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高句麗語合戦2 〜あれは韓国これは日本〜
- 1 名前:娜々志娑无 ◇NcNEDmUA 代理:2003/12/16(火) 13:30 ID:7sGxMHpI
- とざいと〜ざい。これより皆々様にご披露致しまするは、いにしえの高句麗語の
数々で御座りまする。高句麗は今を去ること1300年以上昔に滅びし古代国家で
御座りまするが、かつては満州西部・沿海州から朝鮮半島北部一帯にかけて
広大な領地を持ち、彼の隋・唐帝国の攻撃すら再三にわたって撃退したことも
あるほどの強いつよ〜い国家に御座りますれば、ニダビトの皆様にとりましては
数少ない「誇らしいですね。サ、サ、サ。」と言える存在なわけで御座りまする。
ところが、あに計らんや、資料に残る高句麗の言葉をよくよく調べてみますると、
ウリマルには似ても似つかず(それは言い過ぎ)、それどころか、何とな〜んと、
彼のにっくきチョパーリどもの言葉とよく似ているというからさあ大変! 果たして
ニダビトの皆さんは誇りある歴史を取り戻すことが出来るでありましょうか。
__ /
iii■ < 乞うご期待!
─ー(´∀`)-─ \
|\@|_Y_|@/|
.<\__(ωω)__/>
【前スレ】高句麗語合戦 〜あれは韓国これは日本〜
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1055576517" target=new>http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1055576517
- 101 名前:阿木林:2004/01/14(水) 10:-25 ID:niwe3yMo
- なるほどなるほど。
琉球語の「にし」と日本語の「にし」は意味もさることながら、語源も
ことなるものとして考えうるということですね。音の類似にとらわれて
その点は考えていませんでした。
琉球語の「にし」も風をあらわす言葉だということで、
実際の方位の北よりも30度ほど東にずれているのだそうです。
「はえ」も同様に南西をあらわすそうです。
この地方では「北東季節風」というのが吹くらしいですが本当かな?
ついでに日本語の「きた」と「みなみ」の語源説はご存知ですか?
教えて厨ですみません。
- 102 名前:阿木林:2004/01/14(水) 10:-14 ID:niwe3yMo
- もう一度自分で整理してみました。
001 漢山州
漢山>漢(山)州>広州
高句麗から新羅に/han/(広い)が受け継がれた形です。
字面がよいからでしょう。後には訓をとって「広州」に変わっています。
ところで、原文から「山=州」というふうに解釈することは可能でしょうか?
高句麗語の「山」を表す語彙が/tsie^u/だったということはないでしょうか。
満洲語では/alin/や/ala/ですが、/jidun/(尾根)のような言葉もあります。
ところで大変なことに気づきました。参照していた語彙集が、/x/を/sh/の
音にあてているようなんですよ・・・メレンドルフ式だとばかり思っていたら。
つまり、/xehun/はシェフンであって、/han/の語源としては不適当だという
ことになります。すみませんでした。
- 103 名前:阿木林:2004/01/14(水) 10:-8 ID:niwe3yMo
- 002 国原城=中原京
託長城=未乙省
国原城を/gemun/(都)に同定するのはかなり苦しいのですが、
後の中原京とは意味的に一致します。
託長城=未乙省の関係は、おそらく/*tokco hocen/「村城」(高句麗語)、
/*miyr seng/(被支配層の韓系言語)ということだと思います。
- 104 名前:阿木林:2004/01/14(水) 10:-4 ID:niwe3yMo
- 003 南川=南買=黄武?
これは高句麗語の段階で、すでに「訓読」を取り入れていたと考えうる
例です。「川=買」がかなり確実であるためです。
南=黄は韓語の/*nor@n/に関係があると思われますが、
問題は高句麗語で「川」のように訓読にしているものを、新羅語で
わざわざ「武」と音読らしきものにしていることです。
おそらく字面がよいからでしょうけど・・・のちには「利川」と訓読に
していますね。
- 105 名前:阿木林:2004/01/14(水) 10:05 ID:niwe3yMo
- 004 駒城=滅烏=巨黍?=龍駒?
これもかなり複雑な対応なのですが・・・
駒城=滅烏であるとして、「滅烏」二文字で「駒」/morin/に対応している
のではなく、駒=滅/morin/、城=烏/hocen/のような対応もできるかも
しれません。巨黍をただの「駒城」の音訳であると考えずに、
巨=滅/mannga/「強い」?、黍=烏/xuxu/と考えることもできるかと
思ったのですが、/xuxu/の発音がフフではなくシュシュならば不可能
ですね。だめだこりゃ。次いってみよう。
- 106 名前:阿木林:2004/01/14(水) 13:13 ID:niwe3yMo
- 005 仍斤内郡 槐壌郡ハ、本高句麗ノ仍斤内郡ナリ。景徳王改名ス。
今ノ槐州ナリ。 忠北槐山郡槐山面
「えんじゅ」をなんというのかわかりません。桑のことを/nimalan/と
いうのが、かろうじて音が近いでしょうか。木のことは普通/moo/と
いい、漢語である可能性が疑われています。/na/「土地」は、
ナナシサンも指摘されていますね。仍の中古音を/ni∂η/とされて
いますが、頭子音が/r/などであった可能性もあります。
- 107 名前:阿木林:2004/01/14(水) 13:27 ID:niwe3yMo
- 006 述川郡{一ニ云フ省知買} 泝{一ニ云フ沂}川郡ハ、本高句麗ノ述川郡ナリ。
景徳王改名ス。今ノ川寧郡ナリ。 京畿驪州郡興川面
川と買が対応を見せている以外、解釈は難しいです。
川の名前を現しているのでしょうが・・・
「述べる川」では意味がわかりません。泝川も沂川も同様です。
述、泝(沂)が全て、省知という高麗語の音に当てられているとしか
考えようがありませんし、省知の意味を推定するのはかなり難しい。
後世につけられた「川寧」からも推定は難しいです。
- 108 名前:阿木林:2004/01/14(水) 14:-18 ID:niwe3yMo
- 007 骨乃斤県 黄驍県ハ、本高句麗ノ骨乃斤県ナリ。景徳王改名ス。
今ノ黄驪県ナリ。 京畿驪州郡驪州邑 黄(中:斤uaη)=骨(中:ku∂t)
驍=乃斤?(中:n∂i-kι∂n)
「黄」の発音は南/*nor@n/ではないか、という説に真っ向から対立します。
いずれにせよ、/suwayan/(黄色い)とは結びつきそうにないです。
「驍」は「猛々しい」という意味ですが、「驍」の誤写である可能性が
あります。「驪」とは「黒い馬」という意味です。
黒馬のことは満洲語で/kara/なので「骨」と音は近いです。
すると「黄」は「乃斤」の部分でしょうか。
それにしても、黄色い黒馬ってどういうことでしょうねぇ?
もしかして、驪とは騎馬民族である高句麗人のことをさすのでしょうか?
- 109 名前:阿木林:2004/01/14(水) 14:-15 ID:niwe3yMo
- あ、おかしなところが。
「驍」は「猛々しい」という意味ですが、「驪」の誤写である可能性が
あります。
の間違いでした。しかし前途多難です。新しい発見は皆無に等しい。
- 110 名前:日語商売:2004/01/14(水) 14:25 ID:lFsr1ShQ
- >>101
こちらこそ御教示ありがとうございます。
語源説は門外漢のみならず、専門家にも魅力的なものではありますが、
たいがい裏付けとなるものがない適当な「語源俗解」に陥るので、手を出すのがためらわれる
ものではありますが、比較や語誌を手がけるときには避けて通れないものですね。
「にし」はそうすると丑の方角からの風ですねw
単によく吹く風だから、真北の風から意味がずれたのか、
それともまさに故地である九州の方角から吹く風だからか、興味が尽きませんね。
北東の季節風と言うと、仙台に住んでいた私としては「やませ」を思い出します。
もともとは日本海沿岸で山の方から吹いてくる風をさした言葉で、船を出す好風とされていたのが、
太平洋側で同じ方角から吹く梅雨時の湿った冷たい、冷害をもたらす悪風の意味に転じたそうです。
1993年の大冷夏のときに仙台にいた私は、その年の夏の肌寒さと、秋に盛岡近辺に行った際、
田の稲穂が実らず直立していたことを記憶しています。
昨年もまた冷夏でしたが、韓国でも天候不順の夏だったので、「冷夏」の説明に
それまで手間かかっていたのですが、これ以降「今年のような夏だ!」と言えば良くなりましたw
「きた」「みなみ」の語源は正直わかりません。
確か大野晋が以前著書の中で「きた」は「きたない」と関係があるのではと言っていました。
「みなみ」は皆が見るから南、って絶対今までに10万人ぐらい言ってるなw
個人的には「南」の漢字音nαmと関係がありそうな気がします・・・。
- 111 名前:阿木林:2004/01/14(水) 16:01 ID:9/fw5h82
- ありがとうございます。そのもう一年前はたしか「異常気象」と呼ばれる
暑さで、ハンガンの川べりに寝椅子を出して涼む大量のソウル市民を
テレビで見ましたが、東京の夜の暑さに比べると全然たいしたこと
なかったのを覚えていますw
「きた」も「みなみ」も風をあらわす言葉として使われることがあるし、
おそらくは風に関係する言葉なのでしょうか。
「きた」には確かにマイナスイメージがあります。あるいは「来し方」
という意味を含んでいるのかもしれません。
「みなみ」は「みず」や「うみ」に関係があるかもしれません。
天孫族の先祖が南韓地方にいたころ、北を「こしかた」と呼び、
南を「みなみつるかた」とでも呼んでいたのではあるまいか。
あぁ電波言語学ってすばらしいw
- 112 名前:阿木林:2004/01/14(水) 16:18 ID:9/fw5h82
- 実はウリ、知り合いが頼みもしないのに送ってくるので、
「統一日報日本語版」なる恐怖新聞を定期購読して
いるのですが、昨今の中国での高句麗研究について、
わりと大きく取り上げていました。
北朝鮮の高句麗遺跡世界遺産申請を取り潰させ、満洲にある
高句麗遺産を登録させようとしていることなどについて、
「露骨な領土的野心」と評しています。
この点は私もファゲシク同意です。金王朝があと20年もたないこと
を見越して、あわよくば北半部をぶんどってしまおうという魂胆ですね。
高句麗を韓系と見るかツングース系と見るか、というのもその点
では非常に重要な問題をはらんでいて、ツングース系であることが
実証されたならば、次は「朝鮮半島北半部の住民は、韓語化された
ツングース人」ということを主張し始めるのでしょう。
- 113 名前:阿木林:2004/01/14(水) 18:-20 ID:9/fw5h82
- 008 楊根県{一ニ云フ去斯斬} 浜陽県ハ、本高句麗ノ楊根県ナリ。
景徳王改名ス。今復ス/v故ニ。 京畿楊平郡楊平面
去斯斬>楊根(ヤンボル)>浜陽(楊浜?)>楊平
この場合、去斯斬の訓が楊根なのでしょうね。「楊」がポプラのような
木を意味しているとしても、満洲語でなんというのでしょうか・・・
むしろ日本語の「き」との対応が気になります。
「根」のプルと、「浜」のポルが通じることが前スレで指摘されてましたね。
「根」は/fulehe/といいます。朝鮮語の語形とは近いといえますが、
高句麗語との対比は絶望的です。ギリヤーク語との対比は興味深い
ですね。アイヌ語や日本語と並んで系統不明の言語ですから。
「浜」はなんというんでしょうかねぇ。川の岸なら/ekcin/なのですが。
結論。ちゃんと辞書を買わないとだめみたいです。
- 114 名前:阿木林:2004/01/14(水) 19:07 ID:9/fw5h82
- 中古音に関して、実はデータ化を進めておりまして、4000字くらいを
ウェブにうぷしようと思っております。
再構音については藤堂説が利用しやすかったので採用しているの
ですが、翻字において次のような工夫をしています。
声母は次のとおり。実際の発音より簡便さを重視しています。
幇 p 滂 ph 並 b 明 m 非 f 敷 fh 奉 v 微 w
端 t 透 th 定 d 泥 n 来 l 知 ty 徹 thy 澄 dy 娘 ny
見 k 渓 kh 群 g 疑 ng
精 ts 清 tsh 従 dz 心 s 邪 z
荘 c 初 ch 崇 dzh 生 sh 日 r
章 cy 昌 chy 船 dzy 書 sy 禅 zy
暁 h 匣 hh 影 ' 云 yh 以 y
韻母については次のようにしてみました。
福建語の読書音と8割くらい対応しており、いい感じです。
ι> /i/ (三等介音)
i > /j/ (四等介音)
e^ > /e/
っ|a^|ε > /a/ (臻耕韻のみ/ae/)
a > /o/ (蟹山効果宕咸摂の一等母音)
o > /ou/ (模韻のみ/u/)
∂ > /e'/
Λ > /a'/
ρ > /o'/
- 115 名前:阿木林:2004/01/15(木) 13:02 ID:.NE81iFA
- なお、元ネタは「漢語方音字彙」です。一般的な漢字を4000字ほど
抜粋しているので便利です。便宜上文字コードはBIG-5です。
困ったことに三四等重韻の区別がされていないので、その部分は
ナナシサン先生もお使いの学研の辞書で補強中ですが、
マ、マンドクサイ・・・
どんな形で完成させようか考え中。CGIでウェブ辞書の方式にして
しまおうかしら。
- 116 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/17(土) 12:05 ID:rf4rerqI
- >>112
最近、高句麗をめぐって中国と韓国の間にもめ事がおこっている件については
2chにすでに多くのスレが立っています。
