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高句麗語合戦2 〜あれは韓国これは日本〜
- 1 名前:娜々志娑无 ◇NcNEDmUA 代理:2003/12/16(火) 13:30 ID:7sGxMHpI
- とざいと〜ざい。これより皆々様にご披露致しまするは、いにしえの高句麗語の
数々で御座りまする。高句麗は今を去ること1300年以上昔に滅びし古代国家で
御座りまするが、かつては満州西部・沿海州から朝鮮半島北部一帯にかけて
広大な領地を持ち、彼の隋・唐帝国の攻撃すら再三にわたって撃退したことも
あるほどの強いつよ〜い国家に御座りますれば、ニダビトの皆様にとりましては
数少ない「誇らしいですね。サ、サ、サ。」と言える存在なわけで御座りまする。
ところが、あに計らんや、資料に残る高句麗の言葉をよくよく調べてみますると、
ウリマルには似ても似つかず(それは言い過ぎ)、それどころか、何とな〜んと、
彼のにっくきチョパーリどもの言葉とよく似ているというからさあ大変! 果たして
ニダビトの皆さんは誇りある歴史を取り戻すことが出来るでありましょうか。
__ /
iii■ < 乞うご期待!
─ー(´∀`)-─ \
|\@|_Y_|@/|
.<\__(ωω)__/>
【前スレ】高句麗語合戦 〜あれは韓国これは日本〜
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1055576517" target=new>http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1055576517
- 2 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/12/16(火) 14:-12 ID:7sGxMHpI
- 【前回までのあらすじ】
三国遺事に記された高句麗語地名の数々。
こいつを研究すれば高句麗語の概要が解明できる!と地名研究に
いそしんでいたはずのスレも、時は流れいつしか高麗語の研究スレに。
だって高句麗語難しいんだもん。
高句麗研究といえば北チョソンのお家芸。
韓国での研究は遅々として進んでいなかったのでございます。
その間隙を突いて中国政府が電撃参戦!
将来の中朝併合の布石か否か?ニダ人たちは上を下への大騒ぎ!
とまぁこんな感じで。
- 3 名前:日語商売:2003/12/16(火) 15:08 ID:EDip0Vp2
- スレ立て乙です!!
では地鎮祭のようなものを・・・
ちょっとあんた、今やってるのは高麗語なのに高句麗語って(ry
- 4 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/12/16(火) 19:13 ID:YXTQ4LwM
- >>2
ああ、そうか。きっと>>1は朝鮮半島から来たんだ。
あちらではウリミンジョク以外の国家が存在してはならないという
鉄の掟があるらしい。
てなわけで、これにて地鎮祭、無事終了ニダ。
>阿木林さん
スレ立て乙ニダ。でも、高句麗地名があるのは『三国遺事』では
なくて『三国史記』の方ニダ! 謝罪と補償(ry
- 5 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2003/12/17(水) 02:-8 ID:Psmj0W5Y
- 貼るの忘れてた。関連ほぉむぺぇじでつ。
娜々志娑无のぺぇじ
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/index.html" target=new>http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5420/index.html
- 6 名前:名無しさんは謝罪汁:2003/12/17(水) 03:12 ID:FDz4axKI
- 過去スレの一覧は?
- 7 名前:阿木林:2003/12/21(日) 17:-6 ID:9O2hI28s
- 過去スレっていうか関係スレの一覧ですよね。
先生のホムペからリンクできるのが大半だったような。
- 8 名前:阿木林:2003/12/22(月) 20:-6 ID:o4u0D.TE
- >901
じゃあ前スレにレス。
「念」はまったくもって意味不明なんですが、「受勢」はかなり使用例が
ありますよね。50.凡約日至皆曰受勢というやや意味不明な使用例が
あるのですが、もしかしたらこれは「烏受勢」/*osiosei/から一文字脱落
したのかもしれません。
49.約明日至曰轄載鳥受勢
336.語話曰替黒受勢
339.借物皆曰皮離受勢
341.乞物曰念受勢
という例がありまして、「烏」は/o-/(来る)の語幹、「皮離」は
/birri-/(借りる)の語幹と考えられるので、受勢が/sio-sie/のような
動詞の活用語尾をあらわしているということに関しては、
異説がないと思います。「念」を「これ、あれ」のような代名詞と解釈して
「受勢」を現代語の/ju-sei/に同定してしまう、ということも考えた
のですが、さすがに頭子音が合わないので電波ですよね。
現代上海語では「受」は[z@]と発音されるので、[dzju]と発音が近いと
いえないこともないのですが、ケリムユサでは子音の清濁は混同される
傾向にあったと思いますし。
- 9 名前:日語商売:2003/12/22(月) 22:10 ID:94ZoRTPw
- >>8
私も最初は「受勢」を cu-sie あたりかなと考えたのですが、
「受」は中古音では зi∂u、近世以降は∫i∂u>shou(sr∂u)なので
語頭の子音がどうしても合いませんね。
まぁ中古音のdзとз(зは∫の有声音、専門用語では船母と常母)はしばしば混同され、
区別のない音資料もたくさんあるので、cu(ju) を表した可能性も皆無ではないのですが。
50.の例は「烏」が落ちたのではないかと私も思います。
「受勢」だけで「来てくださいませ」の意味を表したと勘違いした可能性もありますが、
自分のメモを見直せばそれがおかしいことに気付きそうですし・・・。
誤写の可能性でいえば、336.の「替黒受勢」も、「替里受勢」が正しいようで、
それだと tyr(e)-.sjo.sje「聞いてください」または tyr'i-.sjo.sje「聞かせてください」と
解釈できるようです。tyr- は tyt.ta(聞く)に母音接辞が付いたときの形ですね。
ty を「替」(このころの発音はおそらく thi)で写しているのがいささか疑問ですが、
253.「染曰沒涕里」が.myr.tyre(染める)を表している例でも、「替」と同音の「涕」で
ty を表しているので問題ないでしょう。
これが誤写でないとすると「替」が何らかの「ことば」「物事」を意味する言葉、
もしくは te(もっと)で、「黒受勢」が h@-siosie でしょうか。
- 10 名前:阿木林:2003/12/24(水) 11:-11 ID:bQ.kSJjU
- >4
アイゴ!ミアネヨソンセンニム!
ケリムユサの話をずっとしていたので、こっちもサムグクユサだと
思ってしまったにだ!ウリは半島に帰ってよしニダ!
>9
なるほど。「きいてください」という意味だとは考えもしなかったです。
もしかしたらこの時代には/y/と/i/の発音がもっと近かったのかも
しれません。もともとは対応する陰陽の母音だったんですよね。
「替」がことばを意味する言葉だとすれば、/ddys/(意味、こころ)
あたりでしょうか。中期語では/bdyd/という形をとるので、頭子音の/b/
が記述されていないという矛盾があるのですが・・・
- 11 名前:日語商売:2003/12/24(水) 12:-9 ID:LDnuRWrw
- >>10
昨日帰国してこたつからレスしてますw
マッコリ買ってきたので、正月におとそ代わりにやろうかと思います。
三国遺事のこと、ケンチャナヨ!!
/y/は中期語では∂に近かったという説もありますが、最近の研究では、
現在の−[щ] に近かったようです。
もう少し前寄りのi¨に近い音だそうです。
このころの中国語には ty をあらわすのにちょうど良い音節がなかったので、
最も響きが近かった ti (実際には thi を使っていますが) を使ったのでしょう。
bdyd 辺りはいい候補ですね。
- 12 名前:阿木林:2003/12/24(水) 15:29 ID:bQ.kSJjU
- 現代語のddys-hadaは「意味する、たくらむ」という意味なので、
お話するという意味があったかどうかは不明なのですが・・・
中古漢語の三等音の-i-は、実はこの/y/に近い音だったんでは
ないかなぁと最近は思っておりますです。
ではそろそろタクポルユサを再開しますか。
- 13 名前:阿木林:2003/12/25(木) 11:00 ID:1uPnEMWg
- 216.珠曰区戌
現代語の/gusyr/です。「戌」は24.五曰行戌、25.六曰逸戌、
30.二十曰戌没、31.三十曰戌漢、68.草曰戌、に出てくる
音訳字です。
217.銀曰漢歳
中期語の/h@in s@i/「白い鉄」でよいと思います。「漢」はそのほかの
部分でも「白い」という意味でしばしば登場します。
現代語では/hyin soi/となります。
218.銅曰銅
漢字語です。音は/dong/でよかろうと思います。
現代語では/guri/という固有語もありますが、ツングース由来の言葉
かもしれません。満洲文語では/giowan/といいます。
219.鉄曰歳
中期語の/s@i/です。現代語では/soi/です。満洲語の/sele/としばしば
比較される語彙です。
220.糸曰糸
一見漢字語ですが、現代語の/si:r/に対応する言葉であると思います。
- 14 名前:阿木林:2003/12/25(木) 11:14 ID:1uPnEMWg
- 「布」に関する語彙は、専門的な語彙を知らない私にはちょっと
扱いかねます。ご教示ください。
221.麻曰麻
現代語では/sam/や/mosi/という語彙がありますが、漢字語です。
もしかしたら、/mosi/という固有語をあらわしたものかもしれません。
日本語では「からむし」という言葉に入っています。
222.羅曰速
「うすぎぬ」をあらわす言葉と思われますが、該当する固有語が
わかりません。現代語では/miengju/や/bidan/などの語彙が
ありますが、全て漢字語です。「きぬ」の固有語はないのでしょうか。
223.錦曰錦
日本語の「にしき」です。漢字語とみてよいと思います。
224.綾曰菩薩
日本語でいう「あや」でよかろうと思います。
189.白米曰漢菩薩の菩薩と同音とされているため、音価は/bsar/
でよかろうと思います。現代語では/munyi/といいますが、
布に関する語彙は本当に現代とは変わってしまったようです。
225.絹曰及
絹の固有語を私は知らないのですが、これを/*gib/のように発音
したとして、日本語の「きぬ」との関連性が疑われます。
- 15 名前:阿木林:2003/12/25(木) 11:24 ID:1uPnEMWg
- 226.布曰背
中期語の/boi/、現代語の/bei/をあらわすとみて間違いないでしょう。
現代では主に麻布/sambei/をさします。久しぶりにうまく解釈できる
語彙が出てくるとほっとします。
227.苧曰毛施
日本語の「からむし」ですが、現代語の/mosi/をあらわしたものでしょう。
228.苧布曰毛施背
226と227から、/mosi boi/をあらわしたものと見て間違いないようです。
現代語でいう、/sambei/のことでしょう。
229.[巾+僕-人]頭曰[巾+僕-人]頭
漢語です。男子の頭巾のことをいいます。
/bogdu/のような発音でよかろうと思います。
230.帽子曰帽
これも漢字語です。現代語では/moja/といいます。
- 16 名前:阿木林:2003/12/25(木) 15:18 ID:1uPnEMWg
- これからは満洲語もできるだけ参照してみます。
糸/siren/、布/boso/、絹/giowanse/、帽子/mahala/はいずれも
高麗語と関連がありそうです。特に/boso/の例は、224.綾曰菩薩
と226.布曰背の両方に関連がありそうです。
さらに、227.苧曰毛施とも同じ源かもしれません。
- 17 名前:日語商売:2003/12/25(木) 17:-1 ID:mlGj5pT6
- >>14
221は他の本では「麻曰三」となっていて、.sam に対応する形になっているそうです。
222の「速」は、「中、内側」をあらわす :sok で、内着に使う薄衣の意味かなと思ったのですが、
どんなもんでしょうか?
