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高句麗語合戦 〜あれは韓国これは日本〜
1 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/06/14(土) 16:41 ID:jWJqQfL6
とざいと〜ざい。これより皆々様にご披露致しまするは、いにしえの高句麗語の
数々で御座りまする。高句麗は今を去ること1300年以上昔に滅びし古代国家で
御座りまするが、かつては満州西部・沿海州から朝鮮半島北部一帯にかけて
広大な領地を持ち、彼の隋・唐帝国の攻撃すら再三にわたって撃退したことも
あるほどの強いつよ〜い国家に御座りますれば、ニダビトの皆様にとりましては
数少ない「誇らしいですね。サ、サ、サ。」と言える存在なわけで御座りまする。
ところが、あに計らんや、資料に残る高句麗の言葉をよくよく調べてみますると、
ウリマルには似ても似つかず(それは言い過ぎ)、それどころか、何とな〜んと、
彼のにっくきチョパーリどもの言葉とよく似ているというからさあ大変! 果たして
ニダビトの皆さんは誇りある歴史を取り戻すことが出来るでありましょうか。
__ /
iii■ < 乞うご期待!
─ー(´∀`)-─ \
|\@|_Y_|@/|
.<\__(ωω)__/>
501 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/11(土) 05:02 ID:BBN/iC5.
>>500
愚かな 日本人はこのスレをよく読むべきですね
.【謝ることなど】日韓歴史認識スレ15【ない】
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1064336195/
" target=new>
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1064336195/
502 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/11(土) 10:39 ID:BBN/iC5.
どなたか朝鮮語のわかる方、
>>499
の
http://www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm
" target=new>
http://www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm
を翻訳して頂けないでしょうか。
http://j2k.naver.com/j2k.php/japan/www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm
" target=new>
http://j2k.naver.com/j2k.php/japan/www.hangeul.or.kr/hnp/hg2000/hg249_03.htm
http://ocn.amikai.com/amiweb/browser.jsp?url=http%3A%2F%2Fwww.hangeul.or.kr%2Fhnp%2Fhg2000%2Fhg249_03.htm&langpair=9%2C2&c_id=ocn&lang=JA&toolbar=yes&display=2
" target=new>
http://ocn.amikai.com/amiweb/browser.jsp?url=http%3A%2F%2Fwww.hangeul.or.kr%2Fhnp%2Fhg2000%2Fhg249_03.htm&langpair=9%2C2&c_id=ocn&lang=JA&toolbar=yes&display=2
でも何となく意味はわかる(復讐は複数、再区は再構、聖母は聖母、
雲母は韻母でしょう)のですが、「定木」とか「ウンミ」とか「歳国」とか
ところどころ理解出来ない語句がありますので。
503 名前:
日語商売
:2003/10/11(土) 20:37 ID:6gCMnqJw
>>502
拙い韓国語力で翻訳してみました。一部意訳したところもあります。
おかしなところも多いと思いますがスマソ
----------------------------------------------------
ハングル第249号 2000. 秋
高句麗語表記漢字音の形成基層とその語彙研究
目次
1.はじめに
2.高句麗地名資料
3.資料分析結果
4.結語
高句麗語を表記した資料である『三国史記』巻37の複数表記地名資料の中で、一度に15個の地名に用いられた高句麗漢字音を形成した基層と、語彙についての検討をするため、多くの学者が再構した上古音や中古音の声母や韻母の体系に基づき分析検討し、また上古韻尾子音の反映であるかどうか検討した。
その結果、音借字41字中、上古音を基層とする高句麗漢字音と推定される字は37字(90%)で、中古音を基層とする高句麗漢字音と推定される字の数は4字(10%)、上古字音の韻尾が反映された字は1字しか現れておらず、また20個の語彙中、新羅語や百済語、あるいは中世語と関連がある語彙は16個(80%)で、純粋な高句麗の方言と推定される語彙は4つ(20%)だった。
以降の結果からみて、高句麗語表記資料は上古漢字音を基層として形成されてはいるが、上古子音韻尾の反映がない点からみて、5、6世紀ごろの後期上古音と一部中古音が、高句麗漢字音を形成した基層であり、また高句麗語と新羅語および百済語は若干の言語差異を持つものと見られ、3国の言語が単一語であることが立証された。
〈チェ・ナムヒ 東義大国語学〉
504 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/11(土) 21:53 ID:BBN/iC5.
>>503
日語商売さん
ありがとう御座います。大変助かりました。ちなみに、
>>502
の「聖母は
聖母」はもちろん「聖母は声母」のつもりだったのですが、変換ミスをして
しまいますた。スマソ。
ところで、日語商売さんとしては、このチェ・ナムヒ先生の結論に対して
どのような感想をお持ちになったでしょうか。
505 名前:
日語商売
:2003/10/11(土) 23:05 ID:6gCMnqJw
「以降の結果」って「以上の結果」の間違いだ。スマソ
>>504
正直、要旨を読んだだけじゃ何とも言えないのですが、
資料が少なすぎること、どのような再構音に基づいているのかや手続きの問題、
他いろいろの問題があるのではと思っています。
この雑誌は母校の研究室で購読してるので、後輩に頼んで、コピーして送ってもらおうかな。
506 名前:
阿木林
:2003/10/12(日) 07:51 ID:39/.rCjA
上古漢字音・・・ですか。5,6世紀のものを後期上古音と呼んで
よいものかどうか。
上古音といえば通常、論語や詩経の時代から漢代に
かけてのものを言うと思うんですが・・・
ぜひ上古音を基礎とした高句麗漢字音の体系とやらを見てみたい。
清濁の区別を持たない時点で上古音とはいえないと思うけど。
東晋以降に南北の言語の分化が進んだと言われており、
中古音というのは南北朝の南朝後期の発音であるといえます。
北朝の発音は唐宋音に近いものであったと考えられます。
唐宋音で濁音が消滅しているのは、北方異民族の言語の影響を
強く受けたからとみられます。
507 名前:
香具山の光
:2003/10/13(月) 00:11 ID:Yoh2fHXg
こちらでは学術的な討論が進んでいて
>>499
に書き込んだ甲斐があったというものです。
googleで「高句麗語の研究」を検索すると唯一ヒットするサイトが
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/
" target=new>
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/
「娜々志娑无のぺぇじ」。このスレに直リンクが貼られていて実に便利です。
貴重なスレなので、どうか末永く存続させて下さい。
508 名前:
日語商売
:2003/10/13(月) 00:45 ID:PVZyHjM.
>>506
5〜6世紀の中国語の音韻は、むしろ中古音だと思いますね。
前にいろいろな学者の説やその時代の詩の押韻などから、ちょっとだけ漢〜南北朝時代の
音韻の変遷を表にまとめたことがあったのですが、一番中古音に近い押韻体系なのは南北朝後期。
唐代になると近世音に近づく変化が一気に進みます。
面白いのは、10世紀頃の音韻資料で、今の南京あたりの読書音が反映されているらしい資料を
今扱ってるのですが、それが北方音から見ると超保守的。
いくつか近世音の特徴もあるのですが、かなり『切韻』の体系に近い特徴を持ってます。
いかに南方と北方で言葉が違ってたかのか示唆していると思います。
>>507
こちらのスレを立てた娜々志娑无先生のサイトですね。
資料や過去ログにも有益な情報がたくさんありますので、是非ブックマークして御愛顧下さい。
509 名前:
阿木林
:2003/10/15(水) 16:19 ID:lHVnF3zc
10世紀頃だと、中原音で入声が合流しているくらいでしたっけ。
中古音の基礎となっている広韻自体が、北方漢語の話者である
鮮卑人である編者が、文化先進地域である江南地域の音韻を
まとめるために作られたものといえますから、唐代でも南北の差異が
開いていたことが窺い知れます。というか南北朝時代にそれが
固定化されたのでしょう。
現在の中国の言語的な南北の境界はほぼ長江にそっており、
南京含め長江以北はほとんどが「官話」地域ですが、
長らくシナの南北の境目はワイ河とされていたのですから、
言語境界もそのあたりにあったと考えるのが自然です。
明初くらいまでは南京は中原音よりもむしろ呉語に近い言語が
話されていたのだと思います。
現代の南京音は入声が声門閉鎖音として残る以外はすっかり
北方官話化していますが。
時代ごとに残された「韻書」の基準となった地域が、江南、長安、
ベン京、北京、南京などと移り変わっていることも、無視できない
事実ですよね。
朝鮮漢字音も超がつくほど保守的で、
三等と四等が区別されていたりするのには感動すら覚えます。
乙 *I@t eul オツ・イツ
一 *i@t il イチ
ただし以下の例では朝鮮音で混同されていて呉音で区別されています。
金 *kI@m keum/kim コム・キム
襟 *ki@m keum キム (中古音はうろおぼえですが)
中古音における三等というのも、かつては朝鮮語のeuのような
音値だったのかもしれません。ある時代にそれが一斉に-i-と
合流したのではないか。
510 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 12:14 ID:jmbqRw0I
なんか、私わるいことでも書いちゃったでしょうか・・・
朝鮮漢字音で上古音の痕跡を残しているらしいものといえば、
蹴、丑をchukと発音することなどでしょうか。
日本漢字音では入声を失っているのですが、
丑は忸などの音符になっているように、古くは入声だったのでしょう。
そのくせ、告goや洗seなどは末子音を失っていますが。
朝鮮漢字音の場合も日本語の呉音漢音同様にさまざまな層が
あるため、かなり複雑な様相を呈しています。
墨は漢字音ではmokですが固有語ではmeokであり、これも古い
漢字音であろうと言われています。
511 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/24(金) 12:55 ID:XUiYhPGI
>>510
阿木林さん
>なんか、私わるいことでも書いちゃったでしょうか・・・
いえいえ、最近本家の某スレの方で日韓中における「檀」の正体をめぐって
いろいろ盛り上がっている上に、リアルの方でもそれなりに忙しいもんで、
ついついこちらの方がおろそかになっているだけでおます。まぁ総督府は
本家と違ってスレ落ちの心配をする必要がありませんので、長〜い目で見て
やって下さいませ。
古い朝鮮漢字音と言えば、「車」の「k∂」もそうみたいですね。「c‘ja」の方は
間違いなく中古音でしょうが。中古音以前の漢字音は日本でも推古遺文の万葉
仮名や金石文の借音表記などに残っていますが、その多くは古韓音と呼ばれる
古い漢字音の流れを汲むものだそうです。この「k∂」も古韓音の成れの果てと
いうことになるのでしょうかね。
512 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 13:53 ID:jmbqRw0I
ははぁ。檀とはなんでしょう。。栴檀は双葉より芳し。
車については現代北京音でもche1/t∫∂1/、ju1/t6y1/の二つの音があり、
juはシナ将棋の「車」に用いられていますが、これが古くは/kjy/と
発音されていて、/*ko/にまで遡ることができるようです。
おもしろいのは朝鮮将棋の「車」は/t∫a/と発音されていること。
「飛車」の語源でもあるのでしょう。
「庫」の音符に使われていることから車に/k∂/という音があっても
おかしくはないのでしょうが、シャとコがかけ離れているため、
古代シナの別系統の言語を反映した可能性もあるのでしょう。
日本語の「くるま」は「くるり」という擬声語からなんでしょうけど・・
朝鮮固有語では「くるま」はスレ、またはバクィといいます。
残念ながら私の朝鮮語力は西大門さんほどではないので、
朝鮮語で/k∂/と発音されている例については、自転車をなぜか
チャジョンゴと発音する他に例を思い出せないです。
これが「チャリンコ」の語源だという説もありますが。
それ以外の単語、自動車などではチャドンチャと発音されます。
調べてみたら、車渠/k∂g∂/という単語を見つけました。
日本語では車渠貝、つまりシャコ貝のことです。
この場合も日本語で「シャ」なんですねぇ・・・
513 名前:
Seosomun ◆57aYuBt.