はじめのうちは韓国に批判的で中国に同情的な声が多かったのですが
今のところどっちもどっち、という反応が多く、韓国批判は4割、
中国の方がむしろ危険という説が1割くらいって感じでしょうか。
【中韓】「高句麗」めぐり歴史紛争気配 〜統一朝鮮後との領土紛争は必至〜 [8/14]
http://news2.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1060856043/l50" target=new>http://news2.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1060856043/l50
高句麗はウリナラの歴史ニダ
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1073659479/l50" target=new>http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1073659479/l50
【飼い犬の反逆!】韓国が中国の教科書に苦情
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/china/1064458125/l50" target=new>http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/china/1064458125/l50
【論争】中国、韓国 「高句麗」めぐり歴史紛争気配
http://tmp2.2ch.net/test/read.cgi/asia/1060822715/l50" target=new>http://tmp2.2ch.net/test/read.cgi/asia/1060822715/l50
【中韓】「高句麗は中国の歴史の一部」に韓国が猛反発 [01/16]
http://news2.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1074253261/l50" target=new>http://news2.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1074253261/l50
高句麗は中国の一部
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1074076331/l50" target=new>http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1074076331/l50
-------------------------------------------------
[dat落ち中・参考スレ]
高句麗は中国の一地方政権だったBy中国
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1060825088/l50" target=new>http://ex.2ch.net/test/read.cgi/korea/1060825088/l50
北朝鮮・高句麗古墳が世界遺産に
http://tmp2.2ch.net/test/read.cgi/asia/1057210624/l50" target=new>http://tmp2.2ch.net/test/read.cgi/asia/1057210624/l50
対立深まる高句麗史を第三者の目で考えてみる
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/whis/1070258646/l50" target=new>http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/whis/1070258646/l50
- 117 名前:阿木林:2004/01/18(日) 10:-10 ID:0jqZB4UM
- 116さん、ありがとうございます。
韓国は大統領自ら「統一のコストに絶えられない」とか言っちゃって
ますし、大国中国ならば人並み以下の生活レベルの人間が数千万
増えたって今更どうってことないので、いっそ中国が今まで通り面倒
見たら?ってことになっちゃうんですよね。
高句麗語がツングース系であるとするならば、高句麗>渤海>
金>清、がツングース系王朝の歴史ということになるのであって、
朝鮮人と漢人で取り合うなんて失礼千万な話になるわけですが、
没落した民族の悲劇ってこんなものでしょうねぇ。
高句麗が「朝鮮系王朝」であることを主張するのは不利なので、
いっそ、北朝鮮は「満洲語」を公用語の一つにして、ウリナラこそは
万世一系ツングースの末裔ニダ!とかいって、象徴皇帝として愛親
覚羅姓の誰かを迎えて「後満州国」を国号にしてしまう、という策略を
とったほうが良かったのかもしれませんw
中国につぶされるのは目に見えてますが。
- 118 名前:阿木林:2004/01/18(日) 10:12 ID:0jqZB4UM
- 三等介音/i/と四等/j/を区別する必要は、実はないんじゃないか、
と考え中。かなり規則的に子音によってわかれていますし、
少数の喉音由来の四等などは、言語の変遷における層の問題として
扱うべきであると思われます。よって、苦労して分類してみたけど、
すべて介音/i/として扱ってみます。
- 119 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/19(月) 19:-20 ID:SqrVfBi2
- スレを過疎化させてしまった張本人なので、しばらくななしで蟄居します。
今のところ、高句麗語が「ツングース系」であることを言語面から実証するのは、
かなり難しいのではないかと思っています。
明らかに朝鮮語に連なる語彙があり、それらの語彙は日本語へも関連
づけが可能な一方で、日本語とのみ関連づけうる語彙がある。
そして、ツングース諸語と関連づけられる語彙はそれより少ないように
思えます。もちろん、ツングース諸語の形を、女真文字以前にまで
さかのぼって再構することが難しいためであるのも事実なのですが・・・
ギリヤークなどの古アジア諸語、という可能性も疑えるのですが、
数詞などから見る限りは、やはり日本語との関連性から攻めてゆく
のが正攻法なんでしょうかねぇ。
- 120 名前:北京原人:2004/01/20(火) 02:-6 ID:fAVavKa6
- http://droit.juris.hokudai.ac.jp/~shin/08/archive/tushima-simpo.html" target=new>http://droit.juris.hokudai.ac.jp/~shin/08/archive/tushima-simpo.html
朝鮮半島の中国租界(川島真 北海道大学大学院法学研究科教授)から抜粋
朝鮮半島に中国の租界があったという事実、そもそも中国が国外に租界を有していたということは、殆ど知られていないし、また「租界」設置という列強からの「侵略」を象徴するような行為を中国自身が他国におこなっていたということじたい、ある種の歴史観にとっては受入がたく聞こえる。数年前、台湾の中外関係史研究会で「朝鮮半島の中国租界」について発言したところ、殆どすべての参加者が所謂China Townのことであろうとし、「租界」だということを信じようとしなかった。中国自身の租界が海外にあったということじたい、これまでの中国近代史にとってはそれほど馴染みにくいことなのである。
中国の専管租界は、仁川・元山・釜山にあり、そのほか公共租界内に中国租界があるところは甑南浦など多所にのぼった [8]。だが、1910年、日韓併合をおこなった日本は、「日本国内」に租界が設けられていることを認めず、朝鮮における租界撤廃を実施に移した。
1910年8月28日、日本政府は「韓国がこれまで締結していた一切の条約を無効とし、日本と各国が締結している条約のうち可能なものは朝鮮にも適用する」と宣言し、朝鮮総督府は仁川・鎮南浦・木浦・群山・馬山浦・城津の各国租界及び仁川・釜山・元山の清国租界における行政権については、警察権を除いて暫時そのままとする」と頒布した。これは地方行政制度の整備を待って、租界を撤廃するということで、遅くとも1913年4月1日までに租界の行政事務も地方行政に組みこむことが企図された。
日本側の理屈はこうであった。朝鮮に専管租界を有していたのは日本と清(中国)だけである。従って、中国租界については、共同租界ではなく、日本租界に対する処理方法に準じたのである。共同租界の中国居留地部分については議定書に基づいて処理するとのことであった。総領事は、併合前であれば朝鮮における日中両国人の地位は同じだったが、今は日本人は本国人となり、中国人は外国人である。従って、外国人と本国人を同列に扱うのはナンセンスであると反駁する。
租界撤廃交渉をめぐる日中交渉は、珍しいことに日本側の完全譲歩で幕を閉じた。この交渉過程で明らかになるのは、中華民国が自国民保護に執着しているという事実、そして国家の体面に拘っている姿であろう。だが翻って19世紀後半の「宗主と主権」の関係から見れば、ここでは主権が強調され、宗主は見られないということになるのだろうか。難しい判断だが、中華民国は朝鮮半島において、列強と同様の地位にあろうとしているということに着目すれば、それを自らが朝鮮より上と考えていると見なすこともできる。また、そもそも朝鮮半島に租界を有しているという事実、またその租界撤廃交渉において、後のセーブル条約の時のように、不平等条約改正に抵触するから、無条件に権益を放棄するといった姿勢は見られないということも、朝鮮半島における特殊地位を暗黙の了解としているとすることもできるのではないだろうか。
- 121 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/20(火) 03:15 ID:C8EIFFQ2
- (´-`).。oO(betsumiya先生の説を娜々志娑无先生に検討して欲しいなぁ)
(´-`).。oO(ここのログをあちらに転載した画坊さん、そう思いませんか?)
- 122 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/20(火) 15:-12 ID:226jXHgo
- 李氏朝鮮が清の植民地だろうがなんだろうがどうでもいいです。
ベツミヤ先生の説というのを寡聞にして知らないのですが、
どういう説なのでしょう?
- 123 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/21(水) 01:14 ID:5Jst5NOM
- >>122
下記のリンクから辿れば議論を把握できると思います。
尤も、リンク先は言語でなく歴史掲示板なので、ご趣味に適うか判りませんが。
ttp://www3.kiwi-us.com/~ingle/trees/trees.cgi?log=&v=38&e=res&lp=38&st=0
- 124 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/21(水) 10:20 ID:iC//utXY
- ありがとうございます。おいしくいただきました。
反マルキストを自称する人に多いんですが、日本文化の連続性という
やつを強烈に主張する一方で、漢字文化を非常に尊重してるんですよ
ねぇ。なにがしたいんだか私にはさっぱりわかりません。
「漢字文化はウリナラが本家ニダ」とでもおっしゃりたいのでしょうか。
とりあえず「邪馬台」を香港人は「ヤーマート」とは読みませんし、
中国語の/wo/は/ngua^/の変化ですから、ドイツ語のヴィーとは
関連のつけようがありません。タミル語説を権威とみなす言語学者
も、存在しません。国語学者ならともかく。
- 125 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/21(水) 11:23 ID:iC//utXY
- あ、まちがえた。ngua^ではなくてnguα。
- 126 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/21(水) 12:-16 ID:iC//utXY
- こんなことはナナシサソ先生も指摘していたはずですが、
高句麗地名データにはだいぶ地域的なばらつきがあるんですよねぇ。
たとえばかつて漢領だった地域には漢語系地名が多かったり、
百済領や新羅領だったところには韓語系地名と高句麗語地名が
混在していたり。
そうすると、純粋な高句麗語を分析するためには、少なくとも現在の
江原道やハムギョン道などの地名を使用する必要があります。
さもないと、その中の韓語系地名によって高句麗語の本来の姿を
見誤る可能性があるからです。
江原道やハムギョン道はワイ系言語が行われていたはずですが、
これらの言語と高句麗の言語は、一応近いものとみなせたのでは
なかったでしょうか。
後の新羅領以北にこそ純粋高句麗地名は残されているのですが、
これは漢語による新羅地名との対象がないため、意味をとることが
そもそも難しいです。
- 127 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/21(水) 15:-4 ID:iC//utXY
- 地域ごとにまとめてみました。現在の道によって分類することは
無意味といえば無意味なのですが。
黄海などでは、明確に漢語地名が多いことがわかります。
京畿
1. 3. 4. 6.-8. 12.-15. 17.-40. 43.-45. 50. 53.-57. 59.-65. 88. 95. 100. 101.
112.-120.
