はあるようですが。
類似語としてモンゴル語の/xel/(言葉)は言わずもがなですね。
>>801
ま、気にしないことですよ。歴史論争は泥沼化しやすいですから。
>>802
沿岸地域から女をさらったから九州には美人が多い、なんてことは
よく言われますよね。秀吉軍は陶工などを多数連れ帰りましたし、
人をさらうことはよくあったろうとは思います。もちろん奴隷貿易の
ような組織化されたものは聞いたことがないですが。
9割は多すぎでは?海洋民族の我らが祖先を過小評価することに
なりますw
>>803
ふーむ。有り得そうな話ですねぇ。その他とはマレー人とかアラブ人?
南蛮人とかもいたんでしょうねぇ。
>>804
まぁまぁ。鮭兎氏のカキコも大変参考になりますよ。
>>805
激しく同意だす。
>>806
自分が書く朝鮮語の文章とかもそうなんだろうなぁ・・・

830 名前:エスぺランサ鏡国:2003/11/26(水) 17:-7 ID:WFaDcAEY

>>823
モリカラッってのは違うの?
マーテイーの帝はやはりテガリのテと関係があんのかなあ?
穴子テガリ焼いて食うと旨いよね。

831 名前:エスぺランサ鏡国:2003/11/26(水) 17:03 ID:WFaDcAEY

>>800
ムンデイー語でセッパジゲイレッタというと忙しく働いたという意味なんすが
ヒョ、舌の卑語をセと言うよなあ。あれは何?シルラ語?コグリョ語?

832 名前:阿木林:2003/11/26(水) 17:08 ID:ZwLi5u3Q

>>827
確かにそうですね。確か網野先生あたりが紹介されたんでしたっけ。
「倭寇」という名称には仰るとおりバイアスがかかっていると思います。
「海の向こうの日本野郎」って感じですよね。しまいには日本人のふり
して反抗に及ぶシナ人がいたりして。
では、全レスしたので言語学の話にもどります。

833 名前:名無しさんはポシンタン :2003/11/26(水) 17:31 ID:.XQi8NlI

うーむ、母屋と言うか駅前と言うか、いつの間にか
主がいなくなってる(w

834 名前:阿木林:2003/11/26(水) 18:-3 ID:ZwLi5u3Q

>>830
ア・アイゴ! モリトルだけじゃなかった!死んで詫びます・・・
正確には「モリという言葉で髪も表すことが多い」と書くべきでした。
頭だか髪だか混乱することがあるんですよー。
/meri-karag/という形をとるところから、古くは/merih-garag/だった
んでしょうね。/garag/は/son(手)-garag/(指)のように、
体の末端の細い部分を表す言葉で、語源的には「糸車のつむ」
だろうと思います。
「麻帝」はやはり/meri/と結びつけるべきだと思います。
テガリorテガルは日本語の「かしら」と音が近いですよね。
「あたま」には「おつむ」という形もありますが、母音調和してますね。
>>831
/sai-bba-ji-gei ir-haiss-da/ですね。
セッパジダというのは「期待がはずれる」とか「くだらない」とかいう
意味があるようですが、そういう使い方もできるんですねぇ。
「セ」が何語かというと、私はヒョの音韻変化による新しい形だと
思ったんですが、古い形であるという可能性も否定できないです。
>>833
ですよねぇ。私もちょっと自粛しますです。

835 名前:日語商売:2003/11/28(金) 16:12 ID:75HgoWMo

しばらくぶりに覗いてみたらすごいことになってますね・・・

別スレ立てましょうか??

ちなみに鶏林類事には二系統の本があって、ここでソンセンニムが紹介してくださった本は
『説郛』という本所載のものですが、もう一つ『古今図書集成』という本に載っているのもあり、
2つを付き合わせると異同が多く、両方の本文を修正しながら語彙を同定していく作業が必要だそうです。

836 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/28(金) 21:02 ID:fUdaF37U

ズブの素人だけどとても面白かった。Jakeさん帰ってこ〜。
Jakeさん、秀吉がアホとかイカにも半島っぽい政治臭のする歴史認識を
言葉にしたら反論や煽りが出るのは当たり前。
煽りと糞スレはネット掲示板の華でっせ。一々怒ってたらきりないですよ。
嫌なら無視して下さい。ここは一つ度量の大きな所を見せて帰ってきて欲しいです。
ただ一言苦言を呈すれば、学問上の質問にはキチンとレスを返して欲しい。
特にスレ主の質問に対して、返答せずに自説を流しつづけるのは問題ありです。
自説開陳後に議論したければそう言えば良いではないですか。礼儀というのもあるけど、
素人には言語は難しすぎて、玄人同士の議論を見て主張の精度とか意味とか位置づけとかを
推察するしかないんだよね。せっかく記述してくださった考察の素晴らしさを素人どもに
理解させるためにもそういうやりとりを是非やって下さい。


837 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/29(土) 03:-15 ID:GbueX9mo

ルサンチマンきもい
イケメンで親が金持ちで博学のJake_USAさんは勝ち組
キモオタ貧民童貞ひきこもりの>>799

838 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/11/29(土) 04:04 ID:ZdsW.ado

Jake_USAさん帰って来てください

秀吉をアホと言われてヒステリーを起こしている人は大阪人=○○人です
大阪は日本の○○と呼ばれている地域で実際○○人が日本で一番暮らしています
大阪人以外の生粋の日本人の歴史認識は家康>信長>明智>>>>>サル>秀吉です

「○○人」は日本人が一番言われたくない言葉なので伏せ字にしました

839 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/11/29(土) 16:-26 ID:geuBd9aI

私の意見は、「Jake_USA氏が話をしたいなら別スレを
立てるべきである」というところ。

他の事はともあれ、スレ立て人(主)である娜々志娑无 ◆NcNEDmUA の
学問的な態度に関する質問に答えていないのが発端でありかつ最大の問題、
これに答えない以上、娜々志娑无さんは学問的な前提条件を満たされないこととなり、
学問的な議論を行えないと思う。
これでは、スレッド内容の建設的な発展は望みがたいと思う。

840 名前:ROM@:2003/11/29(土) 19:-11 ID:EK6m2S.6

となるとこのスレは終わりなのか?もし終わるのだったら
娜々志娑无センセが一言挨拶してもらいたいと思うニダ。

841 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/11/29(土) 19:19 ID:geuBd9aI

>>840
となると、て「私の意見」だけで決まったら困りますがな。
何かうまい食い物の情報ででも釣って、ソンセニムに戻ってきてもらう
策略を弄そうかと考えているのに。


842 名前:只今蟄居中 ◆NcNEDmUA:2003/11/29(土) 20:-20 ID:PMuIpOYg

 ウリのスタンスは

       ∧         ∧
        / ヽ        / ヽ
     /   `、     /  `、
    /      ̄666 ̄    ヽ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    /:::::::::            .\  < 性格の悪いウリと一緒に反省汁を
   /::::::: ヽ-=・=-′ ヽ-=・=-′ /  | 飲んでくれる人を募集中ニダ〜
   ヽ:::::::::::::   \___/    /   |  ウリはじぇったい諦めないニダ゙〜
    ヽ:::::::::::::::  \/    ./

ですから、スレを放棄するつもりはありません。今は宇野宗佑・元総理の
顰に倣って明鏡止水の心境でスレの成り行きを見守っているところです。
Jake_USAさんの復帰は、私も願っているのですよ。信じてはもらえない
かも知れませんが…。

843 名前:エスペランサ鏡国:2003/11/30(日) 00:05 ID:ygFTnKco

157.女児曰宝姐  女の子はパオジエ? 
ちょっとびっくりした。
ポジ(女陰)と何か関係が
あるのだろうか?