:2003/10/24(金) 14:23 ID:GLdPw6VY
人力車=インリョクコ
停車場=チョンゴジャン
ベトナム語の発音にヒントがあるかも
19世紀からある用語には普通に使われるようです
514 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/10/24(金) 14:55 ID:XUiYhPGI
>>512
阿木林さん
文字通り、「檀」の正体です。「檀君神話」の件から、「檀君」の「檀」とは何か
という話になり、日中韓で「檀」という漢字で表記される植物の正体は何なのか
ということを検討しています。日本では「マユミ」または「インドの香木」で確定
したと見てよさそうですが、古代中国の「檀」及び朝鮮半島の「檀」の正体に
ついては謎が多く、いまだ具体的につかめていない状態です。阿木林さんも、
また他の方も、もしご興味がおありでしたら、
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/san15.html
" target=new>
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/san15.html
←前スレ
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1066454986/
" target=new>
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1066454986/
←現行スレ
をご覧の上、参加して頂ければ幸いです。ちなみに、こちらでもお馴染みの
日語商売さんも参加しておられます。つーか、私が引き込みました(w。
515 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 15:01 ID:jmbqRw0I
なるほど。停車にはチョンチャという発音もあるので、
停車場もチョンチャジャンと読んでいましたが、チョンゴジャンが
正しいのですね。漢越音ではxa、ベトナム語音ではxeですが、
この/x/は喉音ではないので直接の関係を見出すのは難しそうです。
停車をチョンゴと読むのは、どちらかというと年配層ではないでしょうか。
関係ないですが「船着場」の発音を聞いていると、年配の人は
ソンチャクチャン、若い人ほどペチャクチャンと発音する傾向が
あるようでした。湯桶読みのような例ですね。
516 名前:
日語商売
:2003/10/24(金) 19:02 ID:4FNIWM02
>>510
最近ちょっとよそで立て込んでいたもので・・・
「蹴」は『広韻』では入声音しかなく、日本の「シュウ」の読みの方が、
声符の「就」に引っ張られた慣用音です。
「告」や「洗」も、日本の「コク」「セン」はそれぞれ「告朔(古代の祭りの1つ)」
「姑洗(音階名、また旧暦三月の雅称)」という特殊な語彙だけに用いられる読みを
採用してしまったものとのことです。
朝鮮漢字音で古そうな気がするのは、-eoi となるはずのところで一部 -eo となる
読みの字がある点ですね。麗 ryeo とか西 seo(syeo)とか低 jeo(tyeo)とか。
単に末尾の -i が脱落しただけではなくて、中国側で一時期 -ei ではなくて -e のような
音だったのかな、と。ただこれ初声(頭子音)が舌尖の音のときにしか現れない現象なので、
別な理由(舌尖音とiの間で異化が起こり脱落した)かなともおもいます。
古い漢字音の痕跡だと、筆を bus(<but)というのもそうだと聞いたことがありますね。
517 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 20:19 ID:jmbqRw0I
ありゃりゃ。自分が出した例はことごとく古音とは無関係だった模様ニダ・・・
丑がチュクと読まれる例はまだいけると思うのですが。。。哀号
蹴という字も中国語、というか各地のシナ系言語で使われることが
すくないのですが広東語でも福建語でも上海語でも入声なんですね。
洗は北京語でも、姓に使われるときはxian2だし。
告は酷の音符に使われているのだから古音で入声でおかしくないと
思っていたのですが・・・少し賢くなりました。
おばか丸出しだなぁ。。wチンシムロ謝罪するニダ。
518 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 20:34 ID:jmbqRw0I
「檀」については、あとでスレを覗いてみますね。
麗とか西とか低とかは、/∂/の音値が古くはずっと/e/に近かったため、
ということで一応解決できるのではないかと思っておりました。
福建語では/ei/という韻尾がないため、これらは/le/, /se/, /te/
と発音されています。
じゃあなんで/ei/という韻尾をもっていたはずの朝鮮漢字音で
/rei/, /sei/, /cei/という音にならなかったのか、
という疑問は依然として残るのですが・・・
呉音だとこれらはライ、サイ、タイとなるわけでして・・・
やっぱり「層」の問題として解決するしかないのでしょう。
末尾の-iが脱落するという点では、むしろ新しい層の漢字音に
属しているのかもしれないかな、と思ってみたり。
519 名前:
日語商売
:2003/10/24(金) 21:36 ID:QNkkr0Ls
丑が chuk となるのは古音の可能性がけっこう高そうですね。
ただ十二支の場合はタイとか他の地域にも借用とみられるものがあるのですが、
「丑」はなんか変な形になってるんですよ。語頭にpがあったり。
現地語の影響か古代の複子音の名残かわかりませんが。
よく古音の名残として取り上げられるものとして、-αの音を持つ漢字音の一部に
韻尾にiがくっついてるのがあることを思い出しました。
個(箇)gai とか、倭 uai とか。
ただこのiは、主格を表したり名詞を作ったりなどいろいろ機能を持つ -i が
くっついたまま残ったものという説もありますね。
脳悩 noe(noi)とか取趣就臭 chui のように、本来どこをどう振っても出てくるはずのない
韻尾のiが現れる漢字音もありますし・・・謎です。
520 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 21:56 ID:jmbqRw0I
十二支名が古代の華南のなんらかの言語による動物名の痕跡
(おそらくミャオ・ヤオに近い言語)だという説があったと思うのですが、
西田龍雄先生か誰かだったかなぁ・・・
ベトナム語と十二支
chuo^t_ 鼠 ○
tra^u 水牛 ○
ho^? 虎 (漢語) ×
meo` 猫(mao~の変?) △
ro^ng` 龍 ○
ra(n/ 蛇 ×
ngu'a_ 馬 ○
de^ 山羊 ×
khi? 猿 ×
ga` 鶏 ×
cho/ 犬 ○
lo'n_ 豚 ×
ミャオ語は、湖南、貴州、雲南の順で紹介する。
子 nen4 / nang4 / zhua6, nang4
丑 yu4 / lyo4 / nyo2
寅 jo3 / xe3 / zho3
卯 la3 / lo7 / lua3
辰 rong2 / vong2 / rang2
巳 nen / nang / nang
午 me4 / ma4 / nen4
未 yong2 / lyi3 / yang2
申 mrai / lei / la
酉 nu6, nu6-nu2 / ne6, nyong2 / nong6, zheu5
戌 ghwou5 / dla5 / dle5
亥 nba5 / ba5 / nbua5
521 名前:
阿木林
:2003/10/24(金) 22:09 ID:jmbqRw0I
機能辞の/-i/が残されているというのは、古韓語にあった/-i/の
ことでしょうか。それとも古漢語に見られる屈折現象のことでしょうか。
個/gai/というのは、個が古くは介に通じていたこと(一介の浪人、
というような言い方にも残されている)によるのでしょう。
客家語海陸方言だとkai5、潮州語でもkai2という発音になるのですが、
これは漢字音として認めてよいか微妙です。
倭/oai/は「矮/oai/」と関連があるのでしょうけど・・・
脳とか悩は本当に謎ですね。/noi/という綴りが/noi/という発音から
/nφ/に移行してからの漢字音でしょうか・・?
取趣も、シナ語の近世音に由来しているような気がします。
就臭とか吹とかは、それに釣られてしまった形なのではないかと
思うのですが、北京音の/-ou/にまとめて対応しているので、
ここにも何か秘密があるのでしょう。
上海音などでこれらが/-γ/と発音されていることを思い出します。
茂/mu/なんてのも面白いですよね。
522 名前:
日語商売
:2003/10/24(金) 23:00 ID:QNkkr0Ls
十二支名はいろんな説がありますね。
生まれたから死ぬまでを象徴しているとか、12ヶ月を表しているとか。
どれも決め手がないんですがね。
各地語のを見ると、現地語と漢語の動物名と十二支名がごっちゃになっていて、面白いですね。
漢字音にみられる -i は河野六郎先生によれば、名詞形を作る語尾からの
類推じゃないかということですが、どうなんでしょうねぇ。
脳は中期語の読み方では no だったはずですから、どこかでiがくっついたようですね。
蘇州語だと -au, -ou が前舌の -ae, -γ になるけど、直接の関係がなさそうだし。
茂は北京語では mao になってるし、結構変化が激しい音節のようです。
もとは mou だったのですが、同音の戊貿など mao になっているのに、
同音の牟眸・謀は mou、畝・母は mu になってます。
523 名前:
阿木林
:2003/10/25(土) 01:47 ID:efrfh1Qs
ああ、そういえば貿もmuだった・・・ムーヨクと無縁の生活をしているわけじゃ
ないというのに。
だいぶ前にあげられていたと思うのですが、江戸時代のプサン方言の記録で
「道」を「てい」と記録している資料があるそうですね。
思うに「脳」のようなよく使われる(多分)語彙には特殊な漢字音が生じ、
悩が引きづられた、というようなところではないでしょうか。
茂戊貿はすべて/mu/と読まれるし
牟眸謀はすべて/mo/と読まれるのだから、
北京音ともわりと関連がありそうですね。
畝は/mu/、母は/mo/ですが、母はかなり古い時期に入った
漢字音だろうし。
524 名前:
阿木林
:2003/10/25(土) 12:48 ID:efrfh1Qs
連カキすまそ。
ある時代のある時期に、/-o/が/-oi/にシフトしてしまうような
現象があったのかもしれません。
そういえば中国語板でロシア語のチャイのイ、が何か、
というのが話題になったことがありました。
福建音でte2なので、chaiというような音がある時代に存在したとしても
おかしくはないのですが・・・
単に子音にひきづられて/-i/という韻尾が発生したのかもしれないし、
ー児などの接尾辞や、「茶葉」が単音節化したものなど、さまざまな
可能性が考えられます。
あと、十二支についてはベトナム語などの例では十二支それ自体を
あらわす単語はなく、すべて「動物名」として使われているものです。
十二支が動物の名称にシフトしたと考えるよりは、古代の異民族語に
よる動物名こそが十二支であったという説を私は考えています。
ついでに十干も古代語の数詞か何かなのではないかと思います。
ミャオ・ヤオ語とはある程度関係が見出せると考えています。
525 名前:
日語商売
:2003/10/25(土) 21:55 ID:tvMcCFWI
>>524
そいえば韓国語には後続音節のiに引っ張られて前の母音が前舌化する、
いわゆる「ウムラウト」があるそうですね。
今語例を思い付かないのですが。
あと、「牛」もsoとsoiの2形があって、後者は接頭辞に使われる。
chaiのように -i がついている「茶」の形は南方方言にけっこう見られるそうで、
これも古音の名残という人がいましたが、どうなんでしょう?
中国語板はチェックしてないなぁ。なんか音韻学関係のスレってありますか?
言語学板はデムパゆんゆんスレが多いので恐くて逝ってませんw
十干も謎ですよね。
字や音からみていくと、植物の芽生えから実りまでを象徴しているようだけど、
やっぱり何らかの数詞でしょう。
苗瑶あたりは古代からのつながりが大きそうですから、関係調べるといいかも。
526 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/10/26(日) 16:53 ID:syDVvwgQ
そういえば昔『迷宮』に「十二干」説の論文のが連載されてて面白かったな。
527 名前:
阿木林
:2003/10/28(火) 10:42 ID:rAMt5Ixs
カイ(犬)>ケーのような音便はありますが、これはウムラウトとは
呼べないですよね。
so牛、soegogi牛肉という変化ですが、これも
so eui gogi(牛の肉)の音便というふうに説明することができます。
これが「肉」じゃなくて「仔(aji)」がつく変化だと、
ソ(牛)>ソンアジ、馬(マル)>マンアジ、犬(ケ)>カンアジ
のように-ng-が挿入されるのがおもしろい。
古くは*ngaji(ngagi)というような形だったのかもしれません。
茶の南方方言で-iという形が多い、というのはデマかハッタリの
部類ではないかと思います。そのような南方方言はついぞ聞いた
ことがないです。マレー語などを介してティーやテーの語源となった
のは恐らく福建語ですが、福建音で/te2/と発音されるのも、実は泉州音で
/tε2/と発音されることから、これが/ta2/の変音であることが
わかります。「チャイ」という語型は、恐らくモンゴル時代に広がった
語型であると思います。モンゴル語のチャイがインドから西南アジア、
ロシア東欧にまで広がっています。元のころに生じた、特殊な音韻が
元になっているのではないかと思います。もしくはずばり「茶葉」がなまって
チャイになったのではないかと。
音韻学関連の話題は、僕もそれとなく話題を振ってみることがあるのですが、
「現代中文」をやっている人たちにとっては、あまり近づきたくない世界で
あるようです。乗ってくれるのは自転車小僧さんくらい。
建てるとしたら言語学板かなぁ・・・
528 名前:
阿木林
:2003/10/28(火) 10:44 ID:rAMt5Ixs
植物の伸びるさまなんて発想は全然なかったです。おもしろい。
昔しらべた、ミャオ語の数詞との比較を紹介してみます。
ミャオ語は、湖南、貴州、雲南の順です。
なお、表記は苗語ピンイン方案の声調表記のみ数字にしたものです。
ヤオ語とも比較してみたことがあるはずなのですが、
あんまり収穫がなかった記憶があります。
甲 カフ a3 / i, ghai3 / i
乙 ou / o / au
丙 bu / bi / be
丁 brei / dlu / blou
戊 bra / za / zhi
己 dhao5 / dyu5 / dhou5
庚 jong6 / xong6 / xang5
辛 yi4 / ya8 / yi8
壬 jo2 / je2 / jua2
癸 gu4 / ju8 / gou8
>>526
おもしろそうですね。内容を紹介していただけるとコマプーです。
529 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/10/28(火) 11:49 ID:UiwdKVhc
>>528
十干はもともと十二干で、二つ削って十干が作られた一方、十二干から十二支が作られた。という説。
ところで「コマプー」とは?
530 名前:
阿木林
:2003/10/28(火) 13:52 ID:rAMt5Ixs
>>529
おお!ありがとうございます!ちなみにコマプーとは朝鮮籍日本人の
友人の口癖ですが、コマプスムニダ(ありがとう)の変形であると
思われます。いずれにせよ30男が口に出すと相当キモイマンです。
十二干から十干と十二支が作られたなら、もともとそれぞれは同じ
ものだったということになりますね。どれがどれに対応するのだろう・・
朝鮮語でも子(ja)と鼠(jwi)、丑(chuk)と牛(so)なんてのは似ているな、
と思うのですが、そこからあとが全然つづかないので、
十二支朝鮮起源説を打ち立てるのは私にはむりぽですw
531 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/10/28(火) 15:20 ID:J1Q1DlsU
>>530
甲→子、乙→丑、丙→寅・・・・・というような感じです。
コマプー、それ面白いからマンセー、アイゴーに続く第3のニダ系2ちゃん語として流行らせよう(w
532 名前:
日語商売
:2003/10/29(水) 16:55 ID:xwNW9uco
>>528
2、3年前に読んだ本に書いてあったのですが、あいにくその本は日本の荷物の中に
埋もれてしまっているので、参照できません。
「甲」が種の殻が割れた様子、「乙」が曲がった根が出た様子、
「丙」が双葉の出た様子・・・のような感じの解釈でしたが、
面白いけど後付けの解釈のような気がします。
それだと『説文』の陰陽五行の解釈と大した差はなくなってしまいますが。
数詞との比較も面白いですね。
甲kap、乙・ι∂t、丙pιaη、癸kiuiは似ていますし(音価は中古音)、
戊m∂u、庚kaη、壬nziemも似ていると言えば似てます。
あとは何とも言いがたかったり。
他の語彙も含めてきちんと比較した研究もありそうですが
今資料を参照できる環境にないのが辛いです。
中国少数民族語の概説書は確か図書館にあったので、時間があったらそれら引っくり返して
対照とかしてみようかな?
しかしコマプーってのも変な言葉ですね。
パンマルならコマウォとかコマワなのに、そういう形になるのがいかにも。
それともどこかの方言ではそういう形も使うのかな?
533 名前:
名無しさんはポシンタン
:2003/10/29(水) 22:04 ID:0PJIWDmU
十二干説だと、甲は、神憑かりする人がかぶる祭儀用の仮面。乙は忘れた。丙は壷を二つ並べたさま。
・・・・だったかな?
534 名前:
Jake_USA
:2003/11/02(日) 15:52 ID:t/UjzdUE
高句麗語の「谷」を意味する言葉について、ほとんどの研究者が見過ごしている
資料があると思います。皆さん「鶏林遺事」という書物を知っていますか?
前期中世朝鮮語の資料としてかなり役に立つと思いますが。。。
とにかく、「鶏林遺事」には、「渓曰渓」、すなわち、「渓(山地に在る小川)を
渓と云う」という記録があります。「渓」を意味する単語の場合は後期中世朝鮮語の
「シーナイ」じゃなくて漢語をそのまま使っていたという解釈につながるんですが、
「渓」の次の訳語一対こそ興味深いのです。それは、「谷曰丁蓋」(谷をテョンガイと
云う)と、漢語の「谷」を朝鮮語の「丁蓋」の字音の様に発音された単語をもって
訳していたのです。この「テョンガイ」(tjenggai)は多分新羅系の言葉で、高句麗語の
「タン」と日本語の「たに」と同源の語(テョン = tjen)に中期朝鮮語と現代朝鮮語の
「浦、入り江」などという意味の「カイ > ケ」(ハングルでは개)を付加した結果
生じた語形ではないでしょうか。意味的には「浦、入り江」という要素を「谷」に付け加えるのは
おかしいと思われるかも知れないが、朝鮮語の「カイ > ケ」がもともと日本語の「かわ(川、側)」と
同源だと考えるなら、納得がいきそうな気がします。英語の「river」の語源がラテン語の「ripa」(岸、すなわち
英語の「side」(サイド)みたいな意味の語根)に由来する事を参考にしてください。
皆さん僕の提案についてはどう思いますか?