忠北
2. 5. 9.-11. 97.-99. 132.
忠南
16.
江原
41. 42. 46. 47. 49. 51. 92.-94. 96. 102.-107. 123?. 124. 131. 133.-154. 164. 165.
黄海
48. 52. 58. 66.-76. 78.-87. 89.
平南
77. 90. 91.
慶北
108.-111. 155.-163.
咸南
121. 122. 125.-130.
鴨緑以北
166.-197.
- 128 名前:自転車小僧 ◆mI/K76EY:2004/01/21(水) 17:18 ID:szSZwxs6
- やっと過去レスを全て読み終え、少し理解できましたのでぼつぼつ参戦致します。
高句麗語、新羅語などはよく分かりませんし、『三国遺事』も持っていませんので
名無しセンセのお手伝いは出来ませんが、当方、一応中国漢語音韻学を専攻してました
し、満洲語もほとんどいないネイティブ並に使えます(というより、マトモに話せる
ネイティブが存在しない。)ので、ちょこちょこおじゃまさせてもらいます。
過去レスを読んで気になったところをひとつ。
『鶏林類事』を『説郛』から引くと言うのはいけません。『説郛』は色々な逸書を集めて
いるので非常に有用な本ではありますが、多くを集めるが故、1つの書物を一巻にまとめ
文章をずたずたにして注釈や序文などを省略しています。場合によっては本文も省略して
います。その上、当時の写本や刊本を無節操に集めているので、校正や校訂などは殆んど
行われておりません。また、『説郛』はその簡便さから色々な版本が出ており、元が良く
ないのでどれも良い版本とは言えません。
私も学生時代、『龍龕手鑑』を『説郛』から引用して森博達セムセに笑われてしまいまった。
『説郛』を使われる時は他にその本を納めた叢書がないかを調べた方がよろしいかと思います。
特に前間恭作氏の論文は良くその辺を考えて調べられているので、それを基礎にされてはと思い
ます。
ま、最近出たと言う論文集が入手できるならそちらの方が断然良いと思いますが・・・。
また、時間が出来ましたら、満洲語やツングース諸語の方を担当したいと思います。
ではでは。
- 129 名前:日語商売:2004/01/21(水) 20:-22 ID:j4xqRNMs
- >>128
どうも初めまして、こちらも中国音韻学を専攻しながら今はなぜか日本語教師で食っている者です。
よろしくお願いします。
『鶏林類事』を『説郛』から引用しているとの点ですが、これはたまたまネットから拾ってきた図版が
『説郛』のものだったというだけで、積極的に選んだわけではないと思います。
それに『鶏林類事』は、他に『古今図書集成』に納められているものがあり、この『古今図書集成』は
清康煕帝の命で作られたものですが、やはり文献からの抜き出しで作られている本ですから
単独では使えません。
では他には・・・ないようです(ぉぃ
あとは朝鮮で作られた『大東韻譜群玉』など、『鶏林類事』を断片的に引用しているものが
あるくらいだそうです。
それでもこれらをつきあわせれば本文校訂ができるのかというと・・・
どちらもおかしなところが多すぎて、簡単にはいきません。
ちょっとした字の異同はたくさんありますし、次のように項目自体が一致しないものすらあります。
『説郛』隼曰笑利彖畿 『集成』鴈曰哭利弓幾
『説郛』餅曰 模做 『集成』粥曰謨做
こうなるとどっちを信じていいのかわからない・・・。
高麗語(朝鮮語)に関する知識がない人が写し継いでいったことも本文混乱の原因でしょうが、
編者孫穆の書いた原本自体がどうも走り書きしてあったんじゃないかと疑わせる箇所もあります。
こういう本ですから、本文校訂には音写部分と一致しそうな語を中期朝鮮語の語彙から探し出して、
誤りと思われる部分をあぶり出すしかないと思います。
前間氏の論文も拝見していますが、安易に本文の文字を『衍文だろう』と切り捨ててる箇所があるものの
朝鮮語に関する該博な知識とそれに裏付けられた考証がありますので、非常に参考になりますね。
論文集は・・・あとで誰かに聞いてみます。
- 130 名前:阿木林:2004/01/22(木) 10:-10 ID:G/g10TEQ
- 自転車さんこんにちは。満洲語に強い方に来ていただいて心強い
限りです。「ケリム」は今のところ、ちゃんとした論文集を参考にしな
くてはと思って停止中です。というかあれをやってもあまり高句麗語
研究の足しにはならないという気持ちもありますし。
基本的にはやはり「集成」を底本として、「説郛」で補っていく形しか
ないんでしょうかねぇ。来月頭にはソウルに行くので、時間があれば
文献を購入してみようと思っています。
ナナシサン先生は今はこのスレには書き込んでらっしゃらないのです
が、またきてくれると思ってます。私も最近はナナシで蟄居していますw
高句麗語の系統をツングース諸語に結びつけることが可能かどうか、
が今の私の主要な関心点です。
現在のところはツングース諸語ともチュルク諸語とも異なる独立した
系統の言語として考えるべきなのでしょうが。契丹語の系統すら
よくわからないのですから(おそらくツングースよりはチュルクでしょうが)
より時代をさかのぼった高句麗語はさらに困難です。
たとえば次のような語彙に注目しています。
高句麗 烏斯含(兎)
オロチェーン tukSaki (tuxhaxi)
ウイグル toSgan
満洲語ではgulmahunと、似ても似つかない形なのですが、
朝鮮語のトッキや日本語のウサギとはいかにも関係ありそうです。
ウイグル語に関して言えば、たとえば
山 taG
鶏 toGu
というのはいかにも高句麗語や日本語(タケ、トリ)と関係ありそう
なのですが、ほかの語彙は絶望的といわざるをえなさそうです。
- 131 名前:自転車小僧 ◆mI/K76EY:2004/01/22(木) 15:-4 ID:9vIqhHyw
- >130
亜細亜板でお誘いを頂いたのですが、そのときには前スレがかなり進んでいたのと、
鮭兎氏と阿木林氏のデンパ言語学的な発言が目立ったのでちょっとカキコを躊躇して
しまいました。
今までのやりとりを一通り見ておりまして思ったことですが、高句麗語とトゥングース
語を比較するのはどうしても避けられないことですが、余り語呂合わせや強引な意味の
拡張をするのはどうかと思います。
トゥングース語で一番まとまった資料が手に入りやすいのが満洲文語ですが、満洲語自体
がトゥングース語の中でも南西トゥングース諸語に属し、母音調和や一部多重子音などが
かなり摩滅しており、トゥングース諸語の古形を残していると言うのには疑問です。
旧ソ連から出ていたツィンツィウスの『トゥングース語同源辞典』などがあれば、もっと
詳細なトゥングース祖語まで当たれるのですが、非常に高価な上、現在ではまず入手不可能
ですのでよほどでないと見ることすら出来ません。1992年当時ナウカでXEROXコピー版を
上下巻各2万円以上で売ってました。今ならもうXEROX版ですら・・・。
それからテュルク系諸語についても鮭兎さんが共和国のアナトリア=トルコ語の語彙比較を
しておられましたが、中にはアラビア語やペルシア語からの借用語やアナトリア=トルコ語
のみの語彙まで扱われているように見え、テュルク諸語を扱う際にももともとのテュルク語
祖語もしくはイスラーム以前のテュルク語で検討しなければならないと思いました。
ウラル語については、はっきり言ってそこまでする必要は今はないと思います。
一時、ウラル諸語とテュルク諸語の同源語と言う話題がありましたが、ウラル語比較を専門
にしている人に言わせると、文化接触で全て片付くものばかりだそうです。
また、類型的に似ている部分などもある程度説明がつくそうで、同系とは言えないと
言うのが結論です。
ただ、イヴァノフの提唱したノストラシア語族についてはロシア、フィンランド、ハンガリー
に信奉者が多く、そう言った意図の研究が発表されることもままあります。
中国の最近の研究動向も"中華民族"の構築のためにトゥングースもタイもチベットも
同源としたいような意図が見えて危険です。
とりあえずは、余り手を広げず、名無しさんの残された地名のデータベースと前スレ
で一通りUpされた『鶏林類事』の記載してある漢字群を漢語音韻的に読み解き、朝鮮
語(中期朝鮮語、サトゥリなど)、トゥングーズ諸語(満洲語、オロチョン語、ナーナイ
語など)と対照してみることを続けた方が良いと思います。
漢字の音韻表記も阿木林氏のUpした体系か何かに統一してデータベース化する必要が
あるのではと考えています。
ちょっと、関係ないところで仕切ってしまうようで申し訳ございません。
時間を見つけてぼちぼち検討に入ります。
- 132 名前:阿木林:2004/01/22(木) 18:-21 ID:q4tlothA
- アイゴ〜〜〜〜〜!!ウリはヤッパリ電波だったニダ!
まぁあれはスレを盛り上げるためにやっていたのだと好意的に解釈
してくださいませ。オロチェーン語なら、一応利用できる資料が手元に
ありますが(「簡介シリーズ」ですが)、モンゴル語などの借用語が
かなりあります。だからこれによってトゥングース(と書くべきですね)
の古形がわかるというようなものではないようです。
ウラルとテュルクの同源説も期待できませんか。
イスラーム以前のテュルク諸語というと、やっぱりヤクート語あたり
を参照しないといけないことになりますよねぇ。
「托長」と満洲語の/tokco/ないし/tokso/は、有望なのでは
ないかと思っているんですが、やっぱりダメですかねぇ。
- 133 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/22(木) 19:19 ID:q4tlothA
- ということで、ウリはまた謝罪汁にもどって潜伏します。
とりあえず、高句麗語資料を地域別に分けるところからはじめてみます。
高麗語資料は、高句麗語と結びつく要素がほとんどないということで、
正直もはや興味をそそられないです。中期朝鮮語の勉強にはなりましたが。
- 134 名前:阿呆林:2004/01/22(木) 23:20 ID:JMeePnsI
- 先ほどのカキコから良く考えたんですが、私みたいな毒電波は、
このスレッドにいてはいけない、という結論に達しました。
ナナシサン先生がいなくなってから、信用できそうな人にスレを
お渡しする、という私の唯一の役目を果たすことができましたので、
電波は消えます。このスレッドでなんの功績もない電波な私も、
自転車氏を呼び寄せることができたのだから、これが唯一の功績
となることでしょう。私はロムに徹して、電波じゃないご高説をとくと
拝見することにいたします。
日語先生には、たいへんお世話になりました。
ナフヴァムディス!グマドロプト!
- 135 名前:自転車小僧 ◆mI/K76EY:2004/01/23(金) 01:-23 ID:MSGcdzDw
- >132
別にデンパとは言ってません。
ちなみに中国少数民族語言叢書なら蔵語簡志以外全て揃っています。
ただし、実家の書庫ですが…。
トゥングース語のデータベースがロシアのサイトにあるのですが、検索できなくなっています。
ここがフルに使えると非常に便利なのですが…。
http://starling.rinet.ru/cgi-bin/startq.cgi?flags=eygtnnl&root=config&basename=%5Cdata%5Calt%5Ctunget" target=new>http://starling.rinet.ru/cgi-bin/startq.cgi?flags=eygtnnl&root=config&basename=%5Cdata%5Calt%5Ctunget
テュルク語についてですが、ヤクート語は語彙的には古いものを持っている知れませんが、
音韻変化が激しすぎてちょっと使えません。それよりは古代ウイグル語のほうが良いかと
思います。それに語彙の語源や音変化などを考慮すれば現代語でも構いません。
- 136 名前:自転車小僧 ◆mI/K76EY:2004/01/23(金) 02:12 ID:MSGcdzDw
- 阿木林すゎ〜ん!
逝かないでぇ〜!