225は、中期語に :kip(絹) という語彙があるので、それでしょう。
- 18 名前:阿木林:2003/12/25(木) 17:26 ID:1uPnEMWg
- いつも声調までつけてくださってありがとうございます。
本当はそこまでやらないといかんのですが・・・代わりに満洲文語つける
のでおゆるしくださいw
あわてて調べてみたら/gi:b/という語彙が現代語にもありました。
荒めの絹布という意味だそうです。あるもんですねぇ・・・対応語彙。
「麻曰三」という本もあるんですねぇ。多分そっちが正しい本でしょう。
他の部分で「なんでこんな語彙が漢字語に?」というような部分も、
写本していくうちに漢字語になってしまったのかもしれません。
「速」については、下着を現代語で/sog os/というので、
十分に可能性があると思います。
「羅」自体がうちぎという意味は持っていなさそうなのが難点といえば
難点ですが・・・
- 19 名前:日語商売:2003/12/27(土) 01:-10 ID:M7QCgAvY
- 声調の方は正直、ほんとに必要かなと思ったりもしますが、
宋代漢字音との対応を考える上で欠かせない要素だと思って付けています。
こういう情報まで正書法に含めて表記していることとか、中国語音を表記するためだけの
文字を用意していることとか、『訓民正音』に見られる詳細な音声観察とか考えると、
集賢殿の学者のレベルの高さに感服せざるを得ません。
まぁだいたいアクセントは口頭言語に置いてもあまり重要な要素ではないし
(いえ実際はカナーリ重要ですが、たとえめちゃくちゃでも通じるという点においてですw)、
韓国語では後に一部方言を除いて崩壊の道をたどるので消えてしまいますが。
それにしてもアクセントについて一顧だにしない日韓辞典編集者や日本語教科書の著者には
彼らの爪のあかを煎じて飲ませたくなります・・・だってめちゃくちゃなイントネーションで
「ウリの日本語は完璧ニダ!」と妙な自信を持つ学生が多いんだもん!!
前にも書きましたが、『鶏林類事』には娜々志娑无先生御紹介のリンク先にあった
『説郛』所収本と『古今図書集成』というのに収められた本と2つあり、さらに
朝鮮においていくつかの辞書類に引用された部分もあり、それらの間での異同が
激しいようです。
『古今図書集成』所収本については、少しだけ図版で見たことがありますが、
だいたいはじめのところの2ページまでぐらいなので、全面的な異同を示す用意がありませんスマソ。
なので、先行論文等に出てきた解釈(著者の恣意が混じっている可能性高し)と区別できずに、
提示しているところもあります。できれば区別して提示したいのですが。。。
来年はじめに母校に行くので、そのついでに参考資料見てきたいと思っています。
満州文語は私もちょこっとだけ勉強したことがあります。
しかし満州文字は激しく読みにくい文字ですねぇ。書いてる分には面白いのですがw
- 20 名前:阿木林:2003/12/27(土) 23:-11 ID:LKzIxHYw
- ありがとうございます。当然宋代漢字音との対応関係を探らないと
いけないところではあるのですが、そこまで手が回ってないのが現状です。
アクセントの問題はなかなか頭が痛いですね。
とはいえ自分の朝鮮語のアクセント(たとえ崩壊しているとはいえ)だって
めちゃくちゃでしょうから、あまり偉そうなことはいえませんし、
うちの読めは崩壊アクセント地域の出身なので、日本語のアクセントに
関しては私はとても寛大です。
韓国人留学生の日本語のレベルは確かに高いのですが、書き言葉の
レベルになると、こちらが関心するほどうまく書く人は自分の知る限り
一人しかいません。もっとも、韓国人以外でも、台湾の人で一人とても
うまく日本語を書く人がいるのを知っているだけなのですが・・・
満洲文字についてはどうでしょう。なれると読みやすいような気がしなく
もありません。少なくとも蒙古文字よりは。とはいえ諺文の読みやすさ
の足元にも及びませんが。それではよいお正月を。
- 21 名前:斧折三:2004/01/04(日) 16:-28 ID:HIB6tOxQ
- 初めまして。高句麗を巡る韓国と中国の応酬について検索していて、
このスレに出会いました。良質で勉強になります。
朝鮮語のアクセントの資料は12世紀初めの『鶏林類事』まで遡れるようですね。
宋代漢字音の声調調値も『鶏林類事』が重要な飼料になるようです。
昨秋『鶏林類事』900周年紀念国際学術大会があり、500頁の論文集が出ています。
日本からは京都産業大の森博達氏がアクセントの反映について発表しています。
森氏によれば、『鶏林類事』の音訳者の中国語(宋代開封音)では、
平声・上声・去声は基本的にそれぞれ、低平・低高・高平に近かったとのことです。
宋代開封音は『皇極経世天声地音図』が重要な材料ですが、人為的な側面もあり、
『鶏林類事』がその短所を補うべき資料になると思われます。
- 22 名前:阿木林:2004/01/04(日) 20:-7 ID:SeQmb6m2
- 斧さん始めまして。他の住民の皆さんはそれぞれの分野で研究を
されている方なのですが、私は学問とは縁遠い生活をしており、
お恥ずかしい限りです。ケリムについても先行研究はいくらでも
あるはずなのですが、あえてそこから離れたところでいろいろやって
みるのも面白いかと思い、少しずつ進めています。
論文集もいつか見てみたいと思いました。
アクセントに関する研究も当然しなくてはならないのですが、手元に
中期朝鮮語のアクセントを参照できる資料がないため、後回しに
せざるを得ません・・・いやはや。
森先生の方法ですと、おそらく現代の朝鮮語諸方言から高麗語の
アクセントを推測し、さらに漢字の四声との対応関係を調べてその
ような結論に至ったのでしょう。宋代の開封音ではすでに四声に
陰陽の別が生じていたのではないかと思いますが、この点に
ついての言及はなかったでしょうか。
編者の言語はやはり開封音によっていると見るのが普通なんですね。
- 23 名前:日語商売:2004/01/04(日) 21:-10 ID:95yT5Agk
- 他のスレではともかく、こちらでは明けましておめでとうございます。
というわけで今年の講書始ですなw
>>21
はじめまして。一応専門は中国音韻学なのですが、故あって韓国で日本語を教えております。
高句麗論争は韓国でもある意味ホットになっていますwが、こちらはあくまでもマターリと、実証的に、
ときに大胆な想像の翼を広げて、って感じで進むといいなと思っております。
『鶏林類事』900周年紀念国際学術大会、というのがあったのですね。
論文集はどこで手に入るのでしょうか??
森先生と言えば日本書紀編集区分論を出して世に衝撃を与えた方、
私も論文の上でですが大変お世話になりました。
宋代の音韻資料は沢山あるのに、時代や依拠した方言が不明だったり、人為的なところがあったり、
前時代の規範が強かったりして、なかなか本当の姿が見えにくいです。
『皇極経世声音図』も、いろいろ特徴的なところがあるのに、よくわからないところも多く、
扱いが難しい資料ですね。
斧折三さんも、ご意見ご指摘があったらどんどん書き込んで下さい。今後ともよろしくお願いします。
>>22
声調の陰陽分裂は『皇極経世声音図』で顕著ですね。ただそれも型は同じで高さだけ違ったのか、
それともアクセントの型自体が陰陽で違っていたのか不明です。
『皇極経世声音図』の推定音価は日中の学者がいろいろ発表していますが、
平山久雄先生が10年ほど前に発表したものが今のところ最も信頼できるものと思われます
(『東洋文化研究所紀要』120所収)。興味がおありの方は御参照下さい。
- 24 名前:斧折三:2004/01/05(月) 00:30 ID:xLylWlA.
- 阿木林さん、日語商売さん、早速のレス、ありがとうございます。
『「鶏林類事」900周年紀念国際学術大会・高麗朝語研究論文集』という書名で、
韓国国語教育学会の発行です。私は知人から入手しました。
李基文氏や姜信ハン氏、台湾の竺家寧氏、北京大の安[火丙]浩氏など
20名が『鶏林類事』についての論文を掲載しています。
竺氏以外は全員韓国語で発表しています。
森氏のは「『鶏林類事の音訳についてー声調の反映ー」という論文です。
結論を翻訳すると次の通り。
以上、『鶏林類事』にどの程度アクセントが反映しているか検討してみた。
まず、声調注と反切注を検討して、高麗語の高低アクセントを中国語の声調で
表記しようとした明確な意図があったことを明らかにした。平声を意図したものが
2例、上声を意図したものが3例、去声を意図したものが2例あった。
そしてこれらに対応する中世韓国語のアクセントはそれぞれ、
平声・上声・去声であった。
この規則的な対応に依り、高麗語のアクセント体系は基本的に中世韓国語と
大きな差異はなかったと推定された。中世韓国語の平声・上声・去声のアクセントは
それぞれ、低平・低高・高平であった。したがって『鶏林類事』の音訳者の中国語でも
平声・上声・去声はそれぞれ低平・低高・高平に近い調値をもっていたと推測できた。
次に、中世韓国語で上声アクセントが表示されてているものの中で、漢字語と
入声字を除外した音訳表記を調査した。
総17例の中で10例は中国語の上声で表示されている。残りの7例の例外中、
5例は音韻学的に正当な理由をもつやむを得ない例外であった。結局、ここでも
『鶏林類事』の音訳者は高麗語の上声アクセントを中国語の上声で表現しようと
したことが明らかになった。
今後、中世韓国語で平声や去声のアクセントが表示されている音節の音訳表記に
ついても追加的に検討する必要がある。その場合にも、本稿で使用した研究方法が
効果的となるはずだ。すなわち、子音・母音・アクセントの3つの要素を総合的に
検討することである。これを漢字音の側面から言えば、声母・韻母・声調の
三位一体で研究することが重要なのである。
以上が森論文の結論です。
宋代開封音の声調はすでに陰陽分裂していたと想像されますが、『鶏林類事』の
声調注では、「平声」・「上声」・「去声」・「入声」とあるだけで、
陰陽の差異は捨象されているので、さほど顕著ではなかったようにも見られます。
この論文集を見ると、韓国の「国語学者」は日本の「国語学者」とは異なり、
中国語も日本語もよく勉強しているようで、驚かされます。
- 25 名前:阿木林:2004/01/05(月) 11:-28 ID:Nw9TqaWE
- 斧折三さん、ありがとうございます。
ここに紹介がのっていました。
http://www.inje.ac.kr/community/press/read.asp?board_idx=133&Gotopage=2" target=new>http://www.inje.ac.kr/community/press/read.asp?board_idx=133&Gotopage=2
国際学術大会特集:高麗時代ウリマル研究国際学術大会を開いて
−高麗語研究の唯一無二の宝典《鶏林類事》900周年記念−
著者 チン・テハ 2003
全国漢字教育推進総聯合会
- 26 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2004/01/06(火) 00:-1 ID:aFfzmFvY
-
,..-――-:..、 ⌒⌒
/.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::.\ ^^
/ .::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::..ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::
:::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;__;;; どうせあちきは韓国の国語学者様と違って、
::::::::::::::::::::∧■iii 不勉強で朝鮮語も中国語もまともに話せぬ
::::::::: ( ::;;;;;;;;:) 日本の「国語学者」さ…
_.. /⌒:::;;;;;ヽ
-― ―'ー'-''―-''/ / ::;;;;;;;;:| |―'''ー'-''――'`'
,, '''' . ''''' と./ゝ_;_;_ノヽつ 、、, ''"
,,, '' ,,, ::;;;;;;;;;::: ,, ''''' ,,,,
,, ,,,, ''' , ,, ,,,, Sorosoro shiodoki kana...