535 名前:
Jake_USA
:2003/11/02(日) 16:36 ID:t/UjzdUE
日語商売さん:
韓国語に於けるウムラウト現象の例が思いつかないとおっしゃっていましたが、
私が補足します。何時の時代から朝鮮語にウムラウト(前舌母音化)という現象が
あったなんて事について学説を作ってみたとしても、朝鮮語の系統が確定できるまで
そんな説を裏付ける証拠は現れないと思います。しかし、後期中世朝鮮語から近代朝鮮語へ
移る段階で、接尾辞に於いてウムラウトが広く行われた形跡が残っています。例えば、
「ナニナニ生まれ」という意味の接尾辞の「-ナギ」(-나기)は明らかに朝鮮語の自動詞
「ナ」(나 生まれる、成る、起こるなどの意味)に動詞・形容詞から派生名詞を作る接尾辞
「−キ」をくっ付けた結果生じた複合性(二重?)接尾辞です。その「-ナギ」という接尾辞が
今は多くの朝鮮語の方言では実際に「-ネギ」(-내기)のように発音されています。「ナ」から「ネ」のように
母音が「ア」から「エ」に変わったのは、その後に続く音節に「イ」という前舌母音が存在する事に
因ります。これはまさに「ウムラウト」です。「-ナギ」>「-ネギ」の外にも、「ナニナニ屋」のように
ある職業・癖をもつ者の意味を表す単語を作る接尾辞、「ージャンイ」(-장이)が現代朝鮮語では
多くの場合に於いては「ージェンイ」と発音されるのが普通です。
536 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/02(日) 19:53 ID:b2IIqOHI
>>534
Jake_USA さん
総督府へようこそ。当スレのスレ主は朝鮮語がまったく出来ないので、
朝鮮語の出来る方は特に歓迎致します。今後とも宜しく。
>皆さん「鶏林遺事」という書物を知っていますか?
『郷薬救急方』と並んで貴重な前期中世語資料の一つですね。
http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/kelim.htm
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http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/kelim.htm
に写真があります。「渓曰渓」「谷曰丁蓋」は
http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/kelim3.htm
" target=new>
http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/royalhouse/Korean/kelim3.htm
の方にありますね。後者の「丁蓋」の「丁(ti∂η)」の部分が高句麗語
の「t∂n(谷)」と関係があるのでは、とのことですが、中々興味深い説
だと思います。ただ気になるのは、もし高句麗語の「t∂n(谷)」が語源
なら、語末はnのはずなのに、実際はηになっているという点です。
nとηの違いは日本人には難しいでしょうが、nとηの違いを音韻として
区別している中国人にとっては朝飯前のはずです。また、明代の中国
資料で後期中世語資料でもある『朝鮮館訳語』に「村」を呑」と漢字で
借音表記した例があり、後代でも「村(=谷)」の語末子音はnであった
ことがわかっています。この辺りの事実とどう整合性を付けるかが問題
となりそうですね。「蓋(kai)」の部分が朝鮮語の「kai→kε(浦・港・川
の支流)」であるというところは私も賛同します。
>朝鮮語の「カイ > ケ」がもともと日本語の「かわ(川、側)」と
>同源だと考えるなら、
朝鮮語の「カイ」と日本語の「カワ(川)」が語源的につながるかどうか
はともかく、「カワ(側)」はこの場合無関係でしょう。「カワ(側)」の初出
は室町時代のことですし、当初から丸く輪をなしたものの外周部分と
いう意味もあったことから推測するに、語源は「カワ(皮)」であると考え
られますので。
537 名前:
Jake_USA
:2003/11/02(日) 21:11 ID:t/UjzdUE
No.48
>
意 味 :斧(名詞)
原 文 :「於斯内県一ニ云フ斧壌」(『三国史記』)
漢 字 音:於斯(中:io-syie、朝:∂-s∧)
現代語では使われていないのですが、古い時代の日本語には「斧」という意味の
単語には、「をの」の外に「よき」という単語があったそうです。高句麗語に於ける
語中の「シ」が日本語の語中の「キ」に対応すると考えたら他の対応例が難しくなって
しまいますか? 古代の朝鮮半島のどの言語も日本語とはそんなに近い関係には
無かった様ですから、高句麗語と古代日本語の間には既にかなり大きいな音韻の
相違が生じていたのでしょう。高舌母音の前に現れるk・gが世界の各言語で
しばしばch・jh、ts・dz、s・zの様な音に変化する事を考慮に入れてください。
東アジアの言語に於いては特にそういう変化が普遍的の様にさえ感じられます(少なくとも
中国語(マンダリン)、朝鮮語、満州語はそういう音韻の変化が目立ちます)。日本語だけが
かなり古い時代の高母音の前に於けるk・gを現代に至るまで残しているように私には見えますが。。。
とりあえず、高句麗語の「斧」に対する訳語が日本語の「よき」と同源であるとすれば、
76 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA [2003/06/20(金) 16:43 ID:.JVZgiNA]
No.36
意 味 :翼(名詞)
原 文 :「於支谷一ニ云フ翼谷」(『三国史記』)
漢 字 音:於支(中:io-t∫ie、朝:∂-ci)
上の「翼」に対応する「於支」はもしかすると日本語の「よこ」(横)辺りの
単語と同源ではないでしょうか。母音の問題はまだ残りますが。。。
それはさておき、高句麗語の「金」という意味をもつと思われる単語は、僕にとっては
非常に興味深いのです。なぜなら、私は朝鮮語の「ソイ > スェ」(金属、特に鉄或いはbrass)と
全く同じ語形の要素が朝鮮語の「スェ-セ」(쇠새、「かわせみ」の意)と「スェ-ゴレ」(쇠고래、青がかった
灰色の皮をもつ鯨の一種, 英語ではgray whale、学名はRhachionectes glaucus)といった単語に現れる事に
気付いたのです。日本語の「かわせみ」を意味する言葉には、古くは「そにどり」、「そに」、「せみ」、「せび」、
などあった様ですが。。。これらの言葉が全て「ソミ」或いは「ソビ」の様な発音に遡るのではないでしょうか?
後世の日本語の「せび」ないし「せみ」はウムラウトの結果なのでしょうか。とにかく、日本語の「かわせみ」を
意味する言葉が朝鮮語の「金」(中世朝鮮語の「ソイ」と高句麗語の*ソムンのような言葉)を意味する言葉と
妙に似ているような気がします。ただ、私はもともと朝鮮語の「ソイ」(金属、鉄)と同源の言葉を満州語の「sele 」(金属、鉄)
(ソロ或いはツォロみたいな発音だったそうです)に見出そうとしていましたが。。。満州語の「sele」の語源説はありますか?
ツングーズの他の言語に同源の単語は確認されていますか? 妙に朝鮮語の「鉄」の漢字音(철 チョル)を借用していた様にも
見えますし。。。だけど朝鮮漢字音の「鉄」は中世の頃は「テョル thyel」のように、まだ口蓋音化は起きていなかったのかな。
でも、女真語の「sege ソゴある意はツォゴ」(過去に於ける年、「aniya」=現在と未来に於ける年とは異なる事に注意)と満州語の「se」(ナニナニ歳の「歳」の意味)は
どうしても朝鮮語の「チョク 적」(過去に経験した事、時などの意)と日本語の「とき(時)」と結び付けたくなりますが。。。
皆中国語(漢語)から古代に借用された言葉の様ですが。「昔」あるいは「時」の字音か? >sege, cek, toki
538 名前:
Jake_USA
:2003/11/02(日) 21:58 ID:t/UjzdUE
ななしさん、初めまして! 先ほどは挨拶もせずに書き込みしてすみませんでした。
私は20歳のアメリカ人の大学生ですが、日本語・韓国語・中国語(マンダリン)を
知っていて、その他のアジアの言語(モンゴル語、満州語、トルコ語など)をかじっては
います。中でも中世朝鮮語についてけっこう詳しいんですが。。。その知識をもって役に立つ事が
出来たら嬉しいです。
536
> 鶏林遺事に記載されている「丁蓋」(谷の意)については、
朝鮮固有語の二つの語幹が合わさって出来た複合語とする場合、tjen + kaj
> tjenggaj (音韻論的にはtjengkajだけど、
語中の無声破裂子音はやや有声化して現れます)
のような発展を仮定しても全然無理がないです。むしろ、それが自然の発展なのであって、
朝鮮固有語の複合語にtjenkajなんて言葉が現れたら変です。実は、朝鮮語ではどの環境においても、
/n/の後にvelar音(即ち/k/)が来る場合、/n/は[ng](/k/に相当する鼻音)を以て発音されます。
朝鮮語はその様な「子音同化」が著しく現れる言語です。事実のところ、閉音節を含む朝鮮語の単語が
音韻論的表示(概してハングルの標準的なつづり)のまま発音される事は皆無に近いです。
pap mek-ca(ご飯食べよう)の語句も、そのまま「パップ モックチャ」と発音されずに、「パムモックチャ」の
様に「訛る」のです。eps-nynが「オムヌン」と発音されてしまうほど酷い同化です。漢語に於いても
そうですし。。。「隔離」は音韻論的には격리(kjekri キョックリ)だけど、実際には「경니」(kjengni キョン二)
と発音されるのです。朝鮮語からtjen + kaj
> *tjenkajなんてキレイな展開を望まない方が良いと思います。
539 名前:
阿木林
:2003/11/03(月) 10:15 ID:XnbOQel2
Jakeさんはじめまして。20歳でそれほど詳しいとは・・うらやましい。
>>535
ナンビ>ネンビ(鍋)
マッキダ>メッキダ(つまる)
なんてのもそうですよね。
ただ、これらは意味の屈折を伴わない音変化ですから、
ウムラウトと呼ぶことにはためらいがあります。
>>537
なるほど。むしろ斯に「キ」という発音があったのかもしれません。
ただ、他の対応例に影響が出てしまいますが・・・
/soi/の古い形が/sobi/であってもおかしくないと思います。
母音にはさまれた/b/は落ちる傾向にありますから。
えび/saibu/(釜山)>/sai'u/(ソウル)
ただそうすると満洲語の/sele/とは遠くなりますが。
「金」を意味する「アルタイ語」なら、満州語のaisinとか、
モンゴル語のaltanなんて言葉もありますよね。
満州語の歳をあらわす[se]は、漢語起源である可能性があります。
540 名前:
阿木林
:2003/11/03(月) 10:39 ID:XnbOQel2
>>538
朝鮮語の表記は語源的なものと表音的なものの2種類があります。
中期語の多くが表音的に綴られていたことはご存知だと思います。
現代朝鮮語の表記は語源的なものが採用されたため、
実際のつづりと発音が離れることが多いですよね。
ただしこれらは規則的なものです。tien+gaiがtienggaiに変化する
ためには、漢江han-gangがhang-gangと発音されることになるし、
同じ規則を当てはめるならebs-nynはen-nynに、
gieg-riはgien-niに変化することになります。
ただし、現代語でもjam gan man(暫間マン=ちょっとだけ)を、多くの人は
jjang ggam manと発音しているように、非規則的な音便が存在する
ことも確かです。
そのため、語源的にはtien+kaiであっても、実際の発音がtienggaiで
あった可能性はあると思います。
とはいえ、高麗語の表記にこのような音値の推移まで考慮しなければ
ならなくなると、音値の推定が困難になることも事実です。
蛇足
おとといまで韓国に出張していたのですが、韓国人が
「最近は4,50代でも公園でインナインをして遊んでるよ」
といったのがわからなかった。インラインスケートのことですが、
/nr/という子音連続は通常/rr/に変化するため、それを忌避する
ために/nn/という子音連続にしてしまったのでしょう。
インナインとイルラインどっちが原音に近いかはともかく。
541 名前:
あぼーんはウリナラ起源
:あぼーんはウリナラ起源
あぼーんはウリナラ起源
542 名前:
阿木林
:2003/11/03(月) 17:11 ID:XnbOQel2
ついでに、満洲語の/s@l@/はエヴェンキ、オロチョン、ホジェン、シボなどの
言語にもほぼ同じ形で存在するので、ツングース共通語であると言えるでせう。
満洲語の/s@/「〜歳」ですが、オロチョン語ではnashu、ダウール語では
nas、モンゴル語ではnasuです。語頭の/na/が落ちた形とも見えるのですが・・
ツングース語はあまり調べたことがないのですが、たとえば現代朝鮮語の
語頭につく否定辞/an-/に対応する否定辞は満洲語にはたしかないのですが、
オロチョン語では/@-/という接辞が存在するなど、やはり面白いですね。
しばらくはオロチョン語に没頭してみるのも悪くない。
ダウール語などは語彙がツングース系とモンゴル系が混在していて、
今日まで系統論争が続いているのですが、高句麗語もおそらくは、
周辺の言語と少しずつ語彙を共有しており、明らかにツングース系の語彙と
非ツングース系の語彙が混在していたのでしょう。
そういえば、北朝鮮には今日でもツングース系住民(満洲族?)が少数
存在しており、二文字の姓がハムギョンドには存在していたと聞きます。
なんでも平壌政府の「創氏改名」により朝鮮名に改められたそうですが。
543 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/03(月) 18:40 ID:5hJZXtn.
>>537
Jake_USA さん
>現代語では使われていないのですが、古い時代の日本語には「斧」という意味の
>単語には、「をの」の外に「よき」という単語があったそうです。
確かに「ヨキ(斧)」という語はありますね。初出は平安初期の古辞書
ですから、奈良時代にも存在した可能性は高いでしょう。斧は斧でも
小さい斧を意味していたようですが、第1音節は半母音であるjとoの
組み合わせですし、第2音節のkもsに変化する可能性はありますから、
「ヨキ(斧)」を高句麗語の「於斯」との対応例として挙げるだけの価値は
十分あると思います。正直、これは日本語史の専門家である私が先に
指摘しておかなくてはならなかった例でした。いや、お恥ずかしい。
>高句麗語に於ける
>語中の「シ」が日本語の語中の「キ」に対応すると考えたら他の対応例が難しくなって
>しまいますか?
今はあらゆる可能性を模索している段階ですから、音韻対応の問題は
とりあえず後回しにしておいてもいいでしょう。新しい発想でいろいろな
可能性を追究して下さることを期待しております。
>上の「翼」に対応する「於支」はもしかすると日本語の「よこ」(横)辺りの
>単語と同源ではないでしょうか。
う〜ん。「横」と「翼」では意味の方がつながらないので、さすがにこれ
は無理があるのではないでしょうか。まぁ確かに翼を広げた格好は縦で
はなく横ではありますがねぇ。それに、「於支」の「支」は中古漢字音こそ
「t∫ie」であっても、新羅資料では「ki」と読むべき漢字であることはほぼ
間違いなさそうですしね。
>高句麗語の「金」
>これらの言葉が全て「ソミ」或いは「ソビ」の様な発音に遡るのではないでしょうか?
これについては、私も
>>94
で「sobi」ではないかと推定しておりますので、
その点については特に異論ありませんが、日本語の「ソニ〜セビ(翡翠)」
や朝鮮語の「スェ-セ(翡翠)」とまで関係付けるのは強引過ぎでしょう。
どんな言語にも同音異義語は当たり前に存するのですから、無理をして
何もかも一緒くたにするのは危険ですよ。下手すると、音義説(一音一音
に固有の意味が存するとした説。江戸期に流行した)に陥ってしまいかね
ません。
544 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/03(月) 18:41 ID:5hJZXtn.