資料のリストアップと言う作業は情報の共有と言う意味ではヒジョーに有益です。
それに高句麗語再構形はいまだあくまで仮説の域を出ていないもの、系統関係すら
つかめていないもの。
私が言いたいのは、最初からあれもこれもと色んなことをやり始めると収拾がつか
なくなって、本体自体もデンパ研究になりかねないと言うことです。
せっかくの資料なのですから、あせらず一緒に吟味して行きましょう。
それに亜細亜板の上海方言俗語やビン南語の音韻論などやりかけの仕事も続行して
頂きたい今日この頃。
- 137 名前:朴月参:2004/01/23(金) 03:-15 ID:v9PTMXXU
- 初めまして。私は朴月参と申します。
私は‘鶏林類事’等について勉強していて、検索で調べてこここに来ました。
日本人の皆様が鶏林類事について御関心があって、嬉しいです。
難しい名前があって、いろいろな経歴がありますね。
私は前、中国音韻学の勉強をしましたが、難しいです。
阿木林さん、日語商売さん、自転車小僧さんもいろいろ中国音韻学のことを知っています。
どうやって勉強しましたか?
自転車小僧さんと日語商売さんは、先生の先生が同じ大学の人ですか?
私は自転車小僧さんの先生の論文も日語商売さんの先生の論文も知りませんが、日本語は読んで分かります。
鶏林類事は誤りが多くありますので、どの本に依るのか、大事です。
友達が論文集をもっていますが、校正がよくわかりません、といっていました。
それで最初、日本の研究を勉強したいと思います。前間氏の後も研究ありますか、
どれがいいですか。では失礼しました。
- 138 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/23(金) 20:19 ID:8YXHLMIo
- >137
パクソンセンニムはじめまして。
78-79で斧折三さんがあげられた参考文献あたりを参照してみては
いかがでしょう。新しい研究は「九百周年」の論文集を参照すると
よいみたいです。音韻学はどうやっても難しいので、気長に取り組む
しかないんじゃないでしょうか。私の場合きっかけは、学研の漢和
中辞典のうしろにある、藤堂明保氏による歴史的音韻変化の解説でした。
出版当時とは学説も変わってきているはずですが、わかりやすく
まとまっているので、今でも参照しています。
- 139 名前:日語商売:2004/01/24(土) 01:-17 ID:owss73Po
- >>134
あうあう、阿木林さんまで消えちゃったら漏れはどうすればいいのよ〜ん!!
ここでの私の態度としては「つれづれなるまま、研究題材未満である心にうつりゆくよしなしごとを
匿名掲示板であることをいいことに電波上等とそこはかとなく書き散らし、
それをたたき台に同好の士とあやしうこそもの狂おしく喧々囂々侃々諤々する」って感じなので、
あまり固いことは言わず、アイディアを出し合う感じでやるのがいいと思っております。
まぁ、あれもこれもと手を広げ始めるとほんとにわけわからなくなりますね。
とりあえず『鶏林類事』については、ある程度リストに作ってあるので、
宋代推定漢字音や本文異同を付けて、半年以内をめどに公表しようかと思っております。
そっちはそれでケリ付けて、何かあったら「電波系大道芸」スレの方に話題をまわし、
こちらは高句麗語地名の探求という本来の目的の方に戻るのがいいと思います。
仕切り厨でスマソ
というわけでROMになっちゃったソンセンニムも早いところ復帰しる!!w
- 140 名前:朴月参:2004/01/24(土) 01:-5 ID:HU.3TCJE
- >138
名無しさんは謝罪汁さん、ありがとうございます。
「九百周年」の論文集は友達から借りて複写を頼みました。
そのとき森教授の論文の参考文献に、前間氏以外の日本の研究が掲載されてなかったです。
前に富山大学の藤本幸夫教授の「古代朝鮮の言語と文字文化」(『日本の古代 14』)や
東北大学の中村完教授の論文を読んだことがあります。どちらも偉大な先生のようですが、
鶏林類事の専門論文がないです。斧折三さんがあげられた参考文献も前間氏以外は韓国人の研究です。
斧折三さんはソウルに住んでいられますか。娜々志娑无先生も一緒にここに帰って来て、いろいろ教えてください。
- 141 名前:日語商売:2004/01/24(土) 01:10 ID:owss73Po
- >>137
朴さんはじめまして。
韓国の某大学で日本語を教えているチョンガーです。w
中国音韻学については、私も>>138さん(つーか阿木林さんでしょw)と同じように、
日本の辞書ですが学研『漢和中字典』の巻末に付いている中国語の歴史についての解説でした。
その後は専門の先生に教わったり、独学したりでした。
韓国だと日本よりも中国音韻学(中国語音韻論)の専門家が大勢いますし、
解説書もたくさん出ていますね。
『鶏林類事』については、高麗の言葉を知らない人たちが書き写していったものなので、
めちゃくちゃと言っていいくらい誤りが多いです。高麗の風俗に関する部分(漢文)のところが、
伝本による本文の違いがあまりないのと比べても、どれほど「方言」に関する部分が
大変なことになっているかわかります。
『鶏林類事』のいくつかの項目については、李朝時代の辞書や文献に引用された部分があり、
そのようなところについては、ネイティブと言って差し支えない人たちがしたことなので、
『鶏林類事』そのものよりも信用できると思います。
日本での研究については・・・前間先生のあと、ちょっとだけあるようですが、
論文集に載っている森博達先生の論文(韓国語)のほかは参照する必要ないと思います。
- 142 名前:自転車小僧 ◆mI/K76EY:2004/01/24(土) 06:-10 ID:4DRGISn2
- 朴さんはじめまして。
漢語音韻学は中学時代に西田龍雄先生の『西夏文字』を読んで興味を持ち、大学で
森博達先生から教えを受けました。今はサラリーマンをしてますが、漢語音韻学の
興味は尽きず、いまだにちょこちょこと勉強しています。
>141
>論文集に載っている森博達先生の論文(韓国語)のほかは参照する必要ないと思います。
え、あの方は韓国語は全く出来なかったはず…。恐らく日本語の翻訳でしょうね。
本人に尋ねてみようかな。
>日語商売さん
不用意なカキコで阿木林さんを追い出すようなことをしてしまい申し訳ないです。
時間のある時に満洲語やトゥングース諸語との対照や漢語音韻学での問題点などを
検証していきたいと思います。どうぞよろしく。
阿木林すぁ〜ん!かむば〜っく!
- 143 名前:朴月参:2004/01/24(土) 12:-27 ID:x4zRahRs
- >141〜142
日語商売さん、自転車小僧さん、ありがとうございます。
私は李敦柱教授の『漢字音韻学の理解』で中国語音韻学と韓国漢字音の勉強をしています。
『鶏林類事』のテキストは、「九百周年」の論文集の巻末に、
陳泰夏教授が二十余種の異本で校訂考証していらっしゃいます。
鶏林類字の国際学会での森教授の発表は韓国語だと思いますが、
友達の先輩が出席していらっしゃったので、つぎに聞いて見ます。
森教授の論文の参考文献には韓国語の文献が多く載っていました。
この掲示板で『鶏林類字』の各項目についての個別的な討論がありましたが、とても良い勉強になりました。
阿木林さん、またいろいろ教えてください。
- 144 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/27(火) 20:05 ID:6aTpLNd6
- 森教授は韓国語をマスターされたんでしょうかねぇ。謎。
日本人がその気になりさえすれば、論文を書いたり発表したりする
レベルまで短期間で習得できてしまうのかもしれません。
とはいえ、かれこれ15年は勉強していますが、なかなかマスター
できた、っていう気分になれない言語でもあるんですが。
音韻学についてなんですが、正歯音と以母(喩母)以外で四等が
現れる字って非常に限られているんですよね。それはおそらく三等
の唇音や喉音の声母をもつ字は、介音なしに変化する傾向があり、
その中で介音が脱落しなかったものを四等として扱ったのではない
でしょうか。もちろん、全ての韻において当てはめるのは難しいのですが・・・
(以下、四等介音を/j/、三等介音を/i/と表記)
企 khje 寄 kie > kei
地 dji 泥 nii > nei
規 kjue 詭 kiue > kuei
季 kjui 亀 kiui > kuei
碑 pje 彼 pie > pei
避 bje 皮 bie > bei
鼻 bji 備 bii > bei
標 bjau 表 piau > pεu
秒 mjau 苗 miau > mεu
鞭 pjan 変 pian > pεn
便 bjan 弁 bian > bεn
鼈 bjat 別 biat > bεt
頻 pjen 貧 bien > pen
必 pjet 筆 piet > pet
- 145 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/28(水) 09:02 ID:ajK6e6PA
- 桜チャンネルの高句麗スレにこんなのが。
(以下、転載)
オロモルフ 2003-12-16 00:34:53 No.7469
------------------------------------------------------------------------
荒山徹という韓国に留学した方が、百済問題で見解を述べたあとで、
「以上の見解は、鶏林大学校の黄算哲教授の研究にも教示を得た。黄教授は『中国史としての高句麗、日本史としての百済』〈同大学紀要八十七号〉と題する論文で、韓国史の祖型を新羅一国に限定し、高句麗史および百済史は韓民族史から切り離すべきと提唱しておられる」
と記しておられますが、この論文はどういう内容なのでしょうか?
作家の方なので、これも小説なのでしょうか?
(以上、転載おわり)
そのスレでは結局、誰もしらないようでしたが、どなたか詳細ご存じの方
いませんか?
- 146 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/28(水) 10:-15 ID:IWUu6jQE
- ええっと・・・韓国に鶏林大学校なんてありましたっけ?
なかったらずばり「小説」ということになりますが。
荒山徹さんという小説家はなかなか実力のあるかたらしいですが、
韓国のどの大学にどのくらい留学されたんでしょう?
ヨンデのオハッタンに半年いても留学は留学です。
hwang-san-cheolで検索したら、山のように「黄酸鉄」が出てきました・・・
- 147 名前:145:2004/01/28(水) 10:11 ID:ajK6e6PA
- 検索してたらこんなのが出てきました。元ネタですね
(以下転載)
『桓武天皇の生母問題7』 投稿者:オロモルフ 投稿日:11月 4日(火)12時22分05秒
[9 現在につながる韓国/朝鮮の歴史とは?]
(1)
荒山徹という作家がいます。
新聞社や出版社勤務を経て韓国の大学に留学して朝鮮半島の歴史や文化を研究し、1999年に作家としてデビューしました。
史実を丹念に調べた上で、奇想天外な空想を展開する人で、剣豪小説においては山田風太郎の衣鉢をつぐとさえ思える手練れです。
この荒山徹が、近著『十兵衛両断』(新潮社)の中で、作家の独白として、つぎのような意見を開陳しています。
『また、東洋史学者の岡田英弘氏は、
「朝鮮の民族文化と呼び得るものが成立するのは、新羅王国が半島の南部を統一した七世紀後半よりもあとの話である」
と指摘されている。なるほど、史書を繙き、史跡を踏査すれば、朝鮮文化の成立以前に滅んだ百済なる国は、韓国よりも寧ろ日本に包摂されたと見るのが妥当である。領土を除けば、その人材、文化の殆どは日本が受容、継承したからである。したがって百済とは、日本の一構成要素として日本史で扱うのが妥当であって、これを後世の朝鮮、韓国に直結させるのは粗忽な歴史認識ということになろう。とまれ、一族の祖の百済なるを以て宇喜多氏(*)を韓人と決めつけることの、厳として慎まれねばならない所以がここにある。(以上の見解は、鶏林大学校の黄算哲教授の研究にも教示を得た。黄教授は『中国史としての高句麗、日本史としての百済』〈同大学紀要八十七号〉と題する論文で、韓国史の祖型を新羅一国に限定し、高句麗史および百済史は韓民族史から切り離すべきと提唱しておられる)』
(*)宇喜多一族を扱った五味康祐や山岡荘八の小説への反論として書かれている。
(小説の一部にある文章ですので、作者の創作が入っていないか心配ですが、頷ける論旨です)
(余談ながらこの本には、現在反日韓国人がプロパガンダに励んでいる「剣道韓国発祥説」への痛烈な反論と皮肉も書かれています)
(以上、転載おわり)
ちなみに鶏林大学は検索にひっかかりませんねぇw
ヨンデのオハッタンってなんですか?