844 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/11/30(日) 02:01 ID:QEy1jsv2

>>842
明鏡止水の後は、たしか、シャイニングフィンガーソード「メン! メン!メェン」だったような。。。

845 名前:日語商売:2003/11/30(日) 04:-12 ID:E0TMoIqo

>>844
これびっくりする例ですが、実は「女児曰宝妲」が正しいようで、
ttar(娘)の古い形と考えられる *pot@r(中期朝鮮語ではst@r)を表記しているようです。
ただし、あまりに高麗語として再構できる形とその後の形が離れてるので、
実は「宝姐」が正しくて・・・ゐやんw
まぁ、中期語にそれに相当する言葉はなくて、「穴」という意味の言葉を使ってたようですがねw

846 名前:只今蟄居中 ◆NcNEDmUA:2003/11/30(日) 12:-14 ID:D03SGKDQ

>>845 日語商売さん

 「白米曰漢菩薩」の「菩薩=posal」と現代語の「ssal(米)」の関係と
よく似ていますね。李基文はposから濃音のssが生まれたと考えている
ようです。「女児曰宝妲」もそうだとすると、やっぱりpo-のような語形から
濃音は生まれたのだと信じたくなりますね。


847 名前:阿木林:2003/12/01(月) 10:28 ID:XUdYXzNg

/bo-/のような接頭辞を仮定するよりは、むしろ
/bs-/, /bd-/のような二重子音であったのではないかと。
中期語の綴りでは/bgs-/のような三重子音があったりして、
どのような発音であったのか、は議論が分かれるところですが。

/bd@r/が/sd@r/に変化すると考えるのは無理があるから、
/sd@r/という綴りは濃音を表すという解釈が正しいのかも。
そもそも朝鮮語の「濃音」は「直前に声門閉鎖を伴う緊喉音」
ですから、/?d@r/(?は声門閉鎖)という発音を/sd@r/と表記
していたのでしょう。その古い形は、唇の閉鎖を伴う/bd@r/だった、と。

ちなみに米の場合は、/cab-ssar/(もち米)のような複合語からも、
/bsar/という古形が推定できますよね。チャプサルでトンドンチュを
作ると、うまいんだよなぁw

848 名前:Seosomun:2003/12/01(月) 16:22 ID:vsTzImN.

http://j2k.naver.com/j2k.php/japanese/www.donga.com/fbin/output?f=todaynews&code=f__&n=200312010148&main=1" target=new>http://j2k.naver.com/j2k.php/japanese/www.donga.com/fbin/output?f=todaynews&code=f__&n=200312010148&main=1

849 名前:Seosomun:2003/12/01(月) 16:23 ID:vsTzImN.

2003/12/01 15:38

'高句麗史' 取り囲んだ 私の2義 '羅当戦争' 勝つこと あるか?




'莫強した 火力の 正規軍 VS 弾薬も, 兵力も 不足な 民兵隊'


中国が 政府 主導で 5年間 3兆ウォンの 事業費を 入れて '高句麗'義 中国史 編入 プロジェクトを 推進して あるのに 比べて これに 対応する 韓国側の 研究予算と 人力が 法外に 不足な ので 現われた.


'高句麗社 防御'義 最前線で 中国に 対立して ある 教育省 傘下の 韓日歴史共同研究委員会 ヤングワンテック 研究室長は "中国との 問題は 学術的な 対応が 仮装 必要だが, 我が国の 古代史 特に 高句麗社を 研究する 人は 熱 指に 指折る 位"ラーメンから 特に "来年 予算案に 古代史・上古史 研究費は やっと 4億ウォンが 策定されて あり これさえ 国会 審議を 残しておいた 状態"と 憂慮を 現わした.



850 名前:日語商売:2003/12/01(月) 18:10 ID:M0gITm2c

>>847-848
二重子音、三重子音は本当はどのように発音されていたのか難しいところですね。
だいたいは直後の母音が脱落したものと捉えているようですが、そうすると
なぜpやsのあとだけで(語頭の二重子音の前部要素として現れるのはこの2つだけ)
母音が脱落するのか説明しにくいんですよね。
あるいはこの当時も、既に二重子音化していて、中国人がその音を表記するために、
漢字では子音単独では書けないので、「菩薩」のような類似の響きを持つ既製の単語を
使ったり、「宝」(この当時の発音はpっuのようなものだったらしい)のような
ちょっと意味を込めた当て字をしたのかもしれません。

二重子音の s- が本当に発音されたのか、濃音を表す記号のようなものだったかは
やっぱり議論があるようですが、少なくともある時期からは、濃音を表すために
s- が使われたのは確実ですね。今のような同じ子音を2つ書く「並書」の場合は、
漢字の発音で濁音を表すのにも使われるし、hh[γ] のように朝鮮語での有声摩擦音を
書くときに使われたらしい例もあるので、あまり適当ではなかったのでしょうか。

三重子音は psk-, pst- の2つがありますね。これは ps- の部分が「壊す」の意味を持った
接頭辞だと聞いたことがあります。実際の発音はどうだったのか、pk-, pt- とは
どんな違いがあったのか、実に不思議です。

米の場合は haep-ssal(新米)、mep-ssal(うるち米)なんて単語もありますね。
ドンドンジュはうまいけど次の日頭にくるんだよなぁ。w

851 名前:阿木林:2003/12/01(月) 20:21 ID:XUdYXzNg

ありゃ。三重子音は/bsg/でしたか。ミスだらけですなぁ・・・
もっと校正してから書き込まないとだめですねぇ。
私は学者でもなんでもないとはいえ。
子音の並書は、訓民正音の当時は漢字音については
全濁音を表していたことは間違いないのですが、
固有語の表記については異説がありますよね。
いつごろから並書で濃音を表すようになったんでしょう?

高句麗史のニュースは・・・自動翻訳の中の人も大変ですねw
漢字のおかげで日韓訳はわりと正確ですけど。
「羅当戦争」は「羅唐戦争」が正しいですよね。
636年の日本でいう白鍬江の戦い。ラーメン食べたくなりました。

852 名前:阿木林:2003/12/01(月) 20:26 ID:XUdYXzNg

言ってるそばから・・・白村江の戦いですな。アイゴー!オンマー!

853 名前:Seosomun:2003/12/02(火) 09:02 ID:iVEzy5pg

>ドンドンジュはうまいけど次の日頭にくるんだよなぁ。w
ファビョッちゃいまつか

854 名前:阿木林:2003/12/02(火) 11:-24 ID:xYopPE26

ところで、ジャケさんのケリムユサ、せっかくだから私があとを
引き継ぎましょうか。内容的にはずっと貧弱なものになるとは
思いますが・・・一応中期語くらいは引用しながらやります。

855 名前:只今蟄居中 ◆NcNEDmUA:2003/12/02(火) 21:03 ID:PXkPZLZk

>>854 阿木林さん

 宜しくお願いします。ただ、出来れば小出しにしてやって頂けると
助かります。あんまり一度に大量にされますと、こちらが付いて
行けなくなってしまいますので。今更愚痴を言っても詮無いこと
ですが、Jake_USAさんもこちらの反応を見ながら進めて行って
下さっていれば、また違った関係を構築出来たような気がします。
あの時は、彼の気の済むようにさせて上げようということくらいしか
思い至りませんでしたが…。スレ主の責任大なるものがありますね。

856 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/12/02(火) 22:-18 ID:KlXIeQrE

スレの呪いが解けるようにage

        lヽ ノ l        l l l ヽ   ヽ
  )'ーーノ(  | |  | 、      / l| l ハヽ  |ー‐''"l
 / ト | | |/| ハ  / / ,/ /|ノ /l / l l l| l   ト ヽ
 l   ・  i´ | ヽ、| |r|| | // ><<> <><>、_lノ| /  ・  /
 |  コ   l  トー-トヽ| |ノ '[●]   [●]/// |  コ |
 |  ・   |/     | l ||、 |||/ <  >||'/ | |ヽl  ・ |
 |  イ |       | l | ヽ,    ◎  / | |  l  イ |
 |   !!  |     / | | |   ` ー-‐ ' ´|| ,ノ| | |  !! |
ノー‐---、,|    / │l、l         |レ' ,ノノ ノハ、_ノヽ
 /        / ノ⌒ヾ、  ヽ    ノハ,      |
,/      ,イーf'´ /´  \ | ,/´ |ヽl      |
     /-ト、| ┼―- 、_ヽメr' , -=l''"ハ    |  l
   ,/   | ヽ  \  _,ノーf' ´  ノノ  ヽ   | |
、_    _ ‐''l  `ー‐―''" ⌒'ー--‐'´`ヽ、_   _,ノ ノ
   ̄ ̄   |           /       ̄


857 名前:日語商売:2003/12/02(火) 22:-4 ID:DFNBHmvo

>>855
私の方でも、独自に対照表を作っております。
協力できることがあればお手伝いいたしますね。

だいたい1日に5項目ぐらいが適当じゃないでしょうかね。
高句麗地名の時と同じように。

すっかり「高麗語合戦」になってしまいましたが、それもまたよし。

858 名前:只今蟄居中 ◆NcNEDmUA:2003/12/02(火) 22:13 ID:PXkPZLZk

>>856

 それじゃあ、私が氏ぬまで呪いが解けんじゃないかい(w。

 でもあれが「tokoi!」じゃなくて「tokopi!」とか「Toηob!」だったら、
更に恐れ入ってたろうな〜。>縄文語


>>857 日語商売さん

 宜しくお願いしやす(;人;)。

859 名前:名無しさんはポシンタン:2003/12/03(水) 13:-20 ID:BHgqSOyk


            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 |>>858娜々志娑无先生が安眠できますように・・・
     ,__     | ついでに「トコイ」の語源の解説おながいします・・・
    /  ./\    \_________________
  /  ./( ・ ).\       o〇       ヾ!;;;::iii|//"
/_____/ .<`Д´> ,\   ∧∧         |;;;;::iii|/゙
 ̄|| || || ||. |っ¢..|| ̄  <,,   > ニダニダ   |;;;;::iii|
  || || || ||./,,, |ゝ iii~   ⊂  ヾwwwjjrjww!;;;;::iii|jwjjrjww〃
  | ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 .(   )〜 wjwjjrj从jwwjwjjrj从jr