>>538
Jake_USA さん
こちらこそ宜しく。20歳で3ヶ国語を操れるとは凄いですね。私なんて、
日本語以外はまともに話せないくせに、一端の言語学者面をしている
もんですから、まともに顔向け出来ませんや(藁)。
>中でも中世朝鮮語についてけっこう詳しいんですが
おおう、そいつは素晴らしい。一体それはどこで学ばれたのですか。
韓国や日本ならともかく、アメリカで中期朝鮮語を学ぶ場所と機会が
あるとは思いもしませんでしたyo! そうそう、もう一つ知りたいことが
あります。このページをどうやってお知りになったのですか。一応Google
で検索してもここを探り当てることは可能であることは知っていますが、
わざわざこんなマイナーなところを貴方が探り当てられたことに大変
興味を引かれましたので。
>朝鮮固有語の二つの語幹が合わさって出来た複合語とする場合、tjen + kaj
> tjenggaj (音韻論的にはtjengkajだけど、
>語中の無声破裂子音はやや有声化して現れます)
>のような発展を仮定しても全然無理がないです。
なるほど、確かに日本語でもkやgの直前の撥音はηになることが知られ
ていますから、kやgの直前の鼻音nがηになりやすいというのはよくわかり
ます。しかしながら、それは日本語の撥音がm、n、η等の鼻音性子音を
音韻、即ち言語的に意味のある音区別として認識していないからであって、
朝鮮語のようにm、n、ηを音韻として区別する言語においては、n→ηの
ような変化は起こりづらいように思うのですが…。もし宜しければ、朝鮮語で
実際にそのように変化した例をいくつかお教え頂けませんか。
545 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/03(月) 18:44 ID:5hJZXtn.
>>544
修正です。スマソ。
× 日本語の撥音がm、n、η等の鼻音性子音を
○ 日本語がm、n、η等の鼻音性子音を
546 名前:
Jake_USA
:2003/11/03(月) 21:47 ID:sFeQjYeA
皆さん宜しくお願いします。阿木林さん、ツングース諸語の「金属、鉄」という単語の事情を調べてくれて
ありがとうございました。どうも満州語の「sele」は高句麗語・朝鮮古語(Old Koreanをどう訳せば良いのでしょうか)の
*/sobi/(金属?)と近い関係ではなさそうですね。
大金帝国の時代の「女真館雜字」と呼ばれている書物に載っていて、
女真語として記録されている*/sege/(漢字表記では「塞革」)は、「去年」(女真語では
*genehei sege)という様に、過去に於ける「年」のことを女真語では*/sege/と
言っていた様ですし、しかも同じ*/sege/という単語を「〜歳」という意味にも使っていたと、
同じ書物の中に書いてあるそうです。女真族が「現在乃至未来に於ける年」のことを後世の
満州人と同じく*/aniya/(漢字表記では「阿捏」)と言っていた様なのに、過去に於ける「年」を
わざわざ*/sege/と言って区別したみたいですね。後世の満州人が「〜歳」を/se/という語を以て
表したと聞いていますが、女真語の*/sege/と満州語の/se/とには何の関係も無いのでしょうか。
(上記の女真語については
http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/Vocabulary/timeseason.htm
" target=new>
http://www.fortunecity.com/victorian/twain/1279/Vocabulary/timeseason.htm
<ここからデータを採取しました)
547 名前:
Jake_USA
:2003/11/03(月) 22:21 ID:sFeQjYeA
まず、前項546に追加。。。
満州語では、/g/と/h/が語中に於いては本当に音素として対立しているかどうか疑わしいという
点を考慮してください。女真語の*/sege/に*/sehe/という異形が生じて、その
*/sehe/が後世の満州語に受け継がれたのなら、それが更に/se/に簡略化される可能性が
あると思えるでしょう。特に満州語では「〜歳」という様に主に接尾辞ごとく使われていたのですから、
不規則的にでも*/sehe/>/se/の変化を被ったと仮定できましょう。もっともその時代の中国北部で
話されていた漢語の方言の影響もあったりしたかも知れませんが。。。(「歳」の漢字音を真似ての
変化か?)事実のところ、大金帝国時代の*/sege/の漢語訳注として「歳」を挙げていますから(*/aniya/の
訳注としては「年」を挙げているのに)、古くから女真語の*/sege/は「歳」という字と結び付けられていたの
かも知れませんね。
ちなみに、現在中国の新疆省で話されているシボ語(満州語の一方言とも言われているのですが)では、
満州語の/se/に対応する単語が[see](もちろん「e」は満州語に於いては朝鮮語の中舌母音みたいな母音なんですが)と
いう様に長母音になっているとのうろ覚えがあります。。。
548 名前:
Jake_USA
:2003/11/03(月) 23:21 ID:sFeQjYeA
阿木林さんが先ほど朝鮮語の「蝦」を指す単語を挙げましたが、私はどうしても
満州語の/sampa/、中世朝鮮語の/sabi/(と現代朝鮮語の/seu/乃至貴方が指摘して
くれた釜山方言の/saibu/)および日本語の/ebi/を比べたくなりますが。。。
この単語については同源の臭いがすると思いませんか? もちろん借用語も考えられるのでしょうけど。。。
ななしさん: 高句麗語「於支」と日本語の「横」との関係については、厳密に言えば
高句麗語の「於支」が本当に日本語の「よこ」と同源の単語(cognate)だとは言ってません。
ただ、日本語の「よこ」と同じ語源、すなわち遠い昔のどこかで話されていた言語の、
一つの語幹が二つ以上の子孫言語に受け継がれていって、結局高句麗語の「於支」と日本語の
「よこ」の本を成したのではないか、とアイデアを探っていただけです。強いて言えば、
上代日本語の上二段活用の動詞「よく」(よきぬ、云々)あたりかなあと思っていました。
実際、上代日本語の「よく」は、「道避く」のように、「道端へ横に動く(横に移動する)」の
様に使われるのが普通だったと思います。「よこ」の様な意味をもつ単語が「翼(鳥の羽根)」と
同一単語、あるいは語幹・派生語の関係にあるのが実は多くの言語で確認される傾向ですが。。。
英語の「wing」には「つばさ」のほかに「建物の翼(よく)」という意味があって、満州語の
/asha/が「つばさ;佩玉;鎧の背面の、肩を守る部分の下に取り付けた鉄の板」などの意味であってその派生語/asha-n/には
「よこ、わき;手足の様な物、肢、付加物;下位の、付随する」などの意味があって、更に
満州語の場合は/asha(-m-bi)/(腰や襟の辺りに付けて着る)という動詞など派生語が数々あります。
漢語の「翼」の意味の広さは言うまでもないでしょう(日本語の「翼(よく)」の意味を考えてください)。
とにかく「意味の類似」は「再構音の類似」に次いで考慮すべきでしょう。
549 名前:
Jake_USA
:2003/11/03(月) 23:26 ID:sFeQjYeA
訂正: 「語幹・派生語の関係にある」じゃなくて、「語幹と派生語との
相互関係にある」と言った方が紛らわしくなくて良かったのかな。外国人の
変な日本語ですみません。どうか理解してくだされば幸いですが!
550 名前:
tenpura ◆UMAIu01k
:2003/11/03(月) 23:37 ID:7AKwABBA
>>538
いらっさいませー。
すばらしい!
ついに中世朝鮮語の専門家が!
自分は電波系くらいしか参加できずに、もっぱら
読むばかりになりますが、楽しみにさせてもらいます。
551 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 00:23 ID:D4lPpGAk
>>548
Jake_USA さん
ああ、なるほど、動詞「ヨク(避)」を介在させて高句麗語「於支(翼)」と
「ヨコ(横)」を結び付けようというわけですか。確かに「ヨコ(横)」は以前
から動詞「ヨク(避)」「ヨキル(過)」と同源ではないかと言われている語
です。ただ、アクセントが合わないという大きな弱点があるので、個人的
にはあまり強くは主張出来ないのですがね。まあそのことはしばらくおく
として、そういう主張をなさりたいのであれば、むしろ最初から「ヨコ(横)」
ではなく語形的に近い語形(連用形「ヨキ」)を持つ「ヨク(避)」の方を先に
挙げて、その上で「翼」との意味の上での繋がりについて持論を展開して
下さっていれば、まだしも理解しやすかったと思いますよ。
さて、古代日本語の「ヨク(避)」は「よける」「脇へ退く」という意味です
から、その本義を「横に移動する」であると見ることは一応可能です。
「ヨキル(過)」は「通り過ぎる」という意味ですが、これも一旦横に移動
して通るという風に解されます。このように、意味の上では、両語は一応
「ヨコ(横)」と関連付けることが可能です。尤も、正直そこから「翼」まで
はまだまだかなり距離がある上、日本語「ツバサ(翼)」をどう考えるか
という問題もあるので、諸手を挙げてまでは賛同出来ませんが、貴方の
挙げられた諸外国語の例は確かに興味深いものです。本例も検討の
対象たる資格は十分備えていることは認めざるを得ないようですね。
>とにかく「意味の類似」は「再構音の類似」に次いで考慮すべきでしょう。
いや、過去の検討においても「意味の類似」を軽視していたわけでは
ないんですよ。それどころか、「再構音の類似」と「意味の類似」の両方
が同時に成立していることが、比較する上での最低条件だったのです。
それは過去ログをじっくりお読み頂ければおわかりになると思いますが。
今回の例は、貴方の説明だけでは日本語「ヨコ(横)」と高句麗語「於支
(翼)」の「意味の類似」が十分に説明されていないと感じたので、あの
ような突っ込みをしたまでのことでして、その辺はどうか誤解のなきように
お願い致します m(_"_)m。
552 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 01:01 ID:oMVZcVxQ
朝鮮語の/[ng]/(軟口蓋鼻音音素)については、私は祖語まで遡る可能性が低いと
見ています。朝鮮語だけでなく、世界各国の言語の於いては(特に北ユーラシアの言語の特徴かも知れませんが)、
軟口蓋鼻音は普通、異形態に過ぎず音素を成しません。事実上、朝鮮語の軟口蓋鼻音も
今は音素として認められていますが朝鮮語の歴史上最近までは(漢語が大量に取り入れられる頃からかな?或いは
漢語との接触に因って生じたのかも知れません)軟口蓋鼻音は単なる異形態であって音素には成ってなかった
と推定します。現在の朝鮮語をとって見ても、固有語に於ける/[ng]/の機能(負担量?)はかなり
少ないものです。その多くは擬声語・擬態語の中に存在していると思いますが。擬声語以外の固有語でも、
ほとんどは/kkorangci/(鳥の尾)の様に、二つ以上の形態素が合わさって複合語を成す時に起こるのです。
/kkorangci/は、恐らく中世朝鮮語の/skori/と書き表す単語(尾っぽとか、尻の意 - 現代語では/kkori/或いは/chori/)に
母音調和の法則に従って付加される「-aci/-eci」という指小辞が付いて出来た単語だと思われますが、
明らかな理由も無く軟口蓋鼻音が添加されている事が見えるでしょう。もっとも、現代朝鮮語の軟口蓋鼻音音素が
一体どういう環境から生まれたのかも判明していません。中世語の/stah/が現代語では/ttang/となりますし、
軟口蓋で作られる子音じゃなくても子音の前では軟口蓋鼻音が現れる事が多いです(例えば/engseng-ha-ta/「やつれる」,
/engteng(i)/「お尻」、/torongthaj/「ハイタカに似た猛禽の一種(或いはハイタカ)」等など)。勿論、
軟口蓋鼻音が起こると普通に予想される環境でも、すなわち軟口蓋破裂音の隣に来る鼻音が軟口蓋鼻音に変化する事も多く
見られます(朝鮮語では軟口蓋破裂音と鼻音の順序はほとんど構いません;鼻音ではないのに/r/が軟口蓋破裂音の後に来る時さえ
軟口蓋破裂音が[ng]になって/r/は[n]と発音されます)。実際、朝鮮語の固有語で/nk/なんていう子音の隣り合わせを見たことが
ありません。なぜなら、そういう配列がたとえ起きたとしても、自動的に[ngk]乃至[ngg]にかわって発音されますから。例を挙げるにも
足りないほど自然に起こる事ですが。。。
何にせよ「鶏林遺事」は中国人が執筆したという事になっているのでしょう? それなら
「丁蓋」の「丁」の部分がもともと*/tjen/であって[tjenggai]という複合語に於いては
その要素が[tjeng]と現れているのだなんて分かるはずがないでしょう。早い話、
「丁蓋」がたとえ音韻歴史的には/tjen-kai/だったとしても実際の発音は[tjenggai]に近かったはずだし
中国人・朝鮮人を問わず「丁蓋」という表記が適切に思えたはずです。私が皆さんの真剣な疑い(躊躇?用心?)を
無視したり蔑んだりしている様に聞こえなければいいんですが。。。私はそんな事などしていませんし、
ただ「丁蓋」がかなり高い確率で高句麗語の「旦・呑・頓」や日本語の「たに」と同源の要素をもつ事を
主張したいです。
553 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 02:31 ID:oMVZcVxQ
ついつい徹夜してしまいました! 皆さんのレスを読んでとても楽しかったです。
こういうメッセージ板のディスカッションに参加するのは私は初めてですが、これからも
(古代を含む)朝鮮半島、満州、日本、そしてもっと広い範囲では東アジア全域の言語の
歴史について真剣にアイディアを交わせたら嬉しいです。この場を作ってくれたななしさんに
感謝しています。
ななしさんは私が中世朝鮮語をどのようにして習ったのか、それに私がどうやってこの
メッセージ板を見つけたのかと聞いていましたね。こんなに返事が遅くなってしまってごめんなさい。
朝鮮語は、高校を卒業してすぐの夏休みの間に勉強を始め(ハングルの覚えやすい事に驚きましたよ。。。本当に。。。
1時間以内で覚えちゃうんじゃないですか、あんな文字? 文盲対策として貧しい国々に導入した方が良いかも)、
大学に入ってからは一年間、現代朝鮮語の授業をとるかたわら、図書館から借りた資料を使って中世朝鮮語の勉強も
しました。李基文著の「韓国語の歴史」という本は大いに役立ちました。
このメッセージ板が見つかったのは、ななしさんのおっしゃったとおり、グーグルで「高句麗」を入力して
検索した結果ですよ! 正確に言えば「高句麗 地名」で検索を行ったのだと思います。とんでもない発言をする人が
たくさん居るスレ(スレッド=糸の略ですか?)も見つけてしまいましたが。。。 名無しさんのこのスレは
良い所ですね! 見つかって良かったと思います。
言語学に話を戻すと、私の朝鮮語の「soj-saj」(翡翠)について日本語の「(かわ)せみ」と
結びつけようとする考えが気に入らなかったのですか? それとも、私がそれ以上更に「soj-koraj」(灰色の鯨の一種)や
朝鮮語の「soj」(金属、鉄)・高句麗語の*/sobi/(金)までも巻き込もうとしたのが恣意的過ぎると
思われたのですか? 確かに「翡翠」を意味する語については裏づけが全くないのですが(中世朝鮮語の段階で
/soj-saj/がどうなっていたかすら不明です)、日朝両言語の歴史を考慮すれば、有り得る話だと思いませんか?