- 148 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/28(水) 12:-15 ID:Mvf46vFo
- 延世大学語学堂
- 149 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/28(水) 12:-14 ID:IWUu6jQE
- ええっと延世大学の語学堂のことニダ。
日本からの留学生(半分以上はキョッポですが)は、とりあえず
ここで半年くらい韓国語を勉強してから本科に進むことになるニダ。
小説の中とはいえ、立派な捏造記事ですよねぇ。
謝罪と賠償を(ry
いや、小説家の想像力に脱帽です。古賀議員に比べればかわい
らしいもんじゃありませんか。朝鮮史っていうのは日本の小説の
中ではまだまだ掘りつくされていない鉱脈ですから、作家としては
存分に腕がふるえる分野じゃあないでしょうか。
- 150 名前:朴月参:2004/01/28(水) 12:28 ID:AzzItojM
- >144
友達が先輩に聞きましたが、
森教授の学会発表と綜合討論は韓国語で話していらっしゃったと言いました。
ソウルで1年間研修していらっしゃったようです。
音韻学の用語は研究者によって異なり難しいです。
特に、三等・四等と三等韻・四等韻は異なりますから、複雑です。
重紐は三等韻の唇音・牙音・喉音に現れますが、
早期音図ではそれらの声母の三等欄(B類)と四等欄(A類)に出て来ます。
>144で 地 dji 泥 nii
とあるのは、声母が舌音だから、重紐ではないです。
それ以外の組とは異なり声母が舌音ですから重紐ではないです。
また、泥は四等韻の齊韻です。
地は脂韻(去声至韻)ですから泥ではなく、脂韻の尼の誤解かもしれません。
けれども舌音ですから重紐の組ではないです。
>146
鶏林大学校という大学校は知りません。
- 151 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/28(水) 16:30 ID:IWUu6jQE
- あ、本当だ。泥は四等斉韻ですね。「尼」を例にすればよかった。
地 dji 尼 nii(nei)
端、透、定韻で三等韻が現れるのはほとんど「地」一字に限られて
いるのですから、四等として扱われるのはむしろ当然のことだと
いうことになりますよね。ありがとうございます。
- 152 名前:日語商売:2004/01/28(水) 19:-22 ID:Clsi7Sl.
- 重紐については「あったものはあったのだ!」と言い切るのもつまらないので、
いろいろ頭の中でこねくり回していたのですが、重紐のペアが揃って対立している音節って
実は意外と少ないんですよね・・・。
実は四等相当の牙喉音のかなり多くが、漢〜三国時代頃に声母(頭子音)を口蓋化させて
正歯音(chとか∫の系列)になっています。日本や朝鮮の漢字音で語頭にk, g, hなどの子音を
持っているものが現代中国語でj, q, x(チとかシの子音に近い)になっているのと同じような現象です。
(河野六郎先生によれば、これら口蓋化を起こした字は口語的なものが多いそうです)
唇音の場合も、唇の調音によって介音の区別が曖昧になり、
3/4等(B類/A類)の対立がはっきりしなくなった音節があると思います。
ところが、韻図に現れている3等と4等の対立は中世の中国語でも一部残っていたようで、
13〜4世紀の『古今韻会挙要』や『蒙古字韻』には区別が(相当曖昧になっていたけれど)
残っているのです(ほぼ同時代の『中原音韻』では区別が消失しているが、これは方言の違いのため)。
なんで中古漢語で弱まったものが中世まで一部に残っていたかというと、
介音だけで区別される3等:4等の対立が、母音体系の簡略化により、
重紐3等(B類)は純3等韻(C類)と、重紐4等(A類)は純4等韻(直音4等韻)と合流したので、
介音だけで対立するペアが増加しました。
あまりいい例はないのですがだいたい次のような感じです。なお声調は無視しています。
堅(直音4等韻)kεn>kjεn(甄(A類)kjεn と合流)
建(C類)ki∧n>kiεn(蹇(B類)kiεn と合流)
で、これによって3等/4等の対立が強化され、中世まで一部残ったのだと思います。
>>146
う〜む、鶏林大学校って、韓国をなまじ知っている人がかえって存在信じてしまいそうな名前付けるあたり、
荒山氏の半島に関する知識は通り一遍じゃない感じがしますね。
ただ「黄算哲」教授の下の名前、五行を表す扁旁がないし、何か江戸時代の碁打ちみたいだしで、
ちょっと韓国名っぽくないです。
ちなみに岡田氏の指摘は本物。この人、かなり変なことも言っていますが、歴史認識の冷静さは
なかなかで、昔滅んだ国の取り合いやってるどこぞの歴史学者に聞かせたいことも
たくさんおっしゃっていますな。
- 153 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/28(水) 22:15 ID:I/bDqbRM
- 岡田英弘は私も一時期ハマッて読みまくりましたが
各方面に毀誉褒貶ある人のようですね、細部には間違い多いとか。
半島史に関しては私も岡田説にかなり影響されてます。
- 154 名前:朴月参:2004/01/28(水) 23:12 ID:rf2ptv/s
- >151
地字は特殊な例です。
脂韻(去声至韻)は三等韻なので舌音声母は普通は舌上音(澄母)となるはずなのに、
地字は例外的に舌頭音(定母)をもちます。
そのために四等欄に置かれたのだと推測されます。
>152 日語商売さん
現代北京語でも重紐のペアが一部残っています。
脂韻開口去声並母字がそれで、A類の鼻(bi2)とB類の備(bei4)の対立です。
鼻は元来去声字なのに現代北京語(普通話)で2声になっているのは興味深いです。
- 155 名前:日語商売:2004/01/29(木) 00:15 ID:e54H8lAM
- >>153
岡田氏については、以前中国語史でいい加減なことを言ってるのを見たことがあって、
それ以来、彼の「史観」以外は信用しないことにしていますw
>>154
「地」はもう、例外中の例外ですね。
『広韻』などの反切ではたまに舌音(tやnの系列)3等韻の上の字が舌上音(反り舌音のtの系列、
一説には口蓋化した音だともいう)ではなく、舌頭音(普通の舌先音tの系列)のものがありますが、
これは両者がまだ区別されていない、少し前の発音の名残である場合がほとんどです。
ところがこの「地」だけは、そういう解釈ができません。現代語の発音(di4)から推定できる
中古漢語の発音も *di ですし(舌上音ならば現代語では zhi のような発音になるはず)、
また中古漢語の音韻体系の中でも、規則的な音を持つ「緻」という字(音節)があるからです。
いったいなんでこんな音節が現れるのか考えたことがあるのですが・・・だめですたw
*dei のような音から主母音がなくなって(あるいは狭くなって)できたと考えたのですが・・・
いい証拠がありませんでした。
現代北京語でも止摂唇音では、だいたいA類が -i、B類が -ei で現れますね。
B類では唇音の影響でu介音が現れて、 -ui>-ei になったのに、A類ではそうなりませんでした。
「鼻」は『中原音韻』で「去声作平声」という変な分類をされているはず。
どうもこのころから口語では現代と同じような発音が存在したようです。
- 156 名前:朴月参:2004/01/29(木) 16:-8 ID:Kp6Mp.Ec
- >155 日語商売さん
>「鼻」は『中原音韻』で「去声作平声」という変な分類をされているはず。
どうもこのころから口語では現代と同じような発音が存在したようです。
そうですね。
『中原音韻』で陽平なので、現代北京語と同じです。
なぜ陰平ではなく陽平なのか、興味深いです。
私はこんなことを書くのは恥ずかしいのですけれど、
おそらく、タブーワード(女性器)の某字(現代北京語biの陰平)との
同音衝突を忌避したのではないでしょうか。
止摂開口唇音字は鼻字以外でも音韻演変規律から外れた音形が多いです。
例えば、支韻開口A類幇母の卑字(現代北京語bei1)も。
これもおそらく同様の理由だと考えることができます。
声母・韻母・声調のどれかををずらして同音になることを回避したものです。
男性器との同音衝突を避けて変化した字音もありますね。
音韻史は語彙史と不可分の関係にあります。
- 157 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/29(木) 16:12 ID:3dyvhr22
- 同音回避というのは十分ありうるのですが。
女性器を意味する[尸<穴]がどれくらい古くからある言葉なのかは
わかりませんが、現在の発音は、ピンインでこそ/bi/と書くものの、
幇母ですので/pi1/です。
鼻の古い発音は/bji/ですし、北京語の場合は平声の全濁音は
規則的に有気音になるので、期待される音価は/phi2/なのですが、
なぜか無気音/pi2/になっていますよね。
福建語では/phi~/(陽去声)と発音されています。
古く去声と平声に分けて発音されたのは、確か名詞としての用法と
動詞としての方法で、声調が分かれたためだったと思います。
- 158 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/29(木) 20:28 ID:3dyvhr22
- 訂正
動詞としての方法 > 用法
- 159 名前:日語商売:2004/01/30(金) 00:-1 ID:fNvkH2s6
- この手のはいろいろあるようですね。
鳥をniaoと言うとか(英語のcockが忌避されるのと同じような理由ですねw)、
入をruと読むとか。
日本語だと性的なものの忌避はあまり例がありませんが、「4」を「死」と結びつけて避け、
「よん」を使ったり、部屋番号に使わないとか、
自動車のナンバーに42や49を使わないとか、そういう忌避になりますね。
中国語でも「死」と同音になった「徙」「璽」などは、si3ではなくxi3に不規則変化しています。
韓国語でタブーによる言い換えとかの例はあるでしょうか?
- 160 名前:名無サラム ◆SARAML56:2004/01/30(金) 01:-15 ID:v5.PHHsg
- 言い換えなどは詳しくは知りませんが、韓国でも
「四(サ)」は「死」と同音で縁起の悪い数字のようです。
- 161 名前:朴月参:2004/01/30(金) 01:-10 ID:gTBki.8M
- >159
>女性器を意味する[尸<穴]がどれくらい古くからある言葉なのかは
>わかりませんが、現在の発音は、ピンインでこそ/bi/と書くものの、
>幇母ですので/pi1/です。
発音は同じですね。
>159
そうです。恥ずかしいのですが、鳥がその例です。
韓国語でもやはり四を嫌います。
韓国ではエレベイタでも4階を設置しないビルが多くあります。
- 162 名前:日語商売:2004/01/30(金) 01:11 ID:fNvkH2s6
- あ、そういえば4階を「サチュン」と言わないで、fourだから
「F層」(エプチュン)」と言っているところがあるの思い出しました!
- 163 名前:朴月参:2004/01/30(金) 04:-16 ID:sS/GA952
- >162 日語商売さん
通説によれば、『古今韻会挙要』は中世音の代表と考えられています。
しかし、中世の現実の字音ではなく、伝統的字音を踏襲したという見解もあります。
重紐の反映も現実の字音ではなく伝統の反映と考えます。
日語商売さんの恩師H先生の『古今韻会挙要研究』に対する書評が
貴大学学会誌に掲載されています。
書評を書いているのは自転車小僧さんの大学院時代の恩師S先生です。
(自転車小僧さん、森教授が大阪外大退職後、大学院時代の恩師はS教授ですね。)
H先生はS先生の先輩です。言葉は丁寧ですが、内容は酷評です。
日本では先輩後輩の情はないですか。
- 164 名前:朴月参:2004/01/30(金) 04:30 ID:sS/GA952
- >162 日語商売さん
日語商売先生や阿木林先生の音韻学の知識は深いです。
私は梨大で学びましたが、音韻学は他の大学校の先生の著書で自習しています。
けれども韓国のテキストは水準が高くないと思います。
私はいま放学期間で、朝と夜が反対になっています。
この掲示板を知ってから、日本の音韻学の論文ばかり読んでいます。
日語商売先生はいまも授業がありますか? 大学校はソウルですか?