860 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/12/03(水) 18:-23 ID:XAcY9JRo

>>859

 >>856氏にはネタの解説カコイク(・A・)ナイ!と言われそうですが(w。
>>856氏の貼ってくれたAA(ただし、顔の部分だけね)は、私の大好きな
漫画家である諸星大二郎の「闇の中の仮面の顔」という作品に登場する
縄文時代の土製仮面です。この作品はあるハンターが縄文時代に一瞬
タイムスリップしてそこで若者を射殺してしまい、現代に戻った後、その
若者の父親に時空を越えた呪いを掛けられ、遂には衰弱死するという話
なのですが、その父親が呪いを掛ける時に唱えていたのが「トコイ」という
台詞なのです。縄文時代の人間の言葉ですから、これは縄文語ってこと
になりますが、奈良時代の日本語に「とこふ」という動詞がありまして、
呪詛するという意味で使用されていましたので、諸星はそれを利用して
縄文語に仕立て上げたわけですね。

 ただ、「とこふ」の連用形(連用形は古くは終止形として使われていたと
いう説があります)なら「とこひ」のはずで、ハ行子音は奈良時代以前は
pだったと推定されていますから、仮に「とこふ」が縄文時代の頃から存在
していた語だったとしても、その発音は「tokoi」ではあり得ず、最低でも
「tokopi」としなくてはならないのです。まぁ縄文語は一切文献が存在し
ないので、再構しようとすれば推測に頼るしかないのですが、奈良時代
の日本語をもとにより古い時代の日本語を理論的に再構するとすれば、
語中尾の子音は有声音だったろうとか、音節末が子音で終わる閉音節の
言語だったろうといった推測がある程度可能です。「toηob」というのは
その推測に基づいた再構語形の一つというわけでスミダ。

861 名前:阿木林:2003/12/04(木) 10:01 ID:5dvm9QD.

>>857
それじゃぁ、私が対照表を作る意味がないですねぇ・・・
でもまぁ、私の貧弱な朝鮮語のボキャブラリーを増やすにも必要な
ことなので、おいおいやってみます。
>>860
さらに説明を付け加えますと、これは誰だかが書いたエロマンガで、
中学生の男の子が友達から借りたエロDVDを、お姉ちゃんが確か
捨ててしまうんです。そしておねえちゃんに、DVDを弁償するか、
DVDのかわりにおっぱいを見せるか選択させる、というストーリー
だったと思います。吹き出しの中はト・コ・イ!でもト・ゴ・ブ!でもなく、
D・V・D! D・V・D!なのですよね。このAAをはじめてみたのは
漫画板でしたが、ニュー速にもスレがたっていたようです。
しかし、これと妖怪ハンターを混ぜたAAが存在するとは・・・
諸星漫画もなかなか人気がありますね。暗黒孔子伝とか好きでした。

862 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/12/04(木) 11:02 ID:qVkKroX2

>>861 阿木林さん

 私はこのスレで見たのが最初ですた。>諸星AA

モロ☆こと諸星大二郎スレッド
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/comic/1055570506/" target=new>http://comic.2ch.net/test/read.cgi/comic/1055570506/

863 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/12/05(金) 01:19 ID:7mB3kNjo

>>861

自信を持ってとツッコミを入れさせてもらいます。
「孔子暗黒伝」でつ。

864 名前:阿木林:2003/12/05(金) 10:-19 ID:zPvADaDs

やりましょうか?って言ってて全然やってないです。
ほかにもいろいろやりたいことが山のようにあるんですよ・・・とほほ

>>862
DVDのAAで盛り上がってて笑いました
>>863
ぎょえー!!牛車に引かれて天竺いってきます・・・

865 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/12/06(土) 11:04 ID:2OfOK6cg

古代史関連の話題を1つ。この記事はなかなか面白かった。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/12/05/20031205000046.html" target=new>http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/12/05/20031205000046.html

でも、韓国の「高句麗」研究が白紙状態って一体、どーゆうことよ?
こいつらの言う「愛国心」ってそんな薄っぺらいものなのか?(w

866 名前:エスペランサ鏡国:2003/12/07(日) 02:-20 ID:c.LUMEIo

>>garag/は/son(手)-garag/(指)のように、
体の末端の細い部分を表す言葉で、語源的には「糸車のつむ」
だろうと思います。

モリカラッのカラッってのはそういう意味で
髪曰麻帝核試のフシーとかクシが今のチョーセン語のックッ(ggeut)
も同じ意味ですよね。
全南にッタンクッ村っていう有名なところは地の果て村という意味なら
洛東江の河口の金海市カラッ村も考えてみれば地の果てだよ。
そっからはもう日本にたどり着かなければ海海・・
やっぱりカラッはKayaか新羅の言葉で
ックッは百済とか高句麗の言葉っつうこと?
てことは御髪(おぐし)は百済の言葉がルーツかな?



867 名前:阿木林:2003/12/07(日) 17:27 ID:twagycnU

>>886
おお!/meri-ggyt/(モリクッ)という形は考え付きませんでした。
ちなみに「核」の字はほかに、319.写字曰核薩、「試」の字は
82.雄曰鶻試に現れます。319は現代語の/gyr ssy-/に同定できる
として、「核」の発音が/gyr/ないし/gyt/であるとしてよいと思うのですが、
82に対応する現代語/sukes/と音が離れすぎているので、
「試」がどういう音を表していたのかは不明です。
「鶻試」を日本語の「おす」と結びつけるのはさすがに無理でしょうね。

それよりも、昔のカラク国(カヤ国の別名)は「地の果て国」ということに
なるのかもしれませんねぇ。カヤはその音便かもしれません。
いや、それどころか「カラの国」とは地の果てを意味することに・・・ぎょえー

新羅語と百済語はそれほど差異がなく、高句麗語はこれらの言語とは
一定の距離があると考えられているので、/ddang-ggyt/村という地名
が統一新羅以降のものであるとして、高句麗語から新羅語ないし百済語
に取り入れた語彙、ということになるのかもしれませんね。
いずれにせよ、/garag/と/ggyt/は音韻的に遠いともいえないので、
高句麗語と新羅語が同源であるとして、同じ源に発する言葉かもしれません。

868 名前:エスペランサ鏡国:2003/12/07(日) 23:08 ID:oIRfj5Eo

最近寒いので屋台でおでんだのコジだのをちょっとつまんで帰りますが、
チョーセンでクシに刺した焼き鳥をコジだのコチだのコッチェギだのと
云います。要するに串がggochi、ggojiですね。ggojdaは突き刺すという動詞。
ggochは花 ggochuとかgochuが唐辛子とかオチンチン 先端が尖がった感じ
の意味ですね。日本語の串と髪と何か関係があるんでしょうかねえ。
ムーダンのお払いをグッgusといいますがあれも必ず高い竹をぶったてて
先端から天が感じてトランス始めるでしょ。尖った感じなんですね。
俺はコ・ジュモン神話なんかを昔習ってコグリョとベクチェが同系で
シルラは別の民族だと思ってました。言葉ってのはそういうのとは
違うのかな。

869 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/12/08(月) 00:06 ID:KXa0m6L6

>新羅語と百済語はそれほど差異がなく、
>高句麗語はこれらの言語とは 一定の距離がある

>コグリョとベクチェが同系で シルラは別の民族

百済は征服国家だから二重言語だったんでは。比較的よく言われることだけど。
夫餘系ということでは高句麗と百済が同系、
韓族ということでは新羅と百済(馬韓)が同系。みたいな話。

870 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/12/09(火) 17:07 ID:qeSGtomE

  こういう事があったので、当時の人たちが、我も我もと、先祖は朝鮮から来た――と主張しはじめ、
罰せられたという話もあります。
  たとえば、『続日本紀』の次の正史である『日本後紀』の平城天皇の箇所に興味深い一文があります。
  平城天皇は桓武天皇の第一皇子で、跡をついで第五十一代の天皇に即位しました。
 在位期間は大同元年〜大同四年(西暦806年〜809年)で、病弱なことや政争などによって実質
三年で退位しています。
 で、その大同四年の条に、つぎのような記述があります(吉川弘文館版)。