日本側の「翡翠」を意味する語根の音韻的多様性も興味深いほどです。この数千年の間、日本で一体どんな方言が
生まれては消えていったのかなあと思い出させる語根の一つですね。
阿木林さんは、どのようにしてツングース諸語のデータを仕入れていますか?
僕は探しても探してもほとんど見つからないんですけど。。。阿木林さんに協力していただければ
嬉しいです。
554 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/04(火) 03:22 ID:3R8nzbkM
>>534
,
>>536
,
>>538
,
>>552
>「丁蓋」がたとえ音韻歴史的には/tjen-kai/だったとしても実際の発音は[tjenggai]に近かったはず
日本書紀に「丹谷」と書いて「たにかひ」と読ませ、
他にも「やまかひ」という言葉があり。甲斐国の甲斐(かひ)も、
すべて谷(山なみの折り重なり)の意味だったかと。
なんか関係ないのかな。むり?
>>537
,
>>539
,
>>553
鉄を意味する「ソ」は日本語の「さび」と通ずるものでは?
>ただそうすると満洲語の/sele/とは遠くなりますが。
>「金」を意味する「アルタイ語」なら、満州語のaisinとか、
>モンゴル語のaltanなんて言葉もありますよね。
高句麗や半島の「ソ」は【金】といっても黄金=ゴールドではなく金属=鉄のこと。
アルタイ・アイシンは【金】といっても鉄ではなく黄金の意味なのでは?
漢字の【金】はもともとは銅をさしたかしいけど、
鉄・銅・銀・鉛・錫など各種の金属を意味する漢字が作られたのに
1文字でゴールドだけを意味する文字が作られなかったのは不思議な感じがする。
555 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 07:21 ID:oMVZcVxQ
>>554
決して無理はなくむしろ上代日本語の「たにかひ」と鶏林遺事に現れる
「丁蓋」*/tjenggai/が同源の単語と見る方が自然でしょう。*/tjenggai/の最初の母音は、
半母音の*/j/と中舌よりの前舌母音*/e/の二重母音と仮定しましょう。そうすれば、その
*/je/がその後に続く前舌母音に釣られて前舌化したものかも知れないと想像を膨らますことが
容易に出来るでしょう。実際のところ、朝鮮語には古くからウムラウトの様な現象が起きていた
可能性が高いと私は見ています。今例を挙げろといわれたら、少しは困りますが。。。とにかく、
近代の朝鮮語の音韻の変化にはウムラウトの様な現象が深く関わっていることを参考にした上で、
現代朝鮮語の/pje:r/(ピョール)が昔は私の仮定する第二音節の*/ri/(実際は「アルタイ語群」の
再構祖語に種類が多すぎる*/l/音素と何らか関係している様に思えますが)の*/i/母音のために
前舌化した*/o/と考えられます。ここで音素記号をタイプするのはちょっと出来ないんですが、前舌母音化に因って
「星」を意味する朝鮮古語*/pori/や「谷」を意味する朝鮮古語*/tani/がそれぞれ円唇前舌母音*/oe/と
無円唇前舌母音*/e/になり、後には*/oe/と*/e/とが合流して*/je/に発展したと仮定しています。
ただし、異例もあるのですが。。。例えば、「カシの木」を意味する現代朝鮮語/ka:r/がなぜ
/kje:r/になっていないのかなんて説明できません。それに、誰かが「中世朝鮮語にも*/ton/の様な単語があって
それは「(谷間にあるような)小さな村」という意味で使われていたと言っていたのを聞きましたね。。。その単語は
中世朝鮮語のどの書物に現れていますか?僕はその単語を知らないのですが、どうか教えてください。もし「谷」を意味する
語根の単独形が前舌母音化を通らずに中世朝鮮語に残っていたとするのなら私のさっき述べた説は成り立ちにくいのですよね。
後、高句麗地名の「於支谷一ニ云フ翼谷」についてもう一言ですが、「於支谷」というのが「翼谷」と一対を成している事に
注意して考えてください。明らかに「翼」はこの場合は、「谷」なんていう地形の事を表す名詞を修飾(特定?)しているわけだから、
鳥の「つばさ」じゃなくて、「何かのよこ・わきにある物」の意味で使われていると見るのが妥当だと思います。
たとえ高句麗語の「於支」や日本語の「よこ」「よきる」などといった単語には「つばさ」という本義がなくても、
地名を漢風に改める際に漢語の「翼」を以て表すほどの意味があっただけなのでしょう。
556 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 08:53 ID:oMVZcVxQ
次に、私の中世朝鮮語の「カイ」を日本語の「〜かひ」や「かわ(川)」と同源と見做す理由について述べたいと思います。
古代日本語には、動詞に現れる語根と名詞に現れる語根の重なり合いが多く認められます。「〜かひ」や「かわ」の場合は、
その語根を同じくする動詞としては、「かふ(交ふ)」を仮定しておくべきでしょう。古代日本語には、語根を共有すると見られる
動詞と名詞の間には、大体2パターンが確認されます。
第一パターン: 名詞は/-a/で終わって、動詞は四段活用或いは下二段活用のもの。
例: 「ほら(洞)」、「ほる(掘る、彫る)」
「はら(原)」、「はる(張る、墾る)」
「なは(縄)」、「なふ(綯ふ)」
「むら(村、叢)」、「むれる(群れる)」
「あか(赤)」、「あける(明ける)」
私の提案:「かは(川)」、「かふ(交ふ)」
第二パターン: 名詞は/-i/で終わって、動詞は四段活用のもの:
例: 「ほり(壕、濠、彫り)」、「ほる(掘る、彫る)」
「はり(張り、開墾した道や土地)」(「梁」も似ていますが。。。)、「はる(張る、墾る)」
その他数多くの派生語。。。私見では、「あきら(明)」も同じ
様な派生語に接尾辞「−ら」の付いたものかなあと思っていますが。
私の提案: 「かひ(峡谷)」、「かふ(交ふ)」
きれいにまとまっていると思いませんか? ちなみに「はり(開墾した道や土地)」は単独で使われた例は無いものの、
「にひはり」とか「にひばり(新墾)」という上代日本語の複合語に明白に現れています。万葉集二八五五にその用例があるとのことです。
他に「交ふ」と関連のある語としては、私は中世朝鮮語の/kabon-toj/ないし/kawon-toj/(「中、仲、半ば、途中、うち、中心」などの意)とそれから発展した
現代韓国標準語/kawun-te/(가운데)や釜山方言の/kapun-te/(가분대)をまず挙げます。その次に信憑性のあるものとしては
朝鮮語の「kai」(浦、入り江、河川の支流など)を挙げます。そして現代朝鮮語の/kaph(-ta)/(返す)や/kaps/(値打ち)など、
日本語の「買ふ」「甲斐(がない)」なども遠い目で見れば同源だったのではないかと思います。
557 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/04(火) 09:54 ID:Ln.bLjsc
貝(かひ)と食(くふ)とか?
558 名前:
阿木林
:2003/11/04(火) 10:11 ID:vqAyvycE
Old Koreanの訳語ですが、どの時代のものを取るか、によって
異なると思います。通常は訓民正音以降のものならば中期朝鮮語
ないし李朝語という風に呼び習わしていると思います。
あと、ツングース語の資料はあまり持っていないのですが、
中国で15年くらい前に大量に発行された少数民族語簡介という
シリーズの「オロチェーン語」を持っています。比較的ツングース
諸語の中でも古形に近い言語なので面白いですね。
あとは満州語関係や女真語関係の資料をわずかに持っていますが、
満州語は今後の楽しみに取っておいているといったところです。
満洲語などの/e/は、朝鮮語の中舌母音というよりは、北京語の/e/
と同じ音といって差し支えないですよね。むしろ北京語の/e/が
北方語の影響で生じたのでしょうから。
「年」は女真語ではsegeというのですか。これは満洲語のseと関係
ありと見て間違いなさそうですね。逆にエウェンキやオロチェーンの
nasuとは直接の関連がなさそうです。
朝鮮語の方言形であるセビ〜セブと日本語のエビの関係は古くから
指摘されていると思いますが、満洲語にもサンパという形があるとは
寡聞にして知りませんでした。
朝鮮語のイウンパッチムが不規則?に現れる例には、mar(馬)+aji
(仔)でmang'aji(仔馬)という例もありますね。
559 名前:
阿木林
:2003/11/04(火) 10:44 ID:vqAyvycE
>>554
徹夜までされましたか。体に気をつけてください。
「金」が銅を表していたというのは聞いたことがないですが、五行説で
いうところの「金」はgoldのことではないんでしょうね。たぶん。
朝鮮固有語でgoldを意味する言葉はないんでしたっけ?
女真のことを朝鮮語では/'orangkai/というのですが、これは部族名に
由来するものであろうと思います。/o'rocheen/などと同源なのでしょう。
「旦」とトンネ(「洞」村、集落)との関連はなさそうでしょうか。
トンネはモンゴル語のフートン(胡同)と関係があるという説をどこかで
目にしたことがありますが・・
ニヒハリという地名は、日本では関東地方に広く存在していますね。
/kai/という朝鮮語はほとんど死語になっているようですが、
チェジュ方言では地名語としてしっかり残っています。
甲斐が古朝鮮語に遡るなんて、韓国の人が聞いたら喜ぶだろうなぁ。
「買う」と「売る」については、仲の良い台湾人が面白い説を唱えてました。
曰く、「貝」と「瓜」を、海の民と山の民が交換することから生じた言葉で
あると。ナナシサンに怒られそうな説ではありますが・・w
「カヒ」に対応する朝鮮語は/jogai/ですが、都合のいいことに「貝殻」を
意味する/jogabi/という語形もあります。「ウリ」を意味する朝鮮語は
/'o'i/ですが、これの古い形はちょっとわかりません。
560 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/04(火) 10:56 ID:Ln.bLjsc
徹夜はしてませんよ。一度ねておきてから書いたのが557。
「金」という文字がゴールドでも鉄でもなくもともとは銅だというのは青銅のことです。
当時はまだゴールドも鉄も発見されてなかったから。「金文」というのは青銅器の銘のことですよね。
五行説の「金」はもちろんメタル=金属のことです。
561 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 11:04 ID:oMVZcVxQ
他のメッセージ板を拝見して来ましたが、「朝鮮人や日本人の起源」について語ろうとする
人が多い様ですね。私の意見は日本人、それに韓国人のほとんどの人たちの意見とは
かなり違うみたいですけど。。。私のアメリカで教えられた限りのことをまとめて私見を語りましょうか。
まずは、何も勉強せずに目で判断する限りでは、私は朝鮮人は日本人よりも満州人や中国北部の人たちとの
血の繋がりが濃いと思います。日本人は大体目で見分けられるのに、朝鮮人、中国北部の漢族、満族などはほとんど
同じ様に私には見えるのです。日本人の方はといえば、中央アジア・シベリアの人たちや、北アメリカの先住民など、強いて言えば
白人に近い様な感じがします。日本人の中国人や韓国人と異なる特徴として、肌が白人並みに白い人が多い、
顔がわりと細長い人が多いと思うのです。鼻も日本人は東アジアではとびぬけて高い様な気がします。一方、中国人や韓国人は、ほぼ
普遍的に肌が黒ずんで或いは黄ばんでいて、顔がまん丸でエラが張っていて額が広いですね。韓国人はそうでもないけど、
中国人の方は口が出っ張っている人が多いと思います。それらの特徴をまとめていえば、東南アジアの人種に近く見えると思いますけど。。。
それに、私が最近の人類の遺伝子研究の結果を勉強し始めて気付いたのは、東アジアはだいたい三つのゾーンに分けられるのです。
一番南方にあるのはマレー半島から中国の長江の南岸辺りまでの広い亜熱帯の地域ですが、その地域の住民(原住民)はほとんど
皮膚がかなり黒くて、東南アジアの特徴的な遺伝子を持っている人が多いです。彼らは他の人類とはかなり相違している遺伝子も携わっているとの
研究結果も聞きました。とにかく彼らは東南アジアの地域に非常に古くから住んでいる種族の末裔でしょう。
次に北へ進んで行けば、長江を超えた辺りからは住民の皮膚の色が急速に白くなり(もちろん太陽を浴びる時間と太陽の光の強さとも
関係しているのだろうけど、私の聞く限りでは太陽の光への対応変化とは思えないほど急に人々の肌が白くなるそうです)。だが、まだまだ
わりと黒ずんだり黄ばんだりしている皮膚を持つ人が多くて、顔の形など南方の人たちとの類似は少なくありません。この地域は、私の考えでは
内モンゴル・南満州・朝鮮半島(を含めて)の辺りまで、かなり北の方まで続くと思います。
562 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 11:05 ID:oMVZcVxQ
更にその北の方(モンゴル共和国の北辺、旧ソ連の中国東北地方・北満州に接する辺りから北)へ進んで行くと、かなり白い肌をもつ人が多くて、
顔など大体の外見が激しく変わりますね。私は実際、モンゴルの北辺からの人に会ったことがあるのですが、
もちろん一人の人を見ただけで決め付けるのはいけないけど彼女は白人の私と同じぐらい肌が白かったです。顔も朝鮮人などより
日本人に似ていましたね。ただ鼻だけは日本人にして見れば少し低かった(日本人の中にも彼女と同じ様な鼻をもつ人もいますが)。彼女の
家族の人もみんな何だか朝鮮人・中国人とは違うなあって感じました。とにかく、その他にモンゴル人の顔を拝見することは
何度もありますが、日本人に似ているような気がします。朝鮮や中国北部にも似た様な人たちはたくさんいますが、彼らの方は
顔が日本人や北モンゴル人などに似ていてもやっぱり肌が黒かったりとか、何だか南方の人を思わせる面影があります。
それはそれで僕の目の判断に過ぎないのですが、最近の遺伝子の研究も大体その様な類似の範囲を裏付けてくれそうです。
古代、東アジアには大きく分けて二つの人種が住んでいて、北方の人種はシベリア・モンゴル・中国北部・満州・朝鮮・日本の地域に
多く居たのでしょう。そして南方の人種は中国南部、台湾、ヴェトナム、タイなどに住んでいたのでしょう。しかし、漢族と底族(チベット族の先祖と
思しき人たち:漢字は「底」の垂を取り除いた様な字だと思います)がそれぞれ中国の北東部と北西部に大きな帝国を築くことになり、
両方が東と西と別々で南下していって南方の人種が元から住んでいた地域を占領し始めたという説が有力の様に感じます。とにかく、
何らかの出来事で(恐らく中国に帝国が興った時代から)東アジア古来の北方の人種と南方の人種が混ざり始めたと
考えられます。そうすると、現在の中国南部の人たちは南方の人種がほとんどで、それに混血した北方の人種の血をいくらか受け継いではいるが、
南方の人種の特徴が強く残っています(チベットは除きます。あの高原にはもとから南方の人たちは住居していなかったのか、それに北方の人たちが高原で
生活を営み始めた後も南方の人種の人たちが高原に住もうと思わなかったせいか、
現在のチベット人はほとんど北方人種のままの様です)。長江以北の中国、満州南部(実は満州に於いてはかなり北の方まで行く様です)、モンゴルの南部(内モンゴルなど)、
朝鮮半島の住民は、基本的には北方人種だけど、大帝国であった中国の国内を通って(移住などで)徐徐に、滲みる如く北上してきた南方人種の血も
けっこう入っているのではないかと思います。とにかく南北両方の人種が混ざり始めた地といえば中国でしょう。アメリカ合衆国のかつての黒人奴隷の血が、
アメリカ南東部から徐徐にでも確実に北そして西へ広がってきた、という事情と似ていたのかも知れません。
日本・琉球列島の住民は、海を隔てて住んでいる故か、南方人種との混血が一番少なかったと見るべきだと思います。
日本の中でも、琉球列島の住民とアイヌ族は南方人種の影響を一番少なく受けている様ですが、これは古代朝鮮半島で既に
混血していた中国人と混血した半島人が日本列島へ渡って主に九州、四国、本州の西部ないし中部に先ず住居して、日本列島のその地域を中心にほぼ純粋な
北方人種系であった列島の先住民と更に混血した結果でしょうか。日本に住んでいる人間は北方の民族(旧ソ連のシベリアの先住民)と一番よく
似ている様です。もちろん、中国人と混血したと思われる半島人の血もたくさん日本人に入って来ているというのも
事実の様です。それゆえに私は日本語は、恐らく昔から日本の主な豪族(私の憶測ではおそらく天皇家も、、こんなことを
言うのは失礼かも知れませんが)を成してきた北方人種多・南方人種少の混血半島系渡来人の先祖の話していた言語の分流(daughter
language)だと仮定します。
563 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 14:38 ID:E31e2iOo
>>552
Jake_USA さん
朝鮮語の固有語のηの現われ方についてご教授頂き、有難う御座います。
要するに、朝鮮語の固有語に限って言えば、/nk/の/n/は常に[η]のように
発音されるということですね。大体わかりました。しかし、まだ一つ気になること
がありますので、それについてお教え願えますか。『鶏林類事』を見ていきます
と、以下のような例があります。
女子曰漢吟 金曰[舟+β]論議
これらはいずれも/nk/(中古音なら/nη/)の例です。貴方のお話ですと、これ
らの語の/n/の部分はいずれも[η]にならなくてはならないと思うのですが、
それが「漢」「論」のようなn韻尾の漢字で表記されているのはなぜなのでしょうか。
また、ηではありませんが、
痩曰安里塩骨真
の「塩骨真」の部分では/mk/という音連続も出来ています。お説の通りなら、
このmも[η]になりそうな気がしますが、その辺はどうなのでしょうか。
>私が皆さんの真剣な疑い(躊躇?用心?)を
>無視したり蔑んだりしている様に聞こえなければいいんですが。
それは心配し過ぎというものですよ。むしろ我々の方が遠来のお客に対して
失礼をしているのではないかと思っているくらいなのですから(^^;。
564 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 14:38 ID:E31e2iOo
>>553
Jake_USA さん
>ついつい徹夜してしまいました!