日語商売先生、阿木林先生、諸位先生、
これからも漢語音韻学をいろいろ教えてください。
- 165 名前:わけあって名無し:2004/01/30(金) 10:-7 ID:d7WhxTUo
- いえいえ、阿木林氏は音韻学は深くないですよ(w
どちらかというと漢語方言学の人なので、余技のような形で
自習しているだけですから。
そのうち中古音のデータをウェブにアップしようと思っています。
韓国のホテルなどでは確かに「四階」がありません。
固有語では/jug-da/といわず/dor-a-ga-si-da/と言ったりしますが、
これは「忌避」の例としてはふさわしくないですね。
北京語などで「今日、明日」などを「今天、明天」というようになったのは
「入」を忌避したからだそうです。「入」と「日」の発音が異なる地方では、
普通「天」や「朝」などには言い換えていませんし、男性器を意味する
言葉がlan-phaなど「鳥」と関係ない地方では、「鳥」は古い発音のまま
です。そういえば「卵」にもそういう意味があるので、「蛋」が使われる
ようになったんでしょうね。
>159
>女性器を意味する[尸<穴]がどれくらい古くからある言葉なのかは
>わかりませんが、現在の発音は、ピンインでこそ/bi/と書くものの、
>幇母ですので/pi1/です。
>発音は同じですね。
韻鏡が作られた時代には一緒の発音になっていたかもしれません。
全濁音が中原語から消失する以前は、鼻は並母であるのに対して、
尸<穴はおそらく幇母であったのではないかと思いますが、
その頃からあった言葉かどうかはわかりません。
福建語の/chi-bai/が同源語であるとするならば、並母であった
可能性もあるわけですが。
- 166 名前:わけあって名無し:2004/01/30(金) 10:-4 ID:d7WhxTUo
- そういえば、「比」という字は白川静先生の本によれば、
女性器をあらわすんじゃありませんでしたっけ。
「牝」などの字形に受け継がれているとかなんとか。
そうだとすれば北京語の/bi1/はかなり古い言葉だということに。
あんまりこんな話ばっかりしていると朴さんにあきれられてしまう
ので、このあたりで。
- 167 名前:日語商売:2004/01/30(金) 12:-22 ID:v9jPVa5o
- >>163
あはは、H先生が誰だかばれてますねw
日本の場合、先輩後輩でも学問については譲らないのがフェアだという意識がありますね。
この場合にはお互い知っている間柄だから、多少厳しいことを言っても人間関係壊れないし、
そういうので遠慮するのはかえって相手に失礼という感覚があるのも事実です。
もちろん、欧米よりは師弟や先輩後輩の感覚が強いので、そちらに比べれば遠慮する気持ちが
強いし、そういう人間関係を批判されることもあるのも事実ですが。
ちなみに森先生もいろんなところで論争をしたりけんか売ったりしていますが、
これは多少本人の性格もあるようですw
彼らの学んだ京都大学中国文学科の当時の様子については、日本の岩波文庫『千字文』の
解説に詳しく書いてありますので、もし入手できればお読みになるといいと思います。
>>164
私は現在京畿道の某都市にある大学で日本語を教えておりますが、
現在冬休み中で日本に帰国しております。
熱心に勉強するのはいいのですが、あまり昼夜逆転すると体に悪いのでほどほどに。
こちらこそいろいろ教わることが多いと思います。これからもよろしくお願いします。
>>166
そういう説もありますね。亡母という意味の「妣」もその系統とか。
中国語の口語語彙には規則的音韻変化に抗った語形がいくつも残っていて
「大」「他」「那」がduo,tuo,nuoではなくda,ta,naなのとかがその例です。
「また」の意味で使う「也」も語源的には「亦」ですが、中古漢語のyekという音が
「亦」の読音としては中世までにyiと変化したのに、口語では韻尾をなくしたyeという形で
残ったので、そのように読む字を宛てたようです。
極端な説では「〜の」の意味の「的」も「之」の上古漢語形ty∂から来ているというのまでありますw
この間出てきた「地」も、古い形の残った語彙なのかもしれません。
そういうの考えると、女性器の意味のpiも、相当古い言葉だというのもありそうですね。
- 168 名前:朴月参:2004/01/31(土) 14:-9 ID:9YLYCZSk
- >167 日語商売先生
先週、『鶏林類事』「900周年論文集」を複写するとき、
友達の先輩から借りて、花登教授の『古今韻会擧要研究』と佐々木教授の書評も複写してもらいました。
友達の先輩は中世韓国語専攻で『古今韻会擧要』も研究していらっしゃいます。
その先輩の話や花登教授の著書の「あとがき」で、両教授の関係を知りました。
先輩は国際学会のときcocktail partyで森教授と話をしましたが、
花登教授の著書を高く評価していらっしゃったそうです。
韓国では師弟間の論争はないです。
また先輩後輩間なら感情の対立が深く残ります。
>森先生もいろんなところで論争をしたりけんか売ったりしています
純粋な学問上の論争はいいですが、けんかを売るのは困りますね。
森教授の『日本書紀の謎を解く』は教保文庫にあったので買いました。
「あとがき」と「書紀音韻論」の一部だけ読みました。
学生時代の回想など随筆のようでおもしろいです。
>彼らの学んだ京都大学中国文学科の当時の様子については、
花登先生と同じ大阪外大で音韻学を学んだのではないですか?
機会があれば読んでみます。ありがとうございます。
京畿道の大学校ですか。ソウルに近く、日本と往来するのも便利ですね。
>「また」の意味で使う「也」も語源的には「亦」ですが、
『説文解字』によれば、「也」字はタブーワードの象形とのことです。
この話題はこれが最後です。
今日の夜はmeatingがあるので、いまから昼寝をして、健康的な生活をします。
ところで、日本では昨年7世後半の奈良県の遺跡から吏讀の木簡が出土したそうですね。
詳細な情報がありますか?
- 169 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/31(土) 15:28 ID:XfN6jbH2
- 「地」には斉韻の発音、/*dei/(第と同音)もあったようです。
いずれにせよ、口語的な語彙であったため他の字よりも*ei>i
に変化するのが早く、その違いが等の違いとして現れている
と考えればよいのではないでしょうか。
「〜の」という意味の「的」は宋・元の時代には「底」と書かれて
いたそうです。この二つの発音は宋代では同音で/*ti∂i/です。
「之」の読書音がどんどん変わっていっても、白話音が保守的で
あまり変化せず、とうとう別な字が当てられてしまったということは
十分ありうると思います。
「也」については蛇の象形であるという説もありますよね。
[虫也]は「蛇」の異体字ですし。2003年7月に奈良で発見された
木簡なら、吏読と関係があるかどうかはわかりませんが
http://osaka.yomiuri.co.jp/nara/hakkutu/2003/030727b.htm" target=new>http://osaka.yomiuri.co.jp/nara/hakkutu/2003/030727b.htm
に画像があります。8世紀のものですね。
http://www.nabunken.go.jp/Open/mokkan/mokkan2.html" target=new>http://www.nabunken.go.jp/Open/mokkan/mokkan2.html
に、「奈良文化財研究所木簡データベース」がありますが、
新しく発見されたものはまだ検索できないみたいです。
- 170 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/01/31(土) 16:-26 ID:XfN6jbH2
- ちょっと矛盾したことを書いてしまいました。
「地」については口語語彙だから音韻変化が早く、
「之」については白話音が保守的で変化しなかった、
というのは矛盾していますね。
おそらくは、白話音と文言音の乖離が進む中で、白話音は
声母については保守的に、韻母については革新的に変化して
いったのではないかと思います。もっとも文言音と白話音が
乖離していると思われるのは福建語アモイ方言ですが、
上に述べたような特徴は見られると思います。
とはいえ、白話音の韻母もかなり複雑多様で、上古音の体系を
反映していると見られる部分も多いのですが。
- 171 名前:朴月参:2004/02/01(日) 13:-17 ID:BvZIYGLc
- >169
名無しさんは謝罪汁さん、ありがとうございます。
「奈良文化財研究所木簡データベース」で調べました。
石神遺跡(7世紀後半)の「十二刀」という表記かも知れません。
「刀」は穀物などの量を示す「升」の吏讀です。
『鶏林類事』にも出てきます。「升曰刀(音堆)」です。
これは李基文先生の「鶏林類事再検討」や『900周年論文集』の論文が詳しいです。
正倉院文書の新羅文書(佐波理加盤につけられたもの)にも出てきます。
「上米四斗一刀」等。これは南豊[金玄]教授の『吏讀研究』が詳しいです。
- 172 名前:わけあって名無し:2004/02/03(火) 11:-12 ID:fLAmwklI
- なるほど。「刀」は「斗」ではなく「升」なんでしたっけ。
現代語では/doe/ですから、「音曰堆」にも合致しますね。
- 173 名前:日語商売:2004/02/04(水) 00:07 ID:9uETusmU
- ちょっと現在母校の方で資料収集しております。
一日3〜4時間もマイクロフィルムを見続けると目も体も心も疲れますw
>>168
あ、ちょっと勘違いが混じってしまいましたね。
正確には京大中文を中心とした「均社(いんしゃ)」という秘密結社のような名前(wの
中国音韻学研究会のことでした。
森先生が「けんか売っている」と言ったのは、自分の書いたものから無断引用されたような記述が
ある雑誌に載ったことがあって、それを書いた人に謝罪を要求する意見広告を、
その雑誌に見開き2ページまるまる使って載せたことがあり、そのことを誇張して言っただけですw
誤解を生むようなことを書いてしまい申し訳ありません。
『日本書紀の謎を解く』は当時各方面で非情に高く評価された名著ですね。
「書紀音韻論」の部分だけでも是非精読されることをおすすめします。
>>169
「地」のdeiという発音は『集韻』に載っていますね。
ビン語の方言にはこちらを祖形とする方言形が残っているところがあるそうです。
これが不規則変化した理由についてはいろいろ考えているのですが、
ei>iとなる変化の例が中古以前から資料にちょっと見られるので、そういうものの一つかもしれません。
あるいは上古漢語で de あるいは di のような形をしていて、それがそのまま残ったとか。
もう一つ可能性を述べると、文法的性格の強い機能語に、通常とは違う変化をするものが多いのは
言語学の常識ですが、もうひとつ、よく使われる語彙は変化を受けにくい、という傾向も
言語には一般的にあります。
例えば英語では i, e, y の前の g は j のように発音しますが、get や give はそうなっていないとか。
「地」もあるいはそういうものの一つで、上古漢語の *d は介音 i の前で dzy (英語の j のような音) に
変化しているのに、そうならなかった可能性もあるのではと思います。
関係ないけど現代北京語の「この」を表す「這」も、「之」か「是」が不規則変化したものかも。
>>171
おお、「升曰刀」ですね。これは高麗の風俗を記したところにも出てきます。
「刀」は toi の to の部分を音訳したものでしょうが、もしかすると、
よく似た形の字でチョウという「刀」の左払いを下から跳ね上げた線にした字があるのですが、
これは量の単位にも用いられる字なので、その意味も含めた表記の可能性もあるのではないでしょうか。
- 174 名前:自転車小僧 ◆mI/K76EY:2004/02/04(水) 01:-20 ID:35hgdm82
- >173
長らくご無沙汰しております。
「地」についてですが、確かに止摂の中では浮いた存在です。
「地」は中古音止摂のもので古音十七部の歌部に分類される字のひとつです。
それにベトナム漢字音では"đia"と"-a"の主母音を持ちます。同じようなものに
「義」"nghia"と言うのもあります。
「地」や祭韻系の字は上古音まで遡って検討する必要があると思います。
- 175 名前:わけあって名無し:2004/02/04(水) 10:-18 ID:3xrd9fcc
- 以下、ややこしいので北京語の発音はいんちきウェード式で。
「地」の発音については、たとえばアモイ方言では文言音は/ti/、
白話音は/te/ないし/toe/で、斉韻の字と共通しています。
「也」を音符として持つわけですから、古くは/*dia/のような発音
であったと考えることができ、越南音にも合致します。
「義」に関しては、「蟻」のアモイ方言白話音が/hia/であることも
参考になります。「義」の音符は「我」ですよね。
>例えば英語では i, e, y の前の g は j のように発音しますが、
>get や give はそうなっていないとか。
北京語の給/kei/などがそうですよね。文言音では/chi/ですが。
「這」はわりと古くから使われている指示代名詞ですから、
(確か元代くらいには現れてなかったかな?)「之」や「者」などと
結びつくのではないでしょう。そういえば「他」は契丹語だか
蒙古語の影響で発生した指示代名詞ではなかったでしょうか。
現代ハルハ方言では/ter/といいますが。
古音十七部といえば開母音と陽韻と入声が三角形の対立をなす
という体系ですが、ビン語の体系がまさにそれです。
- 176 名前:わけあって名無し:2004/02/04(水) 10:05 ID:3xrd9fcc
- (確か元代くらいには現れてなかったかな?)「之」や「者」などと