- 27 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/06(火) 03:-19 ID:WUBFgsTA
- 韓国の国語学者も日本語、中国語話せないと思うんですが・・・
- 28 名前:阿木林:2004/01/06(火) 11:20 ID:MkO2cleQ
- >26
そんなに玄界灘の夕日にたそがれないでくださいw
韓国の学者さんの知り合いはあまりいないのですが、
年配の方は当然日本語が達者ですし、若い人にしても、
たとえ外国語を流暢に話せずとも、日本や中国の文献、
ことに中国の古典を読みこなせないと中世以前の研究は
不可能ですから、古くて豊富な文字資料を少なからず持っている
日本語の研究とはだいぶ事情が違うのでしょう。
- 29 名前:日語商売:2004/01/06(火) 11:28 ID:yCctIvg.
- 韓国だと中国音韻学の知識がないと『訓民正音』やその他中期語文献を正しく読めないし、
日本よりも漢字音や音韻学の研究が盛んですから、自然と中国語学の知識を持ってるようです。
ただそれと、よい研究を発表できることは必ずしも両立しないのですがw
あっしも中国語を話せるようになりたいニダ・・・w
- 30 名前:斧折三:2004/01/06(火) 13:31 ID:MT1.yw3I
- 「鶏林類事研究論文集」を読んでいて気付いたことですが、
参考文献に中文・日文の論文が多数引用されれています。
それゆえ、韓国の国語学者は日本語や中国語をよく勉強している、と書いたまでです。
『鶏林類事』という文献の性格にも依るのでしょうが。
もちろんその会話能力までは不明で、話せるか否かは、二次的な問題です。
日本の「国語学者」は日本語を孤立したものとして研究するのでなく、
東アジアの諸言語との交流史の中で研究してもらいたい、というのが老生の希望です。
とりわけ中国語・朝鮮語との交流は連綿と続いているわけですから。
私は趣味で朝鮮語の勉強をしているだけで、朝鮮語史についても素人です。
高句麗語について有益な研究を教えていただければと思い、立ち寄った次第です。
ちなみに私は都守煕氏の研究に注目しています。
かつて同氏の「百済前期の言語について」(1982年、百済研究国際学術大会)
という発表要旨文を読んで、興味を抱きました。夫余系地名語尾である「達」が
北部・中部地域のみならず、加羅地域に4例も見られるとのこと。
しかも新羅地域には1例もないのです。
おそらく政治・外交・軍事史との関係もあるのでしょう。
言語史以外の知見も必要になるのでしょうね。
- 31 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/06(火) 16:15 ID:BZ/0M4.I
- >>26
_,l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l,,_
,.r'´,. -┐ ':..,゙ヽ
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ヽ',,;l ゙i ;::.. _ `ヽ、;;,,,,'.ィ'' _,, .::,;r'1,,,/ l__ ノl士
ッジ::::::| ゙ ,r'´:::;;;;;;;::> 弋´;;;;;::::ヽ'" |:::::゙'イィ ノ凵 l土
弍:::::::::::l /:::;r'´ ,,..-ー…ー-、 ヾ;:::'、 |:::::::::::ヒ
シ:::::::::::l i':::,! ´ __ ゙ l::::l:. |::::::::::ス __ヽ__‐┬┐
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,r', 广'`ヽl:::l ::::. .:: ゙::. l::l ノ^i`、 l ̄l ハヽヽ
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- 32 名前:阿木林:2004/01/06(火) 17:-20 ID:MkO2cleQ
- 雷電「むう!これはワン・ターレンの死亡確認!ゆで、車田と並んで
バカ漫の代表とされる宮下漫画のキャラの中でも、これほど
いい加減な奴はない!」
富&虎「な、何ィ〜〜〜!!!知っているのか雷電!」
・・・コホン、
高句麗語に関する話を全然していなくて、申し訳ないです。
今このスレで鶏林類事の話ばっかりしているのも、900周年と何か
の縁があったのでしょう。シンクロニシティかもしれませんw
「達」は山という意味と考えられていて、日本語の「たけ」との関連性
が考えられている語彙ですよね。/*tarke/というような形が推定され
ていますが、新羅には分布しないということを、恥ずかしながら知りま
せんでした。カヤは百済の影響が強かったようですね。
任那日本府の真偽はさておいても、日本文化を考える上でカヤの
影響は無視できないとされていますが、百済から日本への重要な
中継地点だったのかもしれませんね。
- 33 名前:吉士幾三:2004/01/07(水) 00:03 ID:XmAGkBPE
- はじめまして。すみませんいきなりですが教えていただきたいことがあるのですが、
岸氏の一族について調べていたところ、岸=吉士=きしは、新羅の官僚の意と
でてきたのですが、高麗神社の祭神の高麗王若光(こまの こきし じゃっこう)
とこちらにもキシということばがでてきますが、キシという言葉が高句麗でも使われていた
可能性とか形跡はあるのでしょうか?ご教授してください。
- 34 名前:鍋屋犬左衛門 ◆a.3.SVLo:2004/01/07(水) 00:22 ID:zjYutn7.
- 李=木+子=きし=岸
だそうですにだ。
これ、岸信介のそういう場での十八番だったそうですにだ。ほるぅるぅ(笑
- 35 名前:吉士幾三:2004/01/07(水) 00:22 ID:XmAGkBPE
- はずかしい訂正。
×ご教授してください(;´д⊂)
○ご教授お願いいたします。
- 36 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2004/01/07(水) 01:15 ID:35u2NxrQ
- >>33 吉士幾三さん
私は岸氏のキシが新羅の官僚の意という話は聞いたことがありませんし、
また、高位の身分を意味するキシという語が高句麗語にあったかどうかも
存じ上げません。まぁそれは単に私が不勉強なせいかも知れませんので
しばらく措くとして、少なくとも百済王氏や高麗王氏の王姓の和訓としての
コニキシ(コキシ)という語については、高句麗語などの夫餘系言語の語彙
に由来するものではなく、新羅語や韓系百済語のような韓系言語の語彙
だったろうと思っています。というのは、中国の正史『周書』(636年成立)
の百済伝に以下のような記述があるからです。
王姓ハ夫餘氏。号ス/2於羅瑕ト/1。民呼ビテ為ス/2[革+建]吉支ト/1。
夏言並(み)ナ王也。
即ち、百済王は自らを「於羅瑕」と称していたが、民衆は百済王のことを
「[革+建]吉支」と呼んでおり、ともに中国語で言えば「王」の意味だというの
です。このうち後者の「[革+建]吉支」が日本語として入ってきて「コニキシ」
という語になったことは容易に想像が付くでしょう。
実は百済は支配層と被支配層で言語が異なる二重言語国家でして、
支配層は王が姓として「夫餘」を名乗っていることからもわかるように夫餘
系言語を話していたようです。百済の建国神話でも高句麗の傍系である
ことを堂々と謳っていますしね。一方、被支配層は、百済の前身がもともと
馬韓だったことから韓系言語を話していたと推測されます。「[革+建]吉支
(コニキシ)」は民衆、即ち被支配層の呼称だったわけですから、夫餘系
語彙とは考えにくく、韓系語彙に属すると考えるのが自然でしょう。
そんなわけで、私としては「コニキシ」のような語が百済だけでなく新羅
や加羅のような古三韓の領域に存在した可能性は非常に高いとは思って
おりますが、夫餘系に属する高句麗の地に存在した可能性はかなり低い
のではないかと見ています。ただその場合、百済王氏だけでなく、高麗王
氏の「王」までが「コニキシ」と読まれていたのが気になりますが、それは
地理的また政治的理由のため、高句麗と古代日本が交流するのが百済
や加羅諸国よりも遅れ、結果的に高句麗語よりも先に百済ないし加羅、
或いはもっと早く旧三韓から「コニキシ」という語が半島の「王」の訳語と
して日本語に入り、定着してしまったからだと考えれば説明はつくのでは
ないでしょうか。
- 37 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/07(水) 01:22 ID:ld0RO.YM
- キシ=大人(首長)、
コンキシ=大キシ=王
高句麗ではオリコケ。
馬韓ではコンキシ。
日本書紀では高句麗語での王はコンキシでなくオリコケだったはず。
コンキシといえば日本書紀では百済の王のこと。
- 38 名前:日語商売:2004/01/07(水) 09:-4 ID:TH2ZMZCY
- 確か新羅語の後裔である中期朝鮮語での「王」にあたる語彙は nimkym だったと思います。
ただ百済地方で発見された千字文の中に「王」の訳語として kich@ という語が現れるそうで、
これが「キシ」にあたるものだと考えられています。
古代では最も日本と交流が深かった半島の国が(加羅を除けば)百済だったことを考えると、
半島の王族出身(を名乗る)氏族の姓(かばね)として「コニキシ、コキシ」が定着して、
その類推から「高麗王(こまのこきし)」という姓が成立したのではないかと思います。
- 39 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/07(水) 10:-14 ID:EvIVhx9g
- 本居宣長が古事記の「王」をすべてコニキシと読んだのに対して、
平田篤胤はそれを誤りとして、コニキシは百済の王のみ。
高麗の王はオリコケ、新羅の王はムキムと読むべし、と主張していた。
nimkymというのは「尼師今=ニシキン」または「寐錦=ムキン」からきてるんじゃないですかね?
- 40 名前:阿木林:2004/01/07(水) 10:-6 ID:XLhdZ.Ug
- やっと高句麗語スレらしくなってきましたねw
「於羅瑕」ときくと、現代朝鮮語で満洲族などツングース系の諸族を
「オランケ」と呼ぶことを思い出します。
高句麗語の「皆」と「於羅瑕」の「瑕」の部分が関係あるとして、
「オランの王」という言葉が女真族を意味する言葉になったという
可能性があるのではないでしょうか。
「オラン(於羅)」の部分は、満洲語では/oron/という言葉があり、
「役職」という意味なのですが、/hala/(同族)の類義語であるように
思います。日本語の「はらから」ですね。
ちなみに満洲語では王を/han/といいますが官僚は/hafan/です。
ソンセンニムの次の解説が参考になると思います。
No.41
意 味 :王(名詞)
原 文 :「遇王県本高句麗ノ皆伯県」「王逢県一ニ云フ皆伯」「王岐県一ニ云フ皆次丁」
(『三国史記』)
漢 字 音:皆(中:k∧i、朝:k∧i)
再 構 音:kai(李)
?(村)
比較(日):古代日本語「ki1mi1(君)」(娜)
比較(韓):新羅語「kan(干)」「han(翰)」(李)←ともに新羅の官名
比較(他):夫餘語「ka(加)」←夫餘の官名
任那語「kanki(干岐)」←任那の王位
蒙古語「kaγan(可汗)」←皇帝・君主
- 41 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/07(水) 13:06 ID:yl/lNnsc
- >>40
てっきりオランケはモンゴルのウリャンハイのことだと思っていたけど違うの?