……。若いっていいですねぇ。でも、お体は大事になさった方がいいですよ(w。
>ハングルの覚えやすい事に驚きましたよ。。。本当に。。。
>1時間以内で覚えちゃうんじゃないですか、あんな文字? 文盲対策として貧しい国々に導入した方が良いかも
まぁハングルは言語によって向き不向きがありますから(^^;。と言うか、朝鮮語
を表記する文字としては実によく出来ていると思いますが、それ以外はどうかな?
音素の組み合わせで文字を作るという特徴のせいで、やたらと文字の種類が必要
となる(ユニコードでは漢字よりも多くのコードを占有しているとか)という欠点もあり
ますしねぇ。
>李基文著の「韓国語の歴史」
おお、奇遇ですね。私も主にその本で朝鮮語史を学びました。今となっては
古いところもあるようですが、中々によくまとまったいい本ですよね。
>グーグルで「高句麗」
やはりそうですか。試しに「高句麗 地名」でぐぐったら、私のHPが一番最初
に出て来たのは驚きました。しかも、「高句麗語の研究」だと私のページしか
出て来ないという…。韓国人は何をやってんだか。そんなことだから中国に歴史
を取られるんだと、小一時間(以下略)。
>私の朝鮮語の「soj-saj」(翡翠)について日本語の「(かわ)せみ」と
>結びつけようとする考えが気に入らなかったのですか?
朝鮮語の「soj-saj」(翡翠)について日本語の「(かわ)せみ」と結び付けるのは、
既に先人達がやっていることですし、私もここまではとりあえず悪くないと思って
います。しかしながら、朝鮮語の「soj」(金属、鉄)・高句麗語の*/sobi/(金)とも
一緒にしてしまうのは、現状ではあまりにも無謀なことのように思われたのです。
高句麗語にしても新羅語にしても、資料は限られていますから、わずかなデータ
をもとに推論を積み重ねて行かなければならないことは確かですが、それだけに、
一つでも不確かなものがあると、すべてが駄目になってしまいます。学問はいくら
慎重にやってもやり過ぎということはありませんからねぇ。
565 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 15:05 ID:E31e2iOo
>>555-556
Jake_USA さん
>誰かが「中世朝鮮語にも*/ton/の様な単語があって
>それは「(谷間にあるような)小さな村」という意味で使われていたと言っていたのを聞きましたね。。。
>>536
で私が指摘しておりまっせ。ネタ元字体は李基文の例の本ですが。
>「於支谷一ニ云フ翼谷」
私はこの例、「翼」は「於支」を借音表記したものと解しました。ですから、「翼」
の意味そのものは関係ないと見ています。「於支」が何を意味しているかは、
この例だけからはわからないというのが私の立場です。「「何かのよこ・わきに
ある物」の意味で使われている」というのは、現状ではJake_USA さんの想像に
過ぎません。はっきりそうだと言えるためには、まだまだ根拠が不足していますよ。
日本語の「カヒ(峡)」ですが、おそらくはそれとストレートに対応すると思われる
高句麗語が既にあります。
>>7
の「甲比(穴)」です。「カヒ(峡)」を問題にするなら、
こちらも併せて考察した方が宜しいでしょうね。
>古代日本語には、語根を共有すると見られる
>動詞と名詞の間には、大体2パターンが確認されます。
第一パターンは阪倉篤義氏が『語構成の研究』で提唱された情態言(形状言)、
第二パターンは居体言(連用名詞形)に、それぞれ対応するものですね。阪倉氏
は更に第三のパターンとして-u接尾形を最も古い名詞形成要素として認定して
おられましたが。「ハル(春)」「ナツ(夏)」「ツル(鶴)」「サル(猿)」「イヌ(犬)」など
のことです。それはともあれ、「カハ(川)」を「カフ(交・買)」「カヒ(峡)」と同じ仲間
として認めることについては私も賛同します。これらはアクセントも合致しますしね。
尤も、これらの語が朝鮮語の「kai(浦、入り江、河川の支流)」やその他の朝鮮語
語彙と対応するかどうかは、今はまだ留保させて下さいね。
566 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 15:07 ID:E31e2iOo
>Jake_USA さん
そうそう。出来れば、次回は適当なところで改行して頂けないでしょうか。
そうすると随分見やすくなりますので。宜しくお願いします。では!
>おおる
大物新人さんの登場で、このスレも久々に活気が出て来ましたね(w。
567 名前:
阿木林
:2003/11/04(火) 15:33 ID:vqAyvycE
>>561-562
いえいえ、決してJakeさんの意見は特殊なものではないと思いますよ。
戦前の書物(神代かなについて書かれたものです)を読んだときも、
アジアの人種を北方種と南方種に分けていましたし、言語的にもその
分類を基礎としていました。
Jakeさんのおっしゃる3つの系統というのは、ネグリート、中央モンゴロイド、
旧アジア人種ということになると思います。ネグリートの特徴をもっとも
強く持っているのは、アンダマン諸島やフィリピンの山岳民族でしょう。
漢民族自体が非常に混血的に成立した民族であり、
その基礎は華北に存在したチベット系と、華南に存在したタイ・カダイ
系であったという仮説は、既に一般的なものとなっているはずです。
そもそも、漢民族というのは中原の文化と言語を周辺の諸民族が
吸収することにより成立した混成的な集団というべきであり、
それゆえに、北京、上海、広東では人類学的にも少なからぬ差異が
見られるようになったのです。
日本人と朝鮮人の起源、というのは難しい問題ですが、天皇族が
朝鮮半島に起源をもつという説には概ね賛成です。
立証せよと言われると非常に難しいのですが・・
568 名前:
阿木林
:2003/11/04(火) 17:19 ID:vqAyvycE
>>564
ハン板のスレで、ハングルは優れた文字とはいえない、という部分は
私も読んだのですが、残念ながら批判のための批判になっていると
思われます。コンピューターの文字コードに適合していない、という
のなら漢字なんて最悪ですし、文字というのはあくまで手で書かれる
ことが基本です。
外国語を表記することが難しい、という批判は確かにもっともなの
ですが、それはハングル文字の問題ではなく、朝鮮語の発音規則と
正書法に引きずられてしまうことの問題です。
満洲語を表記するのならほとんど問題にはなりませんし。
朝鮮語の発音規則に拘らないという前提で、訓民正音が制定された
ころに作られた文字までフルに使うならば、そもそもが漢字の中古音を
正確にあらわすための文字なのですから、非常に多くの音素を無理なく
あらわすことができます。
おそらく女真文字から受け継いだと見られる一音節一文字のシステムが、
縦書きにも横書きにも適応している点はいうまでもありません。
文字の一つ一つが非常に画数が少ないことも特記すべきでしょう。
そのあと当の朝鮮民族に冷遇されたことも確かですが・・
そういえば、西田龍雄先生は「ハングルがエクアドルの少数民族の
言語をあらわすために使われている」ということを書かれており、
10年以上これを探しているのですが、さっぱりわかりません。
エクアドルは韓国人が多い土地ですし、キリスト教会を通じて利用される
ことがあってもおかしくはないのですが・・ご本人にきくしかないな。
569 名前:
tenpura ◆UMAIu01k
:2003/11/04(火) 17:51 ID:.5Dvze3U
余談(しかできないとも言う)
漢字、仮名、ハングル、いずれも縦書き、横書き対応しているのは
印刷では大きいメリットです。
かなり自由な組版ができる。
ハングルのコードがおそろしく容量を食うのは、使われない
ような組み合わせを含め、文字の順列組み合わせを、ほとんど
全部搭載したせいと聞いています。
どちらかというと文字の問題よりも、実装のやり方と、政治の問題(w
かと思います。
今なら、もうちょっとスマートな方法が採れるのではないでしょうか。
570 名前:
阿木林
:2003/11/04(火) 19:14 ID:vqAyvycE
固有語で、合成語や漢語の可能性がなくてn+gという連続があるものならば、
たとえば/'angai/「霧」とか/bangabda/「嬉しい」などがありますが、
これらは方言形になればng+gという連続に変化する傾向があると思います。
それにしても、男子曰沙喃、女子曰漢吟、とはなんと読むんでしょうねぇ。
男は/sanai/サネ(ますらお)でしょうけど。
571 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 19:57 ID:oMVZcVxQ
563>> 鶏林遺事の表記法についての疑問を提案してくださってありがとう
ございました。
女子曰漢吟 金曰[舟+β]論義
以上については、金曰[舟+阝]論義 の「ノ論義」(*/nwor-on i/?)の場合は「ノロン」の
部分は後世の朝鮮語の「nworo(-ta)/nwuru(-ta)」(黄色い)という形容詞と同源だと
仮定しています。鶏林遺事の金属・宝石についての記録は、金曰{偏舟旁阝}論義・珠曰区戌・
銀曰漢歳・銅曰銅・鉄曰歳とあるので、この場合は「金」は明らかに「黄金」を指している
ことが分かりますね。どうして鶏林遺事の頃では「黄色い」という意味の形容詞の第一音節が
「[舟+阝]」(中国普通話の「そこ、それ」などの意味を表す「那」の旧字体だと思いますが)を
以て表したのか疑問をもちましたけど、「那」という字には中国普通話でお馴染みの「na4, nei4」
という発音の外に、もう廃れた発音なのかそれとも地名や人名のような固定した言葉を読む時に
使う発音なのか分かりませんが、「nuo2, nuo4」という読み方もあるそうです。ともかく、
「黄曰[舟+阝]論」と同じ書物の中に書かれていると思うから少なくとも「金」を意味する
「[舟+阝]論義」がその派生語であると仮定できよう。
「黄色い」という意味をもつ語幹に接尾辞として添えられている「-un/-on」は、
(この場合は母音調和によって-on、即ちアレアに二ウンの方ですね)形容詞の
連体形(動詞に於いては過去分詞?の様なものを作るんですが)を作る語尾ですね。
最後の「義」がどういう形態素を表しているのかは私も戸惑うところですが、鼻音系の
/i/を音写しているのだと解釈したら差し支えありますか? 結果的には「ノロンイ」
という語形にはもともと「黄色い物」という程度の意味しか無くて、後から「黄金」
という特定の意味をもつようになったと仮定しても宜しいでしょう。現代語には
/nora[ng]i/と/nwure[ng]i/はニュアンスを区別して「黄色い物」という意味で使われて
いますが、現代語の/nora[ng]i/が上記の「[舟+β]論義」(*/nworon i/?)と同源だと
すれば非規則的だと思います。例えば中世語の/na'or/(四日)は現代語では/naur/と
いうんですけど。。。ふむ。
572 名前:
阿木林
:2003/11/04(火) 20:27 ID:ZZaOh6fw
おお。すばらしい。確かに黄曰那論とありますね。
こっちは「那」と書いてあります。
ノランイは明るい黄色の物、ヌロンイは暗い黄色の物というニュアンスですが、
「黄色い物」と黄金が呼ばれていたのは俗語かもしれませんね。
日本語でも黄金や小判を俗語で「やまぶき」と読んだりしていますし。
那の読み方については帰ってから調べてみますが、
[才那]nuo2や[女那]nuo2/nuo3の音符として那が使われているのだから、
那にnuoという読みがあったって不思議ではありません。
篇者とされる孫穆はおそらく北宋の人でしょうか。
朝鮮語に精通した上での記録というわけではないでしょうから、
おかしなところはあるのでしょうけど、細かく見ていくと非常に面白い
です。今日ではない語彙がある反面、現代語よりも漢語を多く
取り入れた部分もあったり。高句麗語にもこのくらいの資料があれば・・
573 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 20:51 ID:oMVZcVxQ
まあ、「金」という単語はさほど面白くないと思うから、次に移りましょうか。
「女子曰漢吟」の「漢吟」ですが、これももしかしたら形容詞の連体形を一つの要素と
しているのではないかなあと考えています。私の考えでは、「吟」は中世朝鮮語の
/nim-kum/(主君)と同じ形態素*/kum/(君の意?)を表しているとします。そうしたら
「漢」が残るんですが、「漢」の字は鶏林遺事を通して朝鮮語の/ha-n/(「大きい、多い」と
いう意味の古語の連体形です)および/hoj-n/(「白い」という意味の中世朝鮮語の連体形)を
音写するために使われています。
例: 「銀曰漢歳」(銀を/hoj-n-soj/即ち「白き金」という)
「白米曰漢菩薩」(白米を/hoj-n-p(o)sar/即ち「白き穀物」という)
「祖曰漢子祕」(祖を漢子祕という)
「舅(しゅうと)曰漢子祕」
「姑曰漢子彌」
(ここでは表記法がちょっといいかげんかも知れない、という点に注意してください。
「漢」で音写されている音節は中世語の/han/と/hojn/の両方に相当している様に見えます。)
上記の親戚を表す語については、間に入っている「子」の字が何を音写しているのか
よく分からないんですか。。。とにかく「漢子祕」は後期中世語の/hanapi/(お爺さま)と
関連のある単語でしょう。
私は、「女子曰漢吟」は「妻亦曰漢吟」の「妻」という意味の語から
転じた意味と考えています。そして、その「妻」という意味を表す
「漢吟」は他人の奥さんの敬称として使われていたと思います。なぜなら
「自分の妻をナニナニと称する」という記録がその次に書かれているのです。
少なくとも高麗時代の朝鮮語は既にけっこう複雑な敬語法が発達していたのでしょう。
私は結論として、「漢吟」(妻、女子の意)が*/ha-n-kum/(大き君?)という
語形に遡るのだと考えています。(鶏林遺事の時代には既に*/ha-n-Gum/のように
無声軟口蓋破裂音から有声軟口蓋摩擦音への道をたどっていたのでしょう。)
何故「漢」の代わりに/ng/で終わる漢字を以て音写しなかったのか分かりませんが、
もしかして「大きを意味する/ha-n/は漢で書き表す」、という公式みたいなものが
筆者の頭の中にあったのではないでしょうか? 漢民族の自負心に因るというか。そういえば、
鶏林遺事の筆者の姓名は知られていますか?どんな人でしたっけ?