結びつくのではないでしょう。
結びつくのでしょう、のまちがいニダ。
福州方言の韻尾を参考にあげておきます。
実際には文言音の体系がかぶさっているためにきれいな三角形では
ないのですが。
i/u/y/a/ia/ua/e/ie/o/uo/yo/oy/ai/au/oe/ieu/uai/uoi
in/un/yn/an/ian/uan/ein/ien/oun/uon/yon/oyn
ih/uh/yh/ah/iah/uah/eih/ieh/ouh/uoh/yoh/oyh/eh/oh/oeh
- 177 名前:日語商売:2004/02/04(水) 12:-9 ID:bDe0Z/Lk
- >>174
どうもです。
「地」の上古所属韻部ですが、押韻では歌部だけじゃなく支部との例もあり、
それに声符「也」は歌部と支部の両方に現れ、前者は「它」が本来の形とする説もあります
(「也」自体は機能語なので不規則変化?)ので、支部の可能性もあると思います。
王力、李方桂、W. Baxter などの論者はみな歌部所属としていますが(後2人は?付きですが)。
越南漢字音や南方方言に現れる -ia の形は、「地下」の縮約から出たという説もあり、
簡単に証拠に使えないと思います。
現在有力な説では歌部は/*-ai/、支部は/*-e/とされるので、ai〜e の変異があった可能性も
あるのですが・・・。
>>175
ああ、「給」もそうですね。
これも別な語から出たという説もありましたね。
陰陽入の三角形は広東語でもかなりきれいに描けますね。ちょっと解釈が混じるのと、
陰声韻(開音節)で一つ余るのが難点ですが。
- 178 名前:わけあって名無し:2004/02/04(水) 14:-23 ID:3xrd9fcc
- 広東語の場合ですと、-u(-w)韻尾が-m/-pと、-i(-y)韻尾が-ng/-k、
ゼロ韻尾が-n/-tと関連づけることができます。
この三角形は、梅県方言だとさらにきれいに書くことができます。
古い漢語の形を残すものだも、基層のタイ・カダイ語の影響だ、
とも考えることが可能です。
aau-a-aai/aam-aan-aang/aap-aat-aak
au-ナシ-ai/am-an-ang/ap-at-ak
e
ei/eng/ek
iu-i-ナシ/im-in-ingip-it-ik
ou
o-oi/on-ong/ot-ok
eu-eui/eun-eung/eut-euk
u-ui/un-ung/ut-uk
yu/yun/yut
m
ng
- 179 名前:わけあって名無し:2004/02/04(水) 14:-12 ID:3xrd9fcc
- 今の表記は断りなしでしたがイェール式です。
梅県話では、というのは実際やってみたらそうでもなかったです。
記憶違いでした。
- 180 名前:日語商売:2004/02/04(水) 21:27 ID:I1bFzJrQ
- >>178
私の解釈はゼロ韻尾を -k/-ng と、-i を -t/-n に結びつける、上古漢語の韻部分けと同じなのですが、
ei を/-i/、ou を /-u/、i を /-ij/、u を /-uw/、yu を /-yj/ と解釈するなど、
けっこう無理をしているので、阿木もといわけあって名無しさんの解釈の方が良さそうですね。
5母音体系に無理矢理押し込んでいる解釈も見たことがありますが、
空欄が多すぎてヲイヲイと思いましたw
- 181 名前:わけあって名無し:2004/02/06(金) 10:10 ID:3pUX.kso
- エツ語の基層がタイ・カダイ系であるとするならば8母音体系くらいが
基層であると考えたいところですが、せいぜい6母音が妥当なところ
ですよね。yuは中原漢語の影響で生じたとして、i/e/a/o/u/euの
6母音がそうですが、/eu/は歴史的に/io/の変音であるとも考えられ
るので、基層が5母音であると考えることは可能だと思います。
いずれにせよその上に中原漢語の体系がかぶさっているので、
空欄が多くなるのも当然といえます。
漢越音を学習するのに何かよい本はありますか?
東洋文庫から出たあの本は、手に入りにくいし些か高いですし。
まぁ習うより慣れるのが近道なんでしょうけど・・・
漢越音は非常に多くの歴史的な層が入り混じっているため、
一部は上古音までさかのぼることができる、というのも事実なの
でしょう。「漢化」の歴史は朝鮮同様に福建よりも古いですし。
/ra^'t/(とても)など固有語として定着している語彙も
烈、という漢字音から来ているそうです。
漢越音で支摂から/ia/のような形をとる字は、簡単に調べてみた
ところ、地、義、のほかに、離/lia/、匙/xia/、碑/bia/がありました。
これらは「碑」の一例を除き、福州話の白話音では/-ie/という韻尾
をとるものです。碑が異なる形をとることは「層」の問題として解決
できますし、漢越音ではないということも考えられます。
福州話では、支韻の多くが白話音で/-ie/、脂韻と之韻の多くが
白話音で/-i/となります。このような区別を残している「方言」は、
他にはほぼ存在しないので貴重です。漢越音と密接な関係がある
海南話(海口話、文昌話など)でも、大体すべて/-i/に合流して
しまっているようです。
- 182 名前:日語商売:2004/02/07(土) 12:11 ID:ZlIt3szk
- >>181
粤語の面白いところは、他の方言のどこよりも中古音っぽさを残しているところですね。
方言というより、基層言語の上に「文化語」「上位語」として漢語語彙がかぶさっている感じ。
ビン語もそういうところがありますが、方言としてのアクの強さが強い気がします。
漢越音は日本では三根谷氏の以外には関係書がなかったと思います。
中国だと王力、フランスだと H. Maspero がやっていますが、
入手しにくさとか言語のことを考えるとおすすめできませんね。
河野先生の著作集もそうですが、高くておいそれと薄給の身では買えません。
母校の研究室にいた頃はそういう関係の本を公費でたくさん買い込んでいましたが、
韓国に就職してからは閲覧もままなりません。
というわけで、どなたかこの辺りのコピー本を作らせて下さい(タイーホw
あと、漢越音の a の中には内転主母音(広東語だと短い a)の反映もあるのでちょっと注意しないと。
支脂之3韻(これに微韻を加えてもいい)の区別を残している方言は貴重ですね。
かの段玉裁が、どう発音で区別されていたかわからないものかと歯噛みした止摂諸韻の音価を探る
貴重な手がかりですし。
これらの区別を反映しているものといえばあと日本呉音や万葉仮名ですが、
これは脂韻と之韻の区別を残していますから、音韻学研究者にとってはある意味奇跡ですねぇ。
- 183 名前:わけあって名無し:2004/02/07(土) 21:23 ID:rq7ZUpbM
- 明日から数日韓国に滞在するので時間があればキョボ文庫にでも
いってみます。900周年論文まではちょっと時間がとれない模様。
高句麗語に関係する本は以前探したけどめぼしいのは無かったなぁ。
- 184 名前:わけあって名無し:2004/02/12(木) 20:-10 ID:REoxPGgE
- うわ・・・まだ止まっていたのか!
とりあえず「韓国語変遷史」という本を買ってきたのでじっくり読んでみます。
実は韓国では(北朝鮮でも)高句麗語自体の研究ってあまり重視されて
いないような気がします。
資料が極端に乏しいので研究がうまくいかないのと、朝鮮語史にとって
あまりタシにならなさそうなのと、さらに研究すればするほど「高句麗語
は朝鮮語とはあまり関係がない」という、彼の地の人々にとっては
あまりありがたくない結果が出てくるためではないかと勝手に邪推して
いますが。チェジュ(タムナ)語と結びつけて、さらにアイヌ語までも
視野に入れている研究もありますが、やはり電波の域は出ないようです。
まぁ、どんな学説だって最初は電波と大差ないと思うんですけど・・・
などと吉外じみた発言をしてみるテスコ。
- 185 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/02/17(火) 12:03 ID:ZkPbMHh2
- すっかり誰からも放置されたスレになったので、リドク文字でも明日っから
貼る予定。
一つ可能性として考えているのは、高句麗語とされる地名の中で、
日本語と関連があると考えられるものが比較的南部に偏っている
ことについて、これは北部の純高句麗語圏?から来たものという
よりは、「倭人」の影響ではないか、とも考えうることです。
「密」がつく地名は、新羅の地域には今でもたくさん残っていて、
多くは訓読で「押-」が当てられているのですが、これが本来
「三-」(ないし「水-」)であるとすれば、高句麗語というより倭語である
可能性が否定できない。
- 186 名前:転載くん:2004/02/17(火) 16:-14 ID:dIp9FTKs
- 372 名前:日本@名無史さん 投稿日:04/02/07 11:13
たしか倭語で解釈できる高句麗語地名は、安本美典氏の地名比定によると、
「半島中部だけに分布し、北部や南部には存在しない」はずですが、一定の蓋然性が認められますか?
もし仮にそのような命題が妥当だとすると、
いわゆる「倭語と近縁な高句麗語」というのは高句麗の発祥した地域の
「本来の高句麗語」ではない可能性が高くなり、一口にはいえない
さまざまな多様な仮説をよびおこすことになりそうなんですが。
373 名前:日本@名無史さん メェル:sage 投稿日:04/02/07 14:02
>>372
安本美典氏の地名比定は不完全だよ。
北部は新羅領にならなかったから三国史記地理志の新羅九州の郡県リスト
に入ってない。だから安本美典は調べた上で「北部にはみられない」と
いっているのでなく、そもそも北部は調べてない。三国史記地理志の末尾
に一時唐領になった高句麗北部の地名リストがある。これは数が少ないの
で統計的に意味をもちうるかという問題はあるが、日本語と関係ありそう
な地名は実数が少ないだけで率(割合)からいうとむしろ中部より北部の
方が多い。
(半島南部は、そもそも高句麗領になったことはないのだから、日本語との
関連ありそうな地名はなくても当たり前。こちらは安本説のままで問題ない)
- 187 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/02/17(火) 16:11 ID:ZkPbMHh2
- 転載ありがとうございます。
ソンセンニムの地名データを見ればわかるように、
「北部」つまり今でいう中国東北部の高句麗領には、倭語と近い
地名は存在しなさそうです。そのかわり、忽に代表されるような
ツングース語に近い地名はたくさんあります。
南部の場合、一貫して新羅領の地域には「密」で始まるような
地名がかなりあります。この「密」だけをもって倭語地名とすることは
できませんが、おそらく安本説は半分正しく、半分正しくない。
つまり、南部の非高句麗地域にも倭語で解釈しうる地名がかつては
あって、それが新羅語や百済語の影に隠れているのではないかと思います。
- 188 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/02/17(火) 18:-15 ID:dIp9FTKs
- >いっているのでなく、そもそも北部は調べてない。三国史記地理志の末尾
>に一時唐領になった高句麗北部の地名リストがある。これは数が少ないの
>で統計的に意味をもちうるかという問題はあるが、日本語と関係ありそう
>な地名は実数が少ないだけで率(割合)からいうとむしろ中部より北部の
>方が多い。
↑32個の地名がありますね。
ななし先生のリストでは日本語関連を疑い得るものが
かなり含まれていたようですが。
- 189 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/02/17(火) 19:-4 ID:ZkPbMHh2
- あまり元データをみないで書いてしまいました。
※鴨緑水以北未降十一城と※鴨緑以北逃城七 などで利用可能なものを
列記してみました。
166 北夫餘城州ハ、本助利非西ナリ。
167 節城ハ、本蕪子忽ナリ。
168 豊夫城ハ、本肖巴忽ナリ。
169 新城州ハ、本仇次忽{或イハ云フ/2敦城ト/1}ナリ。
170 [禾兆]城ハ、本波尸忽ナリ。
171 大豆山城ハ、本非達忽ナリ。
172 遼東城州ハ、本烏列忽ナリ。
176 安市城ハ、旧安寸忽{或イハ云フ/2丸都城ト/1}ナリ。
181 甘勿主城ハ、本甘勿伊忽ナリ。
184 国内州{一ニ云フ不耐。或イハ云フ/2尉那ー城ト/1}
185 屑夫婁城ハ、本肖利巴利忽ナリ。
186 [木+汚-シ]岳城ハ、本骨尸押ナリ。
188 チ城ハ、本乃勿忽ナリ。
190 牙岳城ハ、本皆尸押忽ナリ。
191 鷲岳城ハ、本甘弥忽ナリ。
192 積利城ハ、本赤里忽ナリ。
193 木銀城ハ、本召尸忽ナリ。
194 犁山城ハ、本加尸達忽ナリ。
195 穴城ハ、本甲忽ナリ。
196 銀城ハ、本折忽ナリ。
197 似城ハ、本史忽ナリ。
なしかに、この中にはタケですとかナマリなど、倭語との関連が
強い語彙が含まれていますね。ただ、これらの語彙は日朝共通
語彙に含まれるものでもあるのですが・・・
高句麗語から韓語や倭語に入った語彙、と考えたほうが自然
ということになりますね。
これら語彙から見る限りは、やはり「半島南部の語彙と倭語の
関連性が強い」というのは誤りということになります。
ありがとうございました。
- 190 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/02/17(火) 19:-1 ID:ZkPbMHh2
- ついでにいうと、有名な三、五、七、十が含まれる地名は、
江原、京畿、黄海などに分布していますね。
なかなか一筋縄ではいかないです。
- 191 名前:日語商売:2004/02/17(火) 22:04 ID:TtLCZHE.