「辛亥。勅。倭漢惣歴帝譜圖。天御中主尊標爲始祖。至如魯王。呉王。高麗王。漢高祖命△。
接其後裔。倭漢雜糅。敢垢天宗。愚民迷執。輙謂實録。¥博i官人△所藏皆進。若有挾情隠匿。
乖旨不進者。事覺之日。必處重科。」
(△は草冠に寺。漢字はなるべく原文のままですが、完全ではありません)

 この現代語訳はなかなか難しくて、知人のIさんに助けてもらい、
それをオロモルフがモディファイしました。

「大同四年(809年)二月辛亥(五日)に以下のみことのりが出た。
倭漢惣歴帝譜圖は(日本神話の)天御中主尊をたてて始祖としており、
そこから魯王、呉王、高麗王、漢高祖などに至っている。そのような貴
人の後裔に自分たちの氏族の系譜をつないでいるので、倭人と韓人の系
譜が入り混じってしまい、天孫に連なる日本人本来の系譜を汚している。
おろかな民どもが迷い執着して、この乱れた系譜を真実だと称している。
諸司官人たち(姓氏を持つ人たちでもある)は、自分の家に所蔵するそ
のような系譜(倭漢惣歴帝譜圖やそれに類似した系図のことでしょう。
現存はしていないようです)を皆提出せよ。もし私情をはさんで隠匿し、
命令に背いて提出しない者があれば、発覚した日には必ず重罪に処する」

こんなこともあったらしい。



871 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/12/09(火) 18:06 ID:qeSGtomE

倭漢惣歴帝譜図は平安時代に禁書とされたみたい。
これが見つかればいろいろ疑惑をかけられた歴史がひっくり返りそうですね。

そのかわり中国様がにやりと笑いそうですが・・・。


872 名前:870=871:2003/12/09(火) 21:-13 ID:qeSGtomE

解釈を間違えたようです。この系譜図そのものがこぞって捏造したものだから
天皇が怒ったのか。

謝罪と賠償は勘弁。元URL

ttp://218.228.195.8/reki/ormoru/index.html


873 名前:tenpura ◆UMAIu01k:2003/12/11(木) 00:06 ID:aNcbT5HI

>>861
元絵とAAの両方が乗っているのを見つけました。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~shinotan/sonAA.htm" target=new>http://www5a.biglobe.ne.jp/~shinotan/sonAA.htm


って、なに書いてるんだか(w

874 名前:名無しさんはポシンタン:2003/12/13(土) 19:20 ID:iWBk5GD6

>>860
閉門蟄居の呪いが解けたようで、おめでとうございます

875 名前:名無しさんはポシンタン:2003/12/14(日) 18:23 ID:IrT49Bzk

いで、ききたまへや、一こそ。必ずここにきこゆべきことにもあらざめれど。
きのふ、なにがしが家近き吉野家にまかりしに、あやしう、人びと世に知ら
ず多くて、さらにゐるべきやうなし。いかなることにかとて見るに、大きな
る布に「百五十円下げはべらむ」など書けるを垂れたりけり。「しれものど
もかな。あないふかひな。たださばかりに例来ぬ所にやは来べき。ほけたる
こと」となむおぼゆる。をとこをんなの、子ども具したるなどもあり。ここ
にしも、ひといへ集へるよ、めでたのことや、とうちつぶやかる。いでや、
ててはいみじう大きなる盛を食ひてむずるぞなど、子にいふさま、いとほこ
りかなり。まばゆきことかぎりなし。「立ちね、さらば百五十円とらせむ」
とこそ言はまほしけれ。かやうの所は荒々しかるべきものぞかし。細長に、
なかのほど曲がれる台盤、Uのやうなるがかなたこなたにゐたる者ども、
ややもすればいさかひがちに、ようせずは人を刺しあやまちなどすばかり
のけはひこそ、をかしけれ。女、子どもの、あるべきかは。さて、からう
じてゐ付きぬと思ふすなはち、隣なる者、あさましう、「大盛汁あまた」
としもいふものか。またいとにくくなりて、「さても今めかしからぬこと
をいふよ。ものぐるほし。何せむに、いとところえ顔にも、さ言ふならむ。
『それ、まことに食はまほしきか。ただいかでそのこと言はむ、人にも聞
かせむ、とてすることにはあらずや』と問はむ。さいひてとがめむ。とき
なかばかりとがめむ」と思ふ。なにがし、はかばかしからねど、つねにま
かり通ひて見はべるに、なほこの道の人びとは、この頃は「『き』あまた」
をぞ好むめる。「大盛、きあまた、かひ」とこそ、さやうの人びとはいふ
めれ。きあまたは、「き」の多く入りたるもの。そのかはりに、ししはい
ささか少なし、きあまたは。さて高く盛りてかひをそへたるは、いみじく、
まことに鬼神もめでつべし。されど、さ言はむ人、あるじ方の人びとに見
とがめられぬべきわざなれば、あやにくに、あふさきるさなりや。されば
なほ、なべての人びとのさらにいふまじきこと。さやうならむ人びとは、
牛と鮭とのなにがしなど食ひてうれしがりたらむこそ、めやすく、つきづ
きしけれ、とぞ本に。


876 名前:阿木林:2003/12/15(月) 14:13 ID:AyTEur7A

なんかスレがどうしようもなくのろわれているので、少し活を入れましょうか。

178.心曰沁(音尋) 漢語の/sim/でよかろうと思います。
    「心曰心」と書かなかったのは声調をあらわしているのでしょう。
    「沁」は16.鬼曰幾沁の例では明らかに/sin/の発音です。

179.身曰門
    現代語の/mom/に相当します。編者には-n/-mを混同する傾向が
    あることがわかります。日本語では「み」が相当するでしょうか。

180.胸曰軻
    中期語の/gas@m/、現代語の/gasym/に相当します。
    これらは/ga+s@m/という複合語かもしれません。

181.背曰腿馬末
    現代語の/dyng/とは結びつきませんが、腿の部分は中期語の
    /duih/、現代語の/dui/「後ろ」に相当すると思われます。
    後半の/*ma-mar/は胴体を意味する言葉でしょうか。

182.腹曰擺
    中期語の/boi/、現代語の/bai/に相当します。
    262.船曰擺とは同音ですが、78.梨曰販とは区別されています。
    日本語と比較するなら/*bara > *bori > boi/という変化が、また
    /*bune > *boni > boi/という変化が考えられます。

183.手曰遜
    現代語の/son/に相当します。123.客曰孫とは声調が異なる
    のでしょう。

184.足曰撥
    現代語の/bar/に相当します。日本語の「あし」と結びつけるとするなら、
    頭子音の欠落から/*var/のような古形を想定しないといけないでしょうか。

185.肥曰骨塩真(亦曰塩骨品成)
    JAKE_USA氏のレス>587参照。
    現代語の/onggorji-/に近いと考えられます。この部分は
    「塩骨真」の誤写とみて間違いないようです。
    註には「塩骨品成」とあります。
    /*pum/とは現代語の「ふところ」の意味でしょうか。

877 名前:阿木林:2003/12/15(月) 14:28 ID:AyTEur7A

186.痩曰安里塩骨真
    185の否定形ですが、177でみられるような「没」/*mos/では
    なく、/*ani/が使われています。

187.洗手曰遜時蛇
    「時」は中期語の/sis-/ないし/sys-/に相当します。
    「蛇」はあちこちにでてきますが、/-sye/のような語尾でしょう。
    /*son si-sye/と再構できます。

188.凡洗濯皆曰時蛇
    187を参照。

189.白米曰漢菩薩
    中期語の/h@in bs@r/に相当します。「菩薩」は二重子音を表して
    いると考えられます。現代語では/hyin ssar/「白い米」です。

190.粟曰田菩薩
    「田」は57.田曰田を見る限り漢語なのですが、中期語の/jo bs@r/
    と比較するとどうでしょうか。「田」の当時の発音は/jen/ではなく、
    少なくとも/dien/としなければならないのですが、/dio bs@r/のような
    発音だったのでしょうか。
    朝鮮語の/non/はタイ語の/na/などに近いことから、かなり古い
    言葉ではないかと思うのですが、/dab/という言葉もあります。
    日本語の「た」と関係があるかもしれません。

878 名前:阿木林:2003/12/15(月) 15:-10 ID:AyTEur7A

191.麦曰秘
    現代語では/bori/ですが、/r/の脱落した形でしょうか。
    161.舅曰漢子秘からも、発音は/*bi/に近いはずです。

192.豆曰火
    現代語の/kong/とも音は近いといえますが、あるいは
    あずきを意味する中期語の/p@s/ないし/p@sg/ないし/p@c/
    でしょうか。