574 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 21:28 ID:D4lPpGAk
>>573
Jake_USA さん
>上記の親戚を表す語については、間に入っている「子」の字が何を音写しているのか
>よく分からないんですか。。。
多分「了」の誤記乃至誤伝でしょう。「了」は中世漢字音は[lieu]ですが、
「父曰了秘」「母曰了弥」などから朝鮮語の['a]乃至['∂]を表記していると
推定される漢字です。「母」の方は寡聞にして知りませんが、「父」は中期
朝鮮語に「'abi」という例があったと記憶していますし、現代でも俗語乃至
方言では「親父」という意味で使用されているはずです。私は朝鮮語には
本当に無知なのですが、この「アビ」に関してだけは、昔ちょっとした縁が
ありましてね(苦笑)。それで覚えているのですよ。それはともかく、貴方が
挙げた「祖曰漢子秘」「舅曰漢子秘」「姑曰漢子弥」、いずれも「子」を「了」
に置き換えてみれば、この場合の「漢」はお説の通り「大きい」という意味
でしょうから、うまく合うのではないでしょうか。
575 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 21:30 ID:oMVZcVxQ
ははは、私がメッセージを書いている間に阿木林さんが私の質問に答えてくれたのですね。
鶏林遺事の編者は孫穆という人だったんですね。どうもありがとうございました。
ちなみに、私の「漢吟」(女子、奥様)の語源説を笑い飛ばす前に、日本語の「おかみさん」など
という言い方を考慮してくださいね!東アジアに於ける他人の妻の敬称としては「大き君」は
おかしくもないと思うのですが。
皆さんのメッセージを読んで思い出したのですが、確かに両唇鼻音が/k/の前に来る場合こそ
自動的に[ng]と発音されることがないんですよね。ただ、/k/の後に/m/が来ると、/k/が
[ng]になってしまうのは事実ですけど。この前は私が過言をしてしまって済みません。
563>>
ななしさんが持ち出してくれた「痩曰安里塩骨真 」ですが、これは恐らく
中世朝鮮語の/ani/(否定の副詞)と現代朝鮮語の/o[ng]kor-ci(-ta)/(たくましい、
穀物の穂に種が大きく生っているなどの状態を表す形容詞ですが)を音写したものと
考えています。確かに、かつて/mk/だったところが/[ng]k/へと発展してきた様に
見えますね。ただ、現代語の/o[ng]kor/という形態素の母音が全て/o/になっている
理由が分からないんですが。。。中世語で/ani/となる言葉が「安里」を以て音写されて
いるというところも非常に気になりますね。
576 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 21:39 ID:oMVZcVxQ
あら、大変な日本語を使ってしまいましたね。「痩曰安里塩骨真」は決して
中世朝鮮語の/ani/と現代朝鮮語/o[ng]kor-ci-n/を音写したものではなくて、
それらの単語と同源と思われる前期中世朝鮮語の言葉を音写したものです。
本当にすみませんでした。なるべく日本語に気をつけようとしているのですが、
やっぱり外国語はねえ。。。(汗
577 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 21:51 ID:D4lPpGAk
>Jake_USA さん
ちょっとコーヒーブレイク(私の場合は「酒」ですが(^^ゞ)。
>>553
で
「とんでもない発言をする人がたくさん居るスレ(スレッド=糸の略で
すか?)も見つけてしまいましたが。。。」と発言しておられますが、
もしよかったらそこのurlを教えてくれませんか。ハングル板もいいの
ですが、たまには私も別の電波浴を楽しみたいので(w。
578 名前:
Jake_USA
:2003/11/04(火) 23:03 ID:oMVZcVxQ
阿木林さん: さっきの「金曰[舟+阝]論義」についての話が気に入っていたんですか?
突然「漢吟」へ話題を移してしまってごめんなさい。私は日本語で会話する時、
言葉遣いや表現の仕方にもっと気を付けなければならないことは分かっているんですが、
私は時々失礼な言い方をするかも知れませんからその時は大目で見ていただけたら
嬉しいです。よろしくお願いしますね! でも私も阿木林さんと同じく、「[舟+阝]論義」が
俗語みたいな言葉だったと考えています。その派生法を見れば幼児語や俗語のうちだって
直感的に思います。
ななしさん: いわゆる「コーヒーブレーク」はいかがでしたか?
お休みの時間ならとんでもないメッセージボードの発言を見て楽しみますか。
実は、私が話していたメッセージ板はななしさんが既にご存知のはずです。。。
なぜならななしさんの書き込みを読んだのを覚えています。ななしさんの
発言はもちろん意味をちゃんとなしていたけれど他の人たちは様々でした。。。という
程度にしておきましょう。例えば
25 名前:竹崎季長2 ◆T/zSkROU 投稿日:2001/09/12(水) 00:03 ID:rhGZ6Hbk
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA さん、なんか
日露戦争の時の長岡半太郎(だっけ)みたいだなあ。
387 名前:ついでだが 投稿日:2001/10/08(月) 21:43 ID:yXGxtccs
人力車は日本人の発明らしい。
浅草に外人連れて行ったら人力車屋が店を開いてた。
「ありゃ中国のんだろう?」と言うんで「ありゃ日本人の発明だ。
中国人は引いただけ」と言うてやった。
後で心配になって検索したら、明治2年辺りに日本人が発明した様だ。
やっぱりね。
嘘だと思うならgoogle引いてみな。
(以上は
http://rkrc5w2q.dyndns.org/korea_refuge/1000210540.html
" target=new>
http://rkrc5w2q.dyndns.org/korea_refuge/1000210540.html
からの
転載でした。。。ご迷惑をかけて済みません。他にもっと変わった掲示板が
あった気がしますがそれを見つけるのには少し時間がかかりそうです。役に
立てなくてごめんなさい!)
579 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/04(火) 23:29 ID:D4lPpGAk
>>578
Jake_USA さん
ひぇ〜。それは私のホームページからもリンクしている、私の常駐スレの
過去スレではありませんか! あのスレは言語系電波を退治するための
スレでして、あそこを電波スレと言われたら、ウリ、泣いちゃうニダ!・゚・<つД`>・゚・
ちなみに、私は今もリカー・ブレイク中です。今日は日本酒ばかり飲んで
ますが、日本酒はおいしいですよ! おいしいのは、ね(藁)。
それから、人力車云々の発言を引用しておられますが、人力車は日本人
の発明に間違いないはずですよ。発明年も発明者もわかっていますから。
もし変な発言という意味で引いたのでなければスマソニダ。
580 名前:
tenpura ◆UMAIu01k
:2003/11/05(水) 00:52 ID:7mB3kNjo
予想通りのオチだ(笑)。
さんちゃんとか在日タソのスレでなくてほっとした。。。
581 名前:
ケムール人 ◆9s/SSlUk
:2003/11/05(水) 01:01 ID:gbBqGjzE
企業家さんや娜々志センセクラスになると
何処で引用されるかわかんないから大変だねえ・・・
582 名前:
ケムール人 ◆9s/SSlUk
:2003/11/05(水) 01:11 ID:gbBqGjzE
昔(20年近く前)インドにいったら、人力車ワラワラ。
「リクシャー」と呼ばれていて、土地に長い日本人から
「もとはニホンのジンリキシャですよ」と教えられた。
でもさ、日本の人力車って威勢がいいじゃない?若き日の
姿三四郎が「うらうらうらあ!」引いてたりさ。スポンサ
ーのいない学生の適当なバイトだったり。でもインドで
たまんなかったのは、明らかに当時の漏れより体力の
ない、おっちゃん、おばちゃんがよちよち引いてて、
やりきれなくてすぐ降りちゃったよ。
583 名前:
Jake_USA
:2003/11/05(水) 09:23 ID:UVb8Aq8A
ななしさん: ああ、あそこが電波スレ(デマみたいなことばかり書く人が
多いという意味ですか?)だなんて言うつもりじゃなかったけれど、25番の発言の
ように何を何のために言っているのか分からないのがたまにあったという事
だけでした。。。人力車の話も、デマやデタラメというより発言の書き方が
面白いと思っただけです。それは関西の方言を使っているのでしょうか?
ふぅ。。。私がこの発言でかえって変な方向へ話題を持って行ってしまった様ですね。。。
反省します。
ちなみに私は日本の梅酒が大好きです。こちらでsake(発音は普通「サキ」ですよ!)と
いわれる物はあまり飲んだことがないけど、梅酒は手の及ぶ所にあったら自主的に
飲もうと思います。大人の皆さんにとっては甘すぎるのかなあ。。。?
584 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 10:15 ID:QSY8jk4c
>>573
ありがとうございます。しつこく「金」の話なんですが、五行説の「金」は、
モンゴル語では/to'mo'r/「鉄」なんですよね。
日本語の「カネ」も、鉄を指すことが多いと思いますが、断言はできません。
漢吟の解説、ありがとうございます。/hangym/という解釈、同意します。
現代語の/manim/「奥様」に該当する言葉ですね。
/ma/は/ma:nura/「妻」の/ma/だと思いますが、意外と漢語の「媽」
だったりするかも知れません。
>>574
「了」が、意外と「阿」の吏読文字だったりして。カダガナはウリナラ起源ニダ!!
「了彌」は/emi/とでも読むのでしょう。
>>575
/ogorjida/という朝鮮語を知らないのですが、近い音の言葉で
/hen'ger-cada/ホンゴルチャダという言葉があります。
(おぉ、これもn+gの連続でした)
安里-が否定辞として用いられているらしいことも面白い。
孫穆さん自身については分かっていることが少ないのですが、
/l/と/n/を混同する言語の話者だったかもしれませんね。
現代中国では四川から広東にかけての人がそうです。
あと、那を/no/と発音する地方の人だったのかもしれません。
585 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 10:34 ID:QSY8jk4c
ついでに、ハングルのローマ字転写ですが、朝鮮語の知識がある人
同士ならそれぞれ違う転写法を用いても話は通じるので問題はない
のですが、一応自分が使っている方式を紹介しておきます。
ウリは個人的な好みで「志部方式」と呼ばれるものを使ってるニダ。
現代語の表記なら文化部方式やMR方式を使うことに抵抗は
ないのですが、この方式だと古典語も無理なくあらわせるので
気に入ってます。
g/n/d/r/m/b/s/'/j/c/k/t/p/h
gg/dd/bb/ss/jj
a/ia/ai[ε]/iai/e[∂]/ie/ei[e]/iei/o/io/u/iu/y[щ]/i/@(アレア)
oa/oai/ue/uei/oi/ui/yi
586 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 10:51 ID:QSY8jk4c
ア、アイゴ!鶏林遺事じゃなくて鶏林類事だった!
朝鮮語で覚えるとどっちもケリムユサだから・・・
三国遺事サムグクユサと紛らわしいなぁ。
鶏林は慶州の別称ですが、タクポルという古名にも通じますよね。
鶏林類事 三巻
1.天曰漢捺
2.日曰[女亘]
3.月曰契
4.雲曰屈林
5.風曰孛纜
6.雪曰敕
7.雨曰霏微
8.雪下曰敕恥
9.凡下皆曰恥
10.雷曰天動
11.雹曰霍
12.雷曰閃
13.霜露皆曰率
こんな感じでまとめてみようかな。
あ、このスレは高麗語スレじゃないんだった!
587 名前:
Jake_USA
:2003/11/05(水) 14:31 ID:UVb8Aq8A
阿木林さん: 貴方の朝鮮語ローマ字転写法を教えてくださってありがとうございます。
私たちが皆同じ転写法を用いればこのスレに書くメッセージが読んでいる人により分かりやすくなるでしょうね。
モンゴル語では鉄のことを/to'mo'r/というんですね。それがもしかして高句麗語の*/sobi/や
朝鮮語の/soi/と同源だと考えていらっしゃるんですか? それとも日本語の「カネ」も意味的範囲が
似ているということですか? 確かに古代の金属の名前は現代人の立場から振り返って見ると紛らわしい
んですよね。古代人にとってはある種類の金属はまだまだ「新しい物」という印象があったのかな。。。
/ma:nura/(妻、婆 - 中世では/manora/)と/mienyri/(嫁の意 - 中世では/mien@ri/とも)はきっと
「大・小」のニュアンスを表す意思的母音交換に因る一対をなしているでしょう。
確かに/ma:-nim/(身分の高い婦人を呼ぶ語; 或いは身分の高い者の名称の下に付けて敬意を
表す語)は前期中世語の*/hangym/(奥様、女子<「大き君」の意からか?)と似ている点がありますね。
しかし、朝鮮語の/ma:ma/(王様や王室の人を呼ぶ語;或いは身分の高い官人の妾を呼ぶ語)のことを
考慮に入れると、/ma:-nim/と/ma:ma/はもしかして(女真語経由?)の漢語なのではないか、と
思いますね。満州語にも同じ/mama/という敬称がありましたよね。私は、朝鮮語の/ma:nura/と/mienyri/に
ついては、むしろ日本語の「め(女)」や「をみな(女)」と関係があるのではないかと考えて
います。
あ、「鶏林遺事」じゃなくて「鶏林類事」でしたよね。私はずっと間違えていて気付かなかったのです。
ごめんなさい! 確かに「三国遺事」と紛らわしいんですよね。。。漢字を朝鮮語読みに読むと。。。
/hen'ger-ca(-da)/(非常に嬉しい、意気揚々たる;背丈がでかい)という朝鮮語は確かにありますが
意味的にも「痩曰安里塩骨真 」とは程遠い様な気がしますし、語頭に/h/が付いている点など気になります。
私は鶏林類事の編者の孫穆さんについて彼がまだまだ「塩」の終声の/m/を保っていたか分かりませんが、
「塩」の語頭音が後世、朝鮮語の/onggor-ji(-da)/や/onggor-ca(-da)/の[ong]になった可能性の方が、
「塩」が表していた音が/hen'ger-ca(-da)/の[hen]になった可能性より高いと見ています。異議の余地は
あると思いますが。。。
鶏林類事に於ける「祖曰漢子祕」の「子」が、朝鮮語の/a/ないし/e/の音を表す吏読文字と思われる
「了」の間違いだと私も思います。そう解釈すれば簡単に後期中世語の/hanabi/(お爺さま)と
関連付けることが出来ますから。しかし、そうすると「剪刀曰割子蓋」の解釈はどうなるのでしょう。
「割子蓋」は明らかに後期中世語の/g@z'ai/, /g@zai/, /g@'ai/や現代語の/gaui/, /gasai/(確か/gasigai/という
語形をもつ方言もあると聞きましたが。。。)などと同源の単語ですが、「割子蓋」という表記は
正確にはどんな音声を音写したものだと思いますか?