- どもおひさしぶりです。
昨日韓国に戻ってまいりました。
まだ資料関係は日本から送っている途中なのですが、ぼちぼち議論に加わりたいと思います。
- 192 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/02/18(水) 17:49 ID:utktfN.E
- 地域的な偏差があるか、と思って資料をよくみてみたんですが、
思ったほどなさそうです(爆
日本語と関係がありそうな「達」なんてのもほぼ満遍なく分布して
いるし。「旦」にくらべて、ほぼ同意語である「押」の分布が北より
である可能性はあると思いましたが確かではありません。
- 193 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/02/19(木) 19:49 ID:/1I8bmtg
- これは是非ソンセンニムに聞きたかったのですが、
鎌倉初期に成立したという、「二中歴」という史料があります。
この中に、古い韓語とみられる数詞があり、次のようであるそうです。
1.カタナ
2.ツフリ
3.トヲ
4.サヰ
5.エスス
6.ハスス
7.タリクニ
8.チリクニ
9.エタリ
10.エツロ
おそらくはそのままの形で伝えるものではないのだと思いますし、
原文を見たことがないので、どんな形で記載されているのかも
わかりません。多分、渡来人の家庭などで口承で伝わった数詞を
記述しているのであろうと思うのですが。
- 194 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/02/19(木) 20:05 ID:/1I8bmtg
- 吏読文字の一覧を作ってみます。何かの突破口になれば
阿 β 卩 良 衣-⊥ 3 [a]
悪 [ak]
安 [an]
也 つ 耶 邪 [ja](ヤと読む)
於 方 オ 人/ン [e]
衣 ラ 矣 ム [i]
言 ⊥/二 [en]
餘 亦 ⊥ こ ハ [je]
吾 烏 五 ろ 乎 ノ/ソ 午 午-十 [u]
玉 [uk]
要 西 [ju]
于 優 友 又 [u"]
儒 由 [ju"]
臥 ト [ua]
伊 イ 異 爾 耳 亦 リ 以 已 [i]
印 [in]
加 カ 可 佳 伽 何 [ka]
介 皆 解 [ka(i)]
甘 [kam]
艮 干 翰 [kan]
甲 [kap]
去 育-月 ∠ 一/人 巨 居 虚 許 [ke]
古 口 高 固 故 苦 好 遣 [ku]
骨 忽 [kur]
厚 仇 句 丘 [ku"]
果 曰 ホ 人 [kua]
奇 己 岐 期 只 [ki]
吉 [kir]
奈 那 那-β 尹 乃 内 [na(i)]
奴 又 悩 [nu]
尼 ヒ イ尓 [ni]
多 タ | 茶 [ta]
大 ナ 代 弋 [tai]
旦 呑 [tan]
達 [tar]
- 195 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/02/19(木) 20:19 ID:/1I8bmtg
- 低-イ 底 ワ/丁 [tje]
丁 [tjeng]
刀 道 都 [tu]
頓 [tun]
豆 頭 斗 4 [tu"]
智 知 矢 地 土 [ti]
羅 四/个 四 个 ゝ 良 [ra]
呂 [rje]
老 路 魯 [ru]
論 [run]
留 流 類 [ru"], [rju"]
里 曰 理 利 禾-ヽ 未-ヽ リ [ri]
吝 [rin]
麻 摩 麼-林 广 馬 尓-ハ 勹 [ma]
方+尓 弥 ム/小 久 ハ/フ [mje]
面 一/ノ [mjen]
牟 毛 [mu]
武 無 [mu"]
未 彌 米 味 [mi]
巴 波 [pa]
保 甫 包 [pu]
夫 富 浮 [pu"]
非 比 卑 [pi]
沙 シ レ 舎 舎-口 人 四 士 [sa], [sja]
西 一 [se]
所 戸 召 素 蘇 助 小 [su], [sju]
首 須 主 朱 周 [su"]
是 ヽ 示 ン 時 日+寸 寸 [si]
- 196 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/02/19(木) 20:27 ID:/1I8bmtg
- 者 子 [tsa]
注 [tsu"]
之 [tsi]
下 何 [ha]
乎 ノ/ソ ノ 戸 尸 [hu]
ソ/ち 屎 [hi]
只 ハ [-k]
隠 β フ 焉 [-n]
乙 し 尸 [-r]
音 ⊥/ソ [-m]
比 邑 巴 巴-し [-p]
斯 次 叱 七 史 兒 曰/儿 旧 兀 [-s]
次 [-ts]
以上です。
- 197 名前:名無しさんは謝罪汁:2004/02/19(木) 20:44 ID:/1I8bmtg
- 訓読によって生じた文字がいくつかあります。
是 ヽ [i]
在 ナ [kje]
飛 ヒ<ー [na], [ne]
臥 ト [nu"]
如 [ta]
加 カ か [te]
等 冬 入 の 月 ホ [te(r)]
火 [pe(r)]
立 ⊥/ソ [sje]
方+尓 ム/小 尓 [kum]
矣 ム ∠ [tei]
突 珍 石 [tur]
谷 絲 [sir]
泉 井 乙 [er]
爲 為 ソ [sa(i)], [ha(i)]
令 个 [sei], [hei]
中 十 [kei], [hei]
以 … つ [ru]
- 198 名前:日語商売:2004/02/19(木) 21:25 ID:2WPAUioc
- >>193
最近ソンセンニムがこちらへいらっしゃらなくなって久しいのですが、
以前同じ質問をしたことがあるので僭越ながら返答いたします。
ご質問の『二中歴』の高麗語数詞は、こちらのスレでもしばらく話題になっていた
『鶏林類事』にみられる高麗語の数詞と比較すると、
よく一致するようなそうでもないような感じです。
1と2は『鶏林類事』の「一曰河屯」「二曰途孛」から推定される
*h∧t∧n (または *h∧t∧nah?、中期朝鮮語ではh∧nah)、*tuβur(中期語 tuur) とよく一致します。
ハ行子音がpまたはf(Φ)だった時期、漢字音などのhの音はカ行で写されたことも考えれば
「河屯」にあたる語が「カタナ(カダナ)」と聞こえて書かれたと素直に考えられます。
問題はその後なのですが、3のトヲ(私の見たものではトヰ)、4のサヰは、
『鶏林類事』の「三曰洒」「四曰迺」や、現代語の ses, nes から考えて、
どうも逆になっているようです。
で、「サヰ」は中期語の s∂i(h) を表していると考えられ、
「トヰ(トヲ)」はおそらく中期語の n∂i(h) を表したのではないかと考えられます。
n∂がどうして「ト」になるのか不思議ですが、現代韓国語には語頭のnがしばしば破裂を伴って
nd のように発音される(たとえば日本語が「ディオンゴ」のように聞こえる)くせがあり、
それと同じような発音が古代にもあったため、古代において濁音が鼻音を伴って発音されていた日本語の
話者には、n∂i が「ドイ」のように聞こえたためではないかと推定されています。
- 199 名前:日語商売:2004/02/19(木) 22:01 ID:2WPAUioc
- つづき
5のエスス、6のハススも、『鶏林類事』の「五曰打戌」「六曰逸戌」や中期語、現代語の形から
考えて、逆転していると思われます。
で、「エスス」は中期語の y∂sщs (6)とよく対応するので良いのですが、
「ハスス」の方は中期語の5をあらわす tas∧s とあまり良く一致しません。
あるいは「タスス」の誤写でしょうか?
7から9までの形はもっと混乱しています。
『鶏林類事』の「七曰一急」「八曰逸答」「九曰鴉好」や中期語、現代語の形から考えると、
8のチリクニが7、9のエタリが8にそれぞれ該当する形と考えられます。
7のタリクニは、3と4、5と6の語形が似ていることから、7と8も似てるはずという意識が働いて、
できてしまった間違いでしょう。
で、「チリクニ」は中期語の7の形 nirkup から考えて、「ディリクピ」のような音だと聞いて記録した
ものと考えられます。ni を「チ」と書いていることについては前レス参照。
最後の「ニ」は河野六郎先生によれば「ヒ」の誤写のようです。
「エタリ」は中期語の8、yetщrp (または yet∧rp) を写したものでしょう。
語末の -rp はよく聞こえなかったのか、日本人はrだけを、中国人はpだけを(答 [tαp])写しています。
9は中期語では ahop ですが、『二中歴』では押し出されてどこか行っちゃいましたw
10のエツロ(私が見たものではエツ)は、『鶏林類事』の「十曰噎」や中期語の y∂r と
一致すると見てよいでしょう。
ツはリの誤写のようにも見えますが、rがドゥのように聞こえたのかもしれません。
- 200 名前:日語商売:2004/02/19(木) 22:52 ID:2WPAUioc
- またつづき
これらの高麗語の数詞がいったいどこから入手された情報かは、全くわかりませんが、
誤写とみられる部分を取り除くと、12世紀の中国人が高麗国に行ったついでにかの地の風俗や
言語を記した『鶏林類事』に現れる数詞とよく一致します。
ですから、当時の半島と交易をしていた人々から聞いた情報を記したものではないかと
私自身は思っています。
『二中歴』は平安末期成立の『掌中歴』(三善為康著、1125成立、現存)と『懐中歴』(現存せず)の
内容を誰かがまとめ直したものですので、これもだいたい12世紀頃の高麗国の言語を反映していると
考えたのですが、あるいは>>193さんのおっしゃるように、渡来系の氏族の家庭に伝承された新羅あたりの
数詞を反映させた可能性も否定できないと思います。
しかし、渡来人たちが土着してはや数百年が経った時期であり、半島との交流の表舞台に彼らが立った
時期もとうに過ぎていますから、この時期には既に半島の言語の記憶や伝承はほとんどなくなっていたのでは
ないでしょうか。
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