- 42 名前:斧折三:2004/01/07(水) 18:12 ID:QcWH6FYo
- >nimkymというのは「尼師今=ニシキン」または「寐錦=ムキン」からきてるんじゃないですかね?
鮎貝房之進によれば、「尼音今」から来ているとのことです。
『雑[巧−工+攻−工]』「新羅王号、並びに追封王号に就きて」の
「尼師今」の項に次の如く見えます。
以上の如く儒理王以下の王号尼師今は二つの敬称を重複に用ゐたること、
猶ほ居世干の敬称を二重に称しあると同様なり。
次に訓蒙字会皇以下の訓##(nimku-m)とあるは、
つまり古借字としては、尼音今なるが、此の王位号は古記録には一切見当たらざるも、
必ずや有りたるべきを推測さる。今此の語を普通には##(inku-m)と称し、
人君の音##(inku-n)の転なりとの説を為す人あるも、
#(in)は#(nim)の転音にて、尼音今の今日まで伝来せし語なり。
坪井九馬三は鮎貝房之進を次のように紹介しています。
国学の素養を以て朝鮮の言語歴史に三十余年潜心せる人にて
今まで官途にも教壇にも上らず所謂白衣の学者国学者風の篤実なる考証家なり
と前間(恭作)氏申されます。
鮎貝房之進の学問は食うための学問ではなかったことが分かります。
- 43 名前:吉士幾三:2004/01/07(水) 19:-24 ID:JaMaCmG2
- >>36〜42
諸先生方、早々にお詳しいご解説頂きましてどうも有難うございます。
高句麗では王をオリコケというのですね、初めて知りました。
馬韓地方でコキシなる言葉が使われてそれがオリコケよりも早く日本に伝わって
高句麗の王を示すときにも、便宜的にコキシをつかったのではと、いうことですね〜。
な〜るほど〜分かりました。本当にどうもありがとうございました。
- 44 名前:阿木林:2004/01/07(水) 19:06 ID:XLhdZ.Ug
- おぉ。調べてみたら、そのとおりみたいですね。↓
http://kr.encycl.yahoo.com/final.html?id=118797&from=enc" target=new>http://kr.encycl.yahoo.com/final.html?id=118797&from=enc
元来ウスリー川支流のムリン河流域に居住していたようである。
高麗末期、豆満江地域に移り、そこを中心に間島およびハムギョン
道、ムサン郡などの地や、鴨緑江上流に分布していた。
ロシア、モンゴル、ウイグルにかけて現存するウリャンハイの多くは
モンゴル語の語彙を大量に持つトルコ系の言語を話していますが、
まさかウリナラーにも住んでいたとは、正直知らなかったです。
- 45 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/07(水) 22:-12 ID:c9tEHzPs
- 尼師今って確か「歯」って意味じゃなかったっけ?
- 46 名前:斧折三:2004/01/07(水) 22:11 ID:dsIthuaI
- 「尼師今」についても、鮎貝房之進の詳しい考証があります。
「尼は歯なり」は三国史記の金大門説が初見であり、定説となっているようです。
鮎貝氏曰く、
「此の歯を敬称に用ゐしは、年の義より転じて年長者の義となれるものなりと思ふ。」
「オモニ(お母さん)」の「二」と同源とのこと。次に、このniにsを添えたもの、
即ち「尼師」「尼叱」等も同様の敬称と言っています。
また、「今」は「君」の訓読とのことです。
- 47 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2004/01/07(水) 23:-20 ID:35u2NxrQ
- >>45-46
そう言えば、『鶏林類事』にも、「歯曰[イ+尓]」とありますね。ところで
その敬称の「ni」なんですが、現代語の「nim(様)」とはどういう関係に
あるんでしょうか。『日本書紀』に百済人が武寧王の生まれた各羅島を
「主島」と呼んだという記事があり、「主島」の古訓として「ニリムセマ」と
いう語が今に伝わっています。この「ニリム」が「主」を意味する百済語
であることはほぼ確実だと思われますが、現代朝鮮語「ニム(様)」の
古形としてもふさわしい語形(語中のr音脱落は朝鮮語に例が多い。
例:more→moe→moi→me〔山〕)であり、おそらく韓系言語の共通
語彙だったろうと推測されています。「nim(←nirim)」と「ni」、いかにも
関係がありそうなのですがねぇ。
- 48 名前:斧折三:2004/01/07(水) 23:12 ID:u17gYgz.
- 「尼音今」の「尼音」が二ムですね。ニリムについても鮎貝氏が指摘済みです。
曰く、
此の敬称#(ni)に名詞接辞たる#(m)を添えたるもの、即ち借字として
任、壬、林、臨、稔、尼音、爾林、児林等当てあるものにて、
訓蒙字会主を訓じある語是なり。書紀は主を二リムと読ませあるが、
是は爾林、児林とあるものにて、二ムの衍音と見るべきものなり。
此の語は古今を通じて用ゐられ居る語なり。
古代朝鮮の王号については(地名・人名もですが)、
まず鮎貝氏の研究を参照するのが捷径でしょうね。
他に有益な研究があれば、なんでも紹介して下さると幸いです。
- 49 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/07(水) 23:19 ID:eeF/zW5E
- 寐錦=ムキンについてはどうですかね?
これは尼師今と同系の言葉なんですかね?それともまた別の語源?
- 50 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2004/01/08(木) 00:-28 ID:2vegDMSU
- >>48 斧折三さん
ども。食うために学問やってる学問ゴロツキ、略して学ゴロの娜々志娑无
と申します。以後、お見知り置きを。
>書紀は主を二リムと読ませあるが、
>是は爾林、児林とあるものにて、二ムの衍音と見るべきものなり。
ニリムがニムの「衍音(音余り。延音と同義?)」つーことは、鮎貝はニム
こそ本来の語形で、ニリムはその一変化形と見ていたということになります
が、さすがにこれは承服致しかねますね。>>47で述べた如く、ニリム→ニム
と見るのが言語的にも自然であると愚考致します。
- 51 名前:斧折三:2004/01/08(木) 00:-10 ID:dfv6q4Rc
- >>49 寐錦=ムキンについてはどうですかね?
鮎貝氏曰く、
上の寐音#(mi)なるが、尼師或は尼音と同語のmiと云ふ敬称が別に新羅上代に
存在せしか、今何等の記録に接せざるのみならず、
今の朝鮮語には是と近似の敬称も無し。
されば寐は尼音の約音と思われざるにならざるも、他の例証を発見せざるかぎりは
是も肯定し難し。
唯寐錦は確に新羅上代の王位号尼師今と同語たる丈けは明らかなり。
こう述べて、備考として、日本で「壬生」をミブ、「任那」をミマナと読ませるが、
「壬」「任」の字音は共に二ムである。ミラ(韮)をニラと転呼する例も挙げて、
「古く朝鮮音の転呼音が伝わりしにあらざるか、参考までに一言し置くものなり」
と結んでいます。
鮎貝の『雑コウ』は30年ほど前に国書刊行会から影印本が出ています。
古書店でよく見かけますし、大きな図書館にはあると思いますので、是非ご覧下さい。
- 52 名前:斧折三:2004/01/08(木) 00:13 ID:dfv6q4Rc
- >>50
>ニリム→ニムと見るのが言語的にも自然であると愚考致します。
ニリム→ニムも、ニム→ニリムも両方あり得ると思います。
現代朝鮮語にも同様の例があります。家事をチバンニルといいますが、
語構成は、チバン(家の内)+イル(仕事)です。
ご専門の日本語にも、春雨(ハル+アメ→ハルサメ)といった例がありますね。
年寄りには夜更かしは禁物。一筆言上、鼬で失礼。
アンニョンヒ チュムセヨ!
- 53 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2004/01/08(木) 02:-16 ID:2vegDMSU
- >>51 斧折三さん
>日本で「壬生」をミブ、「任那」をミマナと読ませるが、
>「壬」「任」の字音は共に二ムである。ミラ(韮)をニラと転呼する例も挙げて、
>「古く朝鮮音の転呼音が伝わりしにあらざるか
これらの例はいずれも「朝鮮音の転呼音」ではないと思いますよ。
単なる逆行同化現象でしょう。逆行同化とは先行音が後続音に同化
して音変化する現象のことで、日本語で言えば上代にワガオホキミが
ワゴオホキミとなった例などが有名ですが、現代語でもコミュニケー
ションが時にコミニケーションと発声されることがあります。後続のニ
の母音iによって先行するミュが同化されてミになったというわけですね。
「壬生」「任那」はその漢字音からして本来は「nim-bu」「nim-na」という
語形だったと考えられます。それが韻尾mの影響によって逆行同化を
起こして「mim-bu」「mim-na」となり、前者は韻尾のmが後続のbに
同化して消失、後者は韻尾mに母音aが添加(後続のnaの母音aに
逆行同化したとも取れる)して「mimana」という語形になったというのが
言語学的に見て最も穏当な解釈ではないかと思うのですがね。
- 54 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2004/01/08(木) 02:-11 ID:2vegDMSU
- >>52 斧折三さん
私は朝鮮語はズブの素人ですので間違っているかも知れませんが、
その「チバン+イル→チバンニル」は日本語で言うナ行連声という現象
と同じもののように見えます。ナ行連声は母音音節の直前にn音が来る
場合に発生し、直前のn音によって母音音節が同化されてナ行になる
という一種の音声同化現象で、江戸初期頃までは規則的に発生して
いました。現在では「因縁(インネン)」「反応(ハンノウ)」「輪廻(リンネ)」
など少数の語彙に化石的に残っているのみですが、音声環境的には
まったく同一ですから、朝鮮語でも同じことが起きただけのことでしょう。
英語でも「run away」が実際の発音では「ランナウェイ」と発声される
ことはご存知の通りです。
また、ハル+アメ→ハルサメについては、そのまま複合してしまうと、
上代日本語において徹底的に忌避された母音連続が発生してしまう
(har《ua》me)ので、それを避けるためにs音が挿入されたと説明され
ることが多いですが、母音連続の回避のためには母音融合なり母音
脱落なりを起こすというのが通例であり、s音が現われるのはアメ以外
ではせいぜいイネ(ニギシネ、アラシネ)があるくらいです。そんなわけ
で、ハルサメはアメに対してサメという単独語形がかつて存在した名残
であると見る説も有力です。実際、イネの場合はシネという語形が書紀
古訓に見えますし、ウウ(植)/スウ(据)や強意の助詞イ/シのように
意味が似ていながらア行とサ行で対立している語彙が存するのも後者
の説にとっては心強いでしょうね。
斧折三さんが鮎貝を非常に高く買っており、その一方でアカデミックの
世界に安住している私のような日本の「国語学者」に対して批判的なの
はよくわかりましたが、誰の言説であっても、たとえそれが斧折三さんの
大好きな鮎貝の言説であっても、学問的におかしいところはおかしいと
認めることも必要ではないでしょうか。イヤ、若造がナマ言って済みません。
- 55 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/08(木) 09:31 ID:Ezz.BDxU
- 中国、強硬手段を執り始めました。
中国“歴史戦争”強硬姿勢 高句麗遺物持ち出し逮捕 朝鮮族2人死刑
http://www.sankei.co.jp/news/morning/08iti003.htm" target=new>http://www.sankei.co.jp/news/morning/08iti003.htm
でも、今北朝鮮にそんな骨董持ち込んでも、どうせ他国に流出するか打ち捨てられるに決まってると思うのは漏れだけ?