588 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/05(水) 14:55 ID:8W/nuTmI
>>583
Jake_USA さん
>電波スレ(デマみたいなことばかり書く人が
>多いという意味ですか?)
この場合の「電波」を定義するなら、「道理に合わない奇妙な主張。また、
そういうことを主張するおかしな人。」ということになるかな。もともとは現代
の狂人がよく抱く妄想のパターンである、「世界は毒電波で満ちている」だの
「電波が飛んできて私に命令する」だのを応用したものです。日本のネット
ではカタカナで「デムパ」と書くことも多いですね。
>それは関西の方言を使っているのでしょうか?
大部分はより俗語性の強い口語ですね。「言うてやった」だけは関西から
西日本にかけての方言ですが。さすがに俗語や方言となると、外国の方に
はわかりづらいでしょうねぇ。更にネットではまたネット特有の言い回しが
あったりしますから…(w。まぁ適当に読み飛ばしても、大体意味が取れれば
それで大丈夫ですよ。
>私は日本の梅酒が大好きです。
最近はあまり飲みませんが、梅酒は私も好きですよ。昔は自分で作って
いたくらいです(w。
589 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/05(水) 15:19 ID:8W/nuTmI
>>586
阿木林さん
前期中世語は基本は新羅語系語彙でしょうが、高句麗語系の語彙も
少なくないと言われていますから、『鶏林類事』の研究は高句麗語研究
にもきっと役立つと思いますよ。どうぞ遠慮なく続けて下さい。
>>587
Jake_USA さん
>モンゴル語では鉄のことを/to'mo'r/というんですね。それがもしかして高句麗語の*/sobi/や
>朝鮮語の/soi/と同源だと考えていらっしゃるんですか?
高句麗語の「鉄」を探る手がかりは既に存在します。『三国史記』の
「鉄円郡{一ニ云フ毛乙冬非}」です。これを素直に受け取れば、「鉄」が
「毛乙」、「円」が「冬非」を表わしているということになりますが、村山は
逆に「鉄」が「冬非」、「円」が「毛乙」を表わしているのではないかと推測
しています(
>>97
)。実際、村山説に従えば、「冬非」はモンゴル語の
「to'mo'r(鉄)」やトルコ語「ta¨mir(鉄)」とも対応させることが出来ますし、
「毛乙」も日本語「maru(丸)」と対応させることが可能になります。
>しかし、そうすると「剪刀曰割子蓋」の解釈はどうなるのでしょう。
その例は「子」のままで正しいとすればいいのではないでしょうか。
現存する『鶏林類事』は孫穆自身の書き残した原本ではなく、もとは
写本の形で伝わっていたものが版本になって残っているのですよね。
出版に著者本人が関わっていれば間違いはないのでしょうが、実際
には高麗語について何の知識もない別人が出版するのですから、
元の写本に書写の際に生じた誤りがあったとしても、本人以外には
それを訂正しようがありません。〔了→子〕のような誤りは誤写によって
容易に生じるものです。他の箇所で「子」という漢字も使われていれば
尚更でしょう。
590 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 17:41 ID:QSY8jk4c
http://www.cambridge.co.kr/culture/chamjin/chamjin03SS/chamjin03SS-03.asp
" target=new>
http://www.cambridge.co.kr/culture/chamjin/chamjin03SS/chamjin03SS-03.asp
たまたま見つけたのではっときます。ソウルの地名が漢字化されてどのように
変化したかが紹介されているページです。
591 名前:
Jake_USA
:2003/11/05(水) 17:53 ID:UVb8Aq8A
1.天曰漢捺 = 後期中世語/han@rh/, /h@n@rh/、現代語/hanyr/。語源的には「大き日」(*/ha-n-nar/)かなと
思ったりしますが、中世語の語末の/h/が説明できませんね。
2.日曰[女亘] =後期中世語/nar/.古くから「太陽」を意味する語でしたが、
現代語の/nar/は普通「day」とか「天気」とかいう意味しか持ちません。
3.月曰契 = 中世語にも現代語にもこの語に当たる単語は見当たりません。しかし、
私は中世朝鮮語の/nir'wei/(七日)に現れる*/gwei/など、日数を
数えるときの朝鮮語と何らかの関係があるのではないかと考えています。
尤も、あるとても古い書物のどこかに「東夷は夜を以て日を数ふ」とか
「東夷は日を夜にす」とかいう謎めく記録を見た様なうろ覚えがあるのです。
4.雲曰屈林 =中世語の/gurym/, /gurum/と現代語の/gurym/(雲の意)に当たりますね。
ここの面白い所は本来/t/を語末に持ったはずの「屈」という漢字を
使っているところですね。編者は朝鮮人の様に/t/入声を[l]/[r]に変えて
発音する習慣は無かったのでしょうね。。。単に「屈」の語末の子音が既に
衰えていたとしますか?或いは編者は朝鮮人の口癖・書く癖を表記法で
真似たのでしょうか?
5.風曰孛纜 =中世語の/b@r@m/, /b@ram/ですね。上記の(4)と同様の表記法ですね。
音写のために使われている漢字の第二字の音は中世語の異形態のうち、
/b@ram/が古形だという説を裏付けることになるでしょうか?
6.雪曰敕 = この中で一番気になる単語ですね。今までの研究者はこの音写に使われている字が
「眼曰嫩」の所で使われている「嫩」と似ていることと、「雪」と「眼」を
意味する単語が後期中期朝鮮語および現代朝鮮語に於いて/nu:n/と/nun/で著しく
似ていることから、この「雪曰敕」の「敕」が誤字だという結論を出す人が
多いのですが、実は日本語の「ゆき」やトルコ語の/yaGmur/(雨)などと同源の
単語を音写しているのではないでしょうか?
7.雨曰霏微 =中世語および現代語の/bi/(雨)。重複語と見做せますか?
かなり気になる単語の一つですね。。。
8.雪下曰敕恥 = 同じ意味の語句が中世語では/nu:n di/、現代語では/nu:n ji/と
なるのですが、中国語に於いては「恥」という字にはいつの時代に
[di]ないし[ti]の様な発音があったかしら? 中国人が朝鮮語の/ti/
を正しく聞き取れなかったとするのか、或いは鶏林類事が反映している
前期中世朝鮮語の方言では/i/の前に於ける本来の*/d/が既に口蓋音化
していたのか分かりませんが。。。「敕」については上述しました。
9.凡下皆曰恥 しつこいですね。やはりこれも前項と同じく後期の/di/,現代の/ji/(落ちる、
{日が}入るなど)ですね。
10.雷曰天動 =現代語の/cendu[ng]/(雷の意)。そのまま漢字の「天動」に由来するのでしょう。
11.雹曰霍 =全く分かりません! これは漢語でしょうか?
12.電曰閃 =漢語ですね。どうして気象の分野では漢語がこんなに
多く使われていたのでしょう。
13.霜露皆曰率 =現代語では「霜」を/seri/, 「露」を/isyr/と呼び分けています
が。。。発音の類似から中国人である編者は誤解をして霜露を言う語を
一つにまとめてしまったのでしょうか? もちろん「霜」と「露」って、
現象としても根本的に似ているのですが。
ちなみに高句麗語の「於斯」(斧)に対応するかも知れない単語を見つけました。
「斧曰烏子蓋」が高句麗語の「於斯」に接尾辞の/-kai, -kei/の付いた語形だと
思いませんか?
参考
漢 字 音:於斯(中:io-syie、朝:∂-s∧)
なお一層日本語の古語である「よき」と何らかの関係がありそうですね。
592 名前:
Jake_USA
:2003/11/05(水) 18:14 ID:UVb8Aq8A
でも「斧曰烏子蓋」の「烏子」は日本語の「わける(分)」という動詞の語幹と
結びつけることも出来そうだし。。。朝鮮語の/-kai, -kei/という接尾辞は主に動詞語幹から
派生名詞を作る役割を果たすのですから、「烏子蓋」はもしかして「わける」と
同源だと仮定した方が合理的かも知れませんね。
593 名前:
名無しさんは謝罪汁
:2003/11/05(水) 18:18 ID:pSFo4AJQ
>>590
最古の名前は「尉礼」と「漢山」のようですね。
「尉礼」は百済語で「漢山」は漢語のようですが。漢山は「漢城」「広州」の語源ですね。
ソウルは首都を意味する普通名詞「所夫里」から。
594 名前:
Jake_USA
:2003/11/05(水) 18:22 ID:UVb8Aq8A
でもこう見ると高句麗語の斧=「於斯」も、前期中世朝鮮語の「斧曰烏子蓋」も、
はたまた高句麗語の翼谷=「於支谷」という地名も、全て日本語の「わき」・「わける」と
関係がある様に思えちゃいますね。。。他の対応例ではどうでしょうか? 「於」字は
日本語のヤ行の音節と日本語のワ行の音節のどちらに対応すると考えてらっしゃいますか?
595 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 18:24 ID:QSY8jk4c
おお!すばらしい。ちなみに中世語は、ヤフー韓国の国語辞典で
検索することができ、便利ハムニダ。
2.日曰[女亘] は、/hai/ではないかと思ったのですがどうでしょう。
唐宋語に詳しいわけではないのですが、沙o南でサネと読ませる例から、
/-an/を/-e/ないし/-ai/と読む方言の話者かな、とちょっと思ったので。
もちろん、その先を読めば「南」を明らかに/nam/と読むところがあるので、
この説は成立しないと思うのですが。
3.月曰契は/*(ng)uer/という漢字音をあらわすのかな、と思ったのですが、
/ng/を/g/に置き換えている部分は他になさそうなので無理っぽいですね。
それにしても「太陽、月」のような基礎語彙でこれだけ現代語と違うとは・・
6.雪曰敕「敕」は「チョク」ですから、/nu:n/とは関係ないかもしれませんが、
やはり「嫩」の誤写だと思いたいです。
8.雪下曰敕恥は、現代語なら/nu:n oda(雪が来る)/と表現するところです
よね。古くは/nu:n dida(雪が降りる)/という表現があったのでしょう。
「恥」は今でいう「捲舌音」に属する字ですから、古くは/tji/に近い発音で
あったことは間違いなく、高麗語の/di/の音訳に使われたのも不思議では
ありません。ただ、「恥」は有気音であったとみるのが普通ですから、
/nu:n tida(雪が打つ)/のような表現だったのでしょうか?
596 名前:
娜々志娑无 ◆NcNEDmUA
:2003/11/05(水) 18:27 ID:8W/nuTmI
>>593
「所夫里」は百済語ですから、「ソウル」の語源とするにはふさわしくない
でしょう。直接の語源は新羅語「徐伐」「徐羅伐」とした方がいいのでは。
まぁ「所夫里」にしろ徐伐」「徐羅伐」にしろ、起源は同じ韓系祖語に遡るの
でしょうから、似たようなものと言えばそうなのではありますが。
597 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 18:50 ID:QSY8jk4c
11.雹曰霍 雹の現代朝鮮語は/u:bag/ですが、これは「雨雹」という漢語
なんですよね。古くは/murui/という語彙があったようですが、まったく関連
を見出せません。
12.電曰閃 現代語では/ben'gai/ですが・・・
思うに、孫穆先生は高麗人のインフォーマントに「これはなんと言うか」
「これは何ぞ」と一つ一つ尋ねて、書き取っていった(もしくは書かせた)
のだと思われます。
高麗語にはすでに漢語が大量に流入していたはずであり、
固有語と漢語の二種類の語彙があった場合に、漢語で問い掛けられた
インフォーマントが、つい漢語の語彙を出してしまったのかもしれません。
学識の高い高麗人ならなおさら。
「斧」をあらわす朝鮮語は/doggi/であり、中世語は/doc@i/または
/dosgui/, /dosgyi/だそうですが、烏子とも於斯とも関係なさそう
ですね。
598 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 19:38 ID:QSY8jk4c
とりあえず、Jakeさん使ってください。
[人+西/大/山]人って何事かと思いましたが、「仙人」のことであるようですね。
てっきり[人+西/国]で仏のことかと思いましたが日本の国字だった・・・
14.霧曰蒙
15.虹曰陸橋
16.鬼曰幾沁
17.神曰神道
18.仏曰孛
19.[人+西/大/山]人曰僊人
20.一曰河屯
21.二曰途孛
22.三曰[手西]
23.四曰迺
24.五曰行戌
25.六曰逸戌
26.七曰一急
27.八曰逸答
28.九曰鴉好
29.十曰噎
30.二十曰戌没
31.三十曰戌漢
32.四十曰麻刃
33.五十曰舜
34.六十曰逸舜
35.七十曰逸短
36.八十曰逸頓
37.九十曰鴉訓
38.百曰[酉+日/皿]
39.千曰千
40.萬曰萬
599 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 19:38 ID:QSY8jk4c
41.旦曰阿[手参]
42.午曰捻宰
43.暮曰占捺
44.前曰訖載
45.昨日曰訖載
46.今日曰烏捺
47.明日曰轄載
48.後日曰毋魯
49.約明日至曰轄載鳥受勢
50.凡約日至皆曰受勢
51.明年曰明年
52.春夏秋冬同
53.上曰頂
54.下曰底
55.東西南北同
56.土曰轄希
57.田曰田
58.火曰孛
59.山曰毎
600 名前:
阿木林
:2003/11/05(水) 19:39 ID:QSY8jk4c
76.胡桃曰渇未なんて面白いですね。日本語の「くるみ」と同源とみて
ほぼ間違いないと思います。
60.石曰突
61.水曰没
62.海曰海
63.江曰江
64.渓曰渓
65.谷曰丁蓋
66.泉曰泉
67.井曰烏没
68.草曰戌
69.花曰骨
70.木曰南記
71.竹曰帯
72.果曰果
73.栗曰監
74.桃曰枝棘
75.松曰鮓子南
76.胡桃曰渇未
77.柿曰坎
78.梨曰販
79.林禽曰悶子計
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