193.穀曰田麻帝骨
    ここでは「から」ではなく「穀物」を意味するようですが、
    57.田曰田、167.頭曰麻帝、69.花曰骨をあわせて、
    「田の頭の花(草)」という解釈ができます。

194.酒曰酥孛
    中期語の/su'ur/に相当します。/*subur/という形を考えることが
    できますが、語中で脱落する/b/は/*w/という音価を与えて、
    /*suwur/という再構形が妥当と思われます。

195.醋曰生根
    現代語では/co/といいます。中期語の/syi-/「酸っぱい」という
    語幹を発展させた形/*syi(n)gyn/と考えられます。

879 名前:日語商売:2003/12/15(月) 15:14 ID:UsgVsbwQ

再開ですね。でもこのスレももうそろそろ800kb・・・

179の例ですが、中古漢語の方では -om, -um, -uam のような円唇母音(半母音も含む)と
唇音韻尾が結合する音連続が欠けていましたし、また声母と韻尾の両方に唇音がくる音連続も少なく、
しかもそれらは中世までには全部韻尾がnやtに変化してしまいました。
例:品phiem>phin(広東語phan)、法f(i)∧p>広東語 faat
要するに中国語ではmomを表記するいい音節がなかったので、やむなく最も近い
「門mu∂n」を宛てたのでしょう。反切による音注がないのは、-om に近い韻尾がそもそもなかったので、
どうしようもなくてそのまま放置したのではないかとも思いますが・・・。

185の例ですが、私は中期語のjem.gyr.ta、現代語のjeomurda(実る、熟する、体格が立派だ)が
相当する語ではないかと思います。(ピリオドは去声点の代用です)
なお「塩骨品成」は「塩骨易成」ですね。「易成」は isin、isi.ta(ある)の連体形でしょう。
成がsinに宛ててありますが、このころの中国語では「前舌母音+η」のとき、ηが gn のような音に
発音されたようなので、nに近かったため、使われたのだと思います。
少し後の例「鞋曰盛.sin」も同様の例ですし、例の「丁蓋」問題もこれが一因ではないかと思います。

880 名前:日語商売:2003/12/15(月) 16:-24 ID:UsgVsbwQ

190の例ですが、「田」にあたる中期語としては、
tjek.ta(小さい)、c@n(細かな、小さな) 、co(粟) などが候補に挙がると思います。
「田」は日本のように水田の意味だけではなく畑の意味もあるので、
単に漢語を接頭辞として使ったのかもしれませんが。

191の「秘」ですが、語形だけみると pie という語が一番近いけれど、
これ、「稲」って意味なんですよね。w
いくら何でも麦と稲を間違えるまいと思いますが。
で、他に相当する語を考えると、.mir(小麦) でしょうね。
現代中国語ではどこをどう間違ったか「秘」と「密」がごっちゃになって、秘を mi4 と読みます。
で、同じことが既に中国中世にあったとすれば、これは実は「密」と読むべきであって、
そうすると .mir とぴったり一致するんですが。

192の例は私も kong かと思ったのですが、李基文『韓国語概説』によれば、
「豆曰太」が正しく、高麗時代の吏読に豆を「太」で表した例があるので、
それをそのまま書いたものだそうです。ほんまかいな。

881 名前:阿木林:2003/12/15(月) 16:-20 ID:AyTEur7A

>879
再開、というわけでもないんですがあまりに停滞していたので。
スレのサイズがやばい、というのは気づきませんでした。
みにふろだから大丈夫かな?とばかり。新スレでも立てますかねぇ。
「品」ではなく「易成」であるとの指摘、ありがとうございます。
ちょうど字がつぶれて見えなかった場所です。
342.問物多少曰密翅易成/*miec(i) isin/と比較しても完璧ですね。
前舌母音の後ろが/-n/や/-t/になる傾向は、現代の「中原漢語」を
北限として、四川語や客家語を南限として華南に広く分布しています。

882 名前:日語商売:2003/12/15(月) 16:-15 ID:UsgVsbwQ

>>881
みにふろはサイズがどのくらいになったら立て直した方がいいんでしょうね?
あまり大きくなるとIEとかで読み込むときにしんどくなりそうなので。
900に行ったら新しく立てましょうか、今度は「高麗語合戦」とかの題名で。


883 名前:阿木林:2003/12/15(月) 16:04 ID:AyTEur7A

>190
吏讀をそのまま書いた例がある、ということはできればなるべく考えたく
ないんですが、この資料の中にはありそうな雰囲気がぷんぷん
漂っているんですよねw
「秘」をミと読むかピと読むかは迷ったんですが、父曰了秘などで使われて
いるため、ピと読むほうを選びました。
これを仮にミと読むと、196.醤曰秘祖は日本語の「みそ」と同音となって
面白い結果になるんですが…

新スレについてはナナシサンまかせでいいかな、と思っていたのですが、
まだ蟄居閉門が続いているみたいですねぇ。
新スレでもあえて「高麗語」にこだわらなくてもよいかなと思います。
「高句麗語」についても掘り下げたいですし。

884 名前:阿木林:2003/12/15(月) 17:02 ID:AyTEur7A

とりあえず200まで

196.醤曰秘祖
    中期語でも/jiang/という漢語が用いられています。
    /*bijo/とでも発音するのでしょうか。191.麦曰秘との関係が
    気になりますし、日本語の「みそ」とも音が近いといえます。

197.塩曰酥甘
    現代語の/sogym/に近い発音です。/*sog@m/というような発音
    だったのでしょう。「しほ」と近いかもしれません。

198.油曰畿(入声)林
    現代語の/girym/ですが、わざわざ入声という註が入っているので、
    /*girrim/のような発音だったのではないかと思います。

199.魚肉皆曰姑記
    現代語の/gogi/です。古い言葉なんですね。109.魚曰水脱(剔曰切)
    とは明確に区別されています。

200.飯曰朴挙
    現代語の/bab/と近いのですが、「挙」とはなんでしょう。
    中期語の/moi/とも関係なさそうです。たとえば「菩」のように子音の
    /b/をあらわす文字を誤写したものでしょうか。

885 名前:阿木林:2003/12/15(月) 18:-8 ID:AyTEur7A

201.餅曰模做
    中期語の/sdeg/には関係がなさそうなのに、日本語の「もち」と
    妙に音が近そうな言葉です。おそらくは飯を意味する/moi/に
    関連することばでしょう。/sdeg/と日本語の「しとき」にはなんらか
    の関連があると考えてよいと思います。アイヌ語の/sitok/は
    日本語からの借用語ではないでしょうか。

202.茶曰茶
    漢語です。/ca/と読むか/da/と読むか難しいところですが、
    292.茶匙曰茶戍という例があるので、現代語の
    /cas sudgarag/(茶さじ)からの類推で/ca/にしましょうか。
    一見日本語の「さじ」は/sud/に近いのですが「茶匙」という漢語です。

203.湯曰湯水
    現代語では/tangsu/とはお湯のことですが、ここではスープを意味
    するのではないかと思います。

204.飲酒曰酥孛麻蛇
    /*suwur masie/と再構できます。

205.凡飲皆曰麻蛇
    204参照。それにしても高麗人は酒好きだったんでしょうね。
    かつて朝鮮半島では家醸酒といって、酒は家で作ることが主流
    であり(そもそも流通手段がなかった)、地方ごとにさまざまな
    地酒があったそうですが、日本時代に専売制にしたおかげで、
    家で作る風習は、本土ではほぼ絶滅してしまったそうです。
    しかしながら在日朝鮮人の家庭では、その技術がしぶとくも
    生きながらえていたりします。ドブロクマンセー。

886 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/12/15(月) 18:-3 ID:an/3yKf6

>阿木林さん
>日語商売さん

 高句麗語の件は放棄したわけではないのですが、今、本業の方が何かと
忙しくてまとまった時間が取れないのですよ。何せ卒論の学生を何人も
抱えているのでこの時期大変なんですぅ・゚・(つД`)・゚・。幸い、『鶏林類事』
の検討が進行中ということもありますし、とりあえずそちらの片が付くまでは
高句麗地名の041以降の考察は一時お休みということにさせて下さいませ。

 新スレについては、確かにそろそろ立てた方がいいかも知れませんね。
専用ブラウザを使っている分には気になりませんが、IEだとパソコンの性能
によってはこのデータ量はちと重荷になるかと。高麗語スレの分離独立は
賛成する人が多いようでしたらやむを得ないかと思いますが、個人的には
反対ですね。『鶏林類事』にしても、高句麗語の再構に役立つということで
取り上げたわけですし。なお、新スレ立ては宜しければお二人のどちらかが
して下さると助かります。私はあくまでも日本語学分野の論者に過ぎません
し、スレ主は何も私でなければならないということもないはずですから。