- 56 名前:阿木林:2004/01/08(木) 10:18 ID:MQYnG.aQ
- >44補足
韓国では「ウリャンハ」と言うようです。もちろん漢字音による読み方
ですから、口語では「オランケ」というのでしょう。
>52
もしかしたら、ニリムという形は、「ニム」の強調形だったのかも知れ
ませんね。/ni(歯)+nim(様)、もしくは/nini(歯の複数)+m(名詞化)/
の/ninim/が転訛した形で。
>54
/jib+an+ir/が/jibannir/と発音されることについては、まったくその
とおりだと思います。紫蘇(ケ)の葉(イプ)がケンニプになるのも、
同様の現象です。この場合は/ggai+s+ib/ > /ggainnib/という変化
ですが。そういえば「観音」は江戸語では「かんのん」で、京語
では「くわんおん」だったんじゃなかったでしたっけ?
「はるさめ」については、「はる+し+あめ」という解釈は可能でしょうか。
別に斧さんはソンセンニムに批判的ではないと思いますよ。
朝鮮語がある程度よめるウリよりも、万葉仮名を読みこなすソンセンニム
の方が、百倍すごいと思います。
鮎貝先生の本は、機会があったら読んでみますね。
- 57 名前:阿木林:2004/01/08(木) 10:27 ID:MQYnG.aQ
- おっと。さげてしまった。
>55
リンク先見ました。すごいですねぇ。
でも、残念ながら真実は「現金目的」の行動であるように思います。
マンギョンボンに乗せて日本にでも流せば億単位の値段がつきますし。
こないだ「なんでも鑑定団」を見ていたら、「中国で朝鮮族から
200万円で買った高麗時代の青磁」に5千円くらいの値段が
ついて、おっちゃんが崩れ落ちていましたw
本物だったら国宝に指定されるんですけどねぇ。
- 58 名前:日語商売:2004/01/08(木) 11:-1 ID:Bwx7fwL.
- あたしなんぞはもろ「商売」を看板に掲げていますが・・・w
韓国語で n が挟まるのは合成語の切れ目とかに多いですね。
特に i や半母音 y の前で出てくることが多いですが、中期語から現代語に至る過程で
脱落した n の名残であるものも混じっているような気がします。
あと、n と r が隣接すると普通は rr になりますが、漢字語では一部 nn になるものもあり、
これも n が挟まったせいのようです。
これは属格の s の変化したものでしょうか?
鮎貝氏の知見には目を見張るものが多いですが、やはり初期の学者であるため、
方法論等には問題があるものが多いと思います。
これはまぁ、しょうがないことでしょう。
- 59 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2004/01/08(木) 12:12 ID:2vegDMSU
- >>53
おっと。今見直すと、「壬生」は日本の地名なのだから、日本語が
開音節言語である以上、漢字音の韻尾云々で説明するのはカナーリ
まずかったですね(^^;。同じ逆行同化で説明するにしても、第2音節
の「bu」の子音である両唇破裂音bに不完全同化して第1音節の「ni」
の子音である歯茎鼻音nが両唇鼻音mに変化したとするか、または
濁音の直前の母音が古くは鼻母音化していたという説をもとに、その
入り渡りの鼻音m(bの直前だから当然mになる)に逆行同化したと
いう風に説明すべきでした。反省します(ー_ー|||)。
- 60 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/08(木) 12:28 ID:zr8rVEdY
- 鮎貝さんの本は面白いので私もかつて愛読していましたが
かなり古い人なので100%肯定はできかねる部分も時々あるのでは。
尼師今の「今」が漢語の君というのはちょっと…
それと寐錦と尼師今を同系と見るか別語と見るかにかかわらず、
寐錦がより古く尼師今の方が比較的新しいということは動かないと思いますが。
…そういえば広開土王碑にも「寐錦」は出てきましたね。
- 61 名前:USS Virginia SSN774:2004/01/08(木) 15:30 ID:eg9c/YNE
- >>55
一方、日本側とはこんな関係なんですよね。
>高句麗・好太王碑 風化防げ 中国と調査・保存 九州国博準備室が計画 アジア連携 第一歩
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/0204/museum/articles/040104_1.html" target=new>http://www.nishinippon.co.jp/media/news/0204/museum/articles/040104_1.html
> 石碑を邪馬台国以後の東アジアの国家関係を考える貴重な史料と位置づける設立準備室は、
>実物の研究が第一と判断。昨年十一月、準備室の担当者が吉林省の当局者と会い、保存・修復
>の協力を申し入れた。
- 62 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/09(金) 13:12 ID:g1SKx0Mc
- 「高句麗・百済・新羅・任那って、同一民族なの?」
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/history/1000047879/l50" target=new>http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/history/1000047879/l50
私はこの刷れ↑の569ですが。
「娜々志娑无のぺぇじ」に問い合わせ用のメアドなかったので
こちらでお尋ねしますが、今年の夏のコミケめざして
「2chから生まれた半島古代史本」というコンセプトで同人誌だそうと思っているのですが
「娜々志娑无のぺぇじ」から一部引用もしくは全文転載などの許可をいただけませんでしょうか。
本全体の構想などは未定ですが、なにぶんコミケ同人誌にありがちなこととて
内容確定してから許可をもらっていては間に合わない虞れがありますので。
むろん娜々志娑无先生はじめこちらの常連の方々にも寄稿していただけたら尚ありがたき幸せ
と申し上げたいところですが、これまたコミケ同人誌にありがちなこととて、
企画倒れになり本自体結局出ないなんて落ちもあり得ますので、
私の方からそこまではお願いできませんが。
- 63 名前:日語商売:2004/01/09(金) 15:-2 ID:tmJ1rY0E
- 本日、古今図書集成所収『鶏林類事』と、前間恭作「鶏林類事麗言攷」コピーしてきました。
とりあえず見た感じの印象・・・相当、説郛所収のもの(ソンセンニムが紹介した図版の)とは
字 が 違 っ て い ま す 。
ヒントになるような、よけい混乱させる元となるようなw
>>62
面白そうですな! がんがってくれい!!
暇とネタがあったらちょいと投稿させていただこうかな・・・難しいですが。
- 64 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2004/01/09(金) 15:04 ID:k5P5hCsI
- >>62
あのホームページは世間様に公開している物ですから、内容を改竄
されない限り、個人的にはご自由に使って頂いてかまわないと思っており
ます。ただ、あのようなホームページを私が作り上げることが出来たのも、
このスレの皆さんの有形無形のご協力の賜物ですから、あれはもはや
私個人のものではなく、このスレの皆さんの共有財産と言ってもいいような
ものであります。そんなわけで、とりあえずこのスレの皆さんのご意見を
賜わってからお返事致したいと存じますので、しばらくお待ち下さいませ。
- 65 名前:阿木林:2004/01/09(金) 16:08 ID:cX4oPMQs
- 面白そうですね。
私も常連面して書いてますが、寄稿できるような知識がありませんゆえ、
草葉の陰から成功を祈願はむにだ。
同人誌ときいてやおい本を想像したのは内緒です。
- 66 名前:LUNA:2004/01/09(金) 17:25 ID:0iWpMXmg
- すみません。教えてください。
日本酒について調べていた所
「酉の字は壺の形を表わす象形文字で、酒を意味しています。」というのを見つけました。
本当ですか?
- 67 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/09(金) 19:04 ID:K4K2MhFc
- age
- 68 名前:日語商売:2004/01/09(金) 19:22 ID:f3f5mLI2
- >>66
本当です。水(さんずい)をつけて意味を強調したのが「酒」って字です。
酉を十二支の「とり」の意味に使うのはいわば宛て字です。
- 69 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/09(金) 20:17 ID:kKSZL3nU
- 酒といっても神様に捧げる聖水としての御神酒で、
その入れ物(祭器・呪具)は三本足の器(鼎状のもの)。
三本足ということから「鳥」(足の指が3本)が当てられたのかと。
- 70 名前:日語商売:2004/01/09(金) 21:-28 ID:f3f5mLI2
- >>65
やはりここは娜々志娑无先生に美少女あるいは美女教師として登場願わないとw
- 71 名前:阿木林:2004/01/09(金) 21:-7 ID:cX4oPMQs
- >69
三本足の鳥って、諸星大二郎的な世界ですよねw
そのような語源説はたくさんあるのですが、私としては古代の殷語
を反映したものであるという説をとりたいんですよねぇ。
ついでに十干も殷語の数詞の反映であると考えています。
「天君」を信仰する周人たちが中原に入った後でも、
多様な土地神などを信仰する殷人の語彙は、神官などによって
残されたのではないかと思うからです。
殷語はタイ系ないしミャオ・ヤオ系に近いと考えられていますが、
タイ語の鳥nookなどとはちょっと関連づけにくいので、
ミャオ語の鳥nu6, nu6-nu2 / ne6, nyong2 / nong6, zheu5
あたりとの関連性はどんなもんざんしょ。
>70
も、萌え〜〜!!
とでも叫んでおけばよろしいでしょうかw
- 72 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/10(土) 00:-9 ID:OdlNDBus
- >71
>美少女or美女教師
語尾に奇天烈な言葉を付ければOKです。あと珍妙な口癖も(w。
- 73 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/10(土) 09:-15 ID:Ib2JKEik
- 酒・西・酉、ぜんぶ字源おなじでは。発音も[s−]
- 74 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2004/01/10(土) 14:04 ID:d1WTvisU
- >>56 阿木林さん
>そういえば「観音」は江戸語では「かんのん」で、京語
>では「くわんおん」だったんじゃなかったでしたっけ?
『浮世風呂』の江戸女と上方女の言い争いの内容を信ずればそういうことに
なりますね。京都では江戸よりも早くナ行連声が消滅しており、逆にカ行合拗
音kwaの方は、京都よりも江戸の方が先に消滅していたということのようです。
お話の中では、上方女は随分と江戸女の言葉を馬鹿にしておりましたが、結局
「観音」の読みとしては「カンノン」という江戸女の語形の方が定着したわけで、
上方女にとってはお生憎様というところでありんすえ。
>「はるさめ」については、「はる+し+あめ」という解釈は可能でしょうか。
可能性はジェロではないとは思いますが、>>54で述べましたように、s音挿入
と言われる例そのものがアメ〜サメ、イネ〜シネと極めて限られており、しかも
イネはシネが単独語形として使用された例もあると来ていますから、さすがに
アメ〜サメだけで朝鮮語の影響を云々するのは危険この上なきことかと。
- 75 名前:阿木林:2004/01/10(土) 17:-27 ID:1B6i335U
- じゃあ、ついでにソンセンニムに質問。
「ガニマタ」を逆連濁と呼んでいた人がいるんですが、本当ですか?
「蟹+股」ではなくおそらく「かね+また」だろうと思うのですが、
それにしても語中のn/mが語頭にまで影響して濁らせる例というのは、
日本語では皆無ではないにしろかなり珍しいと思うですが。
- 76 名前:阿木林:2004/01/10(土) 17:-5 ID:1B6i335U
- >73
正確には酒の発音は/tsiou/であり、酉/iou/と韻母は一致するのですが
声母は一致しません。
私も酒は水+酉だと思っていたのですが、古くは酉はサケの容器
という意味で、サケという意味をもつのは「酋」/ts'iou/(カメから香気が
たちのぼる様)であり、これに水をつけたものが「酒」であるようです。
藤堂の再構によれば上古音では酉hdiog、酋dziog、酒tsiogだそうです。
/hd/は破裂の弱いd。西はserだそうです。「ざる」の象形だという説の
ほかに「遊牧民のテント」の象形から「にし」の意味に転じたのだ、
という説もあったと思いますがどんなもんでしょうねぇ。
「東西南北」の文字は何らかの部族名を表していたのでしょうか。
- 77 名前:日語商売:2004/01/10(土) 17:20 ID:NzLgWCaw
- >>76
「酉」の諧声系列はちょっと変わっていて、単純には言いにくいようですね。
最近では「酉」の頭子音を r と再構して、ts〜s 系列と関連づけてるのを見たこともあります。
他にそういうことができる例が少ないのが難点ですが・・・。
「西」は篆書体を見ればわかるのですが、「酉」系列とは発音も字形も全然違います。
甲骨文字だとざるのような形をしていますが、鳥の巣の象形という説もあります。
確かテントのような形というのは「南」じゃなかったでしょうか?
遊牧民ではなく南方人の開放的な家の形の象形とかそんな感じで。
こちらもぶら下げて使う楽器の一種の象形という説もあるようです。
まあ、南方人と限らなくても、建物の入り口がある正面の形と見れば、「北」が背中合わせの形から
家の背中側に当たる方角という意味に使われるようになったのと好対照になるのですが。
- 78 名前:斧折三:2004/01/10(土) 17:27 ID:TvR0mp02
- オレンマニムニダ。
宿酔から醒めて覗いて見ると、随分スレが進んでいますね。
私は鮎貝房之進の研究を紹介したのですが、
鮎貝を敬慕するあまり、余分なコメントをつけてしまいました。
その結果、「アカデミックの世界に安住」される板主、
娜々志教授のご機嫌を損なったようです。申し訳ありません。
本題の「鶏林類事」についての検討の再開を願っています。
阿木林さんは朝鮮語も中国語も堪能のようですし、
日語商売さんは朝鮮語のみならず中国語音韻学にもお詳しいので、
「鶏林類事」音訳語の分析には適任だと思います。期待しております。
ただし、アカデミックな板主様の期待に応えるためには、
ある程度、従来の研究を踏まえておかねばなりません。
私は趣味で朝鮮語を勉強しているだけの年寄りですが、
たまたま幾つか主要な研究書が手元にありますので、少しご紹介します。
1、前間恭作1925『鶏林類事麗言考』
2、方鍾[金+玄]1955「鶏林類事研究」
3、李基文1968「鶏林類事の再検討」
4、陳泰夏1974『鶏林類事研究』
5、姜信[シ航−舟]1980『鶏林類事「高麗方言」研究』
4の陳泰夏氏は韓国人ですが、北京官話も流暢で、著書は中文です。。
かつて仁寺洞の古書店で見かけて、3日後に行くとなくなっていました。
私はやむを得ず大部な本を友人にコピーしてもらいました。
まずテキストの校勘ですが、2と4が詳細です。
5はその成果を取り入れたもので、最近の研究者は第一に5を参照しています。
最も有用な研究書だと思います。5,000ウォンで、教保や永豊には常時あります。
比定される15世紀中世朝鮮語は主に『李朝語辞典』を参照し、アクセントも付されています。
音訳漢字の中古漢語音については、『広韻』の反切と音類、『集韻』の反切が付され、
宋代開封音については、平山久雄氏の『皇極経世天声地音図』の推定音価及び、
周祖[言莫]氏「宋代bian洛語音考」の推定音。さらに『中原音韻』の推定音も載せられています。
阿木林さんと日語商売さんの分析とコメント、大変有益ですが、
姜氏の研究だけでも参照されたなら、かなり省力化されると思います。
長くなりますので、個別的な検討は次の機会に紹介します。
- 79 名前:斧折三:2004/01/10(土) 20:04 ID:vSxGNbxo
- >>23 日語商売さん
『「鶏林類事」900周年紀念国際学術大会・高麗朝語研究論文集』の入手方法ですが、
市販していないかもしれません。
ソウルにご在住であれば、全国漢字教育推進総聯合会に行けば入手できるはずです。
事務所は仁寺洞の通文館ビル(一階は古書店)の3階。
この論文集の執筆陣は、『鶏林類事』の研究者をほぼ網羅しています。
目次は以下の通り。
姜吉云「鶏林類事の基底言語学的研究」
姜信[シ航−舟]「『鶏林類事「高麗方言」表音字から見た前期中世国語の音韻体系」
姜憲圭「『男児Y[女旦]亦曰同婆記』について」
(因みに云う、旧板で問題になっていた音訳漢字は子や了ではなくこのYですね)
権仁[シ翰]「鶏林類事の漢語音韻史的意義」
(権氏は朝鮮館訳語のアクセントについて画期的な発見をした気鋭の学者)
金武林「鶏林類事の母音論」
金星[大/圭]「『鶏林類事』を通して見た高麗時代の声調」
金永国「『鶏林類事』研究で提起された幾つかの問題」
森博達「『鶏林類事』の音訳についてー声調の反映ー」
朴昌遠「鶏林類事と語頭子音群」
成元慶「《広韻》と《集韻》の比較考」
安[火丙]浩「鶏林類事に表記された一部の高麗語彙について」(安氏は北京大教授)
楊人従「鶏林類事と朝鮮館訳語の対訳音比較研究」(楊氏は台湾・中国文化大教授)
李気銅「鶏林類事の転写字についての小考」
李基文「鶏林類事の細注について」
李元植「孫穆の人物考」(李氏は日本・近畿大学の元教授)
全[火丙]善「鶏林類事に反映した言語観」(全氏は中国・延辺語言研究所教授)
鄭在永「鶏林類事の高麗方言に現れた文法形態についての研究」
趙承福「鶏林類事研究について」(趙氏は瑞典・ストックホルム大学名誉教授、カールグレンの高弟)
陳泰夏「鶏林類事訳語部正解のための研究」
竺家寧「宋代漢語音韻研究評述」(中文、竺氏は台湾・国立政治大学教授)
以上です。どうしても参照したい論文があればご下命ください。
- 80 名前:阿木林:2004/01/10(土) 20:21 ID:1B6i335U
- 肝心なケリムの分析ですが「服飾」関係の語彙が乏しいので、
なかなか再開できないでいます。ぼちぼち始めないと。
>77
上古音ではd/jの間に関連が見られる場合、/hd/や/r/などといった
子音をあてて解決しているようですね。「住居を表す文字」はやはり
「南」という字でした。いずれにせよ仮借文字ではと思います。
>78-79
まぁまぁまぁ。ナナシサン先生も、別に他意があってのカキコでは
ないと思われますので。
過去の研究を参照しなきゃいけないというのは、本当に耳が痛い
話です。労働者の余暇活動としてやってるものですから、
なかなか資料収集にまで手が回らないのが実情でして・・・
詳しい資料の紹介までつけていただきチョンマル感謝です。
来月ソウルに出張なので、時間があったら普及協会に顔を出して
見ますね。ついでに方言辞典と「李朝語辞典」も買ってみようかなぁ。
アクセント表記があれば絶対入手していたのですが。
それから「ア」という発音に使われていた字は「あげまき」を意味する
「Y」だったんですね。
この可能性は当然考えなければいけなかった。反省。
李元植「孫穆の人物考」なんて面白そうですね。
酒に関する語彙がやたら豊富なところ、とかw
- 81 名前:斧折三:2004/01/10(土) 22:08 ID:g3bG9BK2
- >80 阿木林さん
では、姜信[シ航−舟]の『鶏林類事「高麗方言」研究』を入手されるまで、
少しお手伝いしましょう。ただ、拙宅のパソコンは私専用ではないので、間歇的ですが。
221.麻曰麻
これは、日語商売さんのご指摘の通りです。
陳1974によれば、《張校本》以外の他本は皆、「麻曰三」に作るとのこと。
『訓蒙字会』では「麻」をsammaと訓じており、そのsamを音訳したもの。
因みにsamのアクセントは傍点1点、即ち去声です。
15世紀朝鮮語の去声点は高平調。「H(high)」で示すのが最近の流行のようです。
「三」は中国語では平声ですね。
ここはアクセントと声調の対応から見て去声字が最適なのですが、
「三」字の属する談韻心母の相配する去声小韻には適当な字がありません。
(因みに「三」の又音がここにあります)。それゆえ、やむを得ず「三」字を用いたのでしょう。
222.羅曰速
日語商売さんの下着説、魅力的な新説です。
孫穆は暑がりの金持ちで、羅のパンツでも穿いてたのかな?
羅を意味する朝鮮初期の語はnoで、漢語です。
また、『朝鮮館訳語』には「羅曰[喇-口]」とあり、やはり漢語です。
前間恭作は「速」を[喇-口]の誤写と考えています。
姜1980は対応する朝鮮語を空白に、一切コメントがありません。
私は前間説が穏当と思います。
223.錦曰錦
これは漢語そのまま。『訓蒙字会』は「錦」を「kypskym[RR]」と訓じています。
この「kym[R]」の音訳でしょうね。因みに[R]は傍点2点、即ち上声点。
「低高調」なので「R(rising)」で示します。
森博達氏の論文によれば、「錦」は中国語で上声字ゆえ、
アクセントまで反映した音訳ということになります。
目が疲れました。この続きはまたの機会に。
- 82 名前:LUNA:2004/01/11(日) 04:02 ID:83KAA/X.