887 名前:阿木林:2003/12/15(月) 18:28 ID:AyTEur7A

206.暖酒曰蘇孛打里
    中期語の/*d@r-/と思われます。「里」は「安里」などに
    使われているので/ni/という音を表しているとも考えうるのですが、
    むしろ否定の/ani/が/anri/という発音だったのかもしれません。

207.凡按排皆曰打里
    「按排」は準備する、という意味の漢語です。/d@r-/に相当する
    現代語の/da:r-/は「熱くなる、煮詰まる」という意味ですが、
    酒や料理を準備するときに使われたのでしょう。

208.勧客飲尽食曰打馬此
    /*da megc@/(全て 食べろ)とでも読むのでしょうか。
    歓待好きなかの国のご先祖の姿が目に浮かぶようです。

209.酔曰蘇孛速
    「速」は222.羅曰速でもでてきます。この「羅」は「あみ」ではなく
    「うすぎぬ」を意味すると思われますが残念ながら該当する語が
    わかりません。現代語の/cui(酔)ha-/に相当する固有語があった
    ということでしょう。

210.不善飲曰本道安里麻蛇
    「本道」とはなんでしょうか?仮に道を/do/、本を量詞としてしまえば、
    「(一)本も飲めません」という意味になるのですが・・・

888 名前:阿木林:2003/12/15(月) 19:10 ID:AyTEur7A

>886
了解しました。1のテンプレはもったいないので次も流用していいですか?
あれだけの名文は私にはとても無理ニダ・・・
あと、さっき入力したところで「腹」や「船」の中期語を/boi/としてしまった
のですが、/b@i/の間違いです。すみませんでした。

211.熱水曰泥根没
    「熱い」を意味する現代語の/ddygeb-/や/ddaddys ha-/はいずれも
    音が遠すぎます。「沸く」を意味する/ggyrh-/も無理でしょう。
    音が近いのは/ig-/などがありますが、これは果物が熟したり、
    料理などが煮えることをあらわします。漢語の「熟」に相当します。
    「沸かし水」という意味で/(n)igyn mur/ということでしょうか。
    北京語には「熟水」という単語があるのですが。

212.冷水曰時根没
    これは問題なさそうです。現代語の/sigyn mur/に対応します。

213.飽曰擺[口自](土加?反)
    肝心な[口自]の注釈が読めません。土加反なら/*tia/のような
    発音なのですが・・・中期語では/b@i byry-/となります。
    現代北京語ではこの文字はzan2と読まれ、「我々(inclusive)」
    という意味です。

214.飢曰擺[口自]安里
    213の否定です。/b@i *tia *anni/のような発音でしょうか。
    高麗語では、否定辞と動詞の間に挟まれる/-ji-/のような
    要素はなかったんでしょうかねぇ。

215.金曰[舟+β]論議
    このスレの>571のJAKE_USA氏のレス参照。248.黄曰那論から、
    これが「黄色いもの」を意味することがわかります。[舟+β]は「那」
    の異体字です。/*nor@ng'i/というような発音と思われます。
    黄色は中期語で/nor@-/、現代語の/norang'i/に相当します。
    日本語の「やまぶき」と似ているといえます。
    

889 名前:日語商売:2003/12/15(月) 20:03 ID:R2pRHGSI

ソンセンニムも卒論の時期では大変ですな・・・。こちらはそういう指導とかしなくて済むのですが、
成績出さなきゃならないのが大変・・・くれくれ坊主どもが大挙して押し寄せてくるし。

>>884
109の「魚曰水脱(剔曰切)」ですが、Jake_USAさんはこれを「水」+魚を示す接尾辞の
tiまたはciと推定していますが、私は「水」+toth(豚) ではないかと思いました。
脱に反切をつけて duet のように読ませる指示がありますが、これは当時の中国語でこの音を
一字で表せなかったからであるのと同時に、toth の母音が何らかの理由で前寄りに発音された
ことを表しているのだと思います(先行する水∫iui, 朝鮮漢字音なら sju の影響?)。
一番それっぽい単語だと sjudar というのが中期語に現れますが、これは「かわうそ」・・・。
現代語では mulkae、「水+犬」の合成語です。上の説は実はこの言葉から思いついたことですw

「飯曰朴挙」、これは気になりますね。中期語や現代語の pap を指すのはほぼ間違いないし、
中国語では適切な音を表す字がなかったので「朴」を持ってきたんでしょうが、
あとの「擧」がわかりません。pを表すための文字の誤写か、音注の残存か。

890 名前:日語商売:2003/12/15(月) 21:-23 ID:R2pRHGSI

>>885
「餅」は本来小麦粉をこねて作ったもので、日本の「もち」や韓国の tteok とは別物
(こっちは中国では[米羔]と呼ぶ)なので、もしかすると今は存在しないまったく別な食べ物かも
しれませんね。案外 muk(かし豆腐、どんぐりの粉などで作ったごま豆腐のようなもの)と
関係あるのかなと思ったりしました。そういえば昼に食べたなぁ。
しとぎ(粢)はうちの田舎では、神様に供える団子(おしとぎ)という言葉に辛うじて生き残ってます。
205でマッコリ飲みたくなりました。日本にもって帰れるようなの売ってないかなぁ。
正月の振る舞い酒にするのにw

>>887
206と207の「打里」は、むしろ他動詞形の ta.ri.ta/tar.hi.ta(煎) をあらわしているとみる方が
いいのではないかと。
210の「本道」、私は pon.t@i(元から) とみました。ちょっと「道」の読み方に難がありますが。
「不善飲」の意味はとりづらいのですが、「飲むによろしからず」ということでしょうか?

891 名前:日語商売:2003/12/15(月) 21:-2 ID:R2pRHGSI

>>888
213の [口自] ですが、どうも「土加反」は誤りのようです。
[口自] を tha と読ませるのは相当無理がありますし、その音に適当な字としては
口語ですが「他」など考えつきますし。
ある論文で「七加反」としてあるのを見たのですが、それが正しいとすると、
中期語の .ch@.ta、現代語の chada(満ちる)という言葉を表したものとみられますね。

215ですが、これは後のところに「銀曰漢歳」とあるので、
義が歳の誤写だという説もありますね。だとすれば 語形は no.r@n(nu.ryn) .soi で、
「黄色い鉄(金属)、こがね」という意味になります。

892 名前:阿木林:2003/12/16(火) 10:10 ID:7sGxMHpI

>880
「太」と書いて/kong/と読むということですよね。きっと。
大きいという意味の/kyn/と通じますし。
「火」を通例通りポルと読んで音の近い/p@s/~/p@sg/~/p@c/を
あらわしたのではないか、と思って思いました。
>884
おお!スダルという言葉は思いつきませんでした!
意味がシフトしたというよりは、編者が間違えて記録した可能性が強いですよね。
現代語でもカワウソは/sudar/ではないでしょうか。
天然記念物に指定されているということですが、絶滅してないのかなぁ。
ムルケというと、海獣類をあらわす言葉だったと思います。
オンヌルという言葉もありますが、これは漢語で膃肭臍という
ことに由来しています。
「挙」がかりに/-ges/(もの)のような要素として、「食べる−もの」という
言葉だとすれば、現代語の/bag-/(入れる)や/bad-/(受ける)という
言葉に、古くは「食べる」という意味があったのかもしれません。
日本語の「はむ」とも関連づけができそうです。
/ba:m/(栗)や/bab/(飯)とも関連する動詞ということになるでしょうか。
>890
そうでした。餅と[米羔]は違うんでしたね。模做の前半部分はいかにも
ムクと関係がありそうです。
マッコルリは空港でパックのイドンサルマッコルリがたくさん売ってますよ。
こないだ義父に土産で買ってきました。
「不善飲」は「善く飲まず」、あまり飲むことができないという意味でしょう。
「本道」の解釈は、おっしゃるとおり現代語の/bondi/にあたる言葉とみた
ほうが自然ですね。

893 名前:阿木林:2003/12/16(火) 10:17 ID:7sGxMHpI

そろそろスレたてしてみます。
タイトルは「高句麗語合戦2 〜人民義勇軍参戦〜」
にでもしますかw

>891
なるほど。この部分の反切は「土如反」とも読めるのですが、
「七加」ないし「七如」とすれば/c@da/と結びつきますね。
また、金の解釈も「黄色い鉄」と考えれば矛盾がありません。
歳と議をうつし間違えるのは、よっぽどのことのような気もします。

894 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/12/16(火) 11:-25 ID:YXTQ4LwM