- 皆様、ありがとうございました。
これで仕事をすすめることができそうです。
- 83 名前:娜々志娑无 ◆NcNEDmUA:2004/01/11(日) 20:-21 ID:/Ku13Ajg
- >>75 阿木林さん
私はガニマタの語源は「蟹股」で何の問題もないと思いますよ。
カニの脚の付き方を見れば一目瞭然ではないでしょうか。それに、
カニについてはあちこちの方言でガニという語頭濁音形があります
(一部の地域では食える蟹をカニと言い、食えない蟹をガニと言って
使い分けるところもあるとか)し、私自身ガニマタなのでよくわかり
ます(藁)が、ガニマタには明らかに強いマイナスイメージがありま
すから、それを表わすには語頭濁音はまさに打ってつけだったの
でしょう。なお、濁音化の意味するものについては、中央公論社
『日本語の世界』7(小松英雄氏執筆)の74頁以下もご参照下さい。
さて、と。これでレスも済みましたので、私はもうここから去りますね。
これ以上ここに居座ったところで、「アカデミックの世界に安住する
日本の国語学者」ではものの役には立ちますまいし、前スレでの
Jake__USAさんの一件以来、もし次にこういうことがあったら、今度は
私の方が去ろうと心に決めておりました。泥仕合は私の好むところ
ではありませんし、「スレ主」さんに迷惑を掛けては申し訳ありません
からね。それにしても、宇宙戦艦ヤマトの真田さんではないですが、
こんなこともあろうかと、阿木林さんにスレ立てをしてもらってて本当に
よかった。何と言っても、「スレ主の責任」云々ということを一切気に
することなく去れますもの(w。
それではこのスレでお世話になったすべての方々へ。「ご機嫌よう!」
追伸 >62さん
反対意見は特に出なかったようですので、どうぞお好きにお使い
下さって結構です。こんな事情でして、これ以上協力して差し上げ
られないのが心苦しいのですが…。あのホームページは更新を停止
し、このまま和塩にデリられるまで放置することにします。当分の間
はもつと思いますが、念のため、データの保存はお早めにどうぞ。
- 84 名前:阿木林:2004/01/11(日) 22:-22 ID:KViJjpck
- 「ガニ」というのは私の認識だと「カニの食べられない部分」即ちエラの
部分をさします。でもこれ北海道の方言かもしれないなぁ。
ナナシサン先生には「そんなこと言わないでくださいよう」という気持ちで
いっぱいなのですが、このスレをきっと見守りつづけてくれると思って
いるので、絶対またでてきてください。斧さんも別に他意はないと思います。
私もそうなんですけれども、非アカデミズムの世界に住んでいると、
どうしてもまっとうな研究者に対するライバル心というか、競争したくなる
気持ちが出てきてしまうんですよ。私が全く以前の研究を参照せずに
ケリムに挑んだりしているのも、多分その気持ちの反映だと思います。
とはいっても、これはきっちりした研究をしている人がいるからこそ、
われわれ民間人?が好き勝手なカキコをできるのであって、ナナシサンは
蟄居生活でも構いませんので、このスレを見守りつづけてください。
きわめて自分勝手なお願いではあるのですが。
- 85 名前:斧折三:2004/01/12(月) 01:12 ID:6SLbHIJw
- 今日は終日、前間1925を探して、いまようやく見つかりました。
遅くなりましたが、再開します。
224.綾曰菩薩
「綾」の中世後期朝鮮語(以下、「中朝」と略称)はgoro[LH]。
『訓蒙字会』(以下、『字会』と略す。他の中朝文献も略称に従う)による。
『朝鮮館訳語』(以下、『訳語』と略称)は「果落」と音訳、『字会』と一致。
但し「菩薩」とは一致しないので、陳1970は「菩薩」を「苦隆」の誤記の可能性を指摘。
姜1980(以下〈姜〉と略す)は空白。
225.絹曰及
「絹」の中朝はgib[R](『字会』)。日語商売さんのご指摘どおり。
「及」字の中古音類は群母侵韻入声([糸輯-車]韻)重紐B類。
宋代開封音がp入声を保っているらしいことが窺われる。
(因みにお尋ねします。「重紐」は日本語でどう読みますか?)
226.布曰背
「布」の中朝はboi[H](字会)。阿木林さんのご指摘どおり。
「背」字の中国語で去声が一般的なので、声調も合致する例。
227.苧曰毛施
「苧」の中朝はmosi[LL]([L(low)]は無点、即ち平声点で低平調)(字会)。
「毛施」の中国語も平平で合致。
228.苧布曰毛施背
「苧=毛施」+「布=背」。
この2例の「毛施」は二点においてきわめて興味深い語例。
李基文2003(例の論文集所収)に詳しい。
第一は上代日本語との関係。娜々志教授二ムご健在ならばと悔やまれる例。
阿木林さんのご指摘のとおり、日本語の「からむし」。
「からむし」は「韓+むし」、「むし」は半島からの借用語らしい。
(筑波大にいた馬渕和夫氏に説があるとのこと。
日語商売さんは河野六郎先生の孫弟子とのことですから、或いはご存知でしょうか?)
第二は表記の問題。
『翻訳老乞大』や『翻訳朴通事』にも「毛施布」と表記されているとのこと。
それについての注釈が『老朴集覧』に次の如くあり、中国人が毛施布を非常に珍重したことが分かる。
「毛施布。此即本国人呼苧麻布之称。漢人皆呼曰苧麻布、亦曰麻布。
或書作没[糸糸]布。(中略)今言、即没[糸糸]布之訛也。而漢人因麗人之称、
見麗布則直称此名而呼之。記書者因其相称而遂以為名也。」
ピゴネッソ〜!
- 86 名前:斧折三:2004/01/12(月) 01:21 ID:6SLbHIJw
- ミアネ〜。
上記『老朴集覧』の引用、脱漏がありました。(中略)の後、正しくは次の通り。
今言毛施布、即没[糸糸]布之訛也。
- 87 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/12(月) 09:-27 ID:F8jq96Ko
- >>83
娜々志娑无先生に連絡とりたい場合はどうすればいいですか?
- 88 名前:阿木林:2004/01/12(月) 10:25 ID:ILftuaDs
- >81
ついあわてて、このカキコをスルーしてしまいました。未安。
「うすぎぬ」は古くは夏の肌着としての用途が多かったと思います。
羅を/no/と発音するのは面白いですよね。果摂は朝鮮音では
ことごとく/a/で発音されているのに、古くはそうではなかったのでしょうか。
喇-口ということは剌(刺ではない)ですよね。朝鮮館訳語の時代なので、
入声が無視されているのでしょう。
綾=goroならば、満洲語のgiowanse(絹)とはやや近いです。
米を意味する菩薩に引きずられた表記でしょうか。
介音の/i/を持つ文字(いわゆる斉歯呼)は真っ先に/-p/や/-m/を
失ったのではと思われますが、ベン京音では失われてなかったん
ですね。重紐は「ちょうちゅう」だったと思うのですが、日語さんが専門
なのできいてみませう。/mosi/が「没糸」のなまりだというのは、
多分あとだしの語源説じゃないでしょうか。
- 89 名前:斧折三:2004/01/12(月) 15:27 ID:BmShKokg
- >88
>羅を/no/と発音するのは面白いですよね。
朝鮮漢字音の主層より新しい字音でしょうね。
権氏の『朝鮮館訳語の音韻論的研究』には『字会』の訓が/Lra/(Lはアクセント)と出ています。
中朝には/no/と/Lra/の2種があったということでしょうね。
『訳語』の「羅曰剌」、当時の中国語(老官話)では入声韻尾が弱化(或いは消失)していたので、
これでいいのでしょうが、『鶏』の時代では少し困りますね。
前間説はこれが弱点です。やはり、阿木林さんの肌着説が妥当かもしれませんね。
それなら無理に誤字と見なさなくてもいいし。
>綾=goroならば、満洲語のgiowanse(絹)とはやや近いです。
私は満州語まで学ぶ余裕がないので、勉強になります。
陳氏の「苦隆」の誤記説は、「隆」字が苦しいですね。
>介音の/i/を持つ文字(いわゆる斉歯呼)は真っ先に/-p/や/-m/を失ったのではと思われますが
『鶏』で見る限り、宋代ベン京音では入声韻尾がよく保たれているようです。
広義の中古音に属しているのかもしれません。
『皇極経世』(撰者の本貫は河北)とは少し異なるのかもしれません。
>重紐は「ちょうちゅう」だったと思うのですが、日語さんが専門
一般に、関西は「ちょうちゅう」、関東は「じゅうちゅう」らしいですね。
これはお二人がどのように音韻学を学んだのか知りたかったのです。
日語商売さんは河野先生の孫弟子とか。
河野先生は学問的にも人格的にも立派な先生で、敬慕しておりました。
>/mosi/が「没糸」のなまりだというのは、多分あとだしの語源説じゃないでしょうか。
同感です。高麗時代「毛施」という表記は漢人にも用いられていたということですから、
『鶏』の語釈も既成の表記を襲用した可能性がありますね。
日本語の「からむし」の「むし」が借用語であることは、『時代別国語大辞典・上代編には触れられていません。
「からむし」の異名には、「真麻(マオ)・カラ麻(オ)・ケムシ」などがあります。
「ケムシ」は『和名抄』に「[台/木]:介無(簡体字で)之」とあるそうです。語構成は「け+ムシ」でしょうね。
ならば、「け」は「毛施」の「毛」を写したのかもしれませんね。興味深い例です。
阿木林さんとの議論、きわめて有益です。
清朝考証学者達は師友が書簡で意見を披瀝し切磋琢磨しました。
誰かが書いていましたが、学問にはプロもアマもありません。
契沖は僧侶、宣長は小児科医、河村秀根父子は地方公務員。
知りたい、学びたいという純粋な気持ちこそが大切だと思います。
日本語学・朝鮮語学・中国語学といった枠組みは時として有害です。
阿木林さんの日朝中にわたる語学力と言語史への好奇心、敬服します。
日語商売さんの中国語音韻学のセンスの良さも光ります。お世辞ではありません。
旧板での「門」字の用法解釈、思わず拍手しました。
お二人が中心になって『鶏』の分析を行えば、
必ず水準を凌駕することが出来ると信じています。
私は旧板を読まず、余計なコメントを書いて、娜々志さんの御機嫌を損ね、
スレ全体の雰囲気まで悪くしてしまいました。まことに申し訳ありません。
年甲斐もなく恥ずかしいことでした。
娜々志さん、どうぞ復帰してください。
老爺の出番はもう終わりました。
ヨロブン アンニョンヒ ケセヨ!
- 90 名前:阿木林:2004/01/13(火) 11:-4 ID:VLn2evVo
- あらま。過疎スレのヨ!カ!ン!