>>880 日語商売さん
>>892 阿木林さん

 「豆曰火」が「豆曰太」の誤記で、「太」と書いて「kong」と読んだ(「火」と
書いて「pol」と読んだとしても同じ)とすると、『鶏林類事』の漢字表記には
訓読するものが一部混じっているということになってしまうわけですが、
著者が生粋(w)の中国人であることを考えると、ちょっとこれは俄かに信じ
難いものがありますねぇ。高麗人のインフォーマントに発音してもらったの
を音写したのではなく、単に筆記してもらったものを集めただけということな
のでしょうか。う〜ん。

895 名前:阿木林:2003/12/16(火) 11:10 ID:7sGxMHpI

おはようございます。時刻の表示がなんか不思議なことになってませんか?
892の自分のレスを読んだら日本語が変で笑えました。

「訓読」の可能性は可能な限り排除したいんですが、
1.基礎的な名詞ほど漢語が現れる
2.動詞や形容詞などでは漢語は少ない(色をあらわす語彙は例外)
という特徴は、訓読字があることを特徴的に示しているのではないでしょうか。
もしそうだとすれば発音は中期語などから類推するしかないので、
なるべくならそのままファやフォと読みたいのですが。

当時の「吏讀」を中国人が読むための注釈書として使われたのでは
ないか、という気すらします。もっとも「全部食べなさい」とか
「あまり飲めません」なんていう楽しい言葉も記載されているので、
これらはおそらく編者が耳で聞き取った言葉でしょう。
そのため、高麗人が書いた資料を写したものと、編者が聞き書きした
ものの両方が含まれている可能性があります。

ただ、現時点では訓読の可能性はなるべく排除してみます。

896 名前:阿木林:2003/12/16(火) 13:31 ID:7sGxMHpI

高句麗語合戦2 〜あれは韓国これは日本〜
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1071550720" target=new>http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1071550720

新スレなり〜。こちらはサゲ進行でおながいします。

897 名前:日語商売:2003/12/16(火) 16:-4 ID:EDip0Vp2

スレ立て乙です。こっちのスレの分はこっちでレスしちゃいます。

>>892
「太」という字でいささか面食らいますが、khong と khyn の音の近さで使われたんでしょうね。
ただ、同じように吏読の文字を写したとされる例でもう一つ「升曰刀」ってのが挙げられているんですが、
こっちには「音堆」と音注があるのにこっちにはない。
中国語で探せば「空」のようなぴったりな音をもつ字があるのになぜか使われていない。
もしかすると一字で表せないような音だったのかもしれません。
あとの「大曰黒根」をみると高麗時代には「大きい」は *hyky.ta のような語形だったように見えるので、
もしかすると「大豆」も中期語以前には *h@kong とか *h@konk のような形だったのかも。
そもそも朝鮮語の kh は漢字音でも「快」とその同韻字にしか使われないという変な特徴がありますし、
固有語でも中期語ではっきり kh が語頭に現れるのは khyta とか khong とか数語だけ。
朝鮮語にはもともと有気音系列がなかったという説もありますし、比較的新しい成立なのでしょうか?

辞書調べたら、ムルケはオットセイの意味でしたね。
カワウソはおっしゃるとおりスダル(水獺)でした。
まぁ、これも漢語由来なんですがね。
マッコルリ情報ありがとうございます。

>>893
ああ、「議」じゃなくて「義」です。
「義」と「歳」ならまだにてると思います。ただこれは他の本でも「義」のようですし、
まぁ「義」のままでnor@ηi を写したものと考えてもよさそうですが。

>>894-895
基礎的な語彙に漢字語がむちゃくちゃ多いところとかみると、
どうも我々の感覚の方言調査をしたような感じじゃない気がしますねぇ。
中国における方言調査の濫觴といえばかの揚雄、彼は門前に座って地方から来た人に
いろいろインタビューしたそうですが、こちらの孫穆氏は北宋朝廷からの使者で、
まさか朝廷から高麗の方言調査は命じられていないでしょうし、個人的な興味があっても
腰の座った調査などしてる暇はなかったでしょうから、要人との会見とか宴会の合間に
ちょっと尋ねたり、あるいは誰かに書いてもらったりしたかなと個人的には思います。
あと、中国人にとって、高麗の言語はまったく別な言葉ではなく、まさに一種の方言と
捉えられていたのかな、そういう気もします。
「延客入曰屋裏坐少時」って項目がありますが、これなんか高麗語写したのか
中国宋代の白話なのか、どっちにも取れそうだし。

まぁ、訓読字から高麗語を掘り出すのは難しい、と言うかほぼ無理でしょうから、
音訳とみられるところだけを相手にするしかないでしょうが。

898 名前:阿木林:2003/12/16(火) 18:-21 ID:7sGxMHpI

>897
そういえば、ほかにも現代語で激音となる部分が、二重子音のように
表記されているところがありましたね。とはいえ、「火」という表記と
どうやって結びつけるのかは難しいです。
スダルは漢語なんですねぇ。あと、おっしゃるとおり「那論義」が正しかった
です。自分で資料を写すとき、間違えたみたいです。
当時の「方言」という言葉は、たとえばフンミンジョンウムでも
「土民は方言を表記できず云々」というような言葉が出てくるように、
単なる「地方の言葉」という程度の意味でしたから、漢語の変種だと
考えていたわけではないのでしょう。揚子方言についても、同様だと
思います。ちなみに揚子方言(編者が彼ではないという説もあります)
については、編者が直接聞き書きしたものと、文献からひいたものと、
さまざまな時代にわたる語彙が集められているため、
注意が必要だそうです。

「延客入曰屋裏坐少時」は確かに面白い例ですね。
延客は「客を招く」という意味ですから、「ちょっと中に座りなさい」
の意味にもとれるし、344.相別曰羅戯少時という例もあるので、
「少時」は動詞の語尾にも見える。

899 名前:日語商売:2003/12/17(水) 18:13 ID:TtLCZHE.

>>898
「屋裏坐少時」は、現代語で言えば olla juseyo のような言い方を、
中国語めかして表記したものだと思います。
「屋裏」が or.ta/o.r@.ta(上がる、登る)、「少時」が -sio.sie(〜なさいませ)、
「坐」が難しいのですが cu.ta(与える) だと推測しました。
日本語の「(家に)上がってください」という意味と考えたのですが、
いくら半島の家が高床式でも日本と同じような言い方をしたのか
(現代では「入ってくる」の teura-oda を使う)、
また高麗時代に 〜 jusiosie のような言い方が成立していたのかわからないので、
あくまでも推測なのですが。

900 名前:阿木林:2003/12/21(日) 17:03 ID:9O2hI28s

なるほど。キョンサンサトゥリだと、オルラオイソ、みたいな
言い方もできますよね。
現代語の-aに対して、-iのような連用語尾があったのかも。
他の部分では「時」はsiの音訳として用いられているらしいのですが・・
ju-daに坐が対応しているとすると、341.乞物曰念受勢のような
ものはどのように解釈しましょうか。とりあえず900げと。

901 名前:日語商売:2003/12/21(日) 21:-25 ID:zPalenMk

>>900
「屋裏」は、個人的には語幹 or- の部分を表したのではと思っています。
「時」は「時蛇」のような例では si ですね。
どうも『鶏林類事』では、-i の音をもつ字を高麗語の i と ie の両方に使っているようなので、
「少時」を -siosie だと考えました。ここと344.相別曰羅戯少時でしか使われていないのは
「しばし」という意味を込めた用字だからでしょうか?

341.乞物曰念受勢ですが、「念」が ju-da の語幹を表したとは見られないので、
一体なんだろうなと調べたのですが・・・よくわかりませんでしたw
字の音からすると、nam-ta, nem-ta, njem-ta, nim-ta のような感じの動詞を表したものでしょうが、
nam-ta が「余る」、nem-ta が「越える」で、あとは該当する動詞がありません。
nem-ta の他動詞形である nemki-ta に、現代語で「(物越しに)渡す、(権利関係などを)譲る」
という意味があるので、これに近い言葉を表したものかな、と考えています。

902 名前:吉士幾三:2004/01/07(水) 00:28 ID:XmAGkBPE

古いスレに書くべきでした。いきなり謝罪汁放出してまった。

はじめまして。すみませんいきなりですが教えていただきたいことがあるのですが、
岸氏の一族について調べていたところ、岸=吉士=きしは、新羅の官僚の意と
でてきたのですが、高麗神社の祭神の高麗王若光(こまの こきし じゃっこう)
とこちらにもキシということばがでてきますが、キシという言葉が高句麗でも使われていた
可能性とか形跡はあるのでしょうか?ご教授お願いします。
両方かいてしまいましたが、こちらにお答えください。

903 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2004/01/07(水) 01:19 ID:35u2NxrQ

>>902 吉士幾三さん

 一足遅かった。もう新スレに書いてしまいました。

904 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/02/14(土) 06:11 ID:koOMQBBg

次スレ
高句麗語合戦2 〜あれは韓国これは日本〜
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1071550720&ls=50" target=new>http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1071550720&ls=50

905 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/02/14(土) 12:-10 ID:1v/6mpKI

次スレ早すぎるだろ

906 名前:電波浴する名無しさん:2004/03/11(木) 01:36 ID:ty8bxVgQ

2chからでた同人誌てことで高句麗本を作ろうと思ってたんだけど
あちこちのスレをざっとながめてみると、高句麗ネタは

【起原・建国】
・玄菟郡との関係
・日本語で「コマ」というわけ

【途中の歴史】
・漢・魏時代(山岳部族時代、中国との対立)
・五胡十六国時代(遼東・楽浪併合、鮮卑・倭との対立時代)
  (=広開土王碑文にみえる古代史)
・南北朝時代(倭と友好、中国・新羅との対立時代)

【終焉・滅亡】
・埼玉の高麗神社、日本への帰化人
・高麗(半島)との関係
・渤海国との関係

【民族系統】
・高句麗語と日本語の同系説?
・高句麗・夫餘は騎馬民族?
・高句麗はツングース系?朝鮮系?夫餘系?

【現代政治】
・半島でのトンデモ高句麗史
・中国と韓国・北鮮との対立(歴史論争)

こんなとこかな。普通に途中の歴史があんまり興味もたれてなくて
かなり偏ってる感じだけどw
他に面白いネタある?

907 名前:日語商売:2004/03/11(木) 03:25 ID:mBaVmnhA

だいたいそんな感じでいいんじゃないですかねぇ。

そういえばこの前も「大高句麗」なんて歴史プロパガンダ番組やってて、
高句麗はウリナラニダ!と叫んで、中国の最近の動きを糾弾するとか、
高句麗研究学会なるものが発足してるとか、中国の歴史書にも
「高麗は高句麗を受け継いだ」と書いてあるニダ!とかやってましたな。
世界まる見えあたりで取り上げたら日本でも祭りになるのになぁ。

908 名前:電波浴する名無しさん:2004/03/11(木) 11:38 ID:6WKdaSv6

「大高句麗」って「大高句麗帝国」とか逝ってるの?(w

そう言えばかの国の人が持ち出す高句麗の地図って必ず長寿王時代の最大版図だねえ。
紀元前に建国したみたいだけど4世紀になっても首都をおとされてたりしてるけど
そういうことを普通の人は知らないのかな。

909 名前:電波浴する名無しさん:2004/03/11(木) 19:56 ID:IJwCHvV.

「ムクリコクリ」は「蒙古高句麗」からきてるとか
コックリさんの語源は高句麗だとか、の電波ネタもあるでよw

910 名前:電波浴する名無しさん:2004/03/13(土) 11:47 ID:xJ3j9UUI

ムクリコクリはそれでいいんじゃないのか?

911 名前:日語商売:2004/03/13(土) 18:02 ID:4YC7P43E

>>908
そうは言ってなかったです。おそらく「大韓民国」の「大」ぐらいの意味w

>>909
ムクリコクリの碑は仙台にいた頃、近所の寺にあったので見に行ったことがありました。
墓地の一角にあったのですが、見たところ古い普通の供養碑でした。
説明文によれば本当の石碑は別なものだとか・・・じゃあこれは何なんだよw

912 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/03/13(土) 21:46 ID:mTaCydZA

それは多分、ムクリコクリ12歳の時の碑です

913 名前:転載くん:2004/04/01(木) 12:42 ID:V2va5M.I

【日帝】2009 ロスト・メモリーズ 【陰謀】
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1079209882/" target=new>http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1079209882/

50 名前:マンセー名無しさん メェル:age 投稿日:04/03/23 15:12 ID:p3Zf575D
既出かもしれませんがロストメモリーズは以下の小説の無断映画化です。

卜鈷一「京城・昭和六十二年―碑銘を求めて―」(成甲書房)
 京城は、しかしソウルではなく、ケイジョウと呼ばれるのである、この世界では。
 昭和六十二年、朝鮮という国はどこにも存在しない。主人公は日本の言葉を話し、
日本人の名前を持たされている。古来の言葉は完全に抹殺され、誰一人知らない。
本土の人々との格差に悩みはしても、真相に気付く者はいないのだ。大日本帝国は
満州、台湾、朝鮮半島を勢力下に収め、揺るぎない支配を誇っている。中国は
国民党と、共産党の2つの国家に分裂し、日本帝国に対抗する力はない。アメリカは、
軍人の政治が続く日本の友好国である。だがある日、彼は、見知らぬ言葉で書かれた
詩集を見つけ出す……。もし、伊藤博文が暗殺されず、朝鮮支配が効果的に進み、
太平洋での戦争が生じなければ――。
 ----------
で、この作品自体はデックの「高い城の男」の翻案ですので、
元々のルーツは「高い城の男」になるでしょう。
ちなみにロストメモリーズの肝は、天皇家が代々所有していたという
高句麗の遺品から天皇家は高句麗の子孫だった!という結論に
あいなるわけですが、ハン板のみなさまなら「高句麗と朝鮮は無関係では?」とか
「ははん!それなら朝鮮半島の正当な支配者は天皇陛下じゃん!」
とか、韓国人の製作意図とはまるで違う結論が導けるかもしれません。

914 名前:縄文 ◆JtqvTec2:2004/04/02(金) 22:13 ID:quqOPqlA

自転車小僧さん、マンセー。世界史のスレ、面白かったです。

915 名前:電波浴する名無しさん:2004/04/04(日) 08:20 ID:XpSCHwaA

世界史のスレ?

916 名前:ゲラゲラ:2004/04/21(水) 00:29 ID:xJHlkGp6

>>914は、
糞カキ人夫であることが、発覚する前からも した後も、自作自演で自分を持ち上げる
糞芝居に狂奔する鼻つまみ者の糞カキ人夫「自転車小僧」の自演。


917 名前:スモーカー ◆9s/SSlUk:2004/04/21(水) 16:35 ID:QsfxoLDg

こけーっこっこっこっ

918 名前:電波浴する名無しさん:2004/04/21(水) 18:55 ID:kLRsuUlQ

えっ!?自転車小僧と縄文って同一人物なの???

919 名前:縄文 ◆JtqvTec2:2004/04/21(水) 22:34 ID:sP.HXj6E

そんなはず無い(爆
どうせ、自転車小僧氏に世界史板でけちょんけちょんにやられた
リアル工房とかが八つ当たりしてんだろ。

920 名前:電波浴する名無しさん:2004/04/21(水) 23:20 ID:wZcJZMe2

どうでもいいけど該当スレ教えてください>世界史板

921 名前:縄文 ◆JtqvTec2:2004/04/21(水) 23:30 ID:sP.HXj6E

すまーん。どのスレだったか忘れてしもた(w

922 名前:日語商売:2004/04/22(木) 00:12 ID:WdE1c.RY

縄文さんも大変ですねぇ・・・。

923 名前:縄文 ◆JtqvTec2:2004/04/22(木) 01:19 ID:2KaPiG/Y

ワシごときモノと人違いされてしまった自転車小僧氏が可哀想で....

924 名前:スモーカー ◆9s/SSlUk:2004/04/23(金) 11:45 ID:rDRGhmVY

実は、スモ=縄文=鍋屋なのだが。

925 名前:火病する名無しさん:2004/04/23(金) 20:07 ID:dwBQAh8o

スモ=ケムなのは誰でも知ってるが・・・

926 名前:縄文 ◆JtqvTec2:2004/04/24(土) 00:19 ID:yoWVzMEs

>>924
それは怖いな。

927 名前:あぼーん:あぼーん

あぼーん

928 名前:あぼーん:あぼーん

あぼーん

929 名前:あぼーん:あぼーん

あぼーん

930 名前:自転車小僧 ◆mI/K76EY:2004/05/01(土) 02:33 ID:igE4N0gI

>914,920,921
最近は世界史板では食い物スレしか出入りしてないが・・・。
3月ならばコテハンスレにも出入りしとったけど。

931 名前:あぼーん:あぼーん

あぼーん

932 名前:あぼーん:あぼーん

あぼーん

933 名前:あぼーん:あぼーん

あぼーん

934 名前:あぼーん:あぼーん

あぼーん

935 名前:あぼーん:あぼーん

あぼーん

936 名前:あぼーん:あぼーん

あぼーん

937 名前:あぼーん:あぼーん

あぼーん

938 名前:真・スレッドストッパー:停止

書けませんよ( ̄ー ̄)ニヤリッ

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