二人とも気にすることないのになぁ・・・復帰をお待ちしております。
「羅曰剌」の剌が/no/という音を表していたとは考えにくいので、
やはり/no/と/ra/の二種類が存在したんでしょうね。
>『鶏』で見る限り、宋代ベン京音では入声韻尾がよく保たれているようです。
「心曰沁」という例は、「心」がすでに/*si@n/という音に変化していて、
沁は/*si@m/のように-m韻尾を保っていたことの反映かもしれません。
-mが-nに合流する過渡期にあったのではないでしょうか。
「ちょうちゅう」と「じゅうちゅう」は灯台学派と鏡台学派の違い、というやつ
になるのでしょうか。自分はもともと音韻学をやっていたわけではない
のですが、西田先生の不出来な孫弟子といえないこともないので、
鏡台学派に連ならないこともないです。
「かさなる」という意味の「重」は「ちょう」、「おもい」という意味ならば
「じゅう」と読むべきだと思っており、であればこそ北京語でもそれぞれ
chong2/zhong4と発音をわけているのですが、重箱もチョウバコと
読まなければいけなくなりますね。そうすると。
ケリムもぼちぼち続けていきたいとは思うのですが、やはり先行研究を
しっかり参照しないといかんですよねぇ・・・
ソウルに行って文献を入手してくる前に、とりあえずナナシサン先生の
ウプした高句麗語地名データと満州文語の比較でもやってみます。
- 91 名前:阿木林:2004/01/13(火) 12:04 ID:VLn2evVo
- 001 漢山州
漢州ハ、本高句麗ノ漢山郡ナリ。新羅取ル/v之ヲ。景徳王改メテ為ス/2漢州ト/1。今ノ広州ナリ。
京畿広州郡広州面
では、まず手始めに001から。「漢」というのは韓国のカン、大きいという
意味を持つ可能性がないでしょうか。中期語では/h@n/です。
「大きい」という満洲語は/amba/ですが、そのほか「広い」という意味で、
/onco/や/xehun/という語彙があります。/xehun/あたりは対応語彙の
候補に入れてよいのではないでしょうか。大王を意味する/han/は、
モンゴル語の/kaGan/の変化というよりは、契丹語に由来する共通語彙
と考えてよかったと思うのですが、古くは「大きい」という意味があったの
かもしれません。
- 92 名前:阿木林:2004/01/13(火) 12:15 ID:VLn2evVo
- 002 国原城{一ニ云フ未乙省。一ニ云フ託長城}
中原京ハ、本高句麗ノ国原城ナリ。新羅平グ/v之ヲ。
真興王置ク/2小京ヲ/1。文武王ノ時築城ス。
周二千五百九十二歩。景徳王改メテ為ス/2中原京ト/1。
今ノ忠州ナリ。 忠北忠州
国原=託長=未乙?(中:mιu∂i-・ιet)
城(中:зιεη)=省(中:s^i¨Λη)
「国」は/gurun/といいます。「高句麗」と関係があるかもしれません。
「国原」が/gurun/の音訳であるというのはさすがに無理でしょうね。
「村」を意味する語彙は/tokso/や/susu/があります。
/tokso/と「託長」は対応語彙の候補としてどうでしょうか。
他に城は/hecen/や/hoton/といいます。/tokso-hecen/ならば
村城ということになります。
「未乙」に対応する語彙はちょっとわかりません。
「一族」を意味する/mukvn/という語彙はあるのですが、
(u-はvであらわします)すなおに朝鮮語のマウルと結びつけた
ほうがよいのでしょう。
- 93 名前:阿木林:2004/01/13(火) 13:09 ID:VLn2evVo
- 書き忘れたのですが、都は/gemun/です。
こちらのほうが「国原」に音が近いですね。
「原」は/tala/もしくは/bigan/。共通語彙をさぐるのは前途多難です。
「託長」と/tokso/の比較については、たとえば長安音では「長」が
/coo~/と発音されていたらしいことも利用できます。
なお、なぜ高句麗語とは時代が大きく異なる満洲文語を利用することに
したのか、といえば、女真語は音韻表記がはっきりしていないし、
利用しにくい。また、他のツングース諸語はモンゴル語などからの借用
語が多く、比較の対象としては望ましくなかったからです。
前スレのどこかで紹介している満洲語の語彙集を使用しています。
- 94 名前:阿木林:2004/01/13(火) 14:-18 ID:VLn2evVo
- 003 南川県{一ニ云フ南買}
黄武県ハ、本高句麗ノ南川県ナリ。新羅并ス/v之ヲ。
真興王為シ/v州ト、置ク/2軍主ヲ/1。景徳王改名ス。今ノ利川県ナリ。
京畿利川郡利川邑 南=黄?
川=買(中:mai)≒武(中:mιu) 古代日本語「mi1(水)」
後期中世語「mщl(水)」 中世蒙古語「mo¨ren(江・海)」
ツングース諸語「mu(水)」
満州語「mu-ke(水)」
「黄」は/suwayan/といいます。
「南」は/julergi/というのですが、これには「南,前方,昔」という意味が
あります。満州族の故地が南方にあったということなのでしょうか。
「川」は大きいものを/ula/、小さいものを/bira/といいます。
やはり/muke/(水)と「買」を対比させるのがよさそうです。
これはおそらく/*noran mur/ないし/*noran muke/すなわち「黄河」と
呼ばれる川があり、それに「南買」「南川」「黄武」という漢字が
当てられたのではないでしょうか。
- 95 名前:阿木林:2004/01/13(火) 14:02 ID:VLn2evVo
- 004 駒城{一ニ云フ滅烏}
巨黍県ハ、本高句麗ノ駒城県ナリ。景徳王改名ス。今ノ龍駒県ナリ。
竜仁郡駒城面 駒=滅烏(中:miεt-・o)
駒(中:kιu)≒巨(中:gιo)
城(中:зιεη)≒黍(中:∫ιo) 古代日本語「'uma〜muma(馬)」
後期中世語「mΛl(馬)」 モンゴル語「mori〜muri(馬)」
満州語「morin(馬)」
ナナシサン先生のいうとおり/morin/との比較がよいようです。
ただ、原則としては高句麗語(音読)>新羅語(訓読)だと思うので、
「駒」に「馬」という意味はなかったのかもしれません。
たとえば「駒城」が/hocen/(城)というような意味だったのかも。
また、仮に「龍」の意味がもともとあったものならば、
「滅烏」と/muduri/(龍)の関連も考えることができないでしょうか。
「黍」は満洲語では/xuxu/なので、/xuxu hocen/のような地名で
あったのかもしれません。朝鮮語の/susu/によく似ています。
ただ、満州語の/hocen/が漢語の「城」からきたものだったりすると、
この説は難しいことになりますね。
- 96 名前:日語商売:2004/01/13(火) 14:05 ID:DaP.lAbc
- 斧折三さん、参考文献のご紹介ありがとうございます。
前間1925 は先日コピーしてきました。他は所持しておりませんので、
帰国後に姜1980 だけでも入手しようと思っています。
つーかこの間教保文庫逝ってきたんだから見つけておけよ・・・w
222の「羅曰速」ですが、この時期にはそろそろ歌韻・戈韻 /-α, -uα/ が後退して
/-o, -uo/ に近くなっていたと思われますので、「羅曰羅」とは書きにくかったのでしょう。
同韻字の那 /nα/ もこの本の中では no や n@ を表記するのに用いられていますね。
「速」が「剌」の誤写との説ですが、どうなんでしょうね。あまりに違いすぎると思いつつも
我々の想像する以上に激しい誤写は存在しますからねぇ。
入声字を使っているのは確かに問題ですが、当時 ra に近い音節で、舒声(非入声)韻では
歌韻は既に適当ではなくなっていて、麻韻 /-a/ でも l が語頭にある字は上声の[艸/磊]だけで、
これはほとんど使用例のない「冷僻字」ですから、とても使えない。
ということで当時あまり目立たなくなっていた子音語尾を持つ「剌」が採用されたのでしょう。
まぁ「速=内衣」説は、いわば思考の過程の途中でたくさん現れるラチもない思いつきの
一つだと思ってください。
224「綾曰菩薩」、「苦隆」だと確かに語尾のηが気になりますが、
これ以外に適当な原形も推定できませんし、それがいいんじゃないかと思います。
前に出てきた「米曰漢菩薩」などのインパクトが強かったのでそれに引きずられたのでしょうか?
そうするとあるいはもとは「蘆」のような、実は字画のかけ離れた字だったのかもしれませんね。
あ、真っ先に/-p//-m/ を失ったのは、語頭に p, ph, m, f をもつ音節だそうです。
これらは異化で /-t//-n/ になったようです。しかし日本漢字音や方言に/-p/ を /-t/ で
反映させている例があるので、入声に関しては早い時期に /-t/ に変化してしまったのかもしれません。
これについては平山久雄氏も『声音図』の音価推定についての論文の中で、口語層において
そのような変化が起こっていた可能性を指摘しています。
あ、「重紐」の読み方ですが、私は「じゅうちゅう」です。
私の中国語音韻学の師にあたるH先生は京都系に連なる方ですが
(先日お話しした際、森博達氏の同期だとおっしゃってました)、やはり「じゅうちゅう」と言っていたと
記憶しています。
私自身も朝鮮語はまだひよこちゃんで、専門は言語学・中国音韻学であるものの、
現在の仕事は日本語教師、言ってみればこの分野に関しては素人です。
それはこのスレに参加している皆さん同様でしょう。
しかし学問については皆さん情熱を持っていらっしゃる。その情熱と、情熱だけに流されず
冷静に物事を見る目を持っていること、それさえあれば誰でも「プロ」の名に値すると思います。
去ろうとされている方々、どうぞ戻ってきてください。
- 97 名前:日語商売:2004/01/13(火) 15:-19 ID:DaP.lAbc
- >>91
ああ、h@n だと「1つの」になっちゃいますよ!
「大きな」は中期語でも .han、原形は .ha-.ta で「大きい」だけでなく「多い」という意味もあります。
満州語の /xehun/ あたりは参考できる語彙でしょうね。
>>94
「南」と「前」を共通の語で表すのは、中期朝鮮語にも例があるようです。
「昔」の意味は、「前」から派生したのではないでしょうか。
南川>黄武>利川の名前の変化にもちょっと興味がありますね。
>>95
中期語では龍を漢語でnjong (rjong) という他にも miry という語があります。
『鶏林類事』に「龍曰稱」というのがありますが、これも「龍曰彌」の誤写だそうです
(さらにその後ろに ry を表す文字が抜けたのかもしれません)。
「滅烏」と miry は似ているとも言えるので、この語を「龍」と新羅で表記したのかもしれませんね。
満州語の /muduri/ や日本語の「みづち(蛟)」と比較できるかもしれません。
まぁ「みづち」の場合は「水つ霊」の義と解釈できますが・・・。
- 98 名前:阿木林:2004/01/13(火) 16:13 ID:VLn2evVo
- >97
OH〜〜!!ありがとうございます。やっぱり私一人では無理だ・・・
今回はナナシサン先生のやってなかったことをやるのが目的なので、
満洲語との対応を中心にやっていきたいと思います。
モンゴル語やチュルク語まで広げるのがよいかというと、必ずしも
そうは思いません。私の能力の範囲外にあるというのもそうですが、
ツングース諸語とこれらの言語の類似点は、同源語によるものよりも
言語接触によるものが大きいと考えているからです。
- 99 名前:阿木林:2004/01/13(火) 19:-14 ID:VLn2evVo
- ちなみに、なぜ「南=昔」が故地を現していると考えたかというと、
日本語の「いにしへ」が転じて「にし」になったという説をどこかで
聞きかじったからなのです。琉球語では北を「にし」といいます。
たしか、マレー語のtimor(東)も同じで、(東ティモールは東・東)
台湾のアミス語(多分)では、南をtimorといっていたと記憶して
おります。
- 100 名前:日語商売:2004/01/13(火) 23:-18 ID:JINwdbms
- >>99
「にし」は「去に+し(風)」で、太陽が去っていく方角からの風を表すという語源説が一般的ですね。
東が「ひむか(日向)+し(風)」というのとセットで語られて。
「いにしへ」も「去にし方」ですから、関連ありそうではあるのですが、
「し」がこの場合は過去の助動詞ですし、これから真ん中の部分だけが残って「にし」になったというのは
どうなんでしょうかねぇ。
琉球語の「にし」も、方角を表す言葉が転じたという説の他に、
「ね(子)+し(風)」で、子の方角(北)からの風を表したという語源説もあります。
この説のいいところは西日本各地で南風を表す「まじ」が「ま(馬、午)+し(風)」で、
午の方角(南)からの風から来ているのとセットになることですが、
琉球語だと「南」そのものは「ふぇー」なんですよね。。。
これも西日本で南風や南を表す「はえ」と同語源で、薩摩隼人の「はやと」も、
「はや(「はえ」の交替形)+と(人)」が語源だと聞いたことがあります